JPH08325003A - 過酸化水素の製造方法 - Google Patents

過酸化水素の製造方法

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JPH08325003A
JPH08325003A JP8048227A JP4822796A JPH08325003A JP H08325003 A JPH08325003 A JP H08325003A JP 8048227 A JP8048227 A JP 8048227A JP 4822796 A JP4822796 A JP 4822796A JP H08325003 A JPH08325003 A JP H08325003A
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hydrogen peroxide
phase
aqueous
tubular reactor
solution
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Ilkka Turunen
イルッカ ツルネン
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Kemira Chemicals Oy
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Kemira Chemicals Oy
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    • C01B15/01Hydrogen peroxide
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    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
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    • B01J19/2415Tubular reactors
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 過酸化水素を生成する有機作動溶液の酸化、
過酸化水素の水相への抽出、及び過酸化水素水溶液の回
収を含むアントラキノン法による過酸化水素の製造方法
であって、水素化された有機作動溶液、酸素含有ガス及
び水成抽出溶媒を一つの同一反応器に供給し、有機相、
気相及び水相の三相の混合体を形成させることにより酸
化と抽出を同一領域で行ない、作動溶液中への酸素溶
解、作動溶液中での酸化反応、及び過酸化水素の水相へ
の移動を実行し、その後反応器を出る生成物を相分離し
て過酸化水素水溶液を回収する製造方法、及び過酸化水
素製造の在来のプロセスと同時に上記製造方法に利用す
る方法。 【効果】 製造法が簡略化され、プラント建設にかかる
費用を低減でき、既に稼働しているプラントの製造能力
が高められ、種々の濃度の過酸化水素水溶液が得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アントラキノン法
による過酸化水素の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】在来型のアントラキノン法は、アントラキ
ノン誘導体、通常はアルキルアントラキノンの交互に繰
り返す水素化と酸化に基づくものである。この方法にお
いては、アルキルアントラキノンは複数の有機物質から
なる溶媒に溶解した状態にある。作動溶液と呼ばれるこ
の溶液は、このプロセスの最重要工程を連続的に循環す
る。水素化工程では、アルキルアントラキノンが触媒に
より水素化されアルキルアントラヒドロキノンとなる。
【0003】続く工程の酸化では、アルキルアントラヒ
ドロキノンが酸素と反応し、元の形態であるアルキルア
ントラキノンに戻る。同時に過酸化水素が生成する。酸
化に続いて抽出が行なわれ、溶解している過酸化水素が
水により作動液から抽出される。このようにして過酸化
水素の水溶液が得られる。抽出された作動溶液は過剰の
水分が除去された後、循環プロセスの初期、すなわち水
素化へと再循環される。過酸化水素の水溶液は精製、濃
縮される。
【0004】フィンランド特許出願第894502号には、酸
素とアントラキノンの混合物を管状の反応器に同一方向
に流す酸化反応器が開示されている。この反応器は一つ
あるいは複数の部品からなる静置混合機(static mixe
r)を含む水平または垂直に設けられた管状体からな
る。米国特許第 3880596号には、酸化を複数のセクショ
ンからなるカラムで行ない、空気あるいは酸素含有ガス
をカラム中上方に流すことが提案されている。作動溶液
は同一方向に流れるが、最初に最上部のカラムセクショ
ン、次いで上部に続くセクション、そして最後に最下部
