JPH08325172A - シクロオレフィンの製造方法 - Google Patents

シクロオレフィンの製造方法

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JPH08325172A
JPH08325172A JP13531295A JP13531295A JPH08325172A JP H08325172 A JPH08325172 A JP H08325172A JP 13531295 A JP13531295 A JP 13531295A JP 13531295 A JP13531295 A JP 13531295A JP H08325172 A JPH08325172 A JP H08325172A
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chlorine
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敏之 鈴木
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隆彦 武脇
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 単環芳香族炭化水素をルテニウム触媒、水及
び金属塩の存在下で部分水素化するシクロオレフィンの
製造方法において、触媒原料として少なくとも1種の塩
素含有化合物を使用し、かつ、触媒中の塩素含有量が、
ルテニウム1重量部に対して0.04重量部以下である
触媒を使用することを特徴とするシクロオレフィンの製
造方法。 【効果】 単環芳香族炭化水素の部分水素化反応におい
て、触媒の活性が高く、しかもシクロオレフィンを高選
択率で得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、単環芳香族炭化水素を
部分水素化して対応するシクロオレフィン類、特にシク
ロヘキセンを製造する方法に関するものである。シクロ
オレフィンは、ラクタム類、ジカルボン酸等のポリアミ
ド原料、リジン、医薬、農薬などの重要な中間原料とし
て有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】シクロオレフィンの製造方法としては、
従来より単環芳香族炭化水素の部分水素化反応、シクロ
アルカノールの脱水反応、及びシクロアルカンの脱水素
反応、酸化脱水素反応など多くの方法が知られている。
なかでも、単環芳香族炭化水素の部分水素化によりシク
ロオレフィンを効率よく得ることができれば、最も簡略
化された反応工程となり、プロセス上好ましい。
【0003】単環芳香族炭化水素の部分水素化によるシ
クロオレフィンの製造方法としては、触媒として主にル
テニウム金属が使用され、水の存在下で水素化反応を行
う方法が一般的である。ルテニウム触媒としては、金属
ルテニウム微粒子をそのまま使用する方法(特開昭61
−50930、特開昭62−45541、特開昭62−
45544等)、また、シリカ、アルミナ、硫酸バリウ
ム、ケイ酸ジルコニウムなどの担体にルテニウムを担持
させた触媒を用いた方法(特開昭57−130926、
特開昭61−40226、特開平4−74141等)な
ど多数の提案がなされている。また、以上の反応系にお
いては、一般的に硫酸亜鉛、硫酸コバルトなどの金属塩
を存在させる方が対応するシクロオレフィンの選択率、
収率が高くなるので好ましいとされている。
【0004】かかる単環芳香族炭化水素の部分水素化反
応のうち、特にベンゼンの部分水素化反応によるシクロ
ヘキセンの合成における反応系の各成分の影響や反応メ
カニズムについても多くの知見がある。例えば、染料と
薬品第31巻第11号1986年の水上の報告によれ
ば、一般的に、シクロヘキセンを製造するための触媒を
調製する際に使用するルテニウムの出発原料としては、
塩化物が好ましいとしている。該報告よれば、塩化ルテ
ニウムから調製した触媒では、還元後も触媒上に塩素が
残留し、残留した塩素の作用によってシクロヘキセンの
水素化速度が減少するため、ベンゼンからシクロヘキセ
ンへの反応速度がシクロヘキセンからシクロヘキサンへ
の反応速度よりも相対的に増加し、その結果、塩化物以
外の触媒原料を使用した場合に比べてシクロオレフィン
の選択性が高くなると考えている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
