JPH08327990A - 液晶表示素子用電極基板およびその製造方法 - Google Patents

液晶表示素子用電極基板およびその製造方法

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JPH08327990A
JPH08327990A JP15400695A JP15400695A JPH08327990A JP H08327990 A JPH08327990 A JP H08327990A JP 15400695 A JP15400695 A JP 15400695A JP 15400695 A JP15400695 A JP 15400695A JP H08327990 A JPH08327990 A JP H08327990A
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transparent
light
groove
shielding film
photoresist
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JP15400695A
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English (en)
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Hiroshi Hoshino
博史 星野
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Kyocera Display Corp
Original Assignee
Kyocera Display Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 透明電極間にインク材よりなる遮光膜を透明
電極との間に段差を生じないように形成する。 【構成】 透明基板10上の遮光膜が形成される位置
に、その遮光膜と透明電極との膜厚差とほぼ等しい深さ
の溝11を形成するとともに、その溝11の内面を含め
て透明基板10上に透明電極母層12を成膜し、さらに
その透明電極母層12上にフォトレジスト13を塗布
し、所定のパターンを有するマスク14を介してそのフ
ォトレジスト13を露光し、現像して溝11に相当する
部分のフォトレジストを除去した後、その溝11内に形
成されている透明電極母層12をエッチングにより除去
して電気的に絶縁された複数の透明電極12aを形成
し、次に遮光性を有するインク材15を塗布して同イン
ク材を溝11内に充填し硬化させて同溝11内に遮光膜
15aを形成し、しかる後余分のインク材を各透明電極
12a上に残されているフォトレジスト13とともに除
去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は液晶表示素子用電極基板
およびその製造方法に関し、さらに詳しく言えば、透明
電極間にインク材よりなる遮光膜を有する液晶表示素子
用電極基板およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置も白黒表示からカラー表示
へと技術が進歩し、近年では画面サイズにしても、急速
に大型化、大画面化が進められている。また、その画質
についても、TN液晶からSTN(Super Twi
sted Nematic)液晶への移行およびTFT
(Thin Film Transistor)に代表
されるアクティブ表示素子の開発により、CRTに迫る
ものが商品化されている。
【0003】ところで、画面サイズを大型化するうえ
で、特に透明基板の非電極部からの光の漏れによるコン
トラストの低下が問題となる。これを防止するため、非
電極部に遮光膜が設けられることになるが、その形成方
法の一例を図4を参照しながら、説明する。
【0004】まず、図4(a)に示されているように、
透明基板1の一方の面にクロムなどの金属膜2を例えば
スパッタ法により成膜し、その上にレジスト3を塗布す
る。そして、所定の遮光膜形成パターンを有するマスク
