JPH08331693A - 磁歪水中振動装置 - Google Patents

磁歪水中振動装置

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JPH08331693A
JPH08331693A JP8057972A JP5797296A JPH08331693A JP H08331693 A JPH08331693 A JP H08331693A JP 8057972 A JP8057972 A JP 8057972A JP 5797296 A JP5797296 A JP 5797296A JP H08331693 A JPH08331693 A JP H08331693A
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watertight
vibrator
coil
magnetostrictive
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JP8057972A
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Tadahiko Kobayashi
忠彦 小林
Isao Sakai
勲 酒井
Kiyohisa Hinohara
聖久 日野原
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 信号の減衰、効率の低下、ケーブルからの外
乱ノイズの進入による音質低下を改善した磁歪水中振動
装置を提供するものである。 【解決手段】 水密容器と、前記水密容器内に挿入さ
れ、閉磁気回路を構成する磁気回路構成部材と、閉磁気
回路内に配置された磁歪合金の振動子と、閉磁気回路内
に配置された磁気バイアス用永久磁石と、閉磁気回路内
の振動子の周囲に配置された磁界発生用コイル及び磁界
検出用コイルから選ばれる少なくとも1つのコイルと、
閉磁気回路内に配置され、振動子に対して圧縮力を付与
するための応力付与手段と、水密容器と反対側の磁気回
路構成部材の端部内に水密に挿入され、前記振動子の振
動方向に移動可能な可動部材と、水密容器内に配置さ
れ、かつ前記コイルと接続された振動発生信号及び振動
検知信号から選ばれる少なくとも1つの信号を処理する
信号処理回路基板とを具備したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁歪水中振動装置
に関し、特に水中音波発生器、受波器および加振器等の
電気−機械変換装置に適用される磁歪水中振動装置に係
わる。
【0002】
【従来の技術】磁性体に外部磁場を印加した際に、磁性
体が変形する磁歪を応用した装置としては、変位制御ア
クチュエータ、磁歪振動子、磁歪センサ、超音波遅延線
などが知られている。これらに用いられる磁歪合金とし
ては、従来、Ni基合金、Fe−Co合金、フェライト
系材料などが用いられてきた。しかし、これら従来の磁
歪合金では、変位の絶対量が十分でなく、効率の観点か
らも満足し得るものではなかった。
【0003】一方、希土類−鉄系ラーベス型金属間化合
物で、飽和磁歪(λs)が1000×10-6を超えるも
のが知られている。また、これら磁歪合金は、磁歪の異
方性が大きく、より大きな磁歪値を有する結晶方位へ制
御する必要がある。このため、浮遊帯域溶解法や改良型
ブリッジマン法を用いてロッドを作製し、これらのロッ
ドを前記磁気−機械変位変換装置を始めとして、磁歪を
利用した各種装置に利用することが検討されている。
【0004】また、特開昭62−292099号公報に
は前記磁歪合金を水中音響の振動子に適用することが開
示されている。前記磁歪合金を水中で使用される振動子
に応用する場合には、デバイスの小型化を図るために前
記磁歪振動子を振動(変位)させる磁界発生用コイル等
の磁気回路を備えた振動装置と前記磁界発生手段を制御
するための信号処理回路基板とを分離して配置されてい
る。しかしながら、このような構成にすると磁界発生用
コイルと信号処理回路基板との距離が離れてしまうた
め、その間のケーブルの直流抵抗により信号が減衰し、
効率が低下するという問題を生じる。また、ケーブルか
らの外乱ノイズの進入による音質低下などの問題も生じ
る。
【0005】一方、前記振動装置は水中での音波発生に
限らず、水中音を検知する水中マイクロフォンへの応用
もあるが、水中マイクロフォンは微弱信号を扱うため、
外乱ノイズの処理が特に重要となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、信号の減
衰、効率の低下、ケーブルからの外乱ノイズの進入によ
る音質低下を改善した磁歪水中振動装置を提供するもの
である。本発明は、信号の減衰、効率の低下、ケーブル
からの外乱ノイズの進入による音質低下を改善し、さら
に耐水圧性を向上することが可能な磁歪水中振動装置を
提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる磁歪水中
振動装置は、水密容器と、前記水密容器内に一端が水密
に挿入され、閉磁気回路を構成する磁気回路構成部材
と、前記閉磁気回路内に配置された磁歪合金からなる振
動子と、前記閉磁気回路内に配置され、前記振動子に磁
気バイアスを印加するための永久磁石と、前記閉磁気回
路内の前記振動子の周囲に配置された磁界発生用コイル
