JPH08320059A - デファレンシャルおよびその製造方法ならびに該製法に用いる中子 - Google Patents

デファレンシャルおよびその製造方法ならびに該製法に用いる中子

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JPH08320059A
JPH08320059A JP12665295A JP12665295A JPH08320059A JP H08320059 A JPH08320059 A JP H08320059A JP 12665295 A JP12665295 A JP 12665295A JP 12665295 A JP12665295 A JP 12665295A JP H08320059 A JPH08320059 A JP H08320059A
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JP
Japan
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differential
ring gear
differential case
core
gear
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Application number
JP12665295A
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English (en)
Inventor
Noboru Ashikawa
昇 芦川
Masaki Suzuki
正基 鈴木
Mitsuharu Nakano
光晴 中野
Eishin Harano
英信 原野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yanagawa Seiki Co Ltd
Original Assignee
Yanagawa Seiki Co Ltd
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Publication date
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H57/00General details of gearing
    • F16H57/02Gearboxes; Mounting gearing therein
    • F16H57/037Gearboxes for accommodating differential gearings
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H48/00Differential gearings
    • F16H48/38Constructional details
    • F16H2048/382Methods for manufacturing differential gearings
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H48/00Differential gearings
    • F16H48/38Constructional details
    • F16H48/40Constructional details characterised by features of the rotating cases

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Retarders (AREA)
  • General Details Of Gearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 生産効率に優れるとともに高精度で、かつ、
軽量で、長期間に亘り安定した機能を保持することがで
きるデファレンシャルを提供すること。 【構成】 トランスミッション2の出力軸20からリン
グギア26に入力されたエンジンの駆動力をリングギア
26と一体回転するデフケース25の内部に配設された
デファレンシャルギア7を介して車輪駆動軸8に伝達す
るデファレンシャル24において、非鉄金属素材により
形成されたデフケース25に鋼系の金属素材により製せ
られたリングギア26が鋳込まれて一体化されているこ
とを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車のエンジンの駆
動力を車輪駆動軸に伝達するのに好適なデファレンシャ
ルに係り、特に、生産効率に優れ、かつ、高精度のデフ
ァレンシャルおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、自動車等においては、エンジ
ンの駆動力をトランスミッション(変速機)に入力して
エンジンの駆動力を制御し、この制御されたエンジンの
駆動力をトランスミッションの出力軸から必要に応じて
プロペラシャフト(推進軸)を介してデフと称されるデ
ファレンシャル(差動装置)に入力し、デファレンシャ
ルによりエンジンの駆動力を車輪駆動軸に伝達するよう
にした駆動力伝達装置が用いられている。
【0003】図11は、このような従来からある自動車
の駆動力伝達装置に用いられるデファレンシャル1の一
例を示すものであり、デファレンシャル1は、トランス
ミッション2のミッションケース3の内部に回転自在に
取着されたデフケース4を有している。そして、デフケ
ース4の内部には、それぞれ1対のピニオン5およびサ
