JPH08323666A - ロボットの制御装置 - Google Patents

ロボットの制御装置

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JPH08323666A
JPH08323666A JP13076195A JP13076195A JPH08323666A JP H08323666 A JPH08323666 A JP H08323666A JP 13076195 A JP13076195 A JP 13076195A JP 13076195 A JP13076195 A JP 13076195A JP H08323666 A JPH08323666 A JP H08323666A
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JP
Japan
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manipulator
abnormality
value
robot
axis
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Withdrawn
Application number
JP13076195A
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English (en)
Inventor
Yoshiko Matsuoka
佳子 松岡
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Tokico Ltd
Original Assignee
Tokico Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 マニピュレータ本体に異常が生じたにもかか
わらず、該マニピュレータの動作に異常が見られない場
合であっても、異常を早期に発見することができるロボ
ットの制御装置を提供すること。 【構成】 変数Δを0に初期化する(ステップS1
8)。次に、移動目標となる教示点pi,サンプリング
点pj,処理対象軸axを順次選択しながら、以下の処
理を繰り返す。まず、各サンプリング点において各軸に
対応したΔ’の値を算出する(ステップS19)。ここ
で、Δ’は、再生時のモータトルク指令値と試運転時の
モータトルク指令値との差の絶対値である。そして、求
めたΔ’をΔに加算する(ステップS20)。全てのサ
ンプリング点pjの全ての軸について求めたΔ’の合計
値Δが、予め定められた値εより大きい場合には、マニ
ピュレータに異常が発生していると判断し、警告メッセ
ージを表示する(ステップS21)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、教示再生型ロボット
を制御する制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のロボット制御装置では、制御の対
象となるロボット(以下、マニピュレータと称する)の
異常を、マニピュレータのアームの先端に設けられた作
業具の動作範囲の変化,マニピュレータの関節部に設け
られた各軸の応答遅れ,マニピュレータの各部に設けら
れた各種センサの信号検出状態等によって、主に動作の
面から検出しており、マニピュレータ本体の異常(例え
ば、アームに生じる亀裂等)は、オペレータの目視によ
り検出していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来のロボット制御装置においては、再生中にアームに亀
裂が入るなどの異常が発生していても、該異常が初期段
階であり軽微な間は、応答遅れやアーム内断線等の際だ
った異常が発生しない限り、異常(亀裂等)を早期に検
出することができなかった。そのため、アームが折れる
などの重大事故を未然に防止することができなかった。
【0004】この発明は、このような背景の下になされ
たもので、マニピュレータ本体に異常が生じたにもかか
わらず、該マニピュレータの動作に異常が見られない場
合であっても、異常を早期に発見することができるロボ
ットの制御装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
教示再生型ロボットの制御装置において、前記ロボット
の第1の運転時における各種の動作データを記憶する記
憶手段と、前記記憶手段に記憶された第1の運転時の動
作データと、前記第1の運転時以降の第2の運転時にお
ける前記ロボットの動作データとを比較する比較手段
