JPH08318748A - 第1及び第2の回転部材間の差動速度を制限する流体機械式システム - Google Patents
第1及び第2の回転部材間の差動速度を制限する流体機械式システムInfo
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Abstract
することなく、差動的に回転する回転部材間の相対回転
速度を制限できる費用的に有効な流体機械式システムを
提供することにある。 【解決手段】 流体機械式システム20は、第1の回転
部材52に回転可能に結合したハウジング62内に配置
したケーシング70を備えている。ハウジング内の溜め
から作動流体を、ケーシング内の可逆流体圧ポンプ72
に供給し、この可逆流体圧ポンプは、第1及び第2の回
転部材52,50の間の相対回転に応答して作動流体を
送出す。ピストン・アセンブリ96は、ケーシング内に
配置され、案内部材98と作動部材100と両部材間に
配置した室102とを備えている。流体機械式システム
は両回転部材に回転可能に結合した第1及び第2の組の
板58,60を持つクラッチ56を備えている。排出通
路106は、作動部材を貫いて延び、溜めに作動流体を
流出させる。ばね部材108は、作動部材及びクラッチ
を弾性的に隔離する。
Description
うな差動的に回転する回転部材間の差動速度を制限する
一般に流体機械式システム(hydromechani
cal system)に関する。
転部材を回転できるように結合するためにこれ等の2個
の回転部材間の相対回転に応答して流体を送る流体圧ポ
ンプを利用している。これ等のシステムは一般に、流体
圧作動ピストンに流体を送給する2個の作動回転部材に
結合した流体圧ポンプを備えている。この流体圧作動ピ
ストンは、2個の回転部材を互いに連結するクラッチ・
アセンブリに作用する。流体圧ポンプは各回転部材の相
対回転速度又は差動回転速度に正比例して変る流体容積
流量(volumetric flow of flu
id)を生ずる。一般に流体圧ピストンは、クラッチ機
構を係合させるようにピストンを駆動する流体背圧を生
ずるように、ピストンからの流体の押出し流れを制限す
る流出オリフィスを設けてある。従ってこのようなシス
テムは、2本の軸間の相対速度又は差動速度に正比例し
て変る、各回転部材間のトルク・トランスファのための
能力(capacity for torque tr
ansfer)を提供する。
は、トルク・トランスファを生じさせるために、2個の
部材間に連続的な相対回転を必要とする。この連続回転
は、低い差動回転速度では望ましくないレベルのトルク
・トランスファを生ずる。このようなシステムはさら
に、差動回転速度が所望の又は所定の限度を越えると、
各部材間の相対回転を阻止する能力をもはや持たない。
に回転する軸間の差動速度を制限するのが望ましいこと
が多い。4輪駆動車両は車両の各車輪を駆動するように
それぞれ前後部のディファレンシャルを持つ前後部の駆
動車軸を適宜に使う。トルク・トランスファ・ケース
(torque transfer case)は、一
般に前後部の駆動車軸にトルクを分配するのに使われ、
又トルクを所望の比率で分割する車軸間ディファレンシ
ャル(interaxle differentia
l)を設けてある。車両の前後部の車軸間の差動回転を
制限するのに選択的に係合できるクラッチが使われてい
る。このクラッチは、トルク・トランスファ・ケースの
前後部の出力軸間の所定の差動回転を検知するときは、
車軸間ディファレンシャルを鎖錠するように作用する。
このクラッチの作動は、トルク・トランスファ・ケース
の前後部の出力軸の速度を計測する電子制御システム及
び協働する速度センサにより制御される。又車両の駆動
車軸に協働するディファレンシャルの場合のように他の
差動的に回転する回転部材間の差動回転速度を制限する
ことが望ましい。電子制御システムは又これ等の例と共