イドギア6を具備するデファレンシャルギア7が配設さ
れており、このデファレンシャルギア7のサイドギア6
には、デフケース4の回転軸心RLと軸心が一致するよ
うにして図11において想像線にて示す1対の車輪駆動
軸8,8、例えば前車輪駆動軸の一端が取着されるよう
になっている。
【0004】前記デフケース4について図12から図1
6により詳しく説明すると、デフケース4は、図14に
おいて左右方向に示す左右1対の略環状に形成されたジ
ャーナル部9が適宜な間隔を隔てて形成されている。こ
のジャーナル部9の軸心は、デフケース4の回転軸心R
Lと一致するようにされており、各ジャーナル部9は、
図11に示すように、ベアリング10を介してトランス
ミッション2のミッションケース3の内部に回転自在に
取着されるようになっている。
【0005】そして、図14において左方に示す一方の
ジャーナル部9Lには、例えば車輪駆動軸8の一方(左
車輪駆動軸、図11)が挿通可能な車軸貫通孔11Lが
形成されており、図14において右方に示す他方のジャ
ーナル部9Rには、例えば車輪駆動軸8の他方(右車輪
駆動軸、図11)が挿通可能な車軸貫通孔11Rが形成
されている。この各貫通孔11L,11Rは、それぞれ
の軸心が一致するように形成されるとともに、各車軸貫
通孔11L,11Rの軸心は、デフケース4の回転軸心
RLと一致するように形成されている。
【0006】前記各ジャーナル部9L,9Rは、軸方向
中央部に位置するそれぞれの基端部が各ジャーナル部9
L,9Rの外径寸法より大きい外径寸法とされた筒状の
連結部12により一体的に接続されており、この連結部
12には、図15に示すように、デフケース4の回転軸
心RLに対して直交するようにして連結部12を板厚方
向に貫通する1対の窓部13が形成されている。この窓
部13は、デフケース4の内部に配設されるデファレン
シャルギア7(図11)の装着部の加工およびデファレ
ンシャルギア7の組立などに用いるものである。
【0007】また、連結部12の軸方向の略中央部に
は、デフケース4の回転軸心RLに対して直交するよう
にして図14において上下に示す上下1対のシャフト装
着孔14がそれぞれの軸心が一致するようにして形成さ
れており、このシャフト装着孔14には、ピニオンシャ
フト15(図11)が装着されるようになっている。
【0008】前記連結部12の外周面の図14において
右端部近傍には、環状のフランジ部16が形成されてい
る。このフランジ部16には、図12、図15および図
16に示すように、デフケース4の回転軸心RLと平行
に延在するようにしてフランジ部16板厚方向に貫通す
る10箇所のねじ孔17がデフケース4の回転軸心RL
から等距離位置に、等角度分配置されている。
【0009】前記デフケース4のフランジ部16には、
図11に示すように、個別に形成された環状のリングギ
ア18がその軸心をデフケース4の回転軸心RLと一致
するようにしてボルト19等により伝達トルクに耐え得
るように結合されており、リングギア18の外周面に
は、トランスミッション2の出力軸20に取着されたド
ライブギア21に噛合する歯部22が形成されている。
そして、リングギア18の側面には、ボルト19が挿通
されるボルト挿通孔23が形成されている。
【0010】すなわち、図示しないエンジンの駆動力
は、トランスミッション2の出力軸20からデファレン
シャル1のリングギア18に入力され、これによりリン
グギア18とデフケース4とが一体回転し、デフケース
4の内部に配設されたデファレンシャルギア7を介して
車輪駆動軸8,8を駆動するようになっている。
【0011】前記デフケース4は、内部にデファレンシ
ャルギア7が装着され、また、車軸貫通孔11,11は
車輪駆動軸8,8が挿通され、互いに回転運動する部位
であるために、潤滑性に優れた鋳鉄系の金属素材、例え
ば球状黒鉛鋳鉄(FCD45〜55:JIS G 55
02)を砂型鋳造することにより鋳造品を形成し、その
後、鋳造品に焼準等の熱処理を施した後に機械加工によ
る仕上げ加工を施すことにより形成されている。
【0012】前記リングギア18は、トランスミッショ
ン2の出力軸20から入力される図示しないエンジンの
駆動力をデフケース4に伝達するように外周面に歯部2
2が創生されており、エンジンの駆動力に耐え得る鋼系
の金属素材、例えば浸炭鋼(SCM420:JIS G
4105)等を鍛造して鍛造品を形成し、その後、鍛
造品に歯切り加工などの機械加工を施した後に、少なく
とも歯部22に硬化処理を施し、その後、歯部の歯面の
研削などの仕上げ加工を施すことにより形成されてい
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た従来のデファレンシャル1においては、予め所定形状
に形成されたデフケース4とリングギア18とをボルト
19等によって結合することにより一体化されており、
デフケース4に対するリングギア18の結合精度(組立
精度)、例えばデフケース4の回転軸心RLに対するリ
ングギア18の歯部22の歯先の振れを少なくして歯面
の位置精度を高精度にしないと、トランスミッション2
の出力軸20に取着されたドライブギア21と、リング
ギア18の歯部22との噛合部で異音が生じる場合があ
るという問題点があった。また、ボルト19によるデフ
ケース4に対するリングギア18の締付強度(締結強
度)を大きくしないと、使用時の駆動トルクにより、ボ
ルト19が弛んでしまう場合があるという問題点があっ
た。
【0014】そして、このような問題点に対処するため
には、デフケース4とリングギア18との結合部(詳し
くは、デフケース4に形成するねじ孔17と、リングギ
ア18に形成されるボルト19が挿通可能なボルト挿通
