JPH08330666A - 半導体レーザ素子 - Google Patents

半導体レーザ素子

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Publication number
JPH08330666A
JPH08330666A JP13543495A JP13543495A JPH08330666A JP H08330666 A JPH08330666 A JP H08330666A JP 13543495 A JP13543495 A JP 13543495A JP 13543495 A JP13543495 A JP 13543495A JP H08330666 A JPH08330666 A JP H08330666A
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JP
Japan
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layer
carrier block
type
type carrier
adjacent
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Pending
Application number
JP13543495A
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English (en)
Inventor
Yumi Yamada
由美 山田
Takeshi Fujimoto
毅 藤本
Kiyobumi Muro
清文 室
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
Original Assignee
Mitsui Petrochemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 活性層へのキャリア閉じ込めを確実に行っ
て、発振効率の向上および発振閾値の低減化が可能な半
導体レーザ素子を提供する。 【構成】、n−GaAsから成る半導体基板20の上
に、順次、n−Al0.03Ga0.97Asから成る第2n型
クラッド層11、n−GaAsから成る第1n型クラッ
ド層12、n−In0.49Ga0.51Pから成るn型キャリ
アブロック層13(厚み0.0075μm)、In0.20
Ga0.80As/GaAsから成る二重量子井戸構造を持
つ活性層14、p−Al0.30Ga0.70Asから成るp型
キャリアブロック層15(厚み0.02μm)、p−G
aAsから成る第1p型クラッド層16、p−Al0.03
Ga0.97Asから成る第2p型クラッド層17、p−G
aAsから成るp型コンタクト層19が形成される。p
型コンタクト層19には、n−GaAsから成る電流狭
窄層18が埋込まれている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、通信、光ディスク等の
光記録、レーザプリンタ、レーザ医療、レーザ加工等で
好適に用いられ、高効率で高出力の動作が可能な半導体
レーザ素子に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体レーザの高出力化を目指して、活
性層の両側に禁制帯幅が大きいキャリアブロック層を設
けることによって、キャリアブロック層の外側に形成さ
れるクラッド層の禁制帯幅の選択自由度を大きくした半
導体レーザが提案されている。このような構造におい
て、キャリアブロック層はキャリアを活性層内へ効率的
に閉じ込める機能を有するとともに、このキャリアブロ
ック層は薄く形成されているため、活性層で発生した光
がキャリアブロック層を通過して外側のクラッド層へ容
易に漏れ出すことができる。そのため半導体レーザの光
出射端面において、レーザ光の局所集中によって起こる
瞬時光学損傷を防止し、端面破壊レベルを高くすること
ができる。
【0003】図7(a)は従来の半導体レーザ素子の一
例を示す断面図であり、図7(b)は各層に対応した禁
制帯幅の分布図、図7(c)は各層に対応した屈折率の
分布図である。図7に示す構造は、完全分離閉込めヘテ
ロ構造(PSCH: PerfectSeparate Confinement Heterost
ructure)と称されており(国際公開WO93/165
13)、周知の分離閉込めヘテロ構造(SCH)と比べて