をかけて露光した後、現像して遮光膜形成パターンに沿
ってレジスト3を残し、次に不要部分の金属膜2をエッ
チングにより除去するとともに、レジスト3を剥離す
る。
【0005】このようにして、図4(b)に示されてい
るように、遮光膜2aを形成した後、遮光膜2aの上面
を含めて透明基板1上に絶縁膜4を形成する。次に、同
図(c)に示されているように、絶縁膜4上に透明電極
材層としてのITO(インジウム錫オキサイド)膜5を
成膜し、さらに同ITO膜5上にレジストを塗布する。
【0006】そして、所定の透明電極形成パターンを有
するマスクをかけて露光し、現像して透明電極形成パタ
ーンに沿ってレジスト6を残した後、不要部分のITO
膜5をエッチングにより除去するとともに、レジスト6
を剥離する。
【0007】これにより、図4(d)に示されているよ
うに、隣接する透明電極5a間に遮光膜2aが配置され
た状態が得られ、以後、この透明電極5a上に例えば絶
縁層が形成され、さらにその上に配向膜などが形成され
ることになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例によると、遮光膜2aのパターニング時と透明電極
5aのパターニング時に、それぞれマスクがけを行なう
必要があり、その分工数が多くなるばかりでなく、その
位置合わせ作業に厳密な精度が要求される。
【0009】また、透明基板1上にクロムなどの金属膜
2を形成するには、スパッタ装置などの高額の設備が必
要とされる。さらには、その金属膜2から遮光膜2aを
格子状に形成するには、いわゆるフォトリソグラフィと
いう微細加工工程を通さなければならない。このような
ことから、総じて製造歩留まりが低く、コスト的にも問
題があった。さらには、クロム(金属膜2)のパターニ
ング工程で、クロム廃液がでるのも環境問題を引き起こ
す恐れを持っている。
【0010】これに対して、金属によらずに遮光膜を形
成するには、黒色インクを使用すればよいのであるが、
黒色インクの場合同じ厚さで比較すると、金属膜に比べ
て遮光性が低い。したがって、金属膜と同等の遮光度を
得るには、その分膜厚を厚くする必要がある。しかしな
がら、このようにすると透明電極に対して遮光膜が影を
作ることになるため、ラビング処理時にその繊維が届き
にくい部分ができ、配向処理が掛りにくくなるという別
の問題が生ずることになる。
【0011】本発明は、このような従来の問題点を解決
するためになされたもので、その第1の目的は、十分な
遮光度を有し、しかも透明電極との間でほとんど段差が
なく、均一なラビング処理が行なえるようにしたインク
材よりなる遮光膜を備えた液晶表示素子用電極基板を提
供することにある。
【0012】また、本発明の第2の目的は、比較的簡単
な設備により、しかも透明電極間にそれとの間でほとん
ど段差を生ずることのないインク材よりなる遮光膜を形
成することができる生産性の高い液晶表示素子用電極基
板の製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため、請求項1に記載の発明は、透明基板上に所定の
パターンをもって複数の透明電極が形成され、かつ、そ
れら各透明電極の間に同透明電極よりも厚膜のインク材
よりなる遮光膜を備えている液晶表示素子用電極基板に
おいて、上記透明電極の間に、上記遮光膜と透明電極と
の膜厚差とほぼ等しい深さの溝を備え、同溝内にインク
材よりなる遮光膜が形成されていることを特徴としてい
る。
【0014】この場合、請求項2の発明は、上記溝が上
記透明基板に形成されていることを特徴とし、また、請
求項3の発明は、上記透明基板と上記透明電極との間
に、上記遮光膜と透明電極との膜厚差とほぼ等しい厚さ
の被エッチング層が形成され、上記溝が同被エッチング
層のエッチングにより形成されていることを特徴として
いる。
【0015】そして、請求項4の発明は液晶表示素子に
ついてのもので、上記のように形成された液晶表示素子
用電極基板を有することを特徴としている。
【0016】上記第2の目的を達成するため、請求項5
