JPH08318409A - 硬質被覆層がすぐれた耐熱衝撃性を有する表面被覆炭化タングステン基超硬合金製切削工具 - Google Patents
硬質被覆層がすぐれた耐熱衝撃性を有する表面被覆炭化タングステン基超硬合金製切削工具Info
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- JPH08318409A JPH08318409A JP14812995A JP14812995A JPH08318409A JP H08318409 A JPH08318409 A JP H08318409A JP 14812995 A JP14812995 A JP 14812995A JP 14812995 A JP14812995 A JP 14812995A JP H08318409 A JPH08318409 A JP H08318409A
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- C23C—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
- C23C28/00—Coating for obtaining at least two superposed coatings either by methods not provided for in a single one of groups C23C2/00 - C23C26/00 or by combinations of methods provided for in subclasses C23C and C25C or C25D
- C23C28/04—Coating for obtaining at least two superposed coatings either by methods not provided for in a single one of groups C23C2/00 - C23C26/00 or by combinations of methods provided for in subclasses C23C and C25C or C25D only coatings of inorganic non-metallic material
- C23C28/044—Coating for obtaining at least two superposed coatings either by methods not provided for in a single one of groups C23C2/00 - C23C26/00 or by combinations of methods provided for in subclasses C23C and C25C or C25D only coatings of inorganic non-metallic material coatings specially adapted for cutting tools or wear applications
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- C23C—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 硬質被覆層がすぐれた耐熱衝撃性を有する表
面被覆超硬合金製切削工具を提供する。 【構成】 超硬合金基体の表面に、TiC,TiN,T
iCN,TiCO,TiNO、およびTiCNOのうち
の1種または2種以上で構成されたTi化合物層とAl
2 O3 層からなる硬質被覆層を3〜30μmの平均層厚
で形成してなる表面被覆超硬合金製切削工具において、
上記Al2 O3 層に代えて、Al2 O3 相と(Al,S
i)酸化物相との混合組織を有する2相酸化物からなる
上方部分層と、Al2 O3 からなる下方部分層で構成さ
れた複合酸化物層を設ける。
面被覆超硬合金製切削工具を提供する。 【構成】 超硬合金基体の表面に、TiC,TiN,T
iCN,TiCO,TiNO、およびTiCNOのうち
の1種または2種以上で構成されたTi化合物層とAl
2 O3 層からなる硬質被覆層を3〜30μmの平均層厚
で形成してなる表面被覆超硬合金製切削工具において、
上記Al2 O3 層に代えて、Al2 O3 相と(Al,S
i)酸化物相との混合組織を有する2相酸化物からなる
上方部分層と、Al2 O3 からなる下方部分層で構成さ
れた複合酸化物層を設ける。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、硬質被覆層がすぐれ