に他の例の場合のように差動的に回転する回転部材間の
差動速度を制限するのに有用であるが、この種の制御シ
ステムの利点は保持する簡略化したあまり高価でない機
械式システムが望ましい。
line component)又はその他の差動的
に回転する回転部材の間の相対的回転速度を制限するこ
とのできるシステムに対する要求があるから、本発明
は、公知の流体機械式機構の課題を克服する自主的な流
体機械式システムの型式で電子的に制御されかつ作動さ
れる装置を使用しないで前記要求を処理する。本発明
は、各差動的に回転する回転部材間の差動回転を制限す
る費用的に有効なシステムに対する要求を満足する。
回転軸のような2個の回転部材間の差動速度を制限する
受動的かつ自主的な流体機械式システムに係わる。本発
明流体機械式システムは一般に、回転ハウジング内に配
置され、この回転ハウジングに溜めから作動流体を供給
する手段を持つ可逆流体圧ポンプを備えている。この可
逆流体圧ポンプは差動的に回転する回転部材に結合さ
れ、そして作動流体はこの可逆流体圧ポンプによる各回
転部材の作動回転に応答して送られる。作動流体は、ケ
ーシング内に配置したピストン・アセンブリに供給さ
れ、ピストン内に配置した少なくとも1つ又は複数の制
限した排出通路を経て流出することにより、ピストン・
アセンブリ内に圧力が蓄積するようになる。好適な実施
例ではピストン・アセンブリは、クラッチ・アセンブリ
を係合させるのに利用されるが、このピストン・アセン
ブリ内の十分な圧力がばねにより生ずる拘束力に打勝つ
までは、このばねによりクラッチ・アセンブリを係合さ
せないように拘束する。十分な流体圧力に達すると、ピ
ストンは動いてクラッチ・アセンブリに係合し、制限さ
れた排出通路を閉じ、ピストン・アセンブリ内に急速に
圧力を蓄積する。ピストン・アセンブリにより生ずる力
は、クラッチを作動し、2個の回転部材間の相対回転を
阻止する能力を持つ。又好適な実施例ではピストン・ア
センブリに協働する付加的な排出口により徐々に圧力散
逸を生じ、引続いてばねによりピストンをクラッチ・ア
センブリから係合を離脱する作用をするようになり、2
個の回転部材間の差動回転をふたたび生じさせる。
差動的に回転する回転部材間の相対回転速度が所望の又
は所定の限度を越えると、これ等の回転部材間の相対回
転を阻止する能力を持つ機械式システムを提供すること
にある。流体機械式システムは、トルク・トランスファ
を行うのに回転部材間に連続相対回転を必要としない
し、又低い相対回転速度で望ましくないレベルのトルク
・トランスファ(torque transfer)を
生じない。
実施例は図1及び図2に詳しく示してある。図1は、第
1の回転軸50及び第2の回転軸52から成る2本の差
動的に回転する回転軸を持つドライブ・ライン・システ
ムの簡略化した縦断面図である。各回転軸50,52は
差動的に駆動され相対的に回転することができ、回転軸
52は軸50に対し軸受54に支えてある。各回転軸5
0,52は、差動速度制限クラッチ56により相互に回
転するように選択的に互いに結合する。差動速度制限ク
ラッチ56は、相互に介入するクラッチ板58,60を
備え、クラッチ板58はハウジング62と共に回転する
ようにスプラインばめしてある。ハウジング62は回転
軸52に一緒に回転するようにスプラインばめしてあ
る。同様にクラッチ板60は、回転軸50と共に回転す
るようにスプラインばめされ、差動速度制限クラッチ5
6の作動時に、回転軸50,52間の差動回転が阻止さ
れる。本発明の流体機械式システム20は、回転軸5
0,52間に所定の差動回転が生じたときに差動速度制
限クラッチ56を選択的に作動するのに使う。流体機械
式システム20は、回転軸50と一緒に回転するように
結合したケーシング70を備えている。回転するハウジ
ング70内には可逆流体圧ポンプ72を配置してある。