のカラムセクションに流れる。このようにカラムの各セ
クションでは同一方向で操作されるが、カラム全体とし
てみれば逆方向で操作される。
【0005】技術水準にある抽出装置としてはシーブ・
トレイ・カラム( sieve-tray column)(BASF)
が、例えばウルマンの工業化学百科辞典(Ullmann's En
cyclopedia of Industrial Chemistry),第5編,A1
3巻,455〜456頁に記載されている。
【0006】従来公知のすべてのアントラキノン法にお
いては、酸化反応と抽出は別々のステップ、すなわち別
々の容器で行なわれている。アントラヒドロキノン誘導
体が酸素と反応して過酸化水素とアントラキノンとを生
成する酸化反応は酸化反応器で行なわれる。この反応器
から、溶解した過酸化水素を含む有機作動溶液が他の容
器に向かい、そこで過酸化水素が水で抽出、除去され
る。酸化反応器中では有機作動溶液と酸素含有ガス相の
二相が存在する。抽出容器中では有機溶液と水相の二つ
の液相が存在する。このプロセスにおいて必須の二つの
現象が酸化反応器中で起こる。すなわち、有機作動溶液
中への酸素溶解と作動溶液中での酸化反応である。抽出
容器内で起こる重要な現象は過酸化水素の作動溶液から
水相への移動である。
【0007】技術水準にある過酸化水素の製造法は、そ
のプロセスが多段階工程のプロセスであるところに特徴
がある。このプロセスでは、各工程でそれ独自の容器を
必要とする。抽出用カラムは相当大きなものであり、典
型的なフィルター・トレイ・カラムの直径は2〜3m、
高さは10〜20mである。酸化反応器は、反応器が上
記米国特許に示されるようにカラムタイプの場合、通常
はさらに大きなものとなる。過酸化水素製造のためのプ
ラント建設や既に操業されているプラントの増設には莫
大な費用が必要となる。投資コストを削減するためプロ
セスを単純化する技術が求められている。
【0008】
【発明の解決課題】本発明の目的は、過酸化水素の製造
に広く利用出来るようプロセスを単純化し、プラント建
設の投資費用を低減せしめることにある。他の重要な目
的は、すでに稼働しているプラントの製造能力を有利な
方法で高める方法を提供することにある。別の目的は、
種々の濃度を有する過酸化水素水溶液を得る方法を提供
することにある。さらに他の目的は、広く使用出来るよ
うにプロセスの安全性を高めることにある。これらの目
的は特許請求の範囲に示されたところに主要な特徴を有
する本発明の方法により達成される。
【0009】
【課題の解決手段】従って、本発明は、まず第一に過酸
化水素を生成する有機作動溶液の酸化、過酸化水素の水
相への抽出、および過酸化水素水溶液の回収を含むアン
トラキノン法による過酸化水素の製造方法に関し、この
製造方法は水素化された有機作動溶液、酸素含有ガスお
よび水成抽出溶媒を一つの同一反応器に供給し、三相の
混合体すなわち有機相、気相および水相の三相の混合体
を形成させることにより酸化と抽出を同一領域で行な
い、作動溶液中への酸素溶解、作動溶液中での酸化反
応、および過酸化水素の水相への移動を実行し、ついで
反応器を出る生成物を相分離して過酸化水素水溶液を回
収することを特徴とするものである。
【0010】本発明においては、過酸化水素製造のプロ
セスは単純化され、酸化および抽出が同一工程で同一の
装置内で行なわれる。作動溶液、酸素含有ガスおよび水
相はこの装置内で三相の混合体として存在する。三つの
重要な現象、すなわち作動溶液への酸素溶解、その溶液
中での酸化反応および過酸化水素の水相への移動はすべ
てこの同一装置内で行なわれる。
【0011】酸化と抽出が互いに妨げとならず、同一の
領域で進行することは予想外のことである。遂行した実
験においては、驚くべきことに、この反応での水相の存
在は、酸化の転換率を、反応に利用できる容積が水相の
ために減少する程度までしか減少さないことが観察され
た。さらに、反応器中の酸化性ガスの存在は過酸化水素
の水相への移動を促進さえするようであった。このこと
はガスによる混合作用現象に基いて説明することが可能
である。
【0012】本発明の結果として、プロセスにおける主
要な容器数が少なくなり、投資コストが減少する。本プ
ロセスで循環する作動溶液の量もまた減少し、このファ
クターは投資コストに反映され、運転費(fire load )
が低減する。
【0013】酸化と抽出が同時に起こる反応器として
は、例えば、三相すべてが同一方向に流れる管状反応器
がある。管状反応器は静置混合器(static mixer)を備
え、十分な混合と分散が行われる。静置混合器は、例え
ば、ペリーの化学工学ハンドブック(Perry's Chemical
Engineers' Handbook),第6編,19〜22頁および
19〜23頁に示されている装置を意味する。分散は相
間の界面を十分に大きくするために必要である。界面の
大きさは酸素の溶解と過酸化水素の液々間の移動速度に
影響を及ぼす。
