JPH08329189A - マーク位置検出装置およびマーク位置検出方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】帳票イメージから帳票位置基準マークを検出す
るマーク位置検出装置およびマーク位置検出方法に関
し，任意の向きにセットされた帳票のマーク位置を少な
いメモリ量で高速に検出できるようにすることを目的と
する。 【構成】検出対象の帳票イメージの間引きイメージを作
成し(2),検出対象領域を減少させてマーク位置を検出す
る(3) 。マークが検出できない場合には, 帳票イメージ
を分割して回転処理し(5),回転したイメージを圧縮し
(7),全ての分割したイメージについて回転・圧縮した
後, 回転・圧縮したデータを伸長処理して(9),元の帳票
イメージ上に上書きする。それについて，再度同様なマ
ーク検出を繰り返す。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は，光学式文字読取装置等
に用いられるマーク位置の検出技術に係わり，特に，任
意の向きにセットされた帳票の任意の大きさのマーク位
置を，少ないメモリ量で高速に検出することを可能にし
たマーク位置検出装置およびマーク位置検出方法に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】光学式文字読取装置では，通常，認識対
象の文字が記載される帳票として，あらかじめ認識対象
領域の基準となる位置に所定の大きさのマークが記され
た帳票用紙が用いられる。そして，帳票イメージ内の認
識対象とする文字の領域を特定するために，入力した帳
票イメージから最初に帳票位置基準となるマークを検出
することが行われる。

【０００３】図１１は帳票の例を示す。この例では，帳
票１００内に２つの帳票位置基準マーク１１０が記さ
れ，その帳票位置基準マーク１１０の位置に合わせて文
字認識対象領域１１１が設けられている。従来の光学式
文字読取装置では，これらの帳票位置基準マーク１１０
が入力した帳票イメージ内のある程度限定した領域内に
存在することを前提にマーク位置の検出を行っており，
この前提のもとで検出速度を高速化することが図られて
いた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】最近，例えばファクシ
ミリ装置で受信した帳票イメージについて，文字認識を
行うような需要が増えている。しかし，例えばファクシ
ミリ装置等により受信した帳票イメージについて文字認
識を行うために，帳票イメージ内の帳票位置基準マーク
（以下，ＦＡＸマークという）を検出しようとした場
合，イメージの伸びやズレにより，限定した領域内にマ
ークが存在しないことがあり，そのため，マークの検出
ができずに，文字の読み取りが不可能になることがあ
る。

【０００５】すなわち，従来技術では，受信した帳票イ
メージに伸びやズレが生じることにより，予定された領
域内にＦＡＸマークが存在しなかった場合には，文字の
読み取りができないという問題があった。逆に，帳票イ
メージ全体を範囲としてマーク検出を行うと，検出速度
が低下してしまうという問題があった。

【０００６】したがって，帳票イメージ内の予定位置か
ら外れた位置にマークが存在する場合であっても，入力
帳票イメージから高速にマークを抽出する技術が必要と
される。

【０００７】また，ファクシミリ装置の送信原稿は，操
作ミス等により逆向きや横向きの誤った方向でセットさ
れて送信されることがあり，この場合には，受信した帳
票イメージの予定位置においてマークを検出することが
できない。したがって，任意の向きにセットされた帳票
に対しても文字認識を可能にするために，ＦＡＸマーク
を手掛かりに帳票イメージの向きを確定することが必要
とされる。特に，この場合に，少ないメモリ量で高速に
帳票イメージの向きを特定することが望まれる。

【０００８】本発明は上記問題点の解決を図り，帳票位
置基準マークが入力帳票イメージの限定された範囲内に
ない場合であっても，高速にマークを検出する手段を提
供することを目的とする。また，帳票が正しい向きにセ
ットされなかった場合でも，大量のメモリを使用しない
で帳票の向きを特定できるようにすることを目的とす
る。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は，上記課題を解
決するため，図１に示すような各手段を備える。図１
は，本発明の原理構成図である。図１において，１は文
字読取装置に用いられるマーク位置検出装置，２は間引
きイメージ生成処理手段，３はマーク位置検出処理手
段，４はイメージ回転処理手段，５は分割回転処理手
段，６は第１のバッファ，７はデータ圧縮処理手段，８
は第２のバッファ，９はデータ伸長処理手段，１１ａ〜
１１ｄは帳票イメージを表す。

