JPH08324277A - 車両走行補助装置 - Google Patents

車両走行補助装置

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JPH08324277A
JPH08324277A JP15672495A JP15672495A JPH08324277A JP H08324277 A JPH08324277 A JP H08324277A JP 15672495 A JP15672495 A JP 15672495A JP 15672495 A JP15672495 A JP 15672495A JP H08324277 A JPH08324277 A JP H08324277A
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vehicle
wheels
hydraulic
steered wheels
steering angle
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JP15672495A
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English (en)
Inventor
Toshio Oguchi
俊雄 小口
Hiromi Katou
浩見 加藤
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Isuzu Motors Ltd
Original Assignee
Isuzu Motors Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 車両走行補助装置において、大きな操舵角の
場合にも、エンジンを吹かすことなく操舵輪をスムーズ
に回転させて車両の発進、走行を容易に且つ確実にし、
旋回半径を小さくして、作業上の安全と効率の悪化を防
止する。 【構成】 この車両走行補助装置は、補助駆動輪である
操舵輪6,7の操舵角が大きくなるに応じて、エンジン
によって駆動される可変容量型の油圧ポンプ20からの
大きな吐出圧力が操舵輪に組み込んだ補助動力発生用の
油圧モータ24,25に供給されて操舵輪に大きな回転
駆動力を付与する。従って、操舵輪自ら大きなコーナリ
ングドラグに対抗して操舵方向に回転し、車両をスムー
ズに発進、旋回或いは走行させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、一般走行用の自動
車、荷役運搬車、フォークリフト又は農業トラクタ等の
産業機械用の車両、土木建設車両若しくは特殊車両等の
車両に用いられる車両走行補助装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両においては勿論のこと、荷役
運搬車、フォークリフト又は農業トラクタ等の産業機械
用の車両、土木又は建設車両、若しくは特殊車両等の車
両は、一般的に、車両の前後に設けた一対の車軸と、各
車軸の両端に設けた左右一対の車輪とを有しており、フ
ロント車軸及びリア車軸のいずれか一方の車軸を駆動軸
とし、他方の車軸をステアリング軸とする形式のもので
ある。上記形式の走行車両においては、駆動軸の両端部
に配設された各車輪は、駆動軸に通常備わる差動装置の
差動機能によって従動的に回転数差を生じるように駆動
されるのみであり、積極的に旋回機能を備えるものでは
ない。従って、各種の車両を操舵又は旋回する場合に
は、ステアリング軸の両端部に設けられた各車輪を積極
的に切ることにより車輪の向きを変更させている。
【0003】フォークリフトは、例えば、倉庫内等にお
いて物品を昇降させたり搬送させたりするときには、物
品の倉庫内の位置や他の物品との配置関係の制約や作業
効率の観点から、極めて小さい旋回半径を必要とする場
合がある。また、農業トラクタにおいても、耕運や収穫
等の作業上、既作業地との間に未作業地を残さない等の
ために極めて小さい旋回半径を求められることがある。
このような場合、車両が最小回転半径で旋回するときの
操舵角は65°以上にも達する。フォークリフトや農業
トラクタに限らず、車両が旋回するときの車輪の軌跡で
ある円弧の最小回転半径はできるだけ小さくすることが
求められる。
【0004】従来の車両走行装置をフォークリフトに例
