JP3211134B2 - 水晶振動子の発振周波数算出方法 - Google Patents
水晶振動子の発振周波数算出方法Info
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Description
路に使用する水晶振動子の発信周波数算出方法に関する
もので、特に周波数−温度特性を簡易な方法で算出する
水晶振動子の発振周波数算出方法に関するものである。
安定していることで携帯電話機等の発振回路に多く利用
されており、温度特性のよいものが常に要求されてい
る。しかし、すべての物質は使用状態の周囲温度の影響
を受け、温度変化によってその寸法及び特性が少なから
ず変化する。水晶振動子用として切り出された水晶片も
同様にその発振周波数は温度変化の影響を受けて変化す
る。
て異なり、ATカット、SCカット、CTカットの水晶
片がある。図3はATカット水晶片の構造を示す図であ
る。図示するように水晶振動子は水晶片の両面に電極a
を設けたもので材質・形状c、カッティング角度b、厚
さdによって固有の周波数が決まる。
−温度特性を示す図である。図示するように特性Bの水
晶振動子は−10℃〜+60℃の温度範囲では非常によ
い特性が得られ、−50℃〜+100℃の温度範囲では
特性Aの水晶振動子の方が周波数変化が少ない。従っ
て、その使用目的、使用温度範囲に応じて適切な特性を
持つ水晶振動子が使用されている。
周波数偏差Δf/f(ppm)は一般的に式(1)に示
す多項式で表される。 Δf/f=A0+A1T+A2T2+A3T3+A4T4+A5T5+・・・・・(1) ここでΔfは周波数偏差、fは発振周波数、A0〜Anは
係数、Tは温度を表す。
項は小さいので無視して、周波数偏差は式(2)で示す
ように温度の3次式で十分正確に計算される。 Δf/f=A0+A1T+A2T2+A3T3・・・・・・・・・・(2) 従って、周波数の制御は水晶振動子の定数A0、係数
A1、A2、A3を予め求めて置き、発振動作中に水晶振
動子の温度を検出し、式(2)の計算を行い周波数偏差
Δf/fを求め、図5で示す水晶発振回路で周波数偏差
を補正し一定周波数を維持する。
る。発振回路の発振周波数は水晶振動子45、コンデン
サ43、44、46、47と可変容量ダイオ−ド42の
静電容量で決定される。水晶振動子45で発振した周波
数信号はトランジスタ50で増幅されコンデンサ56を
通して出力端子から出力される。
により共振周波数が変化(±10ppm程度)する温度
特性を有し、前記可変容量ダイオ−ド42は制御電圧に
より静電容量が変化する素子である。この可変容量ダイ
オ−ド42の制御電圧と出力周波数の変化特性は予め測
定し求めておく。制御装置(図示せず)を設け、発振回
路が発振動作中に水晶振動子45の温度が変化した場
合、制御装置は式(2)で周波数偏差を計算し、周波数
偏差を修正するように入力端子の電圧を制御して出力周
波数を一定に制御することができる。
御は水晶振動子の定数A0、係数A1、A2、A3及び、可
変容量ダイオ−ド42の特性を予め求めて格納しておく
必要があり、その為、各振動子の係数A0、A1、A2、
A3は4点以上の測定点の測定デ−タから予め求められ
ていた。なお、式(2)の定数A0は水晶片の厚さd
(図3参照)でおおむね決まり、係数A1はカッティン
グ角度bで決まり、係数A2、A3は材質・形状cでおお
むね決まる。
Tカット水晶振動子はその仕様によって温度特性が異な
り、定数A0、係数A1、A2、A3は水晶振動子毎に異な
る。更に、上述したように定数A0、係数A1、A2、A3
の4個の値を求めるには水晶振動子毎に4点以上の測定
デ−タが必要で、その作業は煩雑になり工数が増加しコ
ストが上昇し作業効率も悪く間違いの発生も多くなると
云う問題があった。
で、上記問題点を除去し、水晶振動子の温度特性の測定
点を減らし効率のよい水晶振動子の発振周波数算出方法
を提供することを目的とする。
め、温度のn次多項式で表される水晶振動子の温度特性
の各係数を求め発振周波数を計算する水晶振動子の発振
周波数算出方法において、請求項1に記載の発明は、前
記n次多項式の温度特性を3次式に近似し、その第3次
係数として同じ材料、同じ工程で製造された複数の水晶
振動子の第3次係数の平均値を使用し、第2次係数、第
1次係数及び、定数を3点の温度と周波数の測定データ
から求め発振周波数を計算し、請求項2に記載の発明
は、前記n次多項式の温度特性を3次式に近似し、その
第2次係数として同じ材料、同じ工程で製造された複数
の水晶振動子の第2次係数の平均値を使用し、第3次係
