JPH0832348A - Scカットの水晶振動子を用いた発振器 - Google Patents
Scカットの水晶振動子を用いた発振器Info
- Publication number
- JPH0832348A JPH0832348A JP18895594A JP18895594A JPH0832348A JP H0832348 A JPH0832348 A JP H0832348A JP 18895594 A JP18895594 A JP 18895594A JP 18895594 A JP18895594 A JP 18895594A JP H0832348 A JPH0832348 A JP H0832348A
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- Japan
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- oscillator
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- crystal
- temperature
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Abstract
(57)【要約】
[目的] 発振周波数の揺らぎの発生を防止し、それに
よって極めて安定な周波数精度のSCカットの水晶振動
子を用いた発振器を実現する。 [構成] 第1の発明は、SCカットの水晶振動子2お
よび発振回路3を恒温槽1に収納するとともに、この恒
温槽内に発振回路に供給する電源電圧を安定化する電圧
安定化素子5を配設したことを特徴とし、第2の発明は
第1の発明において恒温槽は水晶振動子の周波数温度特
性の変極点温度に温度制御することを特徴とするもので
ある。
よって極めて安定な周波数精度のSCカットの水晶振動
子を用いた発振器を実現する。 [構成] 第1の発明は、SCカットの水晶振動子2お
よび発振回路3を恒温槽1に収納するとともに、この恒
温槽内に発振回路に供給する電源電圧を安定化する電圧
安定化素子5を配設したことを特徴とし、第2の発明は
第1の発明において恒温槽は水晶振動子の周波数温度特
性の変極点温度に温度制御することを特徴とするもので
ある。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、SCカットの水晶振動
子を用いて良好な周波数精度を得ることのできる水晶発
振器に係わり、特に周波数の揺らぎの改善に関する。
子を用いて良好な周波数精度を得ることのできる水晶発
振器に係わり、特に周波数の揺らぎの改善に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、種々の電子機器では周波数、時間
等の基準として圧電振動子が多用されている。特に圧電
体として水晶を用いた水晶振動子は、電気的な特性も良
好で高性能な割に価格も安価であり、多くの電子機器に
用いられている。このような発振器で高安定度を必要と
する用途としては、携帯電話の基地局に用いる通信機
器、人工衛星を利用する通信機器、高精度の計測装置等
がある。このような水晶発振器では、常温よりも高い7
0℃〜80℃程度の一定温度に加熱制御した恒温槽に発
振回路とともに水晶振動子を収納した高安定度の水晶発
振器が用いられている。
等の基準として圧電振動子が多用されている。特に圧電
体として水晶を用いた水晶振動子は、電気的な特性も良
好で高性能な割に価格も安価であり、多くの電子機器に
用いられている。このような発振器で高安定度を必要と
する用途としては、携帯電話の基地局に用いる通信機
器、人工衛星を利用する通信機器、高精度の計測装置等
がある。このような水晶発振器では、常温よりも高い7
0℃〜80℃程度の一定温度に加熱制御した恒温槽に発
振回路とともに水晶振動子を収納した高安定度の水晶発
振器が用いられている。
【0003】従来、このような恒温槽を用いた水晶発振
