JPH08313685A - プラント制御装置 - Google Patents

プラント制御装置

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JPH08313685A
JPH08313685A JP12408395A JP12408395A JPH08313685A JP H08313685 A JPH08313685 A JP H08313685A JP 12408395 A JP12408395 A JP 12408395A JP 12408395 A JP12408395 A JP 12408395A JP H08313685 A JPH08313685 A JP H08313685A
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JP12408395A
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Inventor
Yukio Sonoda
田 幸 夫 園
Yasunori Sakamoto
元 保 則 坂
Kazuyuki Udagawa
一 幸 宇田川
Hiroyuki Nishiyama
山 博 之 西
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 プラント構成要素の入力力信号の挙動から異
常を検出し、異常発生箇所を特定するとともに、異常を
放置した場合のプラント運転への影響を予測して最適な
保護シーケンスを必要に応じて起動するプラント制御装
置を提供する。 【構成】 プラントのプロセス信号を取り込んで正常な
プラント運転か否かを判断する異常検知部2と、プラン
ト運転目標に近づけるすべく連続制御を行う連続制御部
3と、異常発生源のプラント構成要素とその異常によっ
て影響を受けているプラント構成要素グループを特定す
る自己診断部4と、異常を放置した場合のプラント運転
への影響を評価し、最適なシーケンス制御を選択する予
測制御部5と、所定のシーケンス制御を起動させるシー
ケンス制御部6と、を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原子力発電所等の大規
模プラントの構成要素(プラント構成機器、計装機器、
所定の機器のグループ等を含む)の入出力を監視し、異
常を検出したときには異常発生箇所を特定し、異常を放
置した場合のプラント運転への影響を予測した上で、プ
ラントの機能回復もしくは維持を目標として最適な保護
シーケンスを実行するプラント制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にプラントの制御装置としては、通
常運転時に各プラント構成機器の出力を目標値に近づけ
るように調整を行う連続制御系と、機器が故障したとき
にその機器をトリップさせて予備の機器を起動するシー
ケンス制御系とがある。
【0003】図17と図18は、原子力プラントの原子
炉給水系の連続制御系と、その原子炉給水系の給水ポン
プ補助系の起動シーケンスをそれぞれ示している。図1
7に示すように、連続制御系は、原子炉の液相と気相の
圧力を検出することにより、原子炉の水位を検出し、そ
の原子炉水位を正常の運転範囲内に維持するように、給
水系のタービン駆動ポンプの流量を制御する。一方、図
18に示すように、給水ポンプ補助系(A)の起動シー
ケンスは、たとえば”タービン駆動の給水ポンプ(T/
D RFP・A)の吐出弁が全開か否か”等のような下
位の事象の重なりによってその上位の事象を判断し、最
終的に所定の条件が整った場合に、原子炉給水系の給水
ポンプ補助系のモータ駆動ポンプを起動するものであ
る。
【0004】上記従来の連続制御系とシーケンス制御系
は、互いに独立の制御を行っていた。つまり、あるプラ
ント機器に異常が発生した場合に、従来の連続制御系
は、そのプラント機器の機能を維持するように出力等の
制御を行うが、そのプラント機器の異常がそのプラント
機器の属する系統やプラント全体にどのような影響を与
えるかを考慮してシーケンス制御系の所定の保護シーケ
ンスを予め起動することはなかった。
【0005】このような場合、従来のプラント制御装置
では、上記プラント機器が実際に故障し、かつ、その機
器の故障が所定のシーケンス制御の起動条件に合致した
ときにはじめてその保護シーケンスが起動した。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のプラント制御装置では、上述したように連続制御系
とシーケンス制御系が独立の制御を行っていたため、異
常が発生して連続制御の正常な範囲を逸脱しても、シー
ケンス制御の起動条件が満たされるまで保護シーケンス
が作動せず、この結果、回避可能であったプラント停止
を生じることがあった。
【0007】また、従来のシーケンス制御は起動条件は
単に機器の動作信号であって、単一の入力信号によって
起動したので、誤信号によってシーケンスが誤作動し、
不要なプラント停止を生じることがあった。
【0008】そこで、本発明の目的は、上記従来のプラ
ント制御装置の課題を解決し、プラント構成要素の入力
力信号の挙動から異常を検出し、異常発生箇所を特定す
るとともに、異常を放置した場合のプラント運転への影
響を予測して最適な保護シーケンスを必要に応じて起動
するプラント制御装置を提供することにある。
【0009】本発明の他の目的は、多重化した起動条件
を有し、誤作動を防止するプラントのシーケンス・イン
ターロック装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本願請求項1のプラント制御装置は、プラントのプ
ロセス信号を取り込んで正常なプラント運転時のプロセ
ス信号と比較することにより、正常なプラント運転か否
かを判断する異常検知部と、前記異常検知部が正常なプ
ラント運転と判断した場合に、前記異常検知部からその
プロセス信号を入力して、その時点のプラント運転目標
に近づけるすべく連続制御を行う連続制御部と、前記異
常検知部が異常なプラント運転と判断した場合に、前記
異常検知部からそのプロセス信号を入力して、異常発生
源のプラント構成要素とその異常によって影響を受けて
いるプラント構成要素グループを特定する自己診断部
と、前記自己診断部の診断結果と該プロセス信号を入力
し、プラント構成要素の運転特性から異常を放置した場
合のプラント運転への影響を評価し、必要な場合に選択
と評価を繰り返して最適なシーケンス制御を選択して該
シーケンス制御の起動命令を発する予測制御部と、前記
