JPH08316296A - 静電チャック - Google Patents
静電チャックInfo
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- JPH08316296A JPH08316296A JP12392395A JP12392395A JPH08316296A JP H08316296 A JPH08316296 A JP H08316296A JP 12392395 A JP12392395 A JP 12392395A JP 12392395 A JP12392395 A JP 12392395A JP H08316296 A JPH08316296 A JP H08316296A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 ワークの発熱を抑えられる静電チャックを提
供する。 【構成】 電極4a,4bとワーク6の吸着面5との間
に設けられる誘電体層13の少なくとも一部をダイヤモ
ンドにて構成する。望ましくは、吸着面5にダイヤモン
ドを露出させる。誘電体層13のダイヤモンドと熱的に
接触して誘電体層13から吸熱する吸熱部14を設ける
とよい。
供する。 【構成】 電極4a,4bとワーク6の吸着面5との間
に設けられる誘電体層13の少なくとも一部をダイヤモ
ンドにて構成する。望ましくは、吸着面5にダイヤモン
ドを露出させる。誘電体層13のダイヤモンドと熱的に
接触して誘電体層13から吸熱する吸熱部14を設ける
とよい。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、静電力を利用してワー
クを保持する静電チャックに関する。
クを保持する静電チャックに関する。
【0002】
【従来の技術】静電チャックの一例を図8および図9に
示す。図8の静電チャック1Aは、チャック基板2Aの
内部に、電源3の一方の極(図示例では正極)と接続さ
れる電極4のみが設けられた単極タイプのものである。
このタイプでは、吸着面5に載置されたワーク(半導体
ウエハ等)6および電源3の他方の極(図示例では負
極)は共に接地され、これにより電極4とワーク6との
間に静電力が作用してワーク6が吸着される。一方、図
9の静電チャック1Bは、電源3の正極および負極とそ
れぞれ接続される電極4a,4bがチャック基板2Bの
内部に設けられたいわゆる双極タイプのものである。電
極4a,4bは、例えば図10(a),(b)に示すよ
うにチャック基板2Bの半径方向に対向させて一組、ま
たは複数組が配置されるか、あるいは図10(c)に示
すように同心円状に一組または複数組(図示例は一組)
が配置される。この双極タイプでは、ワーク6を接地し
なくてもワーク6と各電極4a,4bとの間に静電力が
作用してワーク6が吸着される。なお、図8のチャック
基板2Aは単一の誘電体にて構成され、図9のチャック
基板2Bは基板層7と誘電体層8とを電極4a,4bの
上面位置で接合して構成されている。以上のような静電
チャックは、他の機械的結合を行なうチャックと比べて
コンパクトに構成でき、スペースのない場所でのワーク
の保持に適する。また、真空中でも使用できるため、電
子ビーム装置、イオンエッチング装置などの各種の半導
体製造装置、半導体検査装置でウエハの保持に使用され
ている。
示す。図8の静電チャック1Aは、チャック基板2Aの
内部に、電源3の一方の極(図示例では正極)と接続さ
れる電極4のみが設けられた単極タイプのものである。
このタイプでは、吸着面5に載置されたワーク(半導体
ウエハ等)6および電源3の他方の極(図示例では負
極)は共に接地され、これにより電極4とワーク6との
間に静電力が作用してワーク6が吸着される。一方、図
9の静電チャック1Bは、電源3の正極および負極とそ
れぞれ接続される電極4a,4bがチャック基板2Bの
内部に設けられたいわゆる双極タイプのものである。電
極4a,4bは、例えば図10(a),(b)に示すよ
うにチャック基板2Bの半径方向に対向させて一組、ま
たは複数組が配置されるか、あるいは図10(c)に示
すように同心円状に一組または複数組(図示例は一組)
が配置される。この双極タイプでは、ワーク6を接地し