【００１０】間引きイメージ生成処理手段２は，帳票イ
メージの複数行または複数列単位で間引き処理を行い，
複数行または複数列を１行または１列とした間引きイメ
ージを生成する手段である。間引きイメージ生成処理手
段２は，例えば帳票イメージの複数行または複数列の論
理和（ＯＲ）をとることにより間引きイメージを生成す
る。

【００１１】マーク位置検出処理手段３は，間引きイメ
ージ生成処理手段２で生成された帳票の間引きイメージ
を用いて，帳票イメージ中のマーク位置を検出する手段
である。

【００１２】イメージ回転処理手段４は，帳票イメージ
を回転させる手段である。イメージ回転処理手段４は，
図１（Ｂ）に示すように，元の帳票イメージ１１ａの向
きに対して，第１回目には帳票イメージを１８０度回転
させ（帳票イメージ１１ｂ），第２回目には帳票イメー
ジを９０度回転させ（帳票イメージ１１ｃ），第３回目
には帳票イメージを２７０度回転させる（帳票イメージ
１１ｄ）。

【００１３】すなわち，任意の向きにセットされた帳票
に対して，帳票の正しい向き（正立）を確定するため
に，順次，帳票全体のイメージを回転処理して，間引き
イメージ生成処理手段２およびマーク位置検出処理手段
３を用いて，回転処理後の帳票イメージに対するマーク
検出処理を行い，マークを検出した帳票の向きを正しく
セットされた向き（正立）とする。

【００１４】イメージ回転処理手段４による帳票イメー
ジの回転は，一時的な作業用バッファとして第１のバッ
ファ６および第２のバッファ８を用い，分割回転処理手
段５，データ圧縮処理手段７，データ伸長処理手段９に
よって行う。

【００１５】分割回転処理手段５は，回転対象の帳票イ
メージを分割し，分割イメージごとに回転処理を行い，
第１のバッファ６に格納する手段である。データ圧縮処
理手段７は，第１のバッファ６に格納された分割イメー
ジを所定のデータ圧縮方法により圧縮し，第２のバッフ
ァ８に格納する手段である。データ伸長処理手段９は，
第２のバッファ８に格納された圧縮帳票イメージをデー
タ圧縮処理手段７で用いたデータ圧縮方法に対応するデ
ータ伸長方法により伸長する手段である。

【００１６】これにより，第１のバッファ６および第２
のバッファ８を使用するだけで，少量のメモリで帳票の
全体イメージを回転させることが可能となる。

【００１７】

【作用】本発明では，間引きイメージ生成処理手段２お
よびマーク位置検出処理手段３により，帳票イメージ中
のマーク検出の走査領域を減少させることにより，マー
ク検出の高速化を可能にしている。

【００１８】また，イメージ回転処理手段４により，２
値のイメージデータの格納の特性を用いて，検出処理の
速度を向上するようにしている。これは，帳票イメージ
を格納するメモリにデータがシーケンシャルに配列され
ていることから，２値のイメージからマーク検出を行う
場合には，横向き（９０／２７０度回転）または逆向き
（１８０度回転）イメージから直接マーク検出を行うよ
り，正立した（０度）イメージに対してマーク検出する
ほうがより高速に処理できるからである。

【００１９】加えて，帳票がセットされる場合の操作ミ
スの頻度を考慮して，第１回目に帳票イメージを１８０
度（逆向き）回転させ，第２回目には９０度（右向き）
回転させ，第３回目には２７０度（左向き）回転させる
ようにすることで，高速に帳票イメージの正しい向きを
特定するようにしている。すなわち，誤った向きでセッ
トされた帳票の向きを特定するとき，オペレータがミス
しやすい逆向きセットの方向を，横向きセットの方向よ
り優先して回転処理することにより，確率的に高速な帳
票の向きの特定を実現する。

【００２０】さらに，分割回転処理手段５，データ圧縮
処理手段７，データ伸長処理手段９，第１のバッファ６
および第２のバッファ７により，回転処理を少量のメモ
リで行うようにしている。もし，帳票イメージを直接回
転させる場合には，現在の帳票イメージを記憶している
メモリと，回転後の帳票イメージを記憶するメモリの２
つの大容量のメモリが必要になる。本発明では，第１の
バッファ６は，帳票イメージをｎ個に分割したとする
と，帳票イメージの１／ｎのメモリ量でよく，また第２
のバッファ８はデータの圧縮率に応じたサイズのメモリ
量で十分である。データを伸張した回転結果は，元の帳
票イメージのメモリに書き戻すことができるので，帳票
イメージを回転する場合に全体の帳票イメージの大きさ
の２倍の容量のメモリ（回転前と回転後用）を用意する
必要はない。