予測制御部の起動命令によって、所定のシーケンス制御
を起動させるシーケンス制御部と、を有していることを
特徴とするものである。
【0011】本願請求項2に係るプラント制御装置は、
請求項1のプラント制御装置において、プラントの制御
レベルに応じてプラントレベル制御部、系統レベル制御
部、機器レベル制御部を設け、前記プラント制御レベル
と系統レベル制御部と機器レベル制御部のそれぞれ前記
異常検知部、連続制御部、自己診断部、予測制御部、お
よびシーケンス制御部を設けたことを特徴とするもので
ある。
【0012】本願請求項3に係るプラント制御装置は、
請求項1のプラント制御装置において、プラントの系統
別に前記異常検知部、連続制御部、自己診断部、予測制
御部、およびシーケンス制御部からなる系統別制御部を
設けたことを特徴とするものである。
【0013】本願請求項16のシーケンス・インターロ
ック装置は、所定のプラント構成要素に対する入力と出
力の相関関係の異常を検出することを、対応するシーケ
ンスの起動条件に含むことを特徴とするものである。
【0014】
【作用】本願請求項1に係るプラント制御装置において
は、異常検知部がプラント構成要素ごとに入出力のプロ
セス信号を監視し、通常運転時の入出力か、異常発生時
の入出力かを判定し、それぞれ連続制御部と自己診断部
へ制御を振り分ける。
【0015】すなわち、注目しているプラント構成要素
の入出力が通常運転時のしきい値を超えないときは、連
続制御部へプロセス信号を渡し、通常の運転制御を行
う。一方、注目しているプラント構成要素の入出力が通
常運転時のしきい値を超えるときは、異常検知部が「異
常発生」と判定し、自己診断部へ該プロセス信号を渡
す。
【0016】自己診断部は、異常検知部から送られてき
たプロセス信号を分析し、異常が発生したプラント構成
要素を特定するとともに、その異常を補償するために通
常と異なる運転を行っているプラント構成要素グループ
をその影響範囲として特定する。自己診断部は、この異
常が発生したプラント構成要素とその影響範囲の情報を
予測制御部へ送る。
【0017】予測制御部は、自己診断部から送られてき
たプロセス信号を分析し、異常を放置した場合の影響を
評価し、保護シーケンスを起動するする必要があると判
断した場合には、プラントの機能を回復あるいは維持で
きる最適な保護シーケンスを選定する。予測制御部は、
選定した保護シーケンスをシーケンス制御部へ送る。
【0018】シーケンス制御部は、予測制御部から保護
シーケンスを起動する信号を受けた場合は、シーケンス
制御を開始し、プラントの機能を保護・維持する。
【0019】本願請求項2に係るプラント制御装置は、
制御対象の階層に応じて、上位から下位レベル順にプラ
ントレベル制御部、系統レベル制御部、機器レベル制御
部を有している。上位レベルから下位レベルへは運転目
標の情報を、下位レベルから上位レベルへは運転目標を
満足する能力の有無の情報を繰り返し送る。この情報の
やり取りによって、異常が発生した場合に、異常発生源
の機器と、その影響を受ける上位レベルの系統あるいは
プラントレベルを特定し、異常の実態の把握を容易にす
ることができる。
【0020】本願請求項3に係るプラント制御装置は、
プラントの制御系統別に前記異常検知部、連続制御部、
自己診断部、予測制御部、およびシーケンス制御部から
なる系統別制御部を設けている。これら系統別制御部
は、自己の制御系統内のシーケンスより他の制御系統の
シーケンスがプラント機能の保護・回復にとって適当と
判断した場合は、他の制御系統のシーケンスを選択して
その起動命令を発する。これにより、プラント全体とし
てより適当なシーケンス制御を行うことができる。
【0021】本願請求項16に係るシーケンス・インタ
ーロック装置は、プラント構成要素の入出力特性を考慮
した多重化した起動条件を備えている。すなわち、単に
機器の作動や停止のみならず、その機器に対する入出力
の異常も判定する。これにより、一つの起動条件に誤信
号が発生した場合でも、他の起動条件を判断することに
よって、その信号が誤信号であると判定でき、シーケン
スの誤作動による不要のプラント停止を防止することが
できる。
【0022】
【実施例】次に、本発明によるプラント制御装置の実施
例について、添付の図面を用いて以下に説明する。図1
は本発明のプラント制御装置の基本的な構成を有する実
施例を示している。本実施例のプラント制御装置1は、
異常検知部2と、連続制御部3と、自己診断部4と、予
測制御部5と、シーケンス制御部6と、プラント構成要
素の特性モデルファイル7と、シーケンス・インターロ
ックファイル8とを備えている。
【0023】異常検知部2は、各プラント構成要素の入
出力を示すプロセス信号を監視し、そのプラント構成要
素の入出力が正常(通常運転時の変動範囲内)の入出力
か否かを、プラント構成要素の特性モデルファイル7を
参照して判定する。正常な入出力と判定したときは、異
常検知部2はプロセス信号を連続制御部3へ送り、連続
制御部3によって通常運転の連続制御を行う。一方、異
常な入出力と判定したときは、異常検知部2は、プロセ
ス信号を自己診断部4へ送り、異常が発生した場合の制
御を行う。
【0024】自己診断部4は、異常検知部2からのプロ
セス信号を分析し、異常発生源のプラント構成要素を特
定するとともに、その異常を補償するために通常運転と
異なる運転を行っているプラント構成要素グループを特
定する。この特定を行った後に自己診断部4は、その特
定した異常発生源のプラント構成要素とその影響範囲の
情報を予測制御部5へ送る。
【0025】予測制御部5は、プラント構成要素の特性
モデルファイル7を参照して、その異常を放置した場合
のプラント運転への影響を評価する。その結果、保護シ
ーケンスを起動する必要があると判断した場合には、予
測制御部5は、シーケンス・インターロックファイル8
からプラントの機能を回復・維持するための最適な保護
シーケンスを選択し、その情報をシーケンス制御部6へ
送る。
【0026】シーケンス制御部6は、予測制御部5から
の情報に基づき、必要なシーケンス制御を開始し、プラ
ントの機能を維持・回復する。シーケンス制御部6は、
このほかに独自にプラントのステータス信号を入力し、
起動条件に合致する場合にその保護シーケンスを起動す
ることもできる。
【0027】図2はプラント制御装置1における処理の
流れを示している。図2において、処理が開始されると
(ステップ100)、本プラント制御装置1はプロセス
信号を入力し(ステップ110)、異常の有無を監視す
る(ステップ120)。異常を検知しない場合(ステッ
