JPH08332595A - 空缶圧縮機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】両側ロールによる空缶の圧縮作用を終始迅速適
確に行い、騒音の発生を防止すると共に、消費電力を節
減して実用上有益な空缶圧縮機を提供する。 【構成】機枠（１）に一対の両側ロール（２），（２）
を僅小間隙を形成しロール軸（３），（３）により並架
してロール（２），（２）の近接側が下方へ向かうよう
に駆動し、そのロール（２），（２）の外周上にはロー
ル（２）の軸心方向に向かう角形横長の硬鋼製喰込片
（４）、およびその喰込片（４）の反回転側に位置する
押圧板（５）を互いに対応させて設け、ロール（２），
（２）の近接部上方には前後方向に長い空缶案内筒
（６）を設けて該空缶案内筒（６）の後部上に上下方向
の空缶投入筒（７）を取付け、その空缶投入筒（７）の
中心線より後方において空缶案内筒（６）内に空缶当て
片（８）を設けて空缶圧縮機を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、アルミ缶，スチール缶
等の空缶を扁平状に圧縮し空缶の体積を小さくして排出
する空缶圧縮機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種の空缶圧縮機は、図７に示
すように、ドラム（イ）に多数の鋲を植設しその多数の
鋲頭（ロ）によつて外周を粗面になした一対の両側ロー
ル（ハ），（ハ）を僅小間隙を形成してロール軸
（ニ），（ニ）により並架し、そのロール（ハ），
（ハ）の近接部の前方上方に後ろ下方へ傾斜する空缶投
入筒（ホ）を設けてロール（ハ），（ハ）を該ロール
（ハ），（ハ）の近接側が下方へ向かうように駆動す
る。

【０００３】そして、空缶を空缶投入筒（ホ）内に投入
すれば、その空缶はロール（ハ），（ハ）間上に落下
し、該空缶をロール（ハ），（ハ）の鋲頭（ロ），
（ロ）によつてロール（ハ），（ハ）間へ引込みながら
ロール（ハ），（ハ）により圧縮し扁平になしてその圧
縮物を下方へ排出するように構成している。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上記従来の空缶圧縮機
においては、

【０００５】（１） 空缶投入筒が斜め方向になつてい
るから、空缶の滑り込み作用が悪くて空缶が空缶投入筒
内に停滞するおそれがある。

【０００６】（２） 両側ロールの外周には多数の鋲頭
が突出していて空缶を斜め方向に投入するから、投入し
た空缶が両側ロール間上に不安定に落下して空缶を両側
ロール間上にロールと平行な正常状態に定置することが
できない。

【０００７】（３） 両側ロールの鋲頭によつて空缶を
両側ロール間へ引込むから、その鋲頭は空缶に滑り易く
て空缶の引込み作用は悪く、空缶に空滑りの状態となつ
て次に投入した空缶の圧縮作業ができない場合が起り勝
ちである。

【０００８】（４） 両側ロール間への空缶の引込み作
用が悪いから、空缶が両側ロール間上で遊転したり、両
側ロールを駆動する時間が長くて騒音の発生および消費
電力が多いことの点である。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は、空缶を円滑適
切に両側ロール間上へそのロールと平行な状態に供給し
た後、常に確実に両側ロール間へ引込み扁平状に圧縮し
て排出し、両側ロールによる空缶の圧縮作用を終始迅速
適確に行い、騒音の発生を防止すると共に、消費電力を
節減して実用上有益な空缶圧縮機を提供することを目的
とする。

【００１０】すなわち、機枠（１）に一対の両側ロール
（２），（２）を僅小間隙を形成しロール軸（３），
（３）により並架してロール（２），（２）の近接側が
下方へ向かうように駆動し、そのロール（２），（２）
の外周上にはロール（２）の軸心方向に向かう角形横長
の硬鋼製喰込片（４）、およびその喰込片（４）の反回
転側に位置する押圧板（５）を互いに対応させて設け、
ロール（２），（２）の近接部上方には前後方向に長い
空缶案内筒（６）を設けて該空缶案内筒（６）の後部上
に上下方向の空缶投入筒（７）を取付け、その空缶投入
筒（７）の中心線より後方において空缶案内筒（６）内
に空缶当て片（８）を設けて空缶圧縮機を構成し、空缶
を円滑適切に両側ロール間上へそのロールと平行な状態
に供給した後、常に確実に両側ロール間へ引込み扁平状
に圧縮して排出し、両側ロールによる空缶の圧縮作用を
終始迅速適確に行い、騒音の発生を防止すると共に、消
費電力を節減して実用上有益にする目的を、両側ロール
の外周上に角形横長の硬鋼製喰込片およびその反回転側
の押圧板を互いに対応させて設け、上記両側ロール間の
上方に空缶案内筒を配設して該空缶案内筒の後部上に空
缶投入筒を設けると共に、その空缶投入筒の中心線より
後方において上記空缶案内筒内に空缶当て片を設けるこ
とにより実現した。