と、前記2つの動作データの差が所定値以上である場合
には、オペレータに異常の発生を知らせる報知手段とを
具備することを特徴としている。
【0006】請求項2記載の発明は、請求項1記載のロ
ボットの制御装置において、前記動作データは、前記ロ
ボットの関節を構成するモータの角度フィードバック
値,角速度フィードバック値およびトルク指令値のうち
の1つまたは複数値の組み合わせであることを特徴とし
ている。
【0007】
【作用】上記構成によれば、記憶手段は、ロボットの第
1の運転時における各種の動作データを記憶する。そし
て、比較手段は、記憶手段に記憶された第1の運転時の
動作データと、第1の運転時以降の第2の運転時におけ
るロボットの動作データとを比較する。さらに、報知手
段は、上記2つの動作データの差が所定値以上である場
合には、オペレータに異常の発生を知らせる。
【0008】
【実施例】図1に本発明を適用した塗装用ロボットシス
テムを示す。本システムはマニピュレータ1,制御装置
2,入出力装置(以下、TPと称する)3より構成され
ている。マニピュレータ1は、固定ベース4で工場床面
に固定されていて、この内側に設けられている第1軸モ
ータ(図示せず)により、回転ベース5より上の部分を
矢印θ1方向に回転させることができる。回転ベース5
には第2軸モータ(図示せず)が取り付けられており、
第1アーム6を矢印θ2方向に動作させる。
【0009】第1アーム6の一端には、第2アーム7が
取り付けられており、第3軸モータ(図示せず)により
矢印θ3方向に動作させることができる。第2アーム7
内には第4軸,第5軸,第6軸モータ(図示せず)が設
けられており、第2アーム7先端の手首8をそれぞれθ
4,θ5方向に、塗装ガン9をθ6方向に動作させること
ができる。
【0010】図2にマニピュレータ1の各軸モータ,制
御装置2およびTP・3の間の接続の様子を示す。マニ
ピュレータ1の各軸モータと制御装置2とはケーブルを
介して接続されており、制御装置2では、各軸の回転位
置,回転速度,トルク指令信号をモニタすることができ
る。また制御装置2内で、これらの信号を用いて、各軸
を制御し、マニピュレータ1を動作させる。制御装置2
とTP・3とはケーブルを介して接続されており、TP
・3からオペレータの指示を取り込んだり、制御装置2
からTP・3へマニピュレータ1の状態を信号として送
り、TP・3上の表示部(図示せず)に表示することが
できる。
【0011】次に、図2を参照して制御装置2の構成に
ついて説明する。演算装置2aでは、定められたサンプ
リングタイム(例えば5ms)毎に各軸モータの信号
(位置フィードバック,速度フィードバック,トルク指
令など:以下、動作データと称する)をアンプ2bを介
して取り込む。また、演算装置2aからは、目標位置に
塗装ガン9先端(図1参照)を移動または指示するため
の速度指令信号またはトルク指令信号がアンプ2bを介
して各モータに出力される。一方、TP・3を用いて教
示された教示データは演算装置2aから記憶装置2cに
記憶するよう処理される。記憶装置2cからは、逆に教
示データや、初回運転時における動作データが、演算装
置2aに送られる。
【0012】図3にマニピュレータ1の数学モデルとロ
ボットベース座標系および教示データを示す。塗装ガン
9先端位置〔Xg,Yg,Zg〕と各軸角度θ1〜θ6との
関係は以下に示す式(1)〜式(3)の通りである。 Xg={r2sin(-θ2)+r3cosθ3+(r4-r5cosθ5)cos(θ34)}cosθ1 ・・・(1) Yg={r2sin(-θ2)+r3cosθ3+(r4-r5cosθ5)cos(θ34)}sinθ1 ・・・(2) Zg=r1+r2cosθ2+r3sinθ3+(r4+r5)sin(θ34) ・・・・・・・・・・(3)
【0013】このとき、塗装ガン9先端位置が図3に示
す軌道をp0からp10まで一定速度で移動する場合、第
1軸角度すなわちθ1は図4(a)に示すように変化す
る。また、このときの第1軸角速度は図4(b)に示す
ように変化する。第i軸モータのトルクτiは、一般に
マニピュレータ1の姿勢と、動作によって決定され、以
下に示す式(4)の様に表すことができる。式(4)に
おいて、Hはマニピュレータ1の慣性テンソルである。
【数1】
【0014】上式(4)より算出される第1軸モータの
トルクτ1は、塗装ガン9先端が図3に示す軌道を移動
する場合には、図4(c)に示すように変化する。この
とき、本実施例では、例えば、第1軸フィードバックト
ルクτ1が図5(a)に示すようになり、該フィードバ
ックトルクが、予め同じ教示データを再生した場合の
(すなわち試運転時における)トルク(図4(c)参
