JPH08325494A - インクジェット用インク - Google Patents

インクジェット用インク

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JPH08325494A
JPH08325494A JP7462096A JP7462096A JPH08325494A JP H08325494 A JPH08325494 A JP H08325494A JP 7462096 A JP7462096 A JP 7462096A JP 7462096 A JP7462096 A JP 7462096A JP H08325494 A JPH08325494 A JP H08325494A
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JP
Japan
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formula
ink
sulfonate
aromatic
dispersant
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Application number
JP7462096A
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English (en)
Inventor
Shiho Takayama
志帆 高山
Koji Kuwabara
厚司 桑原
Yutaka Masuda
豊 増田
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【構成】実質的に水不溶性の染料または顔料が水主媒体
中に分散してなるインクジェット用インクにおいて、分
散剤として下記式(I) で示される芳香族モノアニオン分
散剤と下記式(II)で示される芳香族多価アニオン分散剤
を含んでなることを特徴とするインクジェット用イン
ク。 【化1】 Zは下記式(III) で示される基を表す。 【化2】 【化3】 【効果】本発明のインクジェット用インクにより、にじ
み防止効果を低下させることなく、インクジェット装置
の吐出安定性や経時安定性を向上させることが可能とな
り、かつインクジェット装置運転休止時のノズル詰まり
やインク経路の洗浄性を改善することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水不溶性の染料ま
たは顔料を用いるインクジェット染色において、装置の
運転休止時のノズル詰まりの防止やインク経路の洗浄性
に優れ、かつ、にじみ防止性にも優れたインクジェット
用インクに関する。
【0002】
【従来の技術】最近、インクジェット染色を布帛の捺染
に適用する検討が行われ、実用化検討が進んでいる。イ
ンクジェット染色は従来の捺染とは異なり、染液を細い
ノズルから液滴として噴射する必要があるため、インク
の吐出安定性、信頼性が重要になる。
【0003】特に、水不溶性の染料または顔料の場合、
例えばポリエステル素材の染色に使用する分散染料は実
質的に水に不溶であり、微分散させてインク化するが、
水溶性染料に比べてインクの吐出安定性や経時安定性が
悪化しやすいという欠点がある。このようなインク品質
の変化により、装置運転休止時のノズル詰まりが生じや
すく、またインク経路の洗浄性も悪い傾向にある。
【0004】一方、捺染物の品質上からにじみを防止す
ることが重要である。特開昭61−215787号公
報、特開昭61−213273号公報、特開昭61−2
31288号公報において特定の分散剤を使用したイン
クは前処理剤として金属塩やポリカチオンを用いた場合
に、にじみが防止されることが開示されている。このよ
うな分散剤は疎水性が高いため上記のノズル詰まり等の
問題がより発生しやすい傾向にあり、にじみ防止と吐出
安定性の両者を満足させることは困難であった。別な手
段として装置的にノズル面のキャップやワイピングによ
りノズル詰まりを防ぐことが知られているが、効果が十
分ではなく、特にマルチノズル化した場合、装置的な手
段だけでは不十分である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、イン
クジェットによる布帛の捺染において、にじみ防止効果
を低減することなく、上述のような装置運転休止時のノ
ズル詰まりやインク経路の洗浄性を改善するインクジェ