【００２１】

【実施例】以下，図を用いて本発明の実施例を説明す
る。図２および図３は，本発明の実施例における論理和
（ＯＲ）による間引きイメージ生成処理およびマーク位
置検出処理を説明する図である。

【００２２】 図２（Ａ）に示すように，帳票全体の
２値のイメージに対して，１／ｎの論理和（ＯＲ）間引
き処理を行う。すなわち，帳票イメージ１１の各ｎライ
ン分の値について論理和（ＯＲ）をとり，１ラインとし
て出力して間引きイメージ１２を生成する。これによ
り，マーク検出のための走査ライン数を１／ｎに減らす
ことができ，検出の高速化を実現することができる。

【００２３】 次に，間引きイメージ１２の左右方向
（ｘ方向）に対し，マーク幅と近似した幅の黒イメージ
を探す。マーク幅と近似していない黒イメージは，図２
（Ｂ）に示すように，マーク候補から削除する。図２
（Ｃ）は，比較の対象となる間引き処理したイメージで
のマークの大きさを示す図である。この間引き処理した
標準のマークの大きさは，予め算出しておく。

【００２４】 マーク幅と近似した幅の黒イメージを
検出したならば，その幅で上下方向（ｙ方向）に全部白
となるラインを探してその黒イメージの高さを算出す
る。 黒イメージの高さが，図２（Ｃ）に示す１／ｎのマ
ーク高に近似していたならば，この黒イメージをマーク
候補とする。図２（Ｄ）に示す３つの黒イメージは，マ
ーク幅およびマーク高について近似しているマーク候補
である。

【００２５】 図２（Ｅ）に示すように，前述した
からまでの処理で選ばれたマーク候補について，元の
帳票全体のイメージからそのマーク候補の外接矩形の幅
および高さを算出し，マーク候補をさらに絞る。図２
（Ｆ）は，帳票イメージ１１での実物大のマークの大き
さを示す図である。

【００２６】 算出した外接矩形の幅および高さがマ
ークの幅・高さと近似している場合には，帳票全体のイ
メージに対して，そのマーク候補の正しい幅・高さを以
下に示す方法で求め，マークを確定する。以下に示す方
法を用いるのは，例えば，帳票が傾いてセットされ，帳
票イメージ１１内のマークが傾いている場合には，外接
矩形の幅・高さと実際のマーク幅・マーク高では誤差が
生じるためである。

【００２７】１）図３（Ａ）に示すように，幅（ｘ）・
高さ（ｙ）方向にそれぞれマークの画素数のヒストグラ
ムを作成する。 ２）ｘ方向・ｙ方向それぞれのヒストグラムについて正
規分布を求め，その最大分布位置を確定する。

【００２８】３）幅（ｘ）・高さ（ｙ）のいずれか長い
方の方向については，その幅が全体の代表となるかどう
かを判断する。具体的には，全体の１／２以上がその幅
に該当すれば代表とする。

【００２９】４）マークの全体画素数と１）〜３）で求
めた代表幅・代表高さの面積が近似していれば，そのマ
ーク候補をマークとして確定する。 図３（Ｂ）は，図３（Ａ）に示すマークのｘ方向のヒス
トグラムの画素分布を示す図である。図３（Ｂ）の場
合，代表幅は画素数１０である。図３（Ｃ）は，ｙ方向
のヒストグラムの画素分布を示す図である。図３（Ｃ）
の場合，代表高さは画素数９である。

【００３０】これにより，マーク検出の精度が向上し，
傾いた帳票イメージからでも高速かつ正確にマークを検
出することが可能となる。なお，メモリのアクセス効率
は多少悪くなるが，複数行を１行とした間引きイメージ
を生成するのではなく，複数列を１列とした間引きイメ
ージを生成してマーク検出を行ってもよい。

【００３１】次に，図４および図５を用いて，帳票の全
体のイメージの回転を高速かつ省メモリで行う分割回転
処理について説明する。任意の向きにセットされた帳票
に対して，正しい向きを確定するために，上述したマー
ク検出処理を行いながら，マークが検出できなかった場
合に順次帳票イメージを回転して，回転後の帳票イメー
ジに対してマーク検出を行い，マークを発見した向きを
正しい帳票の向きとして確定する。これを小容量のメモ
リで行うため，以下のように処理する。回転処理のため
に，一時的な作業用バッファとして，第１のバッファ６
と第２のバッファ８とを用意する。