照)と異なる場合には、マニピュレータ1に異常が発生
したものと判断する。これは、マニピュレータ1のアー
ムに亀裂が生じた場合、亀裂が生じたアームの剛性が低
下し、振動系としての特性が変化するためである。
【0015】一方、マニピュレータ1のアームが障害物
と干渉している場合には、その部分へアームが移動する
ことができず、該障害物を擦りながら移動するため、角
速度フィードバックが図5(b)の○部に示すように変
化する。また、アームが何かに衝突したりすると、この
間に外力を受けることになり、トルクが図5(c)の○
部に示すように、瞬間的に変化する。
【0016】次に、図6から図21を用いて制御装置2
が行う制御処理について説明する。まず、オペレータか
ら見るマニピュレータ1の操作手順は、図6に示すよう
になる。マニピュレータ1に電源を投入後、オペレータ
は教示モード,再生モードなどマニピュレータ1の動作
を選択する(ステップS1)。ステップS1で教示モー
ドを選択した場合、塗装ガン9先端ををTP・3を用い
て移動させ、マニピュレータ1の姿勢を教示していく
(ステップS2)。また、ステップS2では、マニピュ
レータ1の動作速度も教示する。通常、塗装ロボットの
場合、等速で移動することが望ましいので、図7に一例
を示す目標軌道を移動する場合には、直線部分(例え
ば、p1−p2間)は等速直線運動するよう教示する。
【0017】教示が済んだら、試運転を行う(ステップ
S3)。試運転時の動作データ(各軸角度指令,角度フ
ィードバック,角速度,モータトルク指令等)を、サン
プリングタイム毎(本実施例では、5msとする)に記
憶装置2c(図2参照)に書き込む(ステップS4)。
ステップS1で再生モードを選択した場合、上記記憶装
置2cから教示データを読み出し(ステップS6)、終
了の指示があるまで、この教示データに基づいてマニピ
ュレータ1の動作を繰り返す(ステップS7)。
【0018】次に、オペレータ側から見た教示データ再
生時の処理を、図8を用いて説明する。まず、再生モー
ドが選択されると、変数,定数の初期化を行う(ステッ
プS10)。また、同ステップでは、変数timer_count
の値を0にする。このtimer_countはマニピュレータ1
の運転継続時間を格納するカウンタ変数である。その
後、再生モード終了の指示を受けるまで、以下の処理
(ステップS11〜S16)を繰り返す。まず、教示モ
ードにおいてオペレータから指示された目標軌道(すな
わち教示データ)を前述した記憶装置2cから読み出す
(ステップS11)。
【0019】次に、動作停止信号がTP・3から入力さ
れるまで、マニピュレータ1は教示データをもとに再生
動作を繰り返す。このとき、制御装置2内部では、再生
中にtimer_countの値を一定時間毎に増やしていき、予
め設定された時間(本実施例では、一例として5時間と
する)を越えた場合には、変数feed_back_startをON
にする(ステップS12)。この変数feed_back_start
は、動作データ(各軸速度,各軸角速度,トルク指令
等)の記憶装置2cへの記憶開始を指示する信号であ
る。
【0020】変数feed_back_startがONの間は、一定
時間(5ms)毎の後述するサンプリング処理(図15
および図16参照)を行いながら、このまま再生動作を
継続する(ステップS13)。サンプリング処理が終了
し、変数feed_back_startがOFFになると、試運転時
に記憶した動作データとの比較を行う(ステップS1
4)。比較の結果、運転開始5時間後にサンプリングし
た動作データが、試運転時の動作データと異なり、これ
によりマニピュレータ1に異常ありと判断された場合に
は、オペレータより入力があるまでTP・3の表示部に
警告メッセージを表示するか、あるいは、オペレータが
異常に気付くようにビープ音を発生する(ステップS1
6)。再生モードを終了する場合には、変数および定数
をクリアし、再生モードを終了する(ステップS1
7)。
【0021】次に、動作データの異常を検出する手順を
いくつか説明する。まずは、第1の異常検出方法を図9
に示す。なお、以下に示す各PAD図では、図5(c)
に示したモータトルク指令値を動作データとして取り上
げ、該モータトルク指令値の異常検出を例にとって説明
を行う。まず、試運転時のモータトルク指令値と再生時
のモータトルク指令値との差を表す変数Δを0に初期化
する(ステップS18)。
【0022】次に、移動目標となる教示点pi(図7参
照:i=0〜10),教示点間の各サンプリング点pj
(図7参照),モータトルク指令の検出対象軸ax(第
1軸〜第6軸)を順次選択しながら、以下の処理を繰り