ット用インクを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
用インクは、前記の課題を解決して目的を達成するため
以下の構成を有する。
【0007】すなわち、実質的に水不溶性の染料または
顔料が水主媒体中に分散してなるインクジェット用イン
クにおいて、分散剤として下記式(I) で示される芳香族
モノアニオン分散剤と下記式(II)で示される芳香族多価
アニオン分散剤を含んでなることを特徴とするインクジ
ェット用インクである。
【0008】
【化7】 (式(I) 中Rは炭素数が6〜30のアリール基、炭素数
が6〜30のアルカリール基、炭素数が6〜30のアラ
ルキル基のいずれかのものを表す。XはSO3 M、OS
3 M、COOM、PO3 2 、PO3 HMのいずれか
のものを表し、Mは1価の金属イオン、アンモニウムイ
オン、アミン塩カチオンのいずれかのものを表す。Zは
下記式(III) で示される基を表す。)
【化8】 (式(II)中Aは芳香族スルホン酸塩を表し、Bは芳香族
スルホン酸塩、芳香族化合物のうちから1種以上選ば
れ、nは2〜20、mは0〜10である。)
【化9】 (式(III) 中nは1〜20、mは0〜20である。) また、本発明のインクジェット用インクは、前記の課題
を解決して目的を達成するため以下の構成を有する。
【0009】すなわち、実質的に水不溶性の染料または
顔料が水主媒体中に分散してなるインクジェット用イン
クにおいて、分散剤として下記式(I) で示される芳香族
モノアニオン分散剤と下記式(IV)で示される芳香族多価
アニオン分散剤を含んでなることを特徴とするインクジ
ェット用インク。
【0010】
【化10】 (式(I) 中Rは炭素数が6〜30のアリール基、炭素数
が6〜30のアルカリール基、炭素数が6〜30のアラ
ルキル基のいずれかのものを表す。XはSO3 M、OS
3 M、COOM、PO3 2 、PO3 HMのいずれか
のものを表し、Mは1価の金属イオン、アンモニウムイ
オン、アミン塩カチオンのいずれかのものを表す。Zは
下記式(III) で示される基を表す。)
【化11】 (式(IV)中Aは芳香族スルホン酸塩を表し、Bは芳香族
スルホン酸塩、芳香族化合物のうちから1種以上選ば
れ、Cは芳香族スルホン酸塩、芳香族化合物のうちから
1種以上選ばれ、nは2〜20、mは0〜10、lは2
〜20である。)
【化12】 (式(III) 中nは1〜20、mは0〜20である。)
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明のインクジェット用
インクを詳細に説明する。
【0012】本発明のインクジェット用インクは水不溶
性の染料または顔料が水主媒体中に分散してなり、イン
クジェット印刷やインクジェット染色に好適であり、特
に布帛に捺染を行うのに好適な特徴を有する。
【0013】水不溶性の染料または顔料としては、分散
染料、反応型分散染料、分散型アゾイック染料、油溶染
料、顔料などが挙げられ、本発明のインクジェット用イ
ンクではこれらの水不溶性の染料または顔料を、主に水
からなる媒体に微分散してなるものである。ポリエステ
ルなどの布帛を染色する観点から分散染料が好ましく用
いられる。分散染料としては特に限定されるものではな
く、任意の分散染料を用いることができる。
【0014】本発明のインクジェット用インクは水不溶
性の染料または顔料の分散剤として式(I) および式(II)
の2種の分散剤を含んでなるものである。
【0015】または、式(I) および式(IV)の2種の分散
剤を含んでなるものである。
【0016】式(I) で示される分散剤は芳香族モノアニ
オン分散剤である。
【0017】この芳香族モノアニオン分散剤を有するこ
とによりインク中で水不溶性の染料または顔料が良好に
分散できる。さらに捺染対象の布帛に水溶性金属塩やカ
チオン系化合物で前処理しておくことで、本発明のイン
クを用いて印字する際のにじみをより効果的に防止する
ことができる。
【0018】式(I) において、Rは炭素数6〜30のア
リール基、炭素数6〜30のアルカリール基、炭素数6
〜30のアラルキル基のいずれかとするものである。例
えばフェニル、ナフチル、ビフェニリル、オクチルフェ
ニル、ノニルフェニル、トリベンジルフェニル、ジベン
ジルフェニル、モノベンジルフェニル、トリスチリルフ
ェニル、ジスチリルフェニル、モノスチリルフェニル、
