JPH08322631A - ヘアパーマ用カーラー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 毛髪にテンションが殆どかからないため、毛
髪を痛めることなく、かつ、簡単に固定することを可能
とする。 【解決手段】 ヘアパーマ用カーラーは、円筒外周面に
毛髪を巻き付けるための外形略円筒形の中空ロット１０
と、少なくとも前記中空ロット１０の円筒外周面に沿っ
てその回転軸方向に延びたクリップアーム２１と前記中
空ロット１０の中空部１２へ挿入可能なロット挿入アー
ム２２とを枢着している。前記クリップアーム２１と前
記ロット挿入アーム２２とを互いに近接する方向に付勢
するバネ２６を備え、前記クリップアーム２１と前記ロ
ット挿入アーム２２からそれぞれ延長したグリップ部２
３、２４により開閉可能なクリップ２０とを組み合わせ
ている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は毛髪にパーマをかけ
るときに用いられるヘアパーマ用カーラーに関し、特
に、カーラーに巻き付けた毛髪を固定するためのクリッ
プを備えたヘアパーマ用カーラーに関する。

【０００２】

【従来技術】一般に、毛髪にパーマをかけるときには、
毛髪を梳いて所定の量の毛束を手で取り、これを、毛髪
にワインディングを与えるためのロットと呼ばれる外形
略円筒形の中空部材の周囲に、吸湿性がありかつ不溶性
のペーパを間に挿入して巻き込んでいく。このペーパー
と毛束をロットに巻き込んだロットは、最後に、ロット
の両端に設けられた突起の間に、例えば輪ゴムなどを掛
けて固定する。このようにして毛髪のパーマをかける部
分の毛束をロットに巻いた後、パーマ液を塗布し、パー
マをかける。ここでパーマ液とは、毛髪を軟化させるも
のであり、その状態でパーマ液を還元し、酸化させるこ
とにより、毛髪に定着させる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ロット
を用いて毛髪にワインディングを与える場合、前記従来
のゴムで止める方式のロットでは、ワインディングした
状態で毛髪にテンションが掛かり過ぎてしまうため、特
に損傷毛については、パーマが必要以上にきつくかかっ
てしまい、自然な感じが失われてしまい、また、毛髪を
痛める原因にもなっていた。さらに、このような従来の
ゴムで止める方式のロットでは、ロットに毛束を少なく
とも１回半以上巻かないと、これを後に突起の間に掛け
る輪ゴムにより固定することが出来ず、かつ、ロットに
毛束を巻く作業にも熟練を要していた。

【０００４】そこで、本発明では、上述のような従来の
ワインディング作業に鑑み、毛髪にテンションが殆どか
からないため、毛髪を痛めることなく、かつ、簡単に固
定することが可能なヘアパーマ用カーラーを提供するこ
とを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明によれば、前記の
目的を達成するために、毛髪にパーマをかけるときに毛
髪にワインディングを与えるために用いるヘアパーマ用
カーラーであって、円筒外周面に毛髪を巻き付けるため
の外形略円筒形の中空ロットと、少なくとも前記中空ロ
ットの円筒外周面に沿ってその回転軸方向に延びたクリ
ップアームと前記中空ロットの中空部へ挿入可能なロッ
ト挿入アームとを枢着してなり、前記クリップアームと
前記ロット挿入アームとを互いに近接する方向に付勢す
る弾性部材を備え、かつ、前記クリップアームと前記ロ
ット挿入アームからそれぞれ延長したグリップ部により
開閉可能なクリップとを組み合わせてなることを特徴と
するヘアパーマ用カーラーが提供される。

【０００６】前記の本発明により提供されるヘアパーマ
用カーラーによれば、前記クリップのグリップ部を指で
挟んで前記クリップアームとロット挿入アームとを開
き、そのロット挿入アームを中空ロットの中空部に挿入
することにより前記中空ロットと前記クリップとを組み
合わせ、あるいは、前記ロット挿入アームを中空ロット
の中空部から引き抜くことにより、前記中空ロットと前
記クリップとを容易に取り外すことが出来、互いに着脱
自在となっている。これにより、外周上に毛髪を巻き込
む中空ロットと、巻き込んだ毛髪を固定するクリップの
差し替えを容易にし、もって、パーマの際に必要な毛束
を前記中空ロットの外周に巻き込むワインディング作業
を簡単にする。

