JPH08322307A - 整畦機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】 整畦体１２は畦上面を叩締め可能な外周面を
もつ上回転体部分１３と上回転体部分の機枠側側面に一
体に形成されて畦一方斜面を叩締め可能な外周面をもつ
側回転体部分１４とからなる横回りの回転ロール状に形
成され、トラクタ１の動力源により駆動されて整畦体を
畦叩き動作させる畦叩機構１５を設け、かつ整畦体に掛
かる畦叩反力を緩衝可能な緩衝機構２４を設けてなる。 【効果】 整畦体は畦面を回転しつつ転動進行し、それ
だけ整畦体の円滑な畦叩き進行ができると共に畦表面の
仕上がり状態も良化し、緩衝機構は整畦体に掛かる畦叩
反力の緩衝作用を行うことになり、機枠側への反動を抑
制して良好な整畦作業を行い得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は例えば畦の造成作業や修
復作業等に用いられる整畦機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来この種の整畦機としては、特開昭５
１−１４１２１２号公報、実公昭５１−４７７８５号公
報、実開昭５３−１０２４１１号公報、実開昭５３−２
０３１６号公報、特開昭５１−１００４０９号公報、実
開昭６０−１１９２０９号公報、実開昭６１−１７５９
０５号公報、特開昭６１−４７１０３号公報、特開昭６
１−２１２２０２号公報、実開昭６２−１５０７号公
報、実開昭６１−１５８１０５号公報、実開平３−７９
６０５号公報、実開平５−６０２０７号公報に示す構造
のものが知られている。

【０００３】これらの従来構造にあっては、トラクタに
連結機構により機枠を上下動可能に連結し、機枠に盛土
機構としての旧畦上に土を跳ね上げる回転ロータをその
回転軸線を畦造成方向と平行又は交差する方向に設け、
機枠に回転ロータの上方及び畦の上方にカバー部材を設
け、回転ロータの進行方向後方位置に畦の上面及び畦の
一方側面に合わせた形状の整畦体を設け、かつ該トラク
タの動力取出軸を駆動源として整畦体を往復畦叩動作さ
せるクランク式又は油圧式の畦叩機構を設け、トラクタ
を旧畦に沿って走行させ、回転ロータで圃場中の泥土を
旧畦上に盛り上げ、この盛土を整畦体の畦叩き動作によ
り叩き付けるようにして構成したものである。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
構造の場合、整畦体は畦上面を叩締め可能な平坦面をも
つ上面叩き板部分と上面叩き板部分の機枠側側面に一体
に形成されて畦一方斜面を叩締め可能な平坦面をもつ側
叩き板部分とからなり、これら上面叩き板部分及び側叩
き板部分の平坦面は畦上面及び畦一方斜面に適合する略
ヘ形状に一体に形成されて、整畦体の畦叩き動作により
各平坦面の全面をもって畦を叩き締める構造となってお
り、叩き動作の際に土質条件等によっては、整畦体が畦
土を叩いて畦内に沈下することがあり、この場合には、
整畦進行に伴って、整畦体の進行方向前側が畦土に衝突
して整畦体の進行が阻害され、ひいては整畦進行が不円
滑となると共に畦表面の仕上がり状態が悪くなり、従っ
て、良好な整畦作業を行い得ないことがあるという不都
合を有している。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明はこのような不都
合を解決することを目的とするもので、その要旨は、ト
ラクタに連結機構により機枠を連結し、該機枠に畦上に
土を盛り上げる盛土機構を設け、該盛土機構の上方にカ
バー部材を設け、該盛土機構の進行方向後方位置に整畦
体を設けてなり、上記整畦体は畦上面を叩締め可能な外
周面をもつ上回転体部分と該上回転体部分の機枠側側面
に一体に形成されて畦一方斜面を叩締め可能な外周面を
もつ側回転体部分とからなる横回りの回転ロール状に形
成され、上記トラクタの動力源により駆動されて該整畦
体を畦叩き動作させる畦叩機構を設け、かつ該整畦体に
掛かる畦叩反力を緩衝可能な緩衝機構を設けて構成した
ことを特徴とする整畦機にある。

【０００６】この際上記整畦体をトラクタの動力源によ
り強制回転させる回転機構を設けることが望ましい。

【０００７】

【作用】トラクタを畦に沿って走行すると、一方では盛
土機構により旧畦上に土が盛り上げられ、カバー部材に
より土の外方飛散が防止され、他方ではその旧畦上に盛
り上げられた土はトラクタの動力源により駆動される畦
叩機構により駆動される整畦体によって叩き締められる
ことになり、この際回転ロール状に形成された整畦体の
上回転体部分の外周面により畦の上面が叩かれると共に
畦一方斜面は側回転体部分の外周面により叩かれ、整畦
体に掛かる畦叩反力は緩衝機構により緩衝される。