【0014】各相が管内を同一方向に流れる上記のシス
テムは、抽出という見地からは必ずしも有利なものでは
ない。過酸化水素の抽出工程では二つの目的が達成され
ねばならない。すなわち、殆どすべての過酸化水素が有
機作動溶液から抽出されるべきこと、および他方では抽
出物、すなわち水相が可能な限り高濃度の過酸化水素を
獲得すべきことである。逆方向に流れる抽出装置は、そ
のような機能を前記提案の同一方向に流れる装置よりも
かなりよく達成することが出来る。同一方向に流れる装
置の欠点は、管状反応器を複数のセクションで構成し、
それらセクションの間では各相が互いに分離する装置を
構築することによってある程度低減することが出来る。
個々の反応器のセクションでは相は同一方向に移動する
が、装置全体としては液相に対して逆流として動作す
る。
【0015】従って、本発明の好ましい一つの態様によ
れば、酸化と抽出が、セクションの間で各相が互いに分
離している複数のセクションからなる管状反応器中で行
なわれ、前記セクションの間で分離している有機相が各
々の所定の状態でその次のセクションに送られる。前記
次のセクションの後で相分離して得られる酸素含有ガ
ス、水成抽出溶媒および/または過酸化水素水溶液が管
状反応器の各セクションに供給され、相分離により得ら
れる一つまたは幾つかの過酸化水素水溶液が回収され
る。
【0016】一つの態様によれば、水成抽出溶媒が管状
反応器の最後のセクションに供給され、管状反応器のそ
の他のセクションへはその次のセクションの後で相分離
して得られる過酸化水素水溶液が各々所定の状態で供給
され、過酸化水素水溶液が管状反応器の第一のセクショ
ンと第二のセクションとの間で相分離して回収される。
【0017】他の様態によれば、水成抽出溶媒が管状反
応器の最後のセクションと少なくとも一つの他のセクシ
ョンへ供給され、管状反応器の他のセクションへその次
のセクションの後で相分離して得られる過酸化水素水溶
液が各々所定の状態で供給され、かくして異なる過酸化
水素濃度の水溶液がプロセスから回収される。
【0018】前記の酸素含有ガスは酸素が好ましいが、
酸素濃度を高めた空気のような酸素含有ガスも使用でき
る。
【0019】前記の水成抽出溶媒は水が好ましい。
【0020】本発明の製造方法によれば、酸化反応を、
在来型の酸化反応器の場合よりも完全に行なわせること
ができる。アントラヒドロキノンの酸化反応は次の反応
式により示される。
【化1】AQH+O2 ←−→ AQ+H22 式中、AQHはアントラヒドロキノンであり、AQはア
ントラキノンである。この反応は完結させることが極め
て困難であるとが知られている。アントラヒドロキノン
の一部は酸化されずに残る。条件によっては、例えば、
気体中の酸素濃度が低い場合には、かなり不完全な状態
になる。本発明の製造方法においては、過酸化水素は抽
出により抜き出され、かくして過酸化水素は反応が起こ
る相から除去される。従って、反応が平衡状態にある場
合、平衡は前記反応式で右方向に移動し、反応は一層よ
く完結する方向に進む。以上のように、本発明の製造方
法によって、酸化反応が完結する方向で起こるように平
衡を移動することができる。
【0021】本発明は、また、単独の酸化工程と単独の
抽出工程とを含む在来型の過酸化水素プロセスと同時に
本発明のプロセスを利用する方法に関し、この場合、水
素化された有機作動溶液の一部が前記一般的プロセスお
よび本発明による方法に従って処理され、後者のプロセ
スにより生成した水溶液が前記一般的プロセスの抽出工
程の適当な場所に誘導される。このシステムによれば、
簡易な方法で現在稼働している過酸化水素の製造能力を
高めることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面を参照しなが
ら詳細に説明する。図1は三つの連続するセクションか
らなる反応器を示している。同様に任意の他の数のセク
ションを設けることもできる。各セクションは管状反応
器と相分離器からなる。従って、図1の反応器は第一、
第二および第三の管状反応器、およびそれらに対応する
相分離器からなる。管状反応器は参照数字1,3,5で
示され、相分離器はそれぞれ2,4,6で示される。三
つの相は以下のように流れる。
【0024】有機相、すなわち作動溶液は実線により示
される。水素化された有機作動溶液は第一の管状反応器
から(図1で左から右へ)、第一の相分離器2に向か
い、ついで第二の管状反応器および第二の相分離器4を
通り、最後に第三の管状反応器5と相分離器6に向か
う。このように、過酸化水素に関して希薄な酸化作動溶
液が第三の相分離器6から得られる。
【0025】水相は点線で示される。純水が、最後の、
すなわち第三の管状反応器5とそれに対応する相分離器
6を通して供給され、その後、水は第二の管状反応器3
を通り第二の相分離器4に至り、最後に第一の管状反応
器1を通り第一の相分離器2に至る。かくして第一の相
分離器2から過酸化水素水溶液である生成物が得られ
