JPH08329896A - 高圧放電灯およびその製造方法 - Google Patents

高圧放電灯およびその製造方法

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JPH08329896A
JPH08329896A JP19193895A JP19193895A JPH08329896A JP H08329896 A JPH08329896 A JP H08329896A JP 19193895 A JP19193895 A JP 19193895A JP 19193895 A JP19193895 A JP 19193895A JP H08329896 A JPH08329896 A JP H08329896A
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JP
Japan
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current conductor
discharge tube
layer
discharge lamp
ceramic discharge
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JP19193895A
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English (en)
Inventor
Takeshi Suzuki
鈴木  剛
Tokuichi Niimi
徳一 新見
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NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
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  • Vessels And Coating Films For Discharge Lamps (AREA)
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  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】メタルハライドランプ等の高圧放電灯におい
て、点灯─消灯を多数回繰り返しても、このヒートサイ
クルによる端部の各部材の損傷、破壊、イオン化発光物
質のリークが生じにくい、信頼性の高い端部構造を提供
すること。 【構成】セラミック放電管の内部空間13にイオン化発
光物質が充填されている。セラミック放電管の端部12
の内側に閉塞材50Aの少なくとも一部が固定されてい
る。閉塞材50Aの貫通孔14a、15aに電極システ
ム付きの電流導体5が挿通されている。貫通孔以外で、
閉塞材50Aおよび電流導体5に対して接合するように
封止材層16Aが形成されている。封止材層16Aは、
好ましくはメタライズ層からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、セラミック放電管を使
用した高圧放電灯およびその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】こうした高圧放電灯においては、セラミ
ック放電管の両方の端部の内側に閉塞材(通常、セラミ
ックプラグと呼ばれている。)を挿通させ、各端部を閉
塞し、各閉塞材に貫通孔を設け、この貫通孔には、所定
の電極システムを固着した金属電流導体が挿通されてい
る。セラミック放電管の内部空間にはイオン化発光物質
を封入する。このような高圧放電灯としては、高圧ナト
リウム発光ランプ、メタルハライドランプが知られてお
り、特に、メタルハライドランプは、良好な演色性を備
えている。放電管の材質としてセラミックを使用するこ
とによって、高温での使用が可能となった。
【0003】図19は、こうしたセラミック放電管の端
部の構造の好適例を示す断面図である。セラミック放電
管の本体11は、両端がすぼまった管状ないし樽状をな
しており、本体11の両端に円筒状の端部12が設けら
れている。本体11および端部12は、例えばアルミナ
焼結体からなる。本体11の内面11aは曲面形状をな
しており、端部12の内面12aは、本体の軸方向に見
ると真っ直ぐであるので、本体11と端部12との間に
角部36が形成されている。端部12の内側には閉塞材
41が挿通され、保持されており、閉塞材41の軸方向
に向かって延びるように貫通孔41aが形成されてい
る。貫通孔41a内には細長い電流導体5が挿通され、
固定されている。本例では、電流導体5は円筒形状をし
ており、電流導体5の内側面5a内を通してイオン化発
光物質を本体11の内部空間13へと導入するようにな
っている。電流導体5の外側の末端には、始動ガスおよ
び発光物質を封入した後に封止する封止部5bが設けら
れており、また電流導体5の外周面に対して電極軸7が
接合されている。
【0004】こうした閉塞材41とセラミック放電管の
端部12との間、閉塞材41と電流導体5との間を封止
する必要があるが、好適な例では、閉塞材41の仮焼体
の貫通孔に電流導体5を挿通し、この閉塞材41を端部
12に挿通して組み立て体を製造し、この組み立て体を
一体焼結させる。この際、一体焼結によって、端部12
と閉塞材41との間、閉塞材41と電流導体5との間を
封止している。
【0005】上記の封止方法では、端部12の仮焼体の
中に閉塞材41の仮焼体を挿入しない状態で端部12の
仮焼体を焼成したときには、端部12の内径は閉塞材4
1の外径よりも小さくなり、これによって閉塞材41を
端部12の中に強固に締めつけて保持している。閉塞材
41と電流導体5とについても同様である。電流導体の
材質としては、モリブデン、タングステン、レニウムま
たはこれらの合金が耐蝕性の観点から見て有利であり、
セラミック放電管の材質としてはアルミナセラミックス
が一般的である。また、閉塞材の材質としては、アルミ
ナセラミックスを使用すると、閉塞材と電流導体との熱
膨張差が大きくなるので、閉塞材の材質としては、アル
ミナセラミックスと上記した金属との複合材料ないし他
のサーメットを使用することが知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、本発明者は、
この製造方法について更に検討を進めた結果、次のよう
な問題点があることを見いだした。即ち、上記した一体
焼成の段階では、確かに端部12の仮焼体、閉塞材41
の仮焼体がそれぞれ、図19における横方向(セラミッ
ク放電管の周方向)に焼成収縮し、この焼成収縮によっ
て閉塞材41および電流導体5が強固に保持され、封止
される。しかし、この一体焼成の段階では、同時に、端
部12の仮焼体と閉塞材41の仮焼体とが、共に矢印E
の方向(セラミック放電管の中心軸の方向)に向かって
も焼成収縮する。この結果、閉塞材41と端部12との
間、閉塞材41と電流導体5との間には、セラミック放
電管の中心軸の方向に見て大きな熱応力が生じ、残留す
る。
【0007】特に、高圧放電灯が優れた演色性を示し、
その最冷点が700℃以上である場合には、セラミック
ス材料に比較的に大きな歪みが発生するので、点灯─消
灯のサイクルを繰り返すと、このヒートサイクルによっ
て上記の残留応力の影響が拡大し、破壊やイオン化発光
物質のリークに至る可能性があった。
【0008】また、図19に示すような端部の封止構造
においては、基本的に閉塞材41と電流導体5との間の
圧力によって両者の間を封止しているが、それでも点灯
─消灯のサイクルを多数回繰り返すのであるから、両者
の熱膨張係数の相違から見て、この封止部分の信頼性を
一層高めておく必要がある。このため、特にメタルハラ
イドに対して高い耐蝕性、信頼性を有するシール構造を
開発することが必要である。
【0009】本発明の課題は、セラミック放電管の端部
の封止構造において、点灯─消灯を多数回繰り返して
も、このヒートサイクルによる端部の各部材の損傷、破
壊、イオン化発光物質のリークが生じないようにするこ
とである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明に係る高圧放電灯
は、内部空間にイオン化発光物質が充填されたセラミッ
ク放電管;このセラミック放電管の端部の内側に少なく
とも一部が固定されている閉塞材であって、貫通孔が設
けられている閉塞材;閉塞材の貫通孔に挿通されている
電極システム付きの電流導体;および、貫通孔以外で、
閉塞材および電極システム付きの電流導体に対して接合
するように形成されている封止材層を備えていることを
特徴とする。
【0011】また、本発明に係る高圧放電灯は、内部空
間にイオン化発光物質が充填されたセラミック放電管;
このセラミック放電管の端部の内側に少なくとも一部が
固定されている閉塞材であって、貫通孔が設けられてい
る閉塞材;閉塞材の貫通孔に挿通されている電極システ
ム付きの電流導体;および、閉塞材および電流導体に対
して密着するように形成されている封止用のメタライズ
層を備えていることを特徴とする。
【0012】更に、本発明に係る高圧放電灯の製造方法
は、閉塞材の被焼成体を製造し、この際閉塞材の被焼成
体の貫通孔に封止材の成分を介在させることなく電流導
体を挿通し、またセラミック放電管の被焼成体を製造
し、このセラミック放電管の被焼成体の端部の内側に前
記閉塞材の少なくとも一部を固定し、封止材の成分を含
む封止材成分層を貫通孔以外で閉塞材および電流導体に
対して接触するように形成し、閉塞材の被焼成体、セラ
ミック放電管の被焼成体および封止材成分層を焼結させ
ることを特徴とする。
【0013】
【作用】本発明者は、前述したような、セラミック放電
管の端部と閉塞材との間、閉塞材と電流導体との間にお
ける破壊、イオン化発光物質のリークについて、詳細に
検討してきたが、この過程で、閉塞材と電流導体との間
には封止材を介在させず、かつ両者の間に、閉塞材の被
焼成体(仮焼体、成形体または脱脂体)の焼成収縮によ
る圧縮応力を生じさせることなく、閉塞材と電流導体と
の双方に封止材層を接合させることによって両者を封止
することに想到した。この結果、閉塞材の被焼成体の焼
