JPH083154B2 - りん酸塩処理性および耐型かじり性に優れた冷延鋼板 - Google Patents

りん酸塩処理性および耐型かじり性に優れた冷延鋼板

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JPH083154B2
JPH083154B2 JP2033320A JP3332090A JPH083154B2 JP H083154 B2 JPH083154 B2 JP H083154B2 JP 2033320 A JP2033320 A JP 2033320A JP 3332090 A JP3332090 A JP 3332090A JP H083154 B2 JPH083154 B2 JP H083154B2
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【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は、りん酸塩処理性および耐型かじり性に優れ
た冷延鋼板に関する。
<従来の技術> 加工性、とくに深絞り性を改善した冷延鋼板の主な用
途は、自動車の内・外装板である。
従って、従来は、自動車用部品としてプレス成形され
る場合に鋼板に要求される材料特性を満足する最適の製
造条件を得ることを前提として、主に研究が行われてき
た。
特に、自動車用鋼板の場合、多種多様なデザインに適
応させる必要上、深絞り性に対応するランクフォード値
(r値)の改善、ならびに形状凍結性の観点から低降伏
応力化、高加工硬化率化などが重要視されてきた。
このような観点から開発されたものとして、たとえば
特開昭59−193221号公報や特開昭63−76848号公報など
に開示の極低炭素鋼があるが、最近ではかかる極低炭素
鋼、しかもその連続焼鈍材の、冷延鋼板の生産量に占め
る割合が増大してきている。
このような潮流の中で、最近とくに自動車用鋼板のプ
レス成形時における「型かじり」が問題となっている
が、この点に着目した技術はこれまでのところほとんど
報告されていない。
わずかに特公昭61−266001号公報において、所定の有
機高分子皮膜を鋼板表面に形成し、鋼板表面の摺動性を
良好にすることでプレス加工性の向上を図る技術が提案
されているに止まる。
しかしながら、自動車用鋼板は、プレス後、塗装前処
理として通常りん酸塩処理が施されるが、上記のような
潤滑処理を施した冷延鋼板は、そのりん酸塩処理性が未
処理の延冷鋼板に比べて著しく劣ることが問題として上
げられていた。また、有機皮膜は経時変化で変質してし
まい、有害物になってしまうおそれがある。
また、冷延鋼板のりん酸塩処理性の向上を目的として
開発されたものとして、金属ニッケルを30〜1000mg/m2
付着させる方法が特公昭62−30264号公報に開示されて
いる。しかしながら、これは単にりん酸塩処理性の向上
を目的としたものであり、その実施例にも記述がないこ
とからもわかるように、耐型かじり性の向上を積極的に
狙っているものではない。さらに、りん酸塩処理性の向
上効果の見出されたNi付着量は、本発明者らの詳細な実
験によれば、特定の大きさ、分布状態の場合には0.5〜1
00mg/m2付着させれば十分であり、それ以上の付着では
りん酸塩処理性の向上は見られず、逆に耐型かじり性は
劣化する。
<発明が解決しようとする課題> 加工性、特にプレス成形時の深絞り性あるいは形状凍
結性の観点からは、伸び(El)とランクフォード値(r
値)を改善し、併せてY.S.を低く(低Y.R.化)するのが
良いとされ、そのための製造技術が極低炭素化によって
実現された。しかし一方で、このような鋼板は従来鋼に
比べて、プレス加工時における型かじりの発生が大きい
という新たな問題が生じた。
本発明は、上記の問題を有利に解決して、りん酸塩処
理性および耐型かじり性を向上させた冷延鋼板を提供す
ることを目的とする。