孔23)の機械加工による加工精度を常に高精度に保持
して加工誤差を少なくするとともに、ボルト19の緩み
止め機構(図示せず)や、結合時に精密な組立を要し、
デフケース4とリングギア18とのそれぞれの加工およ
び両者の結合に多大な労力と時間とを必要とし、生産効
率に劣り、経済的負担が大きいという問題点があった。
【0015】また、近年の自動車等においては、高性能
化、省エネルギ化が求められており、この高性能化、省
エネルギ化を図るために自動車の軽量化が図られてい
る。そして、自動車の軽量化、省エネルギ化を図るうえ
でデファレンシャル1の軽量化が求められている。
【0016】このようなデファレンシャル1の軽量化に
対処するために、鋳鉄系の金属素材より軽量の非鉄金属
素材、例えばアルミニウム(アルミニウム合金)により
製せられたデフケース4が提案されている。
【0017】しかしながら、従来のアルミニウムを用い
たデフケース4においては、鋳鉄系の金属素材により製
せられたデフケース4と同一形状とすると、1対の窓部
13が形成された連結部12の剛性が特に不足して、耐
久性に劣り、寿命が短く長期間に亘り安定した機能を保
持することができないという問題点があった。
【0018】このような問題点に対処するために、従来
のアルミニウムにより製せられたデフケース4において
は、窓部13のない構成が提案されるが、このようなも
のはデフケース4の内部に形成するデファレンシャルギ
ア7の装着部の加工が非常に困難であるとともに、デフ
ァレンシャルギア7の組立ができなく、実用化されてい
ないのが現状である。
【0019】そこで、窓部13を形成しないでデフケー
ス4の内部にデファレンシャルギア7の装着部を加工す
るとともに、デファレンシャルギア7の組立を可能とす
るために、デフケース4を、デフケース4の回転軸心R
Lに対して直交する方向に2分割した2ピース構成と
し、分割したデフケース4をボルト等により結合したも
のが提案されているが、このような2ピース構成のもの
においては、部品点数が増加して製品の製造に多大な労
力と時間を必要とし、経済的負担が増加するとともに、
デフケース4の結合部の強度を確保するためにデフケー
ス4の回転軸心RL方向の長さが増加してデフケース4
が大型化するという問題点があった。
【0020】本発明はこれらの点に鑑みてなされたもの
であり、生産効率に優れるとともに高精度で、かつ、軽
量で、長期間に亘り安定した機能を保持することができ
るデファレンシャルおよびその製造方法ならびに該製法
に用いる中子を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】前述した目的を達成する
ため請求項1に記載の本発明のデファレンシャルは、ト
ランスミッションの出力軸からリングギアに入力された
エンジンの駆動力をリングギアと一体回転するデフケー
スの内部に配設されたデファレンシャルギアを介して車
輪駆動軸に伝達するデファレンシャルにおいて、非鉄金
属素材により形成されたデフケースに鋼系の金属素材に
より製せられたリングギアが鋳込まれて一体化されてい
ることを特徴としている。
【0022】そして、請求項2に記載の本発明のデファ
レンシャルは、請求項1において、前記デフケースは、
外周面に形成され強度を増加させる複数の補強リブと、
外周面に形成され内部の加工および組立を可能ならしめ
る1つの窓部とを有することを特徴としている。
【0023】さらに、請求項3に記載の本発明のデファ
レンシャルは、請求項1または請求項2において、前記
デフケースの外周面に、中子を離脱させるための叩き孔
が前記窓部と略対向するようにして形成されていること
を特徴としている。
【0024】また、請求項4に記載の本発明のデファレ
ンシャルは、請求項1乃至請求項3の何れか1項におい
て、前記非鉄金属素材がアルミニウム合金であることを
特徴としている。
【0025】さらにまた、請求項5に記載の本発明のデ
ファレンシャルの製造方法は、トランスミッションの出
力軸からリングギアに入力されたエンジンの駆動力をリ
ングギアと一体回転するデフケースの内部に配設された
デファレンシャルギアを介して車輪駆動軸に伝達するデ
ファレンシャルの製造方法において、内部の加工および
組立を可能ならしめる1つの窓部を形成可能な中子を、
前記リングギアが装着可能で強度を増加させる複数の補
強リブを形成可能なはめこみ型の内部に装着して鋳型を
形成し、この鋳型の内部にリングギアを装着した状態で
溶融状態とした非鉄金属素材を注入することによりリン
グギアを鋳込んだ鋳造品を形成し、その後、仕上げ加工
を施すことを特徴としている。
【0026】また、請求項6に記載の本発明の中子は、
請求項5に記載の本発明のデファレンシャルの製造方法
に用いられるものであって、それぞれが独立的に着脱可
能なように複数に分割され、鋳造品の内部の加工および
組立を可能ならしめる1つの窓部を鋳造品に形成可能な
窓形成部を具備し、前記窓部を介して前記鋳造品の外部
に離脱可能に形成されていることを特徴としている。
【0027】
【作用】請求項1に記載の本発明のデファレンシャルを
請求項6に記載の本発明のデファレンシャルの製造方法
に用いる中子を使用して請求項5に記載の本発明のデフ
ァレンシャルの製造方法にしたがって製造することによ
り、非鉄金属素材により形成されたデフケースに鋼系の
金属素材により製せられたリングギアを鋳込んで一体化
することができる。
【0028】そして、請求項2に記載の本発明のデファ
レンシャルを請求項6に記載の本発明のデファレンシャ
ルの製造方法に用いる中子を使用して請求項5に記載の
本発明のデファレンシャルの製造方法にしたがって製造