器では、25℃付近に変極点を有する3次曲線状の周波
数温度特性を有するATカットの水晶振動子を用いるよ
うにしていた。一方近時、応力感度、熱衝撃特性、位相
雑音特性等について優れた性能を有するSCカットの水
晶振動子が注目されている。SCカットの水晶振動子は
3次曲線状の周波数温度特性であり、変極点の温度は7
0℃〜80℃である。このため、恒温槽に水晶発振器を
収納して恒温槽の設定温度を、上記水晶振動子の変極点
温度に一致させることによって極めて安定な周波数温度
特性を得ることができる。
器では、25℃付近に変極点を有する3次曲線状の周波
数温度特性を有するATカットの水晶振動子を用いるよ
うにしていた。一方近時、応力感度、熱衝撃特性、位相
雑音特性等について優れた性能を有するSCカットの水
晶振動子が注目されている。SCカットの水晶振動子は
3次曲線状の周波数温度特性であり、変極点の温度は7
0℃〜80℃である。このため、恒温槽に水晶発振器を
収納して恒温槽の設定温度を、上記水晶振動子の変極点
温度に一致させることによって極めて安定な周波数温度
特性を得ることができる。
【0004】ところで、このようなSCカットの水晶振
動子を恒温槽に収納した水晶発振器は、極めて良好な周
波数温度特性を有し、たとえば1×10-9〜1×10-8
程度の性能を得ることができる。しかしながら、このよ
うな周波数精度の高い水晶発振器も、厳密には周波数の
揺らぎのために周波数精度が低下する問題がある。図5
はA、B、C3台の発振器について雰囲気温度を−10
℃から+60℃にわたって変化させたときの周波数の変
化を示すグラフである。3台の発振器のうちCの発振器
では、概略5×10-10程度の揺らぎを発生している。
この発振周波数の揺らぎは極めて小さなものであり、現
状の携帯電話の基地局、衛星通信機器等に用いる発振器
の周波数精度としては直ちに問題となるほどの大きさで
はない。
動子を恒温槽に収納した水晶発振器は、極めて良好な周
波数温度特性を有し、たとえば1×10-9〜1×10-8
程度の性能を得ることができる。しかしながら、このよ
うな周波数精度の高い水晶発振器も、厳密には周波数の
揺らぎのために周波数精度が低下する問題がある。図5
はA、B、C3台の発振器について雰囲気温度を−10
℃から+60℃にわたって変化させたときの周波数の変
化を示すグラフである。3台の発振器のうちCの発振器
では、概略5×10-10程度の揺らぎを発生している。
この発振周波数の揺らぎは極めて小さなものであり、現
状の携帯電話の基地局、衛星通信機器等に用いる発振器
の周波数精度としては直ちに問題となるほどの大きさで
はない。
【0005】しかしながら電波の有効利用の観点から
は、当然に正確な周波数を求められる傾向にあり、本質
的には高い周波数精度で安定な発振周波数の発振器が望
ましいことは勿論であり、揺らぎのない安定な発振出力
が望まれる。このような周波数の揺らぎを生じる原因と
しては、水晶振動子の副共振に起因する共振周波数のジ
ャンプ、恒温槽の温度の変動による水晶振動子の共振周
波数の変動、発振回路の電源電圧の変動によって水晶電
流が変化することによる発振周波数の変動等が考えられ
る。
は、当然に正確な周波数を求められる傾向にあり、本質
的には高い周波数精度で安定な発振周波数の発振器が望
ましいことは勿論であり、揺らぎのない安定な発振出力
が望まれる。このような周波数の揺らぎを生じる原因と
しては、水晶振動子の副共振に起因する共振周波数のジ
ャンプ、恒温槽の温度の変動による水晶振動子の共振周
波数の変動、発振回路の電源電圧の変動によって水晶電
流が変化することによる発振周波数の変動等が考えられ
る。
【0006】発明者らは、発振周波数の揺らぎを発生す
る原因を究明するために3個のSCカットの水晶振動子
D、E、Fと、3個の恒温槽G、H、J及び3個の発振
回路K、L、Mを用意し、これらの9通りの組み合わせ
について揺らぎの大きさを測定した。なお使用したSC
カットの水晶振動子は次の通りである。 周波数: 5MHz(3次オーバトーン) 保持器: HC−36/U型 恒温槽温度: 76℃