好適な実施例では流体圧ポンプ72は可逆ジェロータ・
ポンプ(reversible gerotor pu
mp)である。作動のために、回転するハウジング70
に作動流体を供給する手段たとえば、作動流体の溜めに
連結され吸込マニホルド76に結合した作動流体供給管
路74を設けてある。作動流体は、吸込マニホルド76
内のプレナム(plenum)78と、流体圧ポンプ7
2とに、ケーシング70内で流体圧ポンプ72の入口に
通ずる通路80を介して供給される。
ポンプ72は複数の外歯84を持つ内部ロータ82を備
えている。内部ロータ82は、回転軸50に駆動作用を
生ずるように連結してある。可逆ジェロータ・ポンプ7
2は又、内部ロータ82すなわち羽根車の外歯84とか
みあう複数の内歯88を持つ外部ロータ86すなわち羽
根車を備えている。一般に内部ロータ82は、外部ロー
タ88より1つだけ少ない歯を持ち、内部ロータ82の
駆動により、外部の偏心環90内で自由に回転する外部
ロータ86の駆動作用を生ずる。外部ロータ86に対す
る内部ロータ82の相対回転により、従って流体圧ポン
プ72内に1連の可変容積の室を生じて、内部ロータ8
2、外部ロータ86の相対回転に応答して、従って回転
軸50,52間の差動回転に応答して流体圧力の生成
と、作動流体の送出し作用とを生ずる。偏心環90は、
ケーシング70に支えた止めピン94と協働する偏心環
90の周辺のまわりに約180゜にわたつて延びるフラ
ンジ92を備えている。流体圧ポンプ72は可逆形であ
り、回転軸50,52間のいずれの方向でも差動回転に
応答して差動流体が送出されるようにする。図2Aでは
流体圧ポンプ72は矢印の向きに回転するように示さ
れ、偏心環92の回転が止めピン94により止められ、
内部ロータ82の外歯84が偏心環90に設けた偏心穴
の頂部部分で外部ロータ86の内歯88にかみあう。回
転軸50,52の差動回転が逆になると、偏心環90は
約180゜回転し、止めピン94がフランジ92に接触
し、偏心環90の回転を止める。図2Bに示すように偏
心環90の偏心穴はこのようにして動かされ、内部ロー
タ82の外歯84が外部ロータ86の内歯88にロータ
底部部分でかみあい、ポンプ作用能力が保持される。す
なわち流体圧ポンプ72は、回転軸50,52間の相対
回転に関係なく、回転軸50,52間のこの相対回転に
応答して作動流体を送出す。
間の差動回転を阻止できるのに十分なポンプ作用能力を
生ずるように、好適な実施例では内部ロータ82と、7
枚の歯を持つ外部ロータ86とを設ける。その他の構造
は所望の用途に対し適正なポンプ作用能力を生ずるよう
にしてある。
ング70内に配置した環状のピストン96を備えてい
る。ピストン96は又案内部材98と案内部材98にす
べりばめにした作動部材100とを備えている。ピスト
ン96はさらに、案内部材98及び作動部材100の間
に配置した室102を備えている。室102は、案内部
材98に形成した供給通路104を介し流体圧ポンプ7
2から送出される作動流体を受け取る。案内部材98は
又止めピン94の支持体になる。ピストン96の作動部
材100は又、少なくとも1つの制限した排出通路10
6を備え、又図2に示すように複数の排出通路106を
備えてもよい。排出通路106は、ピストンの作動部材
100を貫いて延びピストンの室102に流れが通じて
いる。又ピストンの作動部材100には、この作動部材
100と、差動速度制限クラッチ56との間に配置した
環状のばね部材108が作用している。ばね部材108
は、「フィンガ座金」又は波形ばねのようなオーバセン
タばねであり、ピストン作動部材100を、ばね部材1
08の拘束力に打勝ち、作動部材100を差動速度制限
クラッチ56に係合させる所定の作動圧力が得られるま
では、作動部材100を差動速度制限クラッチ56に係
合しないように拘束する。
回転軸50,52間の所定の差動回転に設定し又は同調
させ、可逆流体圧ポンプ72によりこのような差動圧力
