JPH08323837A - 2層共押出成型用金型 - Google Patents

2層共押出成型用金型

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JPH08323837A
JPH08323837A JP7158287A JP15828795A JPH08323837A JP H08323837 A JPH08323837 A JP H08323837A JP 7158287 A JP7158287 A JP 7158287A JP 15828795 A JP15828795 A JP 15828795A JP H08323837 A JPH08323837 A JP H08323837A
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die
mold
resin
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molding
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Application number
JP7158287A
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Inventor
Masayoshi Yamakido
正義 山木戸
Makoto Ihira
誠 井平
Hirobumi Takase
博文 高瀬
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Takiron Co Ltd
Original Assignee
Takiron Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 基材のポリカーボネート樹脂の表面にポリメ
チルメタクリレート樹脂の被覆層を形成するような2層
樹脂板材は、2層共押出成形法により製造されるが、共
押出成形用の金型につき、成形後の被覆層の厚みが均一
でなく時には幕切れを生じたり、被覆層樹脂と基材樹脂
との境界面で白濁して、樹脂の透明性を害するような問
題を解決し、併せて、所望板厚に変更する場合のダイ交
換を容易にした共押出成形用金型を提供することを目的
としている。 【構成】 2種類の樹脂をそれぞれ流通する流路を備え
た金型本体の間に、断熱用空所と、該2つの流路を合流
させる金型接合部とを設け、金型接合部には、両側一対
のダイ内面構成部材を交換可能に取着してダイ内面の間
隙をもってダイとなし、ダイ長さをダイ間隙の10〜3
0倍の範囲にして、金型となす。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2種類の熱可塑性樹脂
から異種2層の樹脂板材を共押出成形するための金型に
関する。
【0002】
【従来技術と解決課題】熱可塑性樹脂の中で、ポリカー
ボネート樹脂は、透光性又は非透光性の板材を建築用の
屋根材、壁面材その他の建材として、広く利用されてお
り、また、非晶質のポリエチレンテレフタレート系樹脂
も、同様の用途に利用されつつある。これらの建材は、
屋外で長期に亘り使用されるので耐候性が要求されるこ
とから、これら樹脂を相当厚みのある基材として、その
基材の片面ないし両面に耐候性に優れた樹脂、例えば、
アクリル系樹脂、特に、ポリメチルメタクリレート樹脂
を被覆した板材がある。被覆層のポリメチルメタクリレ
ート樹脂は、透明度が高く、表面硬さが高いので表面疵
がつきにくく、また、紫外線吸収剤を予め配合しておく
場合には、これにより、板材に耐候性を付与したものが
ある。
【0003】上記の用途の板材では、基材と被覆層とは
異種合成樹脂であるので、両樹脂の溶融軟化温度の差、
即ち成形温度の差が50℃以上となるものがあり、しか
も、基材と被覆層との厚みの比が10:1〜50:1と
なるように被覆層が薄くされている。
【0004】一般に、異種の合成樹脂による2層構造の
樹脂板材(フィルム、シート、板などを広く含む)の成
形品は、共押出成形法により成形されている。この成形
法は、金型に2種類の溶融樹脂の流路を別個に設け、金
型内で流路を合流させた成形ダイによりその断面形状を
樹脂に賦形して、2種類の樹脂を溶融接着させ、ダイ出
口から押出しながら放冷するもので、成形品の2つの樹