<課題を解決するための手段> まず、この発明の解明経緯について説明する。
加工性、すなわちr値やElを改善するには、C量の低
減が有効であり、その結果、鋼は軟質化する。しかしな
がら一方で極低炭素鋼、とくにその連続焼鈍材は、プレ
ス金型との摺動抵抗が従来鋼に比べて大きいことが判明
した。
一方、摺動抵抗が大きくなると、プレス金型のビード
部など摺動の厳しい箇所ではひどい型かじりが発生し、
その結果鋼板の流入が悪くなり、この流入不足が原因と
なって破断に至る場合があった。
そこで本発明者らは、上記の問題を解決すべく幾多の
実験および検討を重ねた結果、焼鈍後の冷延鋼板表面に
Ni、Mn、Co、Mo、Cuの群より選ばれた金属を所定量付着
させ、さらに析出金属粒子径および析出金属間距離を調
整することによって、りん酸塩処理性および耐型かじり
性、特に潤滑状態が最も悪いと考えられる脱脂状態(完
全に油がきれている状態)のときの耐型かじり性が向上
することを見出した。
本発明は、上記の知見に立脚するものである。
すなわち、上記目的を達成するために本発明によれ
ば、Ni、Mn、Co、Mo、Cuの群より選ばれる1種または2
種以上の金属が冷延鋼板表面に0.5〜100mg/m2非連続的
に析出してなり、この析出によって生じる前記鋼板上の
凸部面積率SSrが25〜60%で、かつ前記凸部1個当たり
の平均面積SGrが0.2〜0.8μm2であることを特徴とする
りん酸塩処理性および耐型かじり性に優れた冷延鋼板が
提供される。
前記析出金属の粒子径が1μm以下で、かつ最近接析
出金属間距離が5μm以下であるのが好ましい。
以下に本発明をさらに詳細に説明する。
まず、本発明の基礎となった実験結果から説明する。
本発明では、鋼板表面にニッケルを0.5〜100mg/m2
出させることが必要である。第1図に、種々の量のニッ
ケルを付着させた冷延鋼板にりん酸塩処理を施した時
の、りん酸塩処理15秒後のりん酸塩結晶数とNi付着量
(後述するSSr、SGrはそれぞれ25〜40%、0.3〜0.45μm
2に制御)との関係を示す。同図から明らかなように、N
i付着量が0.5mg/m2まではりん酸塩結晶数が急激に増加
し、それ以上Ni付着量を増加させてもりん酸塩結晶数の
増加は認められない。また、100mg/m2を越えると急激に
低下する。
第2図に、各種Ni付着量におけるりん酸塩皮膜重量曲
線(後述するSSr、SGrはそれぞれ45〜60%、0.45〜0.6
μm2に制御)を示す。Ni付着量が0.5mg/m2未満のときお
よび100mg/m2を越えると、皮膜重量曲線の立ち上がりが
遅くなり、皮膜重量が増加している。
第3図に、後述する方法で行った摺動試験時における
Ni付着量と摩擦係数(後述するSSr、SGrはそれぞれ30〜
45%、0.4〜0.6μm2に制御)との関係を示す。
このときの摺動試験は、試料厚さを0.7mmとし、押さ
え荷重:100kgfの条件で行った。
同図より明らかなように無塗油状態の鋼板の摩擦係数
は、0.5mg/m2のNi付着により激減している。また、Ni付
着量が100mg/m2を越えると、摩擦係数が増加している。
そして、さらに、本発明者らの詳細な実験により、金
属の析出によって生じる鋼板表面の凸部面積率SSrとそ
の凸部1個当りの平均面積SGrを所定の範囲に調整する
ことにより、りん酸塩処理性および耐型かじり性にすぐ
れた冷延鋼板を製造する方法を究明したのである。
ここで、SSrおよびSGrは下式により算出した。
第4図にりん酸塩処理15秒後のりん酸塩結晶数/4×10
-6cm2(図中に数字で示す)におよぼす凸部面積率SSrと
凸部1個当りの平均面積SGrの影響を、第5図に摺動試
験時の摩擦係数(図中に数字で示す)におよぼす凸部面
積率SSrと凸部1個当りの平均面積SGrの影響を、それぞ
れ示す。両図より明らかなように、凸部面積率SSrが25
〜60%で、かつ凸部1個当りの平均面積SGrが0.2〜0.8
μm2のときに、りん酸塩処理性および耐型かじり性が向