方法はいずれも何らかの問題点を抱えており、工業的に
必ずしも有利な方法が確立していない。例えば、目的と
するシクロオレフィンの活性や選択率で充分でなかった
り、安定した性能を有する触媒が再現性よく製造するこ
とができないことことなどが挙げられる。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、単環芳香
族炭化水素の部分水素化反応を実施する際に使用するル
テニウム触媒中に微量残存する塩素成分の反応への影響
について詳細検討を行ったところ、金属塩存在下の反応
系においては、前記の水上の報告にある考察とは異な
り、触媒上に残留した塩素を減少させることによって、
触媒の活性及び、シクロオレフィンの選択性が著しく向
上することを確認した。一方、塩素の存在は触媒の調製
段階において発揮され、触媒の調製段階では塩素の存在
が反応活性の向上やシクロオレフィンの選択性の向上に
影響を与えていることを見いだした。以上の検討結果に
基づき本発明を完成するに至った。
【0007】即ち、本発明の要旨は、単環芳香族炭化水
素をルテニウム触媒、水及び金属塩の存在下で部分水素
化するシクロオレフィンの製造方法において、触媒原料
として少なくとも1種の塩素含有化合物を使用し、か
つ、触媒中の塩素含有量が、ルテニウム1重量部に対し
て0.04重量部以下である触媒を使用することを特徴
とするシクロオレフィンの製造方法に存する。
【0008】以下本発明を詳細に説明する。本発明にお
けるルテニウム触媒は、その触媒原料の少なくとも一種
は塩素含有化合物を使用する。この塩素含有化合物と
は、触媒の活性成分であるルテニウム又はルテニウム以
外の助触媒金属(例えば、亜鉛、マンガン)の金属塩化
物、金属錯体塩化物などを意味する。この塩素含有化合
物としては、触媒活性成分の金属塩化物が好ましく、塩
化ルテニウムが特に好ましい。そして、触媒原料の少な
くとも一種に塩素含有化合物を使用すれば、その他の触
媒原料として硝酸塩、硫酸塩、水酸化物、酸化物なども
併用してもよい。
【0009】ルテニウム触媒は、以上の触媒原料混合物
を還元して得られる金属ルテニウムを含むものが用いら
れる。還元法としては、水素ガスによる接触還元法、あ
るいはホルマリン、水素化ホウ素ナトリウム、ヒドラジ
ン等による化学還元法が用いられる。このうち、好まし
くは水素ガスによる接触還元であり、通常80〜500
℃、好ましくは100〜450℃の条件化で還元活性化
する。還元温度が80℃未満では、ルテニウムの還元率
が著しく低下し、また、500℃を越えるとルテニウム
の凝集が起こりやすくなり、シクロオレフィン生成の収
率、選択率が低下する原因となる。
【0010】ルテニウム触媒は、ルテニウム化合物の還
元調製段階もしくは調製後において、亜鉛、クロム、モ
リブテン、タングステン、マンガン、コバルト、ニッケ
ル、鉄、銅、金などの助触媒金属成分を加えて成るもの
も含まれる。かかる助触媒金属を使用する場合は、ルテ
ニウム原子に対する助触媒金属の原子比は通常0.01
〜20、好ましくは0.1〜10である。
【0011】また、ルテニウム触媒はルテニウムを含む
還元金属粒子のまま使用してもよいが、担体に担持させ
た担持触媒として使用してもよい。担体としては、シリ
カ、アルミナ、シリカーアルミナ、ゼオライト、活性
炭、あるいは一般的な金属酸化物、複合酸化物、水酸化
物、難水溶性金属塩等が例示される。触媒成分の担持方
法としては、触媒成分液に担体を浸漬後、攪拌しながら
溶媒を蒸発させ活性成分を固定化する蒸発乾固法、担体
を乾燥状態に保ちながら触媒活性成分液を噴霧するスプ
レー法、あるいは、触媒活性成分液に担体を浸漬後、ろ
過する方法等の公知の含浸担持法が好適に用いられる。
また、触媒調製時の活性成分を担持する際使用する溶媒
としては、水、またはアルコール、アセトン、テトラヒ
ドロフラン、ヘキサン、トルエン等の有機溶媒が使用さ
れる。ルテニウムの担持量は、通常0.001〜10重
量%、好ましくは0.1〜5重量%である。
【0012】さらに、以上の担体として好ましいものの
一つとして、ジルコニウム金属成分を含有する酸化物担
体、特に、該酸化物担体の中ではジルコニウム金属の酸
化物であるジルコニアをシリカに修飾した担体が例示さ
れる。シリカ母体に修飾するジルコニアの量としては、
シリカに対して、通常0.1〜20重量%、好ましくは
0.5〜10重量%である。ジルコニアで修飾したシリ
