JPH08309500A - ダイカスト鋳物およびその製造方法 - Google Patents

ダイカスト鋳物およびその製造方法

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JPH08309500A
JPH08309500A JP7141133A JP14113395A JPH08309500A JP H08309500 A JPH08309500 A JP H08309500A JP 7141133 A JP7141133 A JP 7141133A JP 14113395 A JP14113395 A JP 14113395A JP H08309500 A JPH08309500 A JP H08309500A
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casting
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die
mold
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JP7141133A
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English (en)
Inventor
Nobuaki Suzuki
延明 鈴木
Akihiro Sagara
明広 相良
Shigenori Yamada
茂則 山田
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Suzuki Motor Corp
Original Assignee
Suzuki Motor Corp
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D19/00Casting in, on, or around objects which form part of the product
    • B22D19/0009Cylinders, pistons
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D19/00Casting in, on, or around objects which form part of the product
    • B22D19/16Casting in, on, or around objects which form part of the product for making compound objects cast of two or more different metals, e.g. for making rolls for rolling mills

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  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 アンダーカット部を有するダイカスト鋳物の
コストを低減する。 【構成】 ダイカスト鋳物6に中空部 601を形成し、中
空部 601の内壁をアルミ展伸材である筒状のインサート
部材7で形成する。中空部 601では、中間部 704で最大
径をなす、いわゆるアンダーカット部19となるように、
インサート部材7を鋳造時に塑性変形させる。その方法
としては、金型に設けられた円柱状のポストの一部であ
る環状部を、全周にわたって複数の分割片に分割し、該
分割片を各々半径方向より定量突出可能に形成し、金型
の型締前にインサート部材7を前記ポストに挿通し、前
記分割片を突出させて前記インサート部材の中間部 704
の径を拡大させる。その後に金型内に溶湯を充填し、前
記インサート部材に前記溶湯の充填圧力を加える。溶湯
の充填圧力によって、インサート部材7はポストと突出
する前記分割片とに密着し、所望の形状に変形した状態
で鋳包まれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ダイカスト鋳造法によ
り成形された、アンダーカット部を有する鋳物およびそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のアルミ合金製の部品、例えばシ
リンダブロック等は、生産性の高いダイカスト鋳造法に
より製造し、部品コストを低減している。しかし、シリ
ンダブロックの中でも、後述するクローズドデッキ式ウ
エットライナのものは、ウォータジャケット部にアンダ
ーカット部が存在するため、単純に鋳抜くことができな
い。このアンダーカット部をダイカスト鋳造後に機械加
工により形成することは可能であるが、この機械加工に
