JPH0830711B2 - 高速画像処理装置 - Google Patents

高速画像処理装置

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JPH0830711B2
JPH0830711B2 JP2080166A JP8016690A JPH0830711B2 JP H0830711 B2 JPH0830711 B2 JP H0830711B2 JP 2080166 A JP2080166 A JP 2080166A JP 8016690 A JP8016690 A JP 8016690A JP H0830711 B2 JPH0830711 B2 JP H0830711B2
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満雄 上和野
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満雄 上和野
神鋼電機株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 この発明は、特に乱流計測の際のトレーサ粒子の観測
等に用いて好適な高速画像処理装置に関する。
「従来の技術」 乱流計測において、被測定流体中にトレーサ粒子を分
散し、被測定流体と共に流動するトレーサ粒子を観測す
ることにより、被測定流体の速度を求めるという方法が
採られる場合がある。ここで、トレーサ粒子の観測は、
例えば、被測定流体中の微少空間に平行光を投光すると
共に、フォトトランジスタ等の光検知素子を行列配置し
た光検知アレイによって微少空間を通過する透過光を検
出するといった光学的手段によって行われる。
「発明が解決しようとする課題」 ところで、トレーサ粒子を精度良く観測するために
は、微少空間からの透過光を検知するための光検知素子
を多数配列する必要がある。しかし、光検知素子の数が
多くなると、それに伴って各光検知素子のオン/オフ情
報を処理する回路の規模が大きくなってしまい、画像処
理装置全体が大規模になってしまうという問題があっ
た。
この発明は上述した事情に鑑みてなされたもので、被
測定物体の高精度な画像データを得ることができ、か
つ、小規模な構成で実現することが可能な高速画像処理
装置を提供することを目的としている。
「課題を解決するための手段」 上記課題を解決するため、この発明は、被観測物体が
通過する観測空間に出力光を供給する光源と、 前記観測空間からの透過光を受光する位置に複数の光
検知素子を縦横に配列してなる光検知アレイと、 前記光検知アレイを複数の小アレイに分割し、各々が
前記各小アレイに属し、かつ、各小アレイ内における位
置の互いに異なった光検知素子によって1つのグループ
が構成されるように前記光検知素子をランダムに配置
し、前記各光検知素子をグループ分けした各グループ毎
に設けられ、各々、当該グループ内のいずれかの光検知
素子が被観測物体の影となった場合に検出信号を出力す
る検出回路と、 前記検出信号をもとに、前記光検知アレイにおける前
記検出信号の出力されたグループに属する前記各小アレ
イ内の各光検知素子に対応する位置を求めて撮像データ
マトリックスを作成する撮像情報作成手段と、 前記撮像データマトリックスから前記被観測物体に対
応した要素のみを抽出し前記被観測物体の影像情報を出
力するフィルタ手段とを具備することを特徴としてい
る。
「作用」 光源の出力光が観測空間に供給され、観測空間からの
透過光が光検知アレイに入力される。そして、観測空間
内に被観測物体が存在する場合、光検知アレイにおい
て、被観測物体の影となる領域が生じる。そして、影と
なった領域内の縦横に連続して配置された各光検知素子
の状態が変化し、これらの各光検知素子が属するグルー
プに対応した検出信号が各々出力される。そして、撮像
情報作成手段により、前記光検知アレイにおける検出信
号の出力された各グループの各光検知素子を示す撮像デ
ータマトリックスが作成される。ここで、説明を簡単に
するため、作成された撮像マトリックスにおける検出信
号の出力された光検知素子に対応した要素の値は“1"、
検出信号が出力されなかった光検知素子に対応した要素
の値は“0"となっているものとすると、光検知アレイに
おける被観測物体の影となった領域内に対応し、撮像デ
ータマトリックスにおいて、要素値“1"の連続した領域
が生じる。また、撮像データマトリックスにおいて、被