る原因を究明するために3個のSCカットの水晶振動子
D、E、Fと、3個の恒温槽G、H、J及び3個の発振
回路K、L、Mを用意し、これらの9通りの組み合わせ
について揺らぎの大きさを測定した。なお使用したSC
カットの水晶振動子は次の通りである。 周波数: 5MHz(3次オーバトーン) 保持器: HC−36/U型 恒温槽温度: 76℃
【0007】この測定の結果は、次の表1に示す通りで
ある。 この結果から明らかなように、特定の発振回路Jにおい
て比較的大きな揺らぎを発生することが確認された。
ある。 この結果から明らかなように、特定の発振回路Jにおい
て比較的大きな揺らぎを発生することが確認された。
【0008】次に水晶振動子の副共振によるジャンプの
存在は、その周波数温度特性を測定することによって容
易に判定できる。したがって上記水晶振動子A、B、C
について水晶振動子を流れる水晶電流を0.5mA±
0.01mAとして周波数温度特性を測定した。なお、
この測定では外部の−10℃〜+60℃の温度変化に対
して恒温槽の温度変化は76℃±2℃であったため、余
裕をみて76℃±4℃の範囲における温度周波数特性を
測定した。この測定の結果は図6に示す通りであり、周
波数のジャンプ、揺らぎは認められなかった。
存在は、その周波数温度特性を測定することによって容
易に判定できる。したがって上記水晶振動子A、B、C
について水晶振動子を流れる水晶電流を0.5mA±
0.01mAとして周波数温度特性を測定した。なお、
この測定では外部の−10℃〜+60℃の温度変化に対
して恒温槽の温度変化は76℃±2℃であったため、余
裕をみて76℃±4℃の範囲における温度周波数特性を
測定した。この測定の結果は図6に示す通りであり、周
波数のジャンプ、揺らぎは認められなかった。
【0009】次に水晶振動子の副振動の周波数温度特性
を利用して、恒温槽の温度の変動を測定した。この測定
のためには、温度の変化に対する周波数の変化の大きい
副振動であるBモードの共振を用いた。なお測定時の水
晶電流は0.5mA±0.01mAとした。一般にSC
カットの水晶振動子のBモードの副振動の周波数温度特
性は、温度の上昇とともに直線的に低下する。この測定
の結果は図7に示す通りであり、Bモードの周波数温度
特性は−33.4ppm/℃であった。この副振動の周
波数温度特性から、恒温槽の周囲温度を22.0℃〜2
4.0℃まで変化させたときの恒温槽内の温度変化を次
式により計算した。 T=(dF/Fr)/dT ただし T ;恒温槽内の温度(℃) dF ;水晶振動子の直列共振周波数Frからの周波数
偏差(Hz) dT ;副共振の周波数温度特性 Fr ;水晶振動子の直列共振周波数(Hz) したがって、図8に示すグラフからdF=14.1(H
z)、Fr=5.46(Hz)、dT=−33.4pp
m/℃であり、恒温槽の周囲温度の2℃の変化に対して
恒温槽内では約0.008℃の温度変化を生じたに過ぎ
ない。したがって恒温槽内の温度変化が周波数の揺らぎ
の原因とは考えられない。
を利用して、恒温槽の温度の変動を測定した。この測定
のためには、温度の変化に対する周波数の変化の大きい
副振動であるBモードの共振を用いた。なお測定時の水
晶電流は0.5mA±0.01mAとした。一般にSC
カットの水晶振動子のBモードの副振動の周波数温度特
性は、温度の上昇とともに直線的に低下する。この測定
の結果は図7に示す通りであり、Bモードの周波数温度
特性は−33.4ppm/℃であった。この副振動の周
波数温度特性から、恒温槽の周囲温度を22.0℃〜2
4.0℃まで変化させたときの恒温槽内の温度変化を次
式により計算した。 T=(dF/Fr)/dT ただし T ;恒温槽内の温度(℃) dF ;水晶振動子の直列共振周波数Frからの周波数
偏差(Hz) dT ;副共振の周波数温度特性 Fr ;水晶振動子の直列共振周波数(Hz) したがって、図8に示すグラフからdF=14.1(H