成収縮によって、セラミック放電管の中心軸方向への残
留応力が発生しなくなるので、閉塞材と電流導体との間
の破壊、ここからのイオン化発光物質のリークを防止す
ることができる。
【0014】しかも、セラミック放電管の端部を封止す
るための封止材層としてメタライズ層を使用すると、セ
ラミック放電管内のイオン化発光物質、特にメタルハラ
イドに対する耐蝕性がきわめて高くなり、これによって
セラミック放電管の寿命が顕著に増加することを発見
し、本発明を完成するに至った。
【0015】
【実施例】電流導体としては、各種の高融点金属または
高融点の導電性セラミックスからなる電流導体を使用す
ることができる。しかし、導電率の観点から高融点金属
の方が好ましく、こうした高融点金属としては、更にモ
リブデン、タングステン、レニウム、ニオブ、タンタル
およびこれらの合金からなる群より選ばれた一種以上の
金属が好ましい。
【0016】このうち、ニオブおよびタンタルの熱膨張
係数は、セラミック放電管を構成するセラミックス、特
にアルミナセラミックスの熱膨張係数とほぼ釣り合う
が、これらの金属は、メタルハライドによって腐食され
易いことが知られている。
【0017】従って、電流導体の寿命を長くするために
は、電流導体をモリブデン、タングステン、レニウムま
たはこれらの合金によって形成することが好ましい。た
だし、これらの金属は、一般に熱膨張係数が小さい。例
えば、アルミナセラミックスの熱膨張係数は8×10-6
-1であり、モリブデンの熱膨張係数は6×10-6-1
であり、タングステン、レニウムの熱膨張係数は6×1
-6-1以下である。
【0018】封止材層はメタライズ層とすることが好ま
しい。ここで、メタライズ層は、金属成分を含有する封
止材成分層をセラミック放電管の端部の所定位置に形成
し、この封止材成分層を焼成することによって、閉塞材
と電流導体との両者に接合するように、形成することが
できる。
【0019】ここで、メタライズ層を構成する金属成分
としては、モリブデン、タングステン、レニウム、ニオ
ブ、タンタルおよびこれらの合金からなる群より選ばれ
た一種以上の金属が好ましく、特にメタライズ層に対す
る耐蝕性の観点から、モリブデン、タングステン、レニ
ウムおよびこれらの合金からなる群より選ばれた一種以
上の金属が好ましい。
【0020】このメタライズ層中には、セラミックス成
分も含有させることができるが、このセラミックス成分
としては、イオン化発光物質に対して耐蝕性のセラミッ
クスが好ましく、特にセラミック放電管の材質と同種の
セラミックスが好ましく、アルミナセラミックスが特に
好ましい。このメタライズ層中における金属成分とセラ
ミックス成分との含有割合は、95/5〜70/30体
積%とすることが好ましい。また、メタライズ層の厚さ
は、5〜100μmとすることが好ましい。
【0021】閉塞材の材質としては、セラミック放電管
と同種の材質を使用することができるし、異種の材質を
使用することもできる。しかし、端部の内側に挿通され
ている部分については、セラミック放電管と同種の材質
を使用することが好ましい。なぜなら、これによって、
セラミック放電管と閉塞材との間で、セラミック放電管
の中心軸方向への残留応力が、ほとんど発生しなくなる
からである。ただし、ここで同種の材質とは、ベースと
なるセラミックスが共通しているものを言い、添加成分
には異同があっても差し支えない。
【0022】本発明において、閉塞材を2つ以上の部分
に分割して良く、セラミック放電管の端部内に固定され
ている内側部分と、この内側部分に対して一体化されて
いる外側部分とを備えていて良い。この際、内側部分か
ら電流導体への圧縮応力が実質的にないことが好まし
く、このためには、内側部分の貫通孔の直径を電流導体
の直径以上とすることが好ましい。そして、外側部分お
よび電流導体に対して接合するように封止材層が形成さ
れている。
【0023】外側部分と電流導体とは密着させることが
でき、更に外側部分から電流導体へと向かって圧縮応力
が加わるようにすることができる。
【0024】このように、外側部分と電流導体との間を
密着させることによって、両者の間をシールすることが
できるし、この際、内側部分については電流導体に対し
て圧着していない。しかも、外側部分については、セラ
ミック放電管の外側にあって、端部からの応力は小さい
ので、外側部分と電流導体との間の圧力が過大となっ
て、破壊やイオン化発光物質のリークが発生するおそれ
は小さい。
【0025】しかし、外側部分から電流導体へと向かっ
て圧縮応力が加わるようにした場合には、この外側部分
と電流導体との圧着面に、簡単にはリークまでには至ら
ないとしても、繰り返し使用時に両者の熱膨張差による
悪影響があるので、このような繰り返し使用時の影響を
なくするためには、外側部分と電流導体との間に実質的
に圧縮応力が発生しないようにすることが好ましい。こ
の場合には、外側部分と電流導体との間に僅かな隙間な
いしクリアランスを設けることも考えられるが、こうし
た隙間がなくとも、両者が接触しているだけで圧着力が
加わっていなければ良い。
【0026】ただし、封止材層がガラス層である場合に
は、次の制限がある。即ち、ガラス層によって封止を行
う場合には、まず上記の閉塞材を焼成し、次いでこの閉
塞材の外側部分の末端面上にガラスフリットを設置し、
このガラスフリットを溶融させることによってガラス層
を形成する。しかし、この工程において、外側部分と電
流導体との間に隙間があるか、実質的に圧縮応力がない
ような状態であると、閉塞材とガラスフリットとの位置
決めおよび固定が困難であり、溶融したガラスフリット
が発光管内に流れ込んでしまう。従って、封止材層がガ
ラス層である場合には、外側部分と電流導体とを、少な
くとも互いに容易に移動しない程度には密着させること
が好ましい。
【0027】一方、封止材層がメタライズ層である場合
には、閉塞材を焼成する前の成形体ないし仮焼体の末端
面にメタライズペーストを塗布し、次いで閉塞材とメタ
ライズペーストとを一体焼成する。従って、焼成前の段
階でも、焼成後の段階でも、外側部分と電流導体とが密
着している必要はない。このため、前記したように、外
側部分と電流導体との間に実質的に圧縮応力が発生しな
いようにすることが好ましい。
【0028】閉塞材を内側部分と外側部分との接合体と
した場合には、この内側部分の材質は、セラミック放電
管と同種の材質とすることが好ましい。これによって、
内側部分とセラミック放電管の端部とは、焼成後に一体
化する。
【0029】また、外側部分の材質は、セラミック放電
管の材質の熱膨張係数と、電流導体の材質の熱膨張係数
との間の熱膨張係数を有する複合材料とすることが好ま
しい。これによって、一体焼成後の外側部分と電流導体
との間の熱膨張差も小さくすることができる。
【0030】この複合材料は、更に具体的には、熱膨張
係数の相対的に高い第一の成分と、熱膨張係数の相対的
に低い第二の成分との複合材料とすることが良く、ここ
で、複合材料の第一の成分は、内側部分の材質およびセ
ラミック放電管の材質と同種のセラミックスとすること
が好ましい。これによって、一体焼成後に内側部分と外
側部分との界面においてセラミックス成分が拡散し、両
者が強固に接合されるからである。セラミック放電管
と、外側部分を構成する複合材料の第一の成分とを、共
にアルミナセラミックスとすることが特に好ましい。な
ぜなら、アルミナが高い耐食性を有しているからであ
り、また、複合材料中にアルミナ成分を含有させると、
通常は約1600℃以上で、焼結時の固体拡散反応によ
って、外側部分と内側部分との間の継ぎ目が消失し、こ
の接合部分が実質的に一体構造を構成するからである。
【0031】前記複合材料の第二の成分としては、タン
グステン、モリブデン、レニウム等の、メタルハライド
に対する耐食性を有する高融点金属、窒化アルミニウ
ム、窒化珪素、炭化チタン、炭化珪素、炭化ジルコニウ
ム、二ホウ化チタン、二ホウ化ジルコニウム等の、低い
熱膨張係数を有するセラミックスから、選択することが
好ましい。これによって、メタルハライドに対する高い
耐食性を外側部分に対して付与することができる。
【0032】この場合には、主成分であるアルミナの比
率は60〜90重量%とし、第二の成分の比率は10〜
40重量%とすることが望ましい。
【0033】また、封止材層を、閉塞材と、この閉塞材
の反対側に設けられた熱膨張緩和材との間に挟み、この
熱膨張緩和材に対して封止材層を接合させることが好ま
しい。この閉塞材として、前述したような内側部分と外
側部分とを備えた閉塞材を使用する場合には、外側部分
と熱膨張緩和材とを対向させる。
【0034】即ち、閉塞材の表面に封止材層を形成する
と、前述したような点灯─消灯のヒートサイクルに伴っ
て、閉塞材と封止材層との間に、やはり熱膨張差に起因
するクラックが生ずる可能性がある。しかし、閉塞材と
熱膨張緩和材との間に封止材層を挟むようにすると、封
止材層の両面に熱応力が線対称的に加わるようになった
結果、前述のヒートサイクルによって封止材層と閉塞材
との界面付近に集中する熱応力が緩和され、マイクロク
ラック等が発生しにくくなる。
【0035】熱膨張緩和材の材質としては、閉塞材のう
ち封止材層に接触している部分の熱膨張係数と近似した
または等しい熱膨張係数を有する材質が好ましい。閉塞
材が外側部分と内側部分とを備えている場合には、熱膨
張緩和材の材質としては、外側部分の熱膨張係数と近似
したまたは等しい熱膨張係数を有する材質が好ましい。
従って、この後者の場合には、熱膨張緩和材の材質とし
ては、前述した複合材料とすることが好ましく、特に外
側部分の材質と、第一の成分および第二の成分が共通す
る複合材料が好ましい。
【0036】また、閉塞材が外側部分と内側部分とを備
えている場合には、外側部分と熱膨張緩和材との間に、
高融点金属からなる、電流導体の外径よりも僅かに大き
い外径を持つ環状部材を挿入し、この環状部材と外側部
分との間に封止材層を形成し、環状部材と熱膨張緩和材
との間にも封止材層を形成することができる。このよう
に、封止材層の間に環状部材を挿入することによって、
封止材料による電流導体との接合が容易になる。
【0037】また、電流導体の外周面に環状突出部を形
成し、閉塞材と熱膨張緩和材との間に環状突出部を挿入
し、この環状突出部と閉塞材との間に封止材層を形成
