JPH08332535A - 金属二重管の製造方法及び装置 - Google Patents

金属二重管の製造方法及び装置

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JPH08332535A
JPH08332535A JP14031395A JP14031395A JPH08332535A JP H08332535 A JPH08332535 A JP H08332535A JP 14031395 A JP14031395 A JP 14031395A JP 14031395 A JP14031395 A JP 14031395A JP H08332535 A JPH08332535 A JP H08332535A
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pressure
pipe
hydraulic
sealing
seal
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JP14031395A
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English (en)
Inventor
Tetsuo Atsumi
哲郎 渥美
Mamoru Nishikawa
護 西川
Toshihiko Watanabe
俊彦 渡辺
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Sumitomo Light Metal Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Light Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 液圧拡管による金属二重管の製造に際し、内
管管端のシール液圧を、連続して変化する拡管圧力に対
して一定範囲増加させた高い圧力において印加する際
に、該圧力を、自動的に且つ高速で連続的に制御する。 【構成】 弾塑性変形特性の異なる2種類の金属管を内
管2及び外管4として用い、該内管2の管端側部位を管
端シール装置6にてシールしつつ、該内管2内側から拡
管圧力を作用せしめる液圧拡管によって両管を圧着せし
めて、二重管を製造するに際し、該シール装置6に印加
されるシール圧力を連続的に検出する一方、液圧拡管に
おける拡管圧力を連続的に検出せしめ、それら二つの圧
力検出値に基づいて、該シール装置6に対してシール圧
シリンダ30から拡管圧力よりも常に高い圧液を供給し
て、かかるシール圧力が拡管圧力より高い所定範囲の圧
力値に制御されるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、火力や原子力等の発電プラン
ト、化学工場等のプラントにおける海水使用熱交換器に
使用される二重管構造の伝熱管として有用な金属二重管
の、液圧拡管による製造方法及び製造装置に関するもの
であって、更に具体的には、内管管端の拡管液圧をシー
ルするための液圧加圧式シール装置におけるシール液圧
の自動的な制御方法並びにそのための装置に関するもの
である。
【0002】
【背景技術】従来から、金属製の内管と外管とを嵌合
し、相互に密着させて二重管を製造する方法としては、
両管の熱膨張差を利用した方法、抽伸法、圧力流体(圧
力水)による拡管法等が知られている。なかでも、銅合
金管と薄肉チタン管とを構成材料とした場合のように、
両管の変形抵抗が大きく異なる場合には、それら両管を
嵌合せしめた二重管の界面において良好な密着性を得る
ために、常温或いは高温の圧力水による液圧拡管法の採
用が好適となる。
【0003】ところで、かかる液圧拡管法による二重管
の製造に際しては、構成される内管と外管の弾塑性変形
特性の違いを利用して、両管が圧着せしめられることと
なるところから、内管の弾性限(=耐力/ヤング率)
は、外管のそれに比較して低くする必要がある。そし
て、その条件を満たす外管と内管とを嵌合せしめた後、
内管内側から液圧を加えて拡管せしめ、そして液圧を除
去することにより、両管の弾塑性変形量の違いとその状
態の維持によって、二重管の良好な密着状態が実現され
ることとなるのである。
【0004】そして、そのような二重管の製造工程にお
いて、外管に比較して弾性限の低い内管は、その円周方
