JPH08327784A - 原子力発電用プラントの構造部材の耐食方法 - Google Patents
原子力発電用プラントの構造部材の耐食方法Info
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- JPH08327784A JPH08327784A JP7133153A JP13315395A JPH08327784A JP H08327784 A JPH08327784 A JP H08327784A JP 7133153 A JP7133153 A JP 7133153A JP 13315395 A JP13315395 A JP 13315395A JP H08327784 A JPH08327784 A JP H08327784A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】容易に応力腐食われ抑制効果の維持ができる原
子力発電用プラントの構造部材の耐食方法を提供するこ
とにある。また、少量の水素注入によって、優れた応力
腐食われ抑制効果を奏する原子力発電用プラントの構造
部材の耐食方法を提供することにある。 【構成】少なくとも一種の白金族元素を含む耐食性合金
からなる金属板を、原子炉の構造部材の炉水と接する面
に設置する。構造部材の炉水と接する面に、少なくとも
一種の白金族元素と少なくとも一種の遷移元素を含む材
料によってコーティングする。 【効果】容易に応力腐食われ抑制効果の維持ができ、少
量の水素注入によって、優れた応力腐食われ抑制効果を
奏する原子力発電用プラントの構造部材の耐食方法を得
ることができた。
子力発電用プラントの構造部材の耐食方法を提供するこ
とにある。また、少量の水素注入によって、優れた応力
腐食われ抑制効果を奏する原子力発電用プラントの構造
部材の耐食方法を提供することにある。 【構成】少なくとも一種の白金族元素を含む耐食性合金
からなる金属板を、原子炉の構造部材の炉水と接する面
に設置する。構造部材の炉水と接する面に、少なくとも
一種の白金族元素と少なくとも一種の遷移元素を含む材
料によってコーティングする。 【効果】容易に応力腐食われ抑制効果の維持ができ、少
量の水素注入によって、優れた応力腐食われ抑制効果を
奏する原子力発電用プラントの構造部材の耐食方法を得
ることができた。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原子力発電用プラント
の構造部材の耐食方法に係り、特に、原子力発電用のプ
ラント部材の高温での耐食性,耐熱性が要求される部位
の表面の耐食方法に関するものである。
の構造部材の耐食方法に係り、特に、原子力発電用のプ
ラント部材の高温での耐食性,耐熱性が要求される部位
の表面の耐食方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、原子力発電用の軽水炉内の反
応容器内のシュラウド等の水中構造部材では、稼働中高
温水に曝され、永年使用中に応力腐食割れなどの劣化を
きたすことが報告されている。これに対し、現在原子炉
の予防保全の観点から、シュラウド等の構造部材の材質
(オーステナイト系ステンレス鋼)の耐食性の向上を図
ったり、炉水の水質を改善するなどの方法が採用されて
いる。
応容器内のシュラウド等の水中構造部材では、稼働中高
温水に曝され、永年使用中に応力腐食割れなどの劣化を
きたすことが報告されている。これに対し、現在原子炉
の予防保全の観点から、シュラウド等の構造部材の材質
(オーステナイト系ステンレス鋼)の耐食性の向上を図
ったり、炉水の水質を改善するなどの方法が採用されて
いる。
【0003】現在、シュラウド等の構造部材の材質(オ
ーステナイト系ステンレス鋼)の耐食性の向上が検討さ
れているが、現行のプラントでは従来材料(SUS304)が
大部分使用されている。現在、稼働中のプラントでは材
料自体を高耐食性の材料(例えばSUS316L など)に取り
替えることは、コスト面でも、また技術的にも困難を極
める。そこで、現行のプラントの延命策として、母材表
面に溶射法などを用いて、コーティング層を形成するこ
とによって、母材よりも耐食性,耐熱性を改善する方法
が提案されている。
ーステナイト系ステンレス鋼)の耐食性の向上が検討さ
れているが、現行のプラントでは従来材料(SUS304)が
大部分使用されている。現在、稼働中のプラントでは材
料自体を高耐食性の材料(例えばSUS316L など)に取り
替えることは、コスト面でも、また技術的にも困難を極
める。そこで、現行のプラントの延命策として、母材表
面に溶射法などを用いて、コーティング層を形成するこ
とによって、母材よりも耐食性,耐熱性を改善する方法
が提案されている。
【0004】このような母材の耐食性を向上させる方法
として、母材成分の構成元素に例えば、貴金属成分の構
成元素,白金,パラジウムを微量添加するだけで、飛躍
的に耐食性が向上することが、特開平4−223300 号公報
や特開平3−44456号公報などで知られている。
として、母材成分の構成元素に例えば、貴金属成分の構
成元素,白金,パラジウムを微量添加するだけで、飛躍