活性層を挟む2つのキャリアブロック層のポテンシャル
障壁がクラッド層から高く突出するように形成されてい
る。
【0004】図7(a)において、n−GaAsから成
る半導体基板(不図示)の上に、順次、n−AlGaA
sから成る第2n型クラッド層1、n−AlGaAsか
ら成る第1n型クラッド層2、n−AlGaAsから成
るn型キャリアブロック層3、GaAs/AlGaAs
から成る量子井戸構造の活性層4、p−AlGaAsか
ら成るp型キャリアブロック層5、p−AlGaAsか
ら成る第1p型クラッド層6、p−AlGaAsから成
る第2p型クラッド層7がそれぞれ形成されている。
【0005】図7(b)に示すように、各キャリアブロ
ック層3、5の禁制帯幅は、活性層4および各クラッド
層1、2、6、7の何れよりも大きくなるように形成さ
れているため、注入されたキャリアが効率よく活性層4
に閉込められる。そのため、レーザ発振に寄与するキャ
リア数が増加して、発振効率が格段に向上する。
【0006】また図7(c)に示すように、第1n型ク
ラッド層2から第1p型クラッド層6までの各層が高屈
折率で、第2n型クラッド層1および第2p型クラッド
層7が低屈折率となるスラブ導波路構造が形成されてい
るため、活性層4で発生した光は高屈折率の内部に広が
って伝搬する。そのため光出力端面での光ピーク強度が
減少して光学損傷が発生し難くなり、高出力動作が可能
になる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図7に示す従来の半導
体レーザ素子において、完全分離閉込めヘテロ構造のキ
ャリアブロック層3、5の禁制帯幅の大きさにのみ留意
しており、2つのキャリアブロック層3、5を同じ材料
で形成している。そのためn型キャリアブロック層3を
ホールブロックとして、p型キャリアブロック層3を電
子ブロックとしてそれぞれ機能させるには、キャリアブ
ロック層3、5への高ドーピングによってエネルギーバ
ンドを高く持ち上げる必要がある。
【0008】しかしながら、薄いキャリアブロック層
3、5のエネルギーバンドを高ドーピングによって持ち
上げると、層が薄いために空乏化してしまい、充分な高
さのポテンシャル障壁が得られなくなる。したがって、
こうした事態を解決するため、キャリアブロック層3、
5を空乏化しない程度に厚く形成する必要がある。
【0009】しかし、キャリアブロック層3、5が厚く
なると、活性層付近での導波モードにくぼみを生じさ
せ、半導体レーザの閾値が増大することになる。また、
高ドープのキャリアブロック層3、5が厚くなると、フ
リーキャリア吸収が増加して内部損失の増大をもたら
し、レーザ発振効率が低下することになる。
【0010】本発明の目的は、活性層へのキャリア閉じ
込めを確実に行って、発振効率の向上および発振閾値の
低減化が可能な半導体レーザ素子を提供することであ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、活性層の両側
にクラッド層を設け、前記活性層に近接して前記活性層
および前記クラッド層の禁制帯幅以上の禁制帯幅を有す
るp型およびn型キャリアブロック層がそれぞれ設けら
れ、前記n型キャリアブロック層はInXGa1-XP(0
≦X≦1)で形成され、隣接するクラッド層はAlY
1-YAs(0≦Y≦1)で形成され、かつ両層の格子
整合がとれるようにIn組成Xが選択されており、さら
にn型キャリアブロック層と隣接するクラッド層との価
電子帯オフセット比が0.5以上であることを特徴とす
る半導体レーザ素子である。 また本発明は、活性層の両側にクラッド層を設け、前記
活性層に近接して前記活性層および前記クラッド層の禁
制帯幅以上の禁制帯幅を有するp型およびn型キャリア
ブロック層がそれぞれ設けられ、前記n型キャリアブロ
ック層はAlX1Ga1-X1Asで形成され、隣接するクラ
ッド層はAlX2Ga1-X2As(0≦X2≦0.45かつ
X2<X1)で形成され、さらにn型キャリアブロック
層と隣接するクラッド層との価電子帯オフセット比が
0.5以上であることを特徴とする半導体レーザ素子で
ある。 また本発明は、p型キャリアブロック層とこれに隣接す
るクラッド層との伝導帯オフセット比が0.5以上であ
ることを特徴とする。 また本発明は、前記n型キャリアブロック層中のキャリ
ア数が隣接する前記クラッド層中のキャリア数よりも小
さいことを特徴とする。 また本発明は、前記p型キャリアブロック層中のキャリ
ア数が隣接する前記クラッド層中のキャリア数よりも小