し、環状突出部と熱膨張緩和材との間にも封止材層を形
成することができる。この場合には、上記した環状部材
による効果に加えて、更に次の効果がある。上記した各
封止方法では、閉塞材と電流導体の両者を封止材層によ
って接合することによって、イオン化発光物質がリーク
しないようにする必要があった。
【0038】しかし、環状突出部は電流導体の外周面に
あるので、環状突出部と電流導体との間からは、イオン
化発光物質が漏れるおそれはない。従って、この態様で
は、環状突出部と閉塞材との間に封止材層を形成する
際、この封止材層と環状突出部との密着面(シール面)
は、セラミック放電管の中心軸方向に対して垂直面に形
成するのみで完全なシールができるので、このシール部
分の寿命が一層増大する。
【0039】更に、閉塞材が内側部分と外側部分とを備
えている場合には、閉塞材の外側部分と熱膨張緩和材と
の間に環状突出部を挿入する。
【0040】また、この態様においては、更に次の封止
方法が好ましい。即ち、上記した各封止方法では、閉塞
材の外側の端面上に封止材層が形成されており、更にこ
の封止材層の外側に熱膨張緩和材が設けられている。し
かし、これらの封止方法を採用すると、閉塞材の貫通孔
の内面と電流導体との間には若干の隙間が残留してい
て、両者が強固には密着していないので、この隙間の部
分にもイオン化発光物質が流入するので、その分発光の
効率が低下してくる。
【0041】しかし、セラミック放電管の端部の内部空
間側に第一の閉塞材を固定し、セラミック放電管の端部
の末端面側に第二の閉塞材を固定し、第一の閉塞材と第
二の閉塞材との間に、前記の環状突出部を挿入すること
ができる。この場合には、第一の閉塞材と環状突出部と
の間に封止材層を形成し、第二の閉塞材と環状突出部と
の間にも封止材層を形成する。これらの封止材層は、セ
ラミック放電管の中心軸方向に対して垂直面に延びるよ
うに形成する。
【0042】このようにすれば、セラミック放電管の端
部において、第一の閉塞材と電流導体との間の隙間には
イオン化発光物質が流入するが、その先までは流入しな
い。従って、発光効率の劣化を改善できる。
【0043】セラミック放電管の両端において、前述し
たような封止方法を採用することができるが、このうち
一方の端部においては、電流導体の内部を通してイオン
化発光物質を注入する必要があることから、電流導体を
管状とする必要がある。他方の端部においては、ロッド
状、管状等、種々の形状の電流導体を採用することがで
きる。
【0044】ここで、電流導体に前記の環状突出部を設
けた場合には、電流導体を閉塞材の被焼成体の貫通孔へ
と挿通する工程に問題が生ずることが判明してきた。即
ち、電流導体が直線状である場合には、電流導体の先端
に電極システムを溶接によって取り付けた後、この電極
システムの反対側の末端から前記の貫通孔内へと挿入し
ていけば、閉塞材の被焼成体の貫通孔内に、電極システ
ム付きの電流導体を容易に取り付け、組み立て体を製造
することができる。また、電流導体のみを閉塞材とメタ
ライズ焼成し、最終焼成前に電極を溶接することもでき
る。
【0045】しかし、溶接済電極システムに環状突出部
を設けた場合には、電極システムの反対側から順に前記
被焼成体の貫通孔内部へと挿入しようとすると、環状突
出部が被焼成体の端面に突き当たるので、この組み立て
が不可能になる。むろん、環状突出部の直径を小さくし
て、貫通孔内に挿入可能なようにすれば、組み立ては可
能となるが、環状突出部の直径を小さくすると、前述し
た封止部も小さくなるので、この封止材層による封止性
能が低下してしまう。従って、環状突出部の直径は、前
記貫通孔の内径よりも大きくすることが好ましいのであ
る。
【0046】この結果、電流導体のうち電極システムを
取り付けた側、即ち、その先端側から、閉塞材の被焼成
体の貫通孔内へと挿入することが必要になった。しか
し、このとき、従来の組み立て方法においては、電流導
体の外周面に電極システムを溶接によって固定していた
が、この結果、電極システムを被焼成体の貫通孔に挿入
できず、被焼成体の端面に対してつきあたることが判明
した。また、電極システムの電極軸を電流導体に対して
取り付けるのであるが、この取り付け方法としては溶接
方法が使用されている。しかし、この溶接材が電流導体
の外周面から隆起するので、この隆起した溶接材が、や
はり被焼成体の端面に対してつきあたる場合があった。
【0047】むろん、電流導体の直径を、焼成前の被焼
成体の貫通孔の内径よりも十分に小さくすれば、このよ
うな問題は生じにくくなるが、これでは電流導体が閉塞
材の貫通孔内に安定に保持されなくなるので、この方法
は採用できない。
【0048】そこで、本発明者は、電流導体が管状をな
している場合には、電流導体のセラミック放電管の内部
空間側の内側面に、電極システムを取り付けることに想
到した。この結果、特に溶接材の隆起部分が、電流導体
の内周面側に向かって隆起するので、この隆起部分が閉
塞材の被焼成体の端面に対して衝突するようなことはな
くなる。もちろん、同時に、この溶接法は、電極の位置
を発光管の長さ方向に対してより中心側に近づけること
もでき、これによって点灯安定性を向上させることもで
きる。
【0049】また、電流導体のセラミック放電管の内部
空間側に電極システムを取り付け、この電極システムの
先端側をセラミック放電管の中心軸の方へと向かって曲
折させることも想到した。これによって、電極システム
の先端にある電極部分が、被焼成体の貫通孔に対して容
易に収容されるようになった。
【0050】ただし、電流導体の内周面に対して電極シ
ステムの電極軸を取り付けた場合には、この取り付け部
分の周囲に溶接材が隆起する。この隆起は、ろう材を使
用した場合にも、同様に生じうる。この隆起の寸法が大
きくなると、この管状の電流導体を通してイオン化発光
物質を注入するときに、このイオン化発光物質の流れが
隆起によって阻害されるおそれがある。
【0051】そこで、本発明者は、この隆起部分ないし
取り付け部分の手前で、電流導体にイオン化発光物質の
放出口を設けることによって、隆起によってイオン化発
光物質の注入が阻害されることを防止した。こうした放
出口は、電流導体の先端にある放出口と連続していても
良いが、別に形成されていても良い。
【0052】本発明は、各種のイオン化発光物質を封入
した高圧放電灯に対して好適に適用することができる
が、特に、腐食性の強いメタルハライドを封入したメタ
ルハライドランプに対して有用であり、更にセラミック
放電管をアルミナセラミックスによって形成した場合
に、より一層好適である。
【0053】また、本発明においては、閉塞材の少なく
ともセラミック放電管の端部内を、セラミック放電管と
同種の材質によって形成した場合に、この閉塞材の外側
に圧着閉塞材を設け、閉塞材および圧着閉塞材の各貫通
孔内に電流導体を挿入し、閉塞材と圧着閉塞材との間お
よび圧着閉塞材と前記電流導体との間を封止材層によっ
て封止し、圧着閉塞材と電流導体との間の封止材層に対
して圧着閉塞材から周方向に圧着力を加えることができ
る。
【0054】この場合、閉塞材は、前記したように、セ
ラミック放電管と同種の材質からなる一体の閉塞材とす
ることができ、またはこの材質からなる前記の内側部分
と、前記の外側部分との接合体とすることもできる。こ
こで同種の材質とは、ベースとなるセラミックスが共通
しているものを言い、添加成分には異同があっても差し
支えない。
【0055】圧着閉塞材には貫通孔を形成し、この貫通
孔内に電流導体を通す。圧着閉塞材の好ましい材質は、
前述した外側部分の材質と同じであり、具体的には、セ
ラミック放電管の材質の熱膨張係数と、電流導体の材質
の熱膨張係数との間の熱膨張係数を有する前述の複合材
料である。この複合材料は、前述したように、熱膨張係
数の相対的に高い前記第一の成分と、熱膨張係数の相対
的に低い前記第二の成分との複合材料とすることが好ま
しい。
【0056】そして、この圧着閉塞材の被焼成体と閉塞
材の被焼成体との間、および圧着閉塞材の被焼成体と電
流導体との間にそれぞれメタライズペースト層を設け、
各被焼成体およびメタライズペースト層を一体焼成す
る。このとき、各被焼成体はいずれも焼成収縮するが、
電流導体は収縮しない。そこで、圧着閉塞材の被焼成体
の貫通孔内に電流導体を挿通していないときに得られる
焼成後の圧着閉塞材の内径を、電流導体の外径よりも小
さくすれば(好ましくは5〜10%程度小さくすれ
ば)、一体焼成の後では、圧着閉塞材からメタライズ層
および電流導体へと向かって圧縮応力が加わる。そし
て、このメタライズ層内の気孔は、この圧縮応力によっ
て小さくなり、かつ閉気孔となり、メタライズ層の緻密
性が一層向上することを見いだした。
【0057】この態様においては、更に圧着閉塞材の外
側に、前述の熱膨張緩和材を配置し、この熱膨張緩和材
と圧着閉塞材との間にもメタライズ層を設けることが好
ましい。即ち、本態様においても、前述したように、点
灯─消灯のヒートサイクルに伴って、圧着閉塞材とメタ
ライズ層との間に、やはり熱膨張差に起因するクラック
が生ずる可能性がある。しかし、圧着閉塞材と熱膨張緩
和材との間にメタライズ層を挟むようにすると、メタラ
イズ層の両面に熱応力が線対称的に加わるようになった
結果、前述のヒートサイクルによってメタライズと圧着
閉塞材との界面付近に集中する熱応力が緩和され、マイ
クロクラック等が発生しにくくなる。
【0058】なお、本発明において、熱膨張緩和材を設
ける場合には、更に熱膨張緩和材と電流導体との間の隙
間に、封止材層を形成することが好ましい。これによっ
て、より強固な封止材層を得ることができる。
【0059】本発明の製造方法においては、封止材の成
分を含む封止材成分層を、貫通孔以外で閉塞材および前
記電流導体に対して接触するように形成し、閉塞材の被
焼成体、セラミック放電管の被焼成体および封止材成分
層を焼結させる。この際、セラミック放電管に関して
は、セラミックス、例えばアルミナ粉末を押し出し成形
し、円筒型のものを得るか、または空気を成形体の内部
に送り込んでブロー成形し、中央部が膨らんだ形状の円
筒状の成形体を作成し、この成形体を乾燥させ、脱脂す
る。一方、閉塞材の材料を秤量し、水、アルコール、有
機バインダー等を添加し、この混合物をスプレードライ
ヤー等を使用して造粒し、成形用顆粒状粉末を製造す