及び磁界検出用コイルから選ばれる少なくとも1つのコ
イルと、前記閉磁気回路内に配置され、前記振動子に対
してその振動方向に予め圧縮力を付与するための応力付
与手段と、前記水密容器と反対側の前記磁気回路構成部
材の端部内に水密に挿入され、前記振動子の振動方向に
移動可能な可動部材と、前記水密容器内に配置され、か
つ前記コイルと接続された振動発生信号及び振動検知信
号から選ばれる少なくとも1つの信号を処理する信号処
理回路基板とを具備したことを特徴とするものである。
【0008】本発明に別の係わる磁歪水中振動装置は、
筒状の非水密カバーと、前記非水密カバー内に固定され
た水密容器と、前記非水密カバー内に配置され、一端が
前記水密容器内に水密に挿入された閉磁気回路を構成す
る磁気回路構成部材と、前記閉磁気回路内に配置された
磁歪合金からなる振動子と、前記閉磁気回路内に配置さ
れ、前記振動子に磁気バイアスを印加するための永久磁
石と、前記閉磁気回路内の前記振動子の周囲に配置され
た磁界発生用コイル及び磁界検出用コイルから選ばれる
少なくとも1つのコイルと、前記閉磁気回路内に配置さ
れ、前記振動子に対してその振動方向に予め圧縮力を付
与するための応力付与手段と、前記水密容器内に配置さ
れ、かつ前記コイルと接続された振動発生信号及び振動
検知信号から選ばれる少なくとも1つの信号を処理する
信号処理回路基板と、前記水密容器と反対側の前記磁気
回路構成部材の端部に水密に固定されると共に周縁部が
前記非水密カバーに固定された中央部に貫通穴を有する
支持プレートと、前記水密容器と反対側の前記磁気回路
構成部材の端部内に前記支持プレートの前記貫通穴を通
して水密に挿入され、前記振動子の振動方向に移動可能
な可動部材と、前記非水密カバー内に前記支持プレート
と所望の空間をあけて配置されると共に前記可動部材に
連結された振動板と、前記非水密カバー内に前記水密容
器から突出した前記磁気回路構成部材を囲むように前記
水密容器および前記支持プレートに両端がそれぞれ水密
に取り付けられた水圧調整用バルーンとを具備し、前記
水圧調整用バルーン内と前記振動板および前記支持プレ
ートの間の空間とは連通していることを特徴とするもの
である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係わる磁歪水中振
動装置を詳細に説明する。この発明の磁歪水中振動装置
は、水密容器を備えている。閉磁気回路を構成する磁気
回路構成部材は、一端が前記水密容器内に例えばOリン
グを介在して水密に挿入されている。磁歪合金からなる
振動子は、前記閉磁気回路内に配置されている。前記振
動子に磁気バイアスを印加するための永久磁石は、前記
閉磁気回路内に配置されている。磁界発生用コイル及び
磁界検出用コイルから選ばれる少なくとも1つのコイル
は、前記閉磁気回路内の前記振動子の周囲に配置されて
いる。前記振動子に対してその振動方向に予め圧縮力を
付与するための応力付与手段は、前記閉磁気回路内に配
置されている。前記振動子の振動方向に移動可能な可動
部材(出力軸)は、前記水密容器と反対側の前記磁気回
路構成部材の端部内に例えばOリングを介在して水密に
挿入されている。振動発生信号及び振動検知信号から選
ばれる少なくとも1つの信号を処理する信号処理回路基
板は、前記水密容器内に配置され、かつ前記コイルと接
続されている。
【0010】前記振動子に使用される磁歪合金は、組成
式 RMx を満足する超磁歪合金であることが好まし
い。前記組成式中のRは、La、Ce、Pr、Nd、P
m、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、T
m、Yb、Luなどの希土類元素である。これら希土類
元素から選ばれる一種以上の組み合わせの例としては、
Pr,Nd,Sm,Tb,Dy,Ho,Er,Tm,T
b−Dy、Tb−Ho、Tb−Pr、Sm−Yb、Tb
−Dy−Ho、Tb−Dy−Pr、Tb−Pr−Hoな
どが好ましい。
【0011】前記組成式中のMは、主としてFeであ
る。RとFeとの比(x値)は、1.5≦x≦2.5の
範囲であり、好ましくは1.7≦x≦2.0の範囲であ
る。xが1.5未満および2.5を越える範囲には、磁
歪特性の低下を招く恐れがあり、好ましくない。
【0012】Feの一部をCoで置換することも可能で
ある。ただし、あまり置換量が多いと磁歪特性の低下を
招くため、CoによるFeの置換は95at%以下が望
ましい。また、必要に応じて残りのFeの一部を、さら
にMnで置換しても良い。Feの一部をMnで置換する
ことにより、希土類原子の磁気異方性が変化し、特に低
磁界において優れた磁歪特性が得られるようになる。M
nによるFeの置換量の上限は50at%であり、この
上限値を越えるとキュリー温度が低下し、磁歪特性が劣
化する恐れがある。
【0013】Feは、Co、Mnの他に、材料強度、耐
蝕性、飽和磁歪などの向上を目的として、Ni、Mg、
Al、Ga、Zn、V、Zr、Hf、Ti、Nb、C
u、Ag、Sn、Mo、Si、Bなどでさらに置換して
もよい。これら置換元素の量は、Mnによる置換量も含
めてFeの50atm%程度までであり、これを超える
と磁歪量の低下を招く恐れがある。
【0014】前述した磁歪合金は、次のような方法によ
り製造される。 (1)まず、各構成元素が所定の組成となるよう原料を
調合する。つづいて、この原料を不活性ガス雰囲気中で
高周波溶解等により溶解し、例えば熱流制御鋳造法等の