の発明は、透明電極間に、同透明電極よりも厚膜のイン
ク材よりなる遮光膜を有する液晶表示素子用電極基板の
製造方法において、透明基板の一方の面の遮光膜が形成
される位置に、その遮光膜と透明電極との膜厚差とほぼ
等しい深さの溝を形成するとともに、その溝の内面を含
めて透明基板の一方の面上に透明電極母層を成膜し、さ
らにその透明電極母層上にフォトレジストを塗布し、所
定のパターンを有するマスクを介してそのフォトレジス
トを露光し、現像して上記溝に相当する部分のフォトレ
ジストを除去した後、その溝内に形成されている透明電
極母層をエッチングにより除去して電気的に絶縁された
複数の透明電極を形成し、次に遮光性を有するインク材
を塗布して同インク材を溝内に充填し硬化させて同溝内
に遮光膜を形成し、しかる後余分のインク材を各透明電
極上に残されているフォトレジストとともに除去するこ
とを特徴としている。
【0017】この方法は、透明基板がプラスチックのよ
うな成形性に優れ、特にμmオーダーの精度で加工でき
る場合に極めて好ましい。すなわち、所定のパターンで
所定の深さの溝を持つ基板の成型方法は、すでにコンパ
クトディスク(CD)で確立されており、これを利用す
ることができる。
【0018】形成する溝の深さとしては、遮光膜の膜厚
相当、すなわち通常は0.1〜10μm、好ましくは
0.5〜2.0μmである。遮光膜と溝の深さは必ずし
も完全に一致しなくてもよいが、その差は0.5μm以
下、望ましくは0.2μm以下であるとよい。
【0019】透明基板がガラスなどの高融点物質の場合
には、プラスチックのように射出成形が困難であるた
め、ガラス基板にフォトレジストを塗布した後、そのレ
ジストに必要なパターニングを施し、後の工程で透明電
極と透明電極との間となる線間部分のガラスを露出さ
せ、フッ酸などでエッチングする方法が採用される。こ
の方法は、プラスチック基板にも適用可能であるが、ポ
リカーボネートの場合には、プラズマエッチングなどの
方法を用いることができる。
【0020】また、第2の目的を達成するため、請求項
6の発明は、透明電極間に、同透明電極よりも厚膜のイ
ンク材よりなる遮光膜を有する液晶表示素子用電極基板
を製造するにあたって、透明基板の一方の面上に遮光膜
と透明電極との膜厚差とほぼ等しい厚みをもって被エッ
チング層を形成し、次にその被エッチング層上に透明電
極母層とフォトレジストとを順次形成した後、所定のパ
ターンを有するマスクを介してフォトレジストを露光
し、現像して遮光膜が形成される部分のフォトレジスト
を除去し、このフォトレジストが除去された部分の透明
電極母層および被エッチング層をエッチングして溝を形
成するとともに、同溝により電気的に絶縁された複数の
透明電極を形成し、次に遮光性を有するインク材を塗布
して同インク材を上記溝内に充填し硬化させて同溝内に
遮光膜した後、余分の上記インク材を各透明電極上に残
されているフォトレジストとともに除去することを特徴
としている。
【0021】この場合、請求項7に記載されているよう
に、透明電極の低抵抗化を図る上では、被エッチング層
は透明導電性であるとよく、また、被エッチング層は光
透過率が高く耐熱性に優れ、しかもエッチングし易いも
のが好ましい。このような条件を満足する材料として
は、第1に酸化亜鉛(ZnO)が挙げられる。酸化亜鉛
は真空蒸着やスパッタ法で成膜できる。それに、酸化亜
鉛は稀薄な酸で容易にエッチングすることができる。こ
の他に、被エッチング層には、酸化ビスマス、酸化第二
鉄、シリカ、酸化スズなどを用いることができ、場合に
よってはITOもしくは酸化亜鉛にガリウム、アルミニ
ウムなどの13族金属の酸化物を少量含有させたものよ
うな透明で導電性の膜を利用してもよい。
【0022】さらには、この被エッチング層をそれ自体
がフォトレジストとしてパターニング可能な材料、例え
ば酸化亜鉛粒子を含有する金属アルコキシド化合物、ア
クリル系紫外線硬化性樹脂などによって形成してもよ
く、そうでない場合でもその上にフォトレジストを塗布
して必要な溝を形成することができる。
【0023】さらに、上記第2の目的は請求項8に記載