なくてもワーク6と各電極4a,4bとの間に静電力が
作用してワーク6が吸着される。なお、図8のチャック
基板2Aは単一の誘電体にて構成され、図9のチャック
基板2Bは基板層7と誘電体層8とを電極4a,4bの
上面位置で接合して構成されている。以上のような静電
チャックは、他の機械的結合を行なうチャックと比べて
コンパクトに構成でき、スペースのない場所でのワーク
の保持に適する。また、真空中でも使用できるため、電
子ビーム装置、イオンエッチング装置などの各種の半導
体製造装置、半導体検査装置でウエハの保持に使用され
ている。
【0003】ところで、上述した静電チャックによる単
位面積当たりのワークの吸着力Pは、M.Nakasuji等によ
りジャーナルオブバキュームサイエンステクノロジーA1
2,2834(1994)(J.Vac.Sci.Technol A12,2834(1994))に
報告されているように、ワークが吸着された状態で、
位面積当たりのワークの吸着力Pは、M.Nakasuji等によ
りジャーナルオブバキュームサイエンステクノロジーA1
2,2834(1994)(J.Vac.Sci.Technol A12,2834(1994))に
報告されているように、ワークが吸着された状態で、
【数1】P=ε0・ε*・V2/(2d2) ……(1) である。ここで、ε0は真空中の誘電率、ε*は誘電体の
比誘電率、Vは静電チャックに印加された電圧、dはワ
ークと電極間の距離(図8,図9参照)である。ワーク
が静電チャックにどの程度の強さで吸着されるかは上記
の力Pの大小で判定される。半導体製造装置や半導体検
査装置においてウエハの保持に静電チャックを利用する
場合には、上記の力P=30gf/cm2が必要と考えられ
ている。
比誘電率、Vは静電チャックに印加された電圧、dはワ
ークと電極間の距離(図8,図9参照)である。ワーク
が静電チャックにどの程度の強さで吸着されるかは上記
の力Pの大小で判定される。半導体製造装置や半導体検
査装置においてウエハの保持に静電チャックを利用する
場合には、上記の力P=30gf/cm2が必要と考えられ
ている。
【0004】また、静電チャックの単位面積当たりの最
大吸着力Pmaxは、式(1)より、
大吸着力Pmaxは、式(1)より、
【数2】Pmax ∝ (ε*・Emax)2 ……(2) と書き直せる。ここで、Emaxは誘電体の絶縁破壊電場
である。上述したマスク基板2Aや誘電体層8を構成す
る誘電体の適否はε*・Emaxにより判断でき、当然なが
らε*・Emaxが大きいほど吸着力が強くて好ましい。
である。上述したマスク基板2Aや誘電体層8を構成す
る誘電体の適否はε*・Emaxにより判断でき、当然なが
らε*・Emaxが大きいほど吸着力が強くて好ましい。
【0005】従来、半導体製造装置等で必要とされる吸
着力を得るためには300V程度の電圧の印加が必要で
あり、そのような電圧ではチャックの絶縁破壊問題が生
じるおそれがあった。しかし、最近の報告では、Ta2
O5(酸化タンタル)を誘電体に用いた場合において、
印加電圧60Vに対して30gf/cm2以上の吸着力が得
られている。ちなみに、厚さ10μmのTa2O5で上述
したε*・Emaxの値は10000程度である。
着力を得るためには300V程度の電圧の印加が必要で
あり、そのような電圧ではチャックの絶縁破壊問題が生
じるおそれがあった。しかし、最近の報告では、Ta2
O5(酸化タンタル)を誘電体に用いた場合において、
印加電圧60Vに対して30gf/cm2以上の吸着力が得
られている。ちなみに、厚さ10μmのTa2O5で上述
したε*・Emaxの値は10000程度である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たマスク基板2Aや誘電体層8を構成する誘電体として
従来考えられていたAl2O3、SiO2、Ta2O5等の
絶縁体は熱伝導率が小さい。このため、上記の材料を図
8のマスク基板2Aや図9の誘電体層8に使用するとワ
ークが熱的に孤立系に近くなり、それにより種々の熱的
な問題が生じる。例えば、半導体製造装置のウエハの保
持に静電チャックを利用した場合には、ウエハへのエネ
ルギー注入によりウエハの温度が上昇して熱歪が生じ易