結晶方位を揃えるような手段を行うことにより磁歪合金
を製造する。このような方法で製造された磁歪合金は、
磁歪特性が向上される。
【0015】(2)前記(1)の高周波溶解により得ら
れた合金インゴットをブリッジマン法等により一方向凝
固制御を行うことにより磁歪合金を製造する。前記磁歪
合金の製造において均質性を高めるには、合金に不活性
ガス、例えばAr雰囲気中あるいは真空中で、800℃
からその合金の融点未満の温度範囲にて0.1〜500
時間の熱処理を施すことが好ましい。
【0016】前記振動子は、円柱状、円筒状、角柱状、
積層状等の各種形状のロッドを用いることが可能であ
る。前記磁気バイアス用永久磁石は、磁歪合金からなる
振動子の変位特性に対応するバイアスを加えるもので、
前記磁界発生用コイルに供給する制御電流あるいは前記
磁界検出用コイルに誘起される誘起電圧と変位との間の
制御性および直線性を改善させるために使用される。磁
気バイアス用永久磁石としては、例えばフェライト磁
石、サマリウム・コバルト磁石、Nd−Fe−B磁石な
どを使用することができる。小さな永久磁石で大きな磁
化バイアスを印加するためには、サマリウム・コバルト
磁石、Nd−Fe−B磁石を用いることが好ましい。
【0017】前記応力付与手段は、前記磁歪合金からな
る振動子に予め最適な圧縮荷重を印加して変位特性を向
上させるためのものである。このような応力付与手段と
しては、例えばコイルばね、板ばね、ゴムなどの弾性体
を使用することができる。本発明に係わる磁歪水中振動
装置の小型化のためには、前記応力付与手段としてバイ
トン、ネオプレン、シリコンゴム、天然ゴム等のゴムや
樹脂を用いることが好ましい。
【0018】前記可動部材(出力軸)は、前記磁気回路
構成部材に複数の弾性体シールで水密に挿入されること
が望ましい。このように出力軸を複数の弾性体シールで
前記磁気回路構成部材に挿入することにより、水密性が
確保されるだけでなく、出力軸に加わる径方向の外力に
対して機械的強度を向上させることができる。その結
果、高い信頼性を有する磁歪水中振動装置が得られる。
前記弾性体シールとしては、例えば前記出力軸の軸方向
に配置されるバイトン等からなる2個のOリングを用い
ることが好ましい。
【0019】前記信号処理回路基板は、振動発生信号な
どを前記磁界発生用コイルなどに出力するもので、外部
からの振動信号を増幅させる磁界発生用増幅回路に加え
てフィルター、周波数変換、変調などの波形処理回路を
も含んでいてよい。前記回路基板は、弾性体、好ましく
はシリコンゴム、天然ゴムなどのゴムや樹脂からなる支
持部材を用いて水密容器内に支持・固定することが好ま
しい。このような支持部材により前記回路基板を支持・
固定することにより、前記回路基板を機械的振動から絶
縁することが可能になる。
【0020】以上説明した本発明に係わる磁歪水中振動
装置によれば、閉磁気回路を構成する磁気回路構成部材
の一端を水密容器内に例えばOリングを介在して水密に
挿入し、前記閉磁気回路内に磁歪合金からなる振動子、
磁気バイアス用永久磁石、磁界発生用コイル及び磁界検
出用コイルから選ばれる少なくとも1つのコイルをそれ
ぞれ配置し、かつ前記振動子の固定側を前記水密容器側
に位置させ、さらに前記水密容器内に振動発生信号など
を処理する電気的な回路基板を固定・内蔵して一体化す
ることによって、前記回路基板から前記磁界発生用コイ
ルへの信号出力により水中での振動発生を行なうことが
できる。したがって、小型、高効率の磁歪水中振動装置
を実現できる。
【0021】また、前記磁気回路構成部材の一端を水密
容器内に水密に挿入し、前記回路基板を前記水密容器内
に配置することによって、前記磁気回路構成部材の閉磁
気回路に配置された例えば磁界発生用コイルと振動発生
信号などを出力する前記回路基板とを最短で接続でき
る。その結果、ケーブルの減衰が最小限に抑えられると
同時に、外乱ノイズの進入を効果的に減少させることが
できる。
【0022】次に、本発明に係わる別の磁歪水中振動装
置を詳細に説明する。磁歪水中振動装置は、筒状の非水
密カバーを備えている。水密容器は、前記非水密カバー
内に固定されている。閉磁気回路を構成する磁気回路構
成部材は、前記非水密カバー内に配置され、一端が前記
水密容器内に例えばOリングを介在して水密に挿入され
ている。磁歪合金からなる振動子は、前記閉磁気回路内
に配置されている。磁気バイイアス用永久磁石は、前記
閉磁気回路内に配置されている。磁界発生用コイル及び
磁界検出用コイルから選ばれる少なくとも1つのコイル
は、前記閉磁気回路内の前記振動子の周囲に配置されて
いる。前記振動子に対してその振動方向に予め圧縮力を
付与するための応力付与手段は、前記閉磁気回路内に配
置されている。振動発生信号及び振動検知信号から選ば
れる少なくとも1つの信号を処理する信号処理回路基板
は、前記水密容器内に配置され、かつ前記コイルと接続
されている。中央部に貫通穴を有する支持プレートは、
前記水密容器と反対側の前記磁気回路構成部材の端部に
水密に固定されると共に周縁部が前記非水密カバーに固
定されている。前記振動子の振動方向に移動可能な可動
部材(出力軸)は、前記水密容器と反対側の前記磁気回
路構成部材の端部内に前記支持プレートの前記貫通穴を
通して例えばOリングを介在して水密に挿入されてい
る。振動板は、前記非水密カバー内に前記支持プレート
と所望の空間をあけて配置されると共に前記可動部材に