【０００８】またトラクタの動力源により駆動される回
転機構により整畦体は畦面上を横回り転動しつつ進行す
ることになる。

【０００９】

【実施例】図１乃至図８は本発明の実施例を示し、１は
トラクタであって、後部に三点リンク式の連結機構２に
より機枠３を上下動可能に連結している。

【００１０】４は盛土機構であって、この場合回転ロー
タ５からなり、この回転ロータ５はロータ胴５ａの外周
に複数個の掻上刃５ｂを突設すると共にロータ胴５ａに
取付軸５ｃを突設してなり、上記機枠３に回転ロータ５
をその回転軸線を畦造成方向と平行にして回転自在に取
付け、機枠３にトラクタ１に設けられた動力取出軸６に
より回転する主軸７を軸受し、回転ロータ５を主軸７よ
り変向用ギヤ列８及びチェーン機構９を介して回転さ
せ、回転ロータ５により畦際の圃場面Ｍの土を削出して
旧畦Ｗに向けて跳ね上げて盛り上げるように構成してい
る。

【００１１】１０はカバー部材であって、この場合上記
機枠３に取り付けられ、上記回転ロータ５の上方及び畦
Ｗの上方を覆う形状に形成され、カバー部材１０の畦側
に畦上面Ｗ₁に倣って上下動作する側部カバー部材１１
を設けている。

【００１２】１２は整畦体であって、金属又は合成樹脂
製にして、畦上面Ｗ₁を叩締め可能な略円柱状の外周面
１３ａをもつ上回転体部分１３と、この上回転体部分１
３の機枠３側側面に一体に形成されて畦一方斜面Ｗ₂を
叩締め可能な機枠３側に向けて次第に拡径する略円錐状
の外周面１４ａをもつ側回転体部分１４とからなり、こ
の整畦体１２の左右両側面にロール軸１２ａを突設し、
外周面１３ａに畦上面Ｗ₁内に嵌入して横振れを防ぐ環
状突鍔１３ｂを形成し、全体として、畦の造成方向に対
して直交する方向の回転軸線Ｒを中心に転動自在な横回
りの回転ロール状に形成されている。

【００１３】１５は畦叩機構であって、この場合機枠３
に軸受台１６を突設し、軸受台１６に駆動軸１７を軸架
し、駆動軸１７の基端部と主軸７とを歯車箱１８内の歯
車を介して動力伝達自在に接続し、かつ機枠３に一対の
軸受板１９を突設し、軸受板１９に一対の支持アーム２
０・２０を支点軸２１により上下揺動自在に後方に向け
て枢着突設し、この支持アーム２０・２０の後端部間に
整畦体１２のロール軸１２ａを枢着架設し、かつ上記駆
動軸１７の一方端部にクランク板２２を固定し、クラン
ク板２２上の偏心位置と上記一方の支持アーム２０との
間に連結ロッド２３を枢着架設し、よって、主軸７の回
転により駆動軸１７を回転させ、駆動軸１７により回転
するクランク板２２及び連結ロッド２３によりクランク
作用を得ることにより整畦体１２を支点軸２１の軸線を
中心として上下揺動の畦叩き動作させるように構成して
いる。

【００１４】２４は緩衝機構であって、この場合図７、
図８の如く、上記連結ロッド２３と支持アーム２０との
連結部において、連結ロッド２３に円環部２３ａを形成
し、支持アーム２０に連結ピン２０ａを突設し、円環部
２３ａ内にゴム等の筒状の弾性体２５を内装し、弾性体
２５に連結ピン２０ａを挿通し、弾性体２５の弾性作用
により整畦体１２に掛かる畦叩き反力を緩衝するように
構成している。

【００１５】２６は回転機構であって、この場合上記支
持アーム２０に油圧モータ２７を取付け、油圧モータ２
７とロール軸１２ａとを連結し、トラクタ１により駆動
される図外の油圧ポンプと油圧モータ２７とを油圧接続
し、油圧モータ２７により整畦体１２を回転軸線Ｒを中
心として図中矢印方向に強制回転させるように構成して
いる。

