JPH0832348A - Scカットの水晶振動子を用いた発振器 - Google Patents

Scカットの水晶振動子を用いた発振器

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JPH0832348A
JPH0832348A JP18895594A JP18895594A JPH0832348A JP H0832348 A JPH0832348 A JP H0832348A JP 18895594 A JP18895594 A JP 18895594A JP 18895594 A JP18895594 A JP 18895594A JP H0832348 A JPH0832348 A JP H0832348A
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JP
Japan
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oscillator
frequency
crystal
temperature
cut
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JP18895594A
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English (en)
Inventor
Mitsuaki Koyama
山 光 明 小
Takashi Uchida
田 剛 史 内
Mikio Saito
藤 三 樹 夫 斉
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Nihon Dempa Kogyo Co Ltd
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Nihon Dempa Kogyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 [目的] 発振周波数の揺らぎの発生を防止し、それに
よって極めて安定な周波数精度のSCカットの水晶振動
子を用いた発振器を実現する。 [構成] 第1の発明は、SCカットの水晶振動子2お
よび発振回路3を恒温槽1に収納するとともに、この恒
温槽内に発振回路に供給する電源電圧を安定化する電圧
安定化素子5を配設したことを特徴とし、第2の発明は
第1の発明において恒温槽は水晶振動子の周波数温度特
性の変極点温度に温度制御することを特徴とするもので
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、SCカットの水晶振動
子を用いて良好な周波数精度を得ることのできる水晶発
振器に係わり、特に周波数の揺らぎの改善に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、種々の電子機器では周波数、時間
等の基準として圧電振動子が多用されている。特に圧電
体として水晶を用いた水晶振動子は、電気的な特性も良
好で高性能な割に価格も安価であり、多くの電子機器に
用いられている。このような発振器で高安定度を必要と
する用途としては、携帯電話の基地局に用いる通信機
器、人工衛星を利用する通信機器、高精度の計測装置等
がある。このような水晶発振器では、常温よりも高い7
0℃〜80℃程度の一定温度に加熱制御した恒温槽に発
振回路とともに水晶振動子を収納した高安定度の水晶発
振器が用いられている。
【0003】従来、このような恒温槽を用いた水晶発振
器では、25℃付近に変極点を有する3次曲線状の周波
数温度特性を有するATカットの水晶振動子を用いるよ
うにしていた。一方近時、応力感度、熱衝撃特性、位相
雑音特性等について優れた性能を有するSCカットの水
晶振動子が注目されている。SCカットの水晶振動子は
3次曲線状の周波数温度特性であり、変極点の温度は7
0℃〜80℃である。このため、恒温槽に水晶発振器を
収納して恒温槽の設定温度を、上記水晶振動子の変極点
温度に一致させることによって極めて安定な周波数温度
特性を得ることができる。
【0004】ところで、このようなSCカットの水晶振
動子を恒温槽に収納した水晶発振器は、極めて良好な周
波数温度特性を有し、たとえば1×10-9〜1×10-8
程度の性能を得ることができる。しかしながら、このよ
うな周波数精度の高い水晶発振器も、厳密には周波数の
揺らぎのために周波数精度が低下する問題がある。図5
はA、B、C3台の発振器について雰囲気温度を−10
℃から+60℃にわたって変化させたときの周波数の変
化を示すグラフである。3台の発振器のうちCの発振器
では、概略5×10-10程度の揺らぎを発生している。
この発振周波数の揺らぎは極めて小さなものであり、現
状の携帯電話の基地局、衛星通信機器等に用いる発振器