カ担体の調製方法としては、通常、ジルコニウム化合物
を水または有機溶媒に溶解させた溶液、あるいはジルコ
ニウム化合物を溶解後、一部あるいは全部をアルカリな
どで加水分解させた溶液を用いて、公知の含浸担持法や
ディップコーティング法を好適に用いることによりシリ
カに担持し、その後、乾燥、焼成する方法が用いられ
る。ここで用いられるジルコニウム化合物としては、ジ
ルコニウムのハロゲン化物、オキシハロゲン化物、硝酸
塩、オキシ硝酸塩、水酸化物、さらにジルコニウムのア
セチルアセトナ−ト錯体などの錯体化合物やジルコニウ
ムアルコキシド等が用いられる。また、ここでの焼成温
度は、用いたジルコニウム化合物がジルコニアになる温
度以上であればよく、通常600℃以上、特に800〜
1200℃が好ましい。但し、1200℃を超えて更に
高温で焼成すると、シリカの結晶化が著しくなり触媒活
性の低下を招くことになるので、あまり好ましくない。
【0013】以上のように調製されたルテニウム触媒上
には、通常は塩素分がかなりの量残留した状態にある。
本発明では、かかる触媒中の残留塩素分を、ルテニウム
1重量部に対して、0.04重量部以下、好ましくは
0.01重量部以下とした触媒を使用することを特徴と
する。
【0014】本発明の金属塩を含む反応系においては、
全く塩素含有化合物を含有しない原料で調製した触媒を
使用するとシクロオレフィンの選択性が十分でなく、一
方、調製した触媒中の残留塩素分はできるだけ除去した
方が触媒活性高く、シクロオレフィンの選択性も高い。
以上の現象を説明する理由は明確ではないが、触媒調製
段階では塩素含有化合物の存在により、ルテニウムを還
元する際に本反応において好ましいルテニウム金属の形
態が発現しやくなっていることが推定される。また、触
媒中の残留塩素分を除くと、ルテニウムや助触媒の形態
がわずか変化して水素が捕捉されやすくなるとともに、
シクロオレフィンの生成に有利な活性点を形成されてい
るものとと推定される。
【0015】触媒の残留塩素分を除去する方法として
は、水と接触させて塩素分を洗浄除去する方法が採用さ
れる。水との接触処理は、触媒に対して、通常0.01
〜100重量倍、好ましくは0.1〜10重量倍の水に
浸漬するなどして実施される。処理条件としては、通
常、常圧から加圧下、室温〜250℃、好ましくは室温
〜200℃で、通常10分以上、好ましくは1〜20時
間行う。触媒処理の雰囲気は、通常、不活性ガス雰囲気
下あるいは水素ガス雰囲気下であり、好ましくは水素ガ
ス雰囲気下である。接触処理後の触媒は、通常、乾燥し
て使用する。また、乾燥後、水素ガス雰囲気下で接触処
理することにより、更に触媒活性を高めることも可能で
ある。
【0016】また、以上の水は純水のほかに、金属塩の
水溶液と接触させてよい。該金属塩水溶液と接触処理を
行うと触媒活性の更なる向上が期待できるので望まし
い。使用する金属塩としては、リチウム、ナトリウム、
カリウムなど1族元素、マグネシウム、カルシウム、ス
トロンチウムなどの2族元素、およびマンガン、鉄、コ
バルト、、亜鉛、銅、金、ジルコニウム等の金属塩、例
えば炭酸塩、酢酸塩などの弱酸塩、硫酸塩、硝酸塩など
の強酸塩が使用される。また、水溶液中の金属塩の濃度
としては、水に対して、通常1×10-5〜1重量倍、好
ましくは1×10 -4〜0.2重量倍である。接触処理後
の触媒は、通常、金属塩水溶液をろ別し、純水で洗浄
し、乾燥して使用する。また、乾燥後、水素ガス雰囲気
下で還元処理することにより、更に触媒活性を高めるこ
ともできる。なお、金属塩水溶液で処理した触媒は、通
常、純水で充分に水洗し、該ルテニウム系触媒に付着し
た金属塩を実質的に除去する方が望ましい。本発明は以
上のルテニウム触媒を使用することを特徴とするが、本
発明を実施する場合、反応原料の単環芳香族炭化水素と
しては、ベンゼン、トルエン、キシレン、および、炭素
数1〜4程度の低級アルキル基置換ベンゼン類などが挙
げられる。
【0017】また、本発明の反応系には、水及び金属塩
の存在が必要である。水の量としては、反応形式によっ
て異なるが、一般的には単環芳香族炭化水素の0.01
〜10重量倍であり、好ましくは0.1〜5重量倍であ
る。かかる条件では、原料及び生成物を主成分とする有
機液相(油相)と水を含む液相(水相)との2相を形成
することになる。油相と水相の割合が極端な場合は2相
の形成が困難となり、分液が困難となる。また、水の量
が少なすぎても、多すぎても水の存在効果が減少し、更