をとって図6を参照して概説する。フォークリフトの走
行装置は、通常、フロント車軸70が駆動軸であり、リ
ア車軸71がステアリング軸となっている。エンジン7
2からの駆動力は、クラッチ73を介して前車軸の差動
装置74に伝達され、差動装置74からフロント車軸7
0の両端に設けられた左右一対の前輪75,76に伝達
される。ステアリング軸であるリア車軸71は、図示し
ない操舵機構に連係されており、操舵機構の作動に関連
してリア車軸71の両端に設けられた後輪77,78の
回転方向をフォークリフトの進行方向に対して傾けるこ
とにより、フォークリフト全体を後輪77,78の傾き
方向とは反対方向に操舵し旋回することができる。
【0005】図6に示したフォークリフトの操舵輪であ
る後輪77,78に大きな操舵角を与えたときに生じる
問題点を図7を参照して説明する。図7は、一方の後輪
77について、フォークリフトの進行方向に対する姿勢
や加わる力を説明する平面図である。図7に示すよう
に、フォークリフトの駆動輪が向いている瞬間的な進行
方向(図面左方向)に対して、操舵輪即ち後輪77の転
がり方向が比較的大きな横滑り角θをなしているとす
る。操舵角が大きくなると、操舵輪即ち後輪77が滑る
ことなく回転することが困難になる。即ち、タイヤと路
面との間の摩擦により、車両に対していわゆるコーナリ
ングドラグと称される走行抵抗が生じる。
【0006】このように、車両の発進時に既に大きな操
舵角を切っている場合には、操舵輪がスムーズに回転せ
ずになかなか発進することができないという現象や、路
面が滑り易くなっている場合には、操舵輪が回転するこ
となく進行方向に滑り出してしまう現象が生じることが
ある。このような車両の旋回や走行を妨げる現象は、操
舵輪の回転を妨げる抵抗が発生しているからである。操
舵輪の操舵角が大きいほど、操舵輪は路面から操舵輪を
回転させようとする十分な分力を一層得難くなっている
とともに、操舵輪の回転を妨げる抵抗は大きくなる。そ
のため、車両を発進させようとしても発進自体が難しく
なり、無理に発進させようとすると、エンジンを吹かし
て大きな駆動力を得なければならず、燃費が悪化するこ
とになる。また、車両に対して大きな操舵角を諦めて小
さい操舵角に変更すると、旋回半径が大きくなり、作業
上の安全や効率が悪化する。
【0007】また、車両の操舵角を大きくしたままの状
態では、操舵輪が回転し始めたとしても、依然として操
舵輪には回転に対する抵抗が生じているとともに、路面
とタイヤとの間の動摩擦係数が静摩擦係数よりも小さい
ために、操舵輪が駆動車輪の瞬間瞬間の進行方向に沿う
方向に操舵輪の滑りが大きくなって、その滑りに対応し
た分だけ、車両の旋回半径が大きくなってしまうという
問題がある。このような現象は、走行路面が油等の液体
で濡れていたり、粉粒体が散乱している場合や、軟弱な
地面である場合には、より一層大きく現れる。
【0008】一方、車両の駆動形式からみると、前後の
車軸の一方の車軸を駆動するパワーユニットに油圧ポン
プを連結し、該油圧ポンプによって発生した油圧を他方
の車軸に連結した油圧モータに供給して前記他方の車軸
を駆動するようにした四輪自動車の全車軸駆動装置があ
る(例えば、特開昭57−74222号公報参照)。上
記全車軸駆動装置によれば、油圧モータの作動時に車両
が旋回すると、油圧モータが連結される車軸について
は、内輪側となる車輪が路面から受ける負荷が大とな
り、負荷の小さい外輪側に圧油がより多量に供給され
て、内輪よりも外輪が速く回転する差動機能が働くもの
である。
【0009】しかし、上記全車軸駆動装置においては、
他方の車軸に連結される油圧モータへの作動油の供給量
の左右の車輪への分配は、路面からの負荷によって従動
的に決められるものであるが、油圧モータへの作動油の
供給圧自体と操舵角との関係については上記文献にはな
んら開示されていないものである。上記全車軸駆動装置
は、操舵角が大きいときほど、車両の発進が困難となる
こと及び旋回時の旋回半径が大きくなるという問題点に
対する何等の解決手段も備えていないものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従って、内燃機関によ
って駆動される駆動軸の左右両端に連結された駆動輪
と、内燃機関によって駆動される油圧ポンプが供給する
作動油によって回転する油圧モータで駆動され、かつ操
