JPH08325356A - 半導体封止用エポキシ樹脂組成物および半導体装置 - Google Patents

半導体封止用エポキシ樹脂組成物および半導体装置

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JPH08325356A
JPH08325356A JP7363996A JP7363996A JPH08325356A JP H08325356 A JPH08325356 A JP H08325356A JP 7363996 A JP7363996 A JP 7363996A JP 7363996 A JP7363996 A JP 7363996A JP H08325356 A JPH08325356 A JP H08325356A
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JP
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epoxy resin
weight
resin composition
semiconductor encapsulation
composition
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JP7363996A
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Yumiko Tsurumi
由美子 鶴見
Taiji Sawamura
泰司 澤村
Masayuki Tanaka
正幸 田中
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半田耐熱性、難燃性、および高温信頼性に優
れた半導体封止用エポキシ樹脂組成物の提供。 【解決手段】エポキシ樹脂、硬化剤、充填剤、ブロム化
合物、アンチモン化合物からなるエポキシ樹脂組成物で
あって、前記硬化剤がナフトール化合物を必須成分とし
て含有し、充填剤の割合が組成物全体の好ましくは87
〜95重量%、前記ブロム化合物、アンチモン化合物を
組成物全体の0.3重量%以下とし、さらに組成物の酸
素指数が42%以上であることを特徴とする半導体封止
用エポキシ樹脂組成物およびかかるエポキシ樹脂組成物
で封止してなる半導体装置である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半田耐熱性、耐湿
信頼性および流動性に優れる半導体封止用エポキシ樹脂
組成物および半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂は耐熱性、耐湿性、電気特
性、接着性などに優れており、さらに配合処方により種
々の特性が付与できるため、塗料、接着剤、電気絶縁材
料など工業材料として利用されている。
【0003】たとえば、半導体装置などの電子回路部品
の封止方法として従来より金属やセラミックスによるハ
ーメチックシールとフェノール樹脂、シリコーン樹脂、
エポキシ樹脂などによる樹脂封止が提案されている。し
かし、経済性、生産性、物性のバランスの点からエポキ
シ樹脂による樹脂封止が中心になっている。
【0004】近年、プリント基板への部品実装において
も高密度化、自動化が進められており、従来のリードピ
ンを基板の穴に挿入する“挿入実装方式”に代わり、基
板表面に部品を半田付けする“表面実装方式”が盛んに
なってきた。それに伴いパッケ−ジも従来のDIP(デ
ュアル・インライン・パッケージ)から高密度実装、表
面実装に適した薄型のFPP(フラット・プラスチック
・パッケージ)に移行しつつある。
【0005】表面実装方式への移行に伴い、従来あまり
問題にならなかった半田付け工程が大きな問題になって
きた。従来のピン挿入実装方式では、半田付け工程はリ
−ド部が部分的に加熱されるだけであったが、表面実装
方式ではパッケージ全体が熱媒に浸され加熱される。表
面実装方式における半田付け方法としては半田浴浸漬、
不活性ガスの飽和蒸気による加熱(ベーパーフェイズ
法)や赤外線リフロー法などが用いられるが、いずれの
方法でもパッケージ全体が210〜270℃の高温に加
熱されることになる。そのため、従来の封止樹脂で封止
したパッケ−ジは、半田付け時に樹脂部分にクラックが
発生したり、チップと樹脂の間に剥離が生じたりして、
