JPH08319578A - 湿式法による多層膜の製造方法およびその製造装置 - Google Patents

湿式法による多層膜の製造方法およびその製造装置

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JPH08319578A
JPH08319578A JP12493495A JP12493495A JPH08319578A JP H08319578 A JPH08319578 A JP H08319578A JP 12493495 A JP12493495 A JP 12493495A JP 12493495 A JP12493495 A JP 12493495A JP H08319578 A JPH08319578 A JP H08319578A
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electroless plating
film
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Osamu Shinoura
治 篠浦
Yuichi Sato
雄一 佐藤
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TDK Corp
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    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F41/00Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 無電解めっき法、置換めっき法を繰り返して
行うことで湿式法により極薄膜を積層した多層膜を容易
にかつ確実に製造する方法および製造装置を提供する。 【構成】 回転している基体上に少なくとも2種類以上
の無電解めっき溶液か、または無電解めっき溶液と置換
めっき溶液を交互に供給するスピンめっきにより2種類
以上の層を積層する湿式法による多層膜の製造方法であ
る。更に、被めっき基体を回転する機構と、該被めっき
基体上に少なくとも2種類以上の無電解めっき溶液、ま
たは無電解めっき溶液と置換めっき溶液を交互に供給す
るノズルを有する湿式法による多層膜の製造装置であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業状の利用分野】本発明は、湿式法、特に、少なく
とも無電解めっき方法を用いる多層膜の製造方法および
製造装置等に関する。これらの多層膜の用途は極めて広
いが、たとえば巨大磁気抵抗効果を示す磁性多層膜等を
製造することに適用すれば磁気抵抗効果形磁気ヘッドや
センサーとして利用される。この他にも現在乾式成膜法
により多層膜が製造しようされている多くの分野に利用
が可能である。
【0002】
【従来の技術】異なる組成の薄い層を積層することで単
層膜にはない特徴が発揮される多層膜は巨大磁気抵抗効
果(GMR)を示す磁性多層膜等の多層膜等に広く使用
されている。現在その多層膜は多くはスパッタ法、蒸着
法等の乾式成膜法で成膜されている。なお現在多くの報
告があるGMR特性は多層膜の面内に電流を流した場合
の抵抗変化率を測定したものでCIP(Current In Pla
ne)検出である。
【0003】これに対して装置コストが安く成膜速度の
速いことから工業的に極めて有利な湿式法は、特に積層
回数が多いことが要求されるCPP−MR(Current Pe
rpendicular to the Plane:電流を多層膜面に垂直に流
した場合の抵抗変化率)の磁界センサーに有効である。
【0004】例えば無電解めっき方法および/または置
換めっき方法により巨大磁気抵抗効果を示す磁性多層膜
等の多層膜は特開平4ー122009号公報、特開平4
ー122010号公報に開示されている。 しかし成膜
にあたっては従来公知のように異なるめっき浴槽に順に
いれるものであった。しかし極めて薄い層を成膜するた