よる工程が多くなると、部品コストの増加に加えて、鋳
物表面のチル層を除去してしまうことによる耐圧性の低
下が懸念される。したがって、鋳造時に可能な限り前記
アンダーカット部等を形成しておく必要がある。ここ
で、図11にクローズドデッキ・ウエットライナー形式の
シリンダブロックを示す。
【0003】クローズドデッキ・ウエットライナ形式の
シリンダブロック1は、シリンダライナ2の外周部に形
成されたウォータジャケット3がシリンダヘッド取付面
4で閉じられ、シリンダヘッド取付面4にウォータジャ
ケット3に連通する冷却水通路5が設けられた構造にな
っている。したがって、ウォータジャケット3内の冷却
水が直接シリンダライナ2に接するので、冷却効率に優
れる。このウォータジャケット部3がアンダーカット部
となっている。
【0004】このアンダーカット部をダイカスト鋳造時
に同時形成する手法は、すでに種々提案されている。例
えば、中空部を有する板金中子をあらかじめ成形し、
ダイカスト鋳造時に鋳包む方法(特開平6−87063
号公報、特開平6−87064号公報参照)、分割式
の可動中子を用いてアンダーカット部を形成する方法
(特公平2−53623号、特公平2−53624号公
報参照)が提案されている。また、従来より一般的に行
われている手法として、非崩壊性中子、すなわち金属
中子を鋳包んだ後に抜き出す方法、および、崩壊性中
子、すなわち砂中子を鋳包んだ後にとり出す方法があ
る。
【0005】
【発明が解決しょうとする課題】しかしながら、上記従
来のダイカスト鋳造時にアンダーカット部を形成する手
法では、次のような問題がある。すなわち、の手法で
は、予め板金中子を所望の形状に形成しておく必要があ
るので、板金中子のコストが高くなる。また、板金中子
の形状および寸法精度に制約がある。さらに、ダイカス
ト鋳造時の溶湯圧によって、板金中子が変形するおそれ
がある。の方法では、金型の構造が複雑であり、可動
中子が十分な強度を持ちにくい形状であるため、型費が
高くなると共に型寿命も短い。の方法では、鋳造後に
中子を抜き出す必要があるので、直抜きや変形抜きでき
るもの意外は使用不可能であり、使用範囲が限定され
る。の方法では、中子の造型が困難であり、崩壊し易
いため取扱が面倒である。また、高い溶湯の圧力に対向
し得る耐圧性と、取り出す時の崩壊性との相反する条件
を満たすことが困難である。このように、上記ないし
に示すような、シリンダブロックのダイカスト鋳造時
にアンダーカット部を同時に形成する手法は、いずれも
十分満足できる効果を奏しているとは言えない。
【0006】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
のであり、その目的とするところは、ダイカスト金型内
のポストの一部を可動させることによる押圧と、充填さ
れる溶湯圧とを利用してインサート部材を塑性変形さ
せ、アンダーカット部を有するダイカスト鋳物を形成す
ることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明に係るダイカスト鋳物は、内壁をアルミ展伸材
である筒状のインサート部材で形成した少なくとも一端
が開口する中空部を有し、かつ、該中空部は、その開口
端から所定距離を有する部位が最大径をなすように、前
記インサート部材を、鋳造時に塑性変形させることによ
り構成されることを特徴とする。
【0008】また、上記課題を解決するための本発明に
係るダイカスト鋳物の製造方法は、金型内に設けられた
略円柱状のポストの一部である環状部を、全周にわたっ
て複数の分割片に分割し、該分割片を各々半径方向に所
定量突出可能に形成し、金型の型締前に前記ポストと略
同一の内径を有する筒状のインサート部材を前記ポスト
に挿通し、前記分割片を突出させて前記インサート部材
の一部の径が拡大した後に金型内に溶湯を充填し、前記
インサート部材に前記溶湯の充填圧力を加えながら鋳包
むことを特徴とする。
【0009】本発明においては、溶湯の凝固後に前記分
割片を前記ポストの側壁と略同一面となるように格納
し、成形された鋳物の離型を行うことができる。
【0010】
【作用】中空部の壁面に、アルミ展伸材である筒状のイ
ンサート部材を用い、該インサート部材を鋳包む時に塑
性変形させることにより所定の形状を形成してなるの
で、前記インサート部材は、鋳造前に単純な筒状に形成
したものを準備する。また、中空部の開口端から所定距
離を有する部位が最大径をなすので、この部位を所望の
アンダーカット部として使用する。また、前記インサー
ト部材を塑性変形させるために、金型内に設けた略円柱
状のポストの環状部を、全周にわたって複数の分割片に
分割し、前記ポストに前記インサート部材を挿通させ、
型締する。その後に、該分割片を突出させることにより