返す。まず、各サンプリング点において各軸に対応した
Δ’の値を算出する(ステップS19)。ここで、Δ’
は、再生時のモータトルク指令値と試運転時のモータト
ルク指令値との差の絶対値である。そして、求めたΔ’
をΔに加算する(ステップS20)。
【0023】以上の手順により全てのサンプリング点p
jの全ての軸について求めたΔ’の合計値Δが、予め定
められた値εより大きい場合には、マニピュレータ1に
異常が発生していると判断し、TP・3の表示部に警告
メッセージ(図10参照)を表示する(ステップS2
1)。
【0024】次に、異常発生を検出する第2の方法を図
11を用いて説明する。ここでは、各軸毎に試運転時の
モータトルク指令値と再生時のモータトルク指令値との
差を求める。処理が開始されると、マニピュレータ1の
第1軸〜第6軸のうちから1つの軸axを順次選択し
て、該軸に関して以下の処理(ステップS22〜S2
5)を行う。まず、図9と同様に、試運転時のモータト
ルク指令値と再生時のモータトルク指令値との差を表す
変数Δを0に初期化する(ステップS22)。
【0025】次に、教示点pi(i=0から10),教
示点間の各サンプリング点pj(図7参照)を順次イン
クリメントしながら、現時点のモータトルク指令値と試
運転時のモータトルク指令値との差の絶対値Δ’を求め
る(ステップS23)。次に、Δ’をΔに加算する(ス
テップS24)。そして、軸axに関するΔが予め定め
られた値ε(ax)を越える場合には、軸axに関する
アームに異常が発生したと判断する(ステップS2
5)。このとき、例えば、第2軸に関する再生データが
異常である場合には、図12に示す様なメッセージをT
P・3の表示部に表示する。
【0026】次に、異常発生を検出する第3の方法を図
13を用いて説明する。ここでも、第2の検出方法(図
11参照)と同様に、各軸毎に異常の検出を行う。つま
り、マニピュレータ1の第1軸〜第6軸のうちから1つ
の軸を順次選択しながら、以下の処理(ステップS26
〜S30)を行う。まず、変数Δmaxを0に初期化する
(ステップS26)。変数Δmaxは、モータトルク指令
値の試運転時と再生時との差の最大値である。次に、第
2の検出方法(図11参照)と同様に、教示点p0から
p10までにおける各サンプリング点pjの動作データ
(モータトルク指令値)に関して、以下に示す処理(ス
テップS27〜S30)を繰り返す。
【0027】ステップS27では、Δ’(該サンプリン
グ点における再生時のモータトルク指令値と試運転時の
モータトルク指令値との差の絶対値)を求める。Δ’が
Δmaxより大きい場合には、Δmaxの値をΔ’に更新し
(ステップS28)、異常が発生したパス(教示点pi
と教示点pi+1とを結ぶ直線部分)を変数passに、ま
た、異常が発生したサンプリング点pjを変数pointにそ
れぞれ格納する(ステップS29)。各パス上の各サン
プリング点について、ステップS27〜S29の処理を
行うことによって、選択されている軸axに関して、再
生時のモータトルク指令値が試運転時のモータトルク指
令値と最も異なる位置(サンプリング点)および、該位
置におけるモータトルク指令値の差が変数Δmaxに格納
される。
【0028】次に、Δmaxが、予め定められた値ε(a
x)より大きい場合には、パスpass上のサンプリング点
pointにおいて、第ax軸に異常が発生していると判断
する(ステップS30)。この方法で異常を検出した場
合、例えば第2軸および第3軸で異常が検出されると、
図14に示すようなメッセージをTP・3の表示部に表
示する。また、オペレータがマニピュレータ1の動作を
停止させ、所定のキー操作を行ったばあいには、異常発
生位置(パスpassのサンプリング点point)へ塗装ガン
9先端を移動させる。
【0029】次に、図15および図16を参照して、制
御装置2のサンプリングタイム(5ms)毎の処理を説
明する。まず、モータの回転角をモータドライバから読
み込み、上述した式(1)〜(3)を用いて、塗装ガン
9先端の現在位置を算出する(ステップS31)。次に
モードを判定し、再生モードの場合には、目標位置を教
示データに基づいて決定するため、以下に示す方法で塗
装ガン9先端の目標位置を決定する。サンプリングタイ
ム毎の位置決定用カウンタjを1インクリメントする
(ステップS32)。そして、上記jが教示点piと教
示点pi+1とをつなぐパスにおける最終サンプリング点
N(図7参照)を越えている場合にはjを0とし(ステ
ップS33)、次のパスに移るために、教示点を示す変
数iを1インクリメントする(ステップS34)。iが