さいことを特徴とする。
【0012】
【作用】本発明に従えば、n型キャリアブロック層をI
Ga1-XP(0≦X≦1)で形成し、隣接するクラ
ッド層をAlYGa1-YAs(0≦Y≦1)で形成するこ
とによって、両層の禁制帯幅の差を大きく確保できる。
また、In組成Xは両層の格子整合がとれるように、た
とえばX=0.49近傍に選択することによって、良好
なヘテロ接合が実現する。さらに、n型キャリアブロッ
ク層と隣接するクラッド層との価電子帯オフセット比を
0.5以上に形成することによって、キャリアブロック
層の厚みが薄くても、ホールに対して充分な高さのポテ
ンシャル障壁を実現することができる。さらにn型キャ
リアブロック層へのドーピング濃度は、隣接するクラッ
ド層中のフリーキャリア数よりも充分に低いキャリア数
となるよう低濃度とするため、フリーキャリア吸収が低
く抑えられ内部損失は低く抑えられ高効率化が可能とな
る。
【0013】さらに、p型キャリアブロック層と隣接ク
ラッド層との伝導帯オフセット比を0.5以上に形成す
ることによって、キャリアブロック層の厚みが薄くて
も、電子に対して充分な高さのポテンシャル障壁を実現
できる。さらに、p型キャリアブロック層へのドーピン
グ濃度は、隣接するクラッド層中のフリーキャリア数よ
りも充分に低いキャリア数となるように低濃度とするた
め、フリーキャリア吸収が低く抑えられ高効率化が可能
となる。
【0014】以下、詳細に説明する。図1は、2種類の
半導体を接合した状態のエネルギーバンド図である。半
導体2の両側を半導体1で挟んだ構造では、ヘテロ接合
界面で両方の半導体の禁制帯幅の差や電子親和力の違い
によって、ポテンシャル障壁が形成される。伝導帯およ
び価電子帯でのポテンシャル障壁の高さΔEc、ΔEv
は、それぞれ2種類の半導体の組合せに固有の値をと
る。このとき半導体1の禁制帯幅をEg1、半導体2の
禁制帯幅をEg2とおくと、伝導帯オフセット比Qcお
よび価電子帯オフセット比Qvは、次式で定義される。
【0015】 ΔEg = Eg2 − Eg1 …(1) Qc = ΔEc / ΔEg …(2) Qv = ΔEv / ΔEg …(3) 図2は、本発明の原理を示すエネルギーバンド図であ
る。この半導体レーザでは、活性層の両側にクラッド層
が設けられ、活性層に近接してp型およびn型キャリア
ブロック層が設けられている。これらのp型およびn型
キャリアブロック層は活性層およびクラッド層の禁制帯
幅以上の禁制帯幅を有し、さらに隣接クラッド層との伝
導帯オフセット比および価電子帯オフセット比をそれぞ
れ0.5以上に形成している。これによって、p型キャ
リアブロック層は伝導帯から上方へ突出し、しかもn型
キャリアブロック層は価電子帯から下方に突出したバン
ド構造が実現する。
【0016】そのため、電子が伝導帯上を図中右方から
左方へ移動してきた場合、p型キャリアブロック層のポ
テンシャル障壁によって遮られる。一方、ホールが価電
子帯上を図中左方から右方へ移動してきた場合、n型キ
ャリアブロック層のポテンシャル障壁によって遮られ
る。こうして電子およびホールを活性層に効率的に閉じ
込めることができる。
【0017】こうして半導体の組合せによるオフセット
比の違いを利用すると、p型およびn型キャリアブロッ
ク層が薄くても、電子およびホールに対するポテンシャ
ル障壁を充分高く形成できるため、導波モードへの影響
も少なく、しかも発振閾値を低減化できる。さらに、p
型およびn型キャリアブロック層のドーピング濃度も低
くて済むため、量子井戸層近傍すなわち光強度が強い領
域でのフリーキャリア数を低減することができ、フリー
キャリア吸収が減少しレーザ発振効率が向上する。
【0018】また本発明に従えば、n型キャリアブロッ
ク層をAlX1Ga1-X1Asで形成し、隣接するクラッド
層をAlX2Ga1-X2As(0≦X2≦0.45かつX1
>X2)で形成することによって、両層の禁制帯幅の差
を大きく確保できる。しかもn型キャリアブロック層と
隣接するクラッド層との価電子帯オフセット比を0.5
以上に形成することによって、キャリアブロック層の厚
みが薄くても、ホールに対して充分な高さのポテンシャ
ル障壁を実現することができる。さらに、n型キャリア
ブロック層へのドーピング濃度は、隣接するクラッド層
中のフリーキャリア数よりも充分に低いキャリア数とな
るよう低濃度とするため、量子井戸層近傍すなわち光強
度が強い領域でのフリーキャリア数を低減することがで
き、フリーキャリア吸収が減少してレーザ発振効率が向