的に耐食性が向上することが、特開平4−223300 号公報
や特開平3−44456号公報などで知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】軽水炉の炉水に浸漬さ
れた環境で使用される構造部材の表面に耐食の目的で形
成されているコーティング層の成分においては上記に示
した白金族元素を含有するコーティング層を形成し、か
つ炉水中に水素を注入することにより、炉水内の溶存酸
素を還元し、応力腐食われを抑制することに効果を示す
とされている。
れた環境で使用される構造部材の表面に耐食の目的で形
成されているコーティング層の成分においては上記に示
した白金族元素を含有するコーティング層を形成し、か
つ炉水中に水素を注入することにより、炉水内の溶存酸
素を還元し、応力腐食われを抑制することに効果を示す
とされている。
【0006】しかし、炉水内で常用よりも高い溶存酸素
が形成された場合など、一定量の溶存酸素が生成された
場合ではこの触媒での還元効果には限界がある。
が形成された場合など、一定量の溶存酸素が生成された
場合ではこの触媒での還元効果には限界がある。
【0007】すなわち、特開平4−223300 号公報や特開
平3−44456号公報などの従来技術では、炉水内の溶存酸
素を還元するように炉水内の溶存水素濃度を高めるため
に、多量の水素を注入しなければならず、その維持管理
等大変であった。
平3−44456号公報などの従来技術では、炉水内の溶存酸
素を還元するように炉水内の溶存水素濃度を高めるため
に、多量の水素を注入しなければならず、その維持管理
等大変であった。
【0008】また、白金族属元素を含有するコーティン
グ層を形成し、かつ炉水中に水素を注入する方法では、
その効果を維持するために、定期点検時などに、炉水中
でコーティングを施す方法がとられているが、炉水中で
の適切なコーティングは、困難であり、さらに、定期点
検毎にコーティング層の損傷度の確認や補修作業を行わ
なければならず、応力腐食われ抑制効果の維持のための
管理及び補修作業が大変であった。
グ層を形成し、かつ炉水中に水素を注入する方法では、
その効果を維持するために、定期点検時などに、炉水中
でコーティングを施す方法がとられているが、炉水中で
の適切なコーティングは、困難であり、さらに、定期点
検毎にコーティング層の損傷度の確認や補修作業を行わ
なければならず、応力腐食われ抑制効果の維持のための
管理及び補修作業が大変であった。
【0009】本発明の目的は、容易に応力腐食われ抑制
効果の維持ができる原子力発電用プラントの構造部材の
耐食方法を提供することにある。
効果の維持ができる原子力発電用プラントの構造部材の
耐食方法を提供することにある。
【0010】また、本発明の目的は、少量の水素注入に
よって、優れた応力腐食われ抑制効果を奏する原子力発
電用プラントの構造部材の耐食方法を提供することにあ
る。
よって、優れた応力腐食われ抑制効果を奏する原子力発
電用プラントの構造部材の耐食方法を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の原子力発電用プ
ラントの構造部材の耐食方法は、少なくとも一種の白金
族元素を含む耐食性合金からなる金属板を、原子炉の炉
水に浸漬された構造部材の炉水と接する面に設置するこ
とを特徴とする。
ラントの構造部材の耐食方法は、少なくとも一種の白金
族元素を含む耐食性合金からなる金属板を、原子炉の炉
水に浸漬された構造部材の炉水と接する面に設置するこ
とを特徴とする。
【0012】本発明の原子力発電用プラントの構造部材
の耐食方法は、少なくとも一種の白金族元素を含むコー
ティング材料によってコーティングされた金属板を、原
子炉の炉水に浸漬された構造部材の炉水と接する面に設
置することを特徴とする。
の耐食方法は、少なくとも一種の白金族元素を含むコー
ティング材料によってコーティングされた金属板を、原
子炉の炉水に浸漬された構造部材の炉水と接する面に設
置することを特徴とする。
【0013】本発明の原子力発電用プラントの構造部材
の耐食方法は、少なくとも一種の白金族元素と少なくと
も一種の遷移元素を含む耐食性合金からなる金属板を、
原子炉の炉水に浸漬された構造部材の炉水と接する面に
設置することを特徴とする。本発明の原子力発電用プラ
ントの構造部材の耐食方法は、少なくとも一種の白金族
元素と少なくとも一種の遷移元素を含むコーティング材
料によってコーティングされた金属板を、原子炉の炉水
に浸漬された構造部材の炉水と接する面に設置すること
を特徴とする。
の耐食方法は、少なくとも一種の白金族元素と少なくと
も一種の遷移元素を含む耐食性合金からなる金属板を、
原子炉の炉水に浸漬された構造部材の炉水と接する面に
設置することを特徴とする。本発明の原子力発電用プラ
ントの構造部材の耐食方法は、少なくとも一種の白金族
元素と少なくとも一種の遷移元素を含むコーティング材
料によってコーティングされた金属板を、原子炉の炉水
に浸漬された構造部材の炉水と接する面に設置すること
を特徴とする。
【0014】本発明の原子力発電用プラントの構造部材
の耐食方法は、構造部材の炉水と接する面に設置する金