い。従って、本発明はワークの発熱を抑えられる静電チ
ャックを提供することを目的とする。なお、ここでいう
ワークとは、静電チャックの吸着対象を総称する概念で
ある。
たマスク基板2Aや誘電体層8を構成する誘電体として
従来考えられていたAl2O3、SiO2、Ta2O5等の
絶縁体は熱伝導率が小さい。このため、上記の材料を図
8のマスク基板2Aや図9の誘電体層8に使用するとワ
ークが熱的に孤立系に近くなり、それにより種々の熱的
な問題が生じる。例えば、半導体製造装置のウエハの保
持に静電チャックを利用した場合には、ウエハへのエネ
ルギー注入によりウエハの温度が上昇して熱歪が生じ易
い。従って、本発明はワークの発熱を抑えられる静電チ
ャックを提供することを目的とする。なお、ここでいう
ワークとは、静電チャックの吸着対象を総称する概念で
ある。
【0007】
【課題を解決するための手段】一実施例を示す図面を参
照して各請求項の発明の構成を説明する。ただし、各請
求項の発明は実施例の構成に限定されない。図1を参照
して説明すると、請求項1の発明は、電極4a,4bと
ワーク6の吸着面5との間に設けられる誘電体層13の
少なくとも一部がダイヤモンドにて構成された静電チャ
ックにより、上述した目的を達成する。請求項2の発明
は、請求項1の静電チャックにおいて吸着面5にダイヤ
モンドが露出したものである。図6を参照して説明する
と、請求項3の発明は、請求項1の静電チャックにおい
て、誘電体層8,32が電極4a,4bから吸着面5に
かけて複数層に構成され、吸着面5側の最上層32がダ
イヤモンドにて構成されたものである。図1を参照して
説明すると、請求項4の発明は、請求項1の静電チャッ
クにおいて、誘電体層13のダイヤモンドと熱的に接触
して誘電体層13から吸熱する吸熱部14が設けられた
ものである。図3を参照して説明すると、請求項5の発
明は、請求項1の静電チャックにおいて、吸着面5の一
部に導電層21が露出したものである。
照して各請求項の発明の構成を説明する。ただし、各請
求項の発明は実施例の構成に限定されない。図1を参照
して説明すると、請求項1の発明は、電極4a,4bと
ワーク6の吸着面5との間に設けられる誘電体層13の
少なくとも一部がダイヤモンドにて構成された静電チャ
ックにより、上述した目的を達成する。請求項2の発明
は、請求項1の静電チャックにおいて吸着面5にダイヤ
モンドが露出したものである。図6を参照して説明する
と、請求項3の発明は、請求項1の静電チャックにおい
て、誘電体層8,32が電極4a,4bから吸着面5に
かけて複数層に構成され、吸着面5側の最上層32がダ
イヤモンドにて構成されたものである。図1を参照して
説明すると、請求項4の発明は、請求項1の静電チャッ
クにおいて、誘電体層13のダイヤモンドと熱的に接触
して誘電体層13から吸熱する吸熱部14が設けられた
ものである。図3を参照して説明すると、請求項5の発
明は、請求項1の静電チャックにおいて、吸着面5の一
部に導電層21が露出したものである。
【0008】
【作用】M.W.Geisが、プロシーディングスオブジアイ・
イ・イ・イ第79巻669頁1991年(Proceedings of the IE
EE VOL.79,P669(1991))で報告しているように、合成さ
れたダイヤモンド(人工的に合成されたダイヤモンド)
の比誘電率ε*および絶縁破壊電場Emaxは、それぞれ、
イ・イ・イ第79巻669頁1991年(Proceedings of the IE
EE VOL.79,P669(1991))で報告しているように、合成さ
れたダイヤモンド(人工的に合成されたダイヤモンド)
の比誘電率ε*および絶縁破壊電場Emaxは、それぞれ、
【数3】ε*=5.7 Emax=4×102〜2×103V/μm である。従って、ダイヤモンドのε*・Emaxは2280
〜11400となる。一方、上記のM.Nakasuji等の報告
によれば、従来の静電チャックで使用されていた誘電体
のε*・Emaxは、Al2O3で6000、SiO2で300
0程度である。また、誘電体の熱伝導率Kは、それぞ
れ、 ダイヤモンド:K=2000W/mK Al2O3 :K=210W/mK SiO2 :K=14.2W/mK であり、誘電体にダイヤモンドを使用すると、熱伝導率