ベンジルビフェニリル、ナフチルメチルなどを挙げるこ
とができる。また、Zは式(III) で表されるエチレンオ
キサイドおよびプロピレンオキサイドの縮合物とするも
のであり、エチレンオキサイドの縮合度nは1〜20と
するものであり、プロピレンオキサイドの縮合度mは0
〜20とするものである。
【0019】Xとしては、SO3 Mで表されるスルホン
酸塩、OSO3 Mで表されるスルホン酸オキサイド、C
OOMで表されるカルボン酸塩、PO3 2 で表される
ホスホン酸塩、PO3 HMで表されるハイドロホスホン
酸のいずれかとするものである。
【0020】Mで表されるものは1価の金属イオン、ア
ンモニウムイオン、アミン塩カチオンのいずれかとする
ものである。例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム
などの1価の金属イオン、アンモニウムイオンまたはト
リエタノールアミン、ジエタノールアミン、モノエタノ
ールアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、モノ
エチルアミンなどのアミンからなるアミン塩カチオンを
挙げることができる。水不溶性の染料または顔料の分散
性の向上とにじみ防止の観点から、Rとしてトリベンジ
ル化フェノール、トリスチレン化フェノール、ジベンジ
ル化フェノール、ジスチレン化フェノールなどの3つ以
上芳香環を有するアリール基、Zとしてはエチレンオキ
サイドの縮合度が5〜10、プロピレンオキサイドの縮
合度が0〜3である縮合物、Xとしてはスルホン酸塩、
Mとしてはアンモニウムイオン、アミン塩カチオンのい
ずれかから選ばれる分散剤が好ましい。
【0021】式(II)および式(IV)の分散剤は芳香族多
価アニオン分散剤である。
【0022】具体的には、式(II)および式(IV)の分散
剤は芳香族スルホン酸塩および他の芳香族化合物とのホ
ルムアルデヒド縮合生成物である。例えば、Aで表され
る芳香族スルホン酸塩としてはナフタレン骨格を有する
ナフタレンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン
酸塩、ナフチルアミンスルホン酸塩、ナフトールスルホ
ン酸塩、アミノナフトールスルホン酸塩などを用いるこ
とができ、複数の置換基を有するナフタレンスルホン酸
塩であってもよい。ジフェニル骨格を有する芳香族スル
ホン酸塩としては、ジフェニルエーテルスルホン酸塩な
どを用いることができ、アルキル基、水酸基、アミノ基
などの置換基を有するジフェニルエーテルスルホン酸塩
などであってもよい。ベンゼン骨格を有する芳香族スル
ホン酸塩としては、ベンゼンスルホン酸塩、アルキルベ
ンゼンスルホン酸塩、ベンジルアミンスルホン酸塩など
を用いることができ、複数の置換基を有するベンゼンス
ルホン酸塩であってもよい。フェノール骨格を有する芳
香族スルホン酸塩としては、フェノールスルホン酸塩、
アミノフェノールスルホン酸塩などを用いることがで
き、複数の置換基を有するフェノールスルホン酸塩であ
ってもよい。
【0023】また、例えば、B、Cで表される芳香族ス
ルホン酸塩としては、ナフタレン骨格を有するナフタレ
ンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ナ
フチルアミンスルホン酸塩、ナフトールスルホン酸塩、
アミノナフトールスルホン酸塩などを用いることがで
き、複数の置換基を有するナフタレンスルホン酸塩であ
ってもよい。ジフェニル骨格を有する芳香族スルホン酸
塩としては、ジフェニルエーテルスルホン酸塩などを用
いることができ、アルキル基、水酸基、アミノ基などの
置換基を有するジフェニルエーテルスルホン酸塩などで
あってもよい。
【0024】ベンゼン骨格を有する芳香族スルホン酸塩
としては、ベンゼンスルホン酸塩、アルキルベンゼンス
ルホン酸塩、ベンジルアミンスルホン酸塩などを用いる
ことができ、複数の置換基を有するベンゼンスルホン酸
塩であってもよい。
【0025】フェノール骨格を有する芳香族スルホン酸
塩としては、フェノールスルホン酸塩、アミノフェノー
ルスルホン酸塩などを用いることができ、複数の置換基
を有するフェノールスルホン酸塩であってもよい。その
他の芳香族化合物としては、ナフタレン、アルキルナフ
タレン、ナフチルアミン、ナフトエ酸、ナフトキノリ
ン、ナフトール、アミノナフトール、ベンゼン、アルキ
ルベンゼン、アニリン、安息香酸、フェノール、フェノ