に対応するポンプ作用圧力を生じて、ピストン96を作
動する。流体圧ポンプ72から室102に供給される作
動流体の圧力は、ばね部材108により供給される抵抗
力に打勝つのに十分な、回転軸50,52間の所定の差
動回転に達すると、ピストンの作動部材100を作動す
る流体力を生ずる。従って作動部材100は、差動速度
制限クラッチ56に向かい付勢され排出通路106を実
質的に閉じる。このときには室102内の流体圧力が回
転軸50,52間の相対回転に応答して極めて迅速に増
大し、作動部材100により各クラッチ板58,60を
押圧し、相互に摩擦を伴って係合させる。室102内の
圧力は、回転軸50,52間の全差動回転を止め、又は
阻止するのに十分なクラッチ作用が得られるまで生じ続
ける。回転軸50,52間の所定の差動作動回転に応答
して、所定の流体圧力を生じ、ピストン96を作動する
ようにする流体圧ポンプ72と、ピストンの作動部材1
00に拘束力を加えるばね部材108との間の協働作用
は、このようにして、回転軸50,52間の所定の差動
回転に達すると、差動速度制限クラッチ56を作動する
ように設定してある。ばね部材108は前記したように
非線形の荷重対たわみ特性を示す非線形ばね定数を生ず
るオーバセンタ形ばねでよい。或いはばね部材108
は、線形の荷重対たわみ特性を示す線形ばね定数を持つ
コイルばね又は類似の形式のばねでよい。ばね部材10
8の形式の選定は、特定の用途に対する所望のばね特性
によつて実施し、又この選択により流体機械式システム
20を特定の用途が所望通りに実施されるように同調さ
せる。
56のピストン96から反対の側に配置され、回転軸5
2にこれと一緒に回転するようにスプラインばめした部
分112を備えた反作用円板110を設けてある。従っ
てピストン96の作動部材100が、差動速度制限クラ
ッチ56に軸線方向の力を加えると、クラッチ板58,
60が付勢され相互に摩擦を伴って係合し、そして差動
速度制限クラッチ56に加わる荷重を、反作用円板11
0に伝え、これに対応して回転軸50,52を相互に鎖
錠する。止め輪114はハウジング62に固定され、反
作用円板110を差動速度制限クラッチ56に対し適正
な衝合関係に保持する。
で、正常な駆動状態になると、回転軸50,52の回転
の相互鎖錠後に所定量の時間内に非作動状態にする。差
動速度制限クラッチ56の解放は、1例としてピストン
96の各部品内に形成される機械加工非許容部(mac
hining intolerance)により作動流
体をピストンの室102から逃がすだけで行われる。差
動速度制限クラッチ56に関してピストン96の各部品
間にすきまを形成するために、機械加工非許容部がとく
に許容され、作動から所定時間後に作動流体の漏れによ
り流体圧力を低下させ差動速度制限クラッチを滑動させ
る。或いは図3に示すように1つ又は複数の付加的な流
出路120はピストンの作動部材100を貫いて形成し
てある。各流出通路120は、差動速度制限クラッチ5
6に隣接して作動部材100の外側に形成した流出みぞ
122に連通する。流出通路120及び流出みぞ122
は、ピストンの室102からの作動流体の制限した通路
を形成し、差動速度制限クラッチ56を所望のように作
動したときに、ピストン96内に生じた流体圧力を徐々
に逃がす。差動速度制限クラッチ56を非作動にするた
めに作動流体圧力の所定の低下を生じさせるのに本発明
では他の適当な構造を使ってもよい。
ルク・トランスファ・ケース(torque tran
sfer case)10に協働させてある。トルク・
トランスファ・ケース10は、本発明流体機械式システ
ムを有用とする車両駆動列サブアセンブリの単に1例で
ある。トルク・トランスファ・ケース10は、たとえば
4輪駆動車に使われ、車両のエンジン及び変速機アセン
ブリ(図示してない)からトルクを受ける入力軸12を
備えている。後部出力軸14及び前部出力軸16は、車