舵可能な操舵輪とを有する車両においては、操舵角の大
きさに応じて操舵輪の回転を妨げる抵抗に打ち勝つため
に必要な駆動力が異なっているという上記事実に着目す
ると、操舵角の大きさに応じて操舵輪が備える補助的な
駆動力を可変にできないかという課題がある。
【0011】この発明の目的は、上記の課題を解決する
ことであり、エンジンによって駆動される駆動軸の左右
両端に連結された駆動輪と、エンジンによって駆動され
る油圧ポンプが供給する作動油によって回転する油圧モ
ータで駆動される操舵可能な操舵輪とを有し、車両の発
進時に既に大きな操舵角を切っている場合でも、エンジ
ンを吹かすことなく操舵輪をスムーズに回転させて車両
の発進を容易にするとともに、車両の発進時及び発進後
の走行或いは旋回時にも操舵輪が駆動輪の進行方向に滑
ることを防止し、旋回半径を小さくして作業上の安全と
効率の悪化を防止する車両走行補助装置を提供すること
である。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を達成するために、次のように構成されている。即ち、
この発明は、エンジンによって駆動される駆動輪、前記
エンジンによって駆動される油圧ポンプ、該油圧ポンプ
から供給される作動油によって作動される油圧モータ及
び該油圧モータにより駆動される操舵可能な補助駆動輪
を具備し、前記補助駆動輪の操舵角が予め設定された操
舵角以上に応答して前記油圧モータを作動して前記補助
駆動輪を駆動させることを特徴とする車両走行補助装置
に関する。
【0013】また、この車両走行補助装置では、前記補
助駆動輪の操舵角が大きくなるに従って前記油圧ポンプ
への作動油の吐出油量が大きくなるように調節されてい
るものである。
【0014】
【作用】この発明による車両走行補助装置は、上記のよ
うに構成されており、次のように作用する。即ち、この
車両走行補助装置は、車両の操舵輪即ち操舵輪の操舵角
が小さいときは、可変容量型の油圧ポンプの発生油圧は
小さいので、操舵輪は補助駆動輪とはならずに純粋に従
動輪として機能し且つコーナリングドラグも小さく、車
両の操舵輪は操舵角に応じた旋回をするので操舵輪の滑
りが問題となることはない。しかも、車両の操舵輪の小
さい操舵角の場合には、対応上、可変容量型の油圧ポン
プの定馬力出力特性に基づいて吐出流量は大きくなるの
で、車両が小さい操舵角で十分に速い速度で走行するケ
ースに対しても対応することができる。車両の操舵輪の
操舵角が大きくなると、エンジンを吹かさなくても、油
圧ポンプからは操舵角の大きさに応じた大きな吐出圧力
即ち吐出油量が油圧モータに供給され、操舵輪に補助動
力として大きな回転駆動力が与えられるので、操舵輪は
補助駆動輪となって自ら大きなコーナリングドラグに打
ち勝って操舵方向に回転して、車両は旋回する。しか
も、車両の操舵輪の大きな操舵角の場合には、対応上、
油圧ポンプの定馬力出力特性に基づいて吐出流量が少な
くなるので、走行速度が十分遅くなっている車両にとっ
て都合良く対応することができる。
【0015】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明による車両
走行補助装置の実施例について詳述する。図1はこの発
明による車両走行補助装置をフォークリフトに適用した
場合の一実施例を示す概略説明図である。図1に示すフ
ォークリフトは、基本的な車両としての骨格部分のみを
示しているものである。
【0016】図1に示すように、フォークリフト1は、
車両の長手方向前後において車幅方向に伸びるように配
置した一対の車軸を有している。これらの車軸のうち、
車両前方のフロント車軸が駆動軸2であり、車両後方の
リア車軸がステアリング軸3である。駆動軸2の左右両
端には駆動輪である前輪4,5が連結され、また、ステ
アリング軸3の左右両端には操舵輪である後輪6,7が
連結されている。フォークリフト1は、エンジン8を搭
載しており、エンジン8の一つの出力軸はトラッスミッ
ション9を介して駆動軸2に連結され、別の出力軸は後
述の可変容量型の油圧ポンプ20に連結されている。油
圧ポンプ20は、補助駆動輪となる後輪即ち操舵輪6,
7に駆動力を与える機能を有している。
【0017】フォークリフト1の操舵系は、ステアリン
グハンドル10、ステアリングハンドル10に連結され