脂層は強固に溶着される。
【0005】このような樹脂板材を、従来の金型で押出
成形した場合には、各押出機で溶融して成形温度を調節
した2種類の樹脂が金型内の各流路を流通する間に、金
型内の流路間の熱伝導によって、各流路を流通する樹脂
の温度が接近するようになり、軟化温度の高い方の樹脂
の流動抵抗を増加させ、他方、軟化温度の低い方の樹脂
は、流動抵抗を減じて流動性が高くなり、その結果、成
形品の基材と被覆層との厚み比が一定でなくなり、厚み
比の制御が難しくなり、被覆層に膜切れを生じたり、板
材の中央部に対して幅方向の両縁部で被覆層厚みが著し
く異なるいう問題があった。
【0006】また、基材をポリカーボネート樹脂とし、
被覆層をポリメチルメタクリレート樹脂とした組合せの
場合には、成形温度は、基材樹脂の温度が300℃程度
で、被覆層のポリメチルメタクリレート樹脂の250℃
程度が最適であるが、金型内の流路内で被覆層の樹脂の
温度が徐々にではあるが、300℃近くに上昇して、こ
の樹脂が熱劣化を生じて強度の低下を生じ、また、過熱
により被覆層が黄変してしまい、連続生産が難しいとい
う問題もあった。
【0007】さらに、2つの流路で合流した溶融樹脂が
成形ダイから出る過程で応々にして、幅方向だけでなく
押出方向においても被覆層の厚みの変動が生じ、厚みの
均一な成形品が得られなかった。また、2種類の樹脂が
いずれも透明であるのに、共押出し成形した樹脂成形品
が不透明になる問題があった。これらの原因は、成形ダ
イ中を流動する過程で基材の樹脂と被覆層の樹脂との界
面が不安定で変動したり、両樹脂が界面で混ざりあい、
その結果、界面で白濁して不透明になるためであった。
【0008】そして、生産工程面からは厚みの異なる成
形品に生産を切り換えるために、金型の交換が必要であ
るが、迅速な金型交換とともに、成形品の厚み、特に基
材及び被覆層の各厚みを所定範囲に迅速容易に調節をす
る必要がある。
【0009】本発明は、上記の諸問題に鑑み、異種合成
樹脂の基材と薄膜の被覆層とを一体に備えた2層構造の
板材等の成形品を成形するための金型に関して、第1
に、成形品の基材と被覆層との厚み比を所望の一定に制
御可能とし、第2に、基材と被覆層との溶融樹脂の温度
を別個独立に制御可能として被覆層の熱劣化を防止し、
第3に、基材の樹脂と被覆層の樹脂との混合を阻止し
て、透明な成形品を安定に成形可能とし、第4に、ダイ
の交換と厚み調節を容易にすることを目的としている。
【0010】
【構成手段とその作用】本発明の2層共押出成形用金型
は、2種類の熱可塑性合成樹脂をそれぞれ供給する2つ
の広幅流路が共通の成形ダイに合流して2層合成樹脂板
材に成形する共押出成形用金型において、上記流路を形
成する金型本体の間に、断熱用空所と、該2つの流路を
合流させるための金型接合部とを設け、該金型接合部の
下部側に両側一対のダイ内面構成部材を交換可能に取着
して上記成形ダイを形成したことを特徴としている。
【0011】本発明の2層共押出成形用金型1を、図1
の模式図で説明すると、図1(A)の縦断面図におい
て、金型本体1a、1bには、それぞれ広幅流路3a、
3bが形成され、広幅流路3a、3bの注入口31a、
31bには、2種類の樹脂をそれぞれ溶融混練して各樹
脂の最適の成形温度に調節して圧送するための押出機9
1a、91b(不図示)の注出管がそれぞれ接続されて
いる。広幅流路3a、3bに供給された各樹脂9a、9
bは、所定の成形温度を維持したまま、流路3a、3b
を通過し、その金型接合部13の合流点40から成形ダ
イ4に流入して所要断面形状に形成され、その出口41
から出て、放冷されながら、引き取りロール(不図示)
により引き取られるようにされている。
【0012】本発明においては、金型本体1a、1b間
に設けた断熱用の空所7は金型本体1a、1bの間の熱
移動を小さくするものであり、2つの広幅流路3a、3
bそれぞれの溶融樹脂の成形温度を別個に調節してある
と、空所7により2つの広幅流路3a、3bをそれぞれ
流通する溶融樹脂9a、9bは経時的な温度変動が殆ど
なくなり、溶融樹脂の温度をその樹脂の成形に適した成
形温度に別個に保持して、両者に温度差を設けることが
できる。これにより、それぞれ溶融樹脂の流動性をほぼ
均一にするので、各樹脂は、その厚みを所定の厚み範囲
に維持したまま合流点40で合流し共通の成形ダイ4に
供給できる。これにより合成樹脂シートの各樹脂の厚み