することにより、デフケースに、強度を増加させる複数
の補強リブと、内部の加工および組立を可能ならしめる
1つの窓部とを非鉄金属素材により一体成型することが
できる。
【0029】さらに、請求項3に記載の本発明のデファ
レンシャルを請求項6に記載の本発明のデファレンシャ
ルの製造方法に用いる中子を使用して請求項5に記載の
本発明のデファレンシャルの製造方法にしたがって製造
することにより、デフケースの内部に、デファレンシャ
ルギアの装着部の可能やデファレンシャルギアの組立を
確実に行う内部空間を容易に形成することができる。
【0030】また、請求項4に記載の本発明のデファレ
ンシャルを請求項6に記載の本発明のデファレンシャル
の製造方法に用いる中子を使用して請求項5に記載の本
発明のデファレンシャルの製造方法にしたがって製造す
ることにより、デファレンシャルを軽量化することがで
きる。
【0031】
【実施例】以下、本発明を図面に示す実施例により説明
する。なお、前述した従来のものと同一ないしは相当す
る構成については、図面中に同一の符号を付し、その説
明は省略する。
【0032】図1から図5は本発明に係るデファレンシ
ャルの一実施例を示すものであり、図1は正面図であ
り、図2は一部切断左側面図であり、図3は図1のC−
C線に沿った断面図であり、図4は図1のD−D線に沿
った断面図であり、図5は背面図であり、図6は本発明
に係るデファレンシャルに対するデファレンシャルギア
等の取付状態および本発明に係るデファレンシャルのト
ランスミッションに対する取付状態の要部を示す説明図
である。
【0033】図1から図5に示すように、本実施例のデ
ファレンシャル24は、デフケース25とリングギア2
6とが一体形成されている。
【0034】本実施例のデファレンシャル24のデフケ
ース25は、図3において左右方向に示す左右1対の略
環状に形成されたジャーナル部27が適宜な間隔を隔て
て形成されている。そして、図3において左方に示す一
方のジャーナル部27Lには、例えば図示しない車輪駆
動軸の一方(左車輪駆動軸)が挿通可能な車軸貫通孔2
8Lが形成されており、図3において右方に示す他方の
ジャーナル部27Rには、例えば図示しない車輪駆動軸
の他方(右車輪駆動軸)が挿通可能な車軸貫通孔28R
が形成されている。この各車軸貫通孔28L,28R
は、それぞれの軸心が一致するように形成されるととも
に、各ジャーナル部27L,27Rの軸心は、デフケー
ス25の回転軸心RLと一致するように形成されてい
る。
【0035】前記各ジャーナル部27L,27Rは、軸
方向中央部に位置するそれぞれの基端部が各ジャーナル
部27L,27Rの外径寸法より大きい外径寸法とされ
た略筒状の連結部29により一体的に接続されており、
この連結部29には、図1から図4に示すように、デフ
ケース25の連結部29の外周面を板厚方向に貫通する
1個の窓部30が形成されている。この窓部30は、デ
フケース25の内部に配設されるそれぞれ1対のピニオ
ン5および左右1対のサイドギア6からなるデファレン
シャルギア7の装着部の加工ならびにデファレンシャル
ギア7の組立等(図6)に用いるものであり、この窓部
30により、デフケース25の内部に形成された内部空
間が外部に接続されている。なお、窓部30の縁部は、
額縁等と称される厚肉形状とすることがデフケース25
の強度(剛性)をより向上させるうえで好ましい。
【0036】前記連結部29の軸方向の略中央部には、
デフケース25の回転軸心RLに対して直交するように
して図3において上下に示す上下1対のシャフト装着孔
31がそれぞれの軸心が一致するようにして形成されて
おり、この各シャフト装着孔31には、ピニオンシャフ
ト15が装着されるようになっている(図6)。そし
て、連結部29の外周面の図3において右端部近傍に
は、連結部29の外周面から周方向に延出するようにし
てフランジ状に形成された略環状のギア固定部32が設
けられている。さらに、連結部29の外周面には、図1
および図5に示すように、強度を増加させる複数の補強
リブ33がデフケース25の回転軸心RLから放射状に
図1に示すように窓部30の形成部位を除いて形成され
ている。
【0037】なお、補強リブ33としては、デフケース
25の回転軸心RLから放射状に形成せずに、例えば連
結部29の外周面に格子状あるいは綾目状などに形成し
てもよく、特に、本実施例の形状および配設位置に限定
されるものではない。
【0038】前記連結部29の外周面には、図2および
図4に示すように、後述する製造時に用いられる本実施
例の中子34を離脱させるための2個の叩き孔35が前
記窓部30と略対向するようにして形成されている。な
お、連結部29に設ける補強リブ33および叩き孔35
の数は、デファレンシャル24の仕様および設計コンセ
プト等の必要に応じて増減することができる。
【0039】前記ギア固定部32には、デフケース25
の回転軸心RLに対して直交するようにしてデフケース
25の回転軸心RLと同一軸心とされた環状のリングギ
ア26がギア固定部32の外周面から周方向に延出する
ようにして一体成型されている。このリングギア26の
外周には、図3に示すように、歯部37が形成されてお
り、この歯部37は、トランスミッション2の出力軸2
0に取着されたドライブギア21に噛合するようになっ
ている(図6)。そして、リングギア26の内周部の軸
方向略中央部には、歯部37の厚さより薄く形成された
基体部38が形成されており、リングギア26は、全体
として断面略T字形状の環状に形成されている。この基
体部38の両側面および自由端は、前記デフケース25
のギア固定部32に覆われている。さらに、基体部38
