JPH08306607A - X線マスク用支持膜 - Google Patents

X線マスク用支持膜

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JPH08306607A
JPH08306607A JP10542395A JP10542395A JPH08306607A JP H08306607 A JPH08306607 A JP H08306607A JP 10542395 A JP10542395 A JP 10542395A JP 10542395 A JP10542395 A JP 10542395A JP H08306607 A JPH08306607 A JP H08306607A
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JP
Japan
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film
ray mask
sic
thickness
sin
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Application number
JP10542395A
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English (en)
Inventor
Tsuneaki Ota
恒明 太田
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Oki Electric Industry Co Ltd
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Oki Electric Industry Co Ltd
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  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)
  • Preparing Plates And Mask In Photomechanical Process (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 X線マスク用支持膜に要求される全ての項目
を満足するX線マスク用支持膜を提供する。 【構成】 シリコン基板1上に設けられてX線露光に用
いられるX線マスクを支持するためのX線マスク用の支
持膜1である。膜厚が0.5μm以下のSiC膜3と、
膜厚が0.1μm以下のSiN膜4とが交互に積層さ
れ、全体の厚さが1.0〜3.0μmに形成されてな
る。SiC膜3およびSiN膜4は、共にその引っ張り
応力が5×107 〜30×107 Paに調整されてい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、シリコン基板上に設け
られてX線露光に用いられるX線マスクを支持するため
のX線マスク用支持膜に関する。
【0002】
【従来の技術】SOR(シンクロトロン放射)リソグラ
フィに用いられるX線マスクは、膜厚2μm程度の、S
iC膜等からなるX線マスク用支持膜上にマスクパター
ンが形成される。そのため、X線マスク用支持膜として
は、その特性として以下のことが要求される。 (1)X線(露光波長0.5〜1nm)を透過し易いこ
と、(2)弾性率が大きいこと、(3)5〜10×10
7 Paの引っ張り応力を持つこと、(4)表面(上面)
が平坦であること、(5)可視光透過率が大きいこと。
【0003】ところで、このようなX線マスク用支持膜
としては、特開平1−112728号公報に示されるよ
うにSiC膜が、SiN膜とともにX線マスク用支持膜
として有望な材料の一つであるとされている。すなわ
ち、SiC膜はその材質としてX線の透過性が高く(S
iN膜と同等)、弾性率も4.5×1011Paと大きい
からである。一方、SiC膜はその引っ張り応力、可視
光透過率、表面の平坦さが、成膜方法や成膜条件に依存
して変化する。したがって、これらの特性を改良して支
持膜としての機能を満足させるべく、その成膜手段や成
膜条件が従来より検討されている。
【0004】従来、SiC膜を形成する場合には、上記
公報に記載されているようにCVD法を用いるのが普通