数、第1次係数及び、定数を3点の温度と周波数の測定
データから求め発振周波数を計算することを特徴とす
る。
式で表される水晶振動子の温度特性の各係数を求める発
振周波数を計算する水晶振動子の発振周波数算出方法に
おいて、前記n次多項式の温度特性を3次式に近似し、
その第3次係数及び、第2次係数として同じ材料、同じ
工程で製造された複数の水晶振動子の第3次係数及び、
第2次係数の平均値を使用し、第1次係数及び、定数を
2点の温度と周波数の測定データから求め発振周波数を
計算することを特徴とする。
は第2次係数として同じ材料、同じ工程で製造された複
数の水晶振動子の第3次係数又は第2次係数の平均値を
使用するので、従来、第3次、第2次、第1次の各係数
及び定数を求め発振周波数偏差を算出する為に4点以上
の測定点の測定データが必要であったが、3点の測定点
の測定データから各係数を求め発振周波数偏差を十分な
精度で算出することが出来る。従って、データ測定点の
減少による工数及びコストが低減される。
び、第2次係数として同じ材料、同じ工程で製造された
複数の水晶振動子の第3次係数及び、第2次係数の平均
値を使用するので、2点の測定点の測定データから各係
数を求め発振周波数偏差を十分な精度で算出することが
出来る。従って、データ測定点の減少による工数及びコ
ストが低減される。
細に説明する。同じ材料、同じ工程により製作されたA
Tカット水晶振動子の定数A0、係数A1、A2、A3のバ
ラツキは比較的狭い範囲内に収まっている。例えば、係
数A3は±8%の範囲に収まっている。このバラツキは
ATカット水晶振動子を製造する際の製造誤差と云って
よい。
A3として、同じ材料、同じ工程で製造された複数(例
えば100個)の水晶振動子の係数A 3 の平均値を用い
3点の測定データから求めた特性曲線と実測値を示す図
である。同図は係数A3を平均化した値(A3=−0.1
5/105)に固定し、測定温度−20℃、20℃、6
0℃の3点で周波数を測定し、式(3)から定数A0、
係数A1、A2を求め算出した特性曲線と測定値である。
波数偏差を0.1ppm以内に計算することが出来る。
℃の3点に限定せず、−20℃〜75℃の範囲で適切な
値を選べば上記と同様に周波数偏差の計算値と実測値
(実測値省略)を0.1ppm以内に計算することが出
来る。
線は略25℃(変極点)を中心として描かれている。こ
れはなるべく常温付近の特性を平滑にするためだが、こ
のため高温、低温においては周波数変動分が大きくな
る。従って、測定温度をなるべく使用温度(携帯電話機
の使用温度範囲)の高温、低温にとった方が全体的には
均一になり、よい結果が得られる。
ば係数A3の値は同じになるが、現在、仕様が同じでも
多数のATカット水晶振動子を測定した結果は±8%の
製造誤差がある。図2は係数A3を平均値から−8%変
化させた時の計算値と実測値を示す図である。
係数A1、A2を求め周波数偏差の特性曲線を算出したも
のである。図から分かるように、測定温度−20℃〜6
0℃の範囲では0.2ppmの誤差で周波数偏差を計算
することが出来る。その外側の温度に対しては−30℃
の点で0.35ppm℃、70℃の点で0.35ppm
℃、75℃の点で0.6ppm℃程度の誤差で周波数偏
差を計算することが出来る。
せ、測定温度も−20℃〜75℃の範囲で20℃離れた
3点で測定し、定数A0、係数A1、A2を求め周波数偏
差を計算した結果も同様な結果を得た。これは電波規格
で決められた−20℃〜60℃の温度範囲で周波数偏差
が±1ppm以内の誤差を十分満足するものである。
の値として平均値を用いることにより、3点の測定デ−
タから他の定数A0、係数A1、A2を求め容易に周波数
偏差を計算することが出来る。尚、上記説明では水晶振
動子の係数A3の値として平均値を用いたが係数A2の値
として平均値を使用し、3点の測定デ−タから他の定数
A0、係数A1、A3を求めてもよく、また、水晶振動子
の係数A2、A3の値として各々の平均値を使用し2点の
測定デ−タから定数A0、係数A1を求めてもよい。
する。図5に示す水晶発振回路の入力端子に印加する制
御電圧(補正電圧)を求めるために計算するもので一般
に演算装置(CPU)で計算される。水晶発振回路が発
振動作中に水晶振動子45の温度が変化した場合、演算
装置(CPU)は温度センサより情報を受け、式(2)
で示す3次式(A0+A1T+A2T2+A3T3)で周波数
偏差を計算する。この演算時間の短縮を図るため、各々
の係数を10のn乗倍し小数第1位で四捨五入し整数型