【００３２】 図４（Ａ）に示すように，全体の帳票
イメージ１１を部分ａ，ｂ，ｃに分割する。ここでは，
説明をわかりやすくするために，帳票イメージ１１を３
個に分割しているが，分割数はいくつでもよい。第１の
バッファ６のサイズは，分割した帳票イメージの１つが
格納可能な大きさとする。まず，帳票イメージの部分ａ
を回転処理し，第１のバッファ６に出力する。

【００３３】 次に，第１のバッファ６に格納された
回転処理後の帳票イメージの部分ａを圧縮処理して第２
のバッファ８に出力する。この圧縮方法として，例えば
ＭＲ符号化方式など，任意の圧縮方法を用いることがで
きる。

【００３４】 次に，図４（Ｂ）に示すように，帳票
イメージの部分ｂを回転処理し，空になった第１のバッ
ファ６に出力する。 第１のバッファ６に格納された回転処理後の帳票イ
メージの部分ｂを圧縮処理して第２のバッファ８に出力
する。

【００３５】 図４（Ｃ）に示すように，帳票全体の
イメージの部分ｃについても同様に，回転処理，圧縮処
理して第２のバッファ８に出力する。 分割した全ての部分について回転処理，圧縮処理が
終了したならば，図５（Ａ）〜（Ｃ）に示すように，第
２のバッファ８に格納した部分ａ〜部分ｃの圧縮データ
の先頭から，順次，イメージ伸長処理を行う。全体の帳
票イメージを回転圧縮した後は，元の帳票イメージのメ
モリ領域は不必要になるので，元の帳票イメージのメモ
リ領域に，伸長処理した回転後の帳票イメージを上書き
する。

【００３６】これにより，第１のバッファ６および第２
のバッファ８を使用するだけで帳票全体のイメージを回
転させることが可能となる。図６は，本発明のマーク位
置検出装置を利用した文字認識装置の構成例を示す図で
ある。図６において，２０は所定のプログラムによって
各部を制御するマイクロプロセッサ，２１は高速マーク
検出処理部，２２は高速帳票全面イメージ回転処理部，
２３は帳票位置決め処理部，２４は１文字切出し処理
部，２５は１文字認識部，２６はファクシミリ（ＦＡ
Ｘ）アダプタ，２７はファクシミリ（ＦＡＸ）装置，２
８はイメージスキャナ，２９は画像格納用共用メモリ，
３０はワークメモリを表す。

【００３７】高速マーク検出処理部２１は，図１に示す
間引きイメージ生成処理手段２およびマーク位置検出処
理手段３を実現するプログラムからなる処理手段であ
る。高速帳票全面イメージ回転処理部２２は，図１に示
すイメージ回転処理手段４を実現するプログラムからな
る処理手段である。帳票位置決め処理部２３は，高速マ
ーク検出処理部２１で検出したマークから帳票の位置お
よび向きを決定するプログラムからなる処理手段であ
る。１文字切出し処理部２４および１文字認識部２５
は，帳票の読み取りフィールドから１文字ずつ切出し，
切出した文字を認識するプログラムからなる処理手段で
ある。

【００３８】画像格納用共用メモリ２９は，ファクシミ
リ装置２７またはイメージスキャナ２８から入力した帳
票イメージを格納するメモリである。ワークメモリ３０
は，高速マーク検出処理部２１により生成した間引きイ
メージの格納や，図１に示す第１のバッファ６および第
２のバッファ８に用いるメモリである。

【００３９】１文字切出し処理部２４および１文字認識
部２５による文字認識は，周知の文字認識技術を用いて
実現できるので，ここでの詳細な説明は省略する。図７
は，本発明のマーク位置検出装置を利用した文字認識装
置の他の構成例を示す図である。

【００４０】高速マーク検出処理部２１および高速帳票
全面イメージ回転処理部２２で行う間引きイメージ生成
処理，イメージ回転処理，イメージ圧縮処理，イメージ
伸長処理を，例えば図７に示すように，間引き処理用Ｌ
ＳＩ３２，回転用ＬＳＩ３１，イメージ圧縮用ＬＳＩ３
３，イメージ伸長用ＬＳＩ３４などを用いて，高速に行
うことも可能である。これらの各ＬＳＩについては，既
存のデータ処理用ＬＳＩを用いるか，または周知のＬＳ
Ｉ化技術から容易に実現することができるので，個々の
詳しい説明は省略する。

