JPH0833084A - プローブマイクロホン - Google Patents

プローブマイクロホン

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JPH0833084A
JPH0833084A JP18664494A JP18664494A JPH0833084A JP H0833084 A JPH0833084 A JP H0833084A JP 18664494 A JP18664494 A JP 18664494A JP 18664494 A JP18664494 A JP 18664494A JP H0833084 A JPH0833084 A JP H0833084A
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Takeo Shindo
武男 進藤
Takeshi Fujita
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 小型で簡単な構成でありながら、周波数応答
特性に生じるピークを抑圧する。 【構成】 基部4と膨大部6とからなるプローブ管2に
おいて、基部4の一端から膨大部6の中途まで内径がd
1の内孔7を形成し、膨大部6において、内孔7との境
界から膨大部6の端まで内径がd2のマイクロホン取付
部9を形成し、このマイクロホン取付部9にマイクロホ
ン8を取り付け、内孔7とマイクロホン取付部9との境
界付近に、適量の吸音材10を充填してある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば高温環境下にお
いて音圧を測定するのに使用するプローブマイクロホン
に関し、特にその周波数応答特性の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、プローブマイクロホンには、マ
イクロホンカートリッジの先端に細長いプローブ管を接
続したものがある。しかし、このようなプローブマイク
ロホンでは、プローブ管の内部空間が、その空間形状固
有の共振周波数を有するため、その共振周波数において
周波数応答のピークができる。このピークを解消するた
め、従来、例えば特開平3−22698号公報に開示さ
れているような技術があった。これは、マイクロホンを
収容した円板の前面に、マイクロホンと連通する凹所を
設け、この凹所にプローブ管を接続すると共に、長さの
それぞれ異なる複数のインピーダンス整合管を凹所に接
続したものである。これらインピーダンス整合管は、長
さが長いものであるので、円板の後方にコイル状に巻回
して配置されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平3−2
2698号公報の技術では、長さの異なる複数のインピ
ーダンス整合管を使用しなければならず、しかも円板の
後方にこれら複数のインピーダンス整合管をコイル状に
巻回して配置しなければならないという複雑な構造であ
るので、製造コストが高くなるという問題点があった。
さらに、コイル状に巻回した複数のインピーダンス整合
管を配置する空間を必要とするので、装置全体が大型に
なるという問題点もあった。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決する
ために、本第1の発明は、マイクロホンと、このマイク
ロホンが一端に取り付けられ他端が開放されたプローブ
管と、このプローブ管においてその長さ方向に直角な断
面内に充填された吸音材とを、具備するものである。
【0005】また、本第2の発明は、第1の発明におい
て、上記プローブ管における上記吸音材を充填する部所
の上記プローブ管の長さ方向に沿う断面積を、隣接する
部分の上記プローブ管の長さ方向に沿う断面積よりも大
きくしたものである。
【0006】さらに、本第3の発明は、第1の発明にお
いて、上記プローブ管の中間に上記吸音材を充填する吸
音材充填部が形成され、この吸音材充填部の上記長さ方
向に直角な断面積が、上記吸音材充填部に隣接する一方
の部分よりも大きく、他方の部分よりも小さく形成され
ているものである。
【0007】
【作用】本第1の発明では、マイクロホンが取り付けら
れているプローブ管内に吸音材を充填しているので、特
定の周波数における周波数応答のピークが生じない。
【0008】本第2の発明では、吸音材の充填部所は、
プローブ管の長さ方向に沿う断面積が、隣接する部分よ
りも大きく形成されているので、隣接部分との境界には
段が形成されている。従って、吸音材を充填する際に、
この段よりも外側には吸音材が充填されることはなく、
所定量の吸音材を所定の位置に充填しやすくなる。
【0009】本第3の発明では、吸音材充填部の縦断面
積は、隣接する一方の側の部所よりも小さく、隣接する
他方の部所よりも大きく形成されているので、吸音材充
填部の両端には、それぞれ段が形成される。従って、こ
れら段の間に吸音材を充填することによって、確実に所
定量の吸音材を充填することができる。
【0010】
【実施例】図1に第1の実施例を示す。この実施例のプ
ローブマイクロホン1は、プローブ管2を有している。
このプローブ管2は、例えばアルミニウムまたはステン
レス製のものであり、長さ方向に直角な断面が円形であ