には、図4に示すように、板厚方向に貫通するようにし
てデフケース25の回転軸心RLから等距離位置に等角
度分配置された10個の固定用貫通孔39が形成されて
おり、本実施例における各固定用貫通孔39は、前記デ
フケース25の連結部29の外周面にデフケース25の
回転軸心RLから放射状に形成された各補強リブ33の
延長線上に位置するように形成されている。この各固定
用貫通孔39を、前記デフケース25のギア固定部32
をもって埋設することにより、リングギア26がデフケ
ース25に固着されるようになっている。
【0040】なお、固定用貫通孔39の数は、デファレ
ンシャル24の仕様および設計コンセプト等の必要に応
じて増減することができる。
【0041】また、デフケース25にリングギア26を
固着する方法としては、リングギア26の基体部38
に、固定用貫通孔39のかわりに、凸部、凹部、切欠部
などを設ける構成としてもよい。
【0042】本実施例のデファレンシャル24に対する
デファレンシャルギア7、車輪駆動軸8等の取付状態お
よびデファレンシャル24のトランスミッション2に対
する取付状態を図6に示す。なお、デファレンシャル2
4に対するデファレンシャルギア7、車輪駆動軸8等の
取付状態およびデファレンシャル24のトランスミッシ
ョン2に対する取付状態は、前述した従来例と同様であ
り、その詳しい説明は省略する。
【0043】つぎに、本実施例のデファレンシャルの製
造方法の一実施例について図7により説明する。
【0044】図7は本発明に係るデファレンシャルの製
造方法の一実施例の要部を工程順に示す工程図である。
【0045】図7に示すように、本実施例のデファレン
シャルの製造方法においては、リングギア形成工程40
と、鋳造工程41と、熱処理工程42と、硬化処理工程
43と、仕上げ加工工程44とを順に行うようになって
いる。
【0046】前記各工程についてさらに詳しく説明す
る。
【0047】前記リングギア形成工程40は、リングギ
ア26を形成するためのものであり、鋼系の金属素材を
鍛造し所定形状の鍛造品を形成し、この鍛造品に対し
て、旋盤、フライス盤、ホブ盤等の工作機械を用いて、
固定用貫通孔39の切削加工、大まかな歯部37の歯切
り等の機械加工を施して、鍛造品を所定の寸法および形
状に形成し、その後、浸炭焼入れ・焼もどしなどの熱処
理を施すことにより、所定形状のリングギア26を得る
ようにされている。なお、浸炭焼入れ・焼もどしなどの
熱処理は、金属素材の種類やデファレンシャル24の仕
様および設計コンセプト等の必要に応じて行えばよく、
必ずしもリングギア26に熱処理を施す必要はない。
【0048】前記鋳造工程41は、窓部30を形成可能
な後述する中子34とリングギア形成工程40により得
られたリングギア26とを、補強リブ33を形成可能な
後述するはめこみ型46の内部に装着して鋳型47を形
成し、この鋳型47の内部にリングギア26を装着した
状態で溶融状態とした非鉄金属素材、本実施例において
は後述するアルミニウム合金を高圧下で注入して鋳込を
施してスクイーズキャスト(圧力800Kg/cm2
上)等の高圧鋳造を行い、溶融状態の非鉄金属素材を鋳
型の内部で固化させた後、鋳型から後述する鋳造品(鋳
物)70を取り出し、その後、中子34を鋳造品70か
ら離脱(分離)することによりリングギア26がデフケ
ース25に鋳込まれて一体成型された鋳造品70を得る
ようにされている。
【0049】なお、本実施例の中子34は、後述するよ
うに複数に分割された組み立て式のものを用いることに
より、鋳造品70に形成された叩き孔35の内部に位置
する中子35の部位を外部から内部に向かって叩くこと
により容易に離脱させることができる。
【0050】また、鋳造方法としては、高圧ダイカスト
等の高圧鋳造でもよく、特に本実施例の鋳造方法に限定
されるものではない。
【0051】前記熱処理工程42は、T6(焼入れ焼も
どし)またはT7(焼入れ後安定化処理)の熱処理を施
すことにより、鋳造品70のデフケース25の機械特性
を向上させた熱処理品を得るようにされている。
【0052】なお、熱処理工程42は、デファレンシャ
ル24の仕様および設計コンセプト等の必要に応じて行
えばよく、必ずしも必要なものではない。
【0053】前記硬化処理工程43は、例えば高周波焼
入れを施すことにより、デファレンシャル24のリング
ギア26の歯部37に所望の深さ、例えば0.5〜1.
0mm程度の硬化層を形成して硬化処理品を得るように
されている。
【0054】なお、リングギア26の歯部37の表面に
形成する硬化層の深さは、次工程における歯部37の歯
面の研削代および研削された後の表面状態ならびに歯部
37の強度等の必要に応じて変更することができ、特
に、本実施例に限定されるものではない。
【0055】また、硬化処理としては、高周波焼入れの
他にレーザ焼入れ等の各種の方法から選択することがで
きる。
【0056】さらにまた、硬化処理工程43は、デファ
レンシャル24の仕様および設計コンセプト等の必要に
応じて行えばよく、必ずしも必要なものではない。
【0057】前記仕上げ加工工程44は、硬化処理品に
対して、旋盤、フライス盤、研削盤等の工作機械を用い
て、デフケース25のジャーナル部27L,27R、車
軸貫通孔28L,28R、シャフト装着孔31、デファ
レンシャルギア7の装着部、リングギア26の歯部37
の歯面の研削等の所定の寸法および形状に形成する機械
加工を施して図1から図5に示す完成品(デファレンシ
ャル24)を得るようにされている。
【0058】すなわち、本実施例のデファレンシャル2
4は、鋼系の金属素材により形成されたリングギア26