z)、Fr=5.46(Hz)、dT=−33.4pp
m/℃であり、恒温槽の周囲温度の2℃の変化に対して
恒温槽内では約0.008℃の温度変化を生じたに過ぎ
ない。したがって恒温槽内の温度変化が周波数の揺らぎ
の原因とは考えられない。
【0010】次に発振回路の電源電圧の変動によって水
晶電流が変化することによる周波数の揺らぎについて測
定した。先ず水晶電流及び発振周波数の変化を連続して
5時間測定した。水晶電流の測定には0.001mA以
上の分解能を有する電流プローブを用いた。図9に水晶
電流の変化、図10に発振周波数の変化を示す。この測
定結果によれば、水晶電流の時間的な変化に対して発振
周波数の変化は極めて近似している。また水晶電流の変
化の少ない発振回路G、Hに比べて水晶電流の変化の大
きい発振回路Jは、大きな周波数の揺らぎを生じてお
り、かつその変化の傾向も水晶電流のそれに全く一致し
ている。したがって、水晶電流の変動が原因となって発
振周波数の揺らぎを発生していると推定することができ
る。
晶電流が変化することによる周波数の揺らぎについて測
定した。先ず水晶電流及び発振周波数の変化を連続して
5時間測定した。水晶電流の測定には0.001mA以
上の分解能を有する電流プローブを用いた。図9に水晶
電流の変化、図10に発振周波数の変化を示す。この測
定結果によれば、水晶電流の時間的な変化に対して発振
周波数の変化は極めて近似している。また水晶電流の変
化の少ない発振回路G、Hに比べて水晶電流の変化の大
きい発振回路Jは、大きな周波数の揺らぎを生じてお
り、かつその変化の傾向も水晶電流のそれに全く一致し
ている。したがって、水晶電流の変動が原因となって発
振周波数の揺らぎを発生していると推定することができ
る。
【0011】ところで、SCカットの水晶振動子の水晶
電流と発振周波数との関係は、次のようになる。すなわ
ち、SCカットの水晶振動子の主振動は厚み滑り振動モ
ードであり、この周波数電流特性は次式で与えられる。 dF/Fo=D×I2 ただし Fo ;水晶電流が0の近傍における発振周波
数 dF ;Foからの周波数のずれ I ;水晶電流 D ;水晶片の形状及びオーバトーンの次数により決
まる定数
電流と発振周波数との関係は、次のようになる。すなわ
ち、SCカットの水晶振動子の主振動は厚み滑り振動モ
ードであり、この周波数電流特性は次式で与えられる。 dF/Fo=D×I2 ただし Fo ;水晶電流が0の近傍における発振周波
数 dF ;Foからの周波数のずれ I ;水晶電流 D ;水晶片の形状及びオーバトーンの次数により決
まる定数
【0012】そこで上記SCカットの水晶振動子の周波
数電流特性を実際に測定した。この測定では水晶振動子
を恒温槽と同じ温度に置き、0.1mA〜1mAの範囲
で水晶電流を変化させて周波数の変化を測定した。この
測定結果を図11に示す。この図11の横軸は水晶電流
の二乗の対数値(LogI2)、縦軸は周波数偏差であ
る。この測定結果から明らかなように、水晶電流の増加
とともに発振周波数も高くなり、その変化量は近似的に
次式で与えられる。 dF/Fo=19.97×I2+2.94 この式から計算すると、水晶電流Iの0.5mA±0.
02mAの変化によって発振周波数は±5×10-10変
化する。図12は、発振器Cの水晶電流と発振周波数の
変化の関係を示すグラフである。そして、このような発
振周波数の変化によって揺らぎを発生することになり、
この計算結果は、実際に測定を行って得た測定値とも合
致している。
数電流特性を実際に測定した。この測定では水晶振動子
を恒温槽と同じ温度に置き、0.1mA〜1mAの範囲
で水晶電流を変化させて周波数の変化を測定した。この
測定結果を図11に示す。この図11の横軸は水晶電流
の二乗の対数値(LogI2)、縦軸は周波数偏差であ
る。この測定結果から明らかなように、水晶電流の増加
とともに発振周波数も高くなり、その変化量は近似的に
次式で与えられる。 dF/Fo=19.97×I2+2.94 この式から計算すると、水晶電流Iの0.5mA±0.