両の後部及び前部の駆動軸(図示してない)に連結さ
れ、これ等の駆動軸に駆動力を加えるようにしてある。
車軸間遊星歯車ディファレンシャル(interaxl
e planetary gear differen
tial)18は入力軸12からのトルクを後部出力軸
14及び前部出力軸16の間に分割するのに使われる。
車軸間ディファレンシャル18に対してトルク・トラン
スファ・ケース10内の回転部材間の差動速度を制限す
る流体機械式システム20を協働させてある。この例で
は流体機械式システム20は、出力軸14,16間のデ
ィファレンシャルを必要とする場合にコーナリング中の
ような正常な車両運転中に前後部出力軸14,16間の
差動運動を抑止しない。流体機械式システム20は、後
部出力軸14及び前部出力軸16の間の許容差動速度を
制限して、両出力軸14,16間の過度のすべりを避け
るようにしてある。この過度のすべりは、車両の前車輪
又は後車輪がたとえば低い摩擦係数を持つ表面に接触す
ると各出力軸14,16間に生ずる。本発明の流体機械
式システム20は、相対回転速度が所定の又は前もつて
指定した限度を越えると各出力軸14,16間の相対回
転を阻止する能力を持つ。流体機械式システム20は
又、両出力軸14,16間に所定の差動回転が生じたと
きに非すべり車軸にトルクを伝える機構を形成する。流
体機械式システム20は又、両出力軸14,16間に連
続相対回転を必要としないで又所定の限度以下の相対回
転速度で望ましくないトルク・トランスファを生じない
でこれ等の所望の機能を生ずる。
ス10は単に公知のトルク・トランスファ・ケースの1
例であり、本発明の流体機械式システム20は、他の種
々の公知のトルク・トランスファ・ケースと共に、又は
2個の回転部材間の差動回転を制限することが望ましい
場合はつねに使うことができる。図4に示すように入力
軸12はハウジング22内に回転できるように支えてあ
る。本発明の一部ではないが、入力軸12は、ハウジン
グ22内に回転できるように支えた中間軸26に遊星歯
車セット(planetary gear set)2
4を介して結合できる。遊星歯車セット24は、トルク
・トランスファ・ケース10の作動時に低速範囲及び高
速範囲を生ずる。中間軸26は、車軸間遊星歯車ディフ
ァレンシャル18のプラネット・キャリア(plane
t carrier)28に結合され、プラネット・キ
ャリアを駆動する。プラネット・キャリア28は、円周
方向に互いに間隔を置いて各別に回転できる複数個の遊
星歯車30を支える。各遊星歯車30は、車軸間遊星歯
車ディファレンシャル18の太陽歯車32及びリング・
ギヤ34にかみあう。太陽歯車32は、中間軸26のま
わりに回転できるように取付けたスリーブ36に設けて
ある。スリーブ36は駆動スプロケット38を支える。
車軸間遊星歯車ディファレンシャル18のリング・ギヤ
34は、後部出力軸14にこれに駆動トルクを加えるよ
うに駆動作用を伴って結合したリング・ギヤ40に駆動
作用を生ずるように連結してある。トルク・トランスフ
ァ・ケース10の、この構造の1例では、トルクは、車
両のエンジン及び変速機から入力軸12に又遊星歯車セ
ット24を介し中間軸26に伝えられる。中間軸26
は、車軸間遊星歯車ディファレンシャル18に協働する
プラネット・キャリア28を駆動し太陽歯車32及びそ
のリング・ギヤ34にトルクを伝える。駆動トルクは、
リング・ギヤ34から後部出力軸14に又太陽歯車32
を介して駆動スリーブ36と、これに協働する第1の駆
動スプロケット38とに伝えられる。駆動スプロケット
38は、駆動チェーン42に連結され、第2の駆動スプ
ロケット44を駆動するようにしてある。トルクは駆動
スプロケット44から前部出力軸18にCV自在継手4
8を経て伝える。
部として、差動速度制限クラッチ48を設けて、リング
・ギヤ34及びスリーブ38を相対的に回転するように