最終教示点pn(本実施例では最終教示点p10)を越え
る場合には、iを最初の教示点p0に戻す(ステップS
35)。
【0030】このようにして、塗装ガン9先端を軌道に
沿って移動させている間に、もし、上述した変数feed_b
ack_start(動作データの記憶装置2cへの記憶開始を
指示する変数)がONになると、変数recのチェックを
行う。変数recがONの場合は、記憶操作が既に開始さ
れ、再生一回分の動作データが取り込まれているので、
recおよびfeed_back_startをOFFとする(ステップS
37)。一方、変数recがOFFの場合は、記憶操作を
開始すると共に、変数recをONにする。
【0031】次に、2つの教示点間の移動方法を決定す
るために、変数kにi+1をセットする(ステップS3
9)。kが最終教示点の番号(本実施例では10)より
大きい場合には、塗装ガン9先端を第1教示点に移動さ
せるため、kの値として0をセットする(ステップS4
0)。これにより、一回分の再生動作が終了すると、マ
ニピュレータ1は同じ動作を初めから繰り返す。通常、
塗装ロボットの場合、一定区間において塗装ガン9先端
の等速度移動が保証されるように、再生データは時間の
1次以上の多項式で表される。ここで、教示点piと教
示点pk+1との間の軌道算出に必要な多項式の係数を算
出する(ステップS41)。
【0032】各サンプリング時間毎に、前記の多項式の
係数を用い、時間を無次元化したj,Nの値をもとに、
このサンプリング時間における塗装ガン9先端の目標位
置,マニピュレータ1の姿勢xr,Trを算出する(ス
テップS42)。また、目標データとフィードバック値
をもとにモータ制御量を求める(ステップS43)。変
数recがONの場合には、動作データを読み込み、記憶
手段に記憶する(ステップS44)。その後、ステップ
S42で求めた制御量をモータへ出力し(ステップS4
5)、変数timer_countを1インクリメントして(ステ
ップS46)、処理を終了する。
【0033】次に、図17および図18を参照して、異
常が発生した場合に、該異常状態を記憶装置2cに記憶
する処理手順を示す。再生モードが選択されると、ま
ず、変数および定数の初期化を行う(ステップS4
7)。オペレータが再生モード終了の指示を入力するま
で、以下に示すステップS48〜S54の動作を繰り返
し行う。
【0034】まず、オペレータが選択した教示データと
動作データを、記憶装置2cから読み出す(ステップS
48)。次に、オペレータが動作停止の指示を入力する
まで、再生動作を繰り返し行う。再生動作を行っている
間は、サンプリングタイム(5ms)毎に動作継続時間
(変数timer_count)を更新していき、該timer_countが
所定の時間(本実施例では5時間とする)を越えると、
変数feed_back_startをONにする(ステップS4
9)。
【0035】変数feed_back_startをONにすることに
よって、動作データ(角度指令値,角度フィードバック
値,角速度,モータトルク指令値等)のサンプリングが
行われる。故に、変数feed_back_startがONの間は、
このままマニピュレータ1は再生動作を続ける(ステッ
プS50)。動作データのサンプリングが終了し、変数
feed_back_startがOFFになると、先に述べた第1な
いし第3の異常検出方法(図9,図11,図13)のい
ずれかを用いて、試運転時の動作データと先ほどサンプ
リングした再生時の動作データとを比較し、異常が検出
された場合には、TP・3の表示部にメッセージを表示
し(ステップS52)、異常の状態を記憶装置2cに書
き込む(ステップS53)。この後、変数timer_count
を0にクリアし(ステップS54)、処理を終了する。
【0036】次に、図19を参照して、各サンプリング
タイム毎にリアルタイムで異常チェックを行う場合の演
算手順を説明する。まず、図15に示したステップS3
1と同様の手順で、位置フィードバックデータを読み込
む(ステップS56)。次に、各サンプリングタイム毎
の軌道計算用カウンタjを1インクリメントする(ステ
ップS57)。この値がNを越えたとき、すなわち教示
点piの上に来たときには、jの値を0にし(ステップ
S58)、教示点piを示す変数iを1インクリメント
する(ステップS59)。iが最終教示点pnの番号
(本実施例ではn=10:図7参照)を越える場合に
は、iを0に初期化し、第1教示点に戻る(ステップS
60)。
【0037】次に、移動目標となる教示点pkを示す変
数kにi+1を代入する(ステップS61)。kが最終
教示点pn(本実施例ではn=10)を越える場合に