02mAの変化によって発振周波数は±5×10-10変
化する。図12は、発振器Cの水晶電流と発振周波数の
変化の関係を示すグラフである。そして、このような発
振周波数の変化によって揺らぎを発生することになり、
この計算結果は、実際に測定を行って得た測定値とも合
致している。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の事情に
鑑みてなされたもので、発振周波数の揺らぎの発生を防
止し、それによって極めて高い周波数精度及び高安定度
を実現することができるSCカットの水晶振動子を用い
た発振器を提供することを目的とするものである。
鑑みてなされたもので、発振周波数の揺らぎの発生を防
止し、それによって極めて高い周波数精度及び高安定度
を実現することができるSCカットの水晶振動子を用い
た発振器を提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の発明は、
SCカットの水晶振動子及び発振回路を恒温槽に収納す
るとともに、この恒温槽内に発振回路に供給する電源電
圧を安定化する電圧安定化素子を配設したことを特徴と
するSCカットの水晶振動子を用いた発振器であり、第
2の発明は第1の発明において恒温槽は水晶振動子の周
波数温度特性の変極点温度に温度制御することを特徴と
するSCカットの水晶振動子を用いた発振器である。
SCカットの水晶振動子及び発振回路を恒温槽に収納す
るとともに、この恒温槽内に発振回路に供給する電源電
圧を安定化する電圧安定化素子を配設したことを特徴と
するSCカットの水晶振動子を用いた発振器であり、第
2の発明は第1の発明において恒温槽は水晶振動子の周
波数温度特性の変極点温度に温度制御することを特徴と
するSCカットの水晶振動子を用いた発振器である。
【0015】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図1に示すブロッ
ク図を参照して詳細に説明する。図中1は恒温槽で、内
部にSCカットの水晶振動子2及びこの水晶振動子2を
接続した発振回路3を収納している。この恒温槽1は、
概略、上記水晶振動子2の変極点の温度である70℃〜
80℃に制御するようにしている。このような恒温槽1
としては、たとえば温度検出素子として温度に応じて抵
抗値が変化するサーミスタを用い、このサーミスタの抵
抗値を一定の抵抗値とするように加熱ヒータの通電電流
を制御する温度制御回路4により、常温よりも高い、た
とえば80℃程度の一定温度に温度制御するものが知ら
れている。そして5は上記発振回路3に供給する電源電
圧を安定化する電圧安定化素子で、たとえば3端子のレ
ギュレータである。この電圧安定化素子5も、上記恒温
槽1内に配置して一定温度の雰囲気に置き、電源電圧の
一層の安定化を図るようにしている。
ク図を参照して詳細に説明する。図中1は恒温槽で、内
部にSCカットの水晶振動子2及びこの水晶振動子2を
接続した発振回路3を収納している。この恒温槽1は、
概略、上記水晶振動子2の変極点の温度である70℃〜
80℃に制御するようにしている。このような恒温槽1
としては、たとえば温度検出素子として温度に応じて抵
抗値が変化するサーミスタを用い、このサーミスタの抵
抗値を一定の抵抗値とするように加熱ヒータの通電電流
を制御する温度制御回路4により、常温よりも高い、た
とえば80℃程度の一定温度に温度制御するものが知ら
れている。そして5は上記発振回路3に供給する電源電
圧を安定化する電圧安定化素子で、たとえば3端子のレ
ギュレータである。この電圧安定化素子5も、上記恒温
槽1内に配置して一定温度の雰囲気に置き、電源電圧の
一層の安定化を図るようにしている。
【0016】このような構成であれば、電圧安定化素子
5を恒温槽1内に配設するようにしているので外部の温
度変化の影響を受けることなく一定温度の環境を維持す
ることができる。したがって電圧安定化素子5の出力電
圧は高精度に定電圧を維持することができ、それによっ
て水晶振動子2を流れる水晶電流も一定電流になる。し
たがって水晶電流の変化による発振周波数の変動を生じ
ることがなく、いわゆる発振周波数の揺らぎの発生を防
止することができる。
5を恒温槽1内に配設するようにしているので外部の温
度変化の影響を受けることなく一定温度の環境を維持す
ることができる。したがって電圧安定化素子5の出力電
圧は高精度に定電圧を維持することができ、それによっ
て水晶振動子2を流れる水晶電流も一定電流になる。し
たがって水晶電流の変化による発振周波数の変動を生じ
ることがなく、いわゆる発振周波数の揺らぎの発生を防
止することができる。
【0017】図2はSCカットの水晶振動子及びその発
振回路とともに電圧安定化素子を恒温槽内に配設した3
個の発振器N、O、Pの水晶電流の変化を連続して5時
間測定したグラフである。また図3は発振器N、O、P
の発振周波数の変化を、同様に連続して5時間測定した
グラフである。またず4は発振器N、O、Pの雰囲気温
度を−10℃〜60℃まで変化したときの発振周波数の
変化を示すグラフである。なお、これらの測定では恒温
槽をSCカットの水晶振動子の変極点温度である70℃
〜80℃に温度制御するようにしている。これらのグラ
フからも明らかなように、電圧安定化素子を恒温槽内に
配設することにより、水晶電流の変動も少なく、それに
よって発振周波数の揺らぎもなく、何れの発振器の発振
周波数の変動も±1.0×10-9程度であり、極めて高