る。
【0026】酸素含有ガス、すなわち酸化性ガスは一点
鎖線により示される。用いる酸化性ガスは酸素である
が、例えば酸素濃度を高めた空気も使用できる。酸化性
ガスは各管状反応器に他の相と共に供給される。
【0027】各々の相分離器では、三相はすべて互いに
分離される。図1で一つのブロックとして示す相分離器
は、実際には二つの連続する相分離器からなり、その一
つではガスが液体から分離され、もう一つでは二種の液
相が互いに分離される。
【0028】液体は管状反応器の中では同一方向に流れ
るが、全体としては液の流れが逆方向に起こるように各
流れが調整される。この逆方向の流れとする調整によっ
て、全体として順方向に流れる調整法を採用する場合に
比べてより高濃度が達成されるという利点が得られる。
【0029】図2は、有機相の循環と酸化性ガスの供給
については図1と同様であるが、水の供給を二つに分け
た配置を示す。図2中、第一の管状反応器1では濃縮さ
れた過酸化水素が製造される。水素化された作動溶液が
管状反応器1に導入される。抽出用の水は同じ管状反応
器1に供給される。抽出用の水の流速を十分遅くするこ
とにより、50%までの高濃度の過酸化水素水を抽出に
より直接得ることができる。低流速の水流が濃い作動溶
液と接触すると、濃縮された過酸化水素の水溶液が得ら
れる。濃縮された過酸化水素の水溶液は相分離器2から
抜き出させる。下位の管状反応器3および5では、多量
の水が循環され、これによって残りの過酸化水素がより
薄い溶液中に回収され、この溶液は第二の相分離器4か
ら抜き出される。
【0030】図3は、従来の一般的な過酸化水素プロセ
スの製造能力を高めるために本発明がどのように利用さ
れるかを示すものである。この製造能力の増大は、作動
溶液の循環を増加させること、および在来型の酸化反応
器7と在来型の抽出カラム8とに並べて本発明による小
型の管状反応器1と相分離器2とを付加することにより
行なわれる。作動溶液の増加分が新しく設けた管状反応
器1を通過する。相分離器2からの作動溶液は従来の抽
出カラム8の後で作動溶液の循環に合流する。酸素はす
べてのアントラヒドロキノンが酸化されるように管状反
応器1に供給される。相分離器2から得られた分離気体
(オフガス)は従来の酸化反応器7の供給ガスに加えら
れる。このことにより、大過剰の酸素を使用することに
よって短い反応器の中で酸化反応全体を行なうことがで
きるという利点が得られる。過剰の酸素は浪費されず、
従来の酸化反応器7で使用される。また、大量の水が管
状反応器1においてすべての過酸化水素を抽出するため
に使用される。このことから相分離器2で得られた過酸
化水素の水溶液は過酸化水素に関しては多少薄められる
こととなる。しかしながら、これは不利なことではな
い。なぜなら、水相は抽出カラムにおいて同濃度の水相
が存在する従来の抽出カラム8に供給されるからであ
る。
【0031】
【実施例】本発明による製造方法が、長さ12m、内径
28.5mmの管状反応器での実験にかけられた。反応器の中
には静置混合器を設けた。管状反応器の下流末端には二
種の相分離器が設け、第一の相分離器では気体が液体か
ら分離され、第二の相分離器では水相と有機相とが互い
に分離された。
【0032】この装置が、アントラヒドロキノン含有作
動溶液、酸素および水を反応器に供給する試験的操業に
用いられた。実験はアントラキノン濃度、圧力および三
相の流速を変えて、連続操作法で行なわれた。
【0033】一つの実験では、約8重量%のアントラヒ
ドロキノンを含有する作動溶液を反応器中へ流速 1.2m
3/hで供給した。同時に水を流速11.4m3/hで、酸素
を1.93Nm3/hで供給した。反応器の上流先端の圧力
は4バール(bar)、温度は約50℃であった。反応
器を出る水相は12.1%の過酸化水素を含有していた。
【0034】本発明は上述した具体例に制限されるもの
ではなく、添付されている特許請求の範囲に定義されて
いる範囲内で様々な態様を取ることができる。例えば、
酸化と抽出が同時に起こる反応器は管状反応器である必
要はなく、例えば混合式タンクのような他の反応器でも
よい。反応器は相間での十分な界面が得られるように撹
拌と拡散が十分なものでなければならない。物質の相間
移動現象が起こりやすいように、酸素ガスと有機作動溶
液間、また水相と作動溶液間で十分な界面が必要であ
る。
【0035】管状の反応器は水平方向に設けることが好
ましいが、例えば垂直方向に設けることも可能である。
管状の反応器はその構造が互いに異なっていてもよく、
例えば、内径は異なる大きさのものでよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の過酸化水素の製造プロセスの利用方
法を示す図である。
【図2】 異なる過酸化水素濃度を有する過酸化水素水
溶液を製造する本発明のプロセスの利用方法を示す図で
ある。
【図3】 在来の過酸化水素プロセスの製造能力を高め
