JPH08319436A - 紙被覆顔料用クレーの処理方法 - Google Patents

紙被覆顔料用クレーの処理方法

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JPH08319436A
JPH08319436A JP8088572A JP8857296A JPH08319436A JP H08319436 A JPH08319436 A JP H08319436A JP 8088572 A JP8088572 A JP 8088572A JP 8857296 A JP8857296 A JP 8857296A JP H08319436 A JPH08319436 A JP H08319436A
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smectite
slurry
calcium
sodium
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JP8088572A
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Thomas D Thompson
トーマス・ディー・トンプソン
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United Catalysts Inc
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Publication date
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    • C09C1/00Treatment of specific inorganic materials other than fibrous fillers; Preparation of carbon black
    • C09C1/40Compounds of aluminium
    • C09C1/42Clays
    • DTEXTILES; PAPER
    • D21PAPER-MAKING; PRODUCTION OF CELLULOSE
    • D21HPULP COMPOSITIONS; PREPARATION THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASSES D21C OR D21D; IMPREGNATING OR COATING OF PAPER; TREATMENT OF FINISHED PAPER NOT COVERED BY CLASS B31 OR SUBCLASS D21G; PAPER NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紙被覆に用いるスメクタイト型クレーの微細
粒度および高アスペクト比を保持しながら、その粘度、
チキソトロピー性、磨耗性を低減させる。 【解決手段】 ナトリウムスメクタイト型クレーのスラ
リーとカルシウムスメクタイト型クレーのスラリーを別
々に用意し、これら2種類のスラリーを別個に脱グリッ
ト処理して粗大粒子の不純物を実質的に除去し、次に洗
浄して望ましくない可溶性塩の実質的部分を除去し、さ
らに分別処理してスラリー中のスメクタイト型クレーの
粒度範囲を狭めてから、これら2種類のスラリーを混合
し、ナトリウム/カルシウム混合スメクタイト型クレー
のスラリーを得る。その後、乾燥して固体粉末にしても
よい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は紙被覆 (塗被) 用の
改善されたクレー(白土、粘土)の製造方法に関する。
より具体的には、本発明は、レオロジー特性、粒度分布
および磨耗性が改善された紙被覆用のスメクタイト型ク
レーの処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】紙は一般にセルロース繊維、特に綿また
は麻繊維が微細に絡み合った混合物からなり、未処理の
ままでは、透明性や表面の不規則性(ざらつき)により
印刷の目的に十分には適していない。この欠陥は一般
に、デンプンおよび樹脂といった結合剤の添加、ならび
に炭酸カルシウム、硫酸カルシウムおよび特にクレーと