た耐熱衝撃性を有し、したがって切刃に対して大きな熱
衝撃のかかる、例えば鋼の湿式高速切削に用いた場合に
も切刃に欠けやチッピング(微小欠け)などの発生な
く、すぐれた耐摩耗性を長期に亘って発揮する表面被覆
炭化タングステン基超硬合金製切削工具(以下、被覆超
硬切削工具という)に関するものである。
た耐熱衝撃性を有し、したがって切刃に対して大きな熱
衝撃のかかる、例えば鋼の湿式高速切削に用いた場合に
も切刃に欠けやチッピング(微小欠け)などの発生な
く、すぐれた耐摩耗性を長期に亘って発揮する表面被覆
炭化タングステン基超硬合金製切削工具(以下、被覆超
硬切削工具という)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、一般に鋼などの連続切削や断続切
削に被覆超硬切削工具が用いられている。また、上記の
被覆超硬切削工具が、例えば特公昭57−1585号公
報や特公昭59−52703号公報に記載される通り、
全体に均質な炭化タングステン基超硬合金基体や、結合
相形成成分としての例えばCoなどの含有量が基体内部
に比して相対的に高い表面部、すなわち表面部に結合相
富化帯域を有する炭化タングステン基超硬合金基体(以
下、これらを総称して超硬合金基体という)の表面に、
化学蒸着法や物理蒸着法を用いて、Tiの炭化物、窒化
物、炭窒化物、炭酸化物、窒酸化物、および炭窒酸化物
(以下、それぞれTiC,TiN,TiCN,TiC
O,TiNO、およびTiCNOで示す)のうちの1種
または2種以上で構成されたTi化合物層と、Al酸化
物(以下、Al2 O3 で示す)層からなる硬質被覆層を
3〜30μmの平均層厚で形成してなるものが知られて
いる。
削に被覆超硬切削工具が用いられている。また、上記の
被覆超硬切削工具が、例えば特公昭57−1585号公
報や特公昭59−52703号公報に記載される通り、
全体に均質な炭化タングステン基超硬合金基体や、結合
相形成成分としての例えばCoなどの含有量が基体内部
に比して相対的に高い表面部、すなわち表面部に結合相
富化帯域を有する炭化タングステン基超硬合金基体(以
下、これらを総称して超硬合金基体という)の表面に、
化学蒸着法や物理蒸着法を用いて、Tiの炭化物、窒化
物、炭窒化物、炭酸化物、窒酸化物、および炭窒酸化物
(以下、それぞれTiC,TiN,TiCN,TiC
O,TiNO、およびTiCNOで示す)のうちの1種
または2種以上で構成されたTi化合物層と、Al酸化
物(以下、Al2 O3 で示す)層からなる硬質被覆層を
3〜30μmの平均層厚で形成してなるものが知られて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、近年の切削加工
の省力化および省エネ化に対する要求は強く、これに伴
ない、切削加工は高速化の傾向にあるが、上記の従来被
覆超硬切削工具を、特に切刃への熱衝撃の大きい、鋼な
どの湿式高速切削に用いた場合、硬質被覆層を構成する
Al2 O3 層が十分な耐熱衝撃性を具備するものでない
ために、これが原因で切刃に欠けやチッピングなどが発
生し易く、比較的短時間で使用寿命に至るのが現状であ
る。
の省力化および省エネ化に対する要求は強く、これに伴
ない、切削加工は高速化の傾向にあるが、上記の従来被
覆超硬切削工具を、特に切刃への熱衝撃の大きい、鋼な
どの湿式高速切削に用いた場合、硬質被覆層を構成する
Al2 O3 層が十分な耐熱衝撃性を具備するものでない
ために、これが原因で切刃に欠けやチッピングなどが発
生し易く、比較的短時間で使用寿命に至るのが現状であ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
上述のような観点から、上記の従来被覆超硬切削工具に
着目し、これの硬質被覆層を構成するAl2 O3 層の耐
熱衝撃性向上をはかるべく研究を行なった結果、上記の
従来被覆超硬切削工具の硬質被覆層を構成するAl2 O
3 層に代えて、Al2 O3 相と、シリマナイト(Al2
SiO5 )やムライト(Al6 Si2 O13)などの(A
l,Si)酸化物相の混合組織を有する2相酸化物から
なる上方部分層、およびAl2 O3 からなる下方部分層
で構成された複合酸化物層で構成すると、前記複合酸化
物層は、上記上方部分層によってすぐれた耐熱衝撃性を
もち、かつ上記下方部分層によってAl2 O3 のもつす
ぐれた耐摩耗性および耐熱性が確保されるようになるこ
とから、硬質被覆層全体の耐熱衝撃性が耐摩耗性の低下
なく向上し、この結果の被覆超硬切削工具は熱衝撃の大
きい切削加工にもすぐれた耐欠損性を長期に亘って発揮
するという研究結果を得たのである。
上述のような観点から、上記の従来被覆超硬切削工具に