プ130)、プロセス信号を連続制御部3へ送り、通常
の制御を行う(ステップ140)。
【0028】一方、異常を検知した場合(ステップ15
0)、プラント制御装置1は、影響を予測し(ステップ
160)、通常の運転状態を逸脱するか否かを判断する
(ステップ170)。逸脱しなければ、通常の制御を行
うが(ステップ140)、逸脱すると予測した場合は、
最適な保護シーケンスを選択する。
【0029】次に、ステップ180で選択した保護シー
ケンスを起動した場合の効果を予測し(ステップ19
0)、その保護シーケンスの作動によってプラントが正
常な状態に復帰するか否かを評価する(ステップ20
0)。この結果、正常復帰しない場合は、再度保護シー
ケンスを選択する(ステップ180)。選択した保護シ
ーケンスの作動によってプラントが正常状態に復帰する
場合は、プラント制御装置1は、その保護シーケンスの
動作指令を出力し(ステップ210)、プラント機能の
維持・復帰を図る。
【0030】次に、本発明の好ましい実施態様として、
プラントを制御対象の大きさ(制御のレベル)に応じて
階層化し、各制御レベルごとに図1と図2で説明した制
御を行うプラント制御装置について以下に説明する。
【0031】図3は、このプラント制御装置の構成を示
している。本実施例のプラント制御装置10は、プラン
ト全体を制御するプラントレベル制御部11と、プラン
ト系統を制御の対象とする系統レベル制御部12と、プ
ラント機器を制御の対象とする機器レベル制御部13と
を有している。各レベルの制御部の内部は、図1と同一
のものに同一の符号を付した異常検知部2、連続制御部
3、自己診断部4、予測制御部5、シーケンス制御部6
とからなり、図示していないが各々プラント構成要素の
特性モデルファイル7、シーケンス・インターロックフ
ァイル8とを有している。
【0032】本実施例のプラント制御装置10は、上位
の制御レベルから下位の制御レベルに向かっては運転目
標を、下位の制御レベルから上位の制御レベルに向かっ
ては自己診断の結果として運転目標を満足する能力を有
しているか否かの情報を繰り返し流すことによって、制
御を行う。この制御により、異常が発生した場合に、そ
の異常をできる限り下位の制御レベルで特定でき、さら
には、異常発生源と同一制御レベルの機器や系統への影
響、あるいは異常発生源の上位の制御レベルへの影響を
把握することができる。故障発生源とその影響範囲を最
下位の制御レベルで把握することにより、異常に対して
最下位の制御レベルで対処でき、プラント運転に対する
影響を最小限にすることができる。このことを図4の不
具合事象の例によって以下に説明する。
【0033】図4は、沸騰水型原子力発電プラントの給
水制御系の構成を示している。図4に示すように、沸騰
水型原子力発電プラントの給水制御系は、1つの主制御
機15によって2系統の給水系統を制御している。第一
の給水系統は、M/A切替器(A)16と、電気油圧式
制御装置(A)(EHC(A))17と、加減弁(A)
(CV(A))18と、給水ポンプタービン(A)(R
FP−T(A))19と、タービン駆動給水ポンプ
(A)(T/D−RFP(A))20とからなる。第二
の給水制御系は、M/A切替器(B)21と、電気油圧
式制御装置(B)(EHC(B))22と、加減弁
(B)(CV(B))23と、給水ポンプタービン
(B)(RFP−T(B))24と、タービン駆動給水
ポンプ(B)(T/D−RFP(B))25とからな
る。タービン駆動給水ポンプ(A)20とタービン駆動
給水ポンプ(B)25は並列的に接続されており、これ
らの二ポンプに加えて、モータ駆動給水ポンプ(A)
(M/D−RFP(A))26とモータ駆動給水ポンプ
(B)(M/D−RFP(B))27がさらに並列的に
接続されている。
【0034】主制御機15は、原子炉水位、主蒸気流
量、および給水流量に基づいて給水流量の要求命令を出
力する。M/A切替器(A)16とM/A切替器(B)
21は、主制御機15の命令を受けてタービン速度の要
求値に換算してそれぞれ電気油圧式制御装置(A)17
と電気油圧式制御装置(B)22へ出力する。電気油圧
式制御装置(A)17と電気油圧式制御装置(B)22
は、それぞれ加減弁(A)18と加減弁(B)23に開
度の要求を送り、給水ポンプタービン(A)19と加減
弁(B)23を流れる蒸気の量を制御する。給水ポンプ
タービン(A)19と加減弁(B)23の蒸気流量の制
御によって、タービン駆動給水ポンプ(A)20とター
ビン駆動給水ポンプ(B)25の回転数が制御され、原
子炉への給水量が制御される。
【0035】タービン駆動給水ポンプ(A)20とター
ビン駆動給水ポンプ(B)25は、原子炉の定格運転時
の給水量の50%の容量をそれぞれ有しており、通常は
この2台が運転されている。何らかの原因でいずれかの
ポンプがトリップした場合には、予備機として25%の
容量を有しているモータ駆動給水ポンプ(A)26とモ
ータ駆動給水ポンプ(B)27が起動してバックアップ
する。
【0036】次に、加減弁(A)18に不具合が生じた
場合のプラント制御装置10の作用について以下に説明
する。
【0037】今、電気油圧式制御装置(A)17の開度
要求に対して、実際の加減弁(A)18の開度が不足す
る不具合が生じたとする。図5は、この場合におけるプ
ラント制御装置10の異常検知を模式的に示したもので
ある。図5に示すように、プラント制御装置10による
異常検知は、機器レベルの異常検知28と、系統レベル
の異常検知29と、プラント・レベルの異常検知30に
ついてそれぞれ行われる。機器レベルの異常検知28で
は、給水系機器について、給水系統別に異常検知が行わ
れる。具体的には、M/A切替器(A)16の性能監視
31、電気油圧式制御装置(A)17の性能監視32、
加減弁(A)18の性能監視33、給水ポンプタービン
(A)19の性能監視34、タービン駆動給水ポンプ
(A)20の性能監視35,36を通じて、加減弁
(A)18の開度が要求に対して不足していることを検
知する。
【0038】これに対して、系統レベルの異常検知29
では、A系の給水系統において、M/A切替器(A)1
6の出力に対してタービン駆動給水ポンプ(A)20の
流量が正常に対応せず、時間の経過とともにタービン駆
動給水ポンプ(A)20の流量が低下していることが検
知される。これに対して、図示しないB系の給水系統が
これを補償するように給水を行っていることも検知され
る。
【0039】プラント・レベルの異常検知30では、A
系とB系の合計の給水流量が現在のところ低下せず、原
子炉水位も現在のところ低下しないことが把握される。