る。これをプレス成形し、貫通孔を備えた閉塞材の成形
体を製造する。
【0060】そして、この成形体の貫通孔に対して電流
導体を挿通し、この組み立て体を仮焼して成形助剤等を
飛散させ、仮焼体をえることができる。または、前記の
成形体を仮焼して成形助剤等を飛散させて仮焼体を製造
し、この仮焼体の貫通孔に対して電流導体を挿通させる
ことができる。これらの仮焼工程において、閉塞材の外
側部分のように、閉塞材の一部がサーメットによって形
成されている場合には、これを還元性雰囲気で1300
℃〜1600℃で加熱すると、閉塞材の第二の成分とし
て混合された酸化タングステン、酸化モリブデン等が還
元される。
【0061】次いで、セラミック放電管の仮焼体の端部
の内側に閉塞材の仮焼体を挿入し、セラミック放電管と
閉塞材とを一体焼成する。これによって、セラミック放
電管と閉塞材とが一体に接合されるに至る。この際、閉
塞材の外側部分によって電流導体を強固に保持する場合
には、外側部分の仮焼体の貫通孔に対して電流導体を挿
通しない場合における、焼成後の貫通孔の直径を、挿入
前の電流導体の直径よりも1〜10%小さくすること
が、好ましい。また、セラミック放電管の仮焼体の端部
に対して閉塞材の仮焼体を挿通しない場合における、焼
成後の端部の内径を、焼成後の閉塞材の外径よりも1〜
10%小さくすることが好ましい。
【0062】この最終焼成も、還元雰囲気中で行うこと
が好ましく、その温度は1700℃〜1900℃とする
ことが好ましい。このように、仮焼ないし焼成の段階で
還元雰囲気を使用すると、閉塞材中の第二の成分、例え
ばタングステンの還元を進行させることができ、また酸
化を防止することができる。
【0063】封止材成分層は、前述したような所定箇所
に形成し、また必要に応じて熱膨張緩和材の仮焼体を配
置して、閉塞材の仮焼体、セラミック放電管の仮焼体お
よび封止材成分層と共に一体焼成する。
【0064】この際、電流導体の外周面に環状突出部を
形成する場合には、セラミック放電管の中心軸方向に見
て、環状突出部と閉塞材の被焼成体とを対向させ、環状
突出部と閉塞材の被焼成体との間に封止材成分層を形成
することができる。
【0065】また、この態様において、更に電流導体が
管状をなしている場合には、電流導体のセラミック放電
管の内部空間側の内側面に電極システムを取り付け、次
いでこの電流導体を閉塞材の被焼成体の貫通孔内へと電
極システムの方から挿入し、この貫通孔の中に電流導体
を固定する。または、電流導体のセラミック放電管の内
部空間側に電極システムを取り付け、この際電極システ
ムの先端側をセラミック放電管の中心軸の方へと向かっ
て曲折させ、次いでこの電流導体を閉塞材の被焼成体の
貫通孔内へと電極システムの方から挿入し、この貫通孔
の中に電流導体を固定することができる。
【0066】セラミック放電管の形状は、一般的には、
管状、円筒状、太鼓状、等とすることができる。電流導
体が管状であり、この電流導体を通して放電管の内部に
イオン化発光物質を封入した場合には、この封入の後
に、電流導体をレーザー溶接または電子ビーム溶接によ
って閉塞させる。
【0067】また、閉塞材自体の内部空間側の表面に、
液相のイオン化発光物質を貯留するための貯留用凹部を
予め形成しておき、閉塞材の貯留用凹部へと液相のメタ
ルハライド等を流入させることができる。即ち、高圧放
電灯の点灯と消灯とを繰り返して行うと、点灯時には、
メタルハライドの大部分は気相となっており、セラミッ
ク放電管の内部空間内に分布している。しかし、上記の
残存した液相の一部は、図16に示すように、特に温度
が比較的低い端部12側へと向かって、矢印Dのように
流動してくる。この液相状態で流動するメタルハライド
は、セラミック放電管に対して腐食性を有しており、特
にアルミナ焼結体に対しても腐食性を有している。この
ため、長期間高圧放電灯を使用し、点灯と消灯とを繰り
返す実験を行うと、特に角部36の周囲が腐食され、腐
食面が形成されてくることがあった。そして、この腐食
面に沿って液相のメタルハライドが貯留し易くなるの
で、一層この腐食面に沿って腐食が進行し易くなる。こ
のような腐食が発生し易くなると、高圧放電灯の寿命が
短くなる。
【0068】しかし、上記の方法によって、液相のメタ
ルハライド等が閉塞材の貯留用凹部へと向かって優先的
に流入し、セラミック放電管の本体と端部との間の領域
には貯留しにくくなり、この部分の腐食が大幅に減少す
ることを確認した。ただし、閉塞材の貯留用凹部の周辺
では腐食が進行するが、閉塞材自体が腐食しても、閉塞
材の厚さは大きいことから、高圧放電灯の寿命に対して
は悪影響はない。
【0069】この態様においては、貯留用凹部に傾斜を
設けることが好ましく、具体的には、セラミック放電管
の中心軸方向に見た閉塞材の厚さ(貫通孔の延びる方向
Dに見た厚さ)が、角部から貫通孔の方へと向かって減
少するように、貯留用凹部を形成することが好ましい。
これによって、貯留用凹部の幅が、角部から貫通孔の方
へと向かって、即ち、セラミック放電管の周縁から中心
の方へと向かって、大きくなっていく。
【0070】更には、セラミック放電管の本体の内面
と、貯留用凹部とが、段差なしに滑らかに連続している
ことが好ましい。即ち、角部が、セラミック放電管の内
面に段差として現れないことが好ましい。こうした形状
の組み合わせを採用することによって、本体の内周面に
沿って流動してきた液相のイオン化発光物質が、段差の
周囲に滞留することを防止できる。
【0071】また、本発明者は、セラミック放電管の端
部の封止を、前述したようなメタライズ層によって行う
ことが、メタルハライド、ナトリウム等の腐食、特にメ
タルハライドによる腐食に対してきわめて有効であるこ
とを見いだした。そして、メタライズ層の具体的材質
や、メタライズ層を封止材として使用した種々の態様に
ついては、既に説明してきた。
【0072】しかし、セラミック放電管の端部を封止な
いし気密にシールするためにメタライズ層を使用する具
体的態様は、前述してきたものには限定されない。即
ち、前述してきた各態様に加えて、更に、セラミック放
電管の内側空間側に面する閉塞材の表面にメタライズ層
を形成し、このメタライズ層によって、少なくとも閉塞
材と電流導体との間の隙間が放電管に連通しないように
被覆することができる。
【0073】また、セラミック放電管の端部の内部空間
側に第一の閉塞材を固定し、セラミック放電管の端部の
末端面側に第二の閉塞材を固定し、第一の閉塞材と第二
の閉塞材との間に、圧着閉塞材を挿入することができ
る。この場合には、第一の閉塞材と圧着閉塞材との間に
封止材層を形成し、第二の閉塞材と圧着閉塞材との間に
も封止材層を形成することができる。これらの封止材層
は、セラミック放電管の中心軸方向に対して垂直面に延
びるように形成する。しかも、圧着閉塞材と電流導体と
の間を封止材層によって封止し、圧着閉塞材と電流導体
との間の封止材層に対して圧着閉塞材から周方向に圧着
力を加える。
【0074】このようにすれば、セラミック放電管の端
部において、第一の閉塞材と電流導体との間の隙間には
イオン化発光物質が流入するが、その先までは流入しな
い。従って、発光効率を改善できる。
【0075】この態様においては、第一の閉塞材および
第二の閉塞材は、前記したように、セラミック放電管と
同種の材質によって形成することが好ましい。
【0076】圧着閉塞材の好ましい材質は、前述した通
りである。具体的には、セラミック放電管の材質の熱膨
張係数と、電流導体の材質の熱膨張係数との間の熱膨張
係数を有する前述の複合材料である。
【0077】以下、図面を参照しつつ、本発明を更に詳
細に説明する。
【0078】図1は、メタルハライド高圧放電灯を示す
概略図である。石英ガラスまたは硬質ガラスからなる外
管2の中に、セラミック放電管10が収容されており、
外管2の中心軸とセラミック放電管10の中心軸とが一
致している。外管2の両端は、口金3によって気密に閉
塞されている。セラミック放電管10は、中央部が膨ら
んだ樽状の本体11と、本体11の両端にある端部12
とを備えている。セラミック放電管10は、2つのリー
ド線1を介在して外管2によって保持されており、各リ
ード線1はそれぞれホイル4を介して口金3に接続され
ている。上側のリード線1は、管状またはロッド状の電
流導体6に対して溶接されており、下側のリード線1
は、管状の電流導体5に対して溶接されている。
【0079】各電流導体5、6は、それぞれ、各閉塞材
の貫通孔に挿通され、固定されている。各電流導体5、
6には、本体11内で、電極軸7が、溶接によって気密
に接続されている。この電極軸7に対してコイル9が巻
き付けられている。なお、この電極システムについて
は、特に限定されるものではなく、例えば、電極軸7の
末端部分を球状に形成し、この球状部分を電極として使
用することもできる。閉塞材等の構造については、後述
する。
【0080】メタルハライド高圧放電灯の場合には、セ
ラミック放電管10の内部空間13には、アルゴン等の
不活性ガスとメタルハライドとを封入し、更に必要に応
じて水銀を封入する。
【0081】図2は、図1に示すセラミック放電管の端
部の周辺を拡大して示す断面図である。本体11の内面
11aは曲面形状をなしており、端部12の内面12a
は、セラミック放電管の中心軸方向に見ると真っ直ぐで
あり、本体11と端部12との間に角部36が形成され
ている。端部12の内側には閉塞材50Aが挿通されて
いる。この閉塞材50Aは、端部12内に大部分が収容
されている内側部分14と、端部12内に収容されてい
ない外側部分15とからなる。内側部分14と外側部分
15とは一体化されており、その貫通孔14a、15a
の中心軸もほぼ一致している。内側部分14と端部12
とは、互いに同種のセラミックス、好ましくはアルミナ
セラミックスによって形成されており、両者の界面は、
焼成段階でほぼ消失している。
【0082】貫通孔14a内、貫通孔15a内には、細
長い管状の電流導体5が挿通されている。電流導体5の
外側の末端には、始動ガスおよびイオン化発光物質を封
入した後に封止する封止部5bが設けられている。電流
導体5と外側部分15との間には、圧着面40が形成さ
れている。外側部分15の端面15bの更に外側にリン
グ状の熱膨張緩和材17が設けられており、外側部分の