着目し、これの硬質被覆層を構成するAl2 O3 層の耐
熱衝撃性向上をはかるべく研究を行なった結果、上記の
従来被覆超硬切削工具の硬質被覆層を構成するAl2 O
3 層に代えて、Al2 O3 相と、シリマナイト(Al2
SiO5 )やムライト(Al6 Si2 O13)などの(A
l,Si)酸化物相の混合組織を有する2相酸化物から
なる上方部分層、およびAl2 O3 からなる下方部分層
で構成された複合酸化物層で構成すると、前記複合酸化
物層は、上記上方部分層によってすぐれた耐熱衝撃性を
もち、かつ上記下方部分層によってAl2 O3 のもつす
ぐれた耐摩耗性および耐熱性が確保されるようになるこ
とから、硬質被覆層全体の耐熱衝撃性が耐摩耗性の低下
なく向上し、この結果の被覆超硬切削工具は熱衝撃の大
きい切削加工にもすぐれた耐欠損性を長期に亘って発揮
するという研究結果を得たのである。
【0005】この発明は、上記の研究結果にもとづいて
なされたものであって、超硬合金基体の表面に、Ti
C,TiN,TiCN,TiCO,TiNO、およびT
iCNOのうちの1種または2種以上で構成されたTi
化合物層とAl2 O3 層からなる硬質被覆層を3〜30
μmの平均層厚で形成してなる被覆超硬切削工具におい
て、上記硬質被覆層を構成するAl2 O3 層に代えて、
Al2 O3 相と(Al,Si)酸化物相との混合組織を
有する2相酸化物からなる、望ましくは1〜15μmの
平均層厚の上方部分層と、Al2 O3 層からなる、望ま
しくは0.1〜5μmの平均層厚を有する下方部分層で
構成された複合酸化物層を設けてなる、硬質被覆層がす
ぐれた耐熱衝撃性を有する被覆超硬切削工具に特徴を有
するものである。
なされたものであって、超硬合金基体の表面に、Ti
C,TiN,TiCN,TiCO,TiNO、およびT
iCNOのうちの1種または2種以上で構成されたTi
化合物層とAl2 O3 層からなる硬質被覆層を3〜30
μmの平均層厚で形成してなる被覆超硬切削工具におい
て、上記硬質被覆層を構成するAl2 O3 層に代えて、
Al2 O3 相と(Al,Si)酸化物相との混合組織を
有する2相酸化物からなる、望ましくは1〜15μmの
平均層厚の上方部分層と、Al2 O3 層からなる、望ま
しくは0.1〜5μmの平均層厚を有する下方部分層で
構成された複合酸化物層を設けてなる、硬質被覆層がす
ぐれた耐熱衝撃性を有する被覆超硬切削工具に特徴を有
するものである。
【0006】なお、この発明の被覆超硬切削工具におい
て、硬質被覆層を構成する複合酸化物層のうちの上方部
分層は、通常の化学蒸着装置または物理蒸着装置にて、 反応ガス組成:容量%で、AlCl3 :1〜20%、C
O2 :0.5〜30%、SiCl4 :0.001〜0.
2%、必要に応じてHCl:1〜20%および/または
H2 S:0.05〜5%、H2 :残り、 反応温度:850〜1050℃、 雰囲気圧力:30〜200torr、 の条件で形成することができる。また、硬質被覆層を構
成するTi化合物層は、化学蒸着法および/または物理
蒸着法にて、通常の条件で形成されるが、第1層をTi
N層とした場合、第2層以降の形成に際して、前記第1
層のTiN層中に超硬合金基体を構成するC成分が拡散
固溶する場合があり、この場合は前記第1層の一部ある
いは全体がTiCNで構成されるようになる。さらに、
硬質被覆層の平均層厚を3〜30μmとしたのは、その
平均層厚が3μm未満では所望のすぐれた耐摩耗性を確
保することができず、一方その平均層厚が30μmを越
えると切刃に欠けやチッピングなどが発生し易くなると
いう理由によるものであり、また複合酸化物層を構成す
る上方部分層の平均層厚は、上記の通り1〜15μmと
するのが望ましく、これはその平均層厚が1μm未満で
は所望のすぐれた耐熱衝撃性を確保することができず、
一方その平均層厚が15μmを越えると耐摩耗性が低下
するようになるという理由からであり、さらに下方部分
層の望ましい平均層厚を、上記の通り0.1〜5μmと
したのは、その平均層厚が0.1μm未満では所望のす
ぐれた耐摩耗性を確保することができず、一方その平均
層厚が5μmを越えると硬質被覆層の耐熱衝撃性に低下
傾向が現われるようになるという理由からである。ま
た、さらに硬質被覆層を構成するTi化合物層のうちの
TiCN層を、例えば特開平6−8010号公報に記載
される縦長成長結晶組織とすると、通常の粒状結晶組織
を有するTiCN層に比して一段とすぐれた切削性能を
発揮するようになる。
て、硬質被覆層を構成する複合酸化物層のうちの上方部
分層は、通常の化学蒸着装置または物理蒸着装置にて、 反応ガス組成:容量%で、AlCl3 :1〜20%、C
O2 :0.5〜30%、SiCl4 :0.001〜0.