【0040】上記のように異常検知部2によってプラン
ト構成要素の異常が検知されると、プロセス信号は異常
検知部2から自己診断部4へ送られ、自己診断に供され
る。図6は、自己診断部4の作用を示している。
【0041】この自己診断部4における自己診断も、機
器レベルの自己診断37と、系統レベルの自己診断38
と、プラントレベルの自己診断39についてそれぞれ行
われる。機器レベルの自己診断37では、M/A切替器
(A)16と、電気油圧式制御装置(A)17と、給水
ポンプタービン(A)19と、タービン駆動給水ポンプ
(A)20の運転能力(運転要求に対する出力)は正常
であるが、加減弁(A)18の入出力関係が異常である
と異常発生源が特定される。さらに、B系統のM/A切
替器(B)21が、A系統の影響を受けて出力が増加し
ていることが確認される。
【0042】系統レベルの自己診断38では、常用の給
水系Aの流量が減少しているが、B系の給水系はこれを
補償して流量が増加していることがわかる。また、補助
の給水系Aと給水系Bは、それぞれ待機状態であること
がわかる。
【0043】プラントレベルの自己診断39では、給水
系のA系とB系の流量の合計も、原子炉の水位も変化し
ていないと判定される。以上ににより、給水系のA系に
異常が発生しているが、その異常の影響はプラント・レ
ベルに達していないと判定される。
【0044】このように自己診断部4では、注目してい
る制御単位の上流の制御レベルの制御単位に異常が発生
していないか、その上流の制御単位の異常が注目してい
る制御単位に伝達しているか、を判断する。これによ
り、異常発生源とその影響範囲を特定することができる
のである。
【0045】なお、上記自己診断においては、結果とし
て通常運転時と異なる入出力特性を示している場合で
も、それが意図的な運転目標の変化によるものか、プラ
ント構成要素の性能異常によるものかを判別し、プラン
ト構成要素の性能異常によるもののみを分離して診断す
る。
【0046】異常発生源とその影響範囲が特定される
と、これらの情報はプロセス信号とともに予測制御部5
へ送られる。図7は、予測制御部5における処理の流れ
の概要を示している。
【0047】予測制御は、異常を放置した場合の予測、
異常に対処する運転目標の設定、対処の操作をした場合
の結果予測を順に行われる。すなわち、図7に示すよう
に、機器レベルの予測40、系統レベルの予測41、プ
ラントレベルの予測42、プラントレベルの運転目標の
設定43、系統レベルの運転目標の設定44、機器レベ
ルの運転目標の設定45、機器レベルの操作結果の予測
46、系統レベルの操作結果の予測47、プラントレベ
ルの操作結果の予測48の順に行われる。
【0048】機器レベルの予測40では、異常と特定さ
れた加減弁(A)(CV(A))18の開度信号の動き
を外挿によって推定し、それに応じた給水系Aの流量の
減少量と給水系Bの補償量を特性モデル等によって予測
する。その結果、タービン駆動給水ポンプ(A)(T/
D−RFP(A))20の流量は減少し続けるが、B系
のタービン駆動給水ポンプ(B)(T/D−RFP
(B))25の流量は連続制御が可能な範囲を逸脱し、
リミッタがある時点で働いて一定値になると推定され
る。
【0049】この予測を受けて系統レベルの予測41で
は、A給水系の流量減少をB給水系が補償しきれなくな
り、給水系の合計流量も所定時間後に減少し始めると予
測される。さらに、このケースでは、タービン駆動給水
ポンプ(A)20自体の故障ではないので、補助系のモ
ータ駆動給水ポンプ(A)26を起動するインターロッ
クが作動しないと予測される。
【0050】この系統レベルの予測41の予測に基づい
て、プラントレベルの予測42では、給水流量が減少し
て原子炉水位が低下し、やがて原子炉スクラムに至ると
予測される。
【0051】プラントレベルの運転目標の設定43で
は、上記原子炉スクラムを回避するための運転目標が設
定される。この場合、原子炉水位を回復する目的で給水
流量回復、PLRランバック、選択制御棒挿入の3つの
運転目標が候補として挙げられる。このうち、PLRラ
ンバックは、再循環ポンプの回転を下げることによって
炉心流量を低下させ、炉の出力を下げて蒸気発生を押さ
えて原子炉水位を回復させるものであり、選択制御棒挿
入は一部の制御棒を挿入して、炉の出力を低下させ、蒸
気発生を押さえて水位を回復させるものであるが、とも
に原子炉の出力を低下させることになり、異常発生前の
運転状態に回復させることはできない。これに対して、
給水流量を回復させることが可能ならば、異常発生前の
プラントの運転状態に戻すことができるので、給水流量
回復がプラントレベルにおける最適な運転目標として設
定される。
【0052】系統レベルの運転目標の設定44では、給
水流量を回復させるために可能な系統構成が選択され、
それぞれの系統の運転目標が与えられる。この場合、5
0%の流量を受け持つ常用給水系Aの性能が低下してい
るので、現在待機状態にある25%流量の2つの補助系
をともに作動させれば、100%の流量が得られる。し
たがって、系統レベルの運転目標の設定44では、補助
系のモータ駆動型給水ポンプ2台の起動と、流量が低下
している常用系(A)のタービン駆動給水ポンプ(A)
20のトリップとを運転目標として設定する。
【0053】上記設定した系統レベルの運転目標は、機
器レベルの運転目標の設定45に渡され、具体化され
る。機器レベルの運転目標の設定45では、x秒後に1
台目の補助系モータ駆動給水ポンプを起動し、y秒後に
2台目の補助系モータ駆動給水ポンプを起動し、z秒後
に不具合の常用系タービン駆動給水ポンプ(A)20を
トリップする運転目標が設定される。
【0054】次に上記機器レベルの運転目標を実際に操
作した場合の効果を予測する。機器レベルの操作結果の
予測46では、補助系モータ駆動給水ポンプを2台起動
したときのそれぞれの流量の立ち上がりと、常用系モー
タ駆動給水ポンプ(B)27の応答を、時間軸と流量の
グラフに当てはめて予測する。この結果、系統レベルの
操作結果の予測47では、補助系のモータ駆動給水ポン
プ(A,B)の働きによって給水流量の減少は抑制され
て流量が回復することがわかる。プラントレベルの操作
結果の予測48では、給水系統の回復によって原子炉水
位も回復してスクラムに至らないと予測し、プラントレ
ベルの運転目標が満足できると予測することができる。
したがって、選択した回復操作は適当であると判断さ
れ、この回復操作の情報は予測制御部5からシーケンス
制御部6へ送られ、実行される。
【0055】もし、回復操作の効果が、運転目標を満足