属板が、金属格子板であることが望ましい。
の耐食方法は、構造部材の炉水と接する面に設置する金
属板が、金属格子板であることが望ましい。
【0015】本発明の原子力発電用プラントの構造部材
の耐食方法は、構造部材の炉水の溶存水素濃度を10〜
50ppb に維持することが望ましい。
の耐食方法は、構造部材の炉水の溶存水素濃度を10〜
50ppb に維持することが望ましい。
【0016】また、構造部材の炉水の溶存水素濃度を2
0〜50ppb に維持することがより望ましく、さらに、
20〜40ppb に維持することが好ましい。
0〜50ppb に維持することがより望ましく、さらに、
20〜40ppb に維持することが好ましい。
【0017】本発明の原子力発電用プラントの構造部材
の耐食方法は、炉水に浸漬された環境で使用される構造
部材の炉水と接する面に、少なくとも一種の白金族元素
と少なくとも一種の遷移元素を含むコーティング材料に
よってコーティングすることを特徴とする。
の耐食方法は、炉水に浸漬された環境で使用される構造
部材の炉水と接する面に、少なくとも一種の白金族元素
と少なくとも一種の遷移元素を含むコーティング材料に
よってコーティングすることを特徴とする。
【0018】本発明の原子力発電用プラントの構造部材
の耐食方法は、炉水に浸漬された環境で使用される構造
部材の炉水と接する面に、少なくとも一種の白金族元素
と少なくとも一種の遷移元素を含むコーティング材料に
よってコーティングし、かつ溶存水素濃度を10〜50
ppb とすることを特徴とする。
の耐食方法は、炉水に浸漬された環境で使用される構造
部材の炉水と接する面に、少なくとも一種の白金族元素
と少なくとも一種の遷移元素を含むコーティング材料に
よってコーティングし、かつ溶存水素濃度を10〜50
ppb とすることを特徴とする。
【0019】本発明の原子力発電用プラントの構造部材
の耐食方法は、炉水に浸漬された環境で使用される構造
部材の炉水と接する面に、少なくとも一種の白金族元素
と少なくとも一種の遷移元素を含むコーティング材料に
よってコーティングし、かつ溶存水素濃度を20〜50
ppb とすることを特徴とする。
の耐食方法は、炉水に浸漬された環境で使用される構造
部材の炉水と接する面に、少なくとも一種の白金族元素
と少なくとも一種の遷移元素を含むコーティング材料に
よってコーティングし、かつ溶存水素濃度を20〜50
ppb とすることを特徴とする。
【0020】本発明の原子力発電用プラントの構造部材
の耐食方法は、炉水に浸漬された環境で使用される構造
部材の炉水と接する面に、少なくとも一種の白金族元素
と少なくとも一種の遷移元素を含むコーティング材料に
よってコーティングし、かつ溶存水素濃度を20〜40
ppb とすることを特徴とする。
の耐食方法は、炉水に浸漬された環境で使用される構造
部材の炉水と接する面に、少なくとも一種の白金族元素
と少なくとも一種の遷移元素を含むコーティング材料に
よってコーティングし、かつ溶存水素濃度を20〜40
ppb とすることを特徴とする。
【0021】
【作用】原子炉のシュラウド等の季節の構造部材に直
接、コーティングする方法だけでなく、外部から新た
に、応力腐食の原因となる溶存酸素のゲッターとして、
部材を挿入することにより、耐食性を向上することがで
きる。
接、コーティングする方法だけでなく、外部から新た
に、応力腐食の原因となる溶存酸素のゲッターとして、
部材を挿入することにより、耐食性を向上することがで
きる。
【0022】図4にその作用を示す。BWRの反応容器
内の炉水中のシュラウド部材の前方にメッシュ状の金属
格子板を設ける。
内の炉水中のシュラウド部材の前方にメッシュ状の金属
格子板を設ける。
【0023】この格子板の金属であるが、その表面に
は、前記金属の組成に、白金族元素を添加した組成を有
するコーティング層が溶射法により、形成されている。
は、前記金属の組成に、白金族元素を添加した組成を有
するコーティング層が溶射法により、形成されている。
【0024】炉水中には、核反応に伴い溶存酸素が存在
している。
している。
【0025】この格子板が無い状態の通常の炉内の構造
では、溶存酸素はシュラウド部材表面に吸着し、応力腐
食割れが助長される。
では、溶存酸素はシュラウド部材表面に吸着し、応力腐
食割れが助長される。
【0026】炉水中に注入された水素分子が同じく、コ
ーティング層中の白金族元素の効果により、イオン化さ
れた水素と溶存酸素が反応し、炉水中に還元される。
ーティング層中の白金族元素の効果により、イオン化さ
れた水素と溶存酸素が反応し、炉水中に還元される。
【0027】また、白金族元素及び遷移金属とを添加し
た組成を有するコーティング層が溶射法により、形成さ
れている場合には、上記作用に加えて、格子板のコーテ
ィング層に酸素と親和性の良い遷移金属が含有されてい
るため、溶存酸素の大部分が吸着される。
た組成を有するコーティング層が溶射法により、形成さ
れている場合には、上記作用に加えて、格子板のコーテ
ィング層に酸素と親和性の良い遷移金属が含有されてい
るため、溶存酸素の大部分が吸着される。
【0028】この反応サイクルにより、従来では、シュ