い周波数精度及び安定度を得られる。
振回路とともに電圧安定化素子を恒温槽内に配設した3
個の発振器N、O、Pの水晶電流の変化を連続して5時
間測定したグラフである。また図3は発振器N、O、P
の発振周波数の変化を、同様に連続して5時間測定した
グラフである。またず4は発振器N、O、Pの雰囲気温
度を−10℃〜60℃まで変化したときの発振周波数の
変化を示すグラフである。なお、これらの測定では恒温
槽をSCカットの水晶振動子の変極点温度である70℃
〜80℃に温度制御するようにしている。これらのグラ
フからも明らかなように、電圧安定化素子を恒温槽内に
配設することにより、水晶電流の変動も少なく、それに
よって発振周波数の揺らぎもなく、何れの発振器の発振
周波数の変動も±1.0×10-9程度であり、極めて高
い周波数精度及び安定度を得られる。
【0018】
【発明の効果】以上詳述したように本発明によれば、発
振周波数の揺らぎの発生を防止し、それによって極めて
高い周波数精度及び高安定度を実現することができるS
Cカットの水晶振動子を提供することができる。
振周波数の揺らぎの発生を防止し、それによって極めて
高い周波数精度及び高安定度を実現することができるS
Cカットの水晶振動子を提供することができる。
【0019】
【図1】本発明の一実施例の水晶発振器のブロック図で
ある。
ある。
【図2】図1に示す発振器の水晶電流の変化を連続して
5時間測定したグラフである。
5時間測定したグラフである。
【図3】図1に示す発振器の発振周波数の変化を連続し
て5時間測定したグラフである。
て5時間測定したグラフである。
【図4】図1に示す発振器の雰囲気温度の−10℃〜6
0℃の変化に対する発振周波数の変化を示すグラフであ
る。
0℃の変化に対する発振周波数の変化を示すグラフであ
る。
【図5】従来のSCカットの水晶振動子を恒温槽に収納
した水晶発振器の雰囲気温度を−10℃〜60℃まで変
化させたときの発振周波数の変化を示すグラフである。
した水晶発振器の雰囲気温度を−10℃〜60℃まで変
化させたときの発振周波数の変化を示すグラフである。
【図6】恒温槽内の温度変化に対する発振周波数の変化
を示すグラフである。
を示すグラフである。
【図7】SCカットの水晶振動子の温度変化に対するB
モードの副共振周波数の変化を示すグラフである。
モードの副共振周波数の変化を示すグラフである。
【図8】Bモードの共振周波数の変化から計算した恒温
槽内の温度変化である。
槽内の温度変化である。
【図9】水晶電流の変化を示すグラフである。
【図10】発振周波数の変化を示すグラフである。
【図11】水晶電流と発振周波数の変化の関係を示すグ
ラフである。
ラフである。
【図12】発振器Cの水晶電流と発振周波数の関係を示
すグラフである。
すグラフである。
1 恒温槽 2 SCカット水晶振動子 3 発振回路 4 温度制御回路 5 電圧安定化素子
Claims (2)
- 【請求項1】SCカットの水晶振動子と、 この水晶振動子を収納した恒温槽と、 この恒温槽内に収納し上記水晶振動子を接続した発振回
路と、 上記恒温槽内に収納した上記発振回路に供給する電源電
圧を安定化する電圧安定化素子と、 を具備することを特徴とするSCカットの水晶振動子を
用いた発振器。 - 【請求項2】請求項1に記載のものにおいて、恒温槽は
水晶振動子の周波数温度特性の変極点温度に温度制御す
ることを特徴とするSCカットの水晶振動子を用いた発
振器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18895594A JPH0832348A (ja) | 1994-07-18 | 1994-07-18 | Scカットの水晶振動子を用いた発振器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP18895594A JPH0832348A (ja) | 1994-07-18 | 1994-07-18 | Scカットの水晶振動子を用いた発振器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0832348A true JPH0832348A (ja) | 1996-02-02 |
Family
ID=16232852
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP18895594A Pending JPH0832348A (ja) | 1994-07-18 | 1994-07-18 | Scカットの水晶振動子を用いた発振器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0832348A (ja) |
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WO2022075334A1 (ja) * | 2020-10-09 | 2022-04-14 | インターチップ株式会社 | Ocxo用発振回路 |
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1994
- 1994-07-18 JP JP18895594A patent/JPH0832348A/ja active Pending
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