向の変形に追随して、管軸方向には縮小変形が生じるこ
ととなるが、それら両管の良好な密着状態を得るために
は、そのような管軸方向の縮小変形をフリーな状態で生
じさせる必要がある。また、拡管圧力が最大値として2
0〜40MPaと、非常に高いことから、内管の液圧シ
ールには充分な液密性を維持させる必要がある。この内
管の液圧シールが不充分であると、液圧拡管の際に外管
と内管との界面に圧液が浸透し、それら両管の界面にお
いて良好な密着状態が得られず、製造された二重管は伝
熱管等として満足する性能を示さなくなるのである。
【0005】このため、かかる観点から、本発明者ら
は、先に、外部からの加圧によって内管外周面に密着し
て液圧シールを可能とする管端液圧シール手段を、外管
より突出させられた内管の管端部位に設け、拡管圧力よ
りも一定範囲の値を増加させた高い圧力を、外部より常
に該液圧シール手段に付加して、内管管端の液圧シール
を行ないながら、液圧拡管により二重管を製造する方法
を見出し、これを別途特許出願した。そして、この方法
の採用により、内管管端の液圧シールは、略充分な状態
で維持され得ることとなったのである。
【0006】しかしながら、そのような拡管液圧シール
手段を用いた内管の液圧シール手法にあっても、液圧拡
管に際して、所定の拡管量を得るためには、拡管液圧が
比較的高速で変化させられることとなるところから、管
端液圧シール手段に対するシール液圧印加のタイミング
にズレが生じる問題があり、例えば、シール液圧の増加
速度が遅れて、拡管液圧よりもシール液圧が低くなる
と、最早、内管との間において液密性を維持し得ない問
題を惹起し、またシール液圧の増加速度が拡管液圧の増
加速度よりも速くなり過ぎると、拡管液圧よりも著しく
高くなったシール液圧によって、内管が変形する問題が
内在しているのである。
【0007】
【解決課題】ここにおいて、本発明は、かかる事情を背
景にして為されたものであって、その課題とするところ
は、液圧拡管による金属二重管の製造において、充分な
密着性を得るために、内管管端のシール液圧を、連続し
て変化する拡管圧力に対して一定範囲増加させた高い圧
力において外部より印加する際に、その圧力を、自動的
に且つ高速で連続的に制御可能とした方法並びに装置を
提供することにある。
【0008】
【解決手段】そして、本発明は、そのような課題解決の
ために、弾塑性変形特性の異なる2種類の金属管を外管
及び内管として用い、該外管に対して嵌合せしめた該内
管を該外管の管端よりも所定長さ突出させた状態下にお
いて、該外管の管端側部位を固定する一方、該外管より
突出させられた該内管の管端側部位を液圧加圧式シール
装置にてシールしつつ、該内管内側から拡管圧力を作用
せしめる液圧拡管によって両管を圧着せしめて、金属二
重管を製造するに際して、前記液圧加圧式シール装置に
印加されるシール圧力を連続的に検出する一方、前記液
圧拡管による拡管圧力を連続的に検出せしめ、それら二
つの圧力検出値に基づいて、該液圧加圧式シール装置に
対して所定のシール圧液供給手段から拡管圧力よりも常
に高い圧液を供給して、かかるシール圧力を、該拡管圧
力より高い所定範囲の圧力値に制御せしめるようにした
ことを特徴とする金属二重管の製造方法を、その要旨と
するものである。
【0009】また、本発明は、上記した金属二重管の製
造方法に用いられる装置として、弾塑性変形特性の異な
る2種類の金属管を外管及び内管として用い、該外管に
対して嵌合せしめた該内管を該外管の管端よりも所定長
さ突出させた状態下において、該外管の管端側部位を固
定する一方、該外管より突出させられた該内管の管端側
部位を液圧加圧式シール装置にてシールしつつ、該内管
内側から拡管圧力を作用せしめる液圧拡管によって両管
を圧着せしめて、金属二重管を製造するようにした装置
にして、(a)前記液圧加圧式シール装置に印加される
シール圧力を連続的に検出し、該シール圧力に対応した
信号を出力するシール圧力検出手段と、(b)前記液圧
拡管のための拡管圧力を連続的に検出し、該拡管圧力に
対応した信号を出力する拡管圧力検出手段と、(c)そ
れらシール圧力検出手段及び拡管圧力検出手段からそれ
ぞれ出力される圧力信号に基づいて、前記シール圧力が
前記拡管圧力よりも常に高く且つそれらの圧力差が所定
の範囲内となるように制御信号を出力する制御手段と、
(d)該制御手段からの制御信号によって、前記液圧加