が、非鉄金属により形成されたデフケース25に鋳込ま
れて一体成型されている。
【0059】また、このように形成されたデファレンシ
ャル24は、図7に想像線にて示す組立工程45によ
り、1個の窓部30を介してピニオン5およびサイドギ
ア6からなるデファレンシャルギア7、ピニオン5が取
着されるピニオンシャフト9がデフケース25の内部に
取着するとともに、各ジャーナル部27L,27Rの外
周部にベアリング10が取着されるようになっている
(図6)。
【0060】つぎに、本実施例のデファレンシャルの素
材について説明する。
【0061】本実施例のデファレンシャル24は、鋼系
の金属素材により形成されたリングギア26が、非鉄金
属により形成されたデフケース25に鋳込まれて一体成
型されており、一方のデフケース25の素材としては、
軽量で機械特性に優れた鋳造可能な非鉄金属素材が用い
られており、この非鉄金属素材としては、鋳物用合金の
AC8A、AC8C(JIS H 5202)、A39
0(AA規格)、DC用合金のADC12(JIS H
5302)などを例示することができる。
【0062】他方のリングギア26の素材としては、リ
ングギア26に必要なエンジンの駆動力に耐え得る鋼系
の金属素材が用いられており、この鋼系の金属素材とし
ては、SCM420(JIS G 4105)、SCr
420(JIS G 4104)などを例示することが
できる。
【0063】つぎに、本実施例のデファレンシャルの製
造方法に用いる鋳型について図8から図10により説明
する。
【0064】図8は本発明に係るデファレンシャルの製
造方法に用いる鋳型の組立状態における要部を示す縦断
面図であり、図9は本発明に係るデファレンシャルの製
造方法に用いる本発明に係る中子の要部を示す分解図で
あり、図10は本発明に係るデファレンシャルの製造方
法に用いる本発明に係る中子の中子位相方向合わせ面を
示す説明図である。
【0065】図8に示すように、本実施例の鋳型47
は、金属により製せられた主型60の内部に配設される
金属により製せられたはめこみ型46と、はめこみ型4
6の内部に着脱可能に配設される金属により形成された
中子(置中子)34とから形成されており、はめこみ型
46と中子34とによりデファレンシャル24のデフケ
ース25部位に対応した所定形状のキャビティ51が形
成されるようになっている。
【0066】前記主型60およびはめこみ型46は、図
8において下方に示す固定型60A、46Aと、図8に
おいて上方に示す可動型60B、46Bとにそれぞれ2
分割されており、固定型60A,46Aに対して可動型
60B,46Bが接離可能とされるとともに、はめこみ
型46の固定型46Aには、金属により製せられ、図8
において左右方向に進退可能とされた左右1対の引抜き
中子46aが配設されている。さらに、主型60の可動
型60Bの略中央部には、中子34に嵌合される嵌合軸
60aが図8において下方に向かって突設されている。
また、固定型60A,46Aの略中央部位には、固定型
60A,46Aを図8において上下方向に貫通するよう
にして湯口48が形成されている。さらにまた、はめこ
み型46には、補強リブ33を形成するための複数のリ
ブ形成部49と、リングギア26を装着するためのギア
装着部50とが形成されている。
【0067】図9に示すように、中子34は、上下方向
に4分割された中子34A,34B,34C,34Dに
より形成されており、各中子34A,34B,34C,
34Dは、図9において両矢印にて示すように、それぞ
れが独立的に着脱可能とされている。そして、各中子3
4A,34B,34C,34Dには、図8に示すように
キャビティ51を形成した場合に嵌合軸60aに嵌合さ
れる貫通孔34a,34b,34c,34dが形成され
ている。
【0068】また、図9において最も下方に示す中子3
4Dの上方に位置する中子34Cの左方には、鋳造品7
0の内部の加工およびデファレンシャルギア7の組立な
どを可能とする前記窓部30を形成するための窓形成部
54が左方に形成されており、この窓形成部54と略対
向するようにして鋳造品70の内部から中子34を離脱
可能とする叩き孔35を鋳造品70に形成するための2
個の突部(一方のみ図示)55が中子34Cの右方に形
成されている。この窓形成部54の左面と下面とは、図
8に示すように、キャビティ51を形成した場合に、は
めこみ型46の固定型46Aと嵌合されて軸方向固定面
とされ、突部55の先端部(詳しくは、先端側外周面)
は、図8に示すようにキャビティ51を形成した場合に
はめこみ型46の固定型46Aと嵌合されて軸方向固定
面とされるようになっている。また、窓形成部54の図
9において正面と図示しない背面ならびに突部55の先
端部(詳しくは、先端側外周面)とは、図10に太矢印
にて示すように、キャビティ51を形成した場合にはめ
こみ型46の固定型46Aと嵌合されて中子位相方向固
定合わせ面とされるようになっている。
【0069】そして、図8に示すように、鋳型47から
デフケース25にリングギア26が鋳込まれた鋳造品7
0を取り出す場合には、はめこみ型46の固定型Aに配
設された左右1対の引抜き中子46aを図8において太
矢印にて示す方向とは逆方向の左右方向外側に向かって
移動させた状態で、主型60の可動型60Aを図8にお
いて上方へ移動させることにより、主型60の可動型6
0Bとともにはめこみ型46の可動型46Bが上方に移
動して、鋳造品70が図8において矢印にて示す製品取
出方向である上方に排出され、これにより、鋳型47か
ら鋳造品70を取り出すことができる。
【0070】また、鋳造品70の内部空間(詳しくは、
鋳造品70のデフケース25部位の内部)から中子34