【００４１】図８ないし図１０は，本発明の実施例の処
理フローチャートである。図８において，ステップＳ１
では，帳票イメージを入力して，画像格納用共用メモリ
２９に格納する。

【００４２】ステップＳ２では，帳票イメージに対して
１／ｎにＯＲ間引きしたイメージを生成する。なお，こ
の間引きイメージは，必ずしも元の帳票イメージの全体
について生成する必要はなく，例えば帳票イメージ全体
における上方の５分の１の領域というように，帳票イメ
ージの一部の領域に対してだけ生成するようにしてもよ
い。

【００４３】ステップＳ３では，ＯＲ間引きしたイメー
ジを１ラインずつ走査し，セグメント（黒のドット群）
を検査する。ステップＳ４では，全てのセグメントにつ
いて検査が終了したかどうかを判定する。全てのセグメ
ントの検査が終了したならばステップＳ１２の処理（図
９）へ進み，終了していないセグメントがまだあればス
テップＳ５の処理を行う。

【００４４】ステップＳ５では，予め記憶されたマーク
の幅と近似した幅を持つセグメント（黒）を見つけたか
どうかを判定する。マーク幅と近似した幅を持つセグメ
ントを見つけた場合にはステップＳ６の処理へ進み，見
つけていない場合にはステップＳ１１の処理へ進む。

【００４５】ステップＳ６では，マークの高さの１／ｎ
と近似した高さを持つセグメント（黒）かどうかを判定
する。そのセグメントがマークの高さの１／ｎと近似し
ていればステップＳ７の処理へ進み，近似していなけれ
ばステップＳ１１の処理へ進む。

【００４６】ステップＳ７では，元の間引き前の帳票イ
メージから該当するセグメントの外接矩形の幅・高さを
算出する。該当するセグメントの位置は，間引きしたイ
メージにおけるセグメントの位置から計算することがで
きる。

【００４７】ステップＳ８では，幅（ｘ），高さ（ｙ）
方向について，それぞれ図３に示すようなヒストグラム
を作成し，黒の画素数の正規分布から代表幅・代表高さ
を算出する。

【００４８】ステップＳ９では，マークの幅・高さと代
表幅・高さは近似しているかどうかを判定する。マーク
の幅・高さと代表幅・高さが近似している場合にはステ
ップＳ１０の処理を行い，近似していない場合にはステ
ップＳ１１の処理へ進む。

【００４９】ステップＳ１０では，近似しているセグメ
ント（黒）を帳票位置基準のマークとして確定する。ス
テップＳ１１では，処理対象を次のセグメントとし，ス
テップＳ４へ戻って同様にマークの検出を繰り返す。

【００５０】図９において，ステップＳ１２では，マー
クが確定して帳票の向きが特定できたかどうかを判定す
る。帳票の向きが確定した場合にはステップＳ２４（図
１０）の処理へ進み，帳票の向きが確定しない場合には
ステップＳ１３の処理を行う。

【００５１】ステップＳ１３では，全ての回転方向を試
行したかどうかを判定する。全ての回転方向を試行した
場合にはステップＳ３０の処理へ進み，試行していない
回転方向がまだある場合にはステップＳ１４の処理を行
う。

【００５２】ステップＳ１４では，未試行の回転方向に
帳票を回転処理する。回転は，逆向き（１８０度），右
向き（９０度），左向き（２７０度）の順番で行う。ス
テップＳ１５では，第１のバッファ６に納まる分ずつ帳
票イメージ１１を分割する。

【００５３】ステップＳ１６では，全ての分割イメージ
に対する処理が終了したかどうかを判定する。全ての分
割イメージに対する処理が終了した場合にはステップＳ
１９の処理へ進み，終了していない場合にはステップＳ
１７の処理を行う。

【００５４】ステップＳ１７では，分割イメージを回転
処理して第１のバッファ６に出力する。ステップＳ１８
では，第１のバッファ６に回転して出力した分割イメー
ジを，所定のデータ圧縮方法により圧縮処理して第２の
バッファ８にスタックしていく。