である。すなわち、上記公報に開示された技術では、反
応炉内にてSi基板を1000〜1350℃に加熱して
おき、水素で希釈したジクロロジメチルシランとプロパ
ンとを適当な流量で反応炉内に導入してSi基板上で反
応させ、該Si基板上にSiC膜を堆積している。とこ
ろが、このような形成法では、基板として用いられるS
i基板とSiC膜の結晶格子とのミスマッチが大きいた
め、単結晶が得られにくく、さらに、SiおよびCが共
に4族元素であるため、Si3 4 やSiO2 のような
非結晶になりにくく、したがって得られるSiC膜の結
晶構造は多結晶となる。
【0005】よって、上記公報に示されるSiC膜で
は、支持膜に要求される上記(1)、(2)の特性は満
足しているものの、(3)〜(5)の特性については、
単にそのい成膜条件を調整するだけではこれらを同時に
満足させることが困難である。なぜなら、引っ張り応力
を適度な値に調整したときには、得られるSiC膜の表
面の平坦さが失われ、かつその可視光透過率が減少して
しまい、反対に、表面を平坦にしかつ可視光透過率を大
きくしたときには、得られたSiC膜の引っ張り応力が
大きくなるからである。
【0006】このような傾向は、上述したようにこのS
iC膜が多結晶構造であることに起因していると推定さ
れる。すなわち、多結晶構造では、非晶質構造のように
そのSi原子およびC原子が比較的自由に組み合って膜
応力を緩和できないため、応力の制御が困難になると考
えられるからである。また、表面に形成される凹凸は、
多結晶構造のグレインサイズを反映して大きくなると考
えられるからである。そして、上記公報の技術では、こ
のようなSiC膜の欠点を解決するため、表面が平坦で
膜応力が大きなSiC膜に、ホウ素、窒素、炭素等のイ
オンを注入して膜応力を低減する方法を提案している。
この現象は、イオン注入によって多結晶構造が破壊さ
れ、そこにイオンが入り込むことにより膜に圧縮応力が
発生し、成膜後、本来有していた大きな引っ張り応力が
相殺されることによると考えられる。
【0007】また、SiC膜をX線マスク用支持膜とし
て用いる場合、通常、可視光透過率を増大させる目的で
反射防止膜をX線マスク作製後にSiC膜の両面にコー
トする。反射防止膜の材料としてはSiO2 (屈折率
1.46)、Al2 3 (屈折率1.60)、ITO
(屈折率2.05)等が用いられ、これら材料がスパッ
タ法、真空蒸着法等によって成膜されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
イオン注入によって膜応力を制御する方法では、イオン
注入によりSiC多結晶膜に多量の欠陥が発生するた
め、例えば波長633nmの可視光の透過率が40%程
度に減少するという新たな不都合が生じてしまう。ま
た、従来では、例えば文献:K.Ikoma,et-al,J.Electroc
hem.Soc.vol.138.1991.p3028. に示されるように、Si
基板上にSiC膜を形成するとSi基板とSiC膜との
界面にボイドが発生し、このようなボイド発生に起因し
て支持膜上に形成するマスクに欠陥が生じるおそれがあ
る。
【0009】さらに、SiC膜をX線マスク用支持膜と
した場合、この支持膜に反射防止膜をコートすることか
ら、支持膜の可視光透過率が増大する反面、反射防止膜
の形成によって、X線マスク作製工程が複雑になり、し
かもマスクパターンの位置精度および寸法精度が低下す
る。また、これらの反射防止膜は、露光中のX線照射に
よりその応力および屈折率が変化することが知られてお
り、したがってこれらの変化によりマスクパターンの位
置精度が低下し、さらに可視光透過率の低下とそれによ
るX線マスクと露光基板との位置合わせ精度の低下が起
こる。
【0010】このように、X線マスク用支持膜としての
従来のSiC膜では、成膜条件を制御したり、成膜後に
イオン注入やアニール等の後処理を行っても、X線マス
ク支持膜に要求される全ての項目を満足させることがで
きないのが現状である。本発明は上記事情に鑑みてなさ
れたもので、その目的とするところは、X線マスク用支
持膜に要求される全ての項目を満足するX線マスク用支
持膜を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成すべく鋭意研究した結果、以下のような知見を得
た。X線マスク支持膜としてのSiC膜に要求される特