ラウド部材に耐食性に悪影響をおよぼす溶存酸素を排除
することができる。
ラウド部材に耐食性に悪影響をおよぼす溶存酸素を排除
することができる。
【0029】この方法の作用として、格子板のみを定期
的に交換することにより、炉内のシュラウド部材をより
延命化することが出来る。
的に交換することにより、炉内のシュラウド部材をより
延命化することが出来る。
【0030】また、格子板にコーティングする方法の他
に、格子板自体の合金をPd等の白金族元素やTa等の
遷移元素を添加した合金として作成しても同様の作用を
有することが出来る。
に、格子板自体の合金をPd等の白金族元素やTa等の
遷移元素を添加した合金として作成しても同様の作用を
有することが出来る。
【0031】以上のように、少なくとも一種の白金族元
素を含む耐食性合金からなる金属板を、原子炉の炉水に
浸漬された構造部材の炉水と接する面に設置することに
より、容易に応力腐食割れを防止することが出来る。
素を含む耐食性合金からなる金属板を、原子炉の炉水に
浸漬された構造部材の炉水と接する面に設置することに
より、容易に応力腐食割れを防止することが出来る。
【0032】少なくとも一種の白金族元素を含むコーテ
ィング材料によってコーティングされた金属板を、原子
炉の炉水に浸漬された構造部材の炉水と接する面に設置
することにより、容易に応力腐食割れを防止することが
出来る。
ィング材料によってコーティングされた金属板を、原子
炉の炉水に浸漬された構造部材の炉水と接する面に設置
することにより、容易に応力腐食割れを防止することが
出来る。
【0033】少なくとも一種の白金族元素と少なくとも
一種の遷移元素を含む耐食性合金からなる金属板を、原
子炉の炉水に浸漬された構造部材の炉水と接する面に設
置することにより、容易に応力腐食割れを防止すること
が出来る。
一種の遷移元素を含む耐食性合金からなる金属板を、原
子炉の炉水に浸漬された構造部材の炉水と接する面に設
置することにより、容易に応力腐食割れを防止すること
が出来る。
【0034】少なくとも一種の白金族元素と少なくとも
一種の遷移元素を含むコーティング材料によってコーテ
ィングされた金属板を、原子炉の炉水に浸漬された構造
部材の炉水と接する面に設置することにより、容易に応
力腐食割れを防止することが出来る。
一種の遷移元素を含むコーティング材料によってコーテ
ィングされた金属板を、原子炉の炉水に浸漬された構造
部材の炉水と接する面に設置することにより、容易に応
力腐食割れを防止することが出来る。
【0035】構造部材の炉水と接する面に設置する金属
板が、金属格子板であることにより、容易に応力腐食割
れを防止することが出来る。
板が、金属格子板であることにより、容易に応力腐食割
れを防止することが出来る。
【0036】この際、金属板は適切な孔,スリッド等を
有していてもかまわない。
有していてもかまわない。
【0037】線状のものをリングとして構造部材の炉水
と接する面に設置しても良い。
と接する面に設置しても良い。
【0038】線状のものを縦方向又は横方向にならべて
設置しても良い。
設置しても良い。
【0039】構造部材の炉水の溶存水素濃度を特定値に
維持するように水素を注入することが望ましい。
維持するように水素を注入することが望ましい。
【0040】次に、軽水炉中の炉水環境で使用されるシ
ュラウド部材(オースエナイト系ステンレス鋼)の耐応
力腐食割れに対し、本発明のコーティング材中の触媒元
素がどのような機能を有しているかを図3を用いて説明
する。
ュラウド部材(オースエナイト系ステンレス鋼)の耐応
力腐食割れに対し、本発明のコーティング材中の触媒元
素がどのような機能を有しているかを図3を用いて説明
する。
【0041】(1)の水素注入は、シュラウド部材の表
面が炉水に浸されている状況を模式的に示したものであ
る。
面が炉水に浸されている状況を模式的に示したものであ
る。
【0042】図3では、コーティング材料はシュラウド
部材と同系統のオースエナイト系ステンレス鋼(SUS316
L)をマトリックスとしているが、そのコーティング層
中に白金族元素として、パラジウム(Pd)、遷移元素
としてタンタル(Ta)を有している。
部材と同系統のオースエナイト系ステンレス鋼(SUS316
L)をマトリックスとしているが、そのコーティング層
中に白金族元素として、パラジウム(Pd)、遷移元素
としてタンタル(Ta)を有している。
【0043】このような状況で炉水中に水素を注入する
と、(2)に示すように、触媒のPdと水素が結合(フ
ァンデルワールス結合)し、水素のH−H間の電子密度
が低下するため、H−H結合が弱く成った状態となる。
と、(2)に示すように、触媒のPdと水素が結合(フ
ァンデルワールス結合)し、水素のH−H間の電子密度
が低下するため、H−H結合が弱く成った状態となる。
【0044】また同時に(3)及び(4)のように、炉
水中に溶解している溶存酸素が助触媒元素のTaに引か
れ、シュラウド表面に吸着する。
水中に溶解している溶存酸素が助触媒元素のTaに引か
れ、シュラウド表面に吸着する。
【0045】続いて、(5)に示すようにコーティング