は、再び同じ軌道に沿った再生処理を行わせるために、
kに0を代入し、塗装ガン9先端の目的位置を第1教示
点p0とする(ステップS62)。変数iおよびkが決
定されたので、塗装ガン9先端が2つの教示点(pi,
pk)を結ぶパスを移動するように、移動多項式の係数
を決定する(ステップS63)。
【0038】次に、各サンプリングタイムにおける塗装
ガン9先端の目標位置およびマニピュレータ1の姿勢を
決定する(ステップS64)。そして、該目標位置,フ
ィードバック位置を基に制御量を算出し、該制御量をモ
ータドライバへ供給する(ステップS65)。次に、先
に述べた第1ないし第3の異常検出方法(図9,図1
1,図13)のいずれかを用いて、試運転時の動作デー
タと現在の再生時の動作データとの比較を行う(ステッ
プS66)。異常が検出された場合には、異常発生の内
容をオペレータに知らせるために、TP・3の表示部に
メッセージを表示し、(ステップS67)、処理を終了
する。
【0039】次に、図20に、トルクを用いることによ
って、異常の状態を分けて判断する方法を示す。ここで
は、1回再生時のトルクの実行値を比較する。まず、a
x軸の教示始点から終点までのトルクの実効値τfrms
(ax)を算出する(ステップS70)。この後、τfr
ms(ax)が初回の実効値τrrms(ax)に所定のオフ
セットε(ax)を加えた値より大きい場合は異常ケー
ス1とする(ステップS71)。
【0040】一方、τfrms(ax)が、初回の実効値τ
rrms(ax)に所定のオフセットε(ax)を引いた値
より小さい場合は、一回前の実効値τf'rmsとも比較す
る(ステップS72)。両者の差の絶対値が所定の値よ
り大きい場合には、伝達機構の連結不良などが予想され
る異常ケース3とする(ステップS73)。そうでない
場合は、伝達部の慣れとして、初回のトルクτrrms(a
x)にこの値を代入する(ステップS74)。上述した
2つのケース(τfrms(ax)>τrrms(ax)+ε
(ax)およびτfrms(ax)<τrrms(ax)−ε
(ax))以外の場合には、異常はないものとし、異常
ケース0とする(ステップS75)。
【0041】全軸とも異常ケース1の場合には、各軸の
抵抗の状態を示すパラメータResist(ax)にτfrms
(ax)/τrrms(ax)を代入する(ステップS7
6)。各軸のパラメータResist(ax)が、予め定めら
れた値(例えば1.5)より小さい場合には、運転開始
当初等においてマニピュレータ1の関節部分の温度が比
較的低い状態が考えられ、異常ケース2(ステップS7
7)と判定する。
【0042】上記の各異常ケースに対応するメッセージ
の一例を図21に示す。異常ケース1の場合は、関節部
分にケーブルが挟まっていることなどが予想され、例え
ば第5軸が異常である場合には、図21(a)に示す表
示を行う。異常ケース2の場合には、運転初期である場
合が当てはまり、マニピュレータ1本体には異常はない
が、運転状態が適当でないと考えられ、図21(b)に
示す表示を行う。異常ケース3の場合には、伝達機構の
連結不良が予想されるので、図21(c)に示すメッセ
ージを表示する。
【0043】以上、この発明の実施例を図面を参照して
詳述してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られる
ものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計
の変更等があってもこの発明に含まれる。例えば、上述
した各実施例においては、モータトルク指令値τを例に
とって、該モータトルク指令値τの試運転時と再生時と
の差Δからマニピュレータ1の異常を検出したが、同様
の手順を用いて、他の動作データ(角度指令値,角度フ
ィードバック値,角速度等)の試運転時と再生時との差
からマニピュレータ1の異常を検出することも当然考え
られる。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、特別な異常検出用センサを設けることなく、ロボッ
ト本体の異常を早期に発見できるので、ロボットの破
損,障害物との衝突等の事故を早期に発見できる。その
結果、危険な重大事故を未然に防ぐことができ、作業の
安全性が向上する。また、ロボットの老朽化,回転部品
の摩耗等を、モータへのトルク指令を検出することによ
って発見できるので、メンテナンスの必要性を早期に判
断することができる。その結果、作業品質の低下,不良
の発生を防ぐことができ、生産性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例によるロボットの制御装置