性(引っ張り応力、光学特性、および表面の平坦さ、
等)を、その成膜条件の調整によって最適値に制御する
ことが困難な原因の一つとして、上述したようにSiC
膜が多結晶構造であることが挙げられる。なぜなら、引
っ張り応力は多結晶のグレイン中および粒界間に働く相
互作用によって大きく変化し、また、光学特性および表
面の平坦さもグレインの面方位等によって影響され、さ
らに、グレイン自体の面方位および大きさも成膜条件だ
けでなく成膜中の膜厚の増加によっても変化すると考え
られるからである。
【0012】そこで、成膜中の膜厚の増加によるSiC
膜の特性変化を検討するため、異なる膜厚のSiC膜を
Si膜基板上に成膜し、その特性を評価した。SiC膜
の成膜方法としては減圧CVD法を採用し、反応ガスと
してジクロルシランとプロパンとを用いた。また、形成
するSiC膜の厚さについては0.3μmと2.0μm
とに設定した。図2に、膜厚が0.3μmのSiC膜お
よび膜厚が2.0μmのSiC膜の、引っ張り応力のプ
ロパン流量依存性を示す。図2より、膜厚が0.3μm
のSiC膜では、プロパン流量が増加するに連れて引っ
張り応力が減少し、特に5×107 Pa〜30×107
Paの引っ張り応力に制御できることが分かった。一
方、膜厚が2.0μmのSiC膜では、その引っ張り応
力がプロパン流量に依存しなくなり、3×108 Paを
越える大きな引っ張り応力となることが分かった。
【0013】また、形成した各SiC膜の表面を光学顕
微鏡で観察したところ、膜厚が0.3μmのSiC膜で
は鏡面となり十分に平坦であるものの、膜厚が2.0μ
mのSiC膜では凹凸が大きく、平坦性が失われている
ことが分かった。また、膜厚が0.5μmのSiC膜と
膜厚が1.0μmのSiC膜とを形成し、上記の実験と
同様にして図2に示したような引っ張り応力のプロパン
流量依存性を調べたところ、膜厚が0.5μmのSiC
膜では、先の膜厚が0.3μmのSiC膜と同様の引っ
張り応力特性が確認された。一方、膜厚が1.0μmの
SiC膜では、その引っ張り応力特性が、上記膜厚が
0.5μmのSiC膜の特性と先の膜厚が2.0μmの
SiC膜の特性とのほぼ中間となる特性であることが分
かった。
【0014】このような結果に基づき、膜厚の増加に伴
うSiC膜の引っ張り応力および表面の平坦さの変化
は、上述したように膜厚の増加とともにSiC膜の多結
晶のグレインが増大することによるとの結論に至った。
そして、このような結論に基づき本発明者は、X線マス
ク用支持膜として、膜厚が0.5μm以下のSiC膜と
膜厚が0.1μm以下のSiN膜とが交互に積層され、
かつ全体の厚さが1.0〜3.0μmであるものが上記
目的を達成し得ることを見いだし、本発明を完成した。
なお、このようなX線マスク用支持膜としては、シリコ
ン基板側に設けられる最下層、さらにはシリコン基板と
反対の側に設けられる最上層がSiN膜であることが好
ましい。
【0015】
【作用】本発明のX線マスク用支持膜によれば、多結晶
のSiC膜でも膜厚が0.5μm以下では適度な引っ張
り応力と鏡面状の平坦な表面が得られることから、0.
5μm以下の膜厚のSiC膜と0.1μm以下の薄いS
iN膜とが交互に積層され、全体が1.0〜3.0μm
に構成されていても、適度な引っ張り応力と鏡面状の平
坦な表面を有し、かつ十分ま可視光透過率を有するもの
となる。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例により詳しく説明す
る。図1は本発明のX線マスク用支持膜の第一実施例を
示す図であり、図1中符号1はX線マスク用支持膜であ
る。このX線マスク用支持膜1は、X線露光に用いられ
るX線マスクを支持するためのもので、シリコン基板2
上に設けられてなるものである。すなわち、このX線マ
スク用支持膜1は、SiC膜3とSiN膜4とが交互に
積層され、これにより積層多層膜とされたものである。
SiC膜3は、その膜厚が0.5μm以下に形成された
もので、かつ0.1μm以上に形成されたものであり、
SiN膜4は、その膜厚が0.1μm以下に形成された
もので、かつ1nm以上に形成されたものである。ま
た、これらSiC膜3…とSiN膜4…とからなるX線
マスク用支持膜1は、その最外層、すなわちシリコン基
板2側の層と、シリコン基板2と反対の側の層がSiC
膜3で形成されたものであり、その全体の厚さが、1.