端面15bと熱膨張緩和材17の端面17bとが対向し
ている。熱膨張緩和材17の中心の貫通孔17a内にも
電流導体5が挿通されている。外側部分15と熱膨張緩
和材17との間に封止材層16Aが挟まれており、封止
材層16Aは、端面15b、17bおよび電流導体5の
表面の一部を被覆している。これによって、セラミック
放電管の中心軸方向のシール面20と、これに垂直方向
のシール面19とが形成されている。この封止材層とし
ては、メタライズ層が好ましいが、ガラス層を使用する
ことも可能である。熱膨張緩和材17からの電流導体5
の突出部分の周囲に、ガラス層42が形成されている。
【0083】本実施例では、閉塞材50Aの成形体また
は仮焼体の貫通孔に電極システム付きの電流導体5を挿
通し、この閉塞材の成形体または仮焼体を、セラミック
放電管の成形体または仮焼体の端部に挿通して組み立て
体を製造し、この組み立て体を一体焼結させる。この
際、外側部分15を、セラミック放電管10の材質、好
ましくはアルミナと、前述した第二の成分とからなる、
複合材料ないしサーメットによって形成する。
【0084】封止材層16Aが前記のサーメットである
場合には、この封止材層16Aを構成すべきペースト
を、図2に示す形状の塗布層を形成するように塗布し、
閉塞材の被焼成体およびセラミック放電管の被焼成体と
共に一体焼成する。封止材層16Aをガラス層とした場
合には、閉塞材50Aとセラミック放電管11とを一体
焼成した後に、閉塞材50Aと熱膨張緩和材17との間
にガラスフリットを設置し、このガラスフリットを溶融
させてガラス層を形成する。
【0085】図3は、本発明の他の実施例に係るセラミ
ック放電管の端部の構造を示す断面図である。図3の端
部構造は、図2の端部構造とほぼ同様のものであので、
同じ部材には同じ符号を付け、その説明は省略する。
【0086】本実施例においては、閉塞材56は、セラ
ミック放電管11の端部12内に固定される内側部分1
4と、端部から露出している外側部分57との一体焼成
体からなっている。外側部分の材質は、図2における外
側部分15の材質と同様である。この外側部分57の貫
通孔57a内に電流導体5が挿通されている。外側部分
57の貫通孔57aの表面と、電流導体5との間には、
本実施例においては若干のクリアランスが設けられてお
り、従って、電流導体5への圧縮応力は加わっていな
い。ただし、図3においては、このクリアランスを若干
誇張して表現している。
【0087】外側部分57の端面57bと対向するよう
に、熱膨張緩和材17が設置されている。本実施例にお
いては、封止材層58のリング状部分58aによって、
外側部分57の端面57bと熱膨張緩和材17の端面1
7bとの間が気密に封止されている。また、熱膨張緩和
材17の貫通孔17aと電流導体5の外周面との間に
も、封止材が充填されており、封止材層58bを形成し
ている。
【0088】図4、図5、図6は、それぞれ、本発明の
他の実施例に係るセラミック放電管について、その端部
の周辺を拡大して示す断面図である。ただし、各実施例
において、図2、図3に既に示した各部材については、
同じ符号を付け、その説明は省略することがある。
【0089】図4に示す実施例においては、環状部材1
8の貫通孔に電流導体5を挿通し、環状部材18を外側
部分15と熱膨張緩和材17との間に介在させた。そし
て、外側部分の端面15bと環状部材18との間に封止
材層16Cを形成し、熱膨張緩和材の端面17bと環状
部材18との間に封止材層16Bを形成した。これによ
って、セラミック放電管の中心軸方向に対して垂直方向
に延びるシール面19を形成した。また、環状部材18
と電流導体5との間には若干の隙間があり、封止材層1
6B、16Cは電流導体に対して接合しており、この密
着部分にもシール面20が形成されている。
【0090】図5に示す実施例においては、更に図3に
示した閉塞材56を使用した。環状部材18の貫通孔に
電流導体5を挿通し、環状部材18を外側部分57と熱
膨張緩和材17との間に介在させた。そして、外側部分
の端面57bと環状部材18との間に封止材層59Aを
形成し、熱膨張緩和材の端面17bと環状部材18との
間に封止材層59Bを形成した。これによって、セラミ
ック放電管の中心軸方向に対して垂直方向に延びるシー
ル面19を形成した。また、環状部材18と電流導体5
との間には若干の隙間があり、封止材層59A、59B
は電流導体に対して接合しており、この密着部分にもシ
ール面20が形成されている。
【0091】外側部分57の貫通孔57aと電流導体5
との間には、前記したように圧縮応力は加わっていな
い。また、熱膨張緩和材17の貫通孔17aと電流導体
5の外周面との間にも、封止材が充填されており、封止
材層59Cを形成している。
【0092】図6に示す実施例においては、閉塞材50
Bが、内側部分14および外側部分21によって構成さ
れている。外側部分21の材質は、前述したものと同じ
であるが、本実施例では、貫通孔21a内に挿通された
電流導体5と外側部分21とが強固に密着してはいな
い。電流導体5の外周面には環状突出部22が形成され
ており、この環状突出部22は、セラミック放電管の中
心軸に対して垂直の方向に向かって延びている。外側部
分21と熱膨張緩和材17との間にこの環状突出部22
が挿通されている。外側部分21の端面21bと環状突
出部22との間に封止材層16Dが形成されており、こ
の部分にシール面19が形成されている。環状突出部2
2と熱膨張緩和材の端面17bとの間にも封止材層16
Eが形成されている。
【0093】このような端部構造を製造するためには、
次の方法が好ましい。図7は、この製造方法を説明する
ための断面図であり、電流導体23と被焼成体とを組み
立てる前の状態を示している。電流導体23の両端部は
開放されている。この電流導体23の外周面に、前記し
た環状突出部ないしフランジ部22が形成されている。
組み立て段階では、この電流導体23を、閉塞材の被焼
成体51の貫通孔54へと挿入する必要がある。ここ
で、閉塞材の被焼成体51は、内側部分の被焼成体52
および外側部分の被焼成体53によって構成されてい
る。しかし、環状突出部22の外径は、貫通孔54の直
径よりも小さいので、まず矢印Aに示すように電流導体
23の先端を貫通孔54内に挿通し、この先端部分を被
焼成体51から突出させる。次いで、貫通孔54から突
出した電流導体23の先端部分に対して、矢印Bのよう
に電極軸7を溶接する。
【0094】こうして得た組み立て体を一体焼成させた
後、電流導体23の内部空間23aを通してイオン化発
光物質をセラミック放電管内へと注入し、次いで、レー
ザービーム等によって電流導体23の先端部分を封止し
て、電流導体5を得る。これによって、図6に示す端部
構造を作成することができる。
【0095】しかし、この製造方法では、電流導体23
を閉塞材の被焼成体の貫通孔に対して完全に挿通させた
後に、電極システムを電流導体に対して溶接することに
なる。しかし、電流導体に対して電極システムを溶接し
た後に上記の組み立てを行うことは、前述した理由から
困難である。
【0096】この場合には、図8(a)に示すような電
流導体と電極システムとの組み合わせを使用することが
好ましい。即ち、電極システム27は、直線状部27
a、曲折部27bおよび直線状部27cを備えており、
この直線状部27cに電極9が設けられている。電流導
体24に対して電極システムを取り付ける際に、電流導
体24の先端部分の内周面24bに対して直線状部27
aを取り付ける。この際、隆起部分26が形成され、こ
れが内部空間24aを流入してきたイオン化発光物質の
流れを阻害する可能性があるので、隆起26の手前に放
出口25を形成する。直線状部27cは、本実施例では
ほぼセラミック放電管の中心軸に位置している。この組
み立て体を矢印Cのように貫通孔54内へと挿入する。
イオン化発光物質の封入が終わった後に、この放出口2
5を封止する。
【0097】また、図8(b)に示すように、電流導体
28の末端部分の内周面に直線状部27aを溶接するの
と共に、この末端部分から斜め方向に放出口29を形成
し、隆起26の手前からイオン化発光物質が放出される
ようにすることができる。この後、電流導体の内部空間
28aからイオン化発光物質を封入し、次いで放出口2
9を封止すると、図9に示すような端部構造が形成され
る。
【0098】図9に示す各部材は、ほぼ図6に示す各部
材と同じであるが、電流導体および電極システムについ
てのみは、図8(b)に示すものを使用している。電流
導体28の外側の末端は、封止部30によって封止され
ている。電極システム27の直線状部27aが、電流導
体28の内周面に対して固定されている。
【0099】図10に示す実施例においては、電流導体
および電極システムとしては、図8(a)に示す電流導
体24および電極システム27を使用した。端部12の
うち、内部空間13側に第一の閉塞材33が固定されて
おり、末端面側に第二の閉塞材32が固定されている。
第一の閉塞材33と第二の閉塞材32とは互いに分離さ
れており、両者の間に環状突出部22が挿入されてい
る。閉塞材33の貫通孔33a内および閉塞材32の貫
通孔32a内にそれぞれ電流導体24が挿入されている
が、これらの部分では、電流導体24は各閉塞材によっ
ては強固に保持されていない。
【0100】環状突出部22と閉塞材33の端面33b
との間に封止材層16Fが形成されており、これらの密
着部分において、セラミック放電管の中心軸方向とは垂
直方向に延びるようにシール面19が形成されている。
環状突出部22と閉塞材32の端面32bとの間に封止
材層16Gが形成されており、これらの密着部分におい
て、セラミック放電管の中心軸方向とは垂直方向に延び
るようにシール面19が形成されている。電流導体24
の外側の末端は、封止部30によって封止されている。
こうした端部構造によれば、前述した効果に加えて、更
にシール面19が内部空間13に近い位置に形成される
ので、端部にはイオン化発光物質を収容するような隙間
がきわめて少なくなる。
【0101】図11は、更に他の実施例に係るセラミッ
ク放電管の端部構造を示す断面図である。本実施例にお
いては、閉塞材60は、セラミック放電管11と同種の
材質によって形成されており、閉塞材60の外側に圧着