圧式シール装置に対して前記拡管圧力よりも高い圧液を
供給するシール圧液供給手段とを、有することを特徴と
する金属二重管の製造装置を、その要旨とするものであ
る。
【0010】
【作用・効果】ところで、シール液圧の印加のタイミン
グに生じるズレを解消するには、拡管圧力を連続的に且
つ高速で測定しつつ、その拡管圧力の測定値よりも常に
一定範囲内において増加させた液圧が、シール用液圧と
して連続的に印加せしめられるように制御することが必
要となる。
【0011】而して、上記の本発明に従う構成によれ
ば、液圧拡管により二重管を製造するに際して、拡管圧
力と共に、液圧加圧式シール装置に印加されるシール圧
力が連続的に検出され、そしてそれら二つの圧力検出値
に基づいて、液圧加圧式シール装置に供給される圧液の
圧力が拡管圧力よりも高い所定範囲の圧力値となるよう
に制御せしめられることとなるところから、変化する拡
管圧力に追随して、その圧力よりも一定範囲内の値にお
いて高められたシール圧力を、液圧加圧式シール装置に
常に印加せしめることが連続的に行なわれ得、且つその
ようなシール圧力を高速で制御することが可能となった
のであり、以て変形を惹起することなく、充分な内管管
端の液圧シールが達成され得たのである。
【0012】このように、本発明に従う方法や装置の採
用によって、液圧拡管法による金属二重管の製造におい
て、内管管端の液圧シールが自動制御可能となり、充分
な界面密着性を有する二重管の安定な製造が実現され得
たのであり、また二重管の製造コストの低減が効果的に
為され、より安価な製品の供給が可能となったのであ
る。
【0013】
【具体的構成】以下、本発明に従う方法及び装置につい
て、図面に示される代表的な具体例に基づいて、更に詳
細に説明することとする。
【0014】先ず、図1において、2及び4は、それぞ
れ、目的とする金属二重管を構成する内管及び外管であ
り、弾塑性変形特性の異なる2種類の金属管が用いられ
ている。そして、それら金属管のうち、弾性限(=耐力
/ヤング率)の低いものが内管2として用いられ、ま
た、それよりも弾性限の高いものが外管4として用いら
れて、二重管の良好な密着状態が形成されるようになっ
ている。
【0015】そして、かかる内管2と外管4とは、該外
管4内に該内管2が挿入せしめられることによって嵌合
され、更に該外管4の管端よりも該内管2が所定長さ突
出せしめられており、そのような状態の内管2及び外管
4の管端部位に対して、それぞれシール及びクランプが
行なわれるようになっている。なお、図1では、外管4
の端面が管端シール装置6に当接せしめられた状態にお
いて、所定のクランプ装置(図示せず)にて機械的に固
定せしめられるようになっている一方、内管2の突出せ
しめられた管端部位が管端シール装置6内に挿入され、
外部から供給される圧液によるシール圧力の印加によっ
て、該管端シール装置6が、内管2の外周面に対して密
着して、それらの間に目的とする液圧シールが実現され
るようになっている。また、ここでは、一方の管端部位
に対するクランプ及び液圧シールしか示されていない
が、他方の管端部位に対しても、同様なクランプ及び液
圧シールが実施されるようになっている。
【0016】なお、この内管2の管端側部位をシールせ
しめる液圧加圧式シール装置たる管端シール装置6とし
ては、例えば、図2に示される如き構造のものが用いら
れることとなる。即ち、そこにおいて、外管4の管端側
部位が、外管固定装置8たる上クランプ8aと下クラン
プ8bとによる挟持によって、従来と同様に機械的に固
定され得るようになっている一方、外管4より突出せし
められた内管2の管端側部位の外周には、液圧ヘッド1
0の先端部に取り付けられた割型ブロック構造の管端シ
ール装置6が配置されている。また、この管端シール装
置6には、図から明らかな如く、外管固定装置8を構成
する上クランプ8a及び下クランプ8bが係合、固定せ
しめられるようになっている。
【0017】また、かかる割型ブロック構造の管端シー
ル装置6は、それぞれ貫通孔を有する本体ブロック6a
と蓋体ブロック6bとから構成され、該本体ブロック6
aの貫通孔の周りに形成された段付き部に、弾性材料か
らなる略U字型リング形状のシール部材12を収容した
状態下において、蓋体ブロック6bが固定ボルト14に
て本体ブロック6aに対して固定せしめられることによ
って、目的とするシール装置が構成されている。なお、