が10〜100程度改善されることになる。ここで、例
えば厚さ10μmのダイヤモンドを静電チャックの誘電
体層に用いた場合、半導体製造装置に必要な吸着力(ほ
ぼ30gf/cm2)を得るためには、ダイヤモンドの表面
状態にもよるが、静電チャックに50〜100Vの電圧
を印加する必要がある。上記の絶縁破壊電場Emaxから
考えて、この程度の電圧では絶縁破壊が生じるおそれは
ない。
〜11400となる。一方、上記のM.Nakasuji等の報告
によれば、従来の静電チャックで使用されていた誘電体
のε*・Emaxは、Al2O3で6000、SiO2で300
0程度である。また、誘電体の熱伝導率Kは、それぞ
れ、 ダイヤモンド:K=2000W/mK Al2O3 :K=210W/mK SiO2 :K=14.2W/mK であり、誘電体にダイヤモンドを使用すると、熱伝導率
が10〜100程度改善されることになる。ここで、例
えば厚さ10μmのダイヤモンドを静電チャックの誘電
体層に用いた場合、半導体製造装置に必要な吸着力(ほ
ぼ30gf/cm2)を得るためには、ダイヤモンドの表面
状態にもよるが、静電チャックに50〜100Vの電圧
を印加する必要がある。上記の絶縁破壊電場Emaxから
考えて、この程度の電圧では絶縁破壊が生じるおそれは
ない。
【0009】以上の検討から明らかなように、請求項1
の発明の静電チャックによれば、従来と同等の吸着力を
確保しつつ、ワークの温度上昇や熱歪を従来のものに比
べて1/10〜1/100に抑えられることになる。例
えば、従来の5W(ワット)の電子ビーム露光装置で
は、ワークとしてのウエハと静電チャックとの熱的な接
触が十分に確保されていてもウエハの温度が100゜C
以上も上昇していたが、請求項1の発明によればその1
/10〜1/100、すなわち温度上昇が10゜C以下
に抑えられることになる。ちなみに、半導体製造装置で
はウエハの温度上昇が20゜C以内であることが必要と
され、請求項1の発明によればそのような条件を十分に
満たし得る。さらに、約10msec以下のパルス幅を持つ
エネルギー照射装置では、熱拡散(温度拡散)がワーク
の熱拡散時間のみで決まってしまうが、パルス照射は繰
り返し照射が一般的であり、そのような場合にはパルス
照射に伴う熱の拡散に静電チャックの熱拡散性の良否が
関係する。この場合にも請求項1の発明の静電チャック
によりワークからの熱拡散を促進できる。請求項2,3
の発明では、静電チャックの吸着面に露出したダイヤモ
ンドとワークとを直接に接触させてワークからダイヤモ
ンドへ確実に熱を伝達できる。請求項4の発明では、ワ
ークの熱がダイヤモンドを介して吸熱部に逐次吸熱され
る。請求項5の発明では、ワークと導電層とを接触させ
ることにより、ワークの電荷を導電層を介して外部へ逃
すことができる。これにより、静電チャックの帯電が防
がれる。
の発明の静電チャックによれば、従来と同等の吸着力を
確保しつつ、ワークの温度上昇や熱歪を従来のものに比
べて1/10〜1/100に抑えられることになる。例
えば、従来の5W(ワット)の電子ビーム露光装置で
は、ワークとしてのウエハと静電チャックとの熱的な接
触が十分に確保されていてもウエハの温度が100゜C
以上も上昇していたが、請求項1の発明によればその1
/10〜1/100、すなわち温度上昇が10゜C以下
に抑えられることになる。ちなみに、半導体製造装置で
はウエハの温度上昇が20゜C以内であることが必要と
され、請求項1の発明によればそのような条件を十分に
満たし得る。さらに、約10msec以下のパルス幅を持つ
エネルギー照射装置では、熱拡散(温度拡散)がワーク
の熱拡散時間のみで決まってしまうが、パルス照射は繰
り返し照射が一般的であり、そのような場合にはパルス
照射に伴う熱の拡散に静電チャックの熱拡散性の良否が
関係する。この場合にも請求項1の発明の静電チャック
によりワークからの熱拡散を促進できる。請求項2,3
の発明では、静電チャックの吸着面に露出したダイヤモ
ンドとワークとを直接に接触させてワークからダイヤモ
ンドへ確実に熱を伝達できる。請求項4の発明では、ワ
ークの熱がダイヤモンドを介して吸熱部に逐次吸熱され
る。請求項5の発明では、ワークと導電層とを接触させ