できないと予測されたときは、PLRランバックや選択
制御棒挿入等の他の回復操作が選択される。
【0056】次に異常検知部2と自己診断部4と予測制
御部5における処理のフローチャートについて以下に説
明する。図8は、異常検知部2における処理のフローチ
ャートを示している。図8に示すように、異常検知部2
において処理が開始されると(ステップ300)、異常
検知部2はプロセス信号の入力を開始し(ステップ31
0)、はじめに検知する系統を選択し(ステップ32
0)、次にその系統に属する機器のうち検知する機器を
選択する(ステップ330)。次に、選択した機器の入
出力信号(プロセス信号)間の相関特性を検査し(ステ
ップ340)、検査結果を登録する(ステップ35
0)。一つの機器の検査が終了すると、その系統におい
て未検査の機器の有無を確認し(ステップ360)、有
ればステップ330に戻って上記処理を繰り返すが、無
ければ系統の入出力信号(プロセス信号)間の相関特性
を検査する(ステップ370)。
【0057】次に、検査した系統の入出力相関特性を登
録し(ステップ380)、未検査の系統の有無を確認す
る(ステップ390)。未検査の系統があれば、ステッ
プ320に戻って上記処理を繰り返すが、無ければ系統
間の相関特性を検査する(ステップ400)。以上の検
査を終了した後は、検査した系統間の相関特性を登録し
(ステップ410)、異常検知部2としての処理を終了
する(ステップ420)。
【0058】図9は、自己診断部4における処理のフロ
ーチャートを示している。図9に示すように、自己診断
部4において処理が開始されると(ステップ500)、
自己診断部4は異常検知部2から検査結果の入力し(ス
テップ510)、診断する系統と、その系統内の診断す
る機器を選択する(ステップ520,530)。次に、
機器の状態判定に入り(ステップ540)、性能異常が
生じているか否かを判定する(ステップ550)。対象
とする機器に性能異常が生じているときは、その機器が
故障箇所と判定し(ステップ560)、次の未判定機器
の有無を確認する(ステップ570)。
【0059】ステップ550において性能異常が生じて
いないと判定したときは、その機器に対する入力に異常
があるか否かを判定する(ステップ580)。その結
果、入力異常があれば、その機器は異常の影響範囲と判
定する一方(ステップ590)、入力異常がなければ、
その機器は正常な状態(正常範囲内)にあると判定する
(ステップ600)。
【0060】上記ステップ520ないし600の判定を
その系統のすべての機器について行った後は、系統の状
態を判定する(ステップ610)。この系統の状態判定
では、系統の性能異常の有無を確認し(ステップ62
0)、系統の性能に異常があれば、その系統が故障発生
源の系統と判定し(ステップ630)、次の未判定の系
統の有無を確認する(ステップ640)。
【0061】ステップ620においてその系統に性能異
常が生じていないと判定したときは、その系統の入力に
異常が有るか否かを判定する(ステップ650)。系統
に入力異常が発生しているときは、その系統は異常の影
響範囲と判定し(ステップ660)、ステップ640未
判定系統の有無の確認に移る。一方、系統に入力異常が
発生していないときは、その系統は正常な状態(正常範
囲内)と判定し(ステップ670)、ステップ640に
移る。
【0062】このようにしてすべての系統について判定
した後は、プラントの状態の判定を行い(ステップ68
0)、その後処理を終了する(ステップ690)。
【0063】図10は、予測制御部5の処理のフローチ
ャートを示している。図10に示すように、予測制御部
5が処理を開始すると(ステップ700)、予測制御部
5は故障機器の出力を外挿し(ステップ710)、それ
に伴う他の機器の出力を予測する(ステップ720)。
次に、これらの機器の出力予測に基づいて系統の出力を
予測する(ステップ730)。この結果、系統の出力が
正常範囲を逸脱していなければ(ステップ740)、処
理を終了するが、系統の出力が正常範囲を逸脱していれ
ば(ステップ740)、回復操作を検索する(ステップ
750)。
【0064】回復操作が有れば(ステップ760)、そ
の回復操作の結果を予測し(ステップ770)、回復可
能か否かを判断する(ステップ780)。回復不可能で
あれば(ステップ780)、その回復操作を実行し(ス
テップ790)、処理を終了する。
【0065】一方、ステップ780で回復可能と判断し
た場合、あるいはステップ760で回復操作がないと判
断した場合は、プラントへの影響を予測する(ステップ
800)。プラントへの影響が正常範囲を逸脱していな
ければ(ステップ810)処理を終了するが、正常範囲
を逸脱していれば(ステップ810)、プラントの状態
を回復する操作を検索する(ステップ820)。この結
果、回復操作が存在しないならば(ステップ830)、
スクラムを実行する(ステップ840)。一方、回復操
作が存在するならば(ステップ830)、その回復操作
の操作結果を予測し(ステップ850)、回復可能なら
ば(ステップ860)、その回復操作を実行する(ステ
ップ790)。その回復操作によってもプラントの機能
が回復しない場合は(ステップ860)、スクラムを実
行し(ステップ840)、処理を終了する(ステップ8
70)。
【0066】以上、異常検知部2、自己診断部4、予測
制御部5の処理について説明したが、次に、本発明のプ
ラント制御装置の異なる実施態様について説明する。
【0067】図11は、異常検知、自己診断、および制
御予測を系統別に行い、系統間で制御を統合化したプラ
ント制御装置の構成例を示している。
【0068】本実施例のプラント制御装置50は、2つ
の制御系統51,52を有しており、各制御系統は図1
と同一の構成を有している(図1と同一の制御構成要素
については、同一の符号を付して説明を省略する)。さ
らに、本実施例のプラント制御装置50では、各制御系
統51,52間で制御命令が統合化されている。すなわ
ち、本実施例のプラント制御装置50では、制御系統5
1の予測制御部5がその系統内で最適な回復操作を見つ
けることができなかった場合に、有効であれば、制御系
統52のシーケンス制御部6へ起動命令を発することが
できる。逆に、制御系統52がその系統内で最適な回復
操作を見つけることができなかったときは、制御系統5
2の予測制御部5は必要に応じて制御系統51のシーケ
ンス制御部6へ起動命令を発することができる。
【0069】この構成のプラント制御装置によれば、系
統別に制御を行っていた従来のプラントの連続制御に追