いった各種無機充填材の繊維原液への配合により補正さ
れる。例えば、通常の紙の品質は、微細なクレー顔料粒
子および接着剤混合物からなる薄膜で紙の表面を被覆す
ることにより大きく改善される。
【0003】紙の被覆に用いるクレーは、好ましくはカ
オリナイトまたは他の類似のクレーからなる。かかるク
レーは、紙の被覆に使用するには、できるだけ純粋な形
態に製造しなければならない。また、クレーが水中に容
易に分散し、得られた分散液の粘度が極めて低いことも
重要である。最良の結果を得るには、クレーが可及的に
低粘度で極めて高いクレー濃度のスラリーを生じなけれ
ばならない。
【0004】水膨潤性スメクタイト型クレーを、5g/m2
以下の被覆量で紙の被覆顔料として使用することは、欧
州特許出願公開第283 000 号に開示されている。この被
覆用の好ましいクレーは、ナトリウムスメクタイト型ク
レーである。この欧州特許出願は、天然ベントナイトを
イオン交換法により処理して、クレーイオンを主にナト
リウムイオンに変換させることを推奨している。可溶性
不純物を除去するためにカオリンクレーをイオン交換樹
脂を用いて処理する方法は、米国特許第4,451,440 号に
開示されている。
【0005】クレー産業では、粗製クレーを普通は洗浄
して、存在する可能性のあるグリット(硬い粒子)を除
去する。さらに、生 (未焼成) クレーを放置して、粗大
粒子を沈降させることが多い。例えば、米国特許第2,88
5,360 号および第2,531,427号を参照。沈降または遠心
分離による分別を包含するクレーの別の処理法は、例え
ば、米国特許第3,253,791 号、第4,018,673 号および第
4,451,440 号に開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】紙の被覆用に使用され
るナトリウムスメクタイト型クレーの各種の製造方法が
これまでに知られているが、紙の印刷適性を高めるため
に膨潤性クレーの処理法のさらなる改善が求められてい
る。このような改善された印刷適性を生ずるには、スメ
クタイト系クレーが改善されたレオロジー特性、粒度制
御、および特に低い磨耗性を示す必要がある。
【0007】残念ながら、慣用のナトリウムスメクタイ
ト型クレーは、大きな膨潤容積、高粘度、および高度の
チキソトロピー性を示す。これらは紙被覆用の顔料とし
ては望ましくない性質である。スメクタイトのレオロジ
ーの変動が大きいことが、この材料を通常の操業条件下
で被覆に使用することを妨げており、これを一般に被覆
用顔料として広く使用することができないでいた。
【0008】よって、本発明の目的は、粘度が低減し
た、紙被覆用の改善されたスメクタイト型クレー製品を
製造することである。本発明の別の目的は、天然および
合成スメクタイトの微細な粒度と高いアスペクト比とを
保持しながら、その望ましくないチキソトロピー性が低
下した、紙被覆用の改善されたスメクタイト型クレーを
提供することである。
【0009】本発明のさらに別の目的は、スメクタイト
型クレーの磨耗性が低下した紙被覆用の改善されたスメ
クタイト型クレーを提供することである。本発明のさら
に別の目的は、クレー製品の粒度が慎重に制御された紙
被覆用のスメクタイト型クレーを提供することである。
本発明の上記およびその他の目的は、以下に記載する本
発明の方法により達成することができる。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、下記 (a)〜
(f) の工程を含むことを特徴とする紙被覆顔料用のベン
トナイト型クレーの製造方法である。 (a) カチオン位置に主にナトリウムイオンが存在するス
メクタイト型クレーを水でスラリー化してナトリウムス
メクタイト型クレー・スラリーを形成する工程、(b) カ
チオン位置に主にカルシウムイオンが存在するスメクタ
イト型クレーを水でスラリー化してカルシウムスメクタ
イト型クレー・スラリーを形成する工程、(c) 上記の各
クレー・スラリーを脱グリット処理して粗大粒子不純物
を実質的に(例、90%以上) 除去する工程、(d) 各クレ
ー・スラリーから望ましくない可溶性塩の実質部分
(例、70%以上)を除去する工程、(e) 各クレー・スラリ
ーを分別処理してスメクタイト型クレーを粒度調整する
工程、および(f) 上記ナトリウムスメクタイト型クレー