ることにより、ワークの電荷を導電層を介して外部へ逃
すことができる。これにより、静電チャックの帯電が防
がれる。
【0010】
【実施例】以下、図1〜図7を参照して本発明の実施例
を説明する。なお、図1〜図7において、図8〜図10
との共通部分および各図の相互間の共通部分には同一符
号を付してある。 −第1実施例− 図1は第1実施例に係る静電チャックの断面を示すもの
である。本実施例の静電チャック10では、セラミック
ス製の基板層12とダイヤモンド製の誘電体層13とが
電極4a,4bの上面位置で接合されてチャック基板1
1が構成されている。チャック基板11は上述した図1
0に示すチャック基板2Bと同じく円板状であり、その
外周は吸熱部としてのヒートシンク14に取り囲まれて
いる。ヒートシンク14は、例えば銅にて構成される。
このような構成によれば、ダイヤモンド製の誘電体層1
3の表面が吸着面5となるため、そこに載置されたワー
ク6(例えば半導体基板としてのシリコンウエハ)の熱
が誘電体層13からヒートシンク14へと効率良く伝達
される。誘電体層13をアルミナや酸化シリコン等で構
成した従来例と比較した場合、上述した熱伝導率の相違
からワーク6の温度上昇を1/10〜1/100に抑え
られる。ヒートシンク14の吸熱作用により誘電体層1
3に熱がこもるおそれもない。
を説明する。なお、図1〜図7において、図8〜図10
との共通部分および各図の相互間の共通部分には同一符
号を付してある。 −第1実施例− 図1は第1実施例に係る静電チャックの断面を示すもの
である。本実施例の静電チャック10では、セラミック
ス製の基板層12とダイヤモンド製の誘電体層13とが
電極4a,4bの上面位置で接合されてチャック基板1
1が構成されている。チャック基板11は上述した図1
0に示すチャック基板2Bと同じく円板状であり、その
外周は吸熱部としてのヒートシンク14に取り囲まれて
いる。ヒートシンク14は、例えば銅にて構成される。
このような構成によれば、ダイヤモンド製の誘電体層1
3の表面が吸着面5となるため、そこに載置されたワー
ク6(例えば半導体基板としてのシリコンウエハ)の熱
が誘電体層13からヒートシンク14へと効率良く伝達
される。誘電体層13をアルミナや酸化シリコン等で構
成した従来例と比較した場合、上述した熱伝導率の相違
からワーク6の温度上昇を1/10〜1/100に抑え
られる。ヒートシンク14の吸熱作用により誘電体層1
3に熱がこもるおそれもない。
【0011】チャック基板11の作製手順の一例を図2
に示す。まず図2(a)に示すように電極4a,4bの
素材(例えばシリコン)からなる基板15の表面に、例
えば気相合成によりダイヤモンドを成膜して誘電体層1
3を形成する。誘電体層13の厚さは例えば10μmと
する。ついで同図(b)に示すように基板15を電極4
a,4bが残るようにエッチングする。この後、同図
(c)に示すようにセラミックス製の基板層12に電極
4a,4bを埋め込むようにして両層12,13を接合
する。この接合は、例えばエポキシ樹脂にて行なう。な
お、気相合成以外の方法で誘電体層13のみを形成し、
これを電極4a,4bが埋め込まれた基板層12と接合
してもよい。ただし、誘電体層13としてのダイヤモン
ドは純度が高いほど好ましいので、現状では気相合成法
が最適である。ヒートシンク14はチャック基板11の
誘電体層13と熱的に接触していれば足りるが、チャッ
ク基板11に固定してもよい。誘電体層13をチャック
基板11の下面側まで延長してヒートシンク14をチャ
ック基板11の下面側に配置してもよい。
に示す。まず図2(a)に示すように電極4a,4bの
素材(例えばシリコン)からなる基板15の表面に、例
えば気相合成によりダイヤモンドを成膜して誘電体層1
3を形成する。誘電体層13の厚さは例えば10μmと
する。ついで同図(b)に示すように基板15を電極4
a,4bが残るようにエッチングする。この後、同図
(c)に示すようにセラミックス製の基板層12に電極
4a,4bを埋め込むようにして両層12,13を接合
する。この接合は、例えばエポキシ樹脂にて行なう。な
お、気相合成以外の方法で誘電体層13のみを形成し、
これを電極4a,4bが埋め込まれた基板層12と接合
してもよい。ただし、誘電体層13としてのダイヤモン