観測物体の影となった領域内の光検知素子とグループを
同じくする他の光検知素子に対応した要素も“1"とな
る。ここで、1つの小アレイ内の連続した光検知素子群
について考えると、これらの各光検知素子とグループを
同じくする各光素子は、他の小アレイ内において分散配
置されている。従って、撮像データマトリックスにおい
て、実際の被観測物体の影像に対応しない雑音に相当す
る要素要素(要素値“1")は不連続に現れるか、たとえ
連続して現れたとしてもその場合の連続数は少ない。従
って、フィルタ手段により、撮像データマトリックス内
の真に被測定物体に対応した要素を容易に抽出すること
ができる。
「実施例」 以下、図面を参照して本発明の一実施例について説明
する。
第1図は、この発明の一実施例による高速画像処理装
置の構成を示すブロック図である。同図において、1は
被測定流体中のトレーサ粒子を検出するフォトトランジ
スタアレイであり、複数のフォトトランジスタを行列配
置してなる。本実施例では、フォトトランジスタとして
シャープ製PT350を使用し、これらを3.5mm間隔で配列
し、20行20列のマトリックスを構成した。
第2図は被測定流体中のトレーサ粒子を検出するため
に用いたプローブの構成を示したものであり、同図にお
ける符号1は、第1図におけるフォトトランジスタアレ
イ1に対応している。第2図において、ハロゲンランプ
等によって実現される光源21からの出力光は、レンズ22
によって、フレキシブルライトガイド23に結合し、フレ
キシブルライトガイド23の先端部23aから被測定流体の
観測空間GAPへと投光される。そして、被測定流体を透
過した光がフレキシブルライトガイド23の先端部23aに
対向配置された例えば2枚のセルフォックマイクロレン
ズ24を介してフレキシブルイメージファイバ25に入力さ
れる。この時、観測空間GAP中にトレーサ粒子がある場
合には、トレーサ粒子によって先端部23aからの出力光
が遮られる。そして、トレーサ粒子の影像がセルフォッ
クマイクロレンズ24によって拡大されてフレキシブルイ
メージファイバ25に入力され、フレキシブルイメージフ
ァイバ25の出力光がフォトトランジスタアレイ1に照射
される。
なお、セルフォックマイクロレンズ24は、屈折率が中
心部から外周に向って放物線状に変化する円柱状のガラ
ス体であり、両端面が平坦面でも曲面レンズと同様な光
学的効果が得られるようになっている。また、この種の
セルフォックマイクロレンズは、直径が1mmと小型であ
り、しかも、これを2枚組み合わせて使用することによ
り、トレーサ粒子の影像を20倍以上に拡大することがで
き、直径10μm程度のトレーサ粒子の観測を行うことが
できる。
第3図は観測空間内にトレーサ粒子Tが有る場合にお
けるフォトトランジスタアレイ1の各フォトトランジス
タのオン/オフ状態を模式的に示したものである。同図
に示すように、観測空間GAP中にトレーサ粒子Tがある
場合、その影となる領域G内のフォトトランジスタはオ
フ状態、光の照射される領域内のフォトトランジスタは
オン状態となる。
フォトトランジスタアレイ1を構成する各フォトトラ
ンジスタは、コレクタが電源+Vccに接続され、活性化
された状態となっている。また、フォトトランジスタア
レイ1を構成する各フォトトランジスタは、4個のフォ
トトランジスタによって1グループが構成されるように
グループ分けされ、各グループ毎に各フォトトランジス
タのエミッタ出力が処理されるようになっている。第4
図はその具体的構成を示したものであり、同図における
Tr1〜Tr4は、あるグループkに属する4個のフォトトラ
ンジスタを示す。これらの各フォトトランジスタTr1〜T
r4のエミッタは、抵抗素子R1〜R4を各々介して接地され
ると共にグループkに対応したANDゲートAkの入力に接
続されている。すなわち、グループkに属するフォトト
ランジスタTr1〜Tr4の内、いずれかがオフの場合に、AN
DゲートAkがLレベルになるように構成されている。
ここで、フォトトランジスタアレイ1におけるフォト
トランジスタのグループ分けの方法について説明する。
まず、第5図に示すように、フォトトランジスタアレイ
1を、10×10=100個のフォトトランジスタからなる小
アレイI、II、IIIおよびIVに4分割する。そして、各
小アレイから1個ずつフォトトランジスタを選択し、上
述の4個のフォトトランジスタからなるグループを構成