加して、本発明による連続制御とシーケンス制御システ
ムを設けることが容易となる。また、系統別の制御が互
いに統合化されていることにより、より柔軟かつ的確な
プラント制御を行うことができる。
【0070】図12は、表示装置を有する本発明による
プラント制御装置の構成を示している。本実施例のプラ
ント制御装置53は、図1のプラント制御装置1に加え
て、表示制御部54と表示装置55を設けたものであ
る。
【0071】本実施例のプラント制御装置53は、表示
制御部54が、異常検知部2と自己診断部4と予測制御
部5とから、異常判定結果と自己診断結果と回復操作と
その効果の予測等を入力し、表示装置55に表示させ
る。
【0072】本実施例によれば、操作者はプラント制御
装置53が下した判断を表示装置55によって検討で
き、回復操作の妥当性を自ら評価することができる。
【0073】次に、本発明によるプラント制御装置の異
常検知および制御予測において、プラント構成要素ある
いは系統の入出力間の相関特性を判断する際の種々の方
法について以下に説明する。
【0074】図13は、異常検知および制御予測の入出
力相関特性の判定に特性曲線を使用する場合の特性曲線
の例を示している。
【0075】図13はポンプのQ−H特性、すなわち流
量ーヘッダ圧力の特性曲線を示している。ポンプのQ−
H特性曲線図には、ポンプの代表的な回転数におけるQ
−H特性曲線が複数本与えられている。このポンプを実
プラントで運転した時に辿る運転曲線は、経験値あるい
は設計値に基づいて内挿によって求めておく。異常検知
および制御予測の入出力相関特性の判定の際には、この
運転曲線からの乖離、あるいはこの運転曲線に対する外
挿によってそれぞれ異常検知と制御予測とを行うことが
できる。
【0076】図14はプラント構成要素間の入出力の変
化の定性的関係によって異常を検知する方法を示してい
る。
【0077】図14は、入出力信号の変化の定性的な関
係を有向線分で表した原子炉の給水系の系統図である。
図において、変化の原因側に生じた増加や減少が、その
まま結果側へ伝わる場合は実線で、変化の原因側に生じ
た増加や減少が、逆になって結果側へ伝わる場合は破線
で結んでいる。また、実際に生じた変化を、有向線分に
よって原子炉給水系の各要素に付して示す。
【0078】今、加減弁CV(A)の開度が、電気油圧
式制御装置EHC(A)の開度信号に対して追随しない
異常事態が発生したとする。この場合、電気油圧式制御
装置EHC(A)の出力が増加であって、その変化は本
来ならそのまま加減弁CV(A)の開度に伝わるべきで
ある(実線)。しかし、実際には加減弁CV(A)の開
度は、有向線分に示すとおり下向きすなわち減少の方向
であるので、加減弁CV(A)に異常が発生したことが
わかるのである。
【0079】図15は、プラント構成要素の特性関数か
ら定量的に異常を検知する方法を示している。
【0080】図15の各ブロックは、原子炉の給水制御
系の各構成要素と対応した特性関数を示している。具体
的には、主水位制御器の特性関数56と、A給水系のM
/A切替器(A)の特性関数57と、EHC(A)の特
性関数58と、CV(A)の特定関数59と、タービン
(A)の特性関数60と、給水ポンプ(A)の特性関数
61と、B給水系のM/A切替器(B)の特性関数62
と、EHC(B)の特性関数63と、CV(B)の特定
関数64と、タービン(B)の特性関数65と、給水ポ
ンプ(B)の特性関数66とが、機器の制御の流れの順
に演算されるように組まれている。
【0081】主水位制御器の特性関数56は、主水位制
御器の特性を演算する関数で、給水流量と主蒸気流量の
ミスマッチ量と原子炉水位の差から、A系、B系それぞ
れに対する給水流量の要求量を計算する。この給水流量
の要求量から、M/A切替器(A)の特性関数57とM
/A切替器(B)の特性関数62は、それぞれの系のタ
ービン速度の要求値を計算する。次に、EHC(A)の
特性関数58とEHC(B)の特性関数63は、タービ
ン速度の要求値と観測値の差から、それぞれ加減弁
(A)18と加減弁(B)23の開度要求値を計算す
る。この加減弁の開度要求値に対して、CV(A)の特
定関数59とCV(B)の特定関数64は、それぞれ加
減弁(A)18と加減弁(B)23の応答を模擬して開
度を求める。次に、タービン(A)の特性関数60とタ
ービン(B)の特性関数65は、加減弁の開度から、給
水ポンプタービン(A)19と給水ポンプタービン
(B)24の回転速度の応答を模擬して算出する。最後
に、給水ポンプ(A)の特性関数61と給水ポンプ
(B)の特性関数66は、それぞれのタービンの回転速
度からA給水系の給水流量とB給水系の給水流量の応答
を模擬して算出する。
【0082】上記特性関数によって算出した給水流量と
該当する観測値を比較することにより、給水系の性能異
常を検知することができる。このように、一般にプラン
トの各系統機器の特性関数を系統機器の制御の順番に演
算することにより、その系統の応答を模擬でき、系統の
異常を検知することができる。
【0083】なお、上記特性関数の代わりに、多項式を
使用することができる。すなわち、プラント構成要素ご
との入出力信号間の相関関係を運転領域ごとに多項式で
表し、正常時のプロセス信号の観測値へのフィッティン
グによって前記多項式の係数を定め、その正常時のプロ
セス信号を表す多項式によって求めた正常時の特性と、
観測されたプロセス信号の挙動を比較することによっ
て、特性関数の場合と同様に、異常を検知することがで
きる。
【0084】上記プラントの構成要素の入出力信号の異
常検知をシーケンスの起動条件として使用し、シーケン
スの起動条件を多重化することによって、信頼性の高い
シーケンス・インターロック装置を得ることができる。
また、このシーケンス・インターロックとすでに述べた
プラント制御装置とを組み合わせて、さらに信頼性の高
いプラント制御装置を得ることができる。
【0085】図16は、上記シーケンス・インターロッ
クの起動条件を多重化したプラント制御装置の例を示し
ている。このうち、図16(a)は、高圧復水ポンプの
系統図、図16(b)は同系統におけるシーケンス起動
条件を多重化したシーケンス・インターロック、図16
(c)は同系統における従来のシーケンス・インターロ
ックをそれぞれ示している。
【0086】図16(a)に示すように、沸騰水型原子
力発電所の標準的な構成では、高圧復水ポンプ(A)6
7、高圧復水ポンプ(B)68、高圧復水ポンプ(C)
69が3台並列的に並び、通常はそのうちの2台が運転
され、1台は待機状態にある。また、図示していない
が、これら高圧復水ポンプ67,68,69の上流に