2%、必要に応じてHCl:1〜20%および/または
H2 S:0.05〜5%、H2 :残り、 反応温度:850〜1050℃、 雰囲気圧力:30〜200torr、 の条件で形成することができる。また、硬質被覆層を構
成するTi化合物層は、化学蒸着法および/または物理
蒸着法にて、通常の条件で形成されるが、第1層をTi
N層とした場合、第2層以降の形成に際して、前記第1
層のTiN層中に超硬合金基体を構成するC成分が拡散
固溶する場合があり、この場合は前記第1層の一部ある
いは全体がTiCNで構成されるようになる。さらに、
硬質被覆層の平均層厚を3〜30μmとしたのは、その
平均層厚が3μm未満では所望のすぐれた耐摩耗性を確
保することができず、一方その平均層厚が30μmを越
えると切刃に欠けやチッピングなどが発生し易くなると
いう理由によるものであり、また複合酸化物層を構成す
る上方部分層の平均層厚は、上記の通り1〜15μmと
するのが望ましく、これはその平均層厚が1μm未満で
は所望のすぐれた耐熱衝撃性を確保することができず、
一方その平均層厚が15μmを越えると耐摩耗性が低下
するようになるという理由からであり、さらに下方部分
層の望ましい平均層厚を、上記の通り0.1〜5μmと
したのは、その平均層厚が0.1μm未満では所望のす
ぐれた耐摩耗性を確保することができず、一方その平均
層厚が5μmを越えると硬質被覆層の耐熱衝撃性に低下
傾向が現われるようになるという理由からである。ま
た、さらに硬質被覆層を構成するTi化合物層のうちの
TiCN層を、例えば特開平6−8010号公報に記載
される縦長成長結晶組織とすると、通常の粒状結晶組織
を有するTiCN層に比して一段とすぐれた切削性能を
発揮するようになる。
【0007】
【実施例】つぎに、この発明の被覆超硬切削工具を実施
例により具体的に説明する。原料粉末として、平均粒
径:3μmを有する中粒WC粉末、同5μmの粗粒WC
粉末、同1.5μmの(Ti,W)C(重量比で、以下
同じ、TiC/WC=30/70)粉末、同1.2μm
の(Ti,W)CN(TiC/TiN/WC=24/2
0/56)粉末、同1.3μmの(Ta,Nb)C(T
aC/NbC=90/10)粉末、および同1.2μm
のCo粉末を用意し、これら原料粉末を表1に示される
配合組成に配合し、ボールミルで72時間湿式混合し、
乾燥した後、ISO・CNMG120408(超硬合金
基体A〜D用)および同SEEN42AFTN1(超硬
合金基体E用)に定める形状の圧粉体にプレス成形し、
この圧粉体を同じく表1に示される条件で真空焼結して
超硬合金基体A〜Eをそれぞれ製造した。さらに、上記
超硬合金基体Bに対して、100torrのCH4 ガス雰囲
気中、温度:1400℃に1時間保持後徐冷の浸炭処理
を施し、浸炭処理後、基体表面に付着するカーボンとC
oを酸およびバレル研磨で除去することにより表面から
11μmの深さ位置で最大Co含有量:15.3重量%
を示し、かつ深さが22μmのCo富化帯域を基体表面
部に形成した。また、上記超硬合金基体AおよびDに
は、焼結したままで、基体表面部に、表面から16μm
の深さ位置で9.2重量%の最大Co含有量を示し、か
つ深さが22μmのCo富化帯域が形成されており、残
りの超硬合金基体CおよびEには、前記Co富化帯域の
形成がなく、全体に均質な組織をもつものであった。さ
らに、表1には上記超硬合金基体A〜Eの内部硬さ(ロ
ックウエル硬さAスケール)をそれぞれ示した。
例により具体的に説明する。原料粉末として、平均粒
径:3μmを有する中粒WC粉末、同5μmの粗粒WC
粉末、同1.5μmの(Ti,W)C(重量比で、以下
同じ、TiC/WC=30/70)粉末、同1.2μm
の(Ti,W)CN(TiC/TiN/WC=24/2
0/56)粉末、同1.3μmの(Ta,Nb)C(T
aC/NbC=90/10)粉末、および同1.2μm
のCo粉末を用意し、これら原料粉末を表1に示される
配合組成に配合し、ボールミルで72時間湿式混合し、