の周波数精度としては直ちに問題となるほどの大きさで
はない。
【0005】しかしながら電波の有効利用の観点から
は、当然に正確な周波数を求められる傾向にあり、本質
的には高い周波数精度で安定な発振周波数の発振器が望
ましいことは勿論であり、揺らぎのない安定な発振出力
が望まれる。このような周波数の揺らぎを生じる原因と
しては、水晶振動子の副共振に起因する共振周波数のジ
ャンプ、恒温槽の温度の変動による水晶振動子の共振周
波数の変動、発振回路の電源電圧の変動によって水晶電
流が変化することによる発振周波数の変動等が考えられ
る。
【0006】発明者らは、発振周波数の揺らぎを発生す
る原因を究明するために3個のSCカットの水晶振動子
D、E、Fと、3個の恒温槽G、H、J及び3個の発振
回路K、L、Mを用意し、これらの9通りの組み合わせ
について揺らぎの大きさを測定した。なお使用したSC
カットの水晶振動子は次の通りである。 周波数: 5MHz(3次オーバトーン) 保持器: HC−36/U型 恒温槽温度: 76℃
【0007】この測定の結果は、次の表1に示す通りで
ある。 この結果から明らかなように、特定の発振回路Jにおい
て比較的大きな揺らぎを発生することが確認された。
【0008】次に水晶振動子の副共振によるジャンプの
存在は、その周波数温度特性を測定することによって容
易に判定できる。したがって上記水晶振動子A、B、C
について水晶振動子を流れる水晶電流を0.5mA±
0.01mAとして周波数温度特性を測定した。なお、
この測定では外部の−10℃〜+60℃の温度変化に対
して恒温槽の温度変化は76℃±2℃であったため、余
裕をみて76℃±4℃の範囲における温度周波数特性を
測定した。この測定の結果は図6に示す通りであり、周
波数のジャンプ、揺らぎは認められなかった。
【0009】次に水晶振動子の副振動の周波数温度特性
を利用して、恒温槽の温度の変動を測定した。この測定
のためには、温度の変化に対する周波数の変化の大きい
副振動であるBモードの共振を用いた。なお測定時の水
晶電流は0.5mA±0.01mAとした。一般にSC
カットの水晶振動子のBモードの副振動の周波数温度特
性は、温度の上昇とともに直線的に低下する。この測定
の結果は図7に示す通りであり、Bモードの周波数温度
特性は−33.4ppm/℃であった。この副振動の周
波数温度特性から、恒温槽の周囲温度を22.0℃〜2
4.0℃まで変化させたときの恒温槽内の温度変化を次
式により計算した。 T=(dF/Fr)/dT ただし T ;恒温槽内の温度(℃) dF ;水晶振動子の直列共振周波数Frからの周波数
偏差(Hz) dT ;副共振の周波数温度特性 Fr ;水晶振動子の直列共振周波数(Hz) したがって、図8に示すグラフからdF=14.1(H
z)、Fr=5.46(Hz)、dT=−33.4pp
m/℃であり、恒温槽の周囲温度の2℃の変化に対して
恒温槽内では約0.008℃の温度変化を生じたに過ぎ
ない。したがって恒温槽内の温度変化が周波数の揺らぎ
の原因とは考えられない。
【0010】次に発振回路の電源電圧の変動によって水
晶電流が変化することによる周波数の揺らぎについて測
定した。先ず水晶電流及び発振周波数の変化を連続して
5時間測定した。水晶電流の測定には0.001mA以
上の分解能を有する電流プローブを用いた。図9に水晶
電流の変化、図10に発振周波数の変化を示す。この測
定結果によれば、水晶電流の時間的な変化に対して発振
周波数の変化は極めて近似している。また水晶電流の変
化の少ない発振回路G、Hに比べて水晶電流の変化の大
きい発振回路Jは、大きな周波数の揺らぎを生じてお
り、かつその変化の傾向も水晶電流のそれに全く一致し
ている。したがって、水晶電流の変動が原因となって発
振周波数の揺らぎを発生していると推定することができ
る。
【0011】ところで、SCカットの水晶振動子の水晶
電流と発振周波数との関係は、次のようになる。すなわ
ち、SCカットの水晶振動子の主振動は厚み滑り振動モ
ードであり、この周波数電流特性は次式で与えられる。 dF/Fo=D×I2 ただし Fo ;水晶電流が0の近傍における発振周波
数 dF ;Foからの周波数のずれ I ;水晶電流 D ;水晶片の形状及びオーバトーンの次数により決
まる定数
【0012】そこで上記SCカットの水晶振動子の周波
数電流特性を実際に測定した。この測定では水晶振動子
を恒温槽と同じ温度に置き、0.1mA〜1mAの範囲
で水晶電流を変化させて周波数の変化を測定した。この
測定結果を図11に示す。この図11の横軸は水晶電流
の二乗の対数値(LogI2)、縦軸は周波数偏差であ
る。この測定結果から明らかなように、水晶電流の増加
とともに発振周波数も高くなり、その変化量は近似的に
次式で与えられる。 dF/Fo=19.97×I2+2.94 この式から計算すると、水晶電流Iの0.5mA±0.