上している。なお、このときのNi付着量は10〜25mg/m2
であった。
Ni付着量の増加によるりん酸塩結晶数の増加の理由は
次のとおりで考える。すなわち、鋼板の表面に金属ニッ
ケルを微量付着させた場合、鋼板表面上のニッケルは部
分的にしか付着しておらず、ニッケルと鉄が不均一に分
布した状態が形成されている。このような表面はニッケ
ルと鉄の電位差のため電気的に不均一な状態が形成され
ている。ニッケルが付着している部分はカソード部とな
り、りん酸塩の結晶成長の起点となる。
さらに、りん酸塩処理性に対して、Ni付着量に最適範
囲が存在する理由は次のとおりと考えられる。すなわ
ち、ニッケルが鋼板上を完全に覆う状態で付着すると、
表面の電気的不均一さが得られないのと同時に、鋼板側
からの鉄の溶出が妨げられ、りん酸塩処理性の向上効果
は認められない。従ってニッケルの付着量は鋼板表面が
ニッケルと鉄が適当に分布している状態、すなわち凸部
面積率SSrが25〜60%で、かつ凸部1個当りの平均面積S
Grが0.2〜0.8μm2の分布状態が好ましい。
そして、りん酸塩処理性の向上が期待できるNi付着量
範囲は0.5〜100mg/m2である。
また、耐型かじり性に対しても、Ni付着量に最適範囲
が存在する理由は次のとおりと考えられる。すなわち、
ニッケル処理鋼板は表面上の不均一、すなわち凸部面積
率SSrが25〜60%で、かつ凸部1個当りの平均面積SGrが
0.2〜0.8μm2の分布状態で付着しているニッケルの硬度
が鉄に比べて高いため、プレス加工時の鋼板の平滑化が
されにくく、従って鋼板とプレス金型との接触面積が小
さくなるので、摩擦係数は低下する。しかし、ニッケル
が鋼板上を完全に覆う状態で付着すると、逆に接触面積
が大きくなり、摩擦係数が高くなる。従って、耐型かじ
り性に対して、Ni付着量に最適範囲が存在するものと考
えられる。
さらに、より詳細な実験によって、本発明者らは、析
出Ni粒子径と最近接析出Ni間距離とを制御することによ
り、より一層のりん酸塩処理性および耐型かじり性が図
られることを見出したのである。すなわち、析出Ni粒子
径を1μm以下で、かつ最近接析出Ni間距離を5μm以
下の分布状態にすることにより、より一層の向上が認め
られたのである。第6図にりん酸塩処理15秒後のりん酸
塩結晶数/4×10-6cm2(図中に数字で示す)におよぼす
析出Ni粒子径と最近接析出Ni間距離を、第7図にNi付着
量、SSr、SGrをそれぞれ15〜20mg/m2、30〜40%、0.3〜
0.45μm2とした場合の摺動試験時の摩擦係数(図中に数
字で示す)におよぼす析出N粒子i径と最近接析出Ni間
距離を、それぞれ示す。両図より明らかなように、りん
酸塩処理性および耐型かじり性のより一層の向上のため
には析出Ni粒子径が1μm以下で、かつ最近接析出Ni間
距離が5μm以下とするのが好ましい。
次に、種々のpHに調整したNiを含む塩基性水溶性中
で、焼鈍された鋼板を陰極として電解した後の、鋼板の
耐食性と塩基性水溶液のpHとの関係を第8図に示す。
同図より明らかなように塩基性水溶液のpHが8を境と
して、鋼板の耐食性が改善されている。すなわち、pH≧
8では、鋼板表面はエッチングされず、表面の活性点の
消失がないので、鋼板の耐食性が劣化しないと考えられ
る。pHが8未満の場合、鋼板表面がエッチングされるこ
とにより必要以上の凹凸が付与されてしまい、後述する
Ni付着後のSSrとSGrが本発明範囲を満足しないことを究
明した。したがって、水溶液のpHは8以上とした。
水溶液としては、水酸化ナトリウム、りん酸ソーダ、
珪酸ソーダなど、水に容易に溶解する塩基性物質を用い
ればよい。
電解の条件は鋼板を陰極とする必要がある。陰極電解
により、鋼板表面にニッケルが析出し、この部分がカソ
ード部となり、りん酸塩の結晶成長の起点とする。これ
により、りん酸塩処理性が向上すると考えられる。陽極
電解した場合は、鋼板表面にりん酸塩の結晶成長の起点