めには多くの困難があった。例えば成膜速度が10μm/hr
程度の無電解めっき浴を用いて50Aの層を形成するため
の浸積時間は1.8秒と非常に短くなり、わずかな浸積時
間の誤差が大きな層厚変動を招いていた。 また、浸積
する溶液の温度が常温でない場合には基体の場所により
温度上昇にばらつきが生じ、これが膜厚ばらつきをさら
に大きくしていた。たとえばウエハー状試料の場合には
周辺部の温度上昇が中央部よりも早いために、周辺部の
膜厚が中央部よりも厚くなってしまった。従来の浸積成
膜法では長時間浸積するために初期はむらがあっても次
第に基体温度が溶液温度になり、平均化されるために大
きな問題ではなかった。
【0005】また特開平3ー224210号公報にはPt
/Co多層膜を無電解めっきと置換めっきにより作製する
方法が開示されている。しかしやはり従来の浸積めっき
を繰り返す手法を用いており数〜数十秒めっき液に浸積
することにより数原子〜数十原子層の薄膜が形成される
とあるが、その膜厚の均一性や管理方法についてはなん
ら記述されていない。
【0006】成膜速度を遅くするために浴条件、たとえ
ば浴温を下げたりすることも可能ではあるが、限界があ
り、あるしきい値以下では析出反応が停止して成膜不可
能となる。さらに工業的に見れば生産速度の低下を招く
析出速度の低下は好ましい手法ではない。
【0007】基体を回転させながらめっき成膜を行うこ
とは広く知られており例えば特開昭64ー55386号
公報には無電解めっきをスピンめっき法で成膜すること
により欠陥の少ない無電解膜が得られるが開示されてい
る。しかし、これは同一の無電解めっき液を連続的に基
体上に供給し単層膜を得る方法の1つにすぎない。
【0008】特開平1ー255684号公報には半導体
ウエハーを回転しながら電気金めっきを行うことで均一
性の高い金皮膜を得る方法が開示されている。しかし、
この方法は単層膜を得る手法であり電気めっき液は1種
類のものが連続的に供給されている。
【0009】また特公昭51ー4089公報号では無電
解めっき液中で基体を回転させながらニッケルを成膜す
るための回転条件、浴条件が開示されているが、これは
溶液中での撹拌の1つの方法にすぎない。
【0010】さらに基体を回転させながら膜を成膜する
手法として、例えば特開平5ー234752号公報には
薄膜材料を含有した硝酸塩を有機溶媒に溶解した溶液を
スピンコート法により基板に塗布し、乾燥することでS
mFeO3薄膜等を形成することが開示されている。こ
の方法は単なるスピンコート法による薄膜形成ではなく
化学反応が起こりうることを示唆しているが、その反応
は単純な酸化反応にすぎない。
【0011】また特公昭60ー15701号公報におい
ては金属塩と還元剤を別々のノズルから噴射し基板表面
で無電解金属析出反応を起こし、薄膜を形成することが
開示されている。
【0012】このように基体を回転させながら成膜する
こと、さらに金属塩と還元剤を別々に供給する無電解め
っき方法等は広く知られていたが、単層膜を成膜するた
めの1つの手法にすぎなかった。そして、ごく薄い薄膜
を効率的に積層した多層膜の成膜に、そのまま適用可能
なものはなかった。
【0013】またジャーナルオブエレクトロケミカルソ
サイティの1993年1月号91ページには基板を回転しなが
ら電気めっき法で多層膜を作成することが示されてい
る。この方法は異なる2つのめっき浴槽を被めっき基体
の一部分が順に浸積するものである。この方法では異な
る組成の層厚比を大きく変化することは困難であり、か
つ装置が複雑で液漏れ等のため連続した生産は困難と予
想される。
【0014】このように無電解めっきおよび/または置
換めっきを繰り返して行うことで極薄膜を積層した多層
膜を得ることは理論的には容易だが、現実には非常に困
難であった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、無電
解めっき法と無電解めっき法、または無電解めっき法と
置換めっき法を繰り返して行うことで湿式法により極薄
膜を積層した多層膜を容易にかつ確実に製造する方法お