乾燥した後、ISO・CNMG120408(超硬合金
基体A〜D用)および同SEEN42AFTN1(超硬
合金基体E用)に定める形状の圧粉体にプレス成形し、
この圧粉体を同じく表1に示される条件で真空焼結して
超硬合金基体A〜Eをそれぞれ製造した。さらに、上記
超硬合金基体Bに対して、100torrのCH4 ガス雰囲
気中、温度:1400℃に1時間保持後徐冷の浸炭処理
を施し、浸炭処理後、基体表面に付着するカーボンとC
oを酸およびバレル研磨で除去することにより表面から
11μmの深さ位置で最大Co含有量:15.3重量%
を示し、かつ深さが22μmのCo富化帯域を基体表面
部に形成した。また、上記超硬合金基体AおよびDに
は、焼結したままで、基体表面部に、表面から16μm
の深さ位置で9.2重量%の最大Co含有量を示し、か
つ深さが22μmのCo富化帯域が形成されており、残
りの超硬合金基体CおよびEには、前記Co富化帯域の
形成がなく、全体に均質な組織をもつものであった。さ
らに、表1には上記超硬合金基体A〜Eの内部硬さ(ロ
ックウエル硬さAスケール)をそれぞれ示した。
【0008】ついで、これらの超硬合金基体A〜Eの表
面に、ホーニングを施した状態で、通常の化学蒸着装置
を用い、表2に示される条件で、表3,4に示される組
成および平均層厚の硬質被覆層を形成することにより本
発明被覆超硬切削工具1〜10および従来被覆超硬切削
工具1〜10をそれぞれ製造した。
面に、ホーニングを施した状態で、通常の化学蒸着装置
を用い、表2に示される条件で、表3,4に示される組
成および平均層厚の硬質被覆層を形成することにより本
発明被覆超硬切削工具1〜10および従来被覆超硬切削
工具1〜10をそれぞれ製造した。
【0009】つぎに、上記の本発明被覆超硬切削工具1
〜8および従来被覆超硬切削工具1〜8について、 被削材:SCM440の丸棒、切削速度:358m/min.、 切り込み:2mm、 送り:0.3mm/rev.、 切削時間:20分、 の条件での鋼の湿式連続高速切削試験、 被削材:SCM448の角材、切削速度:205m/min.、 切り込み:1.5mm、 送り:0.26mm/rev.、 切削時間:30分、 の条件での鋼の湿式断続高速切削試験を行ない、いずれ
の切削試験でも切刃の逃げ面摩耗幅を測定した。また、
本発明被覆超硬切削工具9,10および従来被覆超硬切
削工具9,10については、 被削材:SCM440の角材、切削速度:385m/min.、 切り込み:2mm、 送り:0.3mm/刃、 切削時間:30分、 の条件で鋼の湿式フライス高速切削試験を行ない、同じ
く切刃の逃げ面摩耗幅を測定した。これらの測定結果を
表5に示した。
〜8および従来被覆超硬切削工具1〜8について、 被削材:SCM440の丸棒、切削速度:358m/min.、 切り込み:2mm、 送り:0.3mm/rev.、 切削時間:20分、 の条件での鋼の湿式連続高速切削試験、 被削材:SCM448の角材、切削速度:205m/min.、 切り込み:1.5mm、 送り:0.26mm/rev.、 切削時間:30分、 の条件での鋼の湿式断続高速切削試験を行ない、いずれ
の切削試験でも切刃の逃げ面摩耗幅を測定した。また、
本発明被覆超硬切削工具9,10および従来被覆超硬切
削工具9,10については、 被削材:SCM440の角材、切削速度:385m/min.、 切り込み:2mm、 送り:0.3mm/刃、 切削時間:30分、 の条件で鋼の湿式フライス高速切削試験を行ない、同じ
く切刃の逃げ面摩耗幅を測定した。これらの測定結果を
表5に示した。
【0010】
【表1】
【0011】
【表2】
【0012】
【表3】
【0013】
【表4】
【0014】
【表5】
【0015】
【発明の効果】表3〜5に示される結果から、本発明被
覆超硬切削工具1〜10は、いずれもAl2 O3 の下方
部分層に連続して形成した2相酸化物の上方部分層によ
って硬質被覆層がすぐれた耐熱衝撃性をもつようになる
ので、熱衝撃の大きい鋼の湿式高速切削でも切刃に欠け