に、水が多すぎる場合は反応器を大きくする必要がある
ので好ましくない。
【0018】また、本発明の反応系に存在させる金属塩
の種類としては、周期表のリチウム、ナトリウム、カリ
ウム等の1族金属、マグネシウム、カルシウム等の2族
金属(族番号はIUPAC無機化学命名法改訂版(19
89)による)、あるいは亜鉛、マンガン、コバルト等
の金属の硝酸塩、塩化物、硫酸塩、酢酸塩、燐酸塩など
が例示され、特に硫酸亜鉛を併用するのが好ましい。金
属塩の使用量は、通常、反応系の水に対して1×10-5
〜1重量倍、好ましくは1×10-4〜0.1重量倍であ
る。
【0019】本発明の反応条件としては、反応温度は、
通常50〜250℃、好ましくは100〜220℃の範
囲から選択される。250℃以上ではシクロオレフィン
の選択率が低下し、50℃以下では反応速度が著しく低
下し好ましくない。また、反応時の水素の圧力は、通常
0.1〜20MPa、好ましくは0.5〜10MPaの
範囲から選ばれる。20MPaを超えると工業的に不利
であり、一方、0.1MPa未満では反応速度が著しく
低下し設備上不経済である。反応は気相反応、液相反応
のいずれも実施することができるが、好ましくは液相反
応である。反応型式としては、一槽または二槽以上の反
応槽を用いて、回分式に行うこともできるし、連続的に
行うことも可能であり、特に限定されない。
【0020】
【実施例】以下に実施例を記すが、本発明はこれらの実
施例によって限定されるものではない。反応成績は、ベ
ンゼン転換率が約60%になった時点のシクロヘキセン
選択率で評価した。なお、実施例および比較例中に示さ
れる転化率、選択率は次式によって定義される。
【0021】
【数1】
【0022】比較例1 オキシ硝酸ジルコニウム2水和物0.87gを20ml
の純水に溶解させた水溶液に、シリカ(富士シリシア化
学製、商品名:CARIACT50)8.0gを加え、
室温にて浸漬後、水を留去し、乾燥させた。次に、空気
流通下、1000℃にて4時間焼成し、シリカに対して
5重量%のジルコニアで修飾したシリカ担体を調製し
た。
【0023】所定量の塩化ルテニウムと、塩化亜鉛を含
有した水溶液に、上記のジルコニア修飾シリカ担体を加
え、60℃にて1時間浸漬後、水を留去し、乾燥させ
た。このようにして得られた、ルテニウム(Ru)、亜
鉛(Zn)を担体に対して各々0.5重量%を担持させ
た触媒を水素気流中にて200℃で3時間還元して活性
化した。以上の触媒中に含まれる塩素の含有量を蛍光X
線法によって分析した結果を表−1に示す。
【0024】次に、内容積500mlのTi製オ−トク
レ−ブに硫酸亜鉛6重量%の水溶液150ml、上記触
媒3.75g、ベンゼン100mlを仕込んだ。反応温
度150℃、圧力50MPaの条件下、水素ガスを57
Nl/Hrの流量で供給し、1000rpmの攪拌を行
いベンゼンの部分水素化反応を実施した。反応器に設置
したノズルより反応液を適宜抜き出し、油相をガスクロ
マトグラフで分析した。結果を表−1に示す。
【0025】実施例1 前記で調製した触媒5gと、硫酸亜鉛6重量%の水溶液
100mlを、内容積500mlのTi製オ−トクレ−
ブに仕込み、温度200℃、圧力50MPaの条件下、
600rpmで攪拌を行い、5時間処理した。該処理
後、触媒を取出し、純水で洗浄した。洗浄は、触媒に3
0倍量の純水を加えて1時間撹拌などにより充分に混合
し、実質的に平衡状態となった際の洗浄水中の亜鉛濃度
が0.1ppm以下になるまで行った。更に、該触媒を
乾燥後、水素気流中にて200℃で3時間保持した。
【0026】以上の方法で得られた触媒中に含まれる塩
素の含有量を蛍光X線法によって分析した結果、検出限
界以下であった。検出下限は、ルテニウム1重量部に対
して約0.01重量部である。また、本触媒を使用した
以外は比較例1と同様の方法でベンゼンの部分水素化反
応を実施した。反応結果を表−1に示す。
【0027】比較例2 比較例1において使用したシリカの代わりに市販のケイ
酸ジルコニウム(第一稀元素社製)を使用した以外は、
比較例1と同様の方法で触媒を調製した。該触媒中に含
まれる塩素の含有量の分析結果を表−1に示す。また、
本触媒を使用した以外は比較例1と同様の方法でベンゼ
ンの部分水素化反応を実施した。反応結果を表−1に示
す。
【0028】実施例2 実施例1において使用したシリカの代わりに市販のケイ
酸ジルコニウム(第一稀元素社製)を使用した以外は、