【００１１】

【実施例】図面は、本発明の一実施態様を示し、その構
成を図面について説明すれば、（１）は空缶圧縮機の機
枠、（２），（２）は機枠（１）の中間部に並架する一
対の両側ロールで、そのロール（２）のロール軸（３）
の両端部を機枠（１）の軸受（９）に回転自在に嵌着す
る。（４）は角形横長の硬鋼を焼入れした喰込片、
（５）は喰込片（４）の反回転側に連続して配設する押
圧板で、ロール（２），（２）の外周の上部上に喰込片
（４），（４）および押圧板（５），（５）をロール
（２）の軸心方向へ向けると共に、左右互いに対応させ
て固定する。（１０）はロール軸（３）の前部に取付け
た鎖車である。

【００１２】（１１）は機枠（１）の一側上部に搭載し
た減速モータで、該減速モータ（１１）の回転軸（１
２）に原動鎖車（１３）を取付ける。（１４）はロール
（２）の下方において機枠（１）の一側中間部に軸杆
（１５）により支持した遊転鎖車で、原動鎖車（１
３），鎖車（１０），（１０），遊転鎖車（１４）に
は、ロール（２），（２）の近接側が下方へ向かつてロ
ール（２），（２）が回転するようにチエン（１６）を
掛けわたす。

【００１３】（６）はロール（２），（２）の近接部の
上方に設けた空缶案内筒で、前後方向に長い長方形に形
成する。（７）は空缶案内筒（６）の後部上に取付けた
上下方向の円筒状の空缶投入筒で、該空缶投入筒（７）
の下部にマイクロスイツチ（１７）を設ける。（８）は
空缶投入筒（７）の中心線より後方において空缶案内筒
（６）の下部内に架設した左右方向の軸杆の空缶当て
片、（１８）は一側ロール（２）の後面下部に後方へ突
設したピン、（１９）はピン（１８）の下方に対向して
機枠（１）に取付けたマイクロスイツチである。

【００１４】（２０）は機枠（１）の外方に取付けた外
壁板、（２１）は機枠（１）の下部内に出し入れ可能に
載置する圧縮物収容箱である。

【００１５】なお、図示してないが、モータ（１１），
マイクロスイツチ（１７），（１９）および電源に電気
回路を形成する。（ａ）はアルミ缶，スチール缶等の空
缶、（ｂ）は空缶（ａ）の圧縮物である。

【００１６】その作用を説明する。図５に実線で示す空
缶（ａ）を縦方向で空缶投入筒（７）内に投入すれば、
その空缶（ａ）は空缶投入筒（７）内から空缶案内筒
（６）内に落入すると同時に、空缶（ａ）の空缶投入筒
（７）内通過によりマイクロスイツチ（１７）が作用し
てモータ（１１）に通電する。

【００１７】従つて、モータ（１１）の回転軸（１２）
が始動し、該回転軸（１２）の原動鎖車（１３）からチ
エン（１６），鎖車（１０），（１０），ロール軸
（３），（３）を経てロール（２），（２）は図１に矢
印で示すように近接側が下方へ向かつて回転する。

【００１８】一方、空缶案内筒（６）内に落入した空缶
（ａ）は図５に鎖線で示すように該空缶（ａ）の後部が
空缶当て片（８）に当り、自重によつて図５に矢印で示
すように空缶当て片（８）を支点とし空缶案内筒（６）
の両側壁に案内されて前方へ回動し、図５に点線で示す
ように横方向になり図６（イ）に示すようにロール
（２），（２）の近接部上にロール（２），（２）と平
行な状態に落下する。

【００１９】そこで、ロール（２），（２）の喰込片
（４），（４）が空缶（ａ）に至つたとき、喰込片
（４），（４）の外端の回転側角部が空缶（ａ）の両側
部に喰込み、空缶（ａ）に空滑りすることなく空缶
（ａ）をロール（２），（２）間へ引込み、その後、図
６（ロ）に示すように喰込片（４），（４）の外端部が
空缶（ａ）の両側部内に喰込んで空缶（ａ）を圧縮し始
める。

【００２０】その後は、ロール（２），（２）の回転に
伴つて図６（ハ）に示すようにロール（２），（２）の
喰込片（４），（４）により空缶（ａ）を確実にロール
（２），（２）間へ引込んで下方へ送り、その空缶
（ａ）を順次押圧板（５），（５）により押圧して扁平
状に圧縮する。