シール部材12は、径方向外方に開口する略U字型の横
断面形状をもって、内管2の外周に位置するようなU字
型リング形状乃至は船底型リング形状を呈している。そ
して、そのようなシール部材12が、シール装置6内に
収容保持せしめられることにより、そのU字形状の内側
空所16にてリング状の圧液室18が形成され、更にこ
の圧液室18に対して、圧液供給口20を通じて、外部
から所定の圧液が供給されて、目的とするシール圧力が
印加せしめられるようになっている。
【0018】従って、このような管端シール装置6にセ
ットしたシール部材12の内部に形成される圧液室18
に対して、外部から所定の圧液が供給されると、シール
部材12は、本体ブロック6aと蓋体ブロック6bとに
よって管軸方向(図において左右方向)の変形が拘束さ
れつつ、そのU字の湾曲底部が縮径変形して、内管2の
外周面に線接触若しくは面接触により密着して、所望の
液圧シールを形成することとなるのである。このように
シール部材12は、外部からの圧液の供給による加圧に
よって変形して、内管2管端の高液密性を維持し、更に
拡管対象管の液圧拡管加工前後の装脱着も容易ならしめ
るために、かかるシール部材12は、適用圧力範囲内に
おいて弾性特性を示す材質よりなることが望ましく、特
に硬質ゴム等のシール材質が好適に採用されることとな
る。
【0019】なお、かかるシール部材12を保持する本
体ブロック6aと蓋体ブロック6bとは、該シール部材
12の内管管軸方向における変形を阻止しつつ、シール
部材12の内周部が縮径変形し得るように支持するもの
であって、シール部材12に対して、印加液圧を伝達可
能な構造とされている。特に、それらブロック6a、6
bには、シール部材12による良好な液密性維持のため
に、該シール部材12自体の管軸方向の移動を阻止し得
るようなシール部材保持構造が必要であって、更には、
シール部材12の耐久性維持のために、その過剰な変形
を防止し、且つシール部材12の変形をシール対象の内
管外周部に極力限定するために、シール部材12の変形
を管軸方向において一定範囲に拘束し得るような構造と
されている。
【0020】そして、このように内管2及び外管4の管
端部位を支持せしめた状態下において、液圧拡管せしめ
るに際しては、管端シール装置6への外部からの圧液の
供給によって、シール部材12を変形させて、内管2の
外周面に線接触若しくは面接触させて圧着せしめること
によって、液圧シールを実現させる一方、液圧ヘッド1
0を通じて、従来と同様に圧液が供給されることによ
り、拡管圧力が内管2の内側に作用せしめられ、以て目
的とする液圧拡管が行なわれることとなる。
【0021】ところで、かくの如き管端シール装置6に
て、外管4より突出させられた内管2の管端側部位を液
圧シールしつつ、内管2の内側から拡管圧力を作用せし
めて液圧拡管するに際して、拡管液圧は、図1に示され
る如く、水圧シリンダ22と油圧シリンダ24とを組み
合わせてなる拡管液圧出力装置から供給される圧液にて
与えられ、この圧液が、液圧ヘッド10を通じて(図2
参照)管端シール装置6に導かれて、該管端シール装置
6内に収容保持された内管2の内側から拡管圧力として
作用せしめられるようにされるのである。そして、この
水圧シリンダ22と管端シール装置6との間の圧液供給
通路上に、拡管圧力検出手段たる圧力センサ26が設け
られており、この圧力センサ26によって、拡管圧力が
連続的に検出され、変化する拡管圧力に対応した信号を
連続的に出力するようになっている。なお、28は、温
水タンクから圧液供給通路内に、圧力媒体としての温水
の給排を行なうためのバルブである。
【0022】一方、管端シール装置6に対して所望のシ
ール圧力を印加せしめるべく、シール圧シリンダ30と
それを駆動するサーボモータ32からなる管端シール用
液圧出力装置が設けられており、この管端シール用液圧
出力装置から吐出されたシール圧液が、内管2の両端に
それぞれ配置される管端シール装置6、6に供給される
ようになっている。そして、このシール圧液の供給通路
には、シール圧力検出手段たる圧力センサ34が設けら
れており、管端シール装置6に対して印加されるシール
圧力を連続的に検出し、該シール圧力に対応した信号を
出力し得るようになっている。なお、水タンク36から
バルブ38を介して、シール圧液供給通路に対して、圧
力媒体としての水が供給され得るようになっている。
【0023】そして、それぞれの圧液供給通路に設けら