層表面で吸着した酸素と水素が結合反応し、中間体であ
るラジカル(HO2*,HO*等)を生成する。
層表面で吸着した酸素と水素が結合反応し、中間体であ
るラジカル(HO2*,HO*等)を生成する。
【0046】これらのラジカルは親水性のため、コーテ
ィング層表面から脱離し、炉水中に浮遊する。
ィング層表面から脱離し、炉水中に浮遊する。
【0047】一旦コーティング層表面から、吸着した水
素と酸素分子が脱離すると、新たな水素と酸素分子が吸
着し、ラジカル形成,脱離というパターンを繰り返す。
素と酸素分子が脱離すると、新たな水素と酸素分子が吸
着し、ラジカル形成,脱離というパターンを繰り返す。
【0048】そして、このように増殖したラジカルと炉
水中の水素と酸素分子が反応し(6)及び(7)のように
水分子を形成し、炉水に吸収される。
水中の水素と酸素分子が反応し(6)及び(7)のように
水分子を形成し、炉水に吸収される。
【0049】コーティング層表面に露出している触媒の
表面積が極微少でも、(6)に示すようにラジカルの増
殖が可能なため、炉水に注入された水素と溶存酸素との
反応で水分子の生成が連続的に起こることになる。
表面積が極微少でも、(6)に示すようにラジカルの増
殖が可能なため、炉水に注入された水素と溶存酸素との
反応で水分子の生成が連続的に起こることになる。
【0050】本発明の白金族は、下記の反応を促進させ
る役割を有している。
る役割を有している。
【0051】1/2O2+2H+2e⇒H2O すなわち、母材の金属(ステンレス鋼など)の表面に、
水中に含有している水素を吸着させた後、同じく水中の
溶存酸素とを反応させ、水を生成し、溶存酸素を還元す
る。
水中に含有している水素を吸着させた後、同じく水中の
溶存酸素とを反応させ、水を生成し、溶存酸素を還元す
る。
【0052】この場合、白金族元素(Pd,Pt,R
h,Ru,Ir)は、いずれも水素を吸着させ、イオン
化させる性質を有しているが、酸素との親和性が良くな
く、溶存酸素を水素と反応させるには、酸素と結合性の
高いものが必要である。
h,Ru,Ir)は、いずれも水素を吸着させ、イオン
化させる性質を有しているが、酸素との親和性が良くな
く、溶存酸素を水素と反応させるには、酸素と結合性の
高いものが必要である。
【0053】そこで、これらの白金族元素より、酸素と
の結合エネルギーが高く、イオン的な相互作用の強い遷
移金属を白金族元素と共存させることにより、上記の反
応はより加速すると考えられる。
の結合エネルギーが高く、イオン的な相互作用の強い遷
移金属を白金族元素と共存させることにより、上記の反
応はより加速すると考えられる。
【0054】すなわち、これらの遷移元素の役割は、助
触媒効果であるが、Mo,Cr,W,V,Zr,Ti,
Ta,Hfなどがあげられる。
触媒効果であるが、Mo,Cr,W,V,Zr,Ti,
Ta,Hfなどがあげられる。
【0055】以上のように、炉水に浸漬された環境で使
用される構造部材の炉水と接する面に、少なくとも一種
の白金族元素と少なくとも一種の遷移元素を含むコーテ
ィング材料によってコーティングすることにより、応力
腐食割れ防止効果を向上することができる。
用される構造部材の炉水と接する面に、少なくとも一種
の白金族元素と少なくとも一種の遷移元素を含むコーテ
ィング材料によってコーティングすることにより、応力
腐食割れ防止効果を向上することができる。
【0056】炉水に浸漬された環境で使用される構造部
材の炉水と接する面に、少なくとも一種の白金族元素と
少なくとも一種の遷移元素を含むコーティング材料によ
ってコーティングし、かつ溶存水素濃度を10〜50pp
b とすることにより、少量の水素注入で、応力腐食割れ
防止効果を向上することができる。
材の炉水と接する面に、少なくとも一種の白金族元素と
少なくとも一種の遷移元素を含むコーティング材料によ
ってコーティングし、かつ溶存水素濃度を10〜50pp
b とすることにより、少量の水素注入で、応力腐食割れ
防止効果を向上することができる。
【0057】炉水に浸漬された環境で使用される構造部
材の炉水と接する面に、少なくとも一種の白金族元素と
少なくとも一種の遷移元素を含むコーティング材料によ
ってコーティングし、かつ溶存水素濃度を20〜50pp
b とすることにより、少量の水素注入で、応力腐食割れ
防止効果を向上することができる。
材の炉水と接する面に、少なくとも一種の白金族元素と
少なくとも一種の遷移元素を含むコーティング材料によ
ってコーティングし、かつ溶存水素濃度を20〜50pp
b とすることにより、少量の水素注入で、応力腐食割れ
防止効果を向上することができる。
【0058】炉水に浸漬された環境で使用される構造部
材の炉水と接する面に、少なくとも一種の白金族元素と
少なくとも一種の遷移元素を含むコーティング材料によ
ってコーティングし、かつ溶存水素濃度を20〜40pp
b とすることにより、少量の水素注入で、応力腐食割れ
防止効果を向上することができる。
材の炉水と接する面に、少なくとも一種の白金族元素と
少なくとも一種の遷移元素を含むコーティング材料によ
ってコーティングし、かつ溶存水素濃度を20〜40pp
b とすることにより、少量の水素注入で、応力腐食割れ