0〜3.0μmに形成されたものである。
【0017】ここで、SiC膜3の膜厚を0.5μm以
下にしたのは、その引っ張り応力、、可視光透過率、平
坦性がいずれも良好となるからであり、SiN膜4の膜
厚を0.1μm以下にしたのも同様の理由からである。
また、SiC膜3の膜厚を0.1μm以上、SiN膜4
を1nm以上にしたのは、良好な膜質を得るためにはこ
れらの膜厚が最低限必要であるからである。また、Si
C膜3およびSiN膜4は、後述するように上記膜厚に
形成されることにより、共にその引っ張り応力が5×1
7 〜30×107 Paに調整されたものとなってい
る。なお、図1に示したX線支持膜1では、SiC膜3
の膜厚を0.33μm、SiN膜4の膜厚を0.01μ
mとし、全体の厚さを約2μmとしている。
【0018】SiC膜3の成膜方法としては、図2に結
果を示した先の実験と同様にジクロルシランとプロパン
とを反応ガスとする減圧CVD法を採用することがで
き、その場合に特にプロパンの流量を調整することによ
って得られるSiC膜3の引っ張り応力が約7×107
Paとなるように制御して行う。また、SiN膜4の成
膜方法については、ジクロルシランとアンモニアとを反
応ガスとする減圧CVD法が採用される。ここで、形成
するSiN膜4については、文献:T.Ohta et-al,J.Va
c.Sci.Technol.B 12 1994 585. に示されるように、ア
ンモニアの流量を調整することによって得られるSiN
膜4の引っ張り応力が約7×107 Paとなるように制
御して行う。
【0019】このようにして形成されたX線マスク用支
持膜1の引っ張り応力を調べた。また、比較のため、膜
厚が0.5μmのSiC単層膜と、膜厚が2.0μmの
SiC単層膜とについてもその引っ張り応力を調べた。
得られた結果を図3に示す。図3より、本実施例品であ
るX線マスク用支持膜1は、その引っ張り応力が約8×
107 Paであり、膜厚が0.5μmのSiC単層膜に
近い値となった。
【0020】また、上記X線マスク用支持膜1の、可視
光透過率の波長依存性を調べ、その結果を図4に示す。
なお、図4に示したグラフは、本実施例品であるX線マ
スク用支持膜1を二つ形成し、それぞれの可視光透過率
を調べた結果を示すものであり、したがっていずれも本
実施例品の可視光透過率を示すものである。また、上記
X線マスク用支持膜1とは別に作製した、SiC膜の膜
厚が0.5μm、SiN膜の膜厚が0.1μm、全体の
厚さが約2μmである本発明品のX線マスク用支持膜に
ついても、図4に結果を示した例と同様にしてその可視
光透過率の波長依存性を調べ、さらに、比較として膜厚
が2.0μmのSiC単層膜についてもそのその可視光
透過率の波長依存性を調べた。得られた結果を図5に示
す。
【0021】図4に示した結果より、本実施例品である
X線マスク用支持膜1は、波長633nm付近で60%
程度の透過率を有していることが確認された。また、S
iC膜、SiN膜の膜厚を変えて作製した本発明品にあ
っても、図5に示したようにやはり波長633nm付近
で60%程度の透過率を有していることが確認された。
一方、SiC単層膜では、図5に示したように波長63
3nm付近で40%程度の透過率しかないことが分かっ
た。
【0022】このように、SiC単層膜に比べ、SiC
膜とSiN膜とを交互に積層して形成した本発明品(本
実施例品)の方の可視光透過率が高い理由としては、積
層構造とすることにより、単層構造のものに比べて当然
その一層の厚さが薄くなり、したがって一層を形成した
際に生じる凹凸の成長の度合いが低く、これにより積層
されてなる支持膜の表面に形成される凹凸の度合いも少
なくなるからであると考えられる。そこで、透過率を調
べた本発明品(本実施例品)とSiC単層膜との表面を
光学顕微鏡で観察したところ、SiC単層膜に比べ、本
発明品(本実施例品)はいずれもその表面の凹凸が少な
く、その平坦さがほぼ鏡面状であることが確認された。
【0023】また、これら本発明品(本実施例品)の弾
性率は、SiC膜とSiN膜との膜厚平均となり、した
がってSiN膜に比べSiC膜の膜厚の方が十分厚いこ
とから、該本発明品(本実施例品)と同じ膜厚のSiC
単層膜とほとんど等しい値となると推定される。さら
に、上記のX線マスク用支持膜1(本実施例品)、およ
び本発明品の引っ張り応力を調べたところ、いずれも5
×107 Pa〜10×107 Paであることが確認され
た。
【0024】このようなX線マスク用支持膜1にあって
は、SiC膜3、SiN膜4として、それぞれ引っ張り
応力を5〜30×107 Paに調整した膜を積層して全
体の厚さを約2μmとしたため、支持膜1全体の引っ張
り応力も5〜10×107 Paと適当な応力となり、し