を離脱させる場合には、最初に、中子34Cの突部55
により窓部30と対向するようにして鋳造品70のデフ
ケース25部位の連結部29に形成された叩き孔35に
嵌合している中子34Cの突部55の先端を、外部から
内部に向かって叩くことにより、鋳造品70に形成され
た窓部30を介して窓形成部54を有する中子34C
が、図9において矢印にて示すように、隣位する中子3
4B,34Dから容易に分離されて鋳造品70の内部空
間から外部に取り外することができる。そして、鋳造品
70の内部から窓形成部54を有する中子34Cを取り
出すことにより、残りの中子34B,34D,34Aを
鋳造したデファレンシャル24のデフケース25の窓部
30を介して容易に取り出すことができる。
【0071】つまり、デファレンシャル24のデフケー
ス25の内部空間を形成する最大外径を図2において記
号Wにて示すデフケース25の窓部30の幅寸法と同等
もしくは若干小さくするとともに、窓形成部54を有す
る中子34Cの図9において記号hにて示す厚さ寸法を
図2において記号Hにて示すデフケース25の窓部30
の高さ寸法と同等もしくは若干小さくすることが好まし
い。そして、各中子34A,34B,34C,34Dの
それぞれ相互に隣位する面には、鋳造品70の内部空間
から各中子34A,34B,34C,34Dの分離を容
易に行うための抜け勾配を形成することが好ましい。
【0072】このように構成した中子34によれば、鋳
造品70のデフケース25部位の内部から中子34を容
易に取り出すことができるとともに、中子34を金属に
より形成することにより、中子34の損傷が少なく、中
子34を複数回の使用に供することができるので、デフ
ァレンシャル24の大量生産を行う場合に、鋳造の毎に
砂中子を形成する場合に比べて総合的な経済的負担を確
実に低減することができる。また、中子34を樹脂によ
り形成することにより、金属素材により形成された中子
34に比較して耐久性に劣るものの、重量を低減させて
ハンドリング性を向上させることができるとともに、中
子34をリサイクルさせて環境汚染を低減させることが
できる。
【0073】つぎに、本実施例のデファレンシャルの特
性について説明する。
【0074】本実施例のデファレンシャル24のアルミ
ニウム合金を高圧鋳造することにより製せられたデフケ
ース25部位の特性は、アルミニウム合金として、AC
8C−T6を用いた場合には、引張強さが28.0(K
gf/mm2 )程度、硬度が110HB(10/300
0)程度であった。なお、従来のFCD45により製せ
られたデフケース4の特性は、耐力が35.5(Kgf
/mm2 )程度、引張強さが45(Kgf/mm2 )程
度、伸びが5%程度、硬度が171HB(10/300
0)程度であった。また、SCM420を浸炭焼入れ・
焼もどしすることにより形成されたリングギア11部位
の特性は、引張強さが95(Kgf/mm2 )程度、伸
びが14%程度、歯部15の硬度が262HB(10/
3000)程度であった。
【0075】また、本実施例のデファレンシャル24と
従来のデファレンシャル1の耐久性能について評価した
ところ、両者とも長期間に亘り安定した機能を保持でき
ることが判明した。つまり、本実施例のアルミニウム合
金を高圧鋳造することにより製せられたデファレンシャ
ル24のデフケース25は、従来のデフケース4と同等
の機能を有していることを確認することができた。
【0076】つぎに、前述した構成からなる本実施例の
作用について説明する。
【0077】本実施例のデファレンシャル24は、鋼系
の金属素材により形成されたリングギア26が、アルミ
ニウム合金を高圧鋳造することにより形成されたデフケ
ース25に鋳込まれて一体成型されているので、軽量化
を確実に図ることができるとともに、従来と異なり、デ
フケース25とリングギア26とをボルト等により結合
させる必要がないので、デフケース25とリングギア2
6との結合部の加工およびデフケース25とリングギア
26との組立工程を必要とせず、デファレンシャル24
の製造工程を簡素化し、生産効率を確実に向上させると
ともに経済的負担を確実に低減することができる。
【0078】そして、本実施例のデファレンシャル24
は、リングギア26の歯部37の歯面をデフケース25
の回転軸心RLを基準として容易に仕上げ加工すること
ができるので、従来のデフケース4とリングギア18と
を結合したデファレンシャル1と異なり、デフケース2
5の回転軸心RLに対するリングギア26の歯部37の
歯先の振れを確実に少なくし、デファレンシャル24の
リングギア26の歯部37の加工精度および位置精度を
確実に向上させることができ、これにより、リングギア
26の歯部37の歯先の振れに起因する異音の発生を確
実に防止することができる。
【0079】さらに、本実施例のデファレンシャル24
は、デフケース25に複数の補強リブ33が形成されて
いるので、デフケース25としての強度(剛性)を適正
に保持し、長期間に亘り安定した機能を保持することが
できる。
【0080】さらにまた、本実施例のデファレンシャル
24は、デフケース25に窓部30が形成されているの
で、デフケース25の内部空間に対するデファレンシャ
ルギア7の装着部の加工やデファレンシャルギア7の組
立を確実に行うことができる。
【0081】さらにまた、本実施例の鋳造工程41は、
金型と称される金属により形成された鋳型47を用いて
高圧鋳造を施すことにより形成されているので、従来の
砂型鋳造を用いる場合に比べて、鋳造工程41における
生産効率をより向上させることができるとともに、従来
の砂型鋳造を用いる場合に生じる砂や異物の混入や内部