の発明によっても達成される。すなわち、請求項8にお
いては、透明基板の一方の面上に、遮光膜と透明電極と
の膜厚差とほぼ等しい厚みをもって紫外線吸収性を有す
る被エッチング層を形成するとともに、その被エッチン
グ層上に透明電極母層とフォトレジストとを順次形成し
た後、所定のパターンを有するマスクを介してフォトレ
ジストを露光し、現像して遮光膜が形成される部分のフ
ォトレジストを除去し、次にこのフォトレジストが除去
された部分の透明電極母層および被エッチング層をエッ
チングして溝を形成するとともに、同溝により電気的に
絶縁された複数の透明電極を形成し、各透明電極上に残
されているフォトレジストを除去した後、紫外線硬化型
の遮光性インク材を塗布して同インク材を溝内に充填
し、透明基板の他方の面(背面)から紫外線を照射して
溝内のインク材を硬化させて遮光膜を形成し、しかる後
未硬化の余分のインク材を各透明電極上から除去するこ
とを特徴としている。
【0024】紫外線吸収性を有する被エッチング層は、
例えば酸化亜鉛によって形成される。すなわち、酸化亜
鉛は可視領域では透明であるが、紫外線領域では不透明
となるため、インク材として紫外線硬化型インクを用
い、透明基板の背面より紫外線を照射することにより、
被エッチング層がマスクの役割を果たし、別途にマスク
を用いることなく、溝内のインク材のみを硬化させて遮
光膜を形成することが可能となる。
【0025】
【作用】上記の構成によると、遮光膜が透明電極間の溝
内に形成されるため、遮光膜と透明電極との間にほとん
ど段差がなく、したがって均一なラビング処理を行なう
ことができるとともに、金属膜による場合と同様の遮光
度が得られる。
【0026】また、上記の製造方法によると、マスクを
用いる回数は1回でよく、しかも製造設備にしても金属
膜による場合に比べて簡単な汎用設備で対応することが
でき、総じて高い生産性のもとで透明電極基板を製造す
ることができる。
【0027】
【実施例】図1には本発明の第1実施例がその製造工程
順に沿って示されており、これによると、まず同図
(a)に示されているように、ガラスなどの透明基板1
0が用意され、その一方の面の遮光膜の形成が予定され
る部分に、設計上あらかじめ決められている遮光膜の膜
厚とほぼ等しい深さの溝11を形成する。この溝11
は、透明基板10がガラスである場合には例えばフッ酸
によるエッチングで、また、プラスチックの場合には射
出成形にて形成することができる。
【0028】次に、図1(b)に示されているように、
透明基板10上に溝11の内面を含めて透明電極母層1
2を成膜する。この透明電極母層12には酸化錫やイン
ジウム錫オキサイド(ITO)などが用いられ、真空蒸
着法やスパッタ法により所定の厚さに成膜することがで
きる。なお、STNに適した低抵抗のITOの成膜法と
してはスパッタ法が好ましい。
【0029】そして、図1(c)に示されているよう
に、透明電極母層12上にフォトレジスト13を塗布
し、所定の透明電極形成パターンを有するマスク14を
用いて、フォトレジスト13を露光し、例えば希アルカ
リ液に浸漬して現像する。このようにして、溝11内の
フォトレジスト13を除去した後、さらに同溝11内の
透明電極母層12をエッチングにより除去する。
【0030】これにより、図1(d)に示されているよ
うに、再び溝11が開放されるとともに、この溝11に
より電気的に絶縁され、かつ、上部にフォトレジスト1
3が残された複数の透明電極12aが形成される。な
お、透明電極12aがITOであれば、そのエッチング
は塩酸−塩化第二鉄の混合液などに所定時間浸漬して行
なうとよい。
【0031】しかる後、図1(e)に示されているよう
に、遮光膜形成材料としての黒色インキ15を溝11内
に充填するようにスピンコーターもしくはロールコータ
ーなどにて所定の厚さに塗布する。
【0032】この場合、黒色インキ15には、そのビヒ
クルがアルキド、セルロースなどの熱硬化型もしくはア
クリルなどの紫外線硬化型などが適宜用いられ、その材
料の特性に応じて黒色インキ15を硬化させた後、アル
カリ液でフォトレジスト13をリフトオフすることによ