る円管状に形成された基部4を備えている。この基部4
に連ねて膨大部6が形成されている。この膨大部6も、
長さ方向に直角な断面が円形であり、外径が基部4より
も大きく形成されている。
【0011】基部4の長さ方向に沿ってその全域と、基
部4と膨大部6との境界から膨大部6の中途までには、
一定の内径d1の内孔7が形成され、残りの膨大部6の
内径d2は、内径d1よりも大きくされている。この内
径d2の部分は、マイクロホン取付部9とされ、ここに
例えばコンデンサマイクロホン8が取り付けられてい
る。このマイクロホン取付部9では、マイクロホン8
は、その先端部が膨大部6における内孔7との境界まで
進入している。
【0012】そして、このマイクロホン8の先端と、基
部4及び膨大部6の境界との間の内孔7には、例えばフ
ェルトまたはガラス繊維製の吸音材10が、膨大部6及
び基部4の長さ方向に直角な方向の断面を満たすように
充填されている。
【0013】このようなプローブマイクロホン1は、図
2に示すように、排気ダクト12を通過する例えば摂氏
400度の高温または腐食性のガスの音圧を測定するた
めに、排気ダクト12に設けた導出管14の部分に、プ
ローブ管2の基部4を取り付けて使用する。なお、導出
管14では、ガスの温度は、約摂氏70度にまで低下し
ている。
【0014】このようにプローブ管2内に適量の吸音材
10を充填するという簡単な構成によって、プローブ管
2固有の共振周波数において、周波数応答のピークを解
消することができ、所要の周波数帯域にわたって滑らか
な周波数応答を得ることができる。従って、長さの異な
る複数のインピーダンス整合管を使用する必要がなく、
製造コストを低下させることができる上に、小型化を図
ることができる。
【0015】吸音材10の挿入量が適量であれば、上述
したように滑らかな周波数応答特性を示すが、吸音材1
0が適量よりも不足すると、ピークが充分に解消されな
い。また、吸音材10が多すぎると、高い周波数帯域に
おいて、周波数応答が低くなる。よって、吸音材10の
量を適量にする必要がある。
【0016】この吸音材10の適量は、実験的に定める
が、たとえ適量が決定されたとしても、この実施例で
は、吸音材10は、内径がd1と一定の内孔7内に充填
されているので、充填していく際に、どの程度に吸音材
10を充填したかがわかりにくく、完全に適量に吸音材
を充填しにくい。また、たとえ適量の吸音材10を充填
できたとしても、内孔7に充填されているので、プロー
ブ管2が例えば振動を受けると、その振動によって、吸
音材10が、図1の左端側に移動し、ついには左端部分
から抜け落ちる可能性もある。
【0017】図3に示す第2実施例のプローブマイクロ
ホン1aは、これらの問題を解消したものである。プロ
ーブ管2aの膨大部6内における内孔7とマイクロホン
取付部9との間に、新たに吸音材充填部16が形成され
ている。なお、他の構成は、図1の実施例と同様である
ので、同一符号を付して、その説明を省略する。
【0018】この吸音材充填部16は、その内径d3
が、吸音材充填部16の一方の側で隣接している内孔7
の内径d1よりも大きく、かつ吸音材充填部16の他方
の側で隣接しているマイクロホン取付部9の内径d2よ
りも小さくされている。従って、内孔7との境界に段が
形成されると共に、マイクロホン取付部9との間にも段
が形成されている。なお、この吸音材充填部16の長さ
Lは、内径d3との関係において吸音材10の充填量
が、実験によって決定した適量となるように設定されて
いる。
【0019】このように内孔7と吸音材充填部16との
境界に段があるので、吸音材10をマイクロホン取付部
9側から充填した場合、吸音材10は、この段を越え
て、内孔7側にまで充填されることはないし、使用中に
プローブ管12aが振動を受けても、吸音材10が、こ
の段を乗り越えて、図3の左方に移動することもない。
【0020】さらに、この吸音材充填部16とマイクロ
ホン取付部9との境界にも段があるので、マイクロホン
取付部9側から吸音材10を充填する場合、この段まで
吸音材10を充填することによって、適量の吸音材10
を確実に充填できる。
【0021】なお、d1とd3との差を余り大きくする
のは、好ましくはない。それは、次の理由による。内径
d1である内孔7での空気の粒子速度をV1、内径d3
の吸音材充填部16での空気の粒子速度をV3とする
と、内径d1、d3と、V1、V3との間には、数1で
示す関係がある。
【数1】 π(d1/2)2 ・V1=π(d3/2)2 ・V3 ここで、d1とd3との差がかなり大きいと、V3がV
1に比べて小さくなる。吸音材10による吸音効果は、
粒子速度の自乗に比例することが知られているので、V
3がV1に比べて小さくなりすぎると、周波数応答のピ
ークが充分に解消できなくなる。従って、上記のように
d1とd3との差を余り大きくしない方がよい。実験の
結果、d3とd1との比d3/d1は、2.5以内であ
るのが、望ましいことがわかった。
【0022】図4は、本実施例における周波数応答特性
を示したもので、50乃至800Hzとかなり広い周波
数帯において平坦な周波数特性を示している。
【0023】図5は、本実施例において吸音材10を除
去した状態における周波数応答特性を示したもので、1