たギヤボックス11、車体に対して回動中心14に回動
可能に設けられたリレーレバー13、ギヤボックス11
の出力端とリレーレバー13との間を連結するドラック
リンク12、及びリレーレバー13の回動動作を後車輪
6,7にそれぞれ伝達するタイロッド16,17から構
成されている。
【0018】フォークリフト1は、上記のように構成さ
れ、ステアリングハンドル10を右又は左に切る操舵が
行われると、その操舵方向に応じて、ギヤボックス11
の出力端を介してドラックリンク12は前後の方向に動
き、リレーレバー13は回動中心14の回りに回動す
る。リレーレバー13の回動はタイロッド16,17を
左右に移動させ、その結果、操舵輪である後輪6,7が
それぞれ左又は右方向に切られることになる。
【0019】油圧ポンプ20の吐出側には、切換弁21
を介してモータライン22,23が接続されており、各
モータライン22,23は、それぞれ後輪6,7内に組
み込まれた油圧モータ24,25(24のみ図示)に接
続されている。リレーレバー13の回動は、連結ロッド
26によって油圧ポンプ20に伝えられ、油圧ポンプ2
0の斜板の傾転角を変更して吐出容量を変更させるのに
用いられる。また、操舵角センサー29が連結ロッド2
6の動きを検知しており、操舵方向及び操舵量を検出す
る。操舵角センサー29の検出信号は、油圧ポンプ20
の吐出容量の制御に用いられる。従って、ステアリング
操作方向及び操作量に応じて、油圧ポンプ20によって
発生した圧油は、切換弁21を通って後輪6,7内に組
み込まれた油圧モータ24,25に供給され、ステアリ
ンハンドル10の操舵によってステアリング角が切られ
た後輪6,7を積極的に駆動することになる。
【0020】図2は、ドラックリンク12、リレーレバ
ー13及び連結ロッド26の動作によって可変容量型の
油圧ポンプ20の吐出容量を変更するポンプ制御レバー
切換機構30の概要を図示する説明図である。図3は、
図2の線D−Dについての断面図であって、ポンプ制御
レバー40を中心とする切換部の詳細を示す図である。
連結ロッド26は、リレーレバー13側の端部におい
て、リレーレバー13に対して回動支軸27によって回
動可能に取り付けられており、ポンプ制御レバー40側
の端部において、ピン28を下方に突出させている。連
結ロッド26のピン28がポンプ制御レバー40と係合
する部分は、ポンプ制御レバー40の図示の姿勢位置に
おいて、連結ロッド26の回動支軸27を中心とする円
弧状の長穴41となっている。後述する吐出切換レバー
36の作動に応じて、連結ロッド26が回動支軸27を
中心として回動するときに、ピン28は長穴41内を摺
動して移動する。
【0021】ポンプ制御レバー切換機構30には、コン
トロールユニット32が備わっている。コントロールユ
ニット32は、配線33を介して操舵角センサー29か
らの操舵角検出信号を受け、該操舵角信号に基づく演算
処理を施した後に、配線34を介して切換パワーユニッ
ト35に切換信号を与える。切換パワーユニット35
は、コントロールユニット32から切換信号が与えられ
ると、吐出切換レバー36を回動支軸37の回りに回動
させてA位置とC位置との間で切り換える。回動支軸3
7には、ポンプ制御レバー40が、吐出切換レバー36
と平行に且つ吐出切換レバー36の回動と相対回動可能
に設けられている。ポンプ制御レバー40の回動支軸3
7に対して反対側の端部は、下方に折り返されていて、
ポンプ制御シャフト45と一体的に係合している。
【0022】図4は、切換パワーユニット35、吐出切
換レバー36及びポンプ制御レバー40から成る切換部
の詳細を示す説明図である。吐出切換レバー36の回動
支軸37がある端部とは反対側の端部には、回動支軸3
7に向かって尖端39となったV字状溝38が穿設され
ている。連結ロッド26のピン28は、長穴41内を貫
通したのち、吐出切換レバー36のV字状溝38内に係
合している。吐出切換レバー36が中央位置であるB位
置にある場合、連結ロッド26と吐出切換レバー36と
の重なり長さが最も長くなるので、連結ロッド26のピ
ン28は、V字状溝38の最も回動支軸37よりの尖端
39に位置することになる。連結ロッド26と吐出切換
レバー36とは、それぞれの回動支軸27,37が18
0°反対位置にあるため、両者が回動するに従って互い
の重なり長さが変化するが、ピン28がV字状溝38内