選択的に鎖錠することにより、これ等の部材間従って後
部出力軸14と前部出力軸16との間の相対回転を阻止
する。流体機械式システム20は、これ等の部材間の相
対回転速度が所望の又は前もつて指定した限度を越える
と差動速度制限クラッチ48を作動するのに使う。流体
機械式システム20は、自主的であり、又は自己制御さ
れ、流体機械式システム20を整調し又はプログラムし
て所望の駆動条件に従って所望の又は前もつて指定した
限度を設定することができる。
間にトルクを分割する車軸間遊星歯車ディファレンシャ
ル18の拡大縦断面図を示す。前記したように入力トル
クは、中間軸26を介し供給され、車軸間遊星歯車ディ
ファレンシャル18を介し対応するスリーブ36と共に
後部出力軸14及び太陽歯車32に配分される。スリー
ブ36は、駆動スプロケット38と、前部出力軸16
(図4に示してある)に連結した駆動チェーン42と、
にトルクを供給する。流体機械式システム20は、トル
ク・トランスファ・ケースのハウジング70内に配置し
てある。ハウジング70は、リング・ギヤ34と一緒に
回転するように結合してある。リング・ギヤ34はリン
グ・ギヤ40を経て出力軸14に結合してある。可逆流
体圧ポンプ72は、外部の偏心環92とハウジング70
と一緒に回転するように従って出力軸14と一緒に回転
するようにハウジング70に結合した外部ロータ86と
を持つ。内部ロータ82はスリーブ36と一緒に、従っ
て前部出力軸16(図示してない)と一緒に回転するよ
うに結合してある。トルク・トランスファ・ケース10
の前部出力軸16及び後部出力軸14の間に相対回転を
伴わない正常な駆動条件中に、たとえば車両が道路を直
進しているときは、流体圧ポンプ72は、作動流体を送
出すようには作動しなくて、ピストン96は車軸間遊星
歯車ディファレンシャル18の一部を形成する差動速度
制限クラッチ48を作動しない。同様に車両の正常な旋
回中に前部出力軸16及び後部出力軸14の間で最大か
じ取角までは差動作用が必要であり、又流体機械式シス
テム20は、差動速度制限クラッチ48を作動させない
でこのような差動回転を生じさせる。旋回中には、差動
回転により流体圧ポンプ72がこの差動回転に応答して
流体を送出すが、ばね部材108の拘束トルクが差動速
度制限クラッチ48の作動を妨げる。従って正常な駆動
条件中は差動速度制限クラッチ48には軸線方向の力は
実際上加わらなくて、車軸間遊星歯車ディファレンシャ
ル18が正常に作用することができる。又流体圧ポンプ
72から送出される作動流体が、それぞれ前後部の出力
軸16,14間の差動回転の与えられた許容できない大
きさに対応する所定の圧力に達すると、ピストン96の
作動部材100に流体圧力により加えられる力がばね部
材108の拘束力に打勝ち作動部材100を、差動速度
制限クラッチ48に向かい付勢する。この状態が生ずる
と、排出通路106は、前記したように閉じられ、流体
圧力が急速に増して差動速度制限クラッチ48を作動す
る。差動速度制限クラッチ48の作動により、車軸間遊
星歯車ディファレンシャル18を鎖錠し、リング・ギヤ
34及び太陽歯車32を回転できるように相互に結合
し、各出力軸14,16間に差動作用を生じさせない。
差動速度制限クラッチ48の作動後に、次いで差動速度
制限クラッチ48を非作動にし、又出力軸14,16間
に作動回転を生じさせることが望ましい。すなわち数秒
から成る比較的短い時限後に、差動速度制限クラッチ4
8は、前記したようにしてピストンの室102内に含ま
れる作動流体を流出させることにより解放する。
20は、トルク・トランスファ・ケース10内の第1及
び第2の回転部材を選択的に相互に結合し、これ等両部
材間の差動回転をなくすと共に、正常な車両駆動状態中
に所要の差動運動に対する制限をなくす。流体機械式シ
ステム20は、車両駆動列の2個の回転部材間の相対回
転速度が所定の限度を越えると、相対回転を阻止する能