に変換しメモリに格納しておく。演算装置(CPU)は
演算時に10のn乗で除算することで演算結果に誤差を
生じないようにする。これにより浮動小数点演算に比べ
演算時間を1/15にすることができ処理時間を大幅に
短縮できる。
記載の発明によれば、下記のような優れた効果が期待で
きる。請求項1又は2に記載の発明によれば、第3次係
数又は第2次係数として同じ材料、同じ工程で製造され
た複数の水晶振動子の第3次係数又は第2次係数の平均
値を使用するので、従来、第3次、第2次、第1次の各
係数及び定数を求め発振周波数偏差を算出する為に4点
以上の測定点の測定データが必要であったが、3点の測
定点の測定データから定数及び各係数を求め発振周波数
偏差を十分な精度で算出することが出来、データ測定点
の減少による工数及び、コストが低減出来る。
数及び、第2次係数として同じ材料、同じ工程で製造さ
れた複数の水晶振動子の第3次係数及び、第2次係数の
平均値を使用するので、2点の測定点の測定データから
定数及び係数を求め発振周波数偏差を十分な精度で算出
することが出来、データ測定点の減少による工数及び、
コストが低減出来る。
平均値を用い3点の測定デ−タから求めた特性曲線と実
測値を示す図である。
算値と実測値を示す図である。
を示す図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 温度のn次多項式で表される水晶振動子
の温度特性の各係数を求める発振周波数を計算する水晶
振動子の発振周波数算出方法において、前記n次多項式の温度特性を3次式に近似し、その第3
次係数として同じ材料、同じ工程で製造された複数の水
晶振動子の第3次係数の平均値を使用し、第2次係数、
第1次係数及び、定数を3 点の温度と周波数の測定デー
タから求め発振周波数を計算することを特徴とする水晶
振動子の発振周波数算出方法。 - 【請求項2】 温度のn次多項式で表される水晶振動子
の温度特性の各係数を求める発振周波数を計算する水晶
振動子の発振周波数算出方法において、 前記 n次多項式の温度特性を3次式に近似し、その第2
次係数として同じ材料、同じ工程で製造された複数の水
晶振動子の第2次係数の平均値を使用し、第3次係数、
第1次係数及び、定数を3点の温度と周波数の測定デー
タから求め発振周波数を計算することを特徴とする水晶
振動子の発振周波数算出方法。 - 【請求項3】 温度のn次多項式で表される水晶振動子
の温度特性の各係数を求める発振周波数を計算する水晶
振動子の発振周波数算出方法において、 前記 n次多項式の温度特性を3次式に近似し、その第3
次係数及び、第2次係数として同じ材料、同じ工程で製
造された複数の水晶振動子の第3次係数及び、第2次係
数の平均値を使用し、第1次係数及び、定数を2点の温
度と周波数の測定データから求め発振周波数を計算する
ことを特徴とする水晶振動子の発振周波数算出方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP29061194A JP3211134B2 (ja) | 1994-10-31 | 1994-10-31 | 水晶振動子の発振周波数算出方法 |
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JPH08129036A JPH08129036A (ja) | 1996-05-21 |
JP3211134B2 true JP3211134B2 (ja) | 2001-09-25 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP (1) | JP3211134B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP5326219B2 (ja) * | 2007-03-30 | 2013-10-30 | 株式会社大真空 | 圧電振動素子の周波数測定方法 |
US20090195322A1 (en) * | 2008-01-31 | 2009-08-06 | Qualcomm Incorporated | Crystal oscillator frequency calibration |
-
1994
- 1994-10-31 JP JP29061194A patent/JP3211134B2/ja not_active Expired - Fee Related
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