する。ここで、1つのグループを構成する各フォトトラ
ンジスタは、各々が属する小アレイ内での位置が互いに
同じにならないようにする。以上の要領で、20×20=40
0個のフォトトランジスタを、10×10=100個のグループ
にグループ分けする。第1図における1Aは、フォトトラ
ンジスタアレイ1の各フォトトランジスタのエミッタ出
力を処理するゲート回路であり、第4図で示した抵抗R1
〜R4およびANDゲートAkからなる回路を、上記100個のグ
ループに対応して設けたものである。
第6図はフォトトランジスタアレイ1を構成する各フ
ォトトランジスタのグループ番号を示すグループ番号対
応表である。また、このグループ番号対応表は、各フォ
トトランジスタと、そのエミッタ出力を入力するANDゲ
ートAkの番号kとの対応を示した配線表を兼ねている。
例えば、この表において、小アレイIに対応した領域内
の位置SP1、小アレイIIに対応した領域内の位置SP2、小
アレイIIIに対応した領域内の位置SP3および小アレイIV
に対応した領域内の位置SP4には数字“0"が記載されて
いるが、これは、これら各位置に配置された各フォトト
ランジスタのグループ番号が共に0であり、各フォトト
ランジスタのエミッタ出力がグループ番号0に対応した
ANDゲートA0に接続されることを意味する。
グループ番号対応表における小アレイIに対応した部
分は、第6図から明らかなように、0〜99までの数字
を、第1行第1列目、第1行第2列目、…、第1行第10
列目、第2行第1列目、…、第10行第10列目というよう
に順に割り当てることによって作成した。また、他の小
アレイII、IIIおよびIVに対応する部分は、同じ数字が
重複して現れないように0〜99までの数字からなる乱数
を発生し、発生した数字を順次配置した。そして、すべ
ての位置の数字が求められた時点で、各小アレイI〜IV
の内容を比較し、複数の小アレイにおいて同一行同一列
に同じ数字が配置されている場合は、一方の小アレイの
数字を変更した。このようにして、各小アレイ内におい
て同じ位置のフォトトランジスタが同一グループになら
ないようにした。
第1図において、ゲート回路1AにおけるANDゲートAk
(k=0〜99)の各出力は、増幅回路2によって各々増
幅され、各増幅出力が比較回路3によって所定の基準レ
ベルと比較される。そして、比較回路3からANDゲートA
k(k=0〜99)の各出力に対応したTTLレベルの判定信
号Pk(k=0〜99)が出力される。
4は画面切換周期毎にクロックパルスを発生し出力す
るクロックパルス発生回路、5はクロックパルスをカウ
ントするクロックパルスカウンタである。また、6は粒
子存在確認回路であり、判定信号Pk(k=0〜99)およ
びクロックパルスが入力される。そして、各判定信号Pk
(k=0〜99)のいずれかがLレベルの期間、すなわ
ち、観測空間にトレーサ粒子が存在する期間のみ、クロ
ックパルスが粒子存在確認回路6を通過して出力され
る。一方、クロックパルスカウンタ5は、判定信号Pk
(k=0〜99)のいずれかがLレベルの期間、粒子存在
確認回路6によってリセットされる。そして、判定信号
Pk(k=0〜99)がすべてHレベル、すなわち、観測空
間にトレーサ粒子が全く存在しない状態になると、リセ
ットが解除され、クロックパルスカウンタ5はクロック
パルスのカウントを行う。
7は粒子データ用RAM(ランダムアクセスメモリ)で
あり、判定信号Pk(k=0〜99)が入力される。また、
8は時間データRAMであり、クロックパルスカウンタ5
のカウント値が入力データとして与えられる。これらの
RAM7および8はRAM制御回路9によって入出力が制御さ
れる。さらに詳述すると、観測空間内にトレーサ粒子が
存在する場合は、クロックパルス発生回路4から出力さ
れるクロックパルスは粒子存在確認回路6を通過してRA
M制御回路9に入力され、RAM制御回路9によってクロッ
クパルスに同期した書込パルスが発生され、書込先アド
レスと共にRAM7に供給される。この結果、その時点にお
ける1画面分の判定信号Pk(k=0〜99)が1ワード10
0ビットの粒子データとしてRAM7に書き込まれる。ここ
で、RAM制御回路9にはRAM7用アドレスカウンタが内蔵
されており、そのカウント値が書込先アドレスとしてRA
M7に与えられるようになっており、1画面分のデータ書
込が行われる毎に書込先アドレスがインクリメントされ
るようになっている。