【００５５】ステップＳ１９では，第２のバッファ８に
スタックした回転・圧縮イメージを順次伸長処理する。
ステップＳ２０では，全ての回転・圧縮イメージの伸長
処理が終了したかどうかを判定する。全ての圧縮イメー
ジの伸長処理が終了した場合にはステップＳ２３の処理
へ進み，終了していない場合にはステップＳ２１の処理
を行う。

【００５６】ステップＳ２１では，未処理部分の回転・
圧縮イメージを伸長処理して第１のバッファ６に出力す
る。ステップＳ２２では，第１のバッファ６に出力した
回転したイメージを画像格納用共用メモリ２９の帳票イ
メージ上に上書きしていく。なお，第１のバッファ６を
用いないで，直接画像格納用共用メモリ２９に展開して
もよい。

【００５７】ステップＳ２３では，帳票イメージの全面
回転が完了したことにより，再度マーク検出を行うた
め，図８のステップＳ２へ制御を移す。マークが確定し
て，帳票の向きが特定できた場合，図１０のステップＳ
２４により，確定したマーク位置をもとに帳票の位置決
めを行う。

【００５８】ステップＳ２５では，帳票の全ての読み取
りフィールドについての文字認識が終了したかどうかを
判定する。全ての読み取りフィールドが終了した場合に
はステップＳ２９の処理へ進み，終了していない場合に
はステップＳ２６の処理を行う。

【００５９】ステップＳ２６では，読み取りフィールド
内の全ての文字を１文字単位に切り出す。ステップＳ２
７では，全ての文字の認識処理が終了したかどうかを判
定する。全ての文字の認識処理が終了した場合にはステ
ップＳ２５の処理へ進み，処理が終了していない場合に
はステップＳ２８の処理を行う。

【００６０】ステップＳ２８では，１文字ごとの認識処
理を行う。全ての読み取りフィールドについての文字認
識が終了したならば，ステップＳ２９で文字認識結果を
出力し，帳票の読み取りを完了する。

【００６１】ステップＳ１３の判定により，全ての回転
方向を試行してもマークが確定しなかった場合，ステッ
プＳ３０（図９）により，帳票の読み取り方向が未確定
として処理を終了する。

【００６２】以上の実施例は，帳票イメージの全体につ
いて回転する例であるが，帳票の全体イメージのうちマ
ークの存在が予測される領域（以下，マーク可能領域と
いう）についてだけ，イメージの回転処理を行う実施例
も可能である。以下，この第２の実施例について説明す
る。

【００６３】 まず，画像格納用共用メモリ中の帳票
イメージのマーク可能領域について，間引きイメージ生
成処理を行いマーク位置を検出する。 マーク位置が検出できなかった場合には，全体の帳
票イメージにおける回転後に予想されるマーク可能領域
部分だけを抽出し，回転処理を行う。

【００６４】 回転処理したマーク領域について，間
引きイメージ生成処理を行い，マーク位置の検出を行
う。以下，マーク位置を検出するまで，同様に回転を繰
り返す。

【００６５】先に説明した帳票イメージの全体について
回転する実施例の場合，マーク位置を検出した時点で，
正しい向きの帳票イメージが画像格納用共用メモリ中に
存在することになる。したがって，直ちにその帳票イメ
ージを用いて文字認識を行うことができる。また，処理
も簡易であるという長所がある。これに対し，第２の実
施例の場合には，マーク可能領域においてマーク位置を
検出した後，文字認識のために，さらに全体の帳票イメ
ージを正しい向きに回転させる必要がある。しかし，個
々の回転処理は，回転対象となるデータ量が少ないだけ
高速になるという長所がある。

【００６６】

【発明の効果】以上説明したように，本発明によれば，
帳票が正しくセットされずに帳票イメージが読み込まれ
た場合でも，帳票のマーク位置を正しくかつ高速に検出
することが可能になる。特に，ファクシミリ装置により
受信した帳票イメージの文字認識を行うような場合に，
帳票セット方向の人的ミスや，帳票イメージのズレ，傾
き等があっても，帳票の向きを正しく高速に特定するこ
とができるので，効果が大きい。また，一般に帳票イメ
ージはデータ量が膨大であるが，帳票イメージを回転さ
せるにあたって，少ないメモリ量で回転させ，帳票の向
きを特定することが可能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の原理構成図である。