り、同フォトレジスト13とともに透明電極12a上の
余剰の黒色インキ15を除去する。この状態が図1
(f)に示されている。
【0033】このようにして、透明電極12a,12a
間に、所定の膜厚を有する黒色インキ15よりなる遮光
膜15aが、透明電極12aとの間でほとんど段差を生
ずることなく形成される。
【0034】次に、図2を参照しながら本発明の第2実
施例について説明する。まず、同図(a)に示されてい
るように、ガラスなどの透明基板20の一方の面に被エ
ッチング層21と透明電極母層22とを順次形成する。
この場合、被エッチング層21は、設計上あらかじめ決
められている遮光膜の膜厚とほぼ等しい厚さに形成され
る。
【0035】被エッチング層21の材料としては、光透
過率が高く、熱的に安定しており、しかもエッチング特
性の優れたものが好ましく、この例では酸化亜鉛(Zn
O)を用いている。酸化亜鉛は真空蒸着やスパッタ法で
成膜でき、また、稀薄な酸で容易にエッチング可能であ
る。なお、酸化亜鉛に代わるものとしては、酸化ビスマ
ス、酸化第二鉄、シリカ、酸化錫などがあり、また、場
合によってはITOのように透明で導電性の膜を用いて
もよい。
【0036】透明電極母層22には、上記第1実施例と
同様に、酸化錫やインジウム錫オキサイド(ITO)な
どが用いられ、真空蒸着法やスパッタ法により所定の厚
さに成膜することができる。
【0037】次に、図2(b)に示されているように、
透明電極母層22の上にフォトレジストとして例えばポ
ジレジスト23を所定の厚さに塗布し、所定の透明電極
形成パターンを有するマスク24を用いて、そのポジレ
ジスト23を露光し、現像する。このようにして、遮光
膜の形成が予定される部分のポジレジスト23を除去し
た後、エッチングによりその下部に存在する透明電極母
層22および被エッチング層21を除去する。
【0038】これにより、図2(c)に示されているよ
うに、遮光膜の形成が予定される部分に溝25が形成さ
れるとともに、この溝25により電気的に絶縁され、か
つ、上部にポジレジスト23が残された複数の透明電極
22aが形成される。
【0039】しかる後、図1(d)に示されているよう
に、遮光膜形成材料としての黒色インキ26を溝25内
に充填するようにスピンコーターもしくはロールコータ
ーなどにて所定の厚さに塗布する。
【0040】黒色インキ26には、上記第1実施例と同
様、そのビヒクルがアルキド、セルロースなどの熱硬化
型もしくはアクリルなどの紫外線硬化型などが適宜用い
られ、その材料の特性に応じて黒色インキ25を硬化さ
せた後、アルカリ液でポジレジスト23をリフトオフす
ることにより、同ポジレジスト23とともに透明電極2
2a上の余剰の黒色インキ26を除去する(図2(e)
参照)。
【0041】このように、この第2実施例によっても、
透明電極22a,22a間に、所定の膜厚を有する黒色
インキ26よりなる遮光膜26aが、透明電極22aと
の間でほとんど段差を生ずることなく形成される。
【0042】図3には本発明の第3実施例が示されてい
る。この第3実施例は上記第2実施例より派生されたも
ので、インク材よりなる遮光膜を特にマスクを用いるこ
となく背面露光により硬化させる点を特徴としている。
【0043】図3(a)から同図(c)の溝25を形成
するまでの工程は、上記第2実施例の図2(a)から同
図(c)と同じ手順を踏むが、この第3実施例において
は、被エッチング層21に紫外線吸収性の物質、例えば
酸化亜鉛を用いる。酸化亜鉛は、第2実施例でも使用さ
れているが、可視領域では透明で、紫外線領域では不透
明に変わる。
【0044】上記第2実施例では、溝25を形成した
後、透明電極22a上のフォトレジスト23を除去する
ことなく、黒色インク26を塗布しているが、この第3
実施例では図3(d)に示されているように、例えばア
ルカリ液で透明電極22a上のフォトレジスト23を除
去した後、黒色インク26を塗布し溝25内に充填す
る。この場合、黒色インク26は紫外線硬化型である。
【0045】そして、透明基板20の他方の面(背面)
側より紫外線を露光する。これにより、溝25内の黒色