ール酸、アミノフェノール、ヒドロキシメチルベンゼン
などを用いることができる。
【0026】インクジェット装置運転休止時のノズル詰
まりやインク経路の洗浄性を良くし、にじみを防止する
観点から、A、B、Cのそれぞれがナフタレンスルホン
酸塩、ナフトールスルホン酸塩、アルキルナフタレンス
ルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、フェノールスルホ
ン酸塩、ジフェニルエーテルスルホン酸塩の1種以上の
ものが好ましく、ジフェニルエーテルスルホン酸塩のホ
ルマリン縮合物、ナフタレンスルホン酸塩とフェノール
スルホン酸塩のホルマリン縮合物、アルキルナフタレン
スルホン酸塩とナフトールスルホン酸塩のホルマリン縮
合物で、縮合度が2〜20のものがより好ましい。
【0027】式(II)中のn、m成分、式(IV)のn、
m、l成分は、ブロック状態での結合であってもよく、
また各成分がランダムに所定の数だけ結合したものであ
ってもよい。
【0028】さらに式(II)中または式(IV)中のBと
結合していない末端はA、B、水素、メチル基のうちの
いずれかと結合することもできる。
【0029】式(I) で表される分散剤は分散染料の分散
効果が高く、かつ、にじみ防止に有効であるが、比較的
疎水性が高いため、インクが一旦乾燥固化した際、水等
に容易に再分散しにくくなる傾向にある。このことは、
インクジェット装置運転休止時のノズル詰まりや洗浄性
の低下を引き起こす原因となる。
【0030】本発明のインクジェット用インクは、比較
的疎水性の高い式(I) の芳香族モノアニオン分散剤の他
に、式(II)または式(IV)の芳香族多価アニオン分散剤
を有することにより、従来のにじみ防止効果を低減する
ことなく、インクジェット装置運転休止時のノズル詰ま
りを防止し、かつインク経路洗浄性の優れたものになる
のである。
【0031】式(I) の芳香族モノアニオン分散剤もしく
は式(II)の芳香族多価アニオン分散剤のいずれかを有し
ない場合、または式(I) の芳香族モノアニオン分散剤も
しくは式(IV)の芳香族多価アニオン分散剤のいずれかを
有しない場合、にじみ防止効果の低下、分散性の悪化、
分散液の粘度増加、インクの経時変化、インクジェット
装置運転休止時のノズル詰まりの発生、またはインク経
路洗浄性が劣ったものとなるなどの問題が生じる。
【0032】式(I) の芳香族モノアニオン分散剤の含有
量は、にじみ防止効果、染色性および吐出安定性の観点
から、水不溶性の染料または顔料に対し5〜100重量
%が好ましく、10〜50重量%がより好ましい。
【0033】式(II)または式(IV)の芳香族多価アニオン
分散剤の含有量は、ノズル詰まりの防止、インク経路の
洗浄性向上およびにじみ防止効果の観点から、水不溶性
の染料または顔料に対し10〜200重量%が好まし
く、30〜100重量%がより好ましい。
【0034】また、式(I) の分散剤と式(II)または式(I
V)の分散剤の配合比は、特に限定されるものではない。
分散剤の種類にもよるが、にじみ防止の観点から、式
(I) の分散剤に対し式(II)または式(IV)の分散剤が
0.5〜5倍となるのが好ましく、1〜2倍となるのは
より好ましい。
【0035】本発明のインクジェット用インクにおい
て、水不溶性の染料または顔料を水主媒体中に分散する
方法は、特に限定されず、染料または顔料、分散剤およ
び水を主成分とした液を公知のボールミル、コロイドミ
ル、サンドグラインダーで分散する方法が用いられる。
【0036】本発明のインクは、式(I) の分散剤と式(I
I)または式(IV)の分散剤を併用して染料または顔料を
分散することによりインク調製する方法、または式(I)
の分散剤、式(II)の分散剤または式(IV)の分散剤を単
独で用いて染料または顔料を分散し、次いでインク調製
時に他方の分散剤を添加する方法のいずれでもよい。分
散性の観点からは式(I) および式(II)または式(IV)の
分散剤を併用し、染料または顔料を分散した後にインク
調製する方法か、または式(I) の分散剤を単独で用いて
染料または顔料を分散した後、インク調製時に式(II)ま
たは式(IV)の分散剤を添加する方法が好ましい。
【0037】分散の安定性、ノズル詰まり防止の観点か
ら、染料または顔料の平均粒子径としては1μm以下が
好ましく、0.5μm以下がより好ましい。粗大粒子は
濾過などの手段で除去するのが好ましい。
【0038】本発明のインクジェット用インクは前記の