よび製造装置を提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】このような目的は、下記
(1)〜(8)の本発明により達成される。
【0017】(1)回転している基体上に少なくとも2
種類以上の無電解めっき溶液か、または無電解めっき溶
液と置換めっき溶液を交互に供給するスピンめっきによ
り2種類以上の層を積層することを特徴とする湿式法に
よる多層膜の製造方法。
【0018】(2)無電解めっき成膜のための無電解め
っき溶液が金属塩溶液と還元剤溶液に分けられ、別々に
前記基体上に供給され前記基体上で混合し反応すること
を特徴とする上記(1)の湿式法による多層膜の製造方
法。
【0019】(3)各層の層厚が500A以下であることを
特徴とする上記(1)または(2)の湿式法による多層
膜の製造方法。
【0020】(4)ニッケル、コバルト、鉄の3種類の
強磁性金属の中から選択される少なくとも1種類以上を
主成分として含有する層と銅、金、白金、銀、錫等の非
磁性金属の中から選択される少なくとも1種類以上を主
成分として含有する層とを積層した多層膜を製造するこ
とを特徴とする上記(1)〜(3)のいずれかの湿式法
による多層膜の製造方法。
【0021】(5)多層膜が巨大磁気抵抗効果を示す磁
性多層膜であることを特徴とするとする請求項1〜4の
いずれかの湿式法による多層膜の製造方法。
【0022】(6)被めっき基体を回転する機構と、該
被めっき基体上に少なくとも2種類以上の無電解めっき
溶液、または無電解めっき溶液と置換めっき溶液を交互
に供給するノズルを有することを特徴とする湿式法によ
る多層膜の製造装置。
【0023】(7)前記被めっき基体を加熱する加熱機
構と供給する無電解めっき溶液または/および置換めっ
き溶液を加熱する機構を有することを特徴とする上記
(6)の湿式法による多層膜の製造装置。
【0024】(8)前記被めっき基体の回転数が1rpm
から3000rpmであることを特徴とする上記(6)ま
たは(7)の湿式法による多層膜の製造装置。
【0025】
【具体的構成】被めっき基体は回転運動をするためにホ
ルダーに固定される。回転数は1rpmから3000rpm、
好ましくは10rpmから2000rpm、特に好ましくは1
0rpmから500rpmである。回転数が遅すぎると基板上
での溶液層の厚さに分布が生じ、成膜された膜の厚さ分
布が大きくなる。回転数が早すぎると基板上での溶液層
の厚さが薄すぎて成膜が起こらないと同時に、基板と溶
液の相対速度、すなわち撹拌速度が速くなりすぎて無電
解めっき析出反応が起こり難くなる。
【0026】必要に応じて基板ホルダーに永久磁石をと
りつけ直流磁界中で強磁性金属を成膜し誘導磁気異方性
を付与することも可能である。
【0027】本発明に用いる無電解めっき浴および/ま
たは置換めっき浴は従来知られている各種類のめっき浴
が使用できる。たとえば無電解めっき浴の還元剤として
は次亜りん酸、ジメチルアミンボラン、水素化ホウ素ナ
トリウム、ホルマリン、三塩化チタン、アスコルビン
酸、ヒドラジン等の中から少なくとも1種類を成膜した
い金属イオンの還元電位にあわせて選択される。
【0028】たとえば銅を主成分とする層を多層膜の1
つの層とし、ニッケル、コバルト、鉄等を主成分とする
層を積層する場合にはリン系の還元剤では析出反応が起
きにくいが、ホウ素系の還元剤を用いることで銅層上に
均一なニッケル、コバルト、鉄等を主成分とする層を積
層することができる。
【0029】複数の還元剤を併用して使用することも一
向に差し支えない。無電解めっきのため、析出された金
属には還元剤の副反応で生じたリンやホウ素が含有され
る。
【0030】またCIP−GMR検出で不純物による比
抵抗の増加が問題となる場合にはホルマリンやヒドラジ
ンを還元剤とすることで低比抵抗膜が得られる。たとえ
ばホルマリン還元の銅めっきやヒドラジン還元のニッケ
ルはほぼ純金属に近い低い比抵抗であることが知られて
いる。
【0031】また反対にCPPーGMR検出を使用しあ
る程度以上の比抵抗としたい場合にはリンやホウ素を含