・スラリーを上記カルシウムスメクタイト型クレー・ス
ラリーと混合し、改善されたクレー・スラリー混合物を
得る工程。
【0011】なお、上記工程のうち、工程(c) 〜(e) の
順序は上記の順番である必要はなく、変更できる。
【0012】得られた改善されたクレー・スラリー混合
物をさらに処理して、製紙産業で使用するためのクレー
系粉末状製品を製造することができる。この追加の処理
は、スラリーを水溶性ポリマーで処理してクレーを凝集
させ、凝集したクレー・スラリーを遠心分離などの高濃
度化法により高濃度化し、遠心分離で集めたクレーを乾
燥して粉末状クレー製品を得る工程を包含しうる。
【0013】
【発明の実施の形態】紙などの印刷媒体上に使用される
本発明の紙被覆用のクレー系製品は、被覆に用いるクレ
ーのレオロジーを改善し、粒度範囲を制御し、かつその
磨耗性を低減する方法により製造される。スメクタイト
型クレー系製品の性能が改善される結果、天然および合
成スメクタイト型クレーの微細な粒度と高いアスペクト
比とを保持しながら、そのチキソトロピー性が低下す
る。
【0014】本発明の方法の工程は下記を包含する。 (1) ナトリウム系スメクタイト型クレー材料を水でスラ
リー化する工程、(2) カルシウム系スメクタイト型クレ
ー材料を水でスラリー化する工程、(3) 各クレー・スラ
リーを脱グリット処理して粗大粒子からなる不純物を除
去する工程、(4) 各クレー・スラリーから可溶性塩の実
質部分を除去する工程、(5) 各クレー・スラリーを粒度
に関して分別処理し、それに含まれるクレー粒子の粒度
を制限する工程、(6) ナトリウム系スメクタイト型クレ
ー・スラリーをカルシウム系スメクタイト型クレー・ス
ラリーと各種割合で混合して、主にカルシウムまたはナ
トリウムスメクタイト型クレーからなるクレーに比べて
レオロジー特性が実質的に改善された混合スメクタイト
型クレー製品を得る工程。
【0015】前述したように、工程(3) 〜(5) の順序は
入れ換えることができる。また、後述するように、工程
(3) と工程(5) はいずれも遠心分離により達成すること
ができるので、一度の遠心分離によって、工程(3) の脱
グリット処理と工程(5) の粒度調整の両者を同時に実施
することもできる。
【0016】製紙産業用の製品の品質を改善するため混
合したクレー・スラリーを後処理することが有用である
場合もある。
【0017】本発明の方法に使用するクレーは、ベント
ナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、サポナイト
およびノントロナイトなどのスメクタイト族のクレーか
ら選ぶことが好ましく、ベントナイトが特に好ましい。
以下に詳述するように、ナトリウムベントナイトとカル
シウムベントナイトの両方を本発明の方法に使用する。
このようにカルシウムベントナイトとナトリウムベント
ナイトを所定割合で配合した混合物を使用すると、主な
スメクタイト型クレーがナトリウムクレー (ナトリウム
ベントナイト) であった従来の方法とは著しく異なる結
果を生ずる。例えば、米国特許第4,695,402 号を参照。
【0018】本発明では、クレー、好ましくはベントナ
イト型クレーをまず常法により水に分散させてスラリー
を形成する。このスラリーの固形分含有量は、好ましく
は約5〜50%、より好ましくは約10〜30%である。前述
したように、カルシウムスメクタイト型クレーのスラリ
ーと、ナトリウムスメクタイト型クレーのスラリーとを
別々に調製するのが好ましい。
【0019】2種類のスメクタイト型クレーのスラリー
を次いで別々に処理して、砂、長石、石英、方解石、そ
の他の硬く粗大な不純物 (一般に「グリット」と呼ばれ
る)といった異物を除去する。このクレー・スラリーの
予備清浄化または脱グリット処理は、摩砕(grinding)、
分級(sorting) 、サイクロン分離器その他の慣用の脱グ
リット法を含むこの業界で慣用の多くの方法により実施
することができる。例えば、米国特許第2,885,360 号お
よび第2,531,427 号を参照。好ましくは、スラリーの脱
グリット処理を、ハイドロサイクロン等を用いた遠心分
離法により行う。さらに、より高加重力の遠心分離を使
用して、ベントナイトクレーからさらに石英、長石その
他グリット不純物を除去し、クレーの粒度を制御しても