を滑り移動することで互いの干渉を回避することができ
る。
【0023】ステアリングが中立位置にあると、ポンプ
制御レバー40は図示の姿勢位置にあるから、この場合
に、吐出切換レバー36を回動支軸37の回りに回動
し、中立のB位置を通過して左右のいずれかの側に切り
換えることができる。いずれの切換えに際しても、連結
ロッド26のピン28は、V字状溝38の尖端39から
B位置側に位置する側の枝溝内にスムーズに切り換わっ
て滑り込むことができる。吐出切換レバー36の左右に
回動できる範囲は、それぞれ長穴41の各端部で規制さ
れており、それぞれの最大回動位置がA位置及びB位置
である。各最大回動位置においては、連結ロッド26の
ピン28は、V字状溝38の枝溝の最先部に位置する。
【0024】ポンプ制御シャフト45の配設位置は、吐
出切換レバー36と連結ロッド26とが中立位置である
B位置を占めたときのピン28の直下にある。中立位置
からのステアリング操作は、吐出切換レバー36を切り
換えた後において連結ロッド26がA位置又はB位置に
ある状態で行われる。連結ロッド26の前後方向の動き
は、ポンプ制御シャフト45の位置を中心として、吐出
切換レバー36とポンプ制御レバー40とを一体的に回
動させる。ポンプ制御シャフト45の回動は、可変容量
型油圧ポンプ20の斜板の傾転角を変更する操作に用い
られる。ステアリングの操舵量に比例してポンプ制御シ
ャフト45は回動し、油圧ポンプ20の斜板の傾転角を
変更してポンプ吐出容量を変えることができる。その結
果、ステアリング操舵角が大きいほど、油圧ポンプ20
の定馬力特性に基づいてポンプ吐出容量は小さく、ポン
プ吐出圧力は大きくなる。
【0025】補助駆動のための油圧回路50がオープン
型(これについては後述する)である場合には、可変容
量型油圧ポンプ20の吐出方向を一方向に限定する必要
がある。従って、斜板の傾転角を出力ゼロの中立位置か
ら逆方向に傾斜させることができない。このため、旋回
を左旋回から右旋回に、或いは旋回方向を逆の順に操舵
するときであっても、常に油圧ポンプ20の吐出方向を
一方向にするために、ステアリングが中立位置を超えて
切り換わるときにその切換えを操舵角センサー29で検
出し、コントロールユニット32からの指令により吐出
切換レバー36を切り換えて、ポンプ制御シャフト45
の回動を一定の角度範囲でのみ行う。
【0026】例えば、吐出切換レバー36が連結ロッド
26をA位置に切り換えた状態で、車両に対して左旋回
のステアリング操作を行うと、その操舵量に応じて連結
ロッド26は後方へ移動され、連結ロッド26の後方移
動量に応じてポンプ制御レバー40がポンプ制御シャフ
ト45を中立位置から図面時計方向に角度αの範囲内で
回動する。また、車両に対して右旋回のステアリングの
操作を行うときは、ステアリングは必ず中立位置を通過
するから、ポンプ制御レバー切換機構30は図2の中立
位置に戻り、操舵角センサー29がこの旋回方向の変更
を検出し、コントロールユニット32は、ステアリング
が中立位置又はその直後に吐出切換レバー36をC位置
に切り換える。その後、ステアリングの正味の右旋回の
ための操舵量に応じて連結ロッド26は前方へ移動さ
れ、連結ロッド26の前方移動量に応じて、ポンプ制御
レバー40がポンプ制御シャフト45を中立位置から左
旋回の場合と同じく図面時計方向に角度βの範囲(実質
上、角度αの範囲と同じ)内で回動する。従って、油圧
ポンプ20からの圧油の吐出方向は、旋回方向の変更前
後で一定方向に維持される。油圧モータ24,25の回
転方向も同じ回転方向に維持され、フォークリフト1は
前進を継続したまま、旋回方向のみを変えることができ
る。
【0027】図5は本発明である旋回装置によって補助
駆動輪を油圧駆動する油圧回路の一例を示す回路図であ
る。油圧回路50は、オイルタンク51を有するオープ
ン型の油圧回路である。エンジン8によって駆動される
油圧ポンプ20は、斜板式の可変容量型の油圧ポンプで
ある。油圧ポンプ20の斜板の傾転角は、ポンプ制御レ
バー切換機構30によって可変とされ、傾転角を大きく
するほど吐出油量を大きくすることができる。油圧ポン
プ20の定馬力特性により、吐出油量と吐出圧力とは反
比例の関係にある。油圧ポンプ20は、オイルタンク5
1内の作動油を、フィルタ52によって異物を除去した
上で吸入ライン53から吸い込み、吐出ライン54に吐