有した層を有する多層膜が好ましい。特にCoP、Co
FeP、NiFeP、FeP等のリン合金層の場合はリ
ンを10at%以上含有するアモルファスまたは超微結晶
の層が好ましい。CoB、CoFeB、NiFeB等の
ホウ素含有合金層の場合にはホウ素を1at%以上含むこ
とで所望の高抵抗が容易に得られる。いずれの場合もア
モルファス合金とすることで例えば100μΩcm以上の
高い比抵抗が得られることは同じである。 またアモル
ファス合金とすることで結晶磁気異方性でなく誘導磁気
異方性が異方性の原因となるために磁場中熱処理により
所望の値の磁気異方性を誘導することが可能となる。
【0032】置換めっきはより貴な金属イオンが、卑な
金属膜上に供給された場合に、貴な金属が卑な金属によ
り還元され析出する現象である。この置換めっき反応を
利用するには両者の電位が異なることが必要となる。ニ
ッケル、コバルト、鉄等に対して銅、白金等は大きく電
位が異なり置換めっきが起きることで知られている。
【0033】しかし無電解析出膜の場合には、上記のよ
うにリンやホウ素が含有されることから、その電位が純
金属とは異なることがあるので注意が必要である。
【0034】特に巨大磁気抵抗効果素子用多層膜を作成
する場合には金属イオンとしてはニッケル、コバルト、
鉄の3種類の強磁性金属の中から選択される少なくとも
1種類以上を含むことが特に望ましい。そのほかに銅、
金、白金、銀、錫等の非磁性金属の中から選択される少
なくとも1種類以上の層を含むことが特に望ましい。
【0035】特に鉄を主成分とする無電解めっき層を析
出するには金属塩と還元剤を別々のノズルから噴射し基
板表面で無電解金属析出反応を起こし、薄膜を形成する
ことが望ましい。これは鉄は無電解析出しにくいために
より強い還元力が必要であり、最初から混合しておくと
自己分解反応を起こしやすい為である。
【0036】各溶液は回転する基体近傍に設けられたノ
ズルから基体上に供給される。供給液量は成膜される層
により異なるが5ml/分から1000ml/分が望ましい。
前記範囲以下では基体全面を十分に均一に成膜すること
が困難であり、前記範囲以上では基体上での流速が早す
ぎて無電解反応、置換反応にばらつきが生じやすい。
【0037】本発明では2種類以上の異なる層を形成す
るための溶液を供給するために2つ以上のノズルを有す
ることが望ましい。また中間での水洗処理等のために純
水供給用のノズルも別途設けることが望ましい。また1
つのノズルを切り替えて2種類以上の溶液を供給しても
一向に差し支えない。
【0038】回転する基体は必要に応じて加熱されるこ
とが望ましい。これは無電解めっき反応が化学反応であ
るために、その温度が重要な要因であり、加温状態で反
応することが反応速度の観点から重要な場合が多いから
である。通常の無電解めっきでは基体を加熱されためっ
き浴に浸積するが、本発明では同様に溶液、すなわち供
給する無電解めっき液または/および置換めっき液、無
電解めっき用金属塩溶液、還元剤溶液、洗浄水等を加熱
するのに加えて基体を加熱しておくことが望ましい。こ
れは基体面内での温度均一性、すなわち成膜された膜の
膜厚、組成均一性を得るためである。基体を加温する手
段としては基体裏面からの加熱が望ましい。具体的には
PTCを利用した自己発熱体を用い被めっき面全体を均
一に面状態での加熱をする。
【0039】また供給する無電解めっき液、置換めっき
液、無電解めっき用金属塩溶液、還元剤溶液、洗浄用の
純水を予め加熱方法としてはヒーターの投げ込みによる
直接加熱が簡単である。しかし自己分解の可能性がある
溶液では直接加熱よりも温水等を熱媒体とする間接加熱
やマイクロ波による誘導加熱が望ましい。これは局所的
な温度上昇によるめっき浴の自己分解反応を防止するた
めである。
【0040】本発明に用いられる基体はガラス、セラミ
ックあるいは導電性基体上にアルミナ薄膜等を成膜した
等の非磁性非導電性基体、シリコンウエハーも用いるこ
とが出来る。無電解反応の初期析出のために触媒化処理
が行われる。触媒化処理は通常の各前処理溶液に順に浸
積する処理を行うことはもちろん、無電解成膜と同様に