【０００７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例の詳細につ
いて、添付の図面を参照しながら説明を行う。図２に
は、本発明の実施例であるヘアパーマ用カーラーが示さ
れており、この図において、符号１０は、例えばプラス
チック等の合成樹脂で成形されたロット１０を示してい
る。このロット１０は、図１にも示すように、その外観
が糸巻状に中央部が徐々にくびれ、円筒形状の外周面１
１を有しており、かつ、このロット１０の中央部及びそ
の両端は開口された中空部１２を形成している。また、
図中に示す符号１３は、この中空ロット１０の端部に形
成され、この間に輪ゴムを引っ掛けるためのゴム掛突起
を示している。

【０００８】このような中空ロット１０は、図にも示さ
れるクリップ２０と共に組み合わせて使用される。この
クリップ２０は、例えば金属線などを略「Ｕ」字状に曲
げ、前記中空ロット１０の糸巻状の円筒形の外周面１１
に沿うようにして形成したクリップアーム２１と、中空
ロット１０の前記中空部１２に容易に挿入される形状で
かつその程度の外形寸法を有するロット挿入アーム２２
とがその一端側で枢着されている。すなわち、前記クリ
ップアーム２１は、中空ロット１０の外周面１１に対応
した形状になっており、これにより、後に詳細にするよ
うに、クリップ２０をロット１０の側方から挿入した際
に、このクリップアーム２１が円筒形状の外周面１１に
対応して安定して固定されるようになっている。

【０００９】前記のクリップ２０において、そのクリッ
プアーム２１及びロット挿入アーム２２の一方（図の右
側）の端部には、それぞれ枢着部より延長してグリップ
部２３、２４が形成されている。これらグリップ部２
３、２４には、それぞれ、図の上下方向に突出して枢着
部２３１、２４１が一体に形成されている。これら枢着
部２３１、２４１には貫通穴が形成され、これら貫通穴
に枢着軸としてのピン２５が挿入され、前記クリップア
ーム２１とロット挿入アーム２２とが、このピン２５で
互いに枢着されている。さらに、このグリップ部２３、
２４との間には、弾性部材である外形略「α」状のバネ
２６が挿入され、やはり、前記のピン２５を介して固定
されている。

【００１０】このクリップ２０は、そのクリップアーム
２１とロット挿入アーム２２とは前記のバネ２６の弾性
力により互いに近接する方向に付勢され、かつ、その端
部に延長して取り付けられたグリップ部２３、２４を指
の間に挟み込むことにより容易に開くことが可能であ
り、これにより、中空ロット１０とクリップ２０とは容
易に着脱自在であるこうに構成されている。そして、こ
のような構成のクリップ２０は、図１に示すように、前
記の中空ロット１０と共に組み合わせて使用することと
なる。

【００１１】続いて、前記にその詳細な構造を説明した
中空ロット１０とクリップ２０とを組み合わせてなるヘ
アパーマ用カーラーの使用方法について説明する。この
ヘアパーマ用カーラーの使用方法は、まず、図３（ａ）
に示すように、毛髪から毛束ｈを所定の量だけ手で取
り、図３（ｂ）に示すように、この毛束ｈの上に吸湿性
のペーパーｐをかぶせる。次に、図３（ｃ）に示すよう
に、毛束ｈの毛先部分の内側、すなわちペーパーｐの反
対側に中空のロット１０を添える。次に、図３（ｄ）に
示すように、グリップ部２３、２４を摘み、クリップ２
０のクリップアーム２１とロット挿入アーム２２とを開
いた状態で、ロット挿入アーム２２をロット１０の中に
差し込む。そして、グリップ部２３、２４から指を放
し、前記のバネ２６によりロット挿入アーム２２とクリ
ップアーム２１とを閉じ、クリップアーム２１とロット
１０との間にペーパーｐと毛束ｈの毛先部分を挟持す
る。この時の状態を図４（ａ）に、そして、その拡大断
面を図５（ａ）に示す。次に、図３（ｅ）に示すよう
に、毛束ｈの毛先部分から毛束ｈをペーパーｐとともに
ロット１０に巻き込んでゆき、所望の量（回数）まで巻
き込む（図５（ｂ）及び（ｃ）を参照）。

