JPH08305450A - 交流電源装置及びこれに用いるインピーダンス変換器 - Google Patents

交流電源装置及びこれに用いるインピーダンス変換器

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JPH08305450A
JPH08305450A JP10629295A JP10629295A JPH08305450A JP H08305450 A JPH08305450 A JP H08305450A JP 10629295 A JP10629295 A JP 10629295A JP 10629295 A JP10629295 A JP 10629295A JP H08305450 A JPH08305450 A JP H08305450A
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Yasuo Kawamatsu
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単な構成で、小型小容量の交流定電流源又
は交流定電圧源を得る。 【構成】 交流定電圧源11とインピーダンス変換13
とを組み合わせることで、負荷12のインピーダンスZ
2 に対し交流定電流I2 を付与する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、定電圧から変動する負
荷に対して一定電流を供給し、また定電流源から一定電
圧を要求する負荷に電力を供給するための交流電源装置
及びこれに用いるインピーダンス変換器に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】交流定
電圧源から変動する負荷に対して一定電流を供給する場
合、従来にあっては図8に示す如き交流定電流源が用い
られてきた(特表平6−506099号公報)。図8は
従来の交流定電流源を示す回路図であり、図中61は交
流電源,62は負荷,63は共振回路を示している。交
流電源61は共振回路63を介在させて負荷62と接続
されている。共振回路63はインダクタ(インダクタス
L)63a,キャパシタ(キャパシタンスC)63bに
て構成されており、その共振周波数を交流電源61の周
波数に同調させることで、負荷62のインピーダンスZ
2 の如何にかかわらず、定電流I2 を負荷62に供給し
得るようになっている。
【0003】いま、交流電源61との接続点である共振
回路63の入力端子1,1′間の電圧をV1 、負荷62
との接続端子である共振回路63の出力端子2,2′間
の電圧をV2 、入力端子1を流れる電流をI1 ,出力端
子2から負荷62に供給される電流をI2 とすると、電
流I2 は下記(1)式で表される。
【0004】
【数1】
【0005】ところでこのような従来の交流定電流源で
は、例えば出力端子2,2′が短絡された場合、電圧V
2 は零となり、負荷62に供給される電力は零になるも
のの、入力端子1,1′の入力電流I1 は零にはなら
ず、I1 =V1 /ωLの無駄な電流が流れ続け、効率が
悪いという問題があった。
【0006】また、交流定電流源を用いた装置として、
図9に示す如き電球点灯回路が知られている(特開昭5
5−119393号公報)。図9は従来の電球点灯回路
を示す回路図であり、交流定電流源71に対し、多数の
電球72a〜72dが直列に接続されている。73a〜
73dは各電球72a〜72d夫々に対して並列に接続
した電圧制限器であり、電球72a〜72dのうちの1
つ、例えば電球72aが断線されても他の電球72b〜
72dが消灯されることのないよう電球72aの電圧を
制限するためのものである。
【0007】このような電球点灯回路では各電球72a
〜72dは直列に接続されているから全ての電球72a
〜72dに対し同じ大きさの電流が供給され、例え線の
長さが長くなっても各電球は同じ明るさに点灯される。
ところが前述の如き電圧制限器73a〜73dを用いて
も電球72aが断線するとその端子の電圧上昇が交流定
電流源71の電圧上昇を招来し、その負担を増大させて
しまうという問題があった。
【0008】また、電球72aが断線した場合電球72
aの端子はこれを短絡するのが望ましいが、このような
構成は回路が複雑となり、また短絡のために能動素子を
使用することは信頼性の低下を招くこととなる等の問題
もあった。更に従来装置では交流定電流源として、従来
知られている交流定電流装置を使用することが一般的で
あるが、交流定電流装置は定電圧装置の如く広く普及し
ておらず、しかも構造が複雑で部品点数が多く、コスト
が高いという問題もあった。
【0009】この対策として、本発明者等は交流定電流
源を得る場合、交流定電圧源とインピーダンス変換器と
を組み合わせることに思い到った。ただ従来のインピー
ダンス変換器は図10に示す如く、イミタンス変換器と
称され、電源周波数による波長の1/4 に相当する線路8
0を用いる構造となっている。線路80の長さは電源8
1の周波数に対応する波長の1/4 に相当し、特性インピ
ーダンスをZ0 とすると入力端子1,1′、出力端子
2,2′夫々における電圧V1 ,V2 、電流I1 ,I2
の関係は(2)式で表される。
【0010】
【数2】
【0011】出力端子2,2′に負荷82(インピーダ
ンスZ2 )を接続すると入力端子1,1′からみたイン
ピーダンスZ1 は(3)式で表される。
【0012】
【数3】
【0013】(3)式から明らかな如くインピーダンス
1 は負荷82のインピーダンスZ 2 の逆数に比例す
る。
【0014】このようなインミッタンス変換器では
(2)式から明らかなように出力電流I 2 は入力電圧V
1 に比例し、入力電流I1 は出力電圧V2 、即ち負荷8
2の電圧V2 に比例し、交流定電圧源を交流定電流源に
変換し、負荷82のインピーダンスZ2 に比例して入力