略円柱状のポストの一部を突出させ、溶湯を充填するこ
とにより、高温高圧の溶湯で前記インサート部材をポス
トに密着させる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の一実施例を添付図面に基づい
て説明する。図中従来例と同一部分若しくは相当部分は
同一符号で示し、詳しい説明は省略する。
【0012】図1に、アンダーカット部を有するダイカ
スト鋳物6の断面を示す。ダイカスト鋳物6は、中空部
601を有する。中空部 601の内壁には、アルミ展伸材よ
りなる筒状のインサート部材7を一体に鋳包んでいる。
インサート部材7の内筒部 701の、上・下端部 702、 7
03は、中空部 601の上・下開口端 602、 603と同一径を
なしている。また、インサート部材7の内筒部 701は、
中間部 704でその内径が最大となる、いわゆるアンダー
カット部19を形成している。この、インサート部材7の
内筒部 701の形状は、インサート部材7をダイカスト鋳
物6に鋳包む際に、塑性変形させることにより形成する
ものである。
【0013】ここで、ダイカスト鋳物6を製造するため
のダイカスト金型の構造についてを、図2ないし図6に
摸式的に示して説明する。図2に示すように、ダイカス
ト鋳物6を製造するためのダイカスト金型は、可動金型
8、サイド金型9および固定金型10からなる。可動金型
8には略円柱状をなすポスト11を形成し、ポスト11の根
本部には、周壁に沿って所定深さの下溝12が形成されて
いる。下溝12の幅は、後述するインサート部材15の厚さ
より若干大きくする。さらに、下溝12の周囲には、複数
のイジェクトピン13を有している。ポスト11は、根本部
から所定距離に位置する環状部 111を、全周にわたって
複数の分割片 112に分割し、分割片 112を各々半径方向
に所定量T(図4参照)だけ突出可能に形成している。
この突出作動は、分割片 112、 112の間に圧力媒体(作
動油、圧搾空気等)を付与することにより発生させる。
分割片 112が図2、図3および図6に示す状態にあると
きを「格納位置」と、図4および図5に示す状態にある
ときを「突出位置」という。
【0014】サイド金型9は、図2および図6に示す
「型開位置」と、図3ないし図5に示す「型締位置」と
の間を移動可能である。可動金型8は、図2に示す「型
開位置」と、図3ないし図5に示すようにサイド金型9
と当接する「型締位置」との間を移動可能となってい
る。固定金型10には、「型締位置」にあるときにポスト
11の周囲に位置する所定深さの上溝14を形成している。
上溝14も、下溝12と同様に、後述するインサート部材7
の厚さより若干大きい幅に形成する。
【0015】次に、ダイカスト鋳物6を製造する手順を
図2ないし図6を用いて説明する。まず、ダイカスト鋳
物6の製造工程の第1段階を図2に示す。サイド金型9
と可動金型8とは、それぞれ「型開位置」にある。ま
た、固定金型10に設けたポスト11の環状部 111の分割片
112は「格納位置」にある。この状態で、インサート部
材7をポスト11に挿通させる。そして、インサート部材
7の下端を下溝12に没入させる。
【0016】ところで、インサート部材7は、アルミ展
伸材をポスト11と略同一の内径を有する筒状に形成した
ものである。この場合、アルミ展伸材として適する材料
は、JIS規格においては、H4000 で示されるような板
および条材、または、H4090で示されるような管材を用
いる。材質としては、A1000系のO材が適している。A
1000系アルミニウムは展延性が良好で加工し易く、かつ
耐食性、溶接性等に優れる性質をもち、本発明の手法に
良く適している。また、加熱してひずみを除去し、最結
晶させて完全に焼きなましたO材は、軟質であることか
ら本発明に適している。さらに、後述する理由から、イ
ンサート部材7の厚さは0.8mm 以上の薄肉に形成する。
【0017】次に、図3にダイカスト鋳物6の製造工程
の第2段階を示す。この段階では、サイド金型9と可動
金型8とをそれぞれ「型締位置」に移動させる。このと
き、インサート部材7の上端が固定金型10の上溝14に没
入し、かつ、固定金型10はサイド金型9に当接し、金型
内部には閉空間16が形成される。
【0018】図4にダイカスト鋳物6の製造工程の第3
段階を示す。この段階では、ポスト11に対して、分割片
112を各々半径方向に所定量T(アンダーカット部19の
所要深さ)だけ突出させた「突出位置」に移動させる。
すると、インサート部材7は、分割片 112の押圧により
中間部 704の径を拡大し、かつ、前述のように上溝14お
よび下溝12はインサート部材7より若干大きめの幅に形
成されていることから、インサート部材7の上下端は、