【００１２】こうして毛束ｈをロット１０に所望の量だ
け取った後、グリップ部２３、２４を摘み、クリップ２
０のクリップアーム２１とロット挿入アーム２２とを開
いた状態で、ロット挿入アーム２２をロット１０の中か
ら一旦抜き取る（図５（ｄ）を参照）。その後、再び、
クリップ２０により、ロット１０に巻き込んだ毛束ｈの
全体を固定する。すなわち、グリップ部２３、２４を摘
み、クリップ２０のクリップアーム２１とロット挿入ア
ーム２２とを開いた状態で、ロット挿入アーム２２をロ
ット１０の中に差し込む（図５（ｅ）を参照）。このと
き、クリップアーム２１は、ロット１０に巻き込んだ毛
束ｈの外側に挿入する。その後、グリップ部２３、２４
から指を放し、前記のバネ２６によりロット挿入アーム
２２とクリップアーム２１とを閉じ、クリップアーム２
１とロット１０との間に巻き込んだペーパーｐと毛束ｈ
の全体を挟持する。この時の状態を添付の図４（ｂ）に
示す。

【００１３】このように、毛束ｈを一旦ロット１０の外
周に巻き込んだ後、クリップ２０の差し替えを行うこと
により、巻き込まれた毛束ｈは、差し替えたクリップ２
０の働きにより解けることがない。また、毛束ｈを巻き
込む作業も、毛束ｈの毛先部分がクリップ２０により挟
持されてロット１０に固定されたた状態で巻き始められ
るため、途中で解けることがなく、簡単に巻くことが可
能になる。このことにより、従来は熟練を必要としたこ
のワインディング作業を、さほどの熟練のない者でも簡
単に行うことが出来るようになる。

【００１４】また、このようヘアパーマ用カーラーを使
用して毛束ｈを巻き込んだ場合、クリップ２０の差し替
えを行うことにより、クリップの固定バー２１が抜き取
られた分だけロットに対してややルーズに巻かれること
となり、これにより、ワインディングにより毛束ｈにテ
ンションが殆どかからないようにすることが可能にな
る。すなわち、ワインディングされた毛束ｈは、前記の
クリップ２０の差し替えにより、クリップアーム２１を
引き抜いた分だけ緩く巻かれることとなることにより、
ワインディング中に引き伸ばされた毛束ｈにテンション
がかからなくなり、元の自然な状態でパーマ液による処
理を行うことができるようになる。

【００１５】一方、比較のために、従来の輪ゴムを使用
してロット１０の外周に巻き込んだ毛束ｈを固定する方
法では、ロット１０の外周に巻き込んだ毛束ｈを輪ゴム
Ｒがそのまま押さえて固定することから、特に細いロッ
ト１０では、毛１００の湾曲部の外側と内側とで同一方
向のテンション働くことになり、特に毛束ｈの外側が強
く引き伸ばされることになる。

【００１６】なお、ヘアパーマ用カーラーの前記の使用
方法では、クリップ２０の差し替えを毛束ｈの巻き込み
作業の最後に行うものとして説明したが、これのみに限
らず、例えばロット１０の外周に１回程度巻き込む度に
クリップ２０を抜き、複数回クリップ２０を差し替えて
緩めることにより、ロット１０の外周に巻き込んだ毛束
ｈに掛かるテンションを小さくすることが出来る。この
ように、クリップ２０を差し替えを適宜調整することに
より、あまりきつくない自然の感じがする所望のワイン
ディング状態を、簡単に得ることも可能である。

【００１７】さらに、前記の実施例では、中空ロット１
０の両端に複数の突起部１４、１４…が設けられ、これ
により従来のように輪ゴムを使用して固定することも可
能にしているが、この突起部１３、１３…を取り除いて
もよい。また、クリップ２０の構造については、例えば
添付の図６に示すように、クリップ２０のロット挿入ア
ーム２２の先端を折り曲げ、あるいは、突出させ、これ
を中空ロット１０の両端部に形成された孔１４に引っ掛
ける安定を図ることも可能である。さらに、安定して挟
持できる範囲で、短くした方が抜き替えが簡単になる。
さらに、このクリップ２０のロット挿入アーム２２の構
造については、添付の図７や図８に示すように、その先
端部の内側に上方に曲げたバネ片２２１を一体に形成し
て取り付けることにより、あるいは、「Ｕ」字状に曲げ
た金属線の先端を内側に折り曲げてバネ片２２２とし、
これらのバネ片２２１、２２２の働きによって、その挟
持力を増強することも可能である。