も所定の厚み範囲に調節することができる。
【0013】各溶融樹脂の成形温度調節のために、通常
は、金型本体1a、1b内には各広幅流路の近傍に電熱
ヒータ等の温度調節手段が幅方向に間隔を設けて埋設し
てあるが、この場合でも、断熱用の空所7が、高温側の
金型本体から低温側金型本体への熱伝導を遮断するの
で、低温側の溶融樹脂の温度が上昇することを回避で
き、溶融樹脂の成形温度制御が容易となる。
【0014】具体的に、後述の基材のポリカーボネート
樹脂と被覆層のポリメチルメタクリレートとの組合せを
例示すると、ポリカーボネート樹脂の成形温度が280
〜300℃であるのに対してポリメチルメタクリレート
の最適成形温度230〜250℃に調節維持することは
容易で、ポリメチルメタクリレートの温度の経時的な上
昇を防止することができ、両樹脂間の温度差を50℃程
度とすることは容易である。このように、断熱用の空所
7を設けたので、成形温度の低い方の樹脂(上例では、
ポリメチルメタクリレートの被覆層樹脂)がその広幅流
路を流通する過程で過熱されることがなく、この低温側
樹脂が熱劣化を起こすことを防止でき、これに伴う強度
低下や変色を有効に防止できる利益もある。
【0015】本発明は、図1(C)において、両側一対
のダイ内面構成部材2a、2bを交換可能に該金型接合
部13a、13bの直下にその内面24、24同士を間
隙を設けて面して接合すると、金型接合部で、上記2つ
の広幅流路3a、3bに連通した成形ダイ4となる。
【0016】流路3a、3bから合流した2種類の溶融
樹脂は成形ダイ内で2層構造となって通過するが、その
2層の界面の安定のためにはダイ長さd、即ち合流点4
0からダイ出口41間での距離の設定が重要である。ダ
イ長さdをダイの間隙(即ちダイを流通する樹脂の厚
み)に対比して一定範囲にすることで、その2層の界面
は安定して成形され、ダイ出口以降速やかに放冷され
て、界面の脈動その他変動や、界面における両樹脂の混
合が少なくなり、これにより、表面層の膜切れの表面欠
陥や界面の白濁に伴う成形品の透明性の低下が防止でき
る。
【0017】ダイ長さdについては、後述の基材のポリ
カーボネート樹脂又は非晶質のテレフタル酸エステル共
重合樹脂と被覆層のポリメチルメタクリレートとの組合
せにおいては、ダイの間隙の10〜30倍の範囲とする
のが適当で、ダイ長さdが10倍より小さいと、基材樹
脂と被覆層樹脂との界面が合流して不安定のままダイ出
口から出るので、厚み比が一定せず、特に押出方向での
被覆層の厚みの制御が困難となる。他方、ダイ長さdが
30倍より過大であると、基材樹脂と被覆層樹脂が界面
で相互に混合した境界層を形成し、冷却硬化後には界面
層が白濁して透明な樹脂成形品が得られない。
【0018】本発明の金型においては、上記2つの流路
3a、3bの一方3bを、基材樹脂9bを流通させる広
い間隙34bとし、他方の流路3aを、被覆層樹脂9a
を流通させる狭い間隙34bとすることにより、薄膜の
被覆層9aを表面に備えた樹脂板90が一体成形できる
が、上述の断熱用空所7とダイ長さdを規制した互換性
成形ダイ4とを設けたことにより、薄膜の被覆層9aの
厚み変動や膜切れが発生し難く、しかも、被覆層9aが
低温側の樹脂であるときもその熱劣化が防止できる。こ
れにより、流路の被覆層樹脂側の間隙と基材樹脂側の間
隙との比を1/10ないしは1/100とすることもで
きる。このようにして樹脂板材の基材厚み1〜10mm
に対して他方の被覆層厚み0.025〜1.0mmの成
形品が押出し可能となる。
【0019】基材樹脂としてポリカーボネート樹脂若し
くは非晶質のテレフタル酸エステル共重合樹脂が利用さ
れるが、テレフタル酸エステル共重合樹脂としては、特
に、テレフタル酸に、共重合成分として、1,4−シク
ロヘキサンジメタノール1モルに対してエチレングリコ
ール3〜4モルの割合で共重合させて非晶質とした樹脂
が好ましく利用される。テレフタル酸エステル共重合樹
脂は溶融後の押出成形過程で常用の冷却速度でも殆ど結
晶化しないので、他に着色剤を含まなければ、透明な樹
脂となる。他方の被覆層樹脂としてアクリル酸エステル
樹脂、特に、ポリメチルメタクリレートが利用され、通
常は、被覆層に耐候性を付与するために紫外線吸収剤が
配合され、基材樹脂に耐候性の劣る樹脂を使用する場合
にも、2層合成樹脂板材として耐候性を付与することが