【００１６】２８は削土機構であって、この場合カバー
部材１０の進行方向前面にピン２９により保持アーム３
０を上下揺動自在に枢着し、保持アーム３０を弾圧用バ
ネ３１ａにより下方に弾圧可能な弾圧機構３１を設け、
保持アーム３０の先端部に削土ロータ３２を回転自在に
取付け、削土ロータ３２は回転軸３２ａをもつ回転板３
２ｂに三個の削土刃３２ｃを取り付けてなり、保持アー
ム３０に削土ロータ３２の上方を覆うカバー３３を取付
け、保持アーム３０にトラクタ１に設けられた油圧源に
より駆動される油圧モータ３４を取付け、油圧モータ３
４の主軸と削土ロータ３２の回転軸３２ａとを連結し、
上記盛土機構４の回転ロータ５の進行方向前方位置の旧
畦の上面部分を削土刃３２ｃにより回転削土するように
構成したものである。

【００１７】３５は安定部材であって、機枠３の進行方
向後部に上下調節自在に取り付けられ、圃場面に接触し
て、機枠３の安定走行を可能にする。

【００１８】３６は基部整畦回転体であって、この場合
畦Ｗの一方斜面Ｗ₂に合う略円錐状の外周面３６ａを有
して皿状や中実状又は空洞な筒状の円錐ロール状に形成
されると共にロール軸３６ｂが回転自在に突設され、上
記カバー部材１０の後面に支持体３７をボルト３７ａに
より畦斜面方向に上下調節自在に取付け、支持体３７に
ロール軸３６ｂを取り付け、基部整畦回転体３６の頂部
分を圃場面Ｍ内に穿入する穿入凸部３６ｃに形成し、こ
れにより基部整畦回転体３６は自由回転しつつ畦Ｗの基
部Ｗ₃を締圧するように構成している。尚、基部整畦回
転体３６を動力源を得て強制回転させることもある。

【００１９】この実施例は上記構成であるから、トラク
タ１を旧畦に沿って走行しつつ動力取出軸６を回転する
と一方では盛土機構４としての回転ロータ５が畦際の圃
場泥土を旧畦上に連続的に跳ね上げて盛り上げ、カバー
部材１０及び側部カバー部材１１は回転ロータ５の上方
及び畦側方への泥土飛散を防止し、跳ね上げられた泥土
は外方飛散を防がれて自重落下し、他方ではその旧畦上
に盛り上げられた土はトラクタ１の動力取出軸６を駆動
源とする畦叩機構１５により駆動される整畦体１２の往
復畦叩動作によって叩き締められて整畦作業が行われる
ことになる。

【００２０】この際上記整畦体１２は、畦上面Ｗ₁を叩
締め可能な略円柱状の外周面１３ａをもつ上回転体部分
１３と、この上回転体部分１３の機枠３側側面に一体に
形成されて畦一方斜面Ｗ₂を叩締め可能な略円錐状の外
周面１４ａをもつ側回転体部分１４とからなり、畦Ｗの
造成方向に対して直交する方向の回転軸線Ｒを中心に転
動自在な横回りの回転ロール状に形成されているから、
整畦体１２は回転軸線Ｒを中心として畦面を転動しつつ
進行し、それだけ整畦体１２の円滑な畦叩き進行ができ
ると共に畦表面の仕上がり状態も良化し、良好な整畦作
業を行い得ることができ、さらに緩衝機構２４は整畦体
１２に掛かる畦叩反力の緩衝作用を行うことになり、そ
れだけ機枠３側への反動を抑制して機枠側の機構部分の
損傷を防ぐと共に機枠３の振動を防ぐことができる。

【００２１】しかも、この場合整畦体１２は回転機構２
６により強制回転することになるから、一層良好な円滑
な畦叩き進行が可能となり、かつ推進力も得ることがで
き、良好な整畦作業を行い得ることができ、又、この場
合削土機構２８により旧畦の上面部分を削土でき、この
削土された畦面上に盛土機構４により盛り土することに
なるから、旧畦土と盛土との結着性を高めることがで
き、それだけ強固な畦を得ることができる。

【００２２】またこの場合、整畦体１２の上回転体部分
１３の外周面１３ａに畦上面Ｗ₁内に嵌入可能な環状突
鍔１３ｂを形成しているから、整畦体１２の横振れを防
ぐことができ、それだけ良好な整畦作業を行い得ること
ができる。

【００２３】またこの場合、畦Ｗの一方斜面Ｗ₂に合う
略円錐状の外周面３６ａを有して円錐ロール状に形成さ
れた基部整畦回転体３６により畦Ｗの基部Ｗ₃を締圧す
るように構成しているから、畦基部Ｗ₃を強固に締める
ことができ、かつ穿入凸部３６ｃの穿入により整畦反力
を受けて、整畦体１２の横振れを防ぐことができ、それ
だけ良好な整畦作業を行い得ることができる。