欠陥の発生を防止してデフケース25部位を緻密な組織
とすることができるので、デフケース25部位の機械特
性、物理特性などの各種の特性を向上させることもでき
る。
【0082】なお、本発明は、前記実施例に限定される
ものではなく、必要に応じて変更することができる。
【0083】
【発明の効果】以上説明したように本発明のデファレン
シャルおよびその製造方法ならびに該製法に用いる中子
によれば、非鉄金属素材を高圧鋳造することにより形成
されたデフケースに鋼系の金属素材により形成されたリ
ングギアを一体成型することができるので、軽量で、長
期間に亘り安定した機能を保持しすることができるとと
もに、デフケースとリングギアとの組立工程を必要とせ
ず、デファレンシャルの製造工程を簡素化し、生産効率
を確実に向上させ、経済的負担を確実に低減することが
できるという極めて優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るデファレンシャルの一実施例を示
す正面図
【図2】図1の左側面図
【図3】図1のC−C線に沿った断面図右側断面図
【図4】図1のD−D線に沿った断面図
【図5】図1の背面図
【図6】本発明に係るデファレンシャルに対するデファ
レンシャルギア、車輪駆動軸などの取付状態および本発
明に係るデファレンシャルのトランスミッションに対す
る取付状態の要部を示す説明図
【図7】本発明に係るデファレンシャルの製造方法の一
実施例の要部を工程順に示す工程図
【図8】本発明に係るデファレンシャルの製造方法に用
いる鋳型の組立状態における要部を示す縦断面図
【図9】本発明に係るデファレンシャルの製造方法に用
いる本発明に係る中子の要部を示す分解図
【図10】本発明に係るデファレンシャルの製造方法に
用いる本発明に係る中子の中子位相方向合わせ面を示す
説明図
【図11】従来の自動車の駆動力伝達装置に用いられる
デファレンシャルの要部を示す説明図
【図12】従来のデファレンシャルのデフケースを示す
正面図
【図13】図12の一部切断左側面図
【図14】図12のA−A線に沿った断面図
【図15】図12のB−B線に沿った断面図
【図16】図12の背面図
【符号の説明】
2 トランスミッション 7 デファレンシャルギア 8 車輪駆動軸 20 (トランスミッションの)出力軸 24 デファレンシャル 25 デフケース 26 リングギア 30 窓部 32 ギア固定部 33 補強リブ 34、34A、34B、34C、34D 中子 35 叩き孔 37 歯部 39 固定用貫通孔 40 リングギア形成行程 41 鋳造工程 42 熱処理行程 43 硬化処理工程 44 仕上げ加工工程 46 主型 47 鋳型 49 リブ形成部 50 ギア装着部 54 窓形成部 70 鋳造品 55 突部 RL (デフケースの)回転軸心
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原野 英信 東京都府中市緑町2丁目12番地の8 柳河 精機株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トランスミッションの出力軸からリング
    ギアに入力されたエンジンの駆動力をリングギアと一体
    回転するデフケースの内部に配設されたデファレンシャ
    ルギアを介して車輪駆動軸に伝達するデファレンシャル
    において、非鉄金属素材により形成されたデフケースに
    鋼系の金属素材により製せられたリングギアが鋳込まれ
    て一体化されていることを特徴とするデファレンシャ
    ル。
  2. 【請求項2】 前記デフケースは、外周面に形成され強
    度を増加させる複数の補強リブと、外周面に形成され内
    部の加工および組立を可能ならしめる1つの窓部とを有
    することを特徴とする請求項1に記載のデファレンシャ
    ル。
  3. 【請求項3】 前記デフケースの外周面に、中子を離脱
    させるための叩き孔が前記窓部と略対向するようにして
    形成されていることを特徴とする請求項1または請求項
    2に記載のデファレンシャル。
  4. 【請求項4】 前記非鉄金属素材がアルミニウム合金で
    あることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1
    項に記載のデファレンシャル。
  5. 【請求項5】 トランスミッションの出力軸からリング
    ギアに入力されたエンジンの駆動力をリングギアと一体
    回転するデフケースの内部に配設されたデファレンシャ
    ルギアを介して車輪駆動軸に伝達するデファレンシャル
    の製造方法において、内部の加工および組立を可能なら
    しめる1つの窓部を形成可能な中子を、前記リングギア
    が装着可能で強度を増加させる複数の補強リブを形成可
    能なはめこみ型の内部に装着して鋳型を形成し、この鋳
    型の内部にリングギアを装着した状態で溶融状態とした
    非鉄金属素材を注入することによりリングギアを鋳込ん
    だ鋳造品を形成し、その後、仕上げ加工を施すことを特
    徴とするデファレンシャルの製造方法。
  6. 【請求項6】 それぞれが独立的に着脱可能なように複
    数に分割され、鋳造品の内部の加工および組立を可能な
    らしめる1つの窓部を鋳造品に形成可能な窓形成部を具
    備し、前記窓部を介して前記鋳造品の外部に離脱可能に
    形成されていることを特徴とする請求項5に記載のデフ
    ァレンシャルの製造方法に用いる中子。
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