連結されている。ゴム系の材料からなる水圧調整用バル
ーンは、前記非水密カバー内に前記水密容器から突出し
た前記磁気回路構成部材を囲むように両端が前記水密容
器および前記支持プレートにそれぞれ水密に取り付けら
ている。また、前記水圧調整用バルーン内と前記振動板
および前記支持プレート間の空間とは互いに連通してい
る。
【0023】前記磁界発生用コイルおよび磁界検出用コ
イルは、同芯状に配置した構造を有することを許容す
る。このような構成において、前記信号処理回路基板は
磁界発生用増幅回路と検出信号処理回路とからなること
が好ましい。
【0024】前記振動板と前記支持プレートとの空間に
は、気体層または液体層が形成される。前記気体層は、
例えば乾燥した空気あるいは不活性ガスを充填すること
により形成することが好ましい。前記液体層は、例えば
シリコン油、ひまし油等を充填して形成される。このよ
うな液体層の形成により機械的信頼性を向上させること
が可能である。
【0025】以上説明した本発明に係わる別の磁歪水中
振動装置によれば、非水密カバーに中央部に貫通穴を有
する支持プレートを固定し、可動部材(出力軸)を前記
支持プレートの前記貫通穴を通して水密に挿入し、前記
可動部材(出力軸)に振動板を前記支持プレートと所望
の空間をあけて取り付け、かつ振動子、磁気バイアス用
永久磁石、磁界発生用コイル及び磁界検出用コイルから
選ばれる少なくとも1つのコイルが内蔵された閉磁気回
路を構成する磁気回路構成部材を囲むように水圧調整用
バルーンを水密容器および前記支持プレートに水密に配
置することにより、効果的な水中での音波発生あるいは
水中音の検出が可能となる。すなわち、ゴム系の材質か
らなる水圧調整用バルーンは、前記振動板と前記支持プ
レートとの空間にある小さな気体層または液体層と例え
ば前記支持プレートに貫通させた空気抜き穴により連通
しており、水圧が加わることによる前記バルーンの体積
収縮により圧力を生じ、この圧力が前記振動板と前記支
持プレートとの間にある気体層または液体層に伝わり、
前記振動板が水圧で押される力に対抗し、等しい圧力と
するような機能を有している。これにより、前記振動板
が受ける水圧が磁歪合金からなる振動子に直接加わるの
を防止できるため、最適な振動子への圧縮荷重下で、振
動板を振動させることができる。
【0026】特に、前記振動板と前記支持プレートとの
間にある気体層あるいは液体層の体積と前記バルーンの
体積とは、水圧に依存する。このため、これらの体積比
率を大きくすることによって、一層大きな水圧に有効に
作用する。本発明では、前記気体層あるいは液体層は前
記回路基板が配置された前記水密容器と分離した構造を
有し、前記振動板と前記支持プレートとの間にある気体
層または液体層にのみ前記バルーンの体積変化を作用さ
せることが可能になる。
【0027】さらに、前記バルーンを含む前記水密容器
および磁気回路構成部材の外周部に筒状の非水密カバー
により保護されているため、外力による破損等を防ぐこ
とができる。
【0028】したがって、可動部材(出力軸)に振動板
を支持プレートと所望の空間をあけて取り付けるととも
に、水密容器内に挿入された磁気回路構成部材の囲むよ
うに水圧調整用バルーンを配置することにより、水圧が
前記バルーンを介して振動板と前記支持プレートの間の
空間に伝達されて外側からの水圧に対抗することができ
る。その結果、前記振動板で効率よく水中での音波の発
生あるいは水中音の検知を行なうことができるととも
に、耐水圧性をも向上させることができる。
【0029】さらに、前述した水圧調整用バルーン等を
備えた構造の磁歪水中振動装置において、前記磁界発生
用コイルおよび磁界検出用コイルを同芯状に配置し、か
つ前記信号処理回路基板を磁界発生用増幅回路と検出信
号処理回路とを有する構成にすることによって、前述し
たように前記振動板が受ける水圧が磁歪合金からなる振
動子に直接加わるのを防止して、最適な振動子への圧縮
荷重下で振動板を振動させることができるため、水中で
の音波あるいは振動を前記振動板により高精度で検知す
ることができる。これは、前記振動板を介して得られる
力の変化が磁歪合金からなる振動子に伝達され、前記振
動子の磁化の変化による誘起電圧が磁界検出用コイルに
生じることによる逆磁歪効果を利用したものである。こ
の時、前記磁界検出用コイルで得られた電圧変化を磁界
発生用増幅回路と検出信号処理回路を有する前記回路基
板にて増幅あるいは波形成形を行い、受波信号として出
力することができる。したがって、水中での音波発生及
び水中音などの振動の検知を併せて行なうことも可能に
なる。
【0030】なお、音波を発生させる際には磁界発生用
コイルからの誘導により検出用コイルに電圧が生じる
が、両者のコイルを電気的に切り替える工夫をすること
により、音波発生と音波検知とを干渉させることなく行
うことができる。また、本発明の磁歪水中振動装置は、
磁界検出用コイルのみが設けられた、もっぱら水中での
振動を検知するものであっても構わない。
【0031】
【実施例】以下、本発明の好ましい実施例を図面を参照
して説明する。 (実施例1)図1は、本発明の実施例1に係る磁歪水中
振動装置の断面図である。水密容器1は、上端の円板状
封じ部に円筒状のフランジ2が形成された円筒状の容器
本体3と、前記容器本体3の開口底部に取り付けられた
円板状のバックプレート4とからなる。前記バックプレ
ート4は、ネジ5を前記容器本体3の下部側壁側から前