出する。吐出ライン54から分岐して戻りライン55に
至る分岐ライン56には、リリーフ弁57とチェック弁
58とが並列に接続されている。リリーフ弁57は、吐
出ライン54が異常に高圧になったときに開弁して高吐
出圧を逃がす。チェック弁58は、操舵角が小さい範囲
内にあってフォークリフト1が高速走行しているため
に、補助駆動輪の必要流量が過大となる場合に開弁し、
高低圧回路の作動圧力をゼロにして駆動力を発生させな
いようにするとともに、キャビテーションの発生を防止
する。
【0028】油圧モータ24,25のためのモータライ
ン22,23間には、車両の前後進を切り換える切換弁
21とクラッチ用弁59とが介装されている。これらの
弁は電磁弁で構成することが好ましい。切換弁21を図
示のポジションと他方のポジションとの間で切り換える
と、モータライン22,23を流れる作動油の流れ方向
が逆転して、油圧モータ24,25の回転方向が正回転
と逆回転との間で切り換わるので、フォークリフト1の
進行方向を前進又は後退方向に切り換えることができ
る。切換弁21の切換えは、トランスミッション9に設
けた逆回転検出スイッチ60(図1)が検出する後進検
出信号に連動させることができる。
【0029】クラッチ用弁59は、図示のポジションで
油圧回路の高低圧部分を短絡するので、油圧モータ2
4,25を駆動することができないが、油圧モータ2
4,25は自由な回転ができることになり、車両の惰行
を可能にする。クラッチ用弁59は、クラッチスイッチ
61(図1)の操作に連動して作動させることができ
る。図示のポジションから他方のポジションに切り換え
ると、可変容量型の油圧ポンプ20の圧油によって油圧
モータ24,25を駆動することができる。油圧モータ
24,25の作動時の各油圧モータ24,25への作動
油の分配については何等の制限もしていない。従って、
フォークリフト1の旋回操作をすると、従来の技術の欄
で既に挙げた文献に記載があるものと同様に、内輪側と
なる車輪が路面から受ける負荷は外輪側となる車輪が路
面から受ける負荷よりも大となり、作動油は、操舵角に
応じて負荷の小さい外輪側に自動的により多量に供給さ
れる状態でバランスし、内輪よりも外輪が速く回転する
差動機能が奏される。
【0030】この発明の車両走行補助装置は、車両の長
手方向前後に設けた一対の車軸2,3のうち、一方の車
軸をエンジンによって駆動される駆動輪4,5とし、他
方の車軸に設けた補助駆動輪即ち操舵輪6,7を、油圧
ポンプ20から供給される作動油によって回転させられ
る油圧モータ24,25で補助駆動する車両について説
明してきたが、操舵輪6,7を常に油圧モータ24,2
5で補助駆動する必要がないことは勿論である。操舵輪
6,7が路面からの摩擦力の分力によって回転力を得る
のみでは、操舵角が大となる場合の上記のような車両の
発進が困難となったり、旋回時の旋回半径が大きくなる
ので、それらの現象を避けるために、これらの現象が生
じるような場合のみ、路面からの摩擦力の分力のみで回
転力を得るのではなく、積極的に操舵輪6,7に回転力
即ち駆動力を与えることによって、進行方向に滑り出す
ことなく操舵輪6,7の滑りに対する抵抗に打ち勝って
操舵輪6,7を回転させれば十分である。
【0031】車両のステアリング軸の両端に設けた各操
舵輪6,7の内部に組み込んだ油圧モータ24,25を
操舵角が大となったときのみ作動させ、各操舵輪6,7
を一時的に補助駆動輪として働かせて積極的に駆動させ
ることにより、上記のコーナリングドラグによる発進抵
抗や操舵輪6,7の滑りが生じるのを回避すればよい。
そのためには、車両の操舵角がある一定以上の場合にの
み、クラッチ用弁59を自動的に他方のポジションに切
り換えて油圧モータ24,25を駆動することが考えら
れる。このようにすることにより、操舵角がある一定未
満の小さいときは、通常、発進が困難になることもな
く、また旋回半径に注意する必要もないのであるから、
操舵輪6,7を油圧ポンプ20の圧油によって補助駆動
させずに、純粋に従動輪としてのみ機能させて、油圧ポ
ンプ20を駆動するために費やすエンジンの負荷を軽減
することができる。
【0032】図5に示すオープン型油圧回路を有する走
行装置は、可変容量型の油圧ポンプ20を逆回転させて
利用することができないので、車両の進行方向を前進又
は後退に変更するときは、切換弁21の切換え操作をす