を適用した塗装ロボットシステムの構成を示す説明図で
ある。
【図2】同実施例による制御装置2の接続を示す接続図
である。
【図3】同実施例によるマニピュレータ1の数学モデ
ル,ロボットベース座標系および教示データを示す説明
図である。
【図4】マニピュレータ1の第1軸の(a)角度,
(b)角速度および(c)トルクの変化を示すグラフで
ある。
【図5】マニピュレータ1の第1軸の異常時における
(a)フィードバックトルク,(b)角速度フィードバ
ックおよび(c)トルクの変化を示すグラフである。
【図6】この発明の一実施例によるオペレータの操作に
対する制御装置2の処理手順を示すPAD図である。
【図7】塗装ガン9先端が移動する軌道の例を示す説明
図である。
【図8】この発明の一実施例による制御装置2の教示デ
ータの再生処理の手順を示すPAD図である。
【図9】同実施例による制御装置2の第1の異常検出手
順を示すPAD図である。
【図10】同異常検出手順による異常検出時の警告メッ
セージ例を示す説明図である。
【図11】この発明の一実施例による制御装置2の第2
の異常検出手順を示すPAD図である。
【図12】同異常検出手順による異常検出時の警告メッ
セージ例を示す説明図である。
【図13】この発明の一実施例による制御装置2の第3
の異常検出手順を示すPAD図である。
【図14】同異常検出手順による異常検出時の警告メッ
セージ例を示す説明図である。
【図15】この発明の一実施例による制御装置2のサン
プリングタイム毎における処理手順を示すPAD図(そ
の1)である。
【図16】同実施例による制御装置2のサンプリングタ
イム毎における処理手順を示すPAD図(その2)であ
る。
【図17】同実施例による制御装置2の異常時における
処理手順を示すPAD図(その1)である。
【図18】同実施例による制御装置2の異常時における
処理手順を示すPAD図(その2)である。
【図19】同実施例による制御装置2がリアルタイムで
異常検出を行う場合の処理手順を示すPAD図である。
【図20】同実施例による制御装置2がトルク値を用い
て異常状態を判断する場合の異常検出の処理手順を示す
PAD図である。
【図21】同異常検出手順による異常検出時の警告メッ
セージ例を示す説明図である。
【符号の説明】
1……マニピュレータ、 2……制御装置、 3……入
出力装置(TP)、4……固定ベース、 5……回転ベ
ース、 6……第1アーム、7……第2アーム、 9…
…塗装ガン

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 教示再生型ロボットの制御装置におい
    て、 前記ロボットの第1の運転時における各種の動作データ
    を記憶する記憶手段と、 前記記憶手段に記憶された第1の運転時の動作データ
    と、前記第1の運転時以降の第2の運転時における前記
    ロボットの動作データとを比較する比較手段と、 前記2つの動作データの差が所定値以上である場合に
    は、オペレータに異常の発生を知らせる報知手段とを具
    備することを特徴とするロボットの制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のロボットの制御装置にお
    いて、 前記動作データは、前記ロボットの関節を構成するモー
    タの角度フィードバック値,角速度フィードバック値お
    よびトルク指令値のうちの1つまたは複数値の組み合わ
    せであることを特徴とするロボットの制御装置。
JP13076195A 1995-05-29 1995-05-29 ロボットの制御装置 Withdrawn JPH08323666A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1927440A1 (en) * 2006-11-30 2008-06-04 Abb Research Ltd. Method and device for monitoring the condition of an industrial robot

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1927440A1 (en) * 2006-11-30 2008-06-04 Abb Research Ltd. Method and device for monitoring the condition of an industrial robot

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