閉空間16にむかって引き込まれる。したがって、インサ
ート部材7は、所望の形状の一歩手前の、中間部 704の
径が最大径をなす樽状に変形する。
【0019】図5にダイカスト鋳物6の製造工程の第4
段階を示す。この段階では、図4に示すように樽状に変
形したインサート部材7の周囲の閉空間16に、溶湯を充
填し、インサート部材7を鋳包む。このときの充填圧力
により、中間部 704の径が拡大したインサート部材7
を、ポスト11および「突出位置」にある分割片 112の側
壁に密着させる。この変形により、インサート部材7の
上下端は完全に下溝12および上溝14から引き出され、空
いた下溝12および上溝14にも溶湯が充填される。
【0020】ところで、前述の第3段階で(図4参
照)、インサート部材7の中間部 704の径を拡大するこ
とにより生ずる隙間17および18の空気が、溶湯の充填の
際に閉空間16に漏れ出して溶湯と混合すると、成形不良
を生ずるおそれがある。よって、溶湯の充填と同時に、
各分割片 112の間に形成される隙間 116(図9参照)等
から空気を排出することが望ましい。
【0021】インサート部材7を鋳包む際に、溶湯の充
填圧力によってインサート部材7がポスト11および「突
出位置」にある分割片 112の側壁に密着する。さらに溶
湯の充填圧力が加わってもそれ以上の変形を起こすこと
はない。したがって、インサート部材7は不要な変形を
起こすことはないので、強度は必要としない。したがっ
て、前述のようにインサート部材7の厚さは、0.8mm 以
上の薄肉で十分である。また、薄肉とすることにより、
インサート部材7は「塑性変形」、すなわち製造工程の
第3段階における中間部 704の径の拡大と、本段階にお
ける溶湯の射出圧力によるポスト11および「突出位置」
にある分割片 112の側壁への密着とが容易となる。
【0022】さらに、ダイカスト鋳物6の製造工程の第
1段階に入る以前に、インサート部材7を150 ℃ないし
は200 ℃程度に加熱しておくことにより、さらに塑性変
形を生じ易くすることができる。ところで、ダイカスト
鋳造法では、溶湯の凝固速度が他の鋳造法に比べ著しく
速いので、鋳包む際にインサート部材7が溶湯の高温に
よって溶出するおそれはない。
【0023】溶湯の凝固を待って、図6に示すダイカス
ト鋳物6の製造工程の最終段階に入る。この段階では、
可動金型8およびサイド金型9を「型開位置」に移動さ
せると共に、分割片 112を「格納位置」に復帰させる。
ダイカスト鋳物6には、ポスト11によって中空部 601が
形成され、中空部 601の上開口端 602から所定距離を有
する部位には、中空部 601の中で最大径をなすアンダー
カット部19が形成されていることがわかる。
【0024】そして、イジェクトピン13でダイカスト鋳
物6を押し出し、離型する。このとき、ポスト11の環状
部 111が、「格納位置」に復帰しているので、アンダー
カット部19にはなにも干渉することがなく、容易に離型
することができる。
【0025】以上のような手順によって、図1に示すダ
イカスト鋳物6が形成される。
【0026】ここで、可動金型8に設けられたポスト11
の構造についてを、図7ないし図10に示して説明する。
このうち図7および図8は、環状部 111の分割片 112が
「格納位置」にある状態を示している。
【0027】ポスト11は円筒状をなす主部 113と上端部
114とで、略円筒状をなす環状部 111を挟持し、連結ボ
ルト 115で連結してなる入子である。環状部 111は、ポ
スト11の上端から所定距離(すなわち、図1に示すダイ
カスト鋳物6の上面 604からアンダーカット部19の上端
までの所要距離である。)をおいて配置され、高さHを
有する。高さHの値は、ダイカスト鋳物6に形成される
アンダーカット部19の所要高さとする。環状部 111は、
複数(2つ以上であれば良い)、ここでは連結ボルト 1
15が貫通する部位で、4つの分割片 112に分割されてい
る。また、分割片 112が所定の可動範囲を移動する際
に、連結ボルト 115がその作動の妨げとならないよう
に、貫通孔 117を形成し、該貫通孔 117に連結ボルト 1
15を挿通している。さらに、分割片 112は、それぞれが
中心軸23に連結されたコイルバネ24によって、ポスト11
の中心部に向かって付勢されている。
【0028】分割片 112の内壁112aは、図8の下方から
上方に向かって径が減少する円錐状をなしている。この
内壁112aに、駆動部材25を当接させている。駆動部材25
は、、主部 113の内筒部113aの内部を図8の上下方向に
移動自在となっている。駆動部材25の上端部には、中心
軸23と係合する凹部 251を設けている。凹部 251の深さ
は、後述する駆動部材25の上昇限度において、中心軸23