02mAの変化によって発振周波数は±5×10-10
化する。図12は、発振器Cの水晶電流と発振周波数の
変化の関係を示すグラフである。そして、このような発
振周波数の変化によって揺らぎを発生することになり、
この計算結果は、実際に測定を行って得た測定値とも合
致している。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の事情に
鑑みてなされたもので、発振周波数の揺らぎの発生を防
止し、それによって極めて高い周波数精度及び高安定度
を実現することができるSCカットの水晶振動子を用い
た発振器を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の発明は、
SCカットの水晶振動子及び発振回路を恒温槽に収納す
るとともに、この恒温槽内に発振回路に供給する電源電
圧を安定化する電圧安定化素子を配設したことを特徴と
するSCカットの水晶振動子を用いた発振器であり、第
2の発明は第1の発明において恒温槽は水晶振動子の周
波数温度特性の変極点温度に温度制御することを特徴と
するSCカットの水晶振動子を用いた発振器である。
【0015】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1に示すブロッ
ク図を参照して詳細に説明する。図中1は恒温槽で、内
部にSCカットの水晶振動子2及びこの水晶振動子2を
接続した発振回路3を収納している。この恒温槽1は、
概略、上記水晶振動子2の変極点の温度である70℃〜
80℃に制御するようにしている。このような恒温槽1
としては、たとえば温度検出素子として温度に応じて抵
抗値が変化するサーミスタを用い、このサーミスタの抵
抗値を一定の抵抗値とするように加熱ヒータの通電電流
を制御する温度制御回路4により、常温よりも高い、た
とえば80℃程度の一定温度に温度制御するものが知ら
れている。そして5は上記発振回路3に供給する電源電
圧を安定化する電圧安定化素子で、たとえば3端子のレ
ギュレータである。この電圧安定化素子5も、上記恒温
槽1内に配置して一定温度の雰囲気に置き、電源電圧の
一層の安定化を図るようにしている。
【0016】このような構成であれば、電圧安定化素子
5を恒温槽1内に配設するようにしているので外部の温
度変化の影響を受けることなく一定温度の環境を維持す
ることができる。したがって電圧安定化素子5の出力電
圧は高精度に定電圧を維持することができ、それによっ
て水晶振動子2を流れる水晶電流も一定電流になる。し
たがって水晶電流の変化による発振周波数の変動を生じ
ることがなく、いわゆる発振周波数の揺らぎの発生を防
止することができる。
【0017】図2はSCカットの水晶振動子及びその発
振回路とともに電圧安定化素子を恒温槽内に配設した3
個の発振器N、O、Pの水晶電流の変化を連続して5時
間測定したグラフである。また図3は発振器N、O、P
の発振周波数の変化を、同様に連続して5時間測定した
グラフである。またず4は発振器N、O、Pの雰囲気温
度を−10℃〜60℃まで変化したときの発振周波数の
変化を示すグラフである。なお、これらの測定では恒温
槽をSCカットの水晶振動子の変極点温度である70℃
〜80℃に温度制御するようにしている。これらのグラ
フからも明らかなように、電圧安定化素子を恒温槽内に
配設することにより、水晶電流の変動も少なく、それに
よって発振周波数の揺らぎもなく、何れの発振器の発振
周波数の変動も±1.0×10-9程度であり、極めて高
い周波数精度及び安定度を得られる。
【0018】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、発
振周波数の揺らぎの発生を防止し、それによって極めて
高い周波数精度及び高安定度を実現することができるS
Cカットの水晶振動子を提供することができる。
【0019】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の水晶発振器のブロック図で
ある。
【図2】図1に示す発振器の水晶電流の変化を連続して
5時間測定したグラフである。
【図3】図1に示す発振器の発振周波数の変化を連続し
て5時間測定したグラフである。
【図4】図1に示す発振器の雰囲気温度の−10℃〜6
0℃の変化に対する発振周波数の変化を示すグラフであ
る。
【図5】従来のSCカットの水晶振動子を恒温槽に収納
した水晶発振器の雰囲気温度を−10℃〜60℃まで変
化させたときの発振周波数の変化を示すグラフである。
【図6】恒温槽内の温度変化に対する発振周波数の変化
を示すグラフである。
【図7】SCカットの水晶振動子の温度変化に対するB
モードの副共振周波数の変化を示すグラフである。
【図8】Bモードの共振周波数の変化から計算した恒温
槽内の温度変化である。
【図9】水晶電流の変化を示すグラフである。
【図10】発振周波数の変化を示すグラフである。
【図11】水晶電流と発振周波数の変化の関係を示すグ
ラフである。
【図12】発振器Cの水晶電流と発振周波数の関係を示
すグラフである。
【符号の説明】
1 恒温槽 2 SCカット水晶振動子 3 発振回路 4 温度制御回路 5 電圧安定化素子

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】SCカットの水晶振動子と、 この水晶振動子を収納した恒温槽と、 この恒温槽内に収納し上記水晶振動子を接続した発振回
    路と、 上記恒温槽内に収納した上記発振回路に供給する電源電
    圧を安定化する電圧安定化素子と、 を具備することを特徴とするSCカットの水晶振動子を
    用いた発振器。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のものにおいて、恒温槽は
    水晶振動子の周波数温度特性の変極点温度に温度制御す
    ることを特徴とするSCカットの水晶振動子を用いた発
    振器。
JP18895594A 1994-07-18 1994-07-18 Scカットの水晶振動子を用いた発振器 Pending JPH0832348A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100920398B1 (ko) * 2007-10-31 2009-10-07 (주)파트론 항온조 수정 발진기
JP2010200051A (ja) * 2009-02-25 2010-09-09 Furuno Electric Co Ltd 基準周波数発生器
WO2015199068A1 (ja) * 2014-06-25 2015-12-30 日本電波工業株式会社 発振装置
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