となるカソード部、すなわちニッケルの析出が起こら
ず、りん酸塩処理性の向上が望めない。装置の設計上、
鋼板電流を使用する必要があるときは、電解の最終段階
で鋼板が陰極となるようにすれば電解の効果は失われな
い。
電流密度は、短時間のうちに電解の効果を出現させる
ためには0.7A/dm2の以上とすることが好ましい。また、
電解時間は、電流密度が0.7A/dm2以上であれば0.5秒以
上で効果があらわれ、1秒以上行えば十分である。
さらに、Ni以外のMn、Co、Mo、Cuの金属についても同
様の結果を得た。
本発明者らは、上記した基礎的データに基づき、研究
を重ねた結果、以下のようにNi、Mn、Co、Mo、Cuの群よ
り選ばれた金属の付着量およびその分布状態を制御する
ことによって、りん酸塩処理性および耐型かじり性にす
ぐれた冷延鋼板が得られることを究明したのである。
この発明によれば、Ni、Mn、Co、Mo、Cuの群より選ば
れた金属の付着量が0.5〜100mg/m2であることが必要で
ある。Ni、Mn、Co、Mo、Cuの群より選ばれた金属の付着
量が0.5〜100mg/m2であることが必要である。Ni、Mn、C
o、Mo、Cuの群より選ばれた金属の付着量が、0.5mg/m2
未満の場合、および100mg/m2をこえる場合では、優れた
りん酸塩処理性および耐型かじり性を得ることができな
い。
さらに、そのときの分布状態は、凸部面積率SSrが25
〜60%で、かつ凸部1個当たりの平均面積SGrが0.2〜0.
8μm2である必要がある。凸部面積率SSrが25%未満また
は60%を超え、また、凸部1個当たりの平均面積SGrが
0.2μm2未満または0.8μm2を超える場合では、優れたり
ん酸塩処理性および耐型かじり性を得ることができな
い。
なお、金属の付着方法としては、電気めっき、置換め
っき、蒸着めっき等のいずれの方法を用いても良く、要
は金属付着量およびその分布状態を前述した適正範囲に
収めることが重要である。その方法としては以下のもの
がある。
(1) あらかじめ鋼板表面の粗度を制御しておく方法 (2) 所望の分布状態の穴を有するスリット越しにメ
ッキする方法。
<実施例> 以下に本発明を実施例に基づき具体的に説明する。
(実施例1) 板厚0.8mmの冷延鋼板をpH=11、0.15mol/の濃度のN
aOH水溶液(温度50℃)中で、種々の分布状態の穴を有
するスリットを用いて2秒の電解を行った。電解電流密
度は、0.5A/dm2〜20A/dm2の範囲で変化させて行った。
極性は鋼板を陽極あるいは陰極として、極性の違いによ
る差も調べた。次いで、電解しなかったものもあわせ
て、りん酸塩処理の試験に供した。りん酸塩処理は、下
記により施した。
処理液:日本パーカライジング社製 パルボンド L3020処理液 処理方法:FULL DIP方式 処理条件:42℃で120秒間浸漬 評価方法:りん酸塩結晶密度、 pH12のNaOH水溶液中での酸素還元電流値 ここで、りん酸塩結晶密度が高いほうがりん酸塩処理
性が良好であり、NaOH水溶液中でカソード分極し、−55
0mVvsS.C.E.になった時に流れる電流値、すなわち酸素
還元電流値が低い方が欠陥が少ない皮膜が形成されてい
ると言える。
また、裸鋼板の耐食性を調べるため、湿潤(50℃、相
対湿度98%)30分、乾燥(20℃、相対湿度50%)30分を
1サイクルとして、4サイクルの発錆試験を行い、錆の
発生を目視で5段階評価した。電解条件とともに実験結
果を表1に示す。その評価方法は次の通りである。
1……発錆面積0% 2……発錆面積0%超〜25%以下 3……発錆面積25%超〜50%以下 4……発錆面積50%超〜75%以下 5……発錆面積75%超 また、脱脂状態で摺動試験を行い、その時の摩擦係数
の値も表1に示す。ここで、摺動試験方法について示
す。第9a図に示す摺動性測定装置により、チャック4に
挾持した試験片5を引き抜くときの引き抜き荷重を引針
試験機1により測定した。シリンダー3によるポンチ2