防止効果を向上することができる。
【0059】
【実施例】本発明の内容を以下の実施例で説明する。
【0060】原子炉のシュラウド等の既設の構造部材に
直接、コーティングする方法だけでなく、外部から新た
に、応力腐食の原因となる溶存酸素のゲッターとして、
部材を挿入することにより、耐食性を向上することがで
きる。
直接、コーティングする方法だけでなく、外部から新た
に、応力腐食の原因となる溶存酸素のゲッターとして、
部材を挿入することにより、耐食性を向上することがで
きる。
【0061】つまり、従来、図5及び図6に示すよう
に、シュラウド3の溶接部割れ5が発生するため、割れ
の発生防止又は割れの進展防止を図るために、軽水炉の
炉内構造物の一つである上部格子板1と炉心支持板2を
支えているシュラウド3の部材の溶接部4に耐食性の向
上を目的とした耐食コーティング7を溶射法を用いて行
う。
に、シュラウド3の溶接部割れ5が発生するため、割れ
の発生防止又は割れの進展防止を図るために、軽水炉の
炉内構造物の一つである上部格子板1と炉心支持板2を
支えているシュラウド3の部材の溶接部4に耐食性の向
上を目的とした耐食コーティング7を溶射法を用いて行
う。
【0062】本発明では図7に示すように、BWRの反
応容器内の炉水中のシュラウド部材の前方にメッシュ状
の金属格子板8を設けた。
応容器内の炉水中のシュラウド部材の前方にメッシュ状
の金属格子板8を設けた。
【0063】この格子板の金属はステンレス鋼(SUS30
4)であるが、その表面に、SUS304の組成に、Pdを1.
0重量%とTaを0.5重量%とを添加した組成を有す
るコーティング層を溶射法により形成した。
4)であるが、その表面に、SUS304の組成に、Pdを1.
0重量%とTaを0.5重量%とを添加した組成を有す
るコーティング層を溶射法により形成した。
【0064】炉水中には、核反応に伴い溶存酸素が存在
している。
している。
【0065】本実施例では、格子板のコーティング層に
酸素と親和性の良いTaが含有されているため、溶存酸
素の大部分が吸着された。
酸素と親和性の良いTaが含有されているため、溶存酸
素の大部分が吸着された。
【0066】次に、炉水中に注入された水素分子が同じ
く、コーティング層中のPdの効果により、イオン化さ
れた水素と溶存酸素が反応し、炉水中に還元された。
く、コーティング層中のPdの効果により、イオン化さ
れた水素と溶存酸素が反応し、炉水中に還元された。
【0067】この反応サイクルにより、従来では、シュ
ラウド部材に耐食性に悪影響をおよぼす溶存酸素を排除
することができた。
ラウド部材に耐食性に悪影響をおよぼす溶存酸素を排除
することができた。
【0068】また、格子板のみを定期的に交換すること
により、炉内のシュラウド部材をより延命化することが
出来た。
により、炉内のシュラウド部材をより延命化することが
出来た。
【0069】さらに、格子板にコーティングする方法の
他に、格子板自体の金属組成をステンレス鋼などの合金
にPd等の白金族元素,Ta等の遷移元素を添加した合
金として作成しても同様の効果を奏することが確認でき
た。
他に、格子板自体の金属組成をステンレス鋼などの合金
にPd等の白金族元素,Ta等の遷移元素を添加した合
金として作成しても同様の効果を奏することが確認でき
た。
【0070】(実施例2)図1は本発明の「耐食コーテ
ィング法」を経年使用された軽水炉用構造物のシュラウ
ド表面へ予防保全の目的で施工に適用した事例を示す図
である。
ィング法」を経年使用された軽水炉用構造物のシュラウ
ド表面へ予防保全の目的で施工に適用した事例を示す図
である。
【0071】軽水炉の炉内構造物の一つである上部格子
板1と炉心支持板2を支えているシュラウド3の部材の
溶接部4に耐食性の向上を目的としたコーティングを溶
射法を用いて行う事例を示している。
板1と炉心支持板2を支えているシュラウド3の部材の
溶接部4に耐食性の向上を目的としたコーティングを溶
射法を用いて行う事例を示している。
【0072】経年使用された軽水炉プラントでは、溶存
酸素濃度の高い高温,高圧水に曝された影響により、シ
ュラウド部材の溶接部に割れ5の発生がみられた。この
割れは典型的な応力腐食割れのモードであったため、割
れの進展を防止する目的で耐食コーティングをプラズマ
溶射ガン6を用いて行なった。
酸素濃度の高い高温,高圧水に曝された影響により、シ
ュラウド部材の溶接部に割れ5の発生がみられた。この
割れは典型的な応力腐食割れのモードであったため、割
れの進展を防止する目的で耐食コーティングをプラズマ
溶射ガン6を用いて行なった。
【0073】図2は上記と同様の方法でコーティングさ
れたサンプルを作製し、溶射層の耐食性を調べるために
腐食電位を測定した(標準水素電極を用いた電気化学的
計測)結果を示している。Aはコーティング前の母材の
ステンレス合金(SUS304)の腐食電位、B,Cは耐食コー
ティングした母材の電位を示している。
れたサンプルを作製し、溶射層の耐食性を調べるために
腐食電位を測定した(標準水素電極を用いた電気化学的
計測)結果を示している。Aはコーティング前の母材の