記本体3に向けて螺着することにより固定されている。
Oリング6は、前記容器本体3と前記バックプレート4
の外周面の間に介在され、前記容器本体3と前記バック
プレート4との間の水密性を保持している。
【0032】上端に円板状封じ部7を有する円筒型ヨー
ク8は、その下部付近が前記水密容器1の前記円筒状の
フランジ2を通して前記水密容器1内に水密に挿入され
ている。前記水密容器1内に位置する前記円筒型ヨーク
8の下部側壁には、リード挿通穴9が開口されている。
また、前記円筒型ヨーク8はネジ10を前記フランジ2
側から前記円筒型ヨーク8に向けて螺着することにより
固定されている。Oリング11は、前記円筒状のフラン
ジ2と前記円筒型ヨーク8の外周面の間に介在され、前
記フランジ2と前記円筒型ヨーク8との間の水密性を保
持している。
【0033】なお、前記円筒型ヨーク8は、閉磁気回路
を構成するために透磁率の高い例えば鉄のような磁性材
料から作られる。ただし、軽量化を重視するにはジュラ
ルミンのようなアルミニウム合金を用いることが好まし
い。また、前記円筒型ヨーク8は耐食性を考慮して塗
装、表面処理が施されることが好ましい。この実施例1
では、前記円筒型ヨーク8をジュラルミン合金により形
成し、フッ素樹脂コーティングの表面処理を施してい
る。
【0034】外周面がネジきり加工された例えば鉄のよ
うな磁性材料からなり、上面に突起部12を有する円板
状の圧縮荷重調整用プレート13は、前記円筒型ヨーク
8の下部に螺着されている。中心に穴14を有する円板
状の下部永久磁石15aは、前記円筒型ヨーク8内の前
記円板状プレート13上にその穴14が前記突起部12
に嵌合するように設置されている。前記永久磁石15a
は、サマリウム−コバルト系磁石からなり、後述する振
動子に対して約400 Oeの磁気バイアスを与えてい
る。上面に円形溝16、下面に突起部17を有する鉄か
らなる円板状の下部磁極片18aは、前記円板状永久磁
石15a上に前記突起部17が前記磁石15aの穴14
に挿入するように設置されている。
【0035】磁歪合金からなる円柱状の振動子19は、
前記円筒型ヨーク8内の前記下部磁極片18a上に前記
円筒型ヨーク8に対して同心円状に配置されている。前
記振動子19は、次のような方法により作製した。ま
ず、原子比でTb0.5 Dy0.5(Fe0.9 Mn0.1
1.93となるように各元素の原料を配合し、アルゴン雰囲
気中、アルミナるつぼ内で高周波誘導溶解した後、熱流
制御鋳造法にて磁歪合金インゴットを作製し、これを真
空中、950℃の温度で10時間の熱処理を施した。つ
づいて、前記インゴットを研削加工により径6mm、長
さ50mmの磁歪合金からなる振動子19を作製した。
なお、前記振動子19の両端面には、0.3mmの厚さ
の鉄製円盤20a,20bがエポキシ系接着剤で固定さ
れている。つまり、前記振動子19は、その下端面に取
り付けた前記鉄製円盤20aを前記下部磁極片18aの
前記円形溝16に挿入することにより前記下部磁極片1
8aに配置されている。
【0036】上面に突起部21、下面に円形溝22を有
する鉄からなる円板状の上部磁極片18bは、前記振動
子19上にその上端の前記鉄製円盤20bに前記円形溝
22が嵌合するように設置されている。穴23を有する
円板状の上部永久磁石15bは、前記上部磁極片18b
上に前記突起部21が前記磁石15bの穴23が嵌合す
るように設置されている。磁界発生用コイル24は、前
記円筒型ヨーク8内の前記振動子19の周囲に配置され
ている。下面に円板状フランジ25を有し、上部にネジ
切り加工された係合穴26するステンレスのような非磁
性材料からなる出力部材(出力軸)27は、前記円筒型
ヨーク8の円板状封じ部7の穴に水密に挿入され、かつ
前記フランジ25を前記上部永久磁石15bに当接して
いる。2つのOリング28は、前記円板状封じ部7の穴
と前記出力軸27外周面の間にそれぞれ上下に介在さ
れ、前記円板状封じ部7と前記出力軸27との間の水密
性を保持している。シリコンゴム製の円環状弾性体29
は、前記円板状封じ部7の下面と前記出力軸27の円板
状フランジ25上面との間に介在され、前記圧縮荷重調
整用プレート13との間で前記磁歪合金からなる振動子
19を予め圧縮し、変位特性が最適となる圧縮荷重:1
kgf/mm2 を加えている。
【0037】なお、前記円筒型ヨーク8およびプレート
13は前記永久磁石15a、15bおよび前記磁界発生
用コイル24に対する閉磁気回路として主に機能する。
信号処理回路を含む回路基板30は、前記水密容器1内
に配置され、かつゴム製ダンバーからなる円環状の支持
部材31により支持・固定されている。前記回路基板3
0上の信号処理回路は、リード(図示せず)が前記円筒
型ヨーク8のリード挿通穴9を通して前記磁界発生用コ
イル24に接続されている。水中コネクタ32は、前記
バックプレート4から前記水密容器1内に水密に挿入さ
れ、前記水密容器1内に位置する端子は回路基板30上
の信号処理回路とリード(図示せず)を通して接続され
ている。
【0038】このような構成の磁歪水中振動装置によれ
ば、出力軸27の係合穴26に所望の振動伝達対象物に
螺着、固定し、回路基板30の信号処理回路を通して磁
界発生用コイル24に電流を供給することによって、磁
歪合金からなる振動子19に変位が発生し、この変位に
より前記振動子19に鉄製円盤20b、上部磁極片18