れた圧力センサ26及び34にて、連続的に検出され、
出力される信号は、それぞれ、制御装置40に入力せし
められ、そこで、それら二つの圧力信号に基づいて演算
が行なわれ、シール圧力が拡管圧力よりも常に高く、且
つそれらの圧力差が所定の範囲内となるように、制御信
号が、管端シール用液圧出力装置のサーボモータ32に
対して出力せしめられるのであり、以てサーボモータ3
2の駆動が、制御装置40からの制御信号によって制御
されることにより、管端シール装置6に対して、拡管圧
力よりも高い圧液がシール圧シリンダ30から供給せし
められるようになっているのである。
【0024】かくして、二つの圧力センサ26及び34
にて、拡管圧力及びシール圧力をそれぞれ連続的に測定
しつつ、それら得られた圧力データから、演算により、
拡管圧力測定値よりも常に一定範囲で増加させた液圧が
シール用液圧として連続的に印加されるように、制御す
ることが可能となったのであり、以てシール用液圧印加
のタイミングに生じるズレが効果的に解消され得ること
となったのである。なお、そのようなシール圧力の拡管
圧力に対する増加分:dPは、適宜に選定されることと
なるが、一般に0.3MPa以上、4MPa以下の範囲
内とされる。そのような増加分:dPが0.3MPa未
満の場合には、管端シール装置6による内管2の内面の
液密性の維持が不充分となるからであり、また4MPa
を越えるようになると、内管2の管軸方向への縮小変形
の抵抗となったり、或いはシール液圧により内管2が変
形して、液密性の維持が不可能となり、良好な界面密着
性を有する二重管を安定して得ることが困難となる等の
問題を惹起する。
【0025】なお、かくの如き装置において、拡管圧力
やシール圧力の検出手段たる圧力センサ26や34とし
ては、それらの圧力値が連続して検出可能であり、その
検出値に対応した信号が出力され得るものであれば、公
知の如何なる圧力センサをも用い得るものであるが、特
に自動制御のために、その圧力検出値を電気信号に変換
して出力する機構を備えたものであることが望ましい。
そして、そのような電気信号の出力は、高速での制御を
可能ならしめるために、アナログ方式のものが好適であ
る。
【0026】また、検出された二つの圧力信号に基づい
て演算を行なう制御装置40は、シール液圧を、変化す
る拡管圧力に対して、常に一定範囲において増加させた
値に制御するために、圧力センサ26及び34において
得られる拡管圧力とシール圧力の二つの検出値を、電気
信号等として入力し、それらの差を演算すると共に、そ
の差に応じて、必要とするシール圧力を外部より印加せ
しめるための電気信号等の制御信号を出力する機能を具
備するものであって、特に、演算/出力までの応答が高
速であるものが好適に用いられることとなる。
【0027】さらに、シール圧液供給手段たる管端シー
ル用液圧出力装置(30、32)としては、上記の如き
制御装置40において出力される電気信号等の制御信号
に応じて、所望のシール液圧を与える圧液を供給し得る
機能を具備するものが用いられ、その機能において、圧
力最大値が、当然のことながら、使用する拡管圧力より
も高く為され得るものであることが必要であり、また、
その出力応答速度は、制御上、高速である程、好ましい
とされる。
【0028】ところで、かかる図1に示される具体例に
おいては、シール圧液供給手段としての管端シール用液
圧出力装置は、シール圧シリンダ30とサーボモータ3
2とから構成されているが、これに何等限定されるもの
ではなく、本発明に従う前記した機能を有する装置の何
れもが採用可能であり、例えば、その他の装置の一例
が、図3に示されている。
【0029】すなわち、図3に示される具体例において
は、管端シール用液圧出力装置は、No.1〜No.6の6
種の水圧シリンダ42を有しており、そのうちのNo.1
水圧シリンダ42は、水圧ポンプ44にてポンプ作動せ
しめられるようになっている一方、No.2〜No.6の水
圧シリンダ42は、拡管液圧出力装置(22、24)か
ら供給される拡管液圧によって、ポンプ作動せしめられ
るようになっている。具体的には、No.1の水圧シリン
ダ42の吐出側並びにNo.2〜No.6の水圧シリンダ4
2の吐出側及び拡管液圧作用側に、それぞれ、バルブ4
6及び48が設けられており、それらバルブ46及び4
8が、制御装置40にて開閉制御せしめられるようにな