基体を回転させながら各処理液を順に供給することで処
理を完了することも可能である。この場合には無電解成
膜工程と連続して行うことが可能である。またシリコン
ウエハー等の半導体の場合には基板から電子が供給され
還元反応が起こることから触媒化処理を行わないでも析
出層を形成することも可能である。
【0041】触媒性を有する導電性基体、あるいは導電
性下地膜上に成膜する場合の表面の酸化物層を除去する
ための酸洗浄等の前処理も上記の触媒化前処理と同様に
従来の方法と無電解成膜工程と連続して回転させながら
溶液を供給することで処理することが可能である。この
場合には基体の片面のみが触媒化処理される。
【0042】多層膜構造は少なくとも2種類以上の溶液
を順に基体上に供給することで容易に製造される。ただ
し、この場合少なくとも1種類は無電解溶液であること
が必要である。
【0043】さらに膜構造によっては3種類以上の層を
積層する場合には、供給する溶液の種類を増加すること
で容易に対応可能である。
【0044】各層の厚さも任意に変更可能であり、たと
えばNiBとCuという2種類の層を積層する際に[100
A-98at%Ni-2at%B/100A-100at%Cu/50A-98at%Ni-2at%B/70
A-100at%Cu]×nといった4層構造も可能である。なお[1
00A-98at%Ni-2at%B/100A-100at%Cu/50A-98at%Ni-2at%B/
70A-100at%Cu]×nとは100A厚さの98at%Ni-2at
%B組成のNiB合金層の上に100A厚さの100at
%Cu層を成膜、その上に50Aの98at%Ni-2at%
B組成のNiB合金層、さらに70Aの100at%Cu
層を成膜し、以上の構造がn回繰り返しているものであ
る。
【0045】各層形成工程の間には水洗のために純水を
供給することが望ましい。特に表面酸化防止の為に窒素
バブリングにより溶存酸素を除去した純水を用いること
が望ましい。膜厚は溶液を基体上に供給する時間及び水
洗水供給までの時間により管理するのが最適である。し
かし温度、回転数、水洗工程までの時間等でも制御可能
である。
【0046】本発明による多層膜の各層厚について特に
制限はないが層厚が500A以下、好ましくは300A以
下、特に好ましくは100A以下の層を積層して形成さ
れる多層膜の製造に適している。前記層厚以上では従来
の浸積法による繰り返し浸積でも成膜が可能となり、本
発明の効果が発揮できない。層厚の下限については特に
制限はないが10A程度が望ましい。前記下限値以下で
は均一な層の成膜が難しい。しかし、クラスター構造の
膜が望ましい場合にはこれよりも薄い極薄層を形成して
も一向に差し支えない。
【0047】また多層膜を製造した後に熱処理等を行
い、各層の拡散により合金単層膜を製造することも可能
である。
【0048】
【作用】薄い金属めっき層を積層するためには、被めっ
き基体とめっき溶液の極めて短い接触時間を正確に管理
することが必要である。従来の浸積めっき法ではこの接
触時間を正確に管理することは困難であった。
【0049】これに対し、本発明では、基体上に少なく
とも2種類以上の無電解めっき溶液か、または無電解め
っき溶液と置換めっき溶液を交互に供給することによっ
て、2種類以上の層を積層して多層膜を形成する。従っ
て、交互にめっき液を供給する時間等の多層膜の各一層
づつを成膜する条件を制御することにより、極薄膜を積
層した多層膜を容易にかつ確実に製造することができ
る。
【0050】更に、本発明では、成膜速度に大きな影響
を及ぼすめっき溶液と被めっき基体の相対速度および被
めっき基体上での温度分布等も正確に管理が可能なた
め、層厚が均一な多層膜の作成が可能となる。
【0051】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
る。
【0052】(実施例1)コーニング社製3インチ径の
基体(ガラス基板で製品番号は7059)を常温の超純水中
で超音波洗浄、10%水酸化ナトリウム溶液でのエッチ