b、上部永久磁石15bを挟んで円筒型ヨーク8の上端
に水密に配置された前記出力軸27から所定の振動が伝
達される。前記磁界発生用コイル24への電流の供給に
おいて、前記振動子19の両端部側に配設された永久磁
石15a、15bは、前記振動子19に対して所定の磁
気バイアスが印加される。かかる磁気バイアスの印加に
より、前記磁界発生用コイル24に供給する電流の正負
に対応した振動を前記出力軸27から発生できると共
に、低磁界で前記振動子19に最大変位を付与できる。
その結果、前記磁界発生用コイル24への電流と前記振
動子19の変位との関係を直線的とすることが可能とな
る。
【0039】また、前記構成の磁歪水中振動装置によれ
ば水密容器1にOリング11により水密に挿入された前
記円筒型ヨーク8および圧縮荷重調整用プレート13に
よって閉磁気回路を形成し、前記閉磁気回路内に前記振
動子19、磁界発生用コイル24および前記永久磁石1
5a、15bを収納することによって、前記振動子19
に対する前記磁界発生用コイル24からの磁界の印加効
率、および前記永久磁石15a、15bからの磁気バイ
アスの印加効率を高めることができる。しかも、前記閉
磁気回路によって外部に対する漏れ磁界の発生を抑制で
きる。その結果、投入パワーに対する出力パワーの効率
を著しく向上することができる。
【0040】更に、前記閉磁気回路の構成部品(前記円
筒型ヨーク8および圧縮荷重調整用プレート13)は円
環状弾性体29との組み合わせにより前記磁歪合金から
なる振動子19を前記圧縮荷重調整用プレート13との
間で圧縮、挟持された、いわゆるランジュバン型とする
ことができる。その結果、磁歪水中振動装置の小形化を
達成できる。しかも、前記振動子19はその変位方向に
前記弾性体29により圧縮応力が付加されているため、
前記円筒型ヨーク8内において前記プレート13への圧
入量、つまり押し込み量により前記振動子19に対する
応力値を任意に設定することが可能となる。
【0041】さらに、前記円筒型ヨーク8内に配置され
た磁界発生用コイル24は、図示しないリードにより前
記水密容器1内に配置された回路基板30上の信号処理
回路と前記円筒型ヨーク8のリード挿通穴9を通して接
続されている。その結果、前記磁界発生用コイル24は
短い距離で前記回路基板30の信号処理回路内の増幅回
路部と結線できるため、極めて損失の少ない構成となる
とともに、外部からのノイズの進入も効率よく防ぐこと
ができる。また、金属製の水密容器1を用いることで、
シールド効果も有しており、高S/N比が得られる。更
に、信号処理回路を駆動する電源の供給あるいは外部か
らの制御信号を接続するための水中コネクター32をバ
ックプレート4に取り付けることで、水中ケーブルを介
して水上とのインターフェースを図ることが可能であ
る。
【0042】このように、本実施例1に係る磁歪水中振
動装置は、信号処理回路と振動装置とが一体化されてい
るため、高効率で且つ高S/N比の水中小型加振源とし
て、好適に用いることが可能である。
【0043】(実施例2)図2は、本発明の実施例2に
係る磁歪水中振動装置の断面図である。なお、前述した
図1と同様な部材は同符号を付して説明を省略する。
【0044】図2に示す磁歪水中振動装置では、実施例
1で説明した磁歪水中振動装置の水密容器1および上端
に環状フランジ33を有する円筒型ヨーク8の外周に円
筒型の非水密カバー34が配置されている。非水密カバ
ー34は、水流通穴35が側壁に開孔され、かつ上部内
面にネジ切り加工が施された円筒型カバー本体36と、
この本体36上部に螺合され、中間内周面に後述するバ
ルーンの上端を支持する環状支持片37を有する円筒体
38とから構成されている。中央部に下面に向けて突出
した円筒部39を有する円板状の支持プレート40は、
前記円筒型ヨーク8の環状フランジ33上に前記ヨーク
8と出力軸27の間に前記円筒部39が嵌合されるよう
に設置されている。前記プレート40は、ネジ41を前
記フランジ33側から前記プレート40に向けて螺着す
ることにより前記フランジ33に固定されている。な
お、前記プレートの外周縁部は、前記非水密カバー34
の円筒体38に形成された前記環状支持片37上に載置
されている。Oリング42は、前記フランジ33上面と
前記プレート40下面との間に介在され、前記プレート
40と前記フランジ33を有する円筒型ヨーク8との間
の水密性を保持している。また、2つのOリング43は
前記プレート40の円筒部39の内周面と前記出力軸2
7の外周面との間にそれぞれ上下に介在され、前記円筒
部39と前記出力軸27との間の水密性を保持してい
る。下面中心にネジ44が一体的に突出した円盤状の振
動板45は、前記出力軸27にその係合穴26に前記ネ
ジ44を螺着することにより前記プレート40上面に対
して所望の空間(空気層A)をあけて配置されている。
前記振動板45の外周面は、前記非水密カバー34の円
筒体38内周面に近接し、これら部材間に介在されたO
リング46により前記空気層Aが水密に密閉されてい
る。
【0045】筒状をなす水圧調整用バルーン47は、前
記非水密カバー34内に前記水密容器1から突出した前
記円筒型ヨーク8を囲むように配置されている。前記バ
ルーン47の下端は、前記水密容器1と前記円筒型ヨー
ク8の中間付近から水平方向に突出した環状フランジ4
8の間に挿入され、ネジ49を前記環状フランジ48側
から前記水密容器1の上部に向けて螺着することにより