の先端部 231が凹部 251の底251aに当接しない程度に設
ける。また、主部 113と分割片 112との摺接面、およ
び、上端部 114と分割片 112との摺接面の、主部 113お
よび上端部 114側にはレールキー26を設け、同一面の分
割片 112側には、レールキー26と嵌合するレール溝27を
設けている。上記「格納位置」においては、環状部 111
は、主部 113および上端部 114の外径と同一径をなして
いる。
【0029】駆動部材25は、下方に図示しない膨張室等
を設け、該膨張室に圧力媒体を出し入れすることによ
り、上下作動するものである。また、これとは別の上下
作動を発生させる構造として、駆動部材25の側壁 252と
主部 113の内筒部113aとに、相互に摺動可能ならせん状
の溝を設け、駆動部材25を回転させることにより、ねじ
の原理で駆動部材25が主部 113の内筒部113aに対して上
下作動するような構造を用いることも可能である。いず
れの構造においても、駆動部材25は、中心軸23によって
も案内され、その上下の作動方向は正確である。
【0030】次に、図9および図10に、環状部 111の分
割片 112が「突出位置」にある状態を示して説明する。
駆動部材25を上昇させると、駆動部材25はコイルバネ24
の付勢に対向して分割片 112の内壁112aを押圧する。そ
して、分割片 112に設けられたレール溝27がレールキー
26に案内され、主部 113および上端部 114に対して、分
割片 112を各々半径方向に突出させる。すると、それぞ
れの分割片 112の間には隙間 116が形成され、かつ、貫
通孔 117は分離する。そして、駆動部材25を上昇限度ま
で移動させると、主部 113および上端部 114に対して、
分割片 112を半径方向に所定量Tだけ突出させることが
できる。また、駆動部材25を上昇限度に固定することに
より、分割片 112は「突出位置」に固定される。
【0031】また、駆動部材25を再び下降させることに
より、分割片 112はコイルバネ24の付勢によって「突出
位置」から「格納位置」に復帰することができる。
【0032】上記構成をなす本発明の一実施例から得ら
れる作用効果は、以下の通りである。アルミ展伸材であ
る筒状のインサート部材7をポスト11に挿通させ、金型
の型締後に、ポスト11に形成した分割片 112によりイン
サート部材7の中間部の径を拡大する。そして、溶湯の
注入圧力によって、インサート部材7をポスト11および
「突出位置」にある分割片 112の側壁に密着させ、アン
ダーカット部19を形成すると共に、インサート部材7を
ダイカスト鋳物6内部に鋳包む。すなわち、インサート
部材7にアンダーカット部19を成形する工程を、インサ
ート部材7をダイカスト鋳物6内部に鋳包む工程と同時
に行うことができるので、インサート部材7自体は、単
純な円筒状のものを準備しておけば良く、コストを低く
抑えることができる。
【0033】また、アンダーカット部19を形成するため
の入子は、全て金型本体に取り付けられて作動するもの
であり、取扱が容易となるので、成形サイクルを短くす
ることが可能となる。したがって、生産コストも低減す
ることができる。
【0034】また、金型内部に溶湯を充填する際に、イ
ンサート部材7によってポスト11、分割片 112等を覆う
ことになるので、ポスト11の分割部分が溶湯に対して露
出せず、アルミの差し込みを防止することができる。し
たがって、ダイカスト鋳物のアンダーカット部19は、離
型した状態で、すでに一定水準以上の表面精度をもち、
機械加工等の後加工を省略することができる。
【0035】本発明のダイカスト鋳物およびその製造方
法は、単気筒のシリンダブロックやフランジ類、クラン
クケース、各種カバー等アンダーカット部を有するダイ
カスト鋳物部品の製造に、広く応用することができる。
特に、シリンダブロックに用いた場合には、ウォータジ
ャケットとなるアンダーカット部19を、耐食性の高いア
ルミ展伸材を用いたインサート部材7で形成し、シリン
ダブロックとしての耐久性を高めることができる。
【0036】
【発明の効果】本発明はこのように構成したので、次の
ような効果を得ることができる。金型に設けられた円柱
状のポストの一部である環状部を、全周にわたって複数
の分割片に分割し、該分割片を各々半径方向に所定量突
出可能に形成し、金型の型締前に前記ポストと略同一の
内径を有する筒状のインサート部材を前記ポストに挿通
し、前記分割片を突出させて前記インサート部材の一部
の径が拡大した後に金型内に溶湯を充填し、前記インサ
ート部材に前記溶湯の充填圧力を加えながら鋳包むの
で、ダイカスト鋳物に中空部を形成し、該中空部にアン
ダーカット部等の所望の形状を成形する工程を、前記イ