閉塞材61が設置されている。閉塞材60および圧着閉
塞材61の各貫通孔60a、61a内に電流導体5が挿
入されている。閉塞材60の端面60bと圧着閉塞材6
1の端面61bとの間が、封止材層62Aによって気密
に封止されている。封止材層62Aによって、軸方向と
は垂直方向に延びるシール面19が形成されている。
【0102】また、圧着閉塞材61の貫通孔61aと電
流導体5の外周面との間には若干の隙間があり、この隙
間に封止材が充填されており、封止材層62Bを形成し
ている。圧着閉塞材61と電流導体5との間の封止材層
62Bに対して、圧着閉塞材61から周方向に圧着力が
加わっている。この結果、圧着閉塞材61の内周面と電
流導体5の外周面との間に、セラミック放電管の軸方向
に延びるシール面20が形成されている。
【0103】圧着閉塞材61の外側にも、更に熱膨張緩
和材17が設置されており、熱膨張緩和材17の貫通孔
17a内に電流導体5が挿通されている。熱膨張緩和材
17の端面17bと、圧着閉塞材61の端面61cとの
隙間も、封止材層62Cによって気密に封止されてい
る。
【0104】圧着閉塞材61の好ましい材質は、前述し
た閉塞材の外側部分の材質と同じである。この端部構造
を製造する際には、好ましい態様においては、封止材と
してメタライズを使用し、圧着閉塞材61の被焼成体と
閉塞材60の被焼成体との間にメタライズペースト層を
設け、圧着閉塞材61の被焼成体と電流導体5との間に
メタライズペースト層を設け、かつ圧着閉塞材61と熱
膨張緩和材17との間にメタライズペースト層を設け、
各被焼成体および各メタライズペースト層を一体焼成す
る。この一体焼成の際、各被焼成体はいずれも焼成収縮
するが、電流導体5は収縮しない。そこで、圧着閉塞材
61の被焼成体の貫通孔内に電流導体5を挿通していな
いときに得られる焼成後の圧着閉塞材61の内径を、電
流導体5の外径よりも小さくすると、一体焼成の後で
は、圧着閉塞材61からメタライズ層62Bおよび電流
導体5へと向かって圧縮応力が加わる。そして、このメ
タライズ層62B内の気孔は、この圧縮応力によって小
さくなり、かつ閉気孔となり、メタライズ層62Bの緻
密性が一層向上することを見いだした。
【0105】図12は、更に他の実施例に係るセラミッ
ク放電管の端部構造を示す断面図である。閉塞材63
は、セラミック放電管11と同種の材質によって形成さ
れており、閉塞材63の外側に圧着閉塞材64が設置さ
れている。閉塞材63および圧着閉塞材64の各貫通孔
63a、64a内に電流導体5が挿入されている。閉塞
材63の端面63bと圧着閉塞材64の端面64bとの
間が、封止材層66Aによって気密に封止されている。
ここで、閉塞材63の端面63aは、セラミック放電管
の中心軸Fに対する垂直方向からみて若干傾斜してお
り、圧着閉塞材64の端面64bは、端面63bとほぼ
平行になっている。従って、封止材層66Aによって、
中心軸Fの垂直方向とは若干傾斜した方向に延びるよう
に、シール面70が形成されている。
【0106】圧着閉塞材64の貫通孔64aと電流導体
5の外周面との間には若干の隙間があり、この隙間に封
止材が充填されており、封止材層66Bを形成してい
る。圧着閉塞材64と電流導体5との間の封止材層66
Bに対して、圧着閉塞材64から周方向に圧着力が加わ
っている。この結果、圧着閉塞材64の内周面と電流導
体5の外周面との間に、セラミック放電管の中心軸F方
向に延びるシール面20が形成されている。
【0107】圧着閉塞材64の外側にも、更に熱膨張緩
和材65が設置されており、熱膨張緩和材65の貫通孔
65a内に電流導体5が挿通されている。熱膨張緩和材
65の端面65bと、圧着閉塞材64の端面64cとの
隙間も、封止材層66Cによって気密に封止されてい
る。
【0108】ここで、圧着閉塞材64の端面64cは、
セラミック放電管の中心軸Fに対する垂直方向からみて
若干傾斜しており、熱膨張緩和材65の端面65bは、
端面64cとほぼ平行になっている。従って、封止材層
66Cによって、中心軸Fの垂直方向とは若干傾斜した
方向に延びるように、シール面が形成されている。そし
て、圧着閉塞材64は、外周側から内周側へと向かっ
て、厚さが直線的に大きくなるように、形成されてい
る。
【0109】圧着閉塞材64の好ましい材質は、前述し
た圧着閉塞材61の材質と同じであり、また図12の端
部構造の好適な製造方法も、図11の端部構造の好適な
製造方法と同じである。ただし、図12のように、圧着
閉塞材64の端面を、セラミック放電管の中心軸Fの垂
直方向に対して傾斜させることによって、閉塞材63の
被焼成体、圧着閉塞材64の被焼成体および熱膨張緩和
材65の被焼成体の間に、メタライズ層66A、66
B、66Cのペースト層を形成して、一体の組み立て体
を作製する。また工程上も、この傾斜により電極軸方
向、半径方向の熱応力を緩和できる。更には、この組み
立て体の中心軸の位置が分かりやすくなるので、この組
み立てを容易に行うことができる。
【0110】また、図11、図12において、封止材層
をメタライズ層とし、このメタライズ層の材質を、アル
ミナと、モリブデン、タングステン、レニウムまたはこ
れらの合金との複合材料とすることができる。この場合
には、メタライズ層62Bまたは66Bと、リング状の
メタライズ層62Aまたは66Aのうち電流導体5に近
い各内周側とについては、メタライズ層中のモリブデ
ン、タングステン、レニウムまたはこれらの合金の含有
比率を大きくし、メタライズ層62A、66Aの外周側
では、メタライズ層62A、66A中のアルミナの含有
比率を大きくすることができる。メタライズ層62Aお
よび62Bにおいて、またはメタライズ層66Aおよび
66Bにおいて、このような傾斜組成を採用することに
よって、熱サイクルによってメタライズ層の各部分に加
わる応力を一層緩和することができる。
【0111】また、封止のためのメタライズ層は、閉塞
材の内部空間13側の表面に形成することもできる。こ
の場合には、メタライズ層によるシール面が内部空間1
3にきわめて近い位置に形成されるので、端部にはイオ
ン化発光物質を収容するような隙間がきわめて少なくな
る。図13は、こうした実施例を示す断面図である。
【0112】閉塞材50Cは、内側部分34と外側部分
15とによって構成されている。内側部分34と電流導
体5との間にはほとんど圧縮応力は存在しないが、電流
導体5は外側部分15によって保持されている。外側部
分15は、端部12の外に存在している。電流導体5
は、内側部分34の貫通孔34aおよび外側部分15の
貫通孔15aを挿通しており、外側部分15の端面15
b上にガラス層42が形成されている。
【0113】内側部分34の内部空間13側の表面には
曲面37が形成されており、この曲面37のエッジが角
部36に対して接触しており、曲面37が本体11の内
面11aに対して滑らかに連続しており、角部36は本
体11と曲面37との間の段差として現れない。
【0114】この曲面37は、角部36と接触するエッ
ジでは、内面11aとほぼ同じ傾斜角度を有しており、
ここから貫通孔34aに近づくのにつれて、徐々にその
傾斜角度が水平に近づいている。この結果、内側部分3
4ないし閉塞材50C自体の内部空間13側に、貯留用
凹部38が形成されている。本体11の内面11aを、
矢印Dのように端部12の方へと向かって流動してきた
液相のイオン化発光物質は、この貯留用凹部38へと直
ちに流入する。
【0115】図14に示す実施例においては、セラミッ
ク放電管11の端部12の内部空間側に、第一の閉塞材
33が固定されており、端部12の末端面側に第二の閉
塞材32が固定されている。第一の閉塞材33と第二の
閉塞材32とは互いに分離されており、第一の閉塞材3
3と第二の閉塞材32との間に、圧着閉塞材67が挿入
されている。圧着閉塞材67の貫通孔67a内に電流導
体5が挿通されている。
【0116】第一の閉塞材33および第二の閉塞材32
は、図10のものと同様に、セラミック放電管11と同
種の材質からなっており、従って各閉塞材32、33と
端部12との接触面の気密性は完全に保持されている。
【0117】第一の閉塞材33の端面33bと圧着閉塞
材67の端面67bとの間に封止材層68Cが形成され
ている。第二の閉塞材32の端面32bと圧着閉塞材6
7の端面67cとの間にも封止材層68Aが形成されて
いる。これらの封止材層68A、68Cは、セラミック
放電管11の中心軸方向に対して形成されており、この
方向に延びるようにシール面19が形成されている。
【0118】圧着閉塞材67と電流導体5との間にも封
止材が充填されており、封止材層68Bを形成してい
る。圧着閉塞材67と電流導体5との間の封止材層68
Bに対しては、圧着閉塞材67から周方向に圧着力が加
わっている。
【0119】図15に示す実施例においては、セラミッ
ク放電管11の端部12の内部空間側に、第一の閉塞材
72が固定されており、端部12の末端面側に第二の閉
塞材71が固定されている。第一の閉塞材72と第二の
閉塞材71とは互いに分離されており、これらの閉塞材
の間に圧着閉塞材73が挿入されている。閉塞材71の
貫通孔71a内、閉塞材72の貫通孔72a内、および
圧着閉塞材73の貫通孔73a内に電流導体5が挿通さ
れている。
【0120】第一の閉塞材72および第二の閉塞材71
は、セラミック放電管11と同種の材質からなってお
り、従って各閉塞材71、72と端部12との接触面の
気密性は完全に保持されている。閉塞材72の端面72
bは、セラミック放電管の中心軸Fに対する垂直方向か
らみて若干傾斜しており、圧着閉塞材73の端面73b
は、端面72bとほぼ平行になっている。封止材層74
Cによって、中心軸Fの垂直方向とは若干傾斜した方向
に延びるように、シール面70が形成されている。
【0121】閉塞材71の端面71bも、セラミック放
電管の中心軸Fに対する垂直方向からみて若干傾斜して
おり、圧着閉塞材73の端面73cは、端面71bとほ
ぼ平行になっている。封止材層74Aによって、中心軸
Fの垂直方向とは若干傾斜した方向に延びるように、シ
ール面70が形成されている。
【0122】圧着閉塞材73と電流導体5との間にも封
止材が充填されており、封止材層74Bを形成してい
る。圧着閉塞材73と電流導体5との間の封止材層74