は、低圧復水ポンプが同様に3台並列的に並んでいる。
【0087】従来のシーケンス・インターロック70で
は、図16(c)に示すように、低圧復水ポンプが2台
以下で運転している場合は、高圧復水ポンプが同時に3
台運転中になった場合は、高圧復水ポンプの台数制限に
より、その1台をトリップさせる。
【0088】したがって、高圧復水ポンプ(A)67と
高圧復水ポンプ(B)68が運転中に、何らかの原因に
よって高圧復水ポンプ(C)69の運転信号が誤ってO
Nになったときは、高圧復水ポンプ(A)67がトリッ
プしてしまう。この場合、実際には高圧復水ポンプ
(B)68のみが運転していることになり、給水系の入
り口圧力が低下して、最終的には原子炉スクラムに至る
可能性がある。
【0089】これに対して、本発明によるシーケンス・
インターロック装置はプラント構成要素の入出力特性を
考慮した多重化した起動条件を有している。
【0090】すなわち、本実施例の起動条件多重化によ
るシーケンス・インターロック装置では、図16(b)
に示すように、高圧復水ポンプの入口流量FI 71
と、圧力PI 72と、出口の圧力PO 73と、高圧
復水ポンプA,B,Cのそれぞれの吐出圧PA 74,
PB 75,PC 76を用いることにより、インター
ロックの動作条件を多重化して信号の妥当性を検証す
る。たとえば、高圧復水ポンプAの運転状態の判定77
では、ポンプの運転あるいは停止を示す信号である界磁
遮断機がONになっていること、高圧復水ポンプAの吐
出圧PAと入口圧力PIの差(PA−PI)が所定のし
きい値以上であること、出口圧力POと高圧復水ポンプ
Aの吐出圧PAの差(PO−PA)が所定のしきい値以
上であること、の3つのうち2つ以上が満たされている
時に限って高圧復水ポンプAは運転状態にあると判定す
る。このことは高圧復水ポンプBの運転状態の判定78
と高圧復水ポンプCの運転状態の判定79についても同
様である。
【0091】このように、シーケンス・インターロック
の起動条件を、入出力特性を考慮した多重化条件とする
ことにより、機器の作動状態の信号が何らかの原因で誤
って送られたときも、シーケンスの誤作動を防止でき、
これを原因とする不要なプラント停止を防止することが
できる。
【0092】
【発明の効果】本発明のプラント制御装置によれば、異
常検知部がプラントの異常を検出し、自己診断部がその
異常の発生源と影響範囲を特定し、さらに予測制御部が
異常を放置した場合の影響を評価し、必要に応じて最適
なシーケンスを選択してシーケンス制御部に起動命令を
発する。すなわち、本発明のプラント制御装置によれ
ば、異常が発生した場合に異常の進展を予測し、プラン
ト停止に至る前に適当なシーケンスを適当なタイミング
で起動することができる。
【0093】また、プラント構成要素ごとの正常時の入
出力特性を用いて異常検知および予測をするので、感度
が高い異常検知と高い精度の予測が可能となる。また、
異常を検知したときに、影響を評価した後に対応処置を
行うので、誤診断・誤作動を防止することができる。
【0094】本発明によるシーケンス・インターロック
装置によれば、プラント構成要素の入出力特性と機器の
作動信号とを組み合わせて多重化した起動条件を備えて
いるので、シーケンスの誤作動を防止でき、これによる
不要なプラント停止を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】異常検知部、自己診断部、予測制御部等を有す
る本発明によるプラント制御装置の構成例を示したブロ
ック図。
【図2】異常検知部、自己診断部、予測制御部等を有す
る本発明によるプラント制御装置の制御の流れを示した
フローチャート。
【図3】プラントレベル制御部、系統レベル制御部、機
器レベル制御部に分けて、それぞれ異常検知部、自己診
断部、予測制御部等を備えた本発明によるプラント制御
装置の構成例を示したブロック図。
【図4】沸騰水型原子力発電プラントの給水制御系の構
成を示したブロック図。
【図5】本発明によるプラント制御装置の異常検知を模
式的に示した図。
【図6】本発明によるプラント制御装置の自己診断部の
作用を説明した図。
【図7】本発明によるプラント制御装置の予測制御部に
おける処理の流れの概略示した図。
【図8】本発明によるプラント制御装置の異常検知部に
おける処理の流れを示したフローチャート。
【図9】本発明によるプラント制御装置の自己診断部に
おける処理の流れを示したフローチャート。
【図10】本発明によるプラント制御装置の予測制御部
における処理の流れを示したフローチャート。
【図11】異常検知、自己診断、および制御予測を系統
別に行い、系統間で制御を統合化したプラント制御装置
の構成例を示したブロック図。
【図12】表示装置を有する本発明によるプラント制御
装置の構成を示したブロック図。
【図13】異常検知および制御予測に使用する入出力相
関特性を示した特性曲線を示したグラフ。
【図14】プラント構成要素間の入出力の変化の因果関
係を定性的な有向グラフで表現した図。
【図15】プラント構成要素の特性関数から定量的に異
常を検知する方法を示した図。
【図16】本発明による起動条件を加重化したシーケン
ス・インターロックを示した図。
【図17】連続制御の例を示した図。
【図18】シーケンス制御の例を示した図。
【符号の説明】
1 プラント制御装置 2 異常検知部 3 連続制御部 4 自己診断部 5 予測制御部 6 シーケンス制御部 7 プラント構成要素の特性モデルファイル 8 シーケンス・インターロックファイル 10 プラント制御装置 11 プラントレベル制御部 12 系統レベル制御部 13 機器レベル制御部 53 プラント制御装置 54 表示制御部 55 表示装置 56 主水位制御器の特性関数 57 M/A切替器(A)の特性関数 58 EHC(A)の特性関数 59 CV(A)の特定関数 60 タービン(A)の特性関数 61 給水ポンプ(A)の特性関数 62 M/A切替器(B)の特性関数 63 EHC(B)の特性関数 64 CV(B)の特定関数 65 タービン(B)の特性関数 66 給水ポンプ(B)の特性関数
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西 山 博 之 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プラントのプロセス信号を取り込んで正常
    なプラント運転時のプロセス信号と比較することによ
    り、正常なプラント運転か否かを判断する異常検知部