ドは純度が高いほど好ましいので、現状では気相合成法
が最適である。ヒートシンク14はチャック基板11の
誘電体層13と熱的に接触していれば足りるが、チャッ
ク基板11に固定してもよい。誘電体層13をチャック
基板11の下面側まで延長してヒートシンク14をチャ
ック基板11の下面側に配置してもよい。
【0012】−第2実施例− 図3は第2実施例に係る静電チャックの断面を示すもの
である。この実施例の静電チャック20は、図1のチャ
ック基板11の吸着面5の外周部が導電層21にて覆わ
れたものである。導電層21は、例えばタンタルを吸着
面5の外周部に環状に成膜して形成する。導電層21の
材料としては、タンタル以外にも各種の金属材料、導電
性の高分子等が使用できる。このような構成によれば、
ワーク6と導電層21とを接触させるとともに導電層2
1を接地させることで静電チャックの帯電を防止でき
る。導電層21が不必要に厚いと電極4a,4bとワー
ク6との距離が増加して吸着力が低下するため、導電層
21は静電チャックの帯電防止に必要な最小限の厚さ、
例えば50nm(ナノメートル)程度に設定する。
である。この実施例の静電チャック20は、図1のチャ
ック基板11の吸着面5の外周部が導電層21にて覆わ
れたものである。導電層21は、例えばタンタルを吸着
面5の外周部に環状に成膜して形成する。導電層21の
材料としては、タンタル以外にも各種の金属材料、導電
性の高分子等が使用できる。このような構成によれば、
ワーク6と導電層21とを接触させるとともに導電層2
1を接地させることで静電チャックの帯電を防止でき
る。導電層21が不必要に厚いと電極4a,4bとワー
ク6との距離が増加して吸着力が低下するため、導電層
21は静電チャックの帯電防止に必要な最小限の厚さ、
例えば50nm(ナノメートル)程度に設定する。
【0013】なお、図3の変形例を図4,図5に示す。
図4の静電チャック20Aは、吸着面5の外周に凹部5
aを設け、そこに導電層21を配置して吸着面5と導電
層21の表面とを面一に構成した例である。図5の静電
チャック20Bは、チャック基板11の外周を導電層2
2で取り囲み、その上面22aとワーク6とを接触させ
るようにしたものである。
図4の静電チャック20Aは、吸着面5の外周に凹部5
aを設け、そこに導電層21を配置して吸着面5と導電
層21の表面とを面一に構成した例である。図5の静電
チャック20Bは、チャック基板11の外周を導電層2
2で取り囲み、その上面22aとワーク6とを接触させ
るようにしたものである。
【0014】−第3実施例− 図6は第3実施例に係る静電チャックの断面を示すもの
である。この実施例の静電チャック30は、上述した図
9に示す静電チャック1Bを改良したものである。すな
わち、本実施例ではシリコン製の基板層7をその表面か
ら一定範囲だけ酸化させてSiO2製の第1の誘電体層
8を形成し、その上面にさらにダイヤモンドを成膜して
第2の誘電体層32を形成し、これにより三層構造のチ
ャック基板31を構成したものである。第1の誘電体層
8の厚さは、例えば1μm、第2の誘電体層32の厚さ
は5μmとする。この例では、第1の誘電体層8が図9
に示す従来例と同一厚さと仮定すると、第2の誘電体層
32を積層した分だけ電極4a,4bから吸着面5まで
の距離が増加して吸着力が低下する。しかしながら、ダ
イヤモンド製の第2の誘電体層32の追加により絶縁破
壊電圧が高くなるので電極4a,4bへの印加電圧を上
げて吸着力の低下を補うことができる。従って、既存の
静電チャックに第2の誘電体層32を追加するだけで本
発明の効果が得られる。
である。この実施例の静電チャック30は、上述した図
9に示す静電チャック1Bを改良したものである。すな
わち、本実施例ではシリコン製の基板層7をその表面か
ら一定範囲だけ酸化させてSiO2製の第1の誘電体層
8を形成し、その上面にさらにダイヤモンドを成膜して
第2の誘電体層32を形成し、これにより三層構造のチ
ャック基板31を構成したものである。第1の誘電体層
8の厚さは、例えば1μm、第2の誘電体層32の厚さ
は5μmとする。この例では、第1の誘電体層8が図9
に示す従来例と同一厚さと仮定すると、第2の誘電体層