【図２】間引きイメージ生成処理およびマーク位置検出
処理を説明する図である。

【図３】間引きイメージ生成処理およびマーク位置検出
処理を説明する図である。

【図４】分割回転処理およびデータ圧縮処理を説明する
図である。

【図５】分割・圧縮したデータのデータ伸長処理を説明
する図である。

【図６】本発明のマーク位置検出装置を利用した文字認
識装置の構成例を示す図である。

【図７】本発明のマーク位置検出装置を利用した文字認
識装置の他の構成例を示す図である。

【図８】本発明の実施例の処理フローチャートである。

【図９】本発明の実施例の処理フローチャートである。

【図１０】本発明の実施例の処理フローチャートであ
る。

【図１１】帳票の例を示す図である。

【符号の説明】

１ マーク位置検出装置 ２ 間引きイメージ生成処理手段 ３ マーク位置検出処理手段 ４ イメージ回転処理手段 ５ 分割回転処理手段 ６ 第１のバッファ ７ データ圧縮処理手段 ８ 第２のバッファ ９ データ伸長処理手段 １１ａ〜１１ｄ 帳票イメージ

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 帳票に記されたマークの位置を検出する
   ことにより，帳票における処理対象の位置を特定するマ
   ーク位置検出装置において，帳票イメージの複数行また
   は複数列単位で間引き処理を行い，複数行または複数列
   を１行または１列とした間引きイメージを生成する間引
   きイメージ生成処理手段と，前記帳票の間引きイメージ
   を用いて，帳票イメージ中のマーク位置を検出するマー
   ク位置検出処理手段とを備えたことを特徴とするマーク
   位置検出装置。
2. 【請求項２】 請求項１記載のマーク位置検出装置にお
   いて，前記間引きイメージ生成処理手段は，帳票イメー
   ジの複数行または複数列の論理和をとることにより，前
   記間引きイメージを生成することを特徴とするマーク位
   置検出装置。
3. 【請求項３】 帳票に記されたマークの位置を検出する
   ことにより，帳票における処理対象の位置および向きを
   特定するマーク位置検出装置において，帳票イメージの
   正立方向を基準とした所定の範囲で帳票イメージ中のマ
   ーク位置を検出するマーク位置検出処理手段と，帳票イ
   メージを回転させる帳票イメージ回転処理手段とを備
   え，前記マーク位置検出処理手段により帳票イメージ中
   のマーク位置が検出できなかった場合に，前記帳票イメ
   ージ回転処理手段により帳票イメージを回転させ，再度
   前記マーク位置検出処理手段によるマーク位置の検出を
   行うようにしたことを特徴とするマーク位置検出装置。
4. 【請求項４】 請求項３記載のマーク位置検出装置にお
   いて，前記帳票イメージ回転処理手段は，元の帳票イメ
   ージの向きに対して，時計回りまたは反時計回りに，第
   １回目には帳票イメージを１８０度回転させ，第２回目
   には帳票イメージを９０度回転させ，第３回目には帳票
   イメージを２７０度回転させることを特徴とするマーク
   位置検出装置。
5. 【請求項５】 請求項３または請求項４記載のマーク位
   置検出装置において，前記帳票イメージ回転処理手段
   は，回転対象の帳票イメージを分割し，その分割イメー
   ジごとに回転処理する分割回転処理手段と，分割し回転
   した分割イメージを格納する第１のバッファと，前記第
   １のバッファ内の分割イメージを所定のデータ圧縮方法
   により圧縮するデータ圧縮処理手段と，圧縮した帳票イ
   メージを格納する第２のバッファと，前記第２のバッフ
   ァ内の圧縮帳票イメージを前記データ圧縮方法に対応す
   るデータ伸張方法により伸張するデータ伸張処理手段と
   を備えたことを特徴とするマーク位置検出装置。
6. 【請求項６】 帳票に記されたマークの位置を検出する
   ことにより，帳票における処理対象の位置を特定するマ
   ーク位置検出方法において，マーク検出対象の帳票イメ
   ージを複数行または複数列単位で間引いたイメージを生
   成する第１の過程と，前記間引いたイメージを用い，帳
   票イメージの正立方向を基準とした所定の範囲で帳票イ
   メージ中のマーク位置を検出する第２の過程と，帳票イ
   メージ中のマーク位置が検出できなかった場合に，帳票
   イメージを所定の優先順位に従った回転角度で回転する
   第３の過程とを有し，前記第１ないし第３の過程をマー
   ク位置を検出するまで繰り返すことを特徴とするマーク
   位置検出方法。