【００２４】尚、本発明は上記実施例に限られるもので
はなく、例えば盛土機構４として、畦造成方向に対して
交差する方向の回転軸線をもつ回転ロータを採用するこ
ともでき、又、さらに上記実施例では一個の整畦体１２
となっているが、この整畦体１２の進行方向後方位置
に、整畦体１２と同様な構造の整畦体を配置したり、断
面ヘ形状の板状の整畦体を畦叩機構により畦叩動作可能
に配置することもあり、また畦叩機構の構造として、油
圧機構を用いて畦を叩く構造を採用することもできる。

【００２５】また上記実施例では、整畦体１２及び削土
ロータ３２を油圧モータにより回転させるようにしてい
るが、トラクタ１の主軸７から機械的な伝導機構を介し
て回転させることもでき、またこれとは逆に回転ロータ
５を油圧モータにより回転させる構造を採用することも
ある。

【００２６】

【発明の効果】本発明は上述の如く、トラクタを旧畦に
沿って走行すると一方では盛土機構が畦際の圃場泥土を
旧畦上に盛り上げ、カバー部材は泥土飛散を防止し、跳
ね上げられた泥土は外方飛散を防がれて自重落下し、他
方ではその旧畦上に盛り上げられた土は畦叩機構により
駆動される整畦体の往復畦叩動作によって叩き締められ
て整畦作業が行われることになり、この際上記整畦体は
畦上面を叩締め可能な略外周面をもつ上回転体部分と該
上回転体部分の機枠側側面に一体に形成されて畦一方斜
面を叩締め可能な外周面をもつ側回転体部分とからなる
横回りの回転ロール状に形成され、上記トラクタの動力
源により駆動されて整畦体を畦叩き動作させる畦叩機構
を設け、かつ整畦体に掛かる畦叩反力を緩衝可能な緩衝
機構を設けて構成したから、整畦体は畦面を回転しつつ
転動進行し、それだけ整畦体の円滑な畦叩き進行ができ
ると共に畦表面の仕上がり状態も良化し、緩衝機構は整
畦体に掛かる畦叩反力の緩衝作用を行うことになり、そ
れだけ機枠側への反動を抑制して機枠側の機構部分の損
傷を防ぐと共に機枠の振動を防ぐことができ良好な整畦
作業を行い得ることができる。

【００２７】また整畦体をトラクタの動力源により強制
回転させる回転機構を設けることにより、整畦体は回転
機構により強制回転されて畦面を転動進行し、それだけ
整畦体の円滑な畦叩き進行ができると共に畦表面の仕上
がり状態も良化し、それだけ良好な畦を得ることができ
る。

【００２８】以上の如く、所期の目的を充分達成するこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例の全体側面図である。

【図２】図１で示す本発明の実施例の全体平断面図であ
る。

【図３】図１で示す本発明の実施例の後面図である。

【図４】図１で示す本発明の実施例の側断面図である。

【図５】図１で示す本発明の実施例の前面図である。

【図６】図１で示す本発明の実施例の部分断面図であ
る。

【図７】図１で示す本発明の実施例の部分側断面図であ
る。

【図８】図１で示す本発明の実施例の部分断面図であ
る。

【符号の説明】

Ｗ 畦 Ｗ₁ 畦上面 Ｗ₂ 畦一方斜面 １ トラクタ ２ 連結機構 ３ 機枠 ４ 盛土機構 １２ 整畦体 １３ 上回転体部分 １３ａ 外周面 １４ 側回転体部分 １４ａ 外周面 １５ 畦叩機構 ２４ 緩衝機構 ２６ 回転機構

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 トラクタに連結機構により機枠を連結
   し、該機枠に畦上に土を盛り上げる盛土機構を設け、該
   盛土機構の上方にカバー部材を設け、該盛土機構の進行
   方向後方位置に整畦体を設けてなり、上記整畦体は畦上
   面を叩締め可能な外周面をもつ上回転体部分と該上回転
   体部分の機枠側側面に一体に形成されて畦一方斜面を叩
   締め可能な外周面をもつ側回転体部分とからなる横回り
   の回転ロール状に形成され、上記トラクタの動力源によ
   り駆動されて該整畦体を畦叩き動作させる畦叩機構を設
   け、かつ該整畦体に掛かる畦叩反力を緩衝可能な緩衝機
   構を設けて構成したことを特徴とする整畦機。
2. 【請求項２】 上記整畦体をトラクタの動力源により強
   制回転させる回転機構を設けてなる請求項１記載の整畦
   機。