32を積層した分だけ電極4a,4bから吸着面5まで
の距離が増加して吸着力が低下する。しかしながら、ダ
イヤモンド製の第2の誘電体層32の追加により絶縁破
壊電圧が高くなるので電極4a,4bへの印加電圧を上
げて吸着力の低下を補うことができる。従って、既存の
静電チャックに第2の誘電体層32を追加するだけで本
発明の効果が得られる。
【0015】−第4実施例− 図7は本発明の第4実施例に係る静電チャックの断面を
示すものである。この実施例の静電チャック40は、チ
ャック基板41の全体をダイヤモンドにて構成した例、
換言すれば電極4a,4bの全体をダイヤモンドにて覆
った例である。電極4a,4bを埋め込むには、例えば
チャック基板41をその途中の厚さまで適当な方法で製
造してその表面に電極4a,4bを配置し、その後、気
相合成等で電極4a,4b上にダイヤモンドを積層すれ
ばよい。
示すものである。この実施例の静電チャック40は、チ
ャック基板41の全体をダイヤモンドにて構成した例、
換言すれば電極4a,4bの全体をダイヤモンドにて覆
った例である。電極4a,4bを埋め込むには、例えば
チャック基板41をその途中の厚さまで適当な方法で製
造してその表面に電極4a,4bを配置し、その後、気
相合成等で電極4a,4b上にダイヤモンドを積層すれ
ばよい。
【0016】以上の実施例はすべて双極タイプの静電チ
ャックについて説明したが、単極タイプの静電チャック
にも本発明は適用できる。
ャックについて説明したが、単極タイプの静電チャック
にも本発明は適用できる。
【0017】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば静
電チャックの誘電体層の材料としてダイヤモンドを使用
することで、従来と同等の吸着力を確保しつつ誘電体層
の熱伝達率を改善してワークの発熱を抑えることができ
る。特に請求項2,3の発明では、ダイヤモンドとワー
クとの熱的接触を十分に確保してワークからダイヤモン
ドへの熱伝達を促進できる。また、請求項3の発明では
既存の静電チャックにダイヤモンド製の誘電体層を追加
するだけで本発明の効果を得ることができる。請求項4
の発明では、誘電体層の熱を吸熱部で吸熱してワークか
らの伝熱を一層促進できる。請求項5の発明では静電チ
ャックの帯電を防止できる。
電チャックの誘電体層の材料としてダイヤモンドを使用
することで、従来と同等の吸着力を確保しつつ誘電体層
の熱伝達率を改善してワークの発熱を抑えることができ
る。特に請求項2,3の発明では、ダイヤモンドとワー
クとの熱的接触を十分に確保してワークからダイヤモン
ドへの熱伝達を促進できる。また、請求項3の発明では
既存の静電チャックにダイヤモンド製の誘電体層を追加
するだけで本発明の効果を得ることができる。請求項4
の発明では、誘電体層の熱を吸熱部で吸熱してワークか
らの伝熱を一層促進できる。請求項5の発明では静電チ
ャックの帯電を防止できる。
【図1】本発明の第1実施例に係る静電チャックの断面
図。
図。
【図2】図1のチャック基板の製造手順の一例を示す
図。
図。
【図3】本発明の第2実施例に係る静電チャックの断面
図。
図。
【図4】図3の変形例を示す図。
【図5】図3の他の変形例を示す図。
【図6】本発明の第3実施例に係る静電チャックの断面
図。
図。
【図7】本発明の第4実施例に係る静電チャックの断面
図。
図。
【図8】単極タイプの静電チャックの概略を示す断面
図。
図。
【図9】双極タイプの静電チャックの概略を示す断面
図。
図。
【図10】双極タイプの静電チャックにおける電極の配
置例を示す図。
置例を示す図。
4a,4b 電極 5 吸着面 7,12 基板層 8 第1の誘電体層 10,20,20A,20B,30,40 静電チャッ
ク 11,21,31,41 チャック基板 13 誘電体層 14 ヒートシンク 21,22 導電層 32 第2の誘電体層
ク 11,21,31,41 チャック基板 13 誘電体層 14 ヒートシンク 21,22 導電層 32 第2の誘電体層
Claims (5)
- 【請求項1】 電極とワークの吸着面との間に設けられ
る誘電体層の少なくとも一部がダイヤモンドにて構成さ
れたことを特徴とする静電チャック。 - 【請求項2】 前記吸着面にダイヤモンドが露出してい