る本発明によるプロセスの利用方法を示す図である。
【符号の説明】
1,3,5…管状反応器 2,4,6…相分離器 7…在来型酸化反応器 8…在来型抽出カラム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 596031251 P.O.Box330,FIN−00101 He lsinki Finland

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 過酸化水素を生成する有機作動溶液の酸
    化、過酸化水素の水相への抽出、および過酸化水素水溶
    液の回収を含むアントラキノン法による過酸化水素の製
    造方法であって、水素化された有機作動溶液、酸素含有
    ガスおよび用水成抽出溶媒を一つの同一反応器に供給
    し、有機相、気相および水相の三相の混合体を形成させ
    ることにより酸化と抽出を同一領域で行ない、作動溶液
    中への酸素溶解、作動溶液中での酸化反応、および過酸
    化水素の水相への移動を実行し、その後反応器を出る生
    成物を相分離して過酸化水素水溶液を回収することを特
    徴とする製造方法。
  2. 【請求項2】 酸化と抽出が、三相すべてが同一方向に
    流れる管状反応器中で行なわれることを特徴とする請求
    項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 酸化と抽出が、セクションの間で各相が
    互いに分離している複数のセクションからなる管状反応
    器中で行なわれ、前記セクションの間で分離している有
    機相が各々の所定の状態でその次のセクションに送られ
    ることを特徴とする請求項1または2に記載の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 前記次のセクションの後で相分離して得
    られる酸素含有ガス、水成抽出溶媒および/または過酸
    化水素水溶液が管状反応器の各セクションに供給され、
    その状態で相分離により得られる1つまたは幾つかの過
    酸化水素水溶液が回収されることを特徴とする請求項3
    に記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 管状反応器の最後のセクションへ水成抽
    出溶媒を供給し、管状反応器のその他のセクションへそ
    の次のセクションの後で相分離して得られる過酸化水素
    水溶液を各々所定の状態で供給し、過酸化水素水溶液が
    管状反応器の第一のセクションと第二のセクションとの
    間で相分離して回収されることを特徴とする請求項4に
    記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 管状反応器の最後のセクションと少なく
    とも一つの他のセクションへ水成抽出溶媒を供給し、管
    状反応器の他のセクションへその次のセクションの後で
    相分離して得られる過酸化水素水溶液を各々所定の状態
    で供給し、その状態で異なる過酸化水素濃度の水溶液を
    回収し得るようにしたことを特徴とする請求項4に記載
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 単独の酸化工程と単独の抽出工程を含む
    在来型の過酸化水素プロセスと同時に前記請求項のいず
    れかに記載のプロセスを利用する方法であって、水素化
    された有機作動溶液の一部が前記一般的プロセスおよび
    前記請求項のいずれかに規定されているプロセスの一部
    に従って処理され、後者のプロセスにより生成した水溶
    液が前記一般的プロセスの抽出工程の適当な場所に誘導
    されることを特徴とする利用方法。
JP8048227A 1995-02-10 1996-02-09 過酸化水素の製造方法 Pending JPH08325003A (ja)

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FI950582A FI97465C (fi) 1995-02-10 1995-02-10 Menetelmä vetyperoksidin valmistamiseksi
FI950582 1995-02-10

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EP (1) EP0726227B2 (ja)
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DE (1) DE69605064T3 (ja)
FI (1) FI97465C (ja)

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