る必要があり、その上で、図2〜図4に示されたポンプ
制御レバー切換機構30を用いて左右の旋回方向を切り
換えている。しかし、油圧回路がクローズ型であれば、
斜板の斜転角を吐出量ゼロとなる中立位置の両側に切り
換えることにより、油圧ポンプ20を逆回転させて利用
することができるので、切換弁21を設けなくとも、ポ
ンプ制御レバー切換機構30のポンプ制御シャフト45
の作動に関連して直接に油圧ポンプ20の吐出方向を切
り換えることができる。このことを図2を参照して説明
すると、角度αの範囲は、前進で左旋回するときに用い
る範囲であったから、角度αに隣接する角度γの範囲
は、油圧ポンプ20の吐出方向が反転するが旋回方向は
不変であるので、後進で左旋回のときに用いる。同様に
して、後進で右旋回のときには、吐出切換レバー36に
よって連結ロッド26をC位置に切り換えるから、角度
δの範囲を用いる。
【0033】また、車両の動力源として、エンジンを有
する例を挙げたが、この実施例に限らず、例えば、蓄電
池のような動力源を用いても、操舵輪6,7にモータを
組み込み、操舵輪6,7を一時的に補助駆動することが
できる。蓄電池であれば、油圧回路の代わりに安価で軽
量な電動機と電気配線で済ますこともできる。
【0034】
【発明の効果】この発明による車両走行補助装置は、以
上のように構成されており、次のような効果を有する。
即ち、この車両走行補助装置は、エンジンによって駆動
される駆動輪と油圧ポンプとを設け、前記油圧ポンプか
ら供給される作動油によって回転される油圧モータによ
って操舵可能な操舵輪即ち補助駆動輪を駆動可能に構成
し、前記補助駆動輪の操舵角が大きくなるに応じて、前
記油圧ポンプからの大きな吐出圧力即ち吐出油量が前記
油圧モータに供給されて前記補助駆動輪に大きな回転駆
動力を付与できるので、前記補助駆動輪が操舵輪として
コーナリングドラグに対抗して操舵方向に自ら回転し、
車両は旋回することができる。車両の発進時に、既に大
きな操舵角を切っている場合にも、エンジンを吹かすこ
となく前記補助駆動輪をスムーズに回転させるから車両
の発進が容易である。また、車両の発進時及び発進後の
旋回時にも前記操舵輪が駆動車輪の進行方向に滑る現象
が生じることを防止して、旋回半径を小さくするととも
に作業上の安全と効率の悪化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による車両走行補助装置をフォークリ
フトに適用した場合の一実施例を示す概略説明図であ
る。
【図2】油圧ポンプの吐出容量を切り換えるポンプ制御
レバー切換機構の概要を図示する説明図である。
【図3】図2の線D−Dにおける切換部の詳細を示す断
面図である。
【図4】ポンプ制御レバー切換機構の切換部についての
拡大詳細図である。
【図5】旋回装置で補助駆動輪を駆動する油圧回路の一
例を示す回路図である。
【図6】従来の走行車両の走行装置をフォークリフトに
例をとって示す概略説明図である。
【図7】従来の車両走行補助装置において、操舵輪に大
きな操舵角を与えたときの操舵輪車の姿勢や加わる力を
説明する平面図である。
【符号の説明】
4,5 前輪(駆動輪) 6,7 後輪(補助駆動輪) 8 エンジン 20 油圧ポンプ 24,25 油圧モータ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンによって駆動される駆動輪、前
    記エンジンによって作動される油圧ポンプ、該油圧ポン
    プから供給される作動油によって駆動される油圧モー
    タ、及び該油圧モータにより駆動される操舵可能な補助
    駆動輪を具備し、前記補助駆動輪の操舵角が予め設定さ
    れた操舵角以上に応答して前記油圧モータを駆動して前
    記補助駆動輪を駆動させることを特徴とする車両走行補
    助装置。
  2. 【請求項2】 前記補助駆動輪の操舵角が大きくなるに
    従って前記油圧ポンプへの作動油の吐出油量が大きくな
    るように調節したことを特徴とする請求項1に記載の車
    両走行補助装置。
JP15672495A 1995-06-01 1995-06-01 車両走行補助装置 Pending JPH08324277A (ja)

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