たがってX線マスクの位置精度の高精度化を可能にする
ことができる。
【0025】また、このX線マスク用支持膜1では、そ
の表面、すなわち最上面が鏡面となるため、SiC単層
膜に比べ可視光透過率を増大させることができる。ま
た、このX線マスク用支持膜1では、その表面が鏡面で
あるため、該支持膜1上に形成される吸収体パターンの
加工精度を高くすることができる。さらに、非晶質であ
るSiN膜4を多結晶膜であるSiC膜4、4間に挟む
ため、全体の破壊強度を向上させることができる。
【0026】図6は本発明のX線マスク用支持膜の第二
実施例を示す図であり、図6において符号10はX線マ
スク用支持膜である。このX線マスク用支持膜10が図
1に示した支持膜1と異なるところは、その最外層、す
なわちシリコン基板2側の最下層と、シリコン基板2と
反対の側の最上層とがSiN膜4で形成されている点で
ある。
【0027】このようなX線マスク用支持膜10にあっ
ては、シリコン基板2上に直接SiN膜4が形成される
ことから、SiC膜を直接形成した場合と異なりその界
面にボイドの発生がなく、したがってこのボイドの発生
に起因して支持膜19上に形成するマスクに欠陥が生じ
ることを防止することができる。また、SiN膜4はそ
の屈折率が2.05であり、したがって反射防止膜とし
て十分機能するものであることから、このSiN膜4が
最上面に形成配置されていることにより、従来のように
反射防止膜を別に形成するが不要になるる。
【0028】さらに、SiN膜4は、文献:T.Arakawa,
et-al,Jpn.J.Appl.Phys.Vol.32.1993.p5941.に報告され
ているようにX線照射によってその応力および屈折率の
変化がほとんどなく、したがって、従来の反射防止膜に
おけるX線照射による不都合を回避し、例えばX線マス
ク作製工程を簡略化することができ、かつX線マスクの
高精度化を図ることができる。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように本発明のX線マスク
用支持膜は、0.5μm以下の膜厚のSiC膜と0.1
μm以下の薄いSiN膜とが交互に積層され、全体が
1.0〜3.0μmに形成されたものであるから、適度
な引っ張り応力と鏡面状の平坦な表面を有し、かつ可視
光透過率も大きいなど、X線マスク用支持膜として要求
される各特性を十分有したものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のX線マスク用支持膜の第一実施例の概
略構成を示す側断面図である。
【図2】SiC膜の引っ張り応力の、プロパン流量依存
性を示すグラフである。
【図3】引っ張り応力を示すグラフである。
【図4】実施例品の可視光透過率の、波長依存性を示す
グラフである。
【図5】本発明品およびSiC単層膜の可視光透過率
の、波長依存性を示すグラフである。
【図6】本発明のX線マスク用支持膜の第二実施例の概
略構成を示す側断面図である。
【符号の説明】
1、10 X線マスク用支持膜 2 シリコン基板 3 SiC膜 4 SiN膜

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコン基板上に設けられてX線露光に
    用いられるX線マスクを支持するためのX線マスク用の
    支持膜であって、 膜厚が0.5μm以下のSiC膜と膜厚が0.1μm以
    下のSiN膜とが交互に積層されて全体の厚さが1.0
    〜3.0μmに形成されてなるX線マスク用支持膜。
  2. 【請求項2】 上記SiC膜および上記SiN膜は、共
    にその引っ張り応力が5×107 〜30×107 Paに
    調整されてなることを特徴とする請求項1記載のX線マ
    スク用支持膜。
  3. 【請求項3】 シリコン基板側に設けられる最下層がS
    iN膜であることを特徴とする請求項1記載のX線マス
    ク用支持膜。
  4. 【請求項4】 シリコン基板と反対の側に設けられる最
    上層がSiN膜であることを特徴とする請求項1記載の
    X線マスク用支持膜。
JP10542395A 1995-04-28 1995-04-28 X線マスク用支持膜 Pending JPH08306607A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005340835A (ja) * 2004-05-28 2005-12-08 Hoya Corp 電子線露光用マスクブランクおよびマスク

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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