よい。このような追加の脱グリット処理は、スメクタイ
ト型クレー最終製品の品質を高める。
【0020】2種類のクレー・スラリーを別個に脱グリ
ット処理した後、各スラリーを可溶性の塩を除去するた
めに処理する。クレー・スラリーを透析管を用いて脱イ
オン水で洗浄するか、またはクレーを混合床イオン交換
カラムに通すことにより、石膏、エポソム塩 (硫酸マグ
ネシウム) 、硫酸ナトリウムなどの可溶性の塩を除去す
ることが好ましい。例えば、米国特許第4,451,440 号を
参照。この処理により、ナトリウムとカルシウムの両方
のスメクタイトを含むスメクタイトの粘度が実質的に低
下する。抵抗計によって測定したクレー・スラリーの抵
抗率が約3,000Ω以上となるように十分な量の可溶性塩
を除去するのがよい。天然ベントナイトの抵抗率は約 2
00〜600 Ωである。可溶性塩の除去すると、可溶性塩を
全くまたは実質的に除去しなかったスメクタイト型クレ
ーのスラリーに比べて、粘度と降伏点が十分に低くなる
ことにより、最終のクレー製品の品質が著しく向上す
る。
【0021】可溶性塩を除去した後、各クレー・スラリ
ーをクレー粒子の粒度範囲を狭くするために分別処理す
る。この分別処理は遠心分離法により行うことが好まし
い。例えば、バード社もしくはシャープルズ社製のよう
なデカンター型の遠心分離器、またはアルファ・ラバ社
製などのディスク・スタック型遠心分離器を用いて、ク
レー・スラリーの粒子を効果的に分別するのに十分に高
い加重力 (G力) でスラリーを遠心分離することができ
る。
【0022】1好適態様においては、分別処理を、国際
(International) 遠心分離器を用いて少なくとも約500
rpm の回転速度で少なくとも約15分間行う。この遠心分
離処理で分離されたクレー粒子は、粒径0.5 μm未満の
粒子の割合が、ナトリウムスメクタイト型クレー粒子に
ついて約85〜99%、好ましくは約90〜95%の範囲内、カ
ルシウムスメクタイト型クレー粒子については約67〜97
%、好ましくは約75〜90%の範囲内であるのがよい。
【0023】なお、以上には脱グリット処理→可溶性塩
の除去処理→分別処理の順序でスラリーの処理法を説明
したが、既に述べたようにこの順序は変更可能であり、
また脱グリット処理と分別処理を一度の遠心分離で同時
に実施することもできる。
【0024】分別処理の後、ナトリウムスメクタイト型
クレー・スラリーとカルシウムスメクタイト型クレー・
スラリーを混合して、混合スメクタイト型クレー・スラ
リーを得る。このナトリウムスメクタイトとカルシウム
スメクタイトとの混合物は、実質的に純粋なカルシウム
スメクタイトまたは実質的に純粋なナトリウムスメクタ
イトを使用した場合には認められない改善された特性を
クレー最終製品に生ずる。
【0025】例えば、ナトリウムスメクタイトは、アス
ペクト比と比表面積がカルシウムスメクタイトより大き
いので、ベースシートとしてより良好な被覆を与える。
しかし、ナトリウムスメクタイトは一般に粘度と降伏点
が高く、標準的な被覆工程での流れ性 (流動性) に問題
がある。一方、カルシウムスメクタイトはより低粘度
で、実質的に降伏点を持たないので、慣用の紙被覆装置
に極めて有用である。
【0026】ナトリウムとカルシウムの2種類のスメク
タイト型クレーのスラリーは、混合するまでは別々に保
持しておくのがよいが、別の態様では、ナトリウムスメ
クタイト型クレーとカルシウムスメクタイト型クレーの
好ましい配合割合が維持される限り、ナトリウムスメク
タイト型クレー・スラリーとカルシウムスメクタイト型
クレー・スラリーとの混合物を調製して保管し、用いる
こともできる。
【0027】カルシウムスメクタイト型クレー・スラリ
ーとナトリウムスメクタイト型クレー・スラリーとの混
合物の粘度は、単独のカルシウムまたはナトリウムのス
メクタイト型クレー・スラリーの粘度より著しく低くな
るという予想外の結果が判明した。また、混合したカル
シウム/ナトリウムスメクタイト型クレー・スラリー
は、単独のカルシウムおよびナトリウムの各スメクタイ
ト型クレー・スラリーの望ましい特性を保持している。
【0028】カルシウムおよびナトリウムの混合スメク
タイト型クレー・スラリーは、この2種類のクレーの合
計量に基づいて、カルシウムスメクタイト約20〜90重量
%と、ナトリウムスメクタイト約10〜80重量%とを含有