の押さえ荷重は100kgfとした。試験片5は無塗油のもの
について、20mm×300mm×0.8mmのものを用意した。
また、試験片5を引き抜く速度は500mm/min、摺動距
離は50mmとした。
なお、第9b図に示す形状でDが15mm、hが1mmのポン
チ2で、試験片5に垂直荷重N(kgf)をかけ、上方向
へ引き抜く時の荷重F(kgf)を測定し、F/2Nから、摩
擦係数を求めた。
また、SSr、SGrは、鋼板表面に画像処理を施して、処
理後の写真の色の濃淡の面積比率から算出した。析出金
属粒径および最近接析出粒子間距離については、画像処
理後の写真から直接測定して求めた。ともに、測定面積
は5mm×5mm、n数5で行った。
表1より明らかなように、本発明例は、いずれも、比
較例に比べて優れたりん酸塩処理性と耐型かじり性を示
している。
さらに、金属付着量、SSr、SGrがそれぞれ30〜5mg/
m2、35〜50%、0.35〜0.5μm2の場合の金属粒子径およ
び最近接析出金属間距離を変えた結果を表2に示す。表
2より、析出金属粒子径を1μm以下で、かつ最近接析
出金属間距離を5μm以下にすることにより、より一層
のりん酸塩処理性および耐型かじり性の向上が図られる
ことがわかる。
<発明の効果> 本発明は以上説明したように構成されているので、本
発明の冷延鋼板はりん酸塩処理性と耐型かじり性の両者
に優れ、たとえば自動車用鋼板などの用途に用いて好適
である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、Niを付着させた冷延鋼板に15秒間りん酸塩処
理を施したときの、Ni付着量とりん酸塩結晶数との関係
を示すグラフである。 第2図は、各種Ni付着量におけるりん酸塩処理時間と皮
膜重量との関係を示すグラフである。 第3図は、摺動時における鋼板上のNi付着量と摩擦係数
との関係を示すグラフである。 第4図は、りん酸塩処理15秒後のりん酸塩結晶数におよ
ぼす凸部面積率SSrと凸部1個当りの平均面積SGrの影響
を示す図である。 第5図は、摺動試験時の摩擦係数におよぼす凸部面積率
SSrと凸部1個当りの平均面積SGrの影響を示す図であ
る。 第6図は、りん酸塩処理15秒後のりん酸塩結晶数におよ
ぼす析出金属粒子径と最近接析出金属間距離の影響を示
す図である。 第7図は、摺動試験時の摩擦係数におよぼす析出金属粒
子径と最近接析出金属間距離の影響を示す図である。 第8図は、鋼板の耐食性と塩基性水溶液のpHとの関係を
示すグラフである。 第9a図および第9b図は、それぞれ摺動性測定装置の模式
図およびそれに用いるポンチの説明図である。 符号の説明 1……引張試験機、 2……ポンチ、 3……シリンダー、 4……チャック、 5……試験片
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阿部 英夫 千葉県千葉市川崎町1番地 川崎製鉄株式 会社技術研究本部内 (56)参考文献 特開 昭56−47585(JP,A) 特公 昭62−30264(JP,B2)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Ni、Mn、Co、Mo、Cuの群より選ばれる1種
    または2種以上の金属が冷延鋼板表面に0.5〜100mg/m2
    非連続的に析出してなり、この析出によって生じる前記
    鋼板上の凸部面積率SSrが25〜60%で、かつ前記凸部1
    個当たりの平均面積SGrが0.2〜0.8μm2であることを特
    徴とするりん酸塩処理性および耐型かじり性に優れた冷
    延鋼板。
  2. 【請求項2】前記析出金属の粒子径が1μm以下で、か
    つ最近接析出金属間距離が5μm以下である請求項1記
    載のりん酸塩処理性および耐型かじり性に優れた冷延鋼
    板。
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