できる。
【0020】さらに、上記一対のダイ内面構成部材2
a、2bは、上記金型接合部に上記広幅流路を形成する
ための流路形成部21a、21bをそれぞれ一体に連設
し、且つ、金型本体1a、1bに対してダイ内面構成部
材2a、2bを進退させてダイ内面24、24を相互に
近接調節させるダイ間隙調節手段が設けられているもの
が採用される。流路形成部21a、21bは、金型本体
1a、1bの接合部13a、13bに取着されて、流路
3a、3bを形成するもので、流路形成部21a、21
bと共にダイ内面構成部材2a、2bを一体に交換する
ことにより流路3a、3bの間隙を樹脂板材の被覆層樹
脂の厚みと基材樹脂の厚みにそれぞれ調節するものであ
る。ダイ間隙調節手段は、ダイ4の間隙を樹脂板材の厚
みに幅方向に亘って均一に整合調節するもので、図1
(C)には、ダイ間隙調節手段の一例として、ダイ内面
構成部材2a、2bの外面に先端が当接して押圧する調
節ロッド5a、5bを金型幅方向に一定間隔で複数個設
けた例を示してある。
【0021】生産工程では、押出成形スケジュールに従
って成形品の厚みを変更することが多いが、この場合に
は、ダイ内面構成部材2a、2bと流路形成部21a、
21bを交換するだけで成形ダイ4が変更できるので、
型替え作業が容易になる。この場合に、ダイ内面構成部
材2a、2bをダイ4の間隙に対してダイ長さdを上記
範囲の倍率に調製しておけば、所望のダイ4の間隙のダ
イ内面構成部材2a、2bに交換するだけで、最適のダ
イ長さdが定められる。
【0022】本発明では、成形品の幅方向の厚みの均一
化は、流路の近傍に幅方向に埋設して電熱ヒータ等の温
度調節手段により両溶融樹脂の流動性を均一にし、ダイ
間隙調節手段によりダイの間隙を幅方向に一様に調節し
て達成できるのであるが、さらに、図1(B)に示すよ
うに、金型本体1a、1bの幅方向両端部に断熱材層1
7、17が取着形成してあれば、金型本体1a、1bの
端部での熱放散が防止できて溶融樹脂の幅方向温度分布
が均一に調節容易となる。これにより、特に、狭い流路
を流通する被覆層樹脂の幅方向端部での冷却が防止でき
るので膜切れその他厚み変動がなくなり、2層の各樹脂
が全幅に亘って均一厚みを備えた成形品を得るとができ
る。
【0023】
【実施例】本発明の共押出成形用金型の具体例を、図2
の金型の縦断面図により以下に説明する。この金型はダ
イ4を下方向に向けた竪型配置の例である。金型は、2
つの広幅流路3a、3bを形成するために左右の一対の
金型本体1a、1bが設けられているもので、この例で
は、金型本体1aが被覆層樹脂に使用され、流路3aが
狭い間隙とされ、これに対して金型本体1bは基材樹脂
に使用されるので、流路3bが広い間隙として基材樹脂
の流通に使用される。
【0024】各金型本体1a、1bは、内側金型部材1
2と外側金型部材11とがそれぞれ斜め下方に向けた本
体接合面120、110で面接して、幅方向両側にある
金型枠体18、18に固定されており、各金型本体1
a、1bの内側金型部材12、12の間は断熱用空所7
を設けて、空気断熱層を形成している。本体接合面12
0、110には、押出機91a、91b(図3)に接続
される注入口31a、31bに連通した注入管路32
と、金型幅方向に延長した分配管路33と分配管路33
から間隙を減縮した狭面路331、331とが刻設さ
れ、広幅流路3a、3bとされている。
【0025】各金型本体1a、1bの内側金型部材12
には、それぞれ金型接合部材13a、13bが接合面1
30で面接して固定され、金型接合部材13a、13b
の平面状の下面133、133が内側金型部材12の狭
面路331、331に面一に連設されている。接合面1
30の下端でこれら平面状の下面133、133が集合
して合流点40となり、この下面133、133が流路
3a、3bの下流側流路34a、34bの上面側の流路
形成面となる。
【0026】金型本体1a、1bの外側金型部材11
a、11bの下部側には、左右一対のダイ内面構成部材
2a、2bが金型接合部材13a、13bの下面13
3、133を覆うようにして、ダイ内面構成部材2a、
2bの基部22、22がボルト65、65により外側金
型部材11a、11bにねじ込み固定されている。ダイ
内面構成部材2a、2bのダイ内面24、24同士は間
隙を設けて相対面して、金型接合部材13a、13bの