【００１８】加えて、クリップ２０の構造、特に、その
クリップアーム２１については、前記の中空ロット１０
の外周形状に対応し、且つ、その回転軸方向のほぽ全長
をカバーする長さが望ましく、これは前記金属線に限ら
ず、板状の部材、あるいは、プラッスチック等で形成し
ても良い。さらには、添付の図９に示すような、金属線
などを「Ｕ」字状に曲げて形成し、その間に複数の補強
部２１１、２１１…を設ける構造を採用することも可能
である。そして、ワインディングの作業を行う上では、
作業時の邪魔にならないように、前記クリップ２０のグ
リップ部２３、２４は小さい方が好ましいが、挟み込み
等の操作性との兼ね合いで好適な大きさにするのがよ
い。

【００１９】

【発明の効果】以上の詳細な説明からも明らかなよう
に、本発明によるヘアパーマ用カーラーでは、その中空
ロットとクリップとは容易に取り外すことが出来、互い
に着脱自在となっているとから、外周上に毛髪を巻き込
む中空ロットと、巻き込んだ毛髪を固定するクリップと
の差し替えを容易に行うことが出来、そのため、パーマ
の際に必要な毛束を中空ロットの外周に巻き込むワイン
ディング作業を確実かつ簡単に行うことが可能になり、
さらには、このヘアパーマ用カーラーを利用することに
より、ワインディングの際にも髪を痛めることなく、か
つ、自然な感じのワインディング状態を、熟練を伴わな
い者でも、容易かつ簡単に得ることが出来るという、極
めて優れた効果を発揮するものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例であるヘアパーマ用カーラーを
構成する中空ロットとクリップとを組み合わせた状態を
示す斜視図である。

【図２】前記中空ロットとクリップとを分離した状態を
示した図である。

【図３】前記のヘアパーマ用カーラーを利用してワイン
ディングを行う様子を示した説明図である。

【図４】前記ワインディングを行う際のヘアパーマ用カ
ーラーの様子を示した説明図である。

【図５】前記ヘアパーマ用カーラーを利用してワインデ
ィングを行った場合の髪の毛へのテンションの状態を説
明するための拡大断面図である。

【図６】本発明の他の実施例によるヘアパーマ用カーラ
ーを説明する断面図である。

【図７】さらに他の実施例によるヘアパーマ用カーラー
のロット挿入アームの変形例を示した斜視図である。

【図８】やはりヘアパーマ用カーラーのロット挿入アー
ムの他の変形例を示した斜視図である。

【図９】さらに他の実施例によるヘアパーマ用カーラー
のクリップアームの変形例を示した斜視図である。

【符号の説明】

１０ （中空）ロット １１ 外周面 １２ 中空部 １３ ゴム掛突起 １４ 孔 ２０ クリップ ２１ クリップアーム ２１１ 補強部 ２２ ロット挿入アーム ２２１、２２２ バネ片 ２３、２４ グリップ部 ２３１、２４１ 枢着部 ２５ ピン ２６ バネ Ｐ ペーパー Ｈ 毛髪 ｈ 毛束 １００ 毛

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 毛髪にパーマをかけるときに毛髪にワイ
   ンディングを与えるために用いるヘアパーマ用カーラー
   であって、円筒外周面に毛髪を巻き付けるための外形略
   円筒形の中空ロットと、少なくとも前記中空ロットの円
   筒外周面に沿ってその回転軸方向に延びたクリップアー
   ムと前記中空ロットの中空部へ挿入可能なロット挿入ア
   ームとを枢着してなり、前記クリップアームと前記ロッ
   ト挿入アームとを互いに近接する方向に付勢する弾性部
   材を備え、かつ、前記クリップアームと前記ロット挿入
   アームからそれぞれ延長したグリップ部により開閉可能
   なクリップとを組み合わせてなることを特徴とするヘア
   パーマ用カーラー。