染料または顔料、分散剤、水主媒体の他、公知の各種添
加剤を配合することができる。
【0039】ノズル表面でのインク乾燥の抑制の観点か
ら、高沸点水溶性溶剤であるエチレングリコール、ジエ
チレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチ
レングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレン
グリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペ
ンタンジオール、ヘキシレングリコール、グリセリンな
どのグリコール類、エチレングリコールモノメチルエー
テル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどの
グリコールの低級アルキルエーテル類から選んだものの
うち少なくとも1種をインク中に5〜40重量%含有す
るのが好ましく、特にグリコール類がより好ましい。
【0040】本発明者らの検討によれば、染料または顔
料の構造、性質、式(I) 、式(II)および式(IV)の分散
剤の種類と量、および高沸点水溶性溶剤の組み合わせ方
により、ノズル詰まりなどの吐出性能はかなり変わるた
め、染料または顔料の種類により適宜分散剤やインク組
成を選択すればよい。
【0041】その他の添加剤としてはpH調整剤、防腐
剤、消泡剤などを適宜配合することができる。
【0042】本発明のインクジェット用インクのインク
組成としては、インクジェット印刷の品質の観点から、
染料または顔料が0.1〜20重量%、芳香族モノアニ
オン分散剤が10〜50重量%(対染料または対顔
料)、芳香族多価アニオン分散剤が30〜100重量%
(対染料または対顔料)、高沸点水溶性溶剤が5〜40
重量%、水が残重量%となるのが好ましい。
【0043】さらに、インク物性としては、吐出安定性
の観点から、粘度1〜10cp、表面張力30〜70d
yne/cmの範囲にすることが好ましい。
【0044】本発明において用いるインクジェット印刷
方式としては、特に限定されるものではなく、各種方式
を適用することができる。代表的なものとして、荷電偏
向型、ヘルツ式などのコンティニュアス方式、圧力パル
ス型、バブルジェットなどのオンデマンド型など従来知
られた適宜の方式を用いることができる。
【0045】
【実施例】以下、本発明のインクジェット用インクを実
施例、比較例によって詳細に説明する。
【0046】本発明のインクジェット用インクの評価に
用いたインクジェット装置と方法を以下に示す。
【0047】[インクジェット装置] 色数:4色カラー 解像度:8ドット/mm ノズル構成:1色あたり4ノズルのマルチノズルコンテ
ィニュアス方式 ノズル径:50ミクロン プリント方式:ノズル移動方式(1回の印字幅が4c
m) [インク経路の洗浄性、ノズル詰まり、吐出方向の変
化、正常吐出性]上記装置を用いてインクを2時間吐出
後、インク吐出を止め、そのままの状態で60時間放置
した。その後、インクを再吐出する前に、インクジェッ
ト装置のガター部(吐出するインクを受ける部分)に純
水を流し、固化したインクの付着量が多い場合を×、少
ない場合を○としてインク経路の洗浄性を確認した。
【0048】その後、インクを再吐出するにあたり、前
記のインクジェット装置を用いてノズル詰まり、吐出方
向の変化および正常吐出性を確認した。
【0049】さらに、この一連の操作を数回繰返し、ノ
ズル詰まり、吐出方向の変化、正常吐出したノズルの述
べ数の割合を100%換算してノズル詰まり、吐出方向
の変化および正常吐出性を確認した。
【0050】[前処理]ポリエステル糸からなる加工糸
織物を、塩化カルシウムの濃度20g/リットルの水溶
液で絞り率60%でパッドし、100℃で乾燥した(パ
ッド−ドライ法)。
【0051】[にじみ]インク色としてブルー(マジェ
ンタ+シアン)、シアンを用い、前処理布帛をインクジ
ェット染色した。ブルーとシアンの境界線において2色
の境界線が明確なものを○とし、不明確なものを×とし
た。
【0052】[実施例1〜7]表1に示す染料原体、分
散剤にイオン交換水からなる分散液およびガラスビーズ
(1mmφ)を加え、サンドグラインダーで5時間分散
化処理し、ガラスビ−ズを除去して分散液を調製した。
【0053】
【表1】 なお、R−60とはカラー インデックス ディスパー