観測空間内にトレーサ粒子がいなくなると、クロック
パルスカウンタ5は粒子存在確認回路6によってリセッ
ト解除され、クロックパルス数をカウントする。そし
て、再び、トレーサ粒子が観測空間内に出現し、RAM制
御回路9に粒子存在確認回路6を介して1発目のクロッ
クパルスが入力されると、RAM制御回路9からRAM8に書
込パルスが供給され、その時点におけるクロックパルス
カウンタ5のカウント値、すなわち、トレーサ粒子が観
測空間内に存在しない期間における画面切換の回数がRA
M8に書き込まれる。なお、RAM制御回路9には、RAM8用
アドレスカウンタが内蔵されており、RAM8へのデータ書
込がある毎にインクリメントされる。粒子データRAM7お
よび時間データRAM8の記憶データは、RAM制御回路9お
よびインタフェース回路10を介してマイクロコンピュー
タ11に入力される。
マイクロコンピュータ11では、粒子データRAM7からの
読み出された粒子データに基づき、フォトトランジスタ
アレイ1における各フォトトランジスタのオン/オフ状
態を予想する拡張処理が行われ、各フォトトランジスタ
のオン/オフ状態の予想値(“0"=オン状態/“1"=オ
フ状態)を要素とする予想データマトリックスが作成さ
れる。そして、拡張処理によって作成された予想データ
マトリックスに対してフィルタ処理が行われ、値が“1"
となっている要素の中から、実際のトレーサ粒子の影に
対応すると判断される要素のみが抽出され、実際のトレ
ーサ粒子の存在位置に対応した要素を“1"、他の要素を
“0"とする粒子データマトリックスが作成される。な
お、拡張処理およびフィルタ処理については後述する。
そして、粒子データマトリックスに基づいて、トレーサ
粒子の位置が演算される。また、時間データRAMからの
読み出しデータに基づいて、観測空間へトレーサ粒子が
到来する時間間隔の分布が集計され、図示しない表示装
置にグラフ表示される。
以下、この高速画像処理装置の動作を説明する。観測
空間内にトレーサ粒子が到来すると、フォトトランジス
タアレイ1において、トレーサ粒子によって受光が遮ら
れたフォトトランジスタがオフ状態となり、それ以外の
観測空間からの透過光を受光したフォトトランジスタは
オン状態となる。そして、上述したように、ゲート回路
1AにおけるANDゲートAk(k=0〜99)の内、オフ状態
のフォトトランジスタのエミッタに接続されたANDゲー
トの出力がLレベルになり、それに伴って、判定信号Pk
(k=0〜99)における対応する信号がLレベルにな
る。
そして、判定信号Pk(k=0〜99)を各ビッチデータ
とする1ワード100ビットの粒子データが、クロックパ
ルス発生回路4から発生されるクロックパルスに同期
し、粒子データRAM7に書き込まれる。また、判定信号Pk
(k=0〜99)がすべてHレベルの場合は粒子データRA
M7への粒子データの書込は行われず、その間に発生され
るクロックパルスがクロックパルスカウンタ5によって
カウントされ、そのカウント値が時間データRAM8に書き
込まれる。そして、粒子データRAM7に記憶された粒子デ
ータおよび時間データRAMに記憶された時間データは、
インターフェース回路10を介してマイクロコンピュータ
11に読み込まれる。
マイクロコンピュータ11における図示しないメモリに
は、グループ番号と、当該グループに属する4個のフォ
トトランジスタのフォトトランジスタアレイ1における
配列位置との対応関係を示すテーブルが記憶されてい
る。そして、マイクロコンピュータ11では、このテーブ
ルと粒子データにおける各ビット値とに基づき、前述の
拡張処理が行われ、フォトトランジスタアレイ1を構成
する各フォトトランジスタのオン状態/オフ状態の予想
値を要素とする予想データマトリックス(要素数20×2
0)が作成される。
以下、拡張処理について詳述する。まず、拡張処理を
行うに際し、予想データマトリックスの全要素が“0"に
初期設定される。そして、粒子データにおける第0ビッ
トから順にビット値の判定が行われる。そして、例え
ば、粒子データの第0ビット目が“0"であったとする。
このことは、当該粒子データの作成に使用された判定信
号P0が“0"であること、すなわち、第0グループに属す
る第6図の位置SP1〜SP4の各フォトレジスタのいずれか
が、トレーサ粒子によって遮光されたことを意味する。
そこで、予想データマトリックスにおける位置SP1〜SP4