接合面130下端の合流点40の下方に成形ダイ4を形
成している。ダイ内面構成部材2a、2bの基部22と
ダイ内面24との間が流路形成部21a、21bとされ
て、その流路形成面23a、23bが金型接合部材13
a、13bの平面133、133と間隙を設けて対面し
て、下側流路34a、34bを形成している。
【0027】ダイ間隙調節手段は、本例では、外側金型
部材11a、11bの下部のネジ孔53を螺合して挿通
された調節ロッド5a、5bの先端が、ダイ内面構成部
材2a、2bの外面に設けた封止孔25の底に先端が係
止することにより構成してあり、調節ロッド5a、5b
は幅方向に一定間隔で複数個設けてある。そこで、調節
ロッド5a、5bを回動調節することにより、外側金型
部材11、11に対して調節ロッド5a、5bが進退移
動するので、ダイ内面構成部材2a、2bのダイ内面2
4、24をそれぞれ相対面する方向に微動調節して、ダ
イ4の間隙を調節することができる。そして、ダイ内面
構成部材2a、2bの上方の流路形成部21a、21b
の外面には、厚み方向に切り欠いて薄肉とした切り欠部
26、26が幅方向に形成されており、調節ロッド5
a、5bの回動調節により切り欠部26、26を支点と
して、ダイ内面構成部材2a、2bを弾性的に撓ませ
て、下側流路34a、34bの間隙と成形ダイ4の間隙
との微調整が容易にできるようにされている。
【0028】ダイ内面構成部材2a、2bは、押出成形
しようとする成形品の基材樹脂9bと被覆層樹脂9aの
種類とその厚みに対応して、ダイ内面24、24の寸法
形状とダイ長さd及び流路形成部21a、21bの流路
形成面23a、23bの凹み寸法とを決めたものを幾つ
か準備しておき、ダイ内面構成部材2a、2bのダイ長
さdは、樹脂の組合せと成形品の厚みに対応して上記の
倍率になるように予め調製しておく。このようにして、
金型本体は1台で、ダイ内面構成部材2a、2bを交換
することにより、所望厚み、例えば、1.0mm、3.
0mm、5.0mm、10.0mmの樹脂板材用のダイ
が容易に構成できる。
【0029】金型本体1a、1bの左右の内側金型部材
12a、12bの間には断熱用の空所7を設けたが、こ
の空所7の深部71は、上記の金型接合部材13a、1
3bが接合面130に達するようにするのがよい。空所
7の深部71は、空気流通可能な程度の隙間であればよ
く、金型接合部材13a、13bが冷却されない程度に
空気を吹き付けないしは循環させるのが、合流点40直
上の下側流路34a、34bでの相互熱移動を減少させ
る点で好都合である。
【0030】金型本体1a、1b内部には、流路3a、
3bの両側にシース型電熱線6が幅方向に一定間隔で埋
設され、また、測温用温度センサー61が埋設され、温
度センサー61からの温度信号により制御装置を介して
シース型電熱線6の発熱量を制御して、流路3a、3b
を流通する溶融樹脂9a、9bの温度を所定の成形温度
範囲に維持するようにしておく。
【0031】このようにして構成した金型1は、注入口
31a、31bに、2種類の樹脂を別個に溶融混練する
2基の押出機91a、91bの注出管がそれぞれ接続さ
れ、また、ダイ出口41の先側には、樹脂成形品引き取
り用ロール(不図示)配置されている。
【0032】図3は、金型1と押出機91a、21bの
接続配置を模式的に示しているが、図3(A)に示す例
は、金型1のダイ4を下向きに配置し、基材樹脂の大径
の押出機91bは軸心を水平に配置しており、この押出
機91bの先端に接続した注出管95aを、金型本体1
bの側面に開口した注入口31bに螺着している。他方
の被覆樹脂の小径の押出機91aに接続された注出管9
5aは、金型本体1aの上面に開口した注入口31aに
螺着して固定してあり、この場合、被覆樹脂の押出機9
1aも軸心水平に配置して、その先端に水平の注出管9
3aと管路を直角に曲げる管継手94aとを経て上記注
出管95aを下向きに接続している。これにより、2基
の押出機91a、91bをいずれも水平配置可能にして
いる。
【0033】上記の実施例は、下向き配置にした竪型の
金型配置の例であるが、この金型1をダイ出口41が横
方向になるように横向き配置としてもよい。図3(B)
はこの例を示すが、金型1を横向きに配置しても、同様
に、金型本体1aの被覆層樹脂用の注入口31aはその
金型側面に開口し、他方の金型本体1bの基材樹脂用の
注入口31bは金型上面に開口するので、基材樹脂用押