信頼性が低下して製品として使用できないという問題が
おきる。
【0006】半田付け工程におけるクラックの発生は、
後硬化してから実装工程の間までに吸湿した水分が半田
付け加熱時に爆発的に水蒸気化、膨張することに起因す
るといわれており、その対策として後硬化したパッケ−
ジを完全に乾燥し密封した容器に収納して出荷する方法
が用いられている。
【0007】一方、半導体などの電子部品は安全性確保
のためUL規格により難燃性の付与が義務づけられてい
る。このため封止用樹脂には通常、ブロム化合物および
三酸化アンチモンなどの難燃剤が添加されている。
【0008】しかし、難燃性を付与する目的で添加され
てきたブロム化合物およびアンチモン化合物などの難燃
剤は、150〜200℃の高温環境下で半導体が使用さ
れた場合の信頼性、すなわち高温信頼性を低下する原因
になる。
【0009】封止樹脂の改良も種々検討されている。た
とえば、半田耐熱性を改良する目的で、マトリックス樹
脂にノボラック型エポキシ樹脂とフェノールアラルキル
樹脂を配合する方法(特開昭53−299号公報、特開
昭59−67660号公報)、マトリックス樹脂にビフ
ェニル型エポキシ樹脂とフェノールアラルキル樹脂を用
い充填剤を60〜85重量%配合する方法(特開平3−
207714号公報、特開平4−48759号公報、特
開平4−55423号公報)などが提案されている。
【0010】また、封止樹脂の耐湿性や耐熱性を改良す
るため、ハイドロタルサイト系化合物(特開昭61−1
9625号公報)、四酸化アンチモンの添加(特公昭5
7−32506号公報、特開平2−175747号公
報)が提案されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかるに乾燥パッケー
ジを容器に封入する方法は、製造工程および製品の取扱
い作業が繁雑になるうえ、製品価格が高価になる欠点が
ある。
【0012】また、種々の方法で改良された樹脂も、そ
れぞれ効果をあげてきているが、まだ十分ではない。マ
トリックス樹脂にノボラック型エポキシ樹脂とフェノー
ルアラルキル樹脂を配合する方法(特開昭53−299
号公報、特開昭59−67660号公報)、マトリック
ス樹脂にビフェニル型エポキシ樹脂とフェノールアラル
キル樹脂を用い破砕系充填剤を60〜85重量%配合す
る方法(特開平3−207714号公報、特開平4−4
8759号公報、特開平4−55423号公報)は、マ
トリックス樹脂の溶融粘度が高く充填性に問題があるば
かりか、半田付け時の樹脂部分のクラック防止において
も十分なレベルではなかった。
【0013】高温信頼性は150〜200℃の高温環境
下での半導体の機能を保証するもので、発熱量の大きい
半導体や自動車のエンジンまわりで使用する半導体など
では必須の性能であり、難燃性を付与するために添加し
ているブロム化合物およびアンチモン化合物などの難燃
剤の分解が主原因で低下することが分かっている。
【0014】このため、難燃性および高温信頼性ともに
優れる半導体封止用エポキシ樹脂組成物は得られていな
かった。
【0015】一方、封止樹脂の耐湿性を改良するため
に、ハイドロ化合物を添加する方法 (特開昭61−19
625号公報)は、高温信頼性の向上に有効であるが、
十分ではなく、さらに向上することが望まれていた。
【0016】また、封止樹脂の耐湿性や耐熱性を改良す
るための四酸化アンチモンを添加する方法(特公昭57
−32506号公報、特開平2−175747号公報)
は、高温信頼性の向上に効果がなかった。
【0017】本発明の目的は、難燃性および高温信頼性
ともに優れる半導体封止用エポキシ樹脂組成物および半
導体装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、マトリッ
クス樹脂にビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂、ある
いはナフタレン環を有するエポキシ樹脂とナフトール化
合物硬化剤を用い、充填剤を好ましくは87〜95重量
%添加することに加えて、ブロム化合物やアンチモン化
合物の添加量をそれぞれ0.3重量%以下にし、組成物
の酸素指数を42%以上にすることにより、上記の課題
を達成し、目的に合致したエポキシ樹脂組成物が得られ
ることを見出し、本発明に達した。
【0019】すなわち本発明は、エポキシ樹脂(A)、
硬化剤(B)、充填剤(C)を含んでなるエポキシ樹脂