インク26は硬化するが、透明電極22a上に塗布され
た余剰の黒色インク26は被エッチング層21がマスク
として作用するため、未硬化のまま残ることになる。最
終的に、これを例えばアルカリ現像にて除去することに
より、図3(e)に示されているように、第2実施例と
同様の電極基板が得られる。
【0046】第1実施例、第2実施例および第3実施例
のいずれにおいても、光学濃度が2〜3以上になるよう
な遮光度を採用することがコントラストの向上を図るう
えで好ましい。そして、以後、必要に応じて絶縁膜を膜
付けし、配向制御膜を形成する。配向制御膜はポリイミ
ド、ポリアミドのような樹脂のほかに、一酸化ケイ素の
ような斜め蒸着膜であってもよい。ポリイミドのような
膜は通常ラビング処理が施されるが、本発明の場合、透
明電極と遮光膜との間にほとんど段差がないため、均一
なラビング処理が行なわれる。また、表示モードによっ
ては垂直配向剤を用いる場合もある。
【0047】上記の工程を経た2枚の電極基板をシール
材を介して重ね合せ、そのセル内に液晶を注入した後、
最後に注入口を封止する。通常は、この基板の外側の少
なくとも一方に偏光板を配置する。なお、電極基板自体
を偏光板で構成したり、もしくは基板と透明電極との間
に偏光層を設けてもよい。
【0048】本発明は透過型、反射型のいずれにも適用
可能であり、その応用範囲は広い。透過型で使用する場
合には裏面側に光源を配置することが好ましい。その場
合、光源にも導光体やカラーフィルタを併設してもよ
い。さらに、透過型で使用する場合、画素以外の背景部
分を印刷などによる遮光膜で覆うこともできる。また、
遮光膜を用いるとともに、表示したくない部分に選択電
圧を印加するように逆の駆動をすることもできる。
【0049】本発明は、このほかにその効果を損なわな
い範囲で、通常のSTN液晶表示装置で使用されている
種々の技術の適用が可能である。
【0050】《実施例1》第1の電極基板として、ガラ
ス基板の一方の面にZnOをスパッタで1.5μmの膜
厚に成膜した。次に、ITOを0.3μmの厚さに成膜
した。そして、富士ハント社製のポジレジストFH−2
130(商品名)をロールコーターで塗布し、これにフ
ォトマスクを介して露光し、現像した後、透明電極間の
ITO層およびZnO層をエッチングにより除去した。
【0051】次に、透明電極上のレジストを剥離するこ
となく、セルロースをビヒクルとする黒色インクをオフ
セット印刷して160℃で20分間焼成し、希苛性ソー
ダ液でレジストとITO上の黒色インクを除去した。こ
のようにして得た電極基板に常法にて配向膜を成膜し、
ラビングした。
【0052】第2の電極基板についても、遮光膜および
ITOのパターンが、第1の電極基板と直交すること以
外は同一として形成した。
【0053】この第1および第2の電極基板を重ね合わ
せ、その周辺をシール材を介して接着して得た液晶パネ
ル内に、誘電異方性が正のネマチック液晶を注入し、2
40度捩じれの左螺旋の液晶となるようにキラル物質を
添加して調整し、液晶注入口を封止した。このようにし
て得られた液晶表示素子のコントラスト比を測定したと
ころ、25:1であった。
【0054】《実施例2》第1の電極基板として、ガラ
ス基板の一方の面にZnOをスパッタで1.5μmの膜
厚に成膜した。次に、ITOを0.3μmの厚さに成膜
した。そして、富士ハント社製のポジレジストFH−2
130(商品名)をロールコーターで塗布し、これにフ
ォトマスクを介して露光し、現像した後、透明電極間の
ITO層およびZnO層をエッチングにより除去した。
【0055】次に、透明電極上のレジストを剥離した
後、紫外線硬化型黒色インクCKS−171(富士ハン
ト社製)をロールコーターで塗布し、紫外線を背面露光
した。そして、アルカリ現像して、透明電極間に遮光膜
がストライプ状に形成された電極基板を得た。
【0056】第2の電極基板についても、遮光膜および
ITOのパターンが、第1の電極基板と直交すること以
外は同一として形成した。
【0057】この第1および第2の電極基板を重ね合わ