ス レッド(Disperse Red)60を、B−
79とはカラー インデックス ディスパースブルー
(Disperse Blue)79を、I −1とはト
リスチレン化フェノールエチレンオキサイド8モル付加
硫酸エステル塩を、I −2とはジスチレン化フェノール
エチレンオキサイド4モル付加硫酸エステル塩を、II−
1とはナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮
合物(“デモ−ル”NL、花王株式会社製)を、Nとは
ノニルフェニルエーテルエチレンオキサイド7モル付加
物(“ノニポール70”、三洋化成工業株式会社製)を
表す。
【0054】その後、表2に示される含有量に沿って、
実施例1、2においては式(I) の分散剤I −1を含む分
散液1に式(II) の分散剤II−1を加え、実施例3では
式(I) の分散剤I −1を含む分散液1に式(II)の分散
剤II−2を加え、実施例5では式(I) の分散剤I −2を
含む分散液3に式(II)の分散剤II−3を加え、実施例
6では式(I) の分散剤I −2を含む分散液3に式(II)
の分散剤II−1を加え、実施例7では式(II)の分散剤II
−1を含む分散液4に式(I) の分散液I −2を加え、そ
れぞれ高沸点水溶性溶剤、イオン交換水を加えて攪拌
し、5μフィルターで瀘過してインクを調製した。
【0055】
【表2】 なお、II−2とはジフェニルエーテルスルホン酸ナトリ
ウムの縮合物を、II−3とはナフタレンスルホン酸ナト
リウムとフェノールスルホン酸ナトリウムのホルマリン
縮合物を、PGとはプロピレングリコールを、DEGと
はジエチレングリコールを、Gとはグリセリンを、Dと
はビスナフタレンスルホン酸ナトリウム(“ディスロー
ルSH”、日本乳化剤株式会社製)を表す。
【0056】表3に示すように各実施例は、インク経路
洗浄性に優れ、ノズル詰まりと吐出方向変化がなく、正
常吐出性に優れたものであり、さらに、にじみ防止効果
にも優れたものであった。
【0057】
【表3】 [実施例8]表1に記載の分散液3を33%、高沸点水
溶性溶剤としてブタンジオール(BGと略す)を25
%、式(I )の分散剤としてI −1を1.7%、式(I
V )の分散剤として、アルキルナフタレンスルホン酸ソ
ーダ、ナフトールスルホン酸ソーダ、フェノールスルホ
ン酸ソーダを2:1:1の割合で含むホルマリン縮合物
を1.5%、他の分散剤を0%としてインクを調整し
た。実施例1と同じ方法でインクの評価を行なった。イ
ンク経路洗浄性は○、ノズル詰まりは0%、吐出方向変
化は0%、正常吐出は100%、にじみ防止効果は○と
なり、インク経路洗浄性に優れ、ノズル詰まりと吐出方
向変化がなく、正常吐出性に優れたものであり、にじみ
防止効果にも優れたものであった。
【0058】[実施例9]表1に記載の分散液1を33
%、高沸点水溶性溶剤としてプロパンジオール(PGと
略す)を30%、式(I )の分散剤としてI −1を1.
7%、式(IV )の分散剤として、アルキルナフタレン
スルホン酸ソーダ、ナフトールスルホン酸ソーダ、フェ
ノールを2:1:1の割合で含むホルマリン縮合物を
1.5%、他の分散剤を0%としてインクを調整した。
実施例1と同じ方法でインクの評価を行なった。インク
経路洗浄性は○、ノズル詰まりは0%、吐出方向変化は
0%、正常吐出は100%、にじみ防止効果は○とな
り、インク経路洗浄性に優れ、ノズル詰まりと吐出方向
変化がなく、正常吐出性に優れたものであり、にじみ防
止効果にも優れたものであった。
【0059】[比較例1〜5]実施例と同じように分散
液調製後に、各分散剤、高沸点水溶性溶剤等を加えてイ
ンクを調製した。インク組成を併せて表2に示した。
【0060】比較例1のインクは式(II)で表される芳香
族多価アニオン分散剤を有しないため、にじみ防止効果
を有するがノズル詰まりが発生した。比較例2のインク
は式(I) で表される芳香族モノアニオン分散剤が存在し
ないため、ノズル詰まりは生じないがインクのにじみ防
止効果に劣ったものであった。比較例3のインクは式(I
I)の芳香族多価アニオン分散剤を有さないので、ノズル
詰まり防止のため、一般的な分散剤であるノニルフェニ
ルエーテルエチレンオキサイド7モル付加物を用いた
が、にじみ防止効果は劣ったものになった。比較例4の
インクは式(II)の構造の化合物であるが、nが2に満た
ないため、にじみ防止効果は低減しないがノズル詰まり
が発生した。