組成物であって、前記硬化剤(B)が次の一般式(X)
【化5】 (式中、nは0〜10の整数を示す。Mは1価のナフト
ール基、Nは2価のナフトール基。)で表される骨格を
有するナフトール化合物(b)必須成分とする半導体封
止用エポキシ樹脂組成物である。ここでナフトール化合
物(b)としては、
【化6】 (式中、nは0〜10の整数を示す。)で表されるもの
が好ましいものである。
【0020】さらに前記充填剤(C)の割合が好ましく
は組成物全体の86〜95重量%であり、ブロム化合物
の割合を組成物全体の0.3重量%以下とし、アンチモ
ン化合物の割合を組成物全体の0.3重量%以下とし、
さらに硬化後の組成物の酸素指数が42%以上であるこ
とを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物および
かかるエポキシ樹脂組成物で封止してなる半導体装置で
ある。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の構成を詳述する。
本発明において「重量」とは「質量」を意味する。
【0022】本発明においてエポキシ樹脂(A)は、1
分子中にエポキシ基を2個以上有するものであれば特に
限定されない。
【0023】たとえば、クレゾールノボラック型エポキ
シ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェ
ニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ビス
フェノールAやレゾルシンなどから合成される各種ノボ
ラック型エポキシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、脂環
式エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、ハロゲン化エ
ポキシ樹脂などがあげられる。
【0024】用途によっては二種以上のエポキシ樹脂を
併用してもよいが、耐熱性および耐湿性の点から、下記
一般式(II)または、(III)
【化7】
【化8】 で表されるビフェニル型エポキシ樹脂(a)、あるいは
ナフタレンエポキシ樹脂(a´)を必須成分として含有
することが好ましく、これらのエポキシ樹脂(a)ある
いは(a´)は全エポキシ樹脂中に50%以上含むこと
が好ましい。
【0025】本発明において、エポキシ樹脂(A)の配
合量は通常組成物全体の0.1〜12重量%、好ましく
は1〜10重量%である。エポキシ樹脂(A)の配合量
が0.1重量%未満では成形性が不十分であるため好ま
しくない。
【0026】本発明における硬化剤(B)は、上記式
(X)で表される骨格、好ましくは(I)を有するナフ
トール化合物(b)を必須成分として含有することが重
要である。化合物(b)を含有しない場合は十分な半田
耐熱性向上効果や耐湿信頼性向上効果や成形性向上効果
は発揮されない。
【0027】また、本発明における硬化剤(B)は上記
の化合物(b)とともにその化合物(b)以外の他の硬
化剤をも併用して含有することができる。併用できる硬
化剤としては、たとえば、フェノールノボラック樹脂、
クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAやレゾル
シンから合成される各種ノボラック樹脂、各種多価フェ
ノール化合物、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水ピ
ロメリット酸などの酸無水物およびメタフェニレンジア
ミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニル
スルホンなどの芳香族アミンなどがあげられる。なかで
も、耐湿信頼性の点からフェノールノボラック樹脂が好
ましい。
【0028】硬化剤(B)中に含有される化合物(b)
の割合に関しては特に制限がなく必須成分として化合物
(b)が含有されれば本発明の効果は発揮されるが、よ
り十分な効果を発揮させるためには、化合物(b)を硬
化剤(B)中に通常50重量%以上、好ましくは70重
量%以上含有せしめることが望ましい。
【0029】本発明において、硬化剤(B)の配合量は
通常1〜10重量%、好ましくは1〜7重量%で、さら
に好ましくは1〜5重量%である。さらには、エポキシ
樹脂(A)と硬化剤(B)の配合比に関しては特に制限