っていると共に、No.1の水圧シリンダ42をポンプ作
動せしめる水圧ポンプ44も、制御装置40にて駆動、
制御せしめられるようになっている。
【0030】従って、圧力センサ26において検出され
る拡管液圧に応じて、管端シール用液圧出力装置におい
て使用される水圧シリンダ42を選択し、その選択され
た水圧シリンダ42前後のバルブ46、48を開とする
ことにより、目的とするシール液圧が出力されるように
なるのであり、またそのようなシール液圧は、圧力セン
サ34にて連続的に検出されて、制御装置40において
演算され、拡管液圧よりも常に一定範囲内の高さとなる
ように制御されているのである。なお、各水圧シリンダ
42には、水圧ポンプ44による圧力或いは拡管液圧そ
のものが付加されており、これによって制御装置40に
て制御されるシール液圧が発生せしめられるようになっ
ているのである。
【0031】
【実施例】以下に、本発明の実施例を示し、本発明を更
に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、その
ような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるも
のでないことは、言うまでもないところである。また、
本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記の具体
的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおい
て、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良
等を加え得るものであることが、理解されるべきであ
る。
【0032】実施例 1 図1に示される如き構成の装置を用いて、内管2の管端
液圧シールを自動制御した。なお、圧力センサ26、3
4としては、何れも、市販の圧力トランスミッタ(計測
圧力:最大49MPa)を用い、電気信号は4〜20m
AのDCアナログ出力とした。また、制御装置40とし
ては、A/D変換機能、信号演算機能及び演算値に対応
した信号出力機能を有し、出力応答速度が50ms以下
の市販の調整器を用い、出力信号には、DC電圧±10
Vのアナログ方式を選択した。更に、シール圧液供給手
段たる管端シール用液圧出力装置は、ボア径50mmの
水圧シリンダ30とサーボモータ32並びに該サーボモ
ータ32の回転運動を往復運動に変換する変換ギア(図
示せず)とによって、構成した。そして、サーボモータ
32は、最大回転数1200rpm、最大トルク20.
7N・mの能力を選択し、その回転数及びトルクは、上
述の制御装置(調整器)40から出力されるDC電圧に
よって制御可能とした。また、サーボモータ32の回転
運動は、変換ギアによって、シリンダーピストンの往復
運動に変換され、シール液圧が出力、制御されるように
なっている。
【0033】そして、以上の如き構成の装置において、
内管管端の液圧シールを自動制御しながら、以下の材
質、寸法及び0.2%耐力値(σ0.2 )の2種類の管を
構成材料とした金属二重管を、90℃の温水からなる圧
力水を用いる液圧拡管法により製作した。拡管条件及び
管端シール条件を併せて、以下に示す。 構成材料 外 管:アルミニウム黄銅管(JIS−H3300−C6871) 外径25.2mm×厚さ0.95mm×長さ13200mm σ0.2 :324N/mm2 内 管:溶接チタン管(JIS−H4631−TTH28W) 外径22.0mm×厚さ0.3mm×長さ13800mm σ0.2 :226N/mm2 製作二重管寸法 外径25.4mm×厚さ1.25mm×長さ12198mm 拡管、管端シール条件 拡管圧力:最高30MPa 管端シール圧力:拡管圧力+0.7MPa
【0034】かくの如き条件下において、目的とする二
重管を30本製造したが、それらの製造中における管端
シール圧力は、設定値±0.2MPaの範囲に、応答速
度10msで制御され、拡管圧力への追随性は良好であ
って、管端シールも充分な液密性が維持され、且つ内管
管端の変形も生じなかった。また、製造された二重管の
界面密着力は、平均68N/cm2 であり、同一寸法の
アルミニウム黄銅管に対する熱通過率比も91±2%で
あって、良好な性能を示した。
【0035】実施例 2 実施例1と同様な構成の装置を用いて、内管管端のシー
ル圧力を自動制御しながら、以下の材質、寸法及び0.