出機91bを水平に配置して、注出管95bは管継手9
4bにより垂直に変向して注入口31bに螺着するよう
にしている。このように、2基の押出機91a、91b
を共に水平状態で設置して混練し、しかも、金型1を横
向きや下向きいずれの配置も適宜選択できるようになさ
れている。
【0034】
【発明の効果】本発明の共押出成形用金型は、上記流路
を形成する金型本体の間に、断熱用空所を設けたので、
基材樹脂の厚みと被覆層樹脂薄膜の厚みとの制御が容易
になる。金型接合部の下部側に両側一対のダイ内面構成
部材を交換可能に取着して上記成形ダイを形成したの
で、ダイ内面構成部材のダイ長さをダイ4の間隙に対し
て両樹脂の種類と成形品厚みとにより定まる一定範囲の
倍率に予め調製することができ、これによりダイ流通の
際の溶融樹脂間の界面も安定に形成できるので、透明性
と厚み寸法精度にすぐれた2層樹脂板材の成形品を得る
ことができる。
【0035】また、本発明は、ダイ内面構成部材を交換
すれば、金型本体は1台で所望厚みの樹脂板材用のダイ
が形成でき、成形品厚みの変更による金型ダイ交換が容
易且つ迅速にでき、且つ金型が安価で簡単に製作できる
利点がある。
【0036】上記一対のダイ内面構成部材には、それぞ
れ流路形成部が連設され、且つ、ダイ間隙調節手段が設
けられているので、成形品の厚み変更のためのダイ交換
が容易となり、成形開始前のダイ4の間隙の微調整がで
き、しかも成形作業中にあっても随時各樹脂層の厚みの
微調整が容易となり、厚み寸法精度と共に成形作業性の
向上に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の共押出成形用金型の模式的概念図で、
(A)は縦断面図、(B)はその上面図、(C)は一対
のダイ内面構成部材を交換可能に取着した金型の縦断面
図を、それぞれ示す。
【図2】本発明の実施例に係る共押出成形用金型の縦断
面図。
【図3】共押出成形用金型と2基の押出機との接続配置
関係を示す図であって、(A)は金型を下向き配置にし
た例を、(B)は金型を横向き配置にした例を示す。
【符号の説明】
1 金型 1a、1b 金型本体 2a、2b ダイ内面構成部材 3a、3b 流路 4 成形ダイ 40 合流点 41 ダイ出口 5a、5b 調節ロッド 6 シース型電熱線 7 断熱用空所 9a 被覆層樹脂 9b 基材樹脂 91a 押出機 91b 押出機 d ダイ長さ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29L 9:00

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 2種類の熱可塑性合成樹脂をそれぞれ供
    給する2つの広幅流路が共通の成形ダイに合流して2層
    合成樹脂板材に成形する共押出成形用金型において、 上記流路を形成する金型本体の間に、断熱用空所と、該
    2つの流路を合流させるための金型接合部とを有し、 該金型接合部の下部側に両側一対のダイ内面構成部材を
    交換可能に取着して上記成形ダイを形成したことを特徴
    とする共押出成形用金型。
  2. 【請求項2】 合流点直前の上記2つの広幅流路の一方
    を、基材樹脂を流通させる広い間隙とし、他方の流路
    を、被覆層樹脂を流通させる狭い間隙とした請求項1記
    載の共押出成形用金型。
  3. 【請求項3】 上記一対のダイ内面構成部材には上記金
    型接合部に上記広幅流路を形成するための流路形成部を
    それぞれ一体に備え、且つ、金型本体に対してダイ内面
    構成部材を進退させてダイ内面を相互に近接調節可能と
    したダイ間隙調節手段を設けている請求項1又は2記載
    の共押出成形用金型。
  4. 【請求項4】 上記2種類の熱可塑性合成樹脂が、基材
    樹脂としてポリカーボネート樹脂若しくは非晶質のテレ
    フタル酸エステル共重合樹脂であり、被覆層樹脂として
    アクリル酸エステル樹脂である請求項1又は2記載の共
    押出成形用金型。
  5. 【請求項5】 上記金型本体の幅方向両端部に断熱材層
    が取着形成されている請求項1、2又は4記載の共押出
    成形用金型。
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