50Hz付近から周波数応答特性が立ち上がり、約80
0Hz付近にピークが生じている。これは、上述したよ
うに、プローブ管2aが固有の共振周波数を有している
からである。
【0024】図6は、本実施例において吸音材10を少
量だけ、例えば内孔7と吸音材充填部16との境界の段
から吸音材充填部16の中途まで、充填した場合の周波
数応答特性を示したもので、吸音材10が不足している
ので、ピークを完全に解消することができていない。
【0025】図7は、本実施例において、吸音材10を
適量よりも多く充填した場合、例えばマイクロホン取付
部9と吸音材充填部10との境界の段から、吸音材充填
部16と内孔7との境界を越えて内孔7内まで充填した
場合の周波数応答特性を示したもので、吸音材10が過
多であるので、高い周波数、例えば200Hz以上の周
波数において周波数応答が低下している。
【0026】なお、これらの各周波数応答特性は、内径
d1を3mm、内径d2を12.7mm、内径d3を5
mm、吸音材充填部16の長さLを13mm、基部4の
左端から吸音材充填部16までの距離L1を35mmと
した場合のものである。
【0027】これらのように適量の吸音材10を充填す
ることによって、周波数応答特性を広帯域にわたって平
坦にすることができ、段を上記のように設けたことによ
って、適量の吸音材10を充填することができる。
【0028】上記の両実施例では、プローブ管2、2a
は、その長さ方向に直角な断面が円形のものを示した
が、他の形状のものを使用することもできる。また、上
記の両実施例では、プローブ管2、2aは、膨大部6の
部分だけ外径が大きいものを使用したが、外径が一定
で、内径だけを、第1の実施例のようにd1、d2また
は第2の実施例のようにd1、d2、d3としてもよ
い。また、第2の実施例では、内径d3を内径d1より
も大きく、d2よりも小さく形成したが、逆に内径d3
を内径d1よりも小さく、d2よりも大きく形成しても
よい。但し、この場合には、吸音材10は、内径d1の
基部4側から充填する必要がある。
【0029】
【発明の効果】以上のように、請求項1記載の発明によ
れば、吸音材をプローブ管内に充填しているので、プロ
ーブ管固有の共振周波数で生じる周波数応答特性のピー
クを抑圧することができる上に、構成が簡単であるので
容易に製造でき、かつ、コストを低下させることがで
き、しかも、小型化を図ることができる。また、請求項
2記載の発明によれば、プローブ管において吸音材を充
填する部所のプローブ管の長さ方向に沿う断面積を、隣
接する部分のプローブ管の長さ方向に沿う断面積よりも
大きくしているので、隣接する部分との境界に段が形成
される。従って、この段まで吸音材を充填することによ
って、適量の吸音材を充填することができる。さらに、
請求項3記載の発明によれば、吸音材充填部の縦断面積
は、この吸音材充填部に隣接する部分の一方よりも大き
く、隣接する他方の部分よりも小さく形成されているの
で、吸音材充填部の両端には、それぞれ段が形成されて
いる。従って、この段から段まで吸音材を充填すること
によって、より確実に適量の吸音材を充填することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるプローブマイクロホンの第1の実
施例の縦断面図である。
【図2】同第1の実施例の使用状態を示す縦断面図であ
る。
【図3】同第2の実施例の縦断面図である。
【図4】同第2の実施例の周波数応答特性図である。
【図5】同第2の実施例において吸音材を除去した状態
の周波数応答特性図である。
【図6】同第2の実施例において吸音材を少量充填した
状態の周波数応答特性図である。
【図7】同第2の実施例において吸音材を多量に充填し
た状態の周波数応答特性図である。
【符号の説明】
1 1a プローブマイクロホン 2 2a プローブ管 4 基部 6 膨大部 8 マイクロホン 9 マイクロホン取付部 10 吸音材 16 吸音材充填部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マイクロホンと、このマイクロホンが一
    端に取り付けられ他端が開放されたプローブ管と、この
    プローブ管においてその長さ方向に直角な断面内に充填
    された吸音材とを、具備するプローブマイクロホン。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のプローブマイクロホンに
    おいて、上記プローブ管における上記吸音材を充填する
    部所の上記プローブ管の長さ方向に沿う断面積が、隣接
    する部所よりも大きく形成されていることを特徴とする
    プローブマイクロホン。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のプローブマイクロホンに
    おいて、上記プローブ管の中間に上記吸音材を充填する
    吸音材充填部が形成され、この吸音材充填部の上記長さ
    方向に直角な断面積が、上記吸音材充填部に隣接する一
    方の部分よりも大きく、他方の部分よりも小さく形成さ
    れていることを特徴とするプローブマイクロホン。
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