    と、 前記異常検知部が正常なプラント運転と判断した場合
    に、前記異常検知部からそのプロセス信号を入力して、
    その時点のプラント運転目標に近づけるべく連続制御を
    行う連続制御部と、 前記異常検知部が異常なプラント運転と判断した場合
    に、前記異常検知部からそのプロセス信号を入力して、
    異常発生源のプラント構成要素とその異常によって影響
    を受けているプラント構成要素グループを特定する自己
    診断部と、 前記自己診断部の診断結果と該プロセス信号を入力し、
    プラント構成要素の運転特性から異常を放置した場合の
    プラント運転への影響を評価し、必要な場合に選択と評
    価を繰り返して最適なシーケンス制御を選択して該シー
    ケンス制御の起動命令を発する予測制御部と、 前記予測制御部の起動命令によって、所定のシーケンス
    制御を起動させるシーケンス制御部と、を有しているこ
    とを特徴とするプラント制御装置。
  2. 【請求項2】プラントの制御レベルに応じてプラントレ
    ベル制御部、系統レベル制御部、機器レベル制御部を設
    け、 前記プラント制御レベルと系統レベル制御部と機器レベ
    ル制御部にそれぞれ前記異常検知部、連続制御部、自己
    診断部、予測制御部、およびシーケンス制御部を設けた
    ことを特徴とする請求項1に記載のプラント制御装置。
  3. 【請求項3】プラントの制御系統別に前記異常検知部、
    連続制御部、自己診断部、予測制御部、およびシーケン
    ス制御部からなる系統別制御部を設けたことを特徴とす
    る請求項1に記載のプラント制御装置。
  4. 【請求項4】前記異常検知部は、プラントの構成要素ご
    とに、正常なプラント運転時の入出力特性に基づいて正
    常な入出力を表す係数をフィッティング可能な多項式を
    用意しており、前記正常な入出力特性を表す多項式によ
    って算出されたプラント構成要素の入出力特性と観測値
    とを比較して異常を検出することを特徴とする請求項1
    ないし請求項3のいずれかに記載のプラント制御装置。
  5. 【請求項5】前記異常検知部は、プラントの構成要素ご
    とに、正常な入出力特性を表す特性関数を用意してお
    り、前記特性関数によって算出されたプラント構成要素
    の入出力特性と観測値とを比較して異常を検出すること
    を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載
    のプラント制御装置。
  6. 【請求項6】前記異常検知部は、プロセス信号間の定性
    的因果関係を表した符号付き有向グラフによって規定し
    た正常運転時の制御フローを用意しており、観測された
    プロセス信号の挙動を前記制御フローと比較することに
    より、異常を検出することを特徴とする請求項1ないし
    請求項3のいずれかに記載のプラント制御装置。
  7. 【請求項7】前記異常検知部は、プラントの構成要素ご
    とに、設計時に予定した入出力特性を表した特性曲線を
    用意しており、前記特性曲線と観測によって得られた特
    性曲線とを比較して異常を検出することを特徴とする請
    求項1ないし請求項3のいずれかに記載のプラント制御
    装置。
  8. 【請求項8】前記自己診断部は、通常運転時の入出力と
    異なるプラント構成要素の入出力を、プラント構成要素
    の機能異常によるものと、運転目標の変化によるものと
    に分離し、プラント構成要素の機能異常によるものに対
    して自己診断を行うことを特徴とする請求項1ないし請
    求項3のいずれかに記載のプラント制御装置。
  9. 【請求項9】前記自己診断部は、注目している制御単位
    の上流の制御レベル中の制御単位に異常が発生している
    か、その上流の制御単位の異常が前記注目している制御
    単位に伝達しているか、を判断することによって、異常
    発生源とその影響範囲を特定することを特徴とする請求
    項1ないし請求項3のいずれかに記載のプラント制御装
    置。
  10. 【請求項10】前記予測制御部は、プラントの構成要素
    ごとに、正常なプラント運転時の入出力特性に基づいて
    正常な入出力を表す係数をフィッティング可能な多項式
    を用意しており、前記正常な入出力特性を表す多項式を
    用いて予測することを特徴とする請求項1ないし請求項
    3のいずれかに記載のプラント制御装置。
  11. 【請求項11】前記予測制御部は、プラントの構成要素
    ごとに、正常な入出力特性を表す特性関数を用意してお
    り、前記特性関数によって予測することを特徴とする請
    求項1ないし請求項3のいずれかに記載のプラント制御
    装置。
  12. 【請求項12】前記予測制御部は、プラントの構成要素
    ごとに、設計時に予定した入出力特性を表した特性曲線
    を用意しており、前記性能曲線によって予測することを
    特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の
    プラント制御装置。
  13. 【請求項13】前記予測制御部は、異常発生前のプラン
    ト状態に戻すシーケンスを優先的に選択することを特徴
    とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のプラ
    ント制御装置。
  14. 【請求項14】前記予測制御部は、注目している制御単
    位内では最適なシーケンス制御を選択できない場合に、
    他の制御単位のシーケンスを選択して起動命令を発する
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに
    記載のプラント制御装置。
  15. 【請求項15】前記異常の検知と、自己診断と、予測制
    御の結果を出力する表示制御部と表示装置を有している
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに
    記載のプラント制御装置。
  16. 【請求項16】所定のプラント構成要素に対する入力と
    出力の相関関係の異常を検出することを、対応するシー
    ケンスの起動条件に含むことを特徴とするシーケンス・
    インターロック装置。
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