力を持つことにより、2個のドライブ・ライン部品間の
相対回転速度を制限する自主的機械式機構が得られる。
流体機械式システム20は自己充足的であり、所定の差
動回転速度以下では加わる力が無視できる程度であり、
次いでこの所定の限度になると、両部材間の差動回転を
阻止するのに十分な力を迅速に生ずる
ィファレンシャル本体に協働する出力軸の差動回転を制
限する車両ディファレンシャルにおけるような他の環境
にも使われる。又この環境では車両の外側車輪は、旋回
中に内側車輪より早く回転しなければならなくて、デフ
・ギヤは各車輪に対し互いに等しく分割されたトルク配
分を保持しなめらかな旋回が確実に行われる。又車両車
輪が低摩擦の表面に乗ると、駆動性を向上するのに滑動
車輪から非滑動車輪にトルクを伝えるようにするのにす
べり制限ディファレンシャル(limited sli
p differential)が望ましい。本発明流
体機械式システム20は、ディファレンシャルの各出力
軸間の差動回転を、各出力軸間の差動速度に従って又は
各出力軸に供給される差動トルクに基づいて制限するこ
とができる。
説明したが本発明はその精神を逸脱しないで種々の変化
変型を行うことができるのはもちろんである。たとえば
本発明流体機械式システムは又他の車両駆動列サブアセ
ンブリと協働して利用するのが有利である。従って本発
明は特定の好適な実施例に限定するものではない。
図的縦断面図である。
1の2−2線に沿う断面図である。
1の2−2線に沿う断面図である。
端面図である。
分配装置の縦断面図である。
大した縦断面図である。
Claims (12)
- 【請求項1】 車両駆動列の第1及び第2の回転部材の
間の差動速度を制限する流体機械式システムにおいて、 前記回転部材の一方にこれと一緒に回転するように結合
され、流体圧ポンプを内部に配置したハウジングに作動
流体を供給する供給手段と、 前記ハウジング内に設けられ、前記流体圧ポンプから移
動可能な作動部材に作用する作動流体が供給される室を
持つピストン・アセンブリと、 前記作動部材に作用し、この作動部材に拘束力を加える
ばねと、 前記第1及び第2の回転部材にそれぞれ結合された第1
及び第2のクラッチ板を持つクラッチと、を包含し、 前記流体圧ポンプを前記第1及び第2の回転部材に結合
することにより、前記ハウジングに供給される作動流体
が、前記2つの回転部材の間の相対回転に応答して送出
されるようにし、 前記作動部材に、前記作動流体が前記室から溜めに流通
する少なくとも1つの制限した排出通路を設け、前記作
動流体の前記室への送出しにより、前記室内に圧力を生
成させ前記作動部材を移動させるようにし、 前記ばねの前記拘束力に前記室内の流体圧力が打勝つと
きに、前記作動部材を、前記クラッチに係合するように
移動可能にし、このクラッチとの係合時に、前記の少な
くとも1つの制限した排出通路を実質的に閉じ、前記室
から前記排出通路を通る前記作動流体の流れを制限し、
前記室内の圧力を増大させることにより、前記クラッチ
を作動し、前記第1及び第2の回転部材間の相対回転を
制限するようにして成る、流体機械式システム。 - 【請求項2】 前記流体圧ポンプに、 前記第2の回転部材と一緒に回転するように、この第2
の回転部材に回転可能に結合され、複数枚の外歯を持つ
内部ロータと、 この内部ロータの前記外歯の数より1つ多くて前記外歯
に対し相互にかみあう複数の内歯を持つ外部ロータと、 前記外部ロータを囲み、この外部ロータと一緒に回転す
るように、この外部ロータに摩擦を伴って係合する偏心
環と、を設け、 前記ケーシングと前記第2の回転部材との間の相対回転
により、前記偏心環を前記ケーシングにより支えられた
止めピンに接触させることによつて前記偏心環と前記外
部ロータとを、前記内部ロータに対して偏心した状態で
回転させ、前記作動流体を送出すまで、前記偏心環と前
記外部ロータとを、前記内部ロータと共に回転するよう