はないが、通常は機械的性質および耐湿信頼性の点から
(A)に対する(B)の化学当量比が0.2〜2.0、
特に0.5〜1.5の範囲にあることが好ましい。
【0030】また、本発明においてエポキシ樹脂(A)
と硬化剤(B)の硬化反応を促進するため硬化触媒を用
いてもよい。硬化触媒は硬化反応を促進するものならば
特に限定されず、たとえば2−メチルイミダゾール、
2,4−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチ
ルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェ
ニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミ
ダゾールなどのイミダゾール化合物、トリエチルアミ
ン、ベンジルジメチルアミン、α−メチルベンジルジメ
チルアミン、2−(ジメチルアミノメチル)フェノー
ル、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェ
ノール、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデ
セン−7などの3級アミン化合物、ジルコニウムテトラ
メトキシド、ジルコニウムテトラプロポキシド、テトラ
キス(アセチルアセトナト)ジルコニウム、トリ(アセ
チルアセトナト)アルミニウムなどの有機金属化合物お
よびトリフェニルホスフィン、トリメチルホスフィン、
トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ
(p−メチルフェニル)ホスフィン、トリ(ノニルフェ
ニル)ホスフィン、トリフェニルホスフィン・トリフェ
ニルボラン、テトラフェニルホスフォニウム・テトラフ
ェニルボレートなどの有機ホスフィン化合物があげられ
る。なかでも反応性の点から、1,8−ジアザビシクロ
(5,4,0)ウンデセン−7やトリフェニルホスフィ
ンやトリフェニルホスフィン・トリフェニルボランが特
に好ましく用いられる。これらの硬化触媒は、用途によ
っては二種以上を併用してもよく、その添加量はエポキ
シ樹脂(A)100重量部に対して0.01〜10重量
部の範囲が好ましい。
【0031】本発明における充填剤(C)としては、非
晶性シリカ、結晶性シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグ
ネシウム、アルミナ、マグネシア、クレー、タルク、ケ
イ酸カルシウム、酸化チタン、酸化アンチモン、アスベ
スト、ガラス繊維などがあげられるが、中でも非晶性シ
リカは線膨張係数を低下させる効果が大きく、低応力化
に有効なため好ましく用いられる。非晶性シリカの例と
しては、石英を溶融して製造した溶融シリカや、各種合
成法で製造された合成シリカが挙げられ、破砕状のもの
や球状のものが用いられる。
【0032】充填剤(C)の形状および粒径は特に限定
されないが、平均粒径5μm以上30μm以下の球状非
晶性シリカ99〜50重量%と平均粒径3μm以下の球
状非晶性シリカ1〜50重量%からなる非晶性シリカ
(c)を充填剤(C)中に50重量%以上、好ましくは
70重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上含有
することが流動性と半田耐熱性の点から好ましい。
【0033】非晶性シリカ(c)のなかでも、平均粒径
5μm以上15μm以下の球状非晶性シリカ99〜50
重量%、特に95〜70重量%と平均粒径3μm以下、
特に0.1μm以上2μm以下の球状非晶性シリカ1〜
50重量%、特に5〜30重量%からなる、球状非晶性
シリカ(c´)が特に好ましい。
【0034】ここでいう平均粒径は、累積重量50%に
なる粒径(メジアン径)を意味し、平均粒径が異なる2
種類以上の破砕または球状非晶性シリカを併用した場合
は、その混合物の破砕または球状非晶性シリカの平均粒
径を意味する。
【0035】本発明において、充填剤(C)の割合は半
田耐熱性、成形性および低応力性の点から全体の87〜
95重量%、好ましくは88〜95重量%で、特に好ま
しくは90〜95重量%である。
【0036】本発明において、充填剤をシランカップリ
ング剤、チタネートカップリング剤などのカップリング
剤であらかじめ表面処理することが、信頼性の点で好ま
しい。カップリング剤としてエポキシシラン、アミノシ