ることを特徴とする請求項1記載の静電チャック。 - 【請求項3】 前記誘電体層が前記電極から前記吸着面
にかけて複数層に構成され、前記吸着面側の最上層がダ
イヤモンドにて構成されたことを特徴とする請求項1記
載の静電チャック。 - 【請求項4】 前記誘電体層のダイヤモンドと熱的に接
触して当該誘電体層から吸熱する吸熱部が設けられたこ
とを特徴とする請求項1記載の静電チャック。 - 【請求項5】 前記吸着面の一部に導電層が露出してい
ることを特徴とする請求項1記載の静電チャック。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12392395A JPH08316296A (ja) | 1995-05-23 | 1995-05-23 | 静電チャック |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP12392395A JPH08316296A (ja) | 1995-05-23 | 1995-05-23 | 静電チャック |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08316296A true JPH08316296A (ja) | 1996-11-29 |
Family
ID=14872694
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12392395A Pending JPH08316296A (ja) | 1995-05-23 | 1995-05-23 | 静電チャック |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08316296A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10158815A (ja) * | 1996-11-29 | 1998-06-16 | Nissin Electric Co Ltd | 静電チャック用被保持物配置部材及びその製造方法並びに静電チャック |
WO2006054407A1 (ja) * | 2004-10-29 | 2006-05-26 | Shin-Etsu Engineering Co., Ltd. | 真空貼り合わせ装置用静電チャック及びそれを用いた真空貼り合わせ装置 |
JP2021010026A (ja) * | 2020-10-15 | 2021-01-28 | 東京エレクトロン株式会社 | 基板処理装置及び基板処理方法 |
US11521886B2 (en) | 2014-12-25 | 2022-12-06 | Tokyo Electron Limited | Substrate processing apparatus and substrate support |
-
1995
- 1995-05-23 JP JP12392395A patent/JPH08316296A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH10158815A (ja) * | 1996-11-29 | 1998-06-16 | Nissin Electric Co Ltd | 静電チャック用被保持物配置部材及びその製造方法並びに静電チャック |
WO2006054407A1 (ja) * | 2004-10-29 | 2006-05-26 | Shin-Etsu Engineering Co., Ltd. | 真空貼り合わせ装置用静電チャック及びそれを用いた真空貼り合わせ装置 |
US11521886B2 (en) | 2014-12-25 | 2022-12-06 | Tokyo Electron Limited | Substrate processing apparatus and substrate support |
JP2021010026A (ja) * | 2020-10-15 | 2021-01-28 | 東京エレクトロン株式会社 | 基板処理装置及び基板処理方法 |
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