【0061】比較例5のインクは、式(I) および式(II)
で表される分散剤を有さず、その他の分散剤を用いたた
め、にじみ防止効果に劣ったものであった。
【0062】ノズル詰まり、吐出方向変化および正常吐
出性の評価結果を併せて表3に示す。
【0063】
【発明の効果】本発明のインクジェット用インクによ
り、にじみ防止効果を低下させることなく、インクジェ
ット装置の吐出安定性や経時安定性を向上させることが
可能となり、かつインクジェット装置運転休止時のノズ
ル詰まりやインク経路の洗浄性を改善することができ
る。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】実質的に水不溶性の染料または顔料が水主
    媒体中に分散してなるインクジェット用インクにおい
    て、分散剤として下記式(I) で示される芳香族モノアニ
    オン分散剤と下記式(II)で示される芳香族多価アニオン
    分散剤を含んでなることを特徴とするインクジェット用
    インク。 【化1】 (式(I) 中Rは炭素数が6〜30のアリール基、炭素数
    が6〜30のアルカリール基、炭素数が6〜30のアラ
    ルキル基のいずれかのものを表す。XはSO3 M、OS
    3 M、COOM、PO3 2 、PO3 HMのいずれか
    のものを表し、Mは1価の金属イオン、アンモニウムイ
    オン、アミン塩カチオンのいずれかのものを表す。Zは
    下記式(III) で示される基を表す。) 【化2】 (式(II)中Aは芳香族スルホン酸塩を表し、Bは芳香族
    スルホン酸塩、芳香族化合物のうちから1種以上選ば
    れ、nは2〜20、mは0〜10である。) 【化3】 (式(III) 中nは1〜20、mは0〜20である。)
  2. 【請求項2】式(II)の芳香族スルホン酸塩がナフタレン
    骨格、ジフェニル骨格、フェノール骨格のいずれかを有
    するスルホン酸塩であることを特徴とする請求項1記載
    のインクジェット用インク。
  3. 【請求項3】実質的に水不溶性の染料または顔料が水主
    媒体中に分散してなるインクジェット用インクにおい
    て、分散剤として下記式(I) で示される芳香族モノアニ
    オン分散剤と下記式(IV)で示される芳香族多価アニオン
    分散剤を含んでなることを特徴とするインクジェット用
    インク。 【化4】 (式(I) 中Rは炭素数が6〜30のアリール基、炭素数
    が6〜30のアルカリール基、炭素数が6〜30のアラ
    ルキル基のいずれかのものを表す。XはSO3 M、OS
    3 M、COOM、PO3 2 、PO3 HMのいずれか
    のものを表し、Mは1価の金属イオン、アンモニウムイ
    オン、アミン塩カチオンのいずれかのものを表す。Zは
    下記式(III) で示される基を表す。) 【化5】 (式(IV)中Aは芳香族スルホン酸塩を表し、Bは芳香族
    スルホン酸塩、芳香族化合物のうちから1種以上選ば
    れ、Cは芳香族スルホン酸塩、芳香族化合物のうちから
    1種以上選ばれ、nは2〜20、mは0〜10、lは2
    〜20である。) 【化6】 (式(III) 中nは1〜20、mは0〜20である。)
  4. 【請求項4】式(IV)の芳香族スルホン酸塩がナフタレン
    骨格、ジフェニル骨格、フェノール骨格のいずれかを有
    するスルホン酸塩であることを特徴とする請求項3記載
    のインクジェット用インク。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1088050A (ja) * 1996-09-10 1998-04-07 Mita Ind Co Ltd インク
JPH10330661A (ja) * 1997-05-28 1998-12-15 Konica Corp インクジェット捺染用分散染料インク及びインクジェット捺染方法
JP2011184540A (ja) * 2010-03-08 2011-09-22 Ricoh Co Ltd インクジェット記録用インク、インクカートリッジ、インクジェット記録装置、及び画像形成物
JP2015147826A (ja) * 2014-02-05 2015-08-20 セイコーエプソン株式会社 捺染用インクジェットインク組成物

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