ラン、メルカプトシランなどのシランカップリング剤が
好ましく用いられる。
【0037】本発明の組成物では、必須成分ではないが
ブロム化合物を配合できる。また実質的に存在するブロ
ム化合物は、通常半導体封止用エポキシ樹脂組成物に難
燃剤として添加されるもので、特に限定されず、公知の
ものであってよい。
【0038】存在するブロム化合物の好ましい具体例と
しては、ブロム化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ブ
ロム化フェノールノボラック型エポキシ樹脂などのブロ
ム化エポキシ樹脂、ブロム化ポリカーボネート樹脂、ブ
ロム化ポリスチレン樹脂、ブロム化ポリフェニレンオキ
サイド樹脂、テトラブロモビスフェノールA、デカブロ
モジフェニルエーテルなどがあげられ、なかでも、ブロ
ム化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ブロム化フェノ
ールノボラック型エポキシ樹脂などのブロム化エポキシ
樹脂が、成形性の点から特に好ましい。
【0039】本発明組成物中にブロム化合物の量は、組
成物全体に対して0.30重量%以下が難燃性および高
温信頼性の点で好ましい。特に好ましくは0.1重量%
以下、さらに好ましくは0.05重量%以下、さらに実
質的に配合されないものである。また、臭素原子の量に
注目すると、組成物全体に対して0.2重量%以下、特
に好ましくは0.07重量%以下、さらに好ましくは
0.03重量%以下の量が好ましい。
【0040】本発明の組成物では、必須成分ではないが
アンチモン化合物を配合できる。これは通常半導体封止
用エポキシ樹脂組成物に難燃助剤として添加されるもの
で、特に限定されず、公知のものが使用できる。アンチ
モン化合物の好ましい具体例としては、三酸化アンチモ
ン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモンがあげられ
る。
【0041】本発明組成物中に存在するアンチモン化合
物の量は、全体の0.3重量%以下が難燃性および高温
信頼性の点で好ましい。特に好ましくは0.1重量%以
下、さらに好ましくは0.05重量%以下、さらには実
質的に配合されていないものである。アンチモン原子に
注目すると全体の0.2重量%以下、好ましくは0.1
重量%以下、さらに好ましくは0.05重量%以下であ
る。
【0042】本発明のエポキシ樹脂組成物には、カーボ
ンブラック、酸化鉄などの着色剤、ハイドロタルサイト
などのイオン補足剤、シリコーンゴム、オレフィン系共
重合体、変性ニトリルゴム、変性ポリブタジエンゴム、
変性シリコーンオイルなどのエラストマー、ポリエチレ
ンなどの熱可塑性樹脂、長鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸の金属
塩、長鎖脂肪酸のエステル、長鎖脂肪酸のアミド、パラ
フィンワックスなどの離型剤および有機過酸化物などの
架橋剤を任意に添加することができる。
【0043】本発明のエポキシ樹脂組成物は溶融混練す
ることが好ましく、たとえばバンバリーミキサー、ニー
ダー、ロール、単軸もしくは二軸の押出機およびコニー
ダーなどの公知の混練方法を用いて溶融混練することに
より、製造される。
【0044】本発明のエポキシ樹脂組成物はエポキシ樹
脂の硬化後の酸素指数が42%以上であることが好まし
い。ここで酸素指数はJIS K7201に従って、燃
焼限界点における各ガス体積濃度を求めた値から次式に
従って算出したものをいう。
【0045】酸素指数(%)=[酸素]/([酸素]+
[窒素])×100 酸素指数が42%未満の場合はエポキシ樹脂組成物が以
上で述べた他の条件をすべて満たしたとしても、本発明
の効果、すなわち半田耐熱性、耐湿信頼性、高温信頼
性、難燃性、成形性に優れたエポキシ樹脂組成物を得る
ことはできない。
【0046】また、本発明の半導体装置は本発明のエポ
キシ樹脂組成物で封止することによって得られる。エポ
キシ樹脂組成物を用いての半導体素子の封止は特に限定
されるものでなく、従来より採用されている成形法、例
えばトランスファ成形、インジェクション成形、注型法
などを採用して行うことができる。この場合、エポキシ
樹脂組成物の成形温度は150〜180℃、ポストキュ
アーは150〜180℃で2〜16時間行うことが好ま
しい。
【0047】ここで、本発明の半導体装置としては、D