Bに対しては、圧着閉塞材73から周方向に圧着力が加
わっている。
【0123】図16〜図18は図1に示したセラミック
放電管の更に他の例の端部の周辺を拡大して示す断面図
である。図16において、例えばAl2O3 製のセラミック
放電管10の端部12の内側に、例えばサーメットから
なる円板形状の閉塞材81を固定する。閉塞材81の中
央には貫通孔82を形成している。そして、貫通孔82
内に、例えばモリブデンからなる管状の電流導体6をメ
タライズ層83を介して固定している。電流導体6のセ
ラミック放電管10内の端部には、コイル等の電極9を
設けている。本例では、閉塞材81の外側の主面81a
上に、メタライズ層83と連続したメタライズ層84を
形成している。そして、メタライズ層84上にガラス層
85を形成している。
【0124】図16に示す例では、閉塞材81と電流導
体6との間をメタライズ層83で固定し、閉塞材81と
セラミック放電管10の端部12との間は、焼成時の熱
膨張差に起因するセラミック放電管10の端部12から
閉塞材81への圧縮力で固定している。このメタライズ
層83の存在により、貫通孔82方向への応力の発生お
よび残留をなくすことができる。なお、本例では、メタ
ライズ層84上にガラス層85を形成し、メタライズ組
織に耐食性のあるガラスを浸透させて、気密性および寿
命の向上を行っているが、これらの構成は必要に応じて
無くすこともできる。また、図16に示す例は、放電管
10の端部12の内径が比較的小さい場合に好適に利用
することができる。
【0125】図17において、図16に示す例と異なる
点は、閉塞材81を、径の大きなリング形状の第1の閉
塞材91と径の小さなリング形状の第2の閉塞材92と
から構成している点である。第1の閉塞材91と第2の
閉塞材92との間および閉塞材81の内側の端面には、
上述したメタライズ層83、84と同様のメタライズ層
63および64を形成して固定している。そして、セラ
ミックス放電管10の熱膨張係数をTc、第1の閉塞材
91の熱膨張係数をT1、第2の閉塞材92の熱膨張係
数をT2、電流導体6の熱膨張係数をTmとしたとき、
Tc≦T1<T2≦Tmの関係を満たすように各部材の
材質を選択する必要がある。
【0126】図17に示す例では、閉塞材81の径が大
きくなっても、本発明の効果を達成できる構成であるた
め、セラミック放電管10の端部12の径が比較的大き
なものにも好適に適用することができる。なお、図17
に示す例でも、メタライズ層84の上にガラス層85を
設けているが、必要に応じてメタライズ層84およびガ
ラス層85を無くすことができる。また、閉塞材91を
2つの第1の閉塞材91と第2の閉塞材92とから構成
したが、径方向の分割数は2分割に限定されず、3分割
以上であっても良いことはいうまでもない。ただしこの
際も、上記熱膨張係数の関係を満たす必要がある。
【0127】図18に示す例では、図16、図17に示
す例と比較して、閉塞材81の外側および内側に第1の
熱膨張緩和材101および第2の熱膨張緩和材102を
設けている。第1の熱膨張緩和材101および第2の熱
膨張緩和材102は、それぞれ閉塞材81の外径と同じ
外径を有するとともに、閉塞材81の内径よりも大きい
内径の貫通孔103を有している。また、第1の熱膨張
緩和材101の一方の主面と閉塞材81との間にはメタ
ライズ層84を設けて固定するとともに、第2の熱膨張
緩和材102の一方の主面と閉塞材81との間にはメタ
ライズ層94を設けて固定している。さらに、閉塞材8
1と同様に、セラミック管10の端部12の焼成時の圧
縮応力を利用して、第1および第2の熱膨張緩和材10
1および102を端部12に封止している。
【0128】本例における第1の熱膨張緩和材101
は、セラミック放電管10の端部12の中心軸方向への
応力を緩和するバックアップリングの役目を果たしてい
る。また、第2の熱膨張緩和材102は、上記バックア
ップリングの役目とともに、セラミック放電管10内に
露出するメタライズ層94を保護することで、メタライ
ズ層94に対するバックアークの発生を減少させる役目
も果たしている。第1の熱膨張緩和材101および第2
の熱膨張緩和材102の材質は特に限定するものではな
いが、セラミック放電管10と同じ例えばAl2O3 で構成
することが好ましい。
【0129】図18に示す例では、閉塞材81のメタラ
イズ層84上であって、閉塞材81の外側に設けられた
第1の熱膨張緩和材101と電流導体6との間に、ガラ
ス85を設け、露出したメタライズ組織にガラスを浸透
させている。また、第1の熱膨張緩和材102のセラミ
ック放電管10の端部12と接する角部に面取り部10
4を形成している。面取り部104は図示のようなC面
取りのほかR面取り等の形状を用いることができる。こ
のような面取り部104を設けることで、各部材の角部
とセラミック放電管10の端部12との間の応力集中を
緩和でき、角部における破壊をなくすことができる。ま
た、本例においても、図17に示すように、閉塞材81
を複数の部材から構成することもできる。
【0130】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、内
部空間にイオン化発光物質が充填されたセラミック放電
管、このセラミック放電管の端部を封止する閉塞材、お
よび閉塞材の貫通孔に挿通されている電極システム付き
の電流導体を備えている高圧放電灯において、点灯─消
灯を多数回繰り返しても、このヒートサイクルによる端
部の各部材の損傷、破壊、イオン化発光物質のリークが
生じにくい、信頼性の高い端部構造を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る高圧放電灯の全体の構造
を概略的に示す概略図である。
【図2】本発明の実施例に係る高圧放電灯において、そ
のセラミック放電管11の端部12の周辺の構造を拡大
して示す断面図であり、閉塞材50Aの外側部分15と
熱膨張緩和材17との間に封止材層16Aが形成されて
いる。
【図3】本発明の他の実施例に係る高圧放電灯におい
て、セラミック放電管11の端部12の周辺の構造を拡
大して示す断面図であり、閉塞材56の外側部分57と
熱膨張緩和材17との間に封止材層58が形成されてい
る。
【図4】本発明の更に他の実施例において、セラミック
放電管11の端部12の周辺の構造を拡大して示す断面
図であり、閉塞材50Aの外側部分15と熱膨張緩和材
17との間に環状部材18が挿入されており、これらの
間に封止材層16B、16Cが形成されている。
【図5】本発明の更に他の実施例において、セラミック
放電管11の端部12の周辺の構造を拡大して示す断面
図である。
【図6】本発明の更に他の実施例において、セラミック
放電管11の端部12の周辺の構造を拡大して示す断面
図であり、電流導体5の外周面に環状突出部22が形成
されており、外側部分21と環状突出部22との間、熱
膨張緩和材17と環状突出部22との間に、それぞれ封
止材層16D、16Eが形成されている。
【図7】本発明の実施例に係る高圧放電灯において、電
流導体23と閉塞材の被焼成体51との組み立て体の製
造方法を説明するための断面図である。
【図8】(a)、(b)は、それぞれ本発明の実施例に
係る高圧放電灯において、電流導体24、28と閉塞材
の被焼成体51との組み立て体の製造方法を説明するた
めの断面図である。
【図9】本発明の更に他の実施例において、セラミック
放電管11の端部12の周辺の構造を拡大して示す断面
図であり、電流導体の外周面に環状突出部22が形成さ
れており、かつ図8(b)に示す電流導体および電極シ
ステムを使用した。
【図10】本発明の更に他の実施例において、セラミッ
ク放電管11の端部12周辺の構造を拡大して示す断面
図であり、電流導体5の外周面に環状突出部22が形成
されており、図8(a)に示す電流導体および電極シス
テムを使用した。
【図11】本発明の更に他の実施例において、端部12
の周辺の構造を拡大して示す断面図であり、閉塞材60
と圧着封止材61との間に封止材層が形成されている。
【図12】本発明の更に他の実施例において、端部12
の周辺の構造を拡大して示す断面図であり、閉塞材63
と圧着封止材64との間に封止材層が形成されており、
圧着封止材64の厚さが、外周側から内周側へと向かっ
て大きくなっている。
【図13】本発明の更に他の実施例において、端部12
の周辺の構造を拡大して示す断面図であり、閉塞材50
Cの内側部分34の内部空間13側の表面にメタライズ
層16Hが形成されている。
【図14】本発明の更に他の実施例において、端部12
の周辺の構造を拡大して示す断面図であり、第一の閉塞
材33と第二の閉塞材32との間に圧着封止材67が挿
入されており、これらの各部材の間に封止材層68A、
68Cが形成されている。
【図15】本発明の更に他の実施例において、端部12
の周辺の構造を拡大して示す断面図であり、第一の閉塞
材72と第二の閉塞材71との間に圧着封止材73が挿
入されており、これらの各部材の間に封止材層74A、
74Cが形成されている。
【図16】本発明の更に他の実施例において、端部12
の周辺の構造を拡大して示す断面図であり、閉塞材81
と電流導体6との間にメタライズ層83が形成されてい
る。
【図17】本発明の更に他の実施例において、端部12
の周辺の構造を拡大して示す断面図であり、閉塞材81
を第1の閉塞材91と第2の閉塞材92とから形成して
いる。
【図18】本発明の更に他の実施例において、端部12
の周辺の構造を拡大して示す断面図であり、閉塞材81
の外側および内側に第1の熱膨張緩和材101と第2の
熱膨張緩和材102を形成している。
【図19】従来のセラミック放電管の端部の周辺の構造
を示す断面図である。
【符号の説明】
2 外管 5 管状の電流導体 6 管状またはロ
ッド状の電流導体 7 電極軸 9 コイル等の電
極 10 セラミック放電管11 セラミック放電管
の本体 11a 本体の内面 12 セラミック放
電管の端部 12a 端部の内面 13 セラミッ
ク放電管の内部空間14、34 閉塞材の内側部分
14a、34a 内側部分の貫通孔 15、21 閉
塞材の外側部分 15a、21a 外側部分の貫通孔
16A、16B、16C、16D、16E、16
F、16G、58、59A、59B、59C、62A、