上する。
【0019】図3は、AlGaAsでのAl組成に対す
る伝導帯のエネルギーレベル変化を示すグラフである。
AlGaAsの伝導帯では、X=0.45でΓバンドと
Xバンドが交差し、Al組成に対してΓバンドは正の傾
き、Xバンドは負の傾きを持っている。これを利用し
て、クラッド層のAl組成比はΓバンドとなるよう選択
したとき、キャリアブロック層のAl組成比は価電子帯
バンドオフセット比が0.5以上となるように選択する
ことが可能となる。
【0020】図8はクラッド層のAl組成比を0.3と
したとき、価電子帯オフセット比のキャリアブロック層
Al組成比依存性を示している。この場合にはキャリア
ブロック層のAl組成比をおよそ0.5以上とすること
で価電子帯オフセット比を0.5以上とすることができ
る。このようにn型キャリアブロック層と隣接するクラ
ッド層の価電子帯オフセット比が0.5以上の場合には
前述したとおり、キャリアブロック層が薄くても、ホー
ルに対するポテンシャル障壁を充分高く形成できるた
め、導波モードへの影響も少なく、しかも発振閾値を低
減化できる。
【0021】さらに、p型キャリアブロック層と隣接ク
ラッド層との伝導帯オフセット比を0.5以上に形成す
ることによって、キャリアブロック層の厚みが薄くて
も、電子に対して充分な高さのポテンシャル障壁を実現
できる。こうして、p型およびn型キャリアブロック層
が薄くても、電子およびホールに対するポテンシャル障
壁を充分高く形成できるため、導波モードへの影響も少
なく、しかも発振閾値を低減化できる。さらに、n型お
よびp型キャリアブロック層へのドーピング濃度も低く
て済むため、量子井戸層近傍すなわち光強度が強い領域
でのフリーキャリア数を低減することができ、フリーキ
ャリア吸収が減少しレーザ発振効率が向上する。
【0022】また、n型キャリアブロック層またはp型
キャリアブロック層中のキャリア数が、隣接するクラッ
ド層中のキャリア数よりも小さくすることによって、上
述したように、量子井戸層近傍でのフリーキャリア吸収
が低減化され、レーザ発振効率が向上する。
【0023】
【実施例】
(実施例1)図4は、本発明の第1実施例を示す断面図
である。この半導体レーザ素子において、n−GaAs
から成る半導体基板20の上に、順次、n−Al0.03
0.97Asから成る第2n型クラッド層11(厚み2.
0μm)、n−GaAsから成る第1n型クラッド層1
2(厚み0.54μm)、n−In0.49Ga0.51Pから
成るn型キャリアブロック層13(厚み0.0075μ
m)、In0.20Ga0.80As/GaAsから成る二重量
子井戸構造(DQW)を持つ活性層14、p−Al0.30
Ga0.70Asから成るp型キャリアブロック層15(厚
み0.02μm)、p−GaAsから成る第1p型クラ
ッド層16(厚み0.54μm)、p−Al0.03Ga
0.97Asから成る第2p型クラッド層17(厚み2.0
μm)、p−GaAsから成るp型コンタクト層19
(厚み2μm)が、MOCVD(有機金属気相成長法)
等を用いてそれぞれ形成されている。なお、p型コンタ
クト層19には、n−GaAsから成る電流狭窄層18
(厚み0.3μm)が中央のストライプ部を両側から挟
むように埋込まれている。
【0024】p型コンタクト層19の上面および半導体
基板20の下面には、オーミック電極21、22がそれ
ぞれ形成されている。光の共振方向は図4紙面垂直方向
であり、半導体レーザ素子の共振器端面は図4紙面に平
行に形成されている。
【0025】注目すべき点は、n型キャリアブロック層
13をIn0.49Ga0.51Pで形成することによって、隣
接する第1n型クラッド層12との価電子帯オフセット
比を0.5以上に設定している点である。さらに、p型
キャリアブロック層15をAl0.30Ga0.70Asで形成
することによって、隣接する第1p型クラッド層16と
の伝導帯オフセット比を0.5以上に設定している。
【0026】第2n型クラッド層11を構成するGaA
sとIn0.49Ga0.51Pとの価電子帯オフセット比は
0.87である(Appl.Phys.Lett.58(7)pp744-など)。
また、In組成をX=0.49近傍に選択することによ
って、両層の格子整合を満足して良好なヘテロ接合が実
現する。また、GaAsとAl0.30Ga0.70Asとの伝
導帯オフセット比は0.62である(J.Appl.Phys.,57,
pp.5340-など)。
【0027】このため高ドーピングによるバンド持上げ