ング、1N硝酸溶液での中和処理、10%フッ酸溶液で
のエッチングの前処理を行った。さらに0.1%塩化錫
溶液と0.1%塩化パラジウム溶液での触媒化処理を行
った。各工程の間には窒素バブリングにより溶存酸素を
除去した常温の超純水にて超音波洗浄を行った。この触
媒化処理を終了した基体を、図1に模式図として示した
ような多層膜の製造装置の基体保持機構12に固定し
た。
【0053】この基体保持機構12の基体と接触する面
部分には、基板加熱機構18があって、具体的にはPT
C発熱体で出来ており、50℃に加温されている。回転
装置14により回転数200rpmで回転させた基体上に
50℃の無電解NiFeBめっき溶液1を流量100ml
/分で5秒間溶液供給ノズル15より供給し、1.5秒
後に50℃の窒素バブリングにより溶存酸素を除去した
超純水を流量30ml/分で2秒間別の供給ノズル(図示
してないが溶液供給ノズル15に隣接して配置されてい
る)より供給し、0.5秒後にさらに50℃の無電解C
uめっき溶液2を流量150ml/分で3秒間溶液供給ノ
ズル16より供給し、そして0.5秒後に50℃の窒素
バブリングにより溶存酸素を除去した超純水を流量30
ml/分で2秒間別の供給ノズル(図示してないが溶液供
給ノズル15に隣接して配置されている)より供給し
た。以上の工程を1サイクルとし200サイクルの処理
を行った。この製造方法により得られた[50A-88at%Ni-2
0at%Fe-2at%B/30A-100at%Cu]×200の多層膜を実施例1
とする。
【0054】(実施例2)実施例1と同様の前処理を行
った基体を、実施例1と同様に図1に示した装置の基体
保持機構12に固定し、この基体は40℃に加温されて
いる。回転数500rpmで回転させた基体上に40℃の
無電解FeBめっき溶液の金属塩溶液3を流量80ml/
分で、無電解FeBめっき溶液の還元剤溶液4を流量4
0ml/分で同時に10秒間それぞれ溶液供給ノズル15
および16より供給し、0.5秒後に40℃の窒素バブ
リングにより溶存酸素を除去した超純水を流量30ml/
分で2秒間別の供給ノズル(図示してないが溶液供給ノ
ズル15に隣接して配置されている)より供給し、0.
5秒後にさらに40℃のCu置換めっき溶液5を流量1
50ml/分で3秒間溶液供給ノズル17より供給し、そ
して0.5秒後に40℃の窒素バブリングにより溶存酸
素を除去した超純水を流量30ml/分で2秒間別の供給
ノズル(図示してないが溶液供給ノズル15に隣接して
配置されている)より供給した。
【0055】以上の工程を1サイクルとし100サイク
ルの処理を行った。この製造方法により得られた[75A-9
9at%Fe-1at%B/10A-100at%Cu]×100の多層膜を実施例2
とする。
【0056】(比較例1)実施例1と同様の前処理を行
ったガラス基板をめっき浴槽に入れた50℃の無電解N
iFeBめっき溶液1に5秒間浸積した後、すばやく5
秒間50℃の窒素バブリングにより溶存酸素を除去した
超純水で水洗、さらに別のめっき浴槽に入れた50℃の
無電解Cuめっき溶液2に3秒間浸積、そして5秒間5
0℃の窒素バブリングにより溶存酸素を除去した超純水
で洗浄した。以上の工程を1サイクルとし200サイク
ルの処理を行った。
【0057】この製造方法により得られた[80A-80at%Ni
-19at%Fe-1at%B/30A-100at%Cu]×200の多層膜を比較例
1とする。しかし、この試料は部分的に大きな厚さ分布
があり、上記構造は平均値である。
【0058】上記実施例および比較例に用いた溶液の組
成を表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】なお上記の各層の層厚、組成は基体中央部
の蛍光X線分析による全層厚と積層回数から計算したも
のである。
【0061】このようにして得られた試料の多層膜の面
内方向に電流を流した場合の磁気抵抗効果変化率(CI
P−MR)を4端子法を用い20mAにて2KOeの磁界中
で測定した。
【0062】電極形状を変化させ多層膜の垂直方向に電