2%耐力値(σ0.2 )の2種類の管を構成材料とした金
属二重管を、90℃の温水を圧力媒体とする液圧拡管法
によって製作した。また、拡管条件及び管端シール条件
も、以下の通りであった。 構成材料 外 管:溶接チタン管(JIS−H4631−TTH35W) 外径24.7mm×厚さ0.3mm×長さ19500mm σ0.2 :396N/mm2 内 管:アルミニウム黄銅管(JIS−H3300−C6871) 外径23.8mm×厚さ0.95mm×長さ20000mm σ0.2 :202N/mm2 製作二重管寸法 外径25.4mm×厚さ1.25mm×長さ18295mm 拡管、管端シール条件 拡管圧力:最高36MPa 管端シール圧力:拡管圧力+1.0MPa
【0036】かかる条件下において、目的とする二重管
の20本を製造したが、それらの製造中における管端シ
ール圧力は、設定値±0.3MPaの範囲に、応答速度
10msで制御され、拡管圧力への追随性は良好であっ
て、管端シールも充分な液密性が維持され、且つ内管管
端の変形も生じなかった。また、製造された二重管の界
面密着力は、平均39N/cm2 であり、同一寸法のア
ルミニウム黄銅管に対する熱通過率比も88±2%であ
って、良好な性能を示した。
【0037】実施例 3 図3に示される如き構成の装置を用いて、内管2の管端
シール液圧を自動制御しつつ、液圧拡管を行ない、目的
とする金属二重管を製作した。なお、図3に示される装
置において、シール圧液供給手段たる管端シール用液圧
出力装置として選択された水圧シリンダ42、同シリン
ダの圧力源並びに出力圧力/付加圧力比及び使用拡管液
圧範囲は、以下の通りであった。そして、本構成装置の
使用により、管端シール液圧は、同液圧の拡管液圧に対
する増加分が0.49MPa以上、1.47MPa以下
に制御されるようになっている。また、ここでの圧力セ
ンサ34でのシール圧力の検出は、圧力確認として用い
られている。
【0038】
【0039】そして、このような構成の装置を用いて、
以下の材質、寸法及び0.2%耐力値(σ0.2 )の2種
類の管を構成材料とした金属二重管を、以下の拡管条件
下において、90℃の温水を用いた液圧拡管法により製
作した。 構成材料 外 管:アルミニウム黄銅管(JIS−H3300−C6871) 外径37.7mm×厚さ0.95mm×長さ24400mm σ0.2 :324N/mm2 内 管:溶接チタン管(JIS−H4631−TTH28W) 外径34.8mm×厚さ0.3mm×長さ25000mm σ0.2 :226N/mm2 製作二重管寸法 外径38.1mm×厚さ1.25mm×長さ23000mm 拡管条件 拡管圧力:最高22MPa
【0040】かくの如き条件下において、目的とする二
重管の50本を製造したが、それらの製造中における管
端シール圧力は、拡管圧力に対する増加分が0.49M
Pa以上、1.47MPa以下に、応答速度50msで
制御され、拡管圧力への追随性は良好であって、管端シ
ールも充分な液密性が維持され、且つ内管管端の変形も
生じなかった。また、かかる製造された二重管の界面密
着力は、30〜50N/cm2 の範囲にあり、同一寸法
のアルミニウム黄銅管に対する熱通過率比も90〜95
%となって、それら製作された二重管は、何れも良好な
性能を示すものであることを認めた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う金属二重管の製造装置における内
管管端シール液圧の制御システムの一例を示す説明図で
ある。
【図2】図1において用いられる管端シール機構の一例
を示す断面説明図である。
【図3】本発明に従う金属二重管の製造装置に採用され
る内管管端シール液圧の制御システムの他の一例を示す
説明図である。
【符号の説明】