ンサート部材をシリンダー内部に鋳包む工程と同時に行
うことができる。よってインサート部材自体は、単純な
円筒状のものを準備しておけば良く、インサート部材の
コストを低く抑えることができる。
【0037】また、金型内部に溶湯を充填する際に、イ
ンサート部材によってポストを覆うことになるので、該
ポストの分割部分(分割片等)が溶湯に対して露出せ
ず、前記分割部分の分割面へのアルミの差し込みを防止
することができる。したがって、シリンダーは離型した
状態で、すでに表面精度は一定水準を満たすものであ
り、機械加工等の後加工を省略することができる。しか
も、前記インサート部材に耐食性の高いアルミ展伸材を
用いることにより、シリンダー等の内部に水を通すよう
な部品に用いた場合に、耐久性が向上する。
【0038】アンダーカット部等の所望の形状を形成す
るためのポストは、金型本体に取り付けられ、前記分割
片はポストに対して作動するものであり、溶湯の凝固後
に前記分割片を前記ポストの側壁と略同一面となるよう
に収納し、成形された鋳物の離型を行うので、鋳造品を
離型した後に別個に中子を取り出す必要がない。したが
って、中子の取り出しを考慮することにより形成しうる
形状が限定されることがない。また、前記ポスト、分割
片等は金型と共に反復利用するものであり、崩壊性中子
等に比べて、コストを低減することができる。
【0039】上記を得ることにより、ダイカスト鋳造に
よる生産性の高さを十分に発揮し、アンダーカット部を
有する鋳物を低コストで提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すダイカスト鋳物の縦断
面図である。
【図2】図1に示すダイカスト鋳物の製造工程の第1段
階を示す摸式図である。
【図3】図1に示すダイカスト鋳物の製造工程の第2段
階を示す摸式図である。
【図4】図1に示すダイカスト鋳物の製造工程の第3段
階を示す摸式図である。
【図5】図1に示すダイカスト鋳物の製造工程の第4段
階を示す摸式図である。
【図6】図1に示すダイカスト鋳物の製造工程の最終段
階を示す摸式図である。
【図7】本発明の一実施例であるダイカスト鋳物の製造
方法に用いる金型の、ポストの構造および作動手順を示
す摸式図であり、図8のB−B線における横断面図であ
る。
【図8】本発明の一実施例であるダイカスト鋳物の製造
方法に用いる金型の、ポストの構造および作動手順を示
す摸式図であり、図7のA−A線における縦断面図であ
る。
【図9】本発明の一実施例であるダイカスト鋳物の製造
方法に用いる金型の、ポストの構造および作動手順を示
す摸式図であり、図10のD−D線における横断面図であ
る。
【図10】本発明の一実施例であるダイカスト鋳物の製造
方法に用いる金型の、ポストの構造および作動手順を示
す摸式図であり、図9のC−C線における縦断面図であ
る。
【図11】従来の、クローズドデッキ・ウエットライナ形
シリンダブロックを示す摸式図である。
【符号の説明】
6 ダイカスト鋳物 601 中空部 602 上開後端 603 下開後端 7 インサート部材 701 内筒部
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F02F 1/00 F02F 1/00 K

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内壁をアルミ展伸材である筒状のインサ
    ート部材で形成した少なくとも一端が開口する中空部を
    有し、かつ、該中空部は、その開口端から所定距離を有
    する部位が最大径をなすように、前記インサート部材
    を、鋳造時に塑性変形させることにより構成されること
    を特徴とするダイカスト鋳物。
  2. 【請求項2】 金型内に設けられた略円柱状のポストの
    一部である環状部を、全周にわたって複数の分割片に分
    割し、該分割片を各々半径方向に所定量突出可能に形成
    し、金型の型締前に前記ポストと略同一の内径を有する
    筒状のインサート部材を前記ポストに挿通し、前記分割
    片を突出させて前記インサート部材の一部の径が拡大し
    た後に金型内に溶湯を充填し、前記インサート部材に前
    記溶湯の充填圧力を加えながら鋳包むことを特徴とする
    ダイカスト鋳物の製造方法。
  3. 【請求項3】 溶湯の凝固後に前記分割片を前記ポスト
    の側壁と略同一面となるように格納し、成形された鋳物
    の離型を行うことを特徴とする請求項2に記載のダイカ
    スト鋳物の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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