を行わなくても、n型キャリアブロック層13は価電子
帯側に、p型キャリアブロック層15は伝導帯側にそれ
ぞれ充分な高さのポテンシャル障壁を形成することがで
きる。したがって、各キャリアブロック層を薄く形成で
きるため、活性層付近での導波モードのへこみが解消さ
れ、しかも発振閾値の低減化が図られる。また、ドナー
濃度と厚みの積から得られるキャリア数は、n型キャリ
アブロック層の方が第1n型クラッド層よりも小さくな
っている。
【0028】図5は実施例1および比較例1の比較結果
を示し、図5(a)は半導体レーザ素子の導波モードの
光強度分布図、図5(b)は半導体レーザ素子の電流−
光出力特性図である。なお、両者の半導体レーザ素子と
も、キャビティ長が1500μm、電流注入ストライプ
幅が50μm、光学コーティング無しで共通している。
下記の(表1)は比較に用いた実施例1および比較例1
の構成を示す。
【0029】
【表1】
【0030】図5(a)を見ると、実施例1および比較
例1ともにガウス型に近い導波モードを示しているが、
実施例1の方がn型キャリアブロック層が薄いために頂
上付近でのへこみが解消されており、より理想に近い導
波モードが得られている。
【0031】図5(b)を見ると、実施例1および比較
例1ともに微分効率に変化は無いものの、発振閾値を比
較すると実施例1の方が約25%低減化しており、発振
効率の向上および大出力化が図られている。
【0032】(実施例2)本発明の第2実施例は図4と
同じ構造を有する。n−GaAsから成る半導体基板2
0の上に、順次、n−Al0.37Ga0.63Asから成る第
2n型クラッド層11(厚み1.0μm)、n−Al
0.30Ga0.70Asから成る第1n型クラッド層12(厚
み0.74μm)、n−Al0.70Ga0.30Asから成る
n型キャリアブロック層13(厚み0.0075μ
m)、GaAs/Al0.30Ga0.70Asから成る二重量
子井戸構造(DQW)を持つ活性層14、p−Al0.45
Ga0.55Asから成るp型キャリアブロック層15(厚
み0.02μm)、p−Al0.30Ga0.70Asから成る
第1p型クラッド層16(厚み0.74μm)、p−A
0.37Ga0.63Asから成る第2p型クラッド層17
(厚み1.0μm)、p−GaAsから成るp型コンタ
クト層19(厚み2μm)が、MOCVD(有機金属気
相成長法)等を用いてそれぞれ形成されている。なお、
p型コンタクト層19には、n−GaAsから成る電流
狭窄層18(厚み0.3μm)が中央のストライプ部を
両側から挟むように埋込まれている。
【0033】p型コンタクト層19の上面および半導体
基板20の下面には、オーミック電極21、22がそれ
ぞれ形成されている。光の共振方向は図4紙面垂直方向
であり、半導体レーザ素子の共振器端面は図4紙面に平
行に形成されている。
【0034】注目すべき点は、n型キャリアブロック層
13をAl0.70Ga0.30Asで形成し、かつp型キャリ
アブロック層15をAl0.45Ga0.55Asで形成してい
る点である。Al0.30Ga0.70AsとAl0.70Ga0.30
Asとの組合せによる価電子帯オフセット比は0.73
であり、Al0.30Ga0.70AsとAl0.45Ga0.55As
との組合せによる伝導帯オフセット比は0.62であ
る。
【0035】このため高ドーピングによるバンド持上げ
を行わなくても、n型キャリアブロック層13は価電子
帯側に、p型キャリアブロック層15は伝導帯側にそれ
ぞれ充分な高さのポテンシャル障壁を形成することがで
きる。したがって、各キャリアブロック層を薄く形成で
きるため、活性層付近での導波モードのへこみが解消さ
れ、しかも発振閾値の低減化が図られる。
【0036】図6は実施例2および比較例2の比較結果
を示し、図6(a)は半導体レーザ素子の導波モードの
光強度分布図、図6(b)は半導体レーザ素子の電流−
光出力特性図である。なお、両者の半導体レーザ素子と
も、キャビティ長が900μm、電流注入ストライプ幅
が50μm、光学コーティング無しで共通している。下
記の(表2)は比較に用いた実施例2および比較例2の
構成を示す。
【0037】
【表2】
【0038】図6(a)を見ると、実施例2および比較
例2ともにガウス型に近い導波モードを示しているが、
実施例2の方がn型キャリアブロック層が薄いために頂
上付近でのへこみが解消されており、より理想に近い導
波モードが得られている。
【0039】図6(b)を見ると、実施例2および比較