62B、62C、66A、66B、66C 封止材層
16H メタライズ層 17、65 熱膨張緩和材
19 セラミック放電管の中心軸の方向に対して垂
直方向のシール面 20 セラミック放電管の中心軸
の方向のシール面 22 電流導体の環状突出部
24、28 環状突出部を備えた管状の電流導体 2
5、29 イオン化発光物質の放出口 27電極シス
テム 27b 曲折部 32 第二の閉塞材 3
3 第一の閉塞材 50A、50B、50C 閉塞材
51 閉塞材の被焼成体 52内側部分の被焼成
体 53 外側部分の被焼成体 60 閉塞材
61、64 圧着封止材 81 閉塞材 82、10
3 貫通孔 83、84、93、94 メタライズ層
85 ガラス層 91 第1の閉塞材 92 第2の閉
塞材 101 第1の熱膨張緩和材 102 第2の熱
膨張緩和材 D イオン化発光物質が流動する方向
E セラミック放電管の中心軸の方向

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内部空間にイオン化発光物質および始動ガ
    スが充填されたセラミック放電管;このセラミック放電
    管の端部の内側に少なくとも一部が固定されている閉塞
    材であって、貫通孔が設けられている閉塞材;前記閉塞
    材の前記貫通孔に挿通されている電極システム付きの電
    流導体;および前記貫通孔以外で、前記閉塞材および前
    記電流導体に対して接合するように形成されている封止
    材層を備えていることを特徴とする、高圧放電灯。
  2. 【請求項2】前記封止材層がメタライズ層からなること
    を特徴とする、請求項1記載の高圧放電灯。
  3. 【請求項3】前記閉塞材が、前記セラミック放電管の端
    部内に固定されている内側部分と、この内側部分に対し
    て一体化されている外側部分とを備えており、前記内側
    部分から前記電流導体に対する圧縮応力が実質的に存在
    せず、前記外側部分と前記電流導体とが密着しており、
    前記外側部分および前記電流導体に対して接合するよう
    に前記封止材層が形成されていることを特徴とする、請
    求項1または2記載の高圧放電灯。
  4. 【請求項4】前記閉塞材が、前記セラミック放電管の端
    部内に固定されている内側部分と、この内側部分に対し
    て一体化されている外側部分とを備えており、前記内側
    部分および前記外側部分から前記電流導体に対する圧縮
    応力が実質的に存在せず、前記外側部分および前記電流
    導体に対して接合するように前記封止材層が形成されて
    いることを特徴とする、請求項1または2記載の高圧放
    電灯。
  5. 【請求項5】前記内側部分が前記セラミック放電管と同
    種の材質からなり、前記外側部分が、前記セラミック放
    電管の材質の熱膨張係数と、前記電流導体の材質の熱膨
    張係数との間の熱膨張係数を有する複合材料からなるこ
    とを特徴とする、請求項3または4記載の高圧放電灯。
  6. 【請求項6】前記封止材層が、前記閉塞材と、この閉塞
    材の反対側に設けられた熱膨張緩和材との間に挟まれて
    おり、かつこの熱膨張緩和材に対して接合していること
    を特徴とする、請求項1または2記載の高圧放電灯。
  7. 【請求項7】前記封止材層が、前記閉塞材の前記外側部
    分と、この外側部分の反対側に設けられた熱膨張緩和材
    との間に挟まれており、かつこの熱膨張緩和材に対して
    密着していることを特徴とする、請求項3〜5のいずれ
    か一つの請求項に記載の高圧放電灯。
  8. 【請求項8】前記外側部分と前記熱膨張緩和材との間
    に、高融点金属からなる環状部材が挿入されており、こ
    の環状部材と前記外側部分との間および前記環状部材と
    前記熱膨張緩和材との間に、それぞれ前記封止材層が形
    成されていることを特徴とする、請求項7記載の高圧放
    電灯。
  9. 【請求項9】前記電流導体の外周面に環状突出部が形成
    されており、前記外側部分と前記熱膨張緩和材との間に
    前記環状突出部が挿入されており、この環状突出部と前
    記外側部分との間および前記環状突出部と前記熱膨張緩
    和材との間に、それぞれ前記封止材層が形成されている
    ことを特徴とする、請求項7記載の高圧放電灯。
  10. 【請求項10】前記電流導体の外周面に環状突出部が形
    成されており、前記セラミック放電管の中心軸方向に見
    てこの環状突出部と前記閉塞材とが対向しており、前記
    閉塞材との間に前記封止材層が形成されていることを特
    徴とする、請求項1または2記載の高圧放電灯。
  11. 【請求項11】前記セラミック放電管の端部の内部空間
    側に第一の閉塞材が固定されており、前記セラミック放
    電管の端部の末端面側に第二の閉塞材が固定されてお
    り、前記第一の閉塞材と前記第二の閉塞材との間に前記
    環状突出部が挿入されており、前記第一の閉塞材と前記
    環状突出部との間および前記第二の閉塞材と前記環状突
    出部との間にそれぞれ前記封止材層が形成されているこ
    とを特徴とする、請求項10記載の高圧放電灯。
  12. 【請求項12】前記電流導体が管状をなしており、前記
    電流導体の前記セラミック放電管の内部空間側の内側面
    に電極システムが取り付けられていることを特徴とす
    る、請求項10記載の高圧放電灯。
  13. 【請求項13】前記電流導体の前記セラミック放電管の
    内部空間側に電極システムが取り付けられており、この
    電極システムの先端側が前記セラミック放電管の中心軸
    の方へと向かって曲折していることを特徴とする、請求
    項9または10記載の高圧放電灯。
  14. 【請求項14】前記閉塞材の少なくとも前記セラミック
    放電管の端部内が、前記セラミック放電管と同種の材質
    からなっており、この閉塞材の外側に圧着閉塞材が設け
    られており、前記閉塞材および前記圧着閉塞材の各貫通
    孔内に前記電流導体が挿入されており、前記閉塞材と前
    記圧着閉塞材との間および前記圧着閉塞材と前記電流導
    体との間が封止材層によって封止されており、前記圧着
    閉塞材と前記電流導体との間の封止材層に対して前記圧
    着閉塞材から周方向に圧着力が加わっていることを特徴
    とする、請求項1記載のセラミック高圧放電灯。
  15. 【請求項15】内部空間にイオン化発光物質が充填され
    たセラミック放電管;このセラミック放電管の端部の内
    側に少なくとも一部が固定されている閉塞材であって、
    貫通孔が設けられている閉塞材;前記閉塞材の前記貫通
    孔に挿通されている電流導体;および前記閉塞材および
    前記電流導体に対して接合するように形成されている封
    止用のメタライズ層を備えていることを特徴とする、高
    圧放電灯。
  16. 【請求項16】前記閉塞材の外側の主面上に、メタライ
    ズ層を介してガラス層を設けたことを特徴とする、請求
    項15記載の高圧放電灯。
  17. 【請求項17】前記閉塞材のセラミック放電灯と接する
    角部に面取り部を設けたことを特徴とする、請求項15
    または16記載の高圧放電灯。
  18. 【請求項18】前記閉塞材の外側および内側に設けられ
    た第1および第2の熱膨張緩和材であって、前記閉塞材
    の貫通孔より大きい内径を有する貫通孔が設けられてい
    る第1および第2の熱膨張緩和材を有することを特徴と
    する、請求項15記載の高圧放電灯。
  19. 【請求項19】前記閉塞材の外側の主面上であって、前
    記閉塞材の外側に設けられた第1の熱膨張緩和材の貫通
    孔と前記電流導体との間に、メタライズ層を介してガラ
    ス層を設けたことを特徴とする、請求項18記載の高圧
    放電灯。
  20. 【請求項20】前記閉塞材および第1、第2の熱膨張緩
    和材のセラミック放電管と接する角部に面取り部を設け
    たことを特徴とする、請求項19記載の高圧放電灯。
  21. 【請求項21】前記閉塞材を径の異なる複数のリング部
    材から構成し、複数のリング部材間をメタライズ層で固
    定することを特徴とする、請求項15〜20のいずれか
    一つの請求項に記載の高圧放電灯。
  22. 【請求項22】請求項1記載の高圧放電灯を製造する方
    法であって:前記閉塞材の被焼成体を製造し、この際前
    記閉塞材の前記被焼成体の貫通孔に封止材の成分を介在
    させることなく前記電流導体を挿通し、また前記セラミ
    ック放電管の被焼成体を製造し、このセラミック放電管
    の被焼成体の端部の内側に前記閉塞材の少なくとも一部
    を固定し、封止材の成分を含む封止材成分層を前記貫通
    孔以外で前記閉塞材および前記電流導体に対して接触す
    るように形成し、前記閉塞材の被焼成体、前記セラミッ
    ク放電管の被焼成体および前記封止材成分層を焼結させ
    ることを特徴とする、高圧放電灯の製造方法。
  23. 【請求項23】前記電流導体の外周面に環状突出部を形
    成し、前記セラミック放電管の中心軸方向に見て前記環
    状突出部と前記閉塞材の前記被焼成体とを対向させ、前
    記環状突出部と前記閉塞材の被焼成体との間に前記封止
    材成分層を形成することを特徴とする、請求項22記載
    の高圧放電灯の製造方法。
  24. 【請求項24】前記電流導体の前記セラミック放電管の
    内部空間側に電極システムを取り付け、この際電極シス
    テムの先端側を前記セラミック放電管の中心軸の方へと
    向かって曲折させ、次いでこの電極システム付きの電流
    導体を前記閉塞材の被焼成体の貫通孔内へと前記電極シ
    ステムの方から挿入し、この貫通孔の中に前記電極シス
    テム付きの電流導体を固定することを特徴とする、請求
    項23記載の高圧放電灯の製造方法。
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