実施例1と同様の方法で触媒を調製した。該触媒中に含
まれる塩素の含有量の分析結果を表−1に示す。また、
本触媒を使用した以外は比較例1と同様の方法でベンゼ
ンの部分水素化反応を実施した。反応結果を表−1に示
す。
【0029】比較例3 実施例1で使用したシリカを、所定量のRu(NO)
(NO33及びZn(NO32を含有した水溶液に加
え、60℃にて1時間浸漬後、水を留去し、乾燥させ
た。このようにして得られた、ルテニウム(Ru)、亜
鉛(Zn)を担体に対して各々0.5重量%を担持させ
た触媒を水素気流中にて200℃で3時間還元して活性
化した。得られた触媒触媒5gと、硫酸亜鉛6重量%の
水溶液100mlを、内容積500mlのTi製オ−ト
クレ−ブに仕込み、温度200℃、圧力50MPaの条
件下、600rpmで攪拌を行い、5時間処理した。該
処理後、触媒を取出し、純水で洗浄した。洗浄は、洗液
中の亜鉛濃度が0.1ppm以下になるまで行った。更
に、該触媒を乾燥後、水素気流中にて200℃で3時間
保持した。
【0030】以上の方法で得られた触媒中に含まれる塩
素の含有量の分析結果を表−1に示す。また、本触媒を
使用した以外は実施例1と同様の方法でベンゼンの部分
水素化反応を実施した。反応結果を表−1に示す。
【0031】
【表1】
【0032】比較例4 内容積500mlのTi製オ−トクレ−ブに硫酸亜鉛6
重量%の水溶液120ml、比較例1で調製した触媒3
g、ベンゼン80mlを仕込んだ。反応温度150℃、
水素圧50MPaの条件下、1000rpmの攪拌を行
いベンゼンの部分水素化反応を実施した。反応結果を表
−2に示す。 実施例3 比較例1で調製した触媒5g純水100mlを、内容積
500mlのTi製オ−トクレ−ブに仕込み、温度15
0℃、圧力50MPaの条件下、600rpmで攪拌を
行い、5時間処理した。該処理後、触媒を取出し、純水
で洗浄した。該触媒を乾燥後、水素気流中にて200℃
で2時間保持した。
【0033】以上の方法で得られた触媒中に含まれる塩
素の含有量を蛍光X線法によって分析した結果、検出限
界以下であった。本触媒を使用した以外は比較例4と同
様の方法でベンゼンの部分水素化反応を実施した。反応
結果を表−2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】
【発明の効果】本発明方法によれば、単環芳香族炭化水
素の部分水素化反応において、触媒の活性が高く、しか
もシクロオレフィンを高選択率で得ることができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単環芳香族炭化水素をルテニウム触媒、
    水及び金属塩の存在下で部分水素化するシクロオレフィ
    ンの製造方法において、触媒原料として少なくとも1種
    の塩素含有化合物を使用し、かつ、触媒中の塩素含有量
    が、ルテニウム1重量部に対して0.04重量部以下で
    ある触媒を使用することを特徴とするシクロオレフィン
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 触媒原料として塩化ルテニウムを使用す
    ることを特徴とする請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 ルテニウムと塩素を含有する触媒原料を
    還元して成るルテニウム触媒を、水と接触させて触媒中
    の塩素含有量が、ルテニウム1重量部に対して0.04
    重量部以下とした触媒を使用することを特徴とする請求
    項1又は2の方法。
  4. 【請求項4】 ルテニウムと塩素を含有する触媒原料を
    還元して成るルテニウム触媒を、金属塩の水溶液と接触
    させて触媒中の塩素含有量が、ルテニウム1重量部に対
    して0.04重量部以下とした触媒を使用することを特
    徴とする請求項1又は2の方法。
  5. 【請求項5】 触媒中の塩素含有量が、ルテニウム1重
    量部に対して0.04重量部以下とし、次いで、水素と
    接触処理した触媒を使用することを特徴とする請求項3
    又は4の方法。
JP07135312A 1995-06-01 1995-06-01 シクロオレフィンの製造方法 Expired - Lifetime JP3125913B2 (ja)

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