やチッピングなどの発生なく、すぐれた耐摩耗性を発揮
するのに対して、従来被覆超硬切削工具1〜10におい
ては、硬質被覆層を構成するAl2 O3 層が原因で上記
の湿式高速切削では切刃に欠けやチッピングが発生し、
比較的短時間で使用寿命に至ることが明らかである。上
述のように、この発明の被覆超硬切削工具は、硬質被覆
層がすぐれた耐熱衝撃性を有するので、通常の連続切削
および断続切削は勿論のこと、熱衝撃の大きい湿式高速
切削にもすぐれた耐欠損性を示し、長期に亘ってすぐれ
た切削性能を発揮するのである。
覆超硬切削工具1〜10は、いずれもAl2 O3 の下方
部分層に連続して形成した2相酸化物の上方部分層によ
って硬質被覆層がすぐれた耐熱衝撃性をもつようになる
ので、熱衝撃の大きい鋼の湿式高速切削でも切刃に欠け
やチッピングなどの発生なく、すぐれた耐摩耗性を発揮
するのに対して、従来被覆超硬切削工具1〜10におい
ては、硬質被覆層を構成するAl2 O3 層が原因で上記
の湿式高速切削では切刃に欠けやチッピングが発生し、
比較的短時間で使用寿命に至ることが明らかである。上
述のように、この発明の被覆超硬切削工具は、硬質被覆
層がすぐれた耐熱衝撃性を有するので、通常の連続切削
および断続切削は勿論のこと、熱衝撃の大きい湿式高速
切削にもすぐれた耐欠損性を示し、長期に亘ってすぐれ
た切削性能を発揮するのである。
Claims (1)
- 【請求項1】 全体に均質な炭化タングステン基超硬合
金基体、または表面部に結合相富化帯域を有する炭化タ
ングステン基超硬合金基体の表面に、Tiの炭化物、窒
化物、炭窒化物、炭酸化物、窒酸化物、および炭窒酸化
物のうちの1種または2種以上で構成されたTi化合物
層とAl酸化物層からなる硬質被覆層を5〜20μmの
平均層厚で形成してなる表面被覆炭化タングステン基超
硬合金製切削工具において、 上記硬質被覆層を構成するAl酸化物層に代って、Al
酸化物相と(Al,Si)酸化物相の混合組織を有する
2相酸化物からなる上方部分層と、Al酸化物からなる
下方部分層で構成された複合酸化物層を設けることを特
徴とする硬質被覆層がすぐれた耐熱衝撃性を有する表面
被覆炭化タングステン基超硬合金製切削工具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14812995A JPH08318409A (ja) | 1995-05-23 | 1995-05-23 | 硬質被覆層がすぐれた耐熱衝撃性を有する表面被覆炭化タングステン基超硬合金製切削工具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP14812995A JPH08318409A (ja) | 1995-05-23 | 1995-05-23 | 硬質被覆層がすぐれた耐熱衝撃性を有する表面被覆炭化タングステン基超硬合金製切削工具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08318409A true JPH08318409A (ja) | 1996-12-03 |
Family
ID=15445912
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP14812995A Withdrawn JPH08318409A (ja) | 1995-05-23 | 1995-05-23 | 硬質被覆層がすぐれた耐熱衝撃性を有する表面被覆炭化タングステン基超硬合金製切削工具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08318409A (ja) |
-
1995
- 1995-05-23 JP JP14812995A patent/JPH08318409A/ja not_active Withdrawn
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