【００２１】次いで、ロール（２），（２）の回転に伴
つて、図６（ニ）に示すように空缶（ａ）全体が扁平状
になつて空缶（ａ）の圧縮物（ｂ）が形成されると共
に、喰込片（４），（４）が圧縮物（ｂ）から脱離し、
その後、その圧縮物（ｂ）が図６（ホ）に示すようにロ
ール（２），（２）間から下方に離放されて該圧縮物
（ｂ）は圧縮物収容箱（２１）内に落入する。

【００２２】ロール（２），（２）が一回転すると、図
１に示すように一側ロール（２）のピン（１８）がマイ
クロスイツチ（１９）に当つて該マイクロスイツチ（１
９）が作用し、モータ（１１）への通電が止つてモータ
（１１）の回転軸（１２）および該回転軸（１２）に連
結したロール（２），（２）の回転は停止する。

【００２３】以下順次、空缶（ａ）を空缶投入筒（７）
内に投入する毎に上記作用が繰返されて圧縮物（ｂ）は
圧縮物収容箱（２１）内に貯留される。

【００２４】なお、上記空缶案内筒（６）は、両側板の
前部および後部を支持杆でそれぞれ連結した構成にして
も、上記と同様に作用する。

【００２５】空缶案内筒（６）内の空缶当て片（８）
は、上記軸杆に代えて板体になしてもよい。

【００２６】

【発明の効果】本発明の空缶圧縮機は、下記のような利
点がある。

【００２７】（１） 両側ロール間の上方に前後方向に
長い空缶案内筒を設けてその空缶案内筒の後部上に上下
方向の空缶投入筒を取付け、該空缶投入筒の中心線より
後方において上記空缶案内筒内に空缶当て片を設けた。
従つて、

【００２８】（イ） 空缶投入筒内に投入する空缶は、
空缶投入筒内に停滞することなく確実迅速に空缶投入筒
内を落下して空缶案内筒の後部内に落入する。

【００２９】（ロ） 空缶は、空缶案内筒内に落入する
とその後部が空缶当て片に当り、自重によつて上記空缶
当て片を支点とし空缶案内筒の両側壁間を前方へ回動し
て横方向になり、常に両側ロール間上に該ロールと平行
な状態で供給され、空缶を両側ロール間上へ安定して配
置できる。

【００３０】（２） 両側ロールの外周上には、ロール
の軸心方向に向かう角形横長の硬鋼製喰込片およびその
喰込片の反回転側に位置する押圧板を互いに対応させて
設けた。従つて、

【００３１】（イ） 両側ロールの硬い喰込片の鋭利な
外方角部が空缶の両側部に喰込み易いから、喰込片が空
缶に空滑りすることなく確実に空缶に喰込んで空缶を両
側ロール間へ引込む。

【００３２】（ロ） 喰込片の反回転側に位置する押圧
板によつて喰込片を補強するから、喰込片の変形を防止
し、更に、喰込片の硬鋼製と相俟つて喰込片の寿命は大
である。

【００３３】（ハ） 両側の押圧板によつて空缶を圧縮
するから、空缶を極力扁平状に圧縮することができる。

【００３４】（３） 簡単に構成して容易安価に製作で
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施態様を示す空缶圧縮機の正面図
で、前壁板を取除いて示す。

【図２】同上側面図で、側壁板を取除いて示す。

【図３】同上平面図で、上壁板を取除いて示す。

【図４】同上作用要部の斜面図で、一部を切欠して示
す。

【図５】その投入した空缶の作用状態を示す要部の作用
説明側断面図である。

【図６】空缶の圧縮作用状態を示す要部の作用説明正面
図である。

【図７】従来の空缶圧縮機の正面図で、一部を切断して
示す。

【符号の説明】

ａ 空缶 ｂ 圧縮物 １ 機枠 ２ ロール ３ ロール軸 ４ 喰込片 ５ 押圧板 ６ 空缶案内筒 ７ 空缶投入筒 ８ 空缶当て片 ９ 軸受 １０ 鎖車 １１ モータ １２ 回転軸 １３ 原動鎖車 １４ 遊転鎖車 １５ 軸杆 １６ チエン １７ マイクロスイツチ １８ ピン １９ マイクロスイツチ ２０ 外壁板 ２１ 圧縮物収容箱 イ ドラム ロ 鋲頭 ハ ロール ニ ロール軸 ホ 空缶投入筒

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 機枠に一対の両側ロールを僅小間隙を形
   成しロール軸により並架して上記両側ロールの近接側が
   下方へ向かうように駆動し、上記両側ロールの外周上に
   は該ロールの軸心方向に向かう角形横長の硬鋼製喰込
   片、およびその喰込片の反回転側に位置する押圧板を互
   いに対応させて設け、上記両側ロールの近接部上方には
   前後方向に長い空缶案内筒を設けて該空缶案内筒の後部
   上に上下方向の空缶投入筒を取付け、その空缶投入筒の
   中心線より後方において上記空缶案内筒内に空缶当て片
   を設けたことを特徴とする空缶圧縮機。