IP型、フラットバック型、PLCC型、SO型等、更
にプリント配線板或いはヒートシンクに半導体素子が直
接固着されたもの、ハイブリッドのICのフルモードタ
イプの半導体装置などが挙げられる。なお、プリント基
板の材質としては、特に制限はなく、例示すると金属酸
化物、ガラス系の無機絶縁物、フェノール、エポキシ、
ポリイミド、ポリエステル等の紙基材、ガラス布基材、
ガラスマット基材、ポリサルフォン、テフロン、ポリイ
ミドフィルム、ポリエステルフィルム等の有機絶縁物、
金属ベース基板、メタルコア基板、ホーロー引き鉄板等
の金属系基板が挙げられる。また、ヒートシンク材料と
しては、銅系、鉄系の金属材料が挙げられる。
【0048】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、実施例中の%は、重量%を示す。
【0049】実施例1〜10、比較例1〜5 表1に示した成分を、表2に示した組成比でミキサ−に
よりドライブレンドした。これを、ロ−ル表面温度90
℃のミキシングロ−ルを用いて5分間加熱混練後、冷却
・粉砕して半導体封止用エポキシ樹脂組成物を製造し
た。
【0050】この組成物を用い、低圧トランスファ−成
形法により175℃×2分の条件で成形し、180℃×
5時間の条件でポストキュアして次の物性測定法により
各組成物の物性を測定した。
【0051】半田耐熱性:表面にAl蒸着した模擬素子
を搭載したチップサイズ12×12mmの160pin
QFP 20個を成形しポストキュアし,85℃/85
%RHで吸水率飽和になるまで加湿後、最高温度245
℃のIRリフロ−炉で加熱処理し、外部クラック、内部
クラックの発生数を調べた。
【0052】吸水率:半田耐熱試験に用いる160pi
nQFPでの吸水率を測定した。
【0053】高温信頼性:模擬素子を搭載した16pi
nDIPを用い、200℃で高温信頼性を評価し、累積
故障率63%になる時間を求め高温特性寿命とした。
【0054】難燃性試験:5”×1/2”×1/16”
の燃焼試験片を成形、ポストキュアし、UL94規格に
従い難燃性を評価した。
【0055】酸素指数:6.5×3.2×120mmの
試験片を成形、ポストキュアし、エポキシ樹脂を硬化さ
せた後、JIS K7201にしたがって、燃焼限界点
における各ガス体積濃度を求め、次式に従って算出し
た。
【0056】酸素指数(%)=[酸素]/([酸素]+
[窒素])×100 PKG充填性:半田耐熱試験に用いる160pinQF
Pを、成形後に目視および顕微鏡を用いて観察し、未充
填、ピンホールの有無を調べた。
【0057】これらの結果を表2に示す。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】表2にみられるように、本発明のエポキシ
樹脂組成物(実施例1〜10)は、半田耐熱性、難燃
性、高温信頼性、PKG充填性に優れている。
【0061】これに対して、充填剤(C)の添加量が8
7重量%未満で酸素指数が42%未満である比較例1
は、本発明の硬化剤を用いているにもかかわらず、半田
耐熱性、難燃性、充填性が劣っている。
【0062】本発明の硬化剤(B)中に本発明の硬化剤
(b)を含有しない比較例3は半田耐熱性に劣ってい
る。エポキシ樹脂(a)、(a´)を用いていない比較
例5は、成形性が著しく低下するため、成形不可能であ
る。酸素指数が42%未満である比較例4は本発明の硬
化剤、エポキシ樹脂を用いているにもかかわらず難燃性
が劣っている。
【0063】
【発明の効果】本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成
物は、硬化剤に特定の構造を持つ低吸水硬化剤を配合
し、フィラー充填量を87〜95重量%と高くすること
に加えて、ブロム化合物やアンチモン化合物の添加量を
0.3重量%以下にし、かつ酸素指数が42%以上とし
たため、半田耐熱性に優れるばかりか、難燃性、高温信
頼性にも優れている。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エポキシ樹脂(A)、硬化剤(B)、充
    填剤(C)を含んでなるエポキシ樹脂組成物であって、
    前記硬化剤(B)が次の一般式(X) 【化1】 (式中、nは0〜10の整数を示す。Mは1価のナフト
    ール基、Nは2価のナフトール基。)で表される骨格を
    有するナフトール化合物(b)を必須成分として含有