に対応した第1行第1列要素、第5行第12列要素、第20
行第10列要素、第11行第12列要素の各要素が“1"とされ
る。以上の処理が粒子データにおいてビット値が“0"と
なっている各ビットについて行われ、予想データマトリ
ックスが作成される。
さて、第7図(a)に示すように、トレーサ粒子の影
が、小アレイIにおける領域V1にのみ投影され、この領
域V1内に配置されたフォトトランジスタのみがオフ状態
になっているとする。なお、第7図(a)のマトリック
スはフォトトランジスタアレイ1に対応しており、マト
リックスの各行各列には、当該位置に配置されるフォト
トランジスタのグループ番号が記載されている。この場
合、領域V1内のフォトトランジスタのグループ番号から
明らかなように、粒子データにおけるビット位置33〜3
6、43〜46、53〜56、63〜66の各ビットが“1"となる。
そして、これらの各ビットに対し、上述した手順に従っ
て拡張処理が実行されると、第7図(b)に示す予想デ
ータマトリックスが得られる。なお、第7図(b)で
は、第7図(a)との対応関係の理解が容易になるよう
に、予想データマトリックスの各要素位置に対応するグ
ループ番号を記載した。
同図に示すように、予想データマトリックスにおい
て、小アレイIに対応した領域内には、要素値“1"の連
続領域U1が現れる。この連続領域U1内の各要素はフォト
トランジスタアレイ1における第7図(a)の連続領域
V1、すなわち、実際のトレーサ粒子の存在位置に対応し
ている。一方、予想データマトリックスにおける他の小
アレイII〜IVに対応した各領域には、各要素の値が“1"
となる要素が散在している。第7図(b)では、これら
の各要素の所在を、グループ番号を丸で囲むことにより
示した。同図に示すように、これらの要素値“1"をとる
各要素は、不連続に現れるか、あるいは連続して現れた
としても、その連続数は少ない。これらの連続性に欠け
た要素値“1"の要素群は、実際のトレーサ粒子の存在位
置に対応しない雑音に相当するものである。
トレーサ粒子の影が他の小アレイII〜IVのいずれかに
のみ投影される場合も同様である。また、第8図(a)
に示すように、トレーサ粒子の影が小アレイI〜IVにま
たがった領域V2に投影される場合においても、領域V2
の連続した要素に対応し、第8図(b)に示す要素値
“1"をとる連続領域U2が得られる。また、この場合にお
いても、実際にトレーサ粒子の存在位置に対応しない領
域では、要素値“1"が多数連続する箇所は現れない。す
なわち、拡張処理によって得られた予想データマトリッ
クスにおいて、要素値“1"が縦横に多数の連続した領域
のみを抽出することにより、トレーサ粒子の影に対応し
た情報を得ることができる。前述したフィルタ処理と
は、この抽出処理を指している。このフィルタ処理によ
って、予想データマトリックス内における要素値“1"の
連続数の多い領域に対応した各要素のみが抽出され、実
際のトレーサ粒子に対応した粒子データマトリックスが
得られる。なお、フィルタ処理は、例えば予想データマ
トリックスの各要素を走査して要素値が“1"となる領域
の輪郭を求め、次いで輪郭内における要素数を判定する
といった画像処理における一般的に良く知られた手法を
用いることによって実現することができる。あるいは予
想データマトリックスの各要素値を順次読み出してデジ
タルローパスフィルタを通過させ、その高調波成分、す
なわち、“1"の連続回数の少ない領域に対応した要素を
除去するようにしてもよい。
第9図(a)〜(c)および第10図(a)〜(c)
は、トレーサ粒子の実際の観測例を示したものである。
ここで、第9図(a)〜(c)は、各々、予想データマ
トリックスを例示したものであり、第9図(a)は時刻
t1においてトレーサ粒子が観測空間内における小アレイ
Iに対応した位置に存在する場合における予想データマ
トリックス、第9図(b)は時刻t1よりも後の時刻t2
おいてトレーサ粒子が観測空間における小アレイI〜IV
の境界部に対応した位置に到達した場合の予想データマ
トリックス、第9図(c)はさらに時間が経過した時刻
t3においてトレーサ粒子が観測空間内における小アレイ
IIIに対応した位置に移動した場合の予想データマトリ
ックスを示している。これら各図において、黒く塗り潰
した要素は、要素値が“1"、すなわち、当該フォトトラ
ンジスタがトレーサ粒子の影となり、オフ状態になって
いると予想されることを示している。このように、予想