しうる。好ましくは、混合スラリーは、混合物のクレー
粒子の合計固形分含有量に基づいて、少なくとも約40重
量%のカルシウムスメクタイトと、少なくとも約10重量
%のナトリウムスメクタイトを含有しているのがよい。
特に好ましくは、このスラリーは少なくとも約60重量%
のカルシウムスメクタイトと少なくとも約20重量%のナ
トリウムスメクタイトを含有するのがよい。
【0029】カルシウムスメクタイトのスラリーとナト
リウムスメクタイトのスラリーとを混合すると、混合ス
ラリーの粘度が改善される。例えば、混合スラリーの粘
度を20 rpmで測定した時に、固形分10重量%で粘度は約
4,000 cps 以下である。粘度を約1,100 rpm で測定した
時には、固形分10重量%で粘度は約4.0 ダイン以下であ
る。
【0030】カルシウムスメクタイト型クレー・スラリ
ーとナトリウムスメクタイト型クレー・スラリーとの混
合は、単にこれらのスラリーを一緒にするといった慣用
の混合法により実施できる。好ましくは、上記2種類の
スラリーの混合は、ミキサー、ホモジナイザーその他の
混合装置といった慣用の混合装置を用いて少なくとも約
15分間行う。
【0031】カルシウムスメクタイト型クレーとナトリ
ウムスメクタイト型クレーとを混合した後、製紙産業用
に有用な種類の製品を生成させるため、混合物の後処理
を行うことが好ましい。しかし、所望によっては、ナト
リウムスメクタイト型クレーとカルシウムスメクタイト
型クレーを含有する混合スラリーを、スラリー形態のま
ま貯蔵し、スラリーとして使用するために出荷すること
もできる。また、スラリー中のクレーの割合 (固形分)
を、必要に応じて、水を添加してクレーの割合を低下さ
せるか、もしくはスラリーを乾燥してクレー・スラリー
中の水分を低減させることにより、増減させることがで
きる。固形の最終生成物が求められる場合には、噴霧乾
燥といった慣用の乾燥手段によりクレーを乾燥すること
ができる。このような乾燥により、クレーをその乾燥粒
子状態に戻すことができる。
【0032】本発明の混合クレー材料は、クレー材料の
微細な粒度と高いアスペクト比を保持しながらそのチキ
ソトロピー性が低下していることから、製紙および印刷
産業において改善された有用性を示す。さらに、粗大粒
子不純物と可溶性塩とが除去されていることから、クレ
ー粒子の磨耗性が実質的に低減している。
【0033】
【実施例】本発明を以下に実施例により具体的に説明す
るが、これらの実施例は本発明の範囲を制限するもので
はない。
【0034】
【実施例1】メキシコ、デュランゴ州産の粗製のナトリ
ウム白ベントナイトの試料を、水中に固形分12.3%とな
るようにスラリー化し、可溶性塩が除去されるまで透析
管を用いて脱イオン水により洗浄した。可溶性塩を除去
した後、スラリーを固形分10.2%まで希釈してから、国
際遠心分離機を用いて分別処理した。この分別処理は、
脱グリット処理と粒度調整を兼ねている。洗浄した粗製
ナトリウムベントナイトの特性を表1に示す。洗浄し、
分別処理したナトリウムベントナイトの特性は表2に示
す。
【0035】
【表1】 洗浄したメキシコ産の粗製ナトリウム白ベントナイト 不純物 長石、石英、オパール−CT +325メッシュ残渣 4.95% カチオン交換容量 61 meq/100 g 固形分 10.2% ブルックフィールド粘度 316 cPs ハーキュレス粘度 1100 rpmで1.3 ダイン 降伏点 0.5 ダイン 粒度分布 (-325メッシュ) μm 30 20 10 5 2 1 0.5 0.25 累積% 99.7 99.7 97.3 92.2 83.6 75.2 65.2 54.6 磨耗性 (-325メッシュ) 38.7 mg
【0036】
【表2】 分別処理したメキシコ産のナトリウム白ベントナイト 不純物 オパール−CT +325メッシュ残渣 0.00% カチオン交換容量 103 meq/100 g 固形分 9.7 % ブルックフィールド粘度 10250 cPs ハーキュレス粘度 1100 rpmで4.9 ダイン 降伏点 0.8 ダイン 粒度分布 (-325メッシュ) μm 30 20 10 5 2 1 0.5 0.25 累積% 99.9 99.2 98.9 99.2 98.7 98.4 92.4 80.3 磨耗性 (-325メッシュ) 14 mg
【0037】
【実施例2】メキシコ、デュランゴ州産の粗製のカルシ