流を流した場合の磁気抵抗変化率(CPP−MR)は2
kOeの磁界中50mAにて測定した。
【0063】またイオンミリング法により断面透過電子
顕微鏡試料を作成し、その周期構造の直接観察を行い、
1層毎の層厚を測定した。ただし顕微鏡倍率、視野の広
さ、試料作成の関係等から層状構造が明瞭に観察された
のは、おおよそ10から20層であり、この観察可能な
範囲での平均値を層厚とした。
【0064】また別途、段差計にて試料の面内10点の
全膜厚を段差計にて測定し、その平均値および標準偏差
を求めた。これらの結果を表2に示す。
【0065】
【表2】
【0066】
【効果】安価な装置を用いて、極薄膜を積層した多層膜
を容易にかつ確実に製造することができる。
【0067】得られる多層膜の一層一層の膜厚は均一
で、全膜厚も均一であり、強磁性金属と非磁性金属の極
薄膜を交互に積層した多層膜は磁気抵抗効果膜として優
れたMR変化率を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の湿式法による多層膜の製造装置の概略
図を示す。
【符号の説明】
11 基体 12 基板保持機構 13 回転軸 14 回転装置 15、16、17 溶液供給ノズル 18 基板加熱機構

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転している基体上に少なくとも2種類
    以上の無電解めっき溶液か、または無電解めっき溶液と
    置換めっき溶液を交互に供給するスピンめっきにより2
    種類以上の層を積層することを特徴とする湿式法による
    多層膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 無電解めっき成膜のための無電解めっき
    溶液が金属塩溶液と還元剤溶液に分けられ、別々に前記
    基体上に供給され前記基体上で混合し反応することを特
    徴とする請求項1の湿式法による多層膜の製造方法。
  3. 【請求項3】 各層の層厚が500A以下であることを特徴
    とする請求項1または2の湿式法による多層膜の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 ニッケル、コバルト、鉄の3種類の強磁
    性金属の中から選択される少なくとも1種類以上を主成
    分として含有する層と銅、金、白金、銀、錫等の非磁性
    金属の中から選択される少なくとも1種類以上を主成分
    として含有する層とを積層した多層膜を製造することを
    特徴とする請求項1〜3のいずれかの湿式法による多層
    膜の製造方法。
  5. 【請求項5】 多層膜が巨大磁気抵抗効果を示す磁性多
    層膜であることを特徴とするとする請求項1〜4のいず
    れかの湿式法による多層膜の製造方法。
  6. 【請求項6】 被めっき基体を回転する機構と、該被め
    っき基体上に少なくとも2種類以上の無電解めっき溶
    液、または無電解めっき溶液と置換めっき溶液を交互に
    供給するノズルを有することを特徴とする湿式法による
    多層膜の製造装置。
  7. 【請求項7】 前記被めっき基体を加熱する加熱機構と
    供給する無電解めっき溶液または/および置換めっき溶
    液を加熱する機構を有することを特徴とする請求項6の
    湿式法による多層膜の製造装置。
  8. 【請求項8】 前記被めっき基体の回転数が1rpmから
    3000rpmであることを特徴とする請求項6または7
    の湿式法による多層膜の製造装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002063067A1 (fr) * 2001-02-07 2002-08-15 Tokyo Electron Limited Procede et appareil de depot autocatalytique

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