例2ともに微分効率に変化は無いものの、発振閾値を比
較すると実施例2の方が約15%低減化しており、発振
効率の向上および大出力化が図られている。
【0040】なおドーパントとして、n型はS,Si,
Seが、p型はZn,Mg,Be,Cが挙げられる。
【0041】
【発明の効果】以上詳説したように本発明によれば、半
導体の組合せによる伝導帯オフセット比および価電子帯
オフセット比の違いを利用することによって、キャリア
ブロック層が薄くても、キャリアに対するポテンシャル
障壁を充分高く形成できる。そのため、キャリアブロッ
ク層が導波モードへ及ぼす影響も少なくなり、しかも発
振閾値を低減化できる。さらに、p型およびn型キャリ
アブロック層のドーピング濃度も低くて済むため、フリ
ーキャリア吸収が少なくなり発振効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】2種類の半導体を接合した状態のエネルギーバ
ンド図である。
【図2】本発明の原理を示すエネルギーバンド図であ
る。
【図3】AlGaAsでのAl組成に対する伝導帯のエ
ネルギーレベル変化を示すグラフである。
【図4】本発明の第1実施例および第2実施例を示す断
面図である。
【図5】実施例1および比較例1の比較結果を示し、図
5(a)は半導体レーザ素子の導波モードの光強度分布
図、図5(b)は半導体レーザ素子の電流−光出力特性
図である。
【図6】実施例2および比較例2の比較結果を示し、図
6(a)は半導体レーザ素子の導波モードの光強度分布
図、図6(b)は半導体レーザ素子の電流−光出力特性
図である。
【図7】図7(a)は従来の半導体レーザ素子の一例を
示す断面図であり、図7(b)は各層に対応した禁制帯
幅の分布図、図7(c)は各層に対応した屈折率の分布
図である。
【図8】Al0.3Ga0.7AsとAlXGa1-XAs(0.
3≦X≦1)を接合した場合の価電子帯バンドオフセッ
ト比QvのAl組成比依存性を示すグラフである。
【符号の説明】
11 第2n型クラッド層 12 第1n型クラッド層 13 n型キャリアブロック層 14 活性層 15 p型キャリアブロック層 16 第1p型クラッド層 17 第2p型クラッド層 18 電流狭窄層 19 p型コンタクト層 20 半導体基板 21、22 オーミック電極

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性層の両側にクラッド層を設け、前記
    活性層に近接して前記活性層および前記クラッド層の禁
    制帯幅以上の禁制帯幅を有するp型およびn型キャリア
    ブロック層がそれぞれ設けられ、 前記n型キャリアブロック層はInXGa1-XP(0≦X
    ≦1)で形成され、隣接するクラッド層はAlYGa1-Y
    As(0≦Y≦1)で形成され、かつ両層の格子整合が
    とれるようにIn組成Xが選択されており、さらにn型
    キャリアブロック層と隣接するクラッド層との価電子帯
    オフセット比が0.5以上であることを特徴とする半導
    体レーザ素子。
  2. 【請求項2】 活性層の両側にクラッド層を設け、前記
    活性層に近接して前記活性層および前記クラッド層の禁
    制帯幅以上の禁制帯幅を有するp型およびn型キャリア
    ブロック層がそれぞれ設けられ、 前記n型キャリアブロック層はAlX1Ga1-X1Asで形
    成され、隣接するクラッド層はAlX2Ga1-X2As(0
    ≦X2≦0.45かつX2<X1)で形成され、さらに
    n型キャリアブロック層と隣接するクラッド層との価電
    子帯オフセット比が0.5以上であることを特徴とする
    半導体レーザ素子。
  3. 【請求項3】 p型キャリアブロック層とこれに隣接す
    るクラッド層との伝導帯オフセット比が0.5以上であ
    ることを特徴とする請求項1または2記載の半導体レー
    ザ素子。
  4. 【請求項4】 前記n型キャリアブロック層中のキャリ
    ア数が隣接する前記クラッド層中のキャリア数よりも小
    さいことを特徴とする請求項1または2記載の半導体レ
    ーザ素子。
  5. 【請求項5】 前記p型キャリアブロック層中のキャリ
    ア数が隣接する前記クラッド層中のキャリア数よりも小
    さいことを特徴とする請求項3記載の半導体レーザ素
    子。
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