ウム白ベントナイトの試料を、水中に固形分21%となる
ようにスラリー化し、可溶性塩が除去されるまで透析管
を用いて脱イオン水により洗浄した。可溶性塩を除去し
た後、スラリーを固形分17.5%まで希釈してから、国際
遠心分離機を用いて分別処理した。洗浄した粗製カルシ
ウムウムベントナイトの特性を表3に示す。洗浄し、分
別処理したカルシウムベントナイトの特性は表4に示
す。
【0038】
【表3】 洗浄したメキシコ産の粗製カルシウム白ベントナイト 不純物 長石、石英、方解石、石膏、オパール−CT +325メッシュ残渣 5.5 % カチオン交換容量 43 meq/100 g 固形分 17.5% ブルックフィールド粘度 20 cPs ハーキュレス粘度 1100 rpmで0.3 ダイン 降伏点 なし 粒度分布 (-325メッシュ) μm 30 20 10 5 2 1 0.5 0.25 累積% 97.1 92.0 74.5 58.0 44.0 35.2 25.9 9.8 磨耗性 (-325メッシュ) 29.6 mg
【0039】
【表4】 分別処理したメキシコ産のカルシウム白ベントナイト 不純物 オパール − CT +325メッシュ残渣 0.00% カチオン交換容量 83 meq/100 g 固形分 10.3% ブルックフィールド粘度 220 cPs ハーキュレス粘度 1100 rpmで0.3 ダイン 降伏点 0.0 ダイン 粒度分布 (-325メッシュ) μm 30 20 10 5 2 1 0.5 0.25 累積% 99.9 99.3 99.3 99.6 98.7 95.1 87.1 77.5 磨耗性 (-325メッシュ) 6.5 mg。
【0040】実施例1および2において、ナトリウムベ
ントナイトおよびカルシウムベントナイトの磨耗性に及
ぼす分別処理の影響を次の表5に示す。なお、磨耗性
(磨耗量) の測定にはアインレーナー(Einlehner) 磨耗
試験機を用いた。
【0041】
【表5】
【0042】可溶性塩の除去がスメクタイ型クレーのス
ラリー粘度に及ぼす影響を次の表6に示す。
【0043】
【表6】
【0044】実施例1および2は、遠心分離機を用いた
分別処理により粗大粒の不純物を除去し、かつ粒度制御
することにより、クレーが改善されることを示してい
る。このような処理により、生成物のスメクタイト含有
量とカチオン交換容量が増大し、粗製ベントナイトの持
つ磨耗性が著しく低減される。
【0045】
【実施例3】実施例1および実施例2で得たナトリウム
スメクタイトおよびカルシウムスメクタイトの各スラリ
ーから各種の混合スラリーを調製した。混合スラリーの
レオロジーおよび磨耗性を測定した。表7に各混合スラ
リーにおける混合割合と適当な特性のデータを示す。
【0046】
【表7】
【0047】上記の結果を、図2〜4にグラフで示す。
上表および図2〜4からわかるように、予め脱グリット
処理し、洗浄して可溶性塩を除去し、分別処理により一
定粒度範囲に調整しておいたカルシウムスメクタイト型
クレー・スラリーとナトリウムスメクタイト型クレー・
スラリーとを混合することにより、混合前の各スメクタ
イト型クレー・スラリーに比べて改善された特性を持つ
カルシウム/ナトリウムスメクタイト型クレーの混合ス
ラリーが得られる。
【0048】さらに、カルシウムスメクタイト型クレー
とナトリウムスメクタイト型クレーのスラリーを混合す
ることにより、カルシウムまたはナトリウムのスメクタ
イト型クレー・スラリーをそれぞれ単独で使用する場合
に比べて粘度が低下したスラリーを得ることが可能とな
る。それにより、紙の被覆において、現在利用している
ものより高い固形分含有量を利用することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法の説明図である。
【図2】ナトリウムスメクタイト型クレーとカルシウム
スメクタイト型クレーとの各種割合の混合物の20 rpmに
おけるブルックフィールド粘度を示すグラフである。
【図3】ナトリウムスメクタイト型クレーとカルシウム
スメクタイト型クレーとの各種割合の混合物の1100 rpm
におけるハーキュレス粘度を示すグラフである。
【図4】ナトリウムスメクタイト型クレーとカルシウム
スメクタイト型クレーとの各種割合の混合物の各種ハー
キュレス粘度の降伏点を示すグラフである。

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記工程 (a)〜(f) を含むことを特徴と