せ、その周辺をシール材を介して接着して得た液晶パネ
ル内に、誘電異方性が正のネマチック液晶を注入し、2
40度捩じれの左螺旋の液晶となるようにキラル物質を
添加して調整し、液晶注入口を封止した。このようにし
て得られた液晶表示素子のコントラスト比を測定したと
ころ、25:1であった。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
遮光膜が透明電極間の溝内に形成されるため、遮光膜が
インク材製であっても透明電極との間にほとんど段差が
なく、したがって均一なラビング処理を行なうことがで
きるとともに、金属膜による場合と同様の遮光度を有す
る液晶表示素子用の電極基板が提供される。
【0059】一方、本発明の製造方法にしたがえば、従
来の金属膜を形成する場合に比べて簡単な汎用設備で対
応することができ、また、マスクがけも1回で済むた
め、総じて高い生産性のもとで透明電極基板を製造する
ことができる。
【0060】さらには、透明導電膜を被エッチング層に
用いることにより、表示電極をより低抵抗化することが
可能となり、クロストークを軽減することができる。加
えて、被エッチング層を紫外線吸収性型とし、インク材
に紫外線硬化型インクを用いることにより、背面露光に
て遮光膜を形成することができ、製造コスト面でもきわ
めて有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による液晶表示素子用電極基板の製造方
法の第1実施例をその工程順に沿って示した断面図。
【図2】本発明による液晶表示素子用電極基板の製造方
法の第2実施例をその工程順に沿って示した断面図。
【図3】本発明による液晶表示素子用電極基板の製造方
法の第3実施例をその工程順に沿って示した断面図。
【図4】従来の液晶表示素子用電極基板の製造方法の一
例をその工程順に沿って示した断面図。
【符号の説明】
10,20 透明基板 11,25 溝 12,22 透明電極母層(ITO膜) 12a,22a 透明電極 13,23 ネガレジスト層 14,24 マスク 13 マスク 15,26 黒色インキ 15a,26a 黒色インキによる遮光膜

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板上に所定のパターンをもって複
    数の透明電極が形成され、かつ、それら各透明電極の間
    に同透明電極よりも厚膜のインク材よりなる遮光膜を備
    えている液晶表示素子用電極基板において、上記透明電
    極の間に、上記遮光膜と透明電極との膜厚差とほぼ等し
    い深さの溝を備え、同溝内にインク材よりなる遮光膜が
    形成されていることを特徴とする液晶表示素子用電極基
    板。
  2. 【請求項2】 上記溝が上記透明基板に形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の液晶表示素子用電極
    基板。
  3. 【請求項3】 上記透明基板と上記透明電極との間に、
    上記遮光膜と透明電極との膜厚差とほぼ等しい厚さの被
    エッチング層が形成され、上記溝が同被エッチング層の
    エッチングにより形成されていることを特徴とする請求
    項1に記載の液晶表示素子用電極基板。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項に記載の液
    晶表示素子用電極基板を有することを特徴とする液晶表
    示素子。
  5. 【請求項5】 透明電極間に、同透明電極よりも厚膜の
    インク材よりなる遮光膜を有する液晶表示素子用電極基
    板の製造方法において、透明基板の一方の面の上記遮光
    膜が形成される位置に、その遮光膜と透明電極との膜厚
    差とほぼ等しい深さの溝を形成する工程と、その溝の内
    面を含めて上記透明基板の一方の面上に透明電極母層を
    形成する工程と、その透明電極母層上にフォトレジスト
    を塗布する工程と、所定のパターンを有するマスクを介
    して上記フォトレジストを露光し、現像して上記溝に相