ステンレス合金(SUS304)の腐食電位、B,Cは耐食コー
ティングした母材の電位を示している。
【0074】なお、Bはコーティング材として、ステン
レス合金(SUS316L)にPdのみを含有した材料であり、
Cはステンレス合金(SUS316L)にPdとTaを含有した
材料である。
レス合金(SUS316L)にPdのみを含有した材料であり、
Cはステンレス合金(SUS316L)にPdとTaを含有した
材料である。
【0075】この実験は高温水(288℃)中で溶存水
素量を変化させた場合の腐食電位を測定した結果であ
る。
素量を変化させた場合の腐食電位を測定した結果であ
る。
【0076】いずれの場合でも、水素量の増加とともに
腐食電位は低下するが、コーティング前Aの母材では、
−120ppm 以下が限界である。一方、耐食コーティン
グした場合B,Cとも−200ppm 以下まで低減するこ
とが可能となった。特にCはBに比べ、少ない水素量で
腐食電位が低下することが認められた。
腐食電位は低下するが、コーティング前Aの母材では、
−120ppm 以下が限界である。一方、耐食コーティン
グした場合B,Cとも−200ppm 以下まで低減するこ
とが可能となった。特にCはBに比べ、少ない水素量で
腐食電位が低下することが認められた。
【0077】すなわち、Cにおいて、溶存水素が10〜
50ppb 範囲では、A及びBに比べて、腐食電位が顕著
に低く、応力腐食割れ防止効果が優れていることがわか
る。Cにおいて、溶存水素が20〜50ppb 範囲では、
腐食電位が約−180〜約−250ppm とさらに腐食電
位が顕著に低く、さらに応力腐食割れ防止効果が優れて
いることがわかる。
50ppb 範囲では、A及びBに比べて、腐食電位が顕著
に低く、応力腐食割れ防止効果が優れていることがわか
る。Cにおいて、溶存水素が20〜50ppb 範囲では、
腐食電位が約−180〜約−250ppm とさらに腐食電
位が顕著に低く、さらに応力腐食割れ防止効果が優れて
いることがわかる。
【0078】Cにおいて、溶存水素が20〜40ppb 範
囲では、腐食電位が約−180〜約−230ppm とさら
に腐食電位が顕著に低く、さらに応力腐食割れ防止効果
が優れていることがわかる。
囲では、腐食電位が約−180〜約−230ppm とさら
に腐食電位が顕著に低く、さらに応力腐食割れ防止効果
が優れていることがわかる。
【0079】Cにおいて、溶存水素が25〜50ppb 範
囲では、腐食電位が約−200〜約−200ppm と、腐
食電位が安定し、水素注入の管理が容易であると考えら
れる。
囲では、腐食電位が約−200〜約−200ppm と、腐
食電位が安定し、水素注入の管理が容易であると考えら
れる。
【0080】以上のように、少量の水素注入によって、
優れた応力腐食われ抑制効果を奏する原子力発電用プラ
ントの構造部材の耐食方法を得ることができた。
優れた応力腐食われ抑制効果を奏する原子力発電用プラ
ントの構造部材の耐食方法を得ることができた。
【0081】また、溶存水素濃度を特定の範囲にするこ
とによって、さらに優れた応力腐食われ抑制効果が得ら
れることがわかった。
とによって、さらに優れた応力腐食われ抑制効果が得ら
れることがわかった。
【0082】
【発明の効果】容易に応力腐食われ抑制効果の維持がで
きる原子力発電用プラントの構造部材の耐食方法を得る
ことができた。
きる原子力発電用プラントの構造部材の耐食方法を得る
ことができた。
【0083】また、少量の水素注入によって、優れた応
力腐食われ抑制効果を奏する原子力発電用プラントの構
造部材の耐食方法を得ることができた。
力腐食われ抑制効果を奏する原子力発電用プラントの構
造部材の耐食方法を得ることができた。
【図1】本発明の耐食コーティングを施した溶射層の形
成法を示す図。
成法を示す図。
【図2】本発明の耐食コーティングにより、シュラウド
部材の腐食電位が降下することを示す図。
部材の腐食電位が降下することを示す図。
【図3】本発明の耐食コーティングの作用を示す図。
【図4】本発明の格子板の作用を表す図。
【図5】従来の原子力発電用プラントでの腐食状態。
【図6】従来の耐食コーティングを示す図。
【図7】本発明の格子板を使用した耐食方法。
1…上部格子板、2…炉心支持板、3…シュラウド、4
…溶接部、5…溶接部割れ、6…プラズマ溶射ガン、7
…耐食コーティング、8…金属格子板。
…溶接部、5…溶接部割れ、6…プラズマ溶射ガン、7
…耐食コーティング、8…金属格子板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高橋 卓也 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 市川 伸一 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 佐通 祐一 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内
Claims (12)
- 【請求項1】原子力発電用プラントの構造部材の耐食方
法において、少なくとも一種の白金族元素を含む耐食性