水密に固定されている。また、前記バルーン47の上端
は前記円筒体38の環状支持片37の下面に位置され、
環状の座金50がバルーン47の上端付近に当接される
ように配置されている。複数のネジ51は前記座金5
0、前記バルーン47および前記環状支持片37を貫通
して前記プレート40に螺着され、これにより前記バル
ーン47の上端は前記環状支持片37に水密に固定され
る。なお、前記プレート40の周辺部は前記ネジ51お
よび前記環状支持片37により前記非水密カバー34に
固定される。前記バルーン47内の空気層Bと前記振動
板45および前記プレート40の間の空気層Aとは、前
記プレート40に開孔されたニードル52により連通し
ている。
【0046】このような構成の磁歪水中振動装置によれ
ば、前記各空気層A、Bの体積はA<<Bとされてお
り、振動装置全体に水圧が加わると、前記振動板45お
よび前記プレート40の間の空気層Aが圧縮されるとと
もに前記バルーン47内の空気層Bも同様に圧縮され、
空気層A、Bが平衡状態を維持して装置全体に加わる水
圧がキャンセルされる。その結果、前記円筒型ヨーク8
内に配置された磁歪合金からなる振動子19は予め最適
設定された予圧縮値が維持される。したがって、前記振
動板45が受ける水圧が磁歪合金からなる振動子19に
直接加わるのを防止できるため、最適な振動子19への
圧縮荷重下で、前記振動板45を振動させることができ
る。この場合、前記バルーン47内の空気層Bの体積
は、前記振動板45および前記プレート40の間の空気
層Aの体積および使用する水圧を基に設定することが可
能である。
【0047】さらに、磁歪水中振動装置は非水密カバー
34により全体が覆われているため、前記バルーン47
の保護及び外観上の美観を図ることができる。このよう
にして得られる磁歪水中振動装置は、水中での音波発生
が容易に実現出来、高効率で且つ高S/N比の小型水中
スピーカあるいは送波器として、好適に用いることが可
能である。
【0048】(実施例3)実施例2における磁界発生用
コイルは、FIGS.3A、3Bに示す磁界検出用コイ
ルを備えた磁界発生・検出コイルに置き換えることによ
り、音波発生と音波検知の両方を行うことができる。
【0049】図3の(a)において、磁界発生用コイル
61と磁界検出用コイル62とは前記磁界発生用コイル
61が内側に配置されるように同芯状に巻回されてい
る。図3の(b)において、磁界発生用コイル61と磁
界検出用コイル62とは前記磁界発生用コイル61が外
側に配置されるように同芯状に巻回されている。前記磁
界発生用コイル61と前記磁界検出用コイル62との配
置は、前記磁界発生用コイル61が内側であっても外側
であってもよい。但し、音波発生時の電流が大きく取れ
ない場合は、図3の(a)の構成が好ましく、検出信号
を大きく取りたい場合は図3の(b)の構成が好まし
い。
【0050】図4に信号処理回路の回路構成図を示す。
磁歪水中振動装置60に内蔵された磁界発生用コイル6
1は、外部の信号源63からの信号電流が増幅・波形処
理回路64で増幅された後に通電されて、磁歪合金から
なる振動子の変位あるいは振動を生じさせる。この時、
外部からの信号を波形処理して、変調した振動を発生さ
せることも容易に行うことができる。
【0051】一方、前述した図2の振動板に伝搬された
振動は磁界検出用コイル62で検出され、増幅・波形成
形回路(検出信号処理回路)65で増幅された検出信号
は外部のモニター66に出力される。この時、磁界発生
用コイル61と磁界検出用コイル62は誘導結合されて
いることから、互いに電気的に干渉する。このため、外
部からの切り替え信号67を用いてスイッチ回路68で
リレー69を動作させ、リレー接点70a,70bでそ
れぞれのコイルを切り替えることが可能である。
【0052】このようにして得られる磁歪水中振動装置
は、水中での音波発生及び音波検知の両方の機能を有し
ているため、高効率で且つ高S/N比の小型水中スピー
カあるいは小型水中マイクロフォンとして、好適に用い
ることが可能である。
【0053】(実施例4)図5は、本発明の実施例4の
磁歪水中振動装置の断面図である。なお、前述した図2
と同様な部材は同符号を付して説明を省略する。
【0054】図5に示す磁歪水中振動装置は、図2と同
様の構成の水密容器1のバックプレート4の下部に、電
池を収納するための有底円筒状部材71を一体的に配置
した構造を有する。電池72は、前記有底円筒状部材7
1内に収納されている。前記電池72の切り替えスイッ
チ73は、前記有底円筒状部材71の上部側壁に取り付
けられている。ライト74は、前記有底円筒状部材71
の底面に配置され、図示しないリードを通して前記電池
72と接続されている。
【0055】このような構造の磁歪水中振動装置は、水
中での音波を発生させると同時に切り替えスイッチ73
により水中ライトとしての使用が可能であり、水中での
各種の作業を行うダイバーの補助具として用いることが
できる。この場合、予め幾つかの種類の情報を含む信号
音を不揮発性メモリ等に入力してなる波形処理回路と切
り替えスイッチ73の操作にて所望の水中音を再生する
ことにより、水中でのダイバー間のコミニュケーション
を直接的に行うことも可能である。
【0056】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係わる磁
歪水中振動装置によれば、水密容器およびこの水密容器