データマトリックスにおける真にトレーサ粒子の存在位
置に対応した箇所は、連続した“1"領域(黒領域)とな
るので、雑音に対応した領域との分離を容易に行うこと
ができる。第10図(a)〜(c)は、各々、第9図
(a)〜(c)に示す予想データマトリックスから得ら
れた粒子データマトリックスを示したものである。
「発明の効果」 以上説明したように、この発明によれば、被観測物体
が通過する観測空間に出力光を供給する光源と、前記観
測空間からの透過光を受光する位置に複数の光検知素子
を縦横に配列してなる光検知アレイと、前記光検知アレ
イを複数の小アレイに分割し、各々が前記各小アレイに
属し、かつ、各小アレイ内における位置の互いに異なっ
た光検知素子によって1つのグループが構成されるよう
に前記光検知素子をランダムに配置し、前記各光検知素
子をグループ分けした各グループ毎に設けられ、各々、
当該グループ内のいずれかの光検知素子が被観測物体の
影となった場合に検出信号を出力する検出回路と、前記
検出信号をもとに、前記光検知アレイにおける前記検出
信号の出力されたグループに属する前記各小アレイ内の
各光検知素子に対応する位置を求めて撮像データマトリ
ックスを作成する撮像情報作成手段と、前記撮像データ
マトリックスから前記被観測物体に対応した要素のみを
抽出し前記被観測物体の影像情報を出力するフィルタ手
段と小規模な装置構成で、被測定物体の高精度な画像デ
ータを得ることが可能な高速画像処理装置を実現するこ
とができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例による高速画像処理回路の
構成を示すブロック図、第2図は同実施例におけるプロ
ーブの構成図、第3図は同実施例におけるトレーサ粒子
とフォトトランジスタアレイ1の状態との関係を示す
図、第4図および第5図は同実施例におけるゲート回路
1Aの構成を示す回路図、第6図は同実施例におけるフォ
トトランジスタアレイ1を構成する各フォトトランジス
タのグループ番号を示すグループ番号対応表、第7図お
よび第8図は同実施例における拡張処理を説明する図、
第9図および第10図は同実施例におけるトレーサ粒子の
観測例を示す図である。 1……フォトトランジスタアレイ、1A……ゲート回路、
7……粒子データRAM、11……マイクロコンピュータ。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被観測物体が通過する観測空間に出力光を
    供給する光源と、 前記観測空間からの透過光を受光する位置に複数の光検
    知素子を縦横に配列してなる光検知アレイと、 前記光検知アレイを複数の小アレイに分割し、各々が前
    記各小アレイに属し、かつ、各小アレイ内における位置
    の互いに異なった光検知素子によって1つのグループが
    構成されるように前記光検知素子をランダムに配置し、
    前記各光検知素子をグループに分けした各グループ毎に
    設けられ、各々、当該グループ内のいずれかの光検知素
    子が被観測物体の影となった場合に検出信号を出力する
    検出回路と、 前記検出信号をもとに、前記光検知アレイにおける前記
    検出信号の出力されたグループに属する前記各小アレイ
    内の各光検知素子に対応する位置を求めて撮像データマ
    トリックスを作成する撮像情報作成手段と、 前記撮像データマトリックスから前記被観測物体に対応
    した要素のみを抽出し前記被観測物体の影像情報を出力
    するフィルタ手段と を具備することを特徴とする高速画像処理装置。
JP2080166A 1990-03-28 1990-03-28 高速画像処理装置 Expired - Fee Related JPH0830711B2 (ja)

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JPS62150168A (ja) * 1985-12-10 1987-07-04 ゲゼルシヤフト・フユア・シユトラ−レン−・ウント・ウンヴエルトフオルシユング・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング 複数の運動生物対象物体の間隔ないし離間挙動特性を算出するための方法

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