にした請求項1の流体機械式システム。 - 【請求項3】 前記ばねが、非線形のばね定数を備えて
いる請求項1の流体機械式システム。 - 【請求項4】 前記ばねが、線形のばね定数を備えてい
る請求項1の流体機械式システム。 - 【請求項5】 作動流体を前記ポンプに供給する前記供
給手段に、管と、吸込マニホルドとを設け、前記管に、
前記溜めに連通する第1の端部と、前記吸込マニホルド
内に設けられ前記ポンプに連通するプレナムに連通する
第2の端部とを設け、前記管と前記吸込マニホルドと
を、前記溜めに対し固定状態のままにした請求項1の流
体機械式システム。 - 【請求項6】 前記クラッチに対し係合する関係に配置
した反作用円板を備えた荷重伝達手段をさらに備え、前
記クラッチを、前記作動部材と前記反作用円板との間に
軸線方向に配置した請求項1の流体機械式システム。 - 【請求項7】 前記駆動列サブアセンブリに、入力トル
クを受け取るプラネット・キャリアを持つ遊星歯車ディ
ファレンシャルと、出力リング・ギヤと、出力太陽歯車
とを設け、前記ケーシングを、前記リング・ギヤにより
前記第1の回転部材に回転できるように結合した請求項
1の流体機械式システム。 - 【請求項8】 前記流体圧ポンプの前記内部ロータを、
前記太陽歯車に回転できるように結合した請求項7の流
体機械式システム。 - 【請求項9】 前記遊星歯車セットを鎖錠するように、
前記作動部材が前記クラッチを作動するときに、前記出
力リング・ギヤと前記太陽歯車とを、回転できるように
互いに結合する請求項8の流体機械式システム。 - 【請求項10】 前記遊星歯車ディファレンシャルが、
トルク・トランスファ・ケースの前後部の出力軸の間で
トルクを分割するように、前記トルク・トランスファ・
ケース内に設けた車軸間遊星歯車ディファレンシャルで
ある請求項9の流体機械式システム。 - 【請求項11】 前記室に連通する少なくとも1つの流
出通路をさらに備え、この少なくとも1つの流出通路
が、前記第1及び第2のクラッチ板の結合をはずすため
に前記クラッチの作動後に、前記室内の作動流体圧力を
低減するのを援助するようにする請求項1の流体機械式
システム。 - 【請求項12】 駆動列の車両駆動列サブアセンブリの
第1及び第2の回転部材の間の差動速度を制限する流体
機械式システムにおいて、 ハウジング内に配置され、前記第1の回転部材と一緒に
回転するように、この第1の回転部材に回転可能に結合
されたケーシングと、 このケーシング内に配置され、前記第1及び第2の回転
部材間の相対回転に応答して作動流体を送出すようにし
た流体圧ポンプ及びこの流体圧ポンプに作動流体を供給
する供給手段と、 案内部材と、作動部材と、前記案内部材と前記作動部材
との間に配置され、前記流体圧ポンプから送出された作
動流体を受け取る室とを備え、前記ケーシング内に配置
されたピストンと、 前記第1の回転部材に回転できるように結合された第1
の組の板と、前記第2の回転部材に回転できるように結
合した第2の組の板とを持ち、前記第1及び第2の組の
板のうちの各別の板を相互に軸線方向線に交互の関係に
配置して成るクラッチと、 作動流体の圧力が所定圧力以下のときは、前記室から前
記溜めに作動流体を排出するように、前記ピストンの前
記作動部材を貫いて延びる少なくとも1つの排出通路
と、 作動流体の圧力が前記所定圧力に達するまでは前記作動
部材と前記クラッチとを弾性的に隔離するばね部材と、
を備えることにより、前記作動部材を前記クラッチに対
して付勢し前記少なくとも1つの排出通路を閉じ、前記
作動部材により前記クラッチの前記第1及び第2の組の
板を押し付けて相互に摩擦を伴って係合させ、前記第1
及び第2の回転部材を回転できるように相互に結合する
ようにして成る流体機械式システム。
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