内に一端が水密に挿入され、かつ閉磁気回路を構成する
磁気回路構成部材を備え、前記水密容器内に信号処理回
路基板を内蔵し、前記磁気回路構成部材内に磁歪合金か
らなる振動子、およびこの振動子の周囲に配置された磁
界発生用コイル及び磁界検出用コイルから選ばれる少な
くとも1つのコイルを配置することによって、前記コイ
ルと信号処理回路基板とを水密な雰囲気下で近接・配置
して結線することができるため、水中での変位あるいは
振動、音波の発生と水中音波あるいは振動の検知とを兼
ね備え、さらに信号の減衰、効率の低下、ケーブルから
の外乱ノイズの進入による音質低下を改善することがで
きる。その結果、本発明に係わる磁歪水中振動装置は小
型、高効率、かつ高S/N比の水中スピーカおよび水中
マイクロフォンに応用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における磁歪水中振動装置の
断面図。
【図2】本発明の実施例2における磁歪水中振動装置の
断面図。
【図3】本発明の実施例3における磁界発生コイルと磁
界検出用コイルを同芯状に巻回したコイルの構成図。
【図4】本発明の実施例3における信号処理回路の構成
図。
【図5】本発明の実施例4における磁歪水中振動装置の
断面図。
【符号の説明】
1…水密容器、 8…円筒型ヨーク、 15a、15b…永久磁石、 19…振動子、 24…磁界発生用コイル、 27…出力部材(出力軸)、 29…円環状弾性体、 30…回路基板、 34…非水密カバー、 45…振動板、 47…水圧調整用バルーン、 72…電池、 74…ライト。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水密容器と、 前記水密容器内に一端が水密に挿入され、閉磁気回路を
    構成する磁気回路構成部材と、 前記閉磁気回路内に配置された磁歪合金からなる振動子
    と、 前記閉磁気回路内に配置された磁気バイアス用永久磁石
    と、 前記閉磁気回路内の前記振動子の周囲に配置された磁界
    発生用コイル及び磁界検出用コイルから選ばれる少なく
    とも1つのコイルと、 前記閉磁気回路内に配置され、前記振動子に対してその
    振動方向に圧縮力を付与するための応力付与手段と、 前記水密容器と反対側の前記磁気回路構成部材の端部内
    に水密に挿入され、前記振動子の振動方向に移動可能な
    可動部材と、 前記水密容器内に配置され、かつ前記コイルと接続され
    た振動発生信号及び振動検知信号から選ばれる少なくと
    も1つの信号を処理する信号処理回路基板とを具備した
    ことを特徴とする磁歪水中振動装置。
  2. 【請求項2】 筒状の非水密カバーと、 前記非水密カバー内に固定された水密容器と、 前記非水密カバー内に配置され、一端が前記水密容器内
    に水密に挿入された閉磁気回路を構成する磁気回路構成
    部材と、 前記閉磁気回路内に配置された磁歪合金からなる振動子
    と、 前記閉磁気回路内に配置された磁気バイアス用永久磁石
    と、 前記閉磁気回路内の前記振動子の周囲に配置された磁界
    発生用コイル及び磁界検出用コイルから選ばれる少なく
    とも1つのコイルと、 前記閉磁気回路内に配置され、前記振動子に対してその
    振動方向に圧縮力を付与するための応力付与手段と、 前記水密容器内に配置され、かつ前記コイルと接続され
    た振動発生信号及び振動検知信号から選ばれる少なくと
    も1つの信号を処理する信号処理回路基板と、 前記水密容器と反対側の前記磁気回路構成部材の端部に
    水密に固定されると共に周縁部が前記非水密カバーに固
    定された中央部に貫通穴を有する支持プレートと、 前記水密容器と反対側の前記磁気回路構成部材の端部内
    に前記支持プレートの前記貫通穴を通して水密に挿入さ
    れ、前記振動子の振動方向に移動可能な可動部材と、 前記非水密カバー内に前記支持プレートと所望の空間を
    あけて配置されると共に前記可動部材に連結された振動
    板と、 前記非水密カバー内に前記水密容器から突出した前記磁
    気回路構成部材を囲むように前記水密容器および前記支
    持プレートに両端がそれぞれ水密に取り付けられた水圧
    調整用バルーンとを具備し、 前記水圧調整用バルーン内と前記振動板および前記支持
    プレート間の空間とは連通していることを特徴とする磁
    歪水中振動装置。
  3. 【請求項3】 電池は、前記磁気回路構成部材と反対側
    の前記水密容器内に収納され、かつライトは前記水密容
    器の外側面に取り付けられると共に前記電池と接続され
    ていることを特徴とする請求項2記載の磁歪水中振動装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009302773A (ja) * 2008-06-11 2009-12-24 Nippon Soken Inc 超音波発生装置
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JP2017135977A (ja) * 2013-02-06 2017-08-03 グレート プレインズ ディーゼル テクノロジーズ,エル.シー. 磁歪アクチュエータ

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