2 内管 4 外管 6 管端シール装置 6a 本体ブロック 6b
蓋体ブロック 8 外管固定装置 8a 上クランプ 8b
下クランプ 10 液圧ヘッド 12 シール部材 14 固定ボルト 16 内側空所 18 圧液室 20 圧液供給口 22、42 水圧シリンダ 24 油圧シリンダ 26、34 圧力センサ 28、38、46、4
8 バルブ 30 シール圧シリンダ 32 サーボモータ 36 水タンク 40 制御装置 44 水圧ポンプ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 弾塑性変形特性の異なる2種類の金属管
    を外管及び内管として用い、該外管に対して嵌合せしめ
    た該内管を該外管の管端よりも所定長さ突出させた状態
    下において、該外管の管端側部位を固定する一方、該外
    管より突出させられた該内管の管端側部位を液圧加圧式
    シール装置にてシールしつつ、該内管内側から拡管圧力
    を作用せしめる液圧拡管によって両管を圧着せしめて、
    金属二重管を製造するに際して、 前記液圧加圧式シール装置に印加されるシール圧力を連
    続的に検出する一方、前記液圧拡管による拡管圧力を連
    続的に検出せしめ、それら二つの圧力検出値に基づい
    て、該液圧加圧式シール装置に対して所定のシール圧液
    供給手段から拡管圧力よりも常に高い圧液を供給して、
    かかるシール圧力を、該拡管圧力より高い所定範囲の圧
    力値に制御せしめるようにしたことを特徴とする金属二
    重管の製造方法。
  2. 【請求項2】 弾塑性変形特性の異なる2種類の金属管
    を外管及び内管として用い、該外管に対して嵌合せしめ
    た該内管を該外管の管端よりも所定長さ突出させた状態
    下において、該外管の管端側部位を固定する一方、該外
    管より突出させられた該内管の管端側部位を液圧加圧式
    シール装置にてシールしつつ、該内管内側から拡管圧力
    を作用せしめる液圧拡管によって両管を圧着せしめて、
    金属二重管を製造するようにした装置にして、 前記液圧加圧式シール装置に印加されるシール圧力を連
    続的に検出し、該シール圧力に対応した信号を出力する
    シール圧力検出手段と、 前記液圧拡管のための拡管圧力を連続的に検出し、該拡
    管圧力に対応した信号を出力する拡管圧力検出手段と、 それらシール圧力検出手段及び拡管圧力検出手段からそ
    れぞれ出力される圧力信号に基づいて、前記シール圧力
    が前記拡管圧力よりも常に高く且つそれらの圧力差が所
    定の範囲内となるように制御信号を出力する制御手段
    と、 該制御手段からの制御信号によって、前記液圧加圧式シ
    ール装置に対して前記拡管圧力よりも高い圧液を供給す
    るシール圧液供給手段とを、有することを特徴とする金
    属二重管の製造装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003205311A (ja) * 2001-11-08 2003-07-22 Bestex Kyoei Co Ltd パイプ部材
JP2007030876A (ja) * 2001-11-08 2007-02-08 Bestex Kyoei Co Ltd パイプ部材
JP2015081553A (ja) * 2013-10-22 2015-04-27 株式会社スギノマシン 液圧式拡管装置
CN109954804A (zh) * 2019-04-23 2019-07-02 珠海格力智能装备有限公司 一种胀管机的控制方法及装置、存储介质和处理器

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