    する、紙被覆用の混合クレー・スラリーの製造方法。 (a) ナトリウムスメクタイト型クレーを主成分とするク
    レーを水でスラリー化してナトリウムスメクタイト型ク
    レー・スラリーを形成する工程、(b) カルシウムスメク
    タイト型クレーを主成分とするクレーを水でスラリー化
    してカルシウムスメクタイト型クレー・スラリーを形成
    する工程、(c) 上記の各クレー・スラリーを脱グリット
    処理して、各スラリーから粗大粒子不純物を実質的に除
    去する工程、(d) 各クレー・スラリーから望ましくない
    可溶性塩の実質部分を除去する工程、(e) 各クレー・ス
    ラリーを分別処理して、スラリー中のスメクタイト型ク
    レーの粒度範囲を狭める工程、および(f) 上記ナトリウ
    ムスメクタイト型クレー・スラリーと上記カルシウムス
    メクタイト型クレー・スラリーとを混合して、混合クレ
    ー・スラリーを得る工程。
  2. 【請求項2】 ナトリウムスメクタイト型クレー・スラ
    リー中のナトリウムスメクタイト型クレーの固形分含有
    量が約5〜50重量%である、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 カルシウムスメクタイト型クレー・スラ
    リー中のカルシウムスメクタイト型クレーの固形分含有
    量が約5〜50重量%である、請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 混合クレー・スラリー中のナトリウムス
    メクタイト型クレーとカルシウムスメクタイト型クレー
    の合計固形分含有量が約5〜50重量%である請求項1記
    載の方法。
  5. 【請求項5】 粗大粒子不純物の少なくとも約90%をク
    レー・スラリーから除去する請求項1記載の方法。
  6. 【請求項6】 望ましくない可溶性塩の実質的部分を除
    去する請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 望ましくない可溶性塩の少なくとも約70
    %をスラリーから除去する請求項6記載の方法。
  8. 【請求項8】 望ましくない可溶性塩を除去した後のナ
    トリウムスメクタイト型クレーが、少なくとも約90%が
    粒径0.5 μm未満という粒度を有する、請求項1記載の
    方法。
  9. 【請求項9】 望ましくない可溶性塩を除去した後のカ
    ルシウムスメクタイト型クレーが、少なくとも約80%が
    粒径0.5 μm未満という粒度を有する、請求項1記載の
    方法。
  10. 【請求項10】 混合クレー・スラリーが、クレー粒子
    の乾燥固形分重量に基づいて少なくとも約10%のナトリ
    ウムスメクタイト型クレーを含有する、請求項1記載の
    方法。
  11. 【請求項11】 混合クレー・スラリーが、クレー粒子
    の乾燥固形分重量に基づいて少なくとも約40%のカルシ
    ウムスメクタイト型クレーを含有する、請求項1記載の
    方法。
  12. 【請求項12】 混合クレー・スラリーが、クレー粒子
    の乾燥固形分重量に基づいて少なくとも約10%のナトリ
    ウムスメクタイト型クレーと少なくとも約40%のカルシ
    ウムスメクタイト型クレーとを含有する、請求項1記載
    の方法。
  13. 【請求項13】 混合クレー・スラリーの20 rpmでの粘
    度が、固形分10%で約4,000 cps 以下である、請求項1
    記載の方法。
  14. 【請求項14】 混合クレー・スラリーの1100 rpmでの
    粘度が、固形分10%で約4ダイン以下である、請求項1
    記載の方法。
  15. 【請求項15】 混合スラリーの磨耗性が、アインレー
    ナー磨耗試験機で測定して約10 mg 以下である、請求項
    1記載の方法。
JP8088572A 1995-04-10 1996-04-10 紙被覆顔料用クレーの処理方法 Withdrawn JPH08319436A (ja)

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