    し、さらに該組成物の酸素指数が42%以上であること
    を特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 前記ナフトール化合物(b)が次の一般
    式(I)で表される骨格を有するものである請求項1記
    載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。 【化2】 (式中、nは0〜10の整数を示す。)
  3. 【請求項3】 前記ナフトール化合物(b)の軟化点が
    100℃以下で、かつ未反応モノマーが前記ナフトール
    化合物(b)の1重量%以下であることを特徴とする請
    求項1または2記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成
    物。
  4. 【請求項4】 前記充填剤(C)の割合が全体の87〜
    95重量%であることを特徴とする請求項1〜3いずれ
    かに記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜2いずれかに記載の組成物で
    あって、ブロム化合物の含有量が組成物全体の0.3重
    量%以下、かつアンチモン化合物の含有量が組成物全体
    の0.3重量%以下で半導体封止用エポキシ樹脂組成
    物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜2いずれかに記載の組成物で
    あって、さらにブロム原子の含有量が組成物全体の0.
    2重量%以下、アンチモン原子の含有量がを組成物全体
    の0.2重量%以下である半導体封止用エポキシ樹脂組
    成物。
  7. 【請求項7】 エポキシ樹脂(A)が次の一般式(I
    I) 【化3】 (式中、R1 〜R8 は水素原子、ハロゲン原子、または
    炭素数1〜4のアルキル基を示す。)で表されるビフェ
    ニル型エポキシ樹脂(a)を必須成分として含有する請
    求項1または2記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成
    物。
  8. 【請求項8】 ビフェニル型エポキシ樹脂(a)を全エ
    ポキシ樹脂中に50%以上含む請求項7記載の半導体封
    止用エポキシ樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 エポキシ樹脂(A)が次の一般式(II
    I) 【化4】 (ただし、R1 〜R8 のうち、2つは2,3−エポキシ
    プロポキシ基を表し、他は、水素原子、ハロゲン原子ま
    たは炭素数1〜4のアルキル基を示す。)で表されるナ
    フタレンエポキシ樹脂(a´)を必須成分として含有す
    る請求項1または2記載の半導体封止用エポキシ樹脂組
    成物。
  10. 【請求項10】 ナフタレンエポキシ樹脂(a´)を全
    エポキシ樹脂中に50%以上含む請求項9記載の半導体
    封止用エポキシ樹脂組成物。
  11. 【請求項11】 ナフトール化合物(b)を全硬化剤
    (B)中に50重量%以上含む請求項1または2記載の
    半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  12. 【請求項12】 充填剤(C)が平均粒径5μm以上、
    30μm以下の球状非晶性シリカ99〜50重量%と平
    均粒径3μm以下の球状非晶性シリカ1〜50重量%か
    らなる非晶性シリカ(c)を充填剤(C)中に50重量
    %以上含有する請求項1または2記載の半導体封止用エ
    ポキシ樹脂組成物。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12記載の半導体封止用エ
    ポキシ樹脂組成物で封止してなる半導体装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2001294647A (ja) * 2000-04-17 2001-10-23 Sumitomo Bakelite Co Ltd エポキシ樹脂組成物及び半導体装置

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