合金からなる金属板を、原子炉の炉水に浸漬された構造
部材の炉水と接する面に設置する原子力発電用プラント
の構造部材の耐食方法。 - 【請求項2】原子力発電用プラントの構造部材の耐食方
法において、少なくとも一種の白金族元素を含むコーテ
ィング材料によってコーティングされた金属板を、原子
炉の炉水に浸漬された構造部材の炉水と接する面に設置
する原子力発電用プラントの構造部材の耐食方法。 - 【請求項3】原子力発電用プラントの構造部材の耐食方
法において、少なくとも一種の白金族元素と少なくとも
一種の遷移元素を含む耐食性合金からなる金属板を、原
子炉の炉水に浸漬された構造部材の炉水と接する面に設
置する原子力発電用プラントの構造部材の耐食方法。 - 【請求項4】原子力発電用プラントの構造部材の耐食方
法において、少なくとも一種の白金族元素と少なくとも
一種の遷移元素を含むコーティング材料によってコーテ
ィングされた金属板を、原子炉の炉水に浸漬された構造
部材の炉水と接する面に設置する原子力発電用プラント
の構造部材の耐食方法。 - 【請求項5】請求項1〜請求項4のいずれかに記載の原
子力発電用プラントの構造部材の耐食方法において、構
造部材の炉水と接する面に設置する金属板が、金属格子
板であることを特徴とする原子力発電用プラントの構造
部材の耐食方法。 - 【請求項6】請求項1〜請求項5のいずれかに記載の原
子力発電用プラントの構造部材の耐食方法において、構
造部材の炉水の溶存水素濃度を10〜50ppb に維持す
ることを特徴とする原子力発電用プラントの構造部材の
耐食方法。 - 【請求項7】請求項1〜請求項5のいずれかに記載の原
子力発電用プラントの構造部材の耐食方法において、構
造部材の炉水の溶存水素濃度を20〜50ppb に維持す
ることを特徴とする原子力発電用プラントの構造部材の
耐食方法。 - 【請求項8】請求項1〜請求項5のいずれかに記載の原
子力発電用プラントの構造部材の耐食方法において、構
造部材の炉水の溶存水素濃度を20〜40ppb に維持す
ることを特徴とする原子力発電用プラントの構造部材の
耐食方法。 - 【請求項9】原子力発電用プラントの構造部材の耐食方
法において、炉水に浸漬された環境で使用される構造部
材の炉水と接する面に、少なくとも一種の白金族元素と
少なくとも一種の遷移元素を含むコーティング材料によ
ってコーティングすることを特徴とする原子力発電用プ
ラントの構造部材の耐食方法。 - 【請求項10】原子力発電用プラントの構造部材の耐食
方法において、炉水に浸漬された環境で使用される構造
部材の炉水と接する面に、少なくとも一種の白金族元素
と少なくとも一種の遷移元素を含むコーティング材料に
よってコーティングし、かつ溶存水素濃度を10〜50
ppb とすることを特徴とする原子力発電用プラントの構
造部材の耐食方法。 - 【請求項11】原子力発電用プラントの構造部材の耐食
方法において、炉水に浸漬された環境で使用される構造
部材の炉水と接する面に、少なくとも一種の白金族元素
と少なくとも一種の遷移元素を含むコーティング材料に
よってコーティングし、かつ溶存水素濃度を20〜50
ppb とすることを特徴とする原子力発電用プラントの構
造部材の耐食方法。 - 【請求項12】原子力発電用プラントの構造部材の耐食
方法において、炉水に浸漬された環境で使用される構造
部材の炉水と接する面に、少なくとも一種の白金族元素
と少なくとも一種の遷移元素を含むコーティング材料に
よってコーティングし、かつ溶存水素濃度を20〜40
ppb とすることを特徴とする原子力発電用プラントの構
造部材の耐食方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7133153A JPH08327784A (ja) | 1995-05-31 | 1995-05-31 | 原子力発電用プラントの構造部材の耐食方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7133153A JPH08327784A (ja) | 1995-05-31 | 1995-05-31 | 原子力発電用プラントの構造部材の耐食方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08327784A true JPH08327784A (ja) | 1996-12-13 |
Family
ID=15097953
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7133153A Pending JPH08327784A (ja) | 1995-05-31 | 1995-05-31 | 原子力発電用プラントの構造部材の耐食方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08327784A (ja) |
-
1995
- 1995-05-31 JP JP7133153A patent/JPH08327784A/ja active Pending
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