    当する部分のフォトレジストを除去する工程と、上記溝
    内に形成されている上記透明電極母層をエッチングによ
    り除去し、電気的に絶縁された複数の透明電極を形成す
    る工程と、遮光性を有するインク材を塗布して同インク
    材を上記溝内に充填し硬化させて同溝内に遮光膜を形成
    する工程と、しかる後余分の上記インク材を上記各透明
    電極上に残されている上記フォトレジストとともに除去
    する工程とを備えていることを特徴とする液晶表示素子
    用電極基板の製造方法。
  6. 【請求項6】 透明電極間に、同透明電極よりも厚膜の
    インク材よりなる遮光膜を有する液晶表示素子用電極基
    板の製造方法において、透明基板の一方の面上に上記遮
    光膜と透明電極との膜厚差とほぼ等しい厚みをもって被
    エッチング層を形成する工程と、その被エッチング層上
    に透明電極母層とフォトレジストとを順次形成する工程
    と、所定のパターンを有するマスクを介して上記フォト
    レジストを露光し、現像して上記遮光膜が形成される部
    分のフォトレジストを除去する工程と、このフォトレジ
    ストが除去された部分の上記透明電極母層および上記被
    エッチング層をエッチングして溝を形成するとともに、
    同溝により電気的に絶縁された複数の透明電極を形成す
    る工程と、遮光性を有するインク材を塗布して同インク
    材を上記溝内に充填し硬化させて同溝内に遮光膜を形成
    する工程と、しかる後余分の上記インク材を上記各透明
    電極上に残されている上記フォトレジストとともに除去
    する工程とを備えていることを特徴とする液晶表示素子
    用電極基板の製造方法。
  7. 【請求項7】 上記被エッチング層が透明導電性である
    ことを特徴とする請求項6に記載の液晶表示素子用電極
    基板の製造方法。
  8. 【請求項8】 透明電極間に、同透明電極よりも厚膜の
    インク材よりなる遮光膜を有する液晶表示素子用電極基
    板の製造方法において、透明基板の一方の面上に上記遮
    光膜と透明電極との膜厚差とほぼ等しい厚みをもって紫
    外線吸収性を有する被エッチング層を形成する工程と、
    その被エッチング層上に透明電極母層とフォトレジスト
    とを順次形成する工程と、所定のパターンを有するマス
    クを介して上記フォトレジストを露光し、現像して上記
    遮光膜が形成される部分のフォトレジストを除去する工
    程と、このフォトレジストが除去された部分の上記透明
    電極母層および上記被エッチング層をエッチングして溝
    を形成するとともに、同溝により電気的に絶縁された複
    数の透明電極を形成する工程と、上記各透明電極上に残
    されているフォトレジストを除去した後、紫外線硬化型
    の遮光性インク材を塗布して同インク材を上記溝内に充
    填する工程と、上記透明基板の他方の面から紫外線を照
    射して上記溝内のインク材を硬化させて遮光膜を形成す
    る工程と、しかる後未硬化の余分の上記インク材を上記
    各透明電極上から除去する工程とを備えていることを特
    徴とする液晶表示素子用電極基板の製造方法。
JP15400695A 1995-05-29 1995-05-29 液晶表示素子用電極基板およびその製造方法 Withdrawn JPH08327990A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1164890A (ja) * 1997-08-20 1999-03-05 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 電子機器およびその作製方法
KR100841987B1 (ko) * 2007-07-10 2008-06-27 삼성전기주식회사 다층 인쇄회로기판 제조방법

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