電流I1 が流れることとなる。同様に(2)式から出力
電圧V2 は入力電流I1 に比例し、入力電圧V1 は出力
電流I2 、即ち負荷82への供給電流に比例する。
【0015】ところが、このような従来のイミタンス変
換器にあっては、通常1/4 波長線路80の適用域は線路
80の長さが数拾cm以下となる周波数、即ち100メ
ガヘルツ以上が使用領域であって、電源と負荷とを結ぶ
ケーブルと負荷との整合、2つの特性インピーダンスの
異なるケーブルのインピーダンス整合等に用いられる。
【0016】しかし、電力の伝達に有利な数十キロヘル
ツ以下の周波数の交流電源に対して使用しようとすると
数千m以上の線路長を必要とすることとなり、現実的で
はないという問題がある。また、電力が交流定電流源と
して供給されるときは、できるだけ簡単な構成で交流定
電圧源に変換する装置が求められている。
【0017】本発明はかかる事情に鑑みなされたもので
あって、第1の目的は交流定電圧源、又は交流定電流源
とインピーダンス変換器とを組み合わせることで交流定
電流源、又は交流定電圧源を簡単に構成可能とするにあ
る。
【0018】第2の目的はインピーダンス回路をT型、
又はπ型の4端子回路で構成することでコスト低減を図
ることにある。
【0019】第3の目的は、T型の4端子回路で構成さ
れ、直列素子がインダンタ,並列素子がキャパシタ、又
は直列素子がキャパシタ,並列素子がインダクタで構成
される簡単な構成で小型軽量のインピーダンス変換器を
得るにある。
【0020】第4の目的は、π型の4端子回路で構成さ
れたインピーダンス変換器の具体的構成を得るにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】第1の発明に係る交流電
源装置は、交流定電圧源と、これに接続されたインピー
ダンス変換器とを備え、該インピーダンス変換器から、
前記交流定電圧源の電圧に比例した交流定電流を出力す
るようにしたことを特徴とする。
【0022】第2の発明に係る交流電源装置は、交流定
電流源と、これに接続されたインピーダンス変換器とを
備え、該インピーダンス変換器から、前記交流定電流源
の電流に比例した交流定電圧を出力するようにしたこと
を特徴とする。
【0023】第3の発明に係るインピーダンス変換器
は、T型の4端子回路で構成され、その直列素子が2つ
のインダクタで、また並列素子がキャパシタで夫々構成
され、対応する一の入力端子と出力端子とを共通端子と
し、対応する他の入力端子と出力端子との間に2つの前
記インダクタを直列に接続し、両インダクタ間の接続点
と前記共通端子との間に前記キャパシタを接続したこと
を特徴とする。
【0024】第4の発明に係るインピーダンス変換器
は、T型の4端子回路で構成され、その直列素子が2つ
のキャパシタで、また並列素子がインダクタで夫々構成
され、対応する一の入力端子と出力端子とを共通端子と
し、対応する他の入力端子と出力端子との間に2つのキ
ャパシタを直列に接続し、両キャパシタ間の接続点と前
記共通端子との間にインダクタを接続したことを特徴と
する。
【0025】第5の発明に係るインピーダンス変換器
は、π型の4端子回路で構成され、その直列素子がイン
ダクタで、また並列素子が2つのキャパシタで夫々構成
され、対応する一の入力端子と出力端子とを共通端子と
し、対応する他の入力端子と出力端子との間に前記イン
ダクタを接続し、その両側の各接続端部と前記共通端子
との間に前記各キャパシタを接続したことを特徴とす
る。
【0026】第6の発明に係るインピーダンス変換器
は、π型の4端子回路で構成され、その直列素子がキャ
パシタで、また並列素子が2つのインダクタで夫々構成
され、対応する一の入力端子と出力端子とを共通端子と
し、対応する他の入力端子と出力端子との間に前記キャ
パシタを接続し、その両側の各接続端部と前記共通端子
との間に前記各インダクタを接続したことを特徴とす
る。
【0027】
【作用】第1の発明にあっては、交流定電圧源とインピ
ーダンス変換器とを組合せることで、インピーダンス変
換器の入力電圧と出力電流とが比例関係にあるを利用し
て負荷のインピーダンスに対して交流定電流を供給し得
る。第2の発明にあっては、交流定電流源とインピーダ
ンス変換器とを組合せることにより、インピーダンス変
換器の入力電流と出力電圧とが比例関係にあることか
ら、インピーダンス変換器から負荷に対し交流定電圧を
出力せしめる。
【0028】第3,第4の発明にあっては、インダク
タ、キャパシタの3つの素子をT型に接続することで、
一方の2端子に接続されたインピーダンスを他の2端子
からみてそのインピーダンスの逆数に比例するインピー
ダンスに変換する作用を果たす。
【0029】第5,第6の発明にあっては、図5,図6
において一方の2端子に接続されたインピーダンスを他
の2端子からみるとその逆数に比例するインピーダンス
に変換する作用を果たす。
【0030】
【実施例】 (実施例1)以下本発明をその実施例に示す図面に基づ
き具体的に説明する。図1は本発明に係る交流電源装置
を適用した交流定電流源を示す回路図であり、図中11
は交流定電圧源,12は負荷,13はインピーダンス変
換器を示している。交流定電圧源11はインピーダンス
変換器13を介在させて負荷12(インピーダンス
2 )と接続されている。インピーダンス変換器13は
図2に示す如きT型の4端子回路として構成されてい
る。図2はインピーダンス変換器13の回路図であり、
14,15は直列素子たるインダクタ、16は並列素子
たるキャパシタである。
【0031】即ち、4端子からなるインピーダンス変換
器13は入力端子1′と出力端子2′とを共通端子と
し、入力端子1と出力端子2との間に第1のインダクタ
14と第2のインダクタ15とを直列に接続し、またこ
れら第1,第2のインダクタ14,15間の接続点と、
前記共通端子の間にキャパシタ16を接続して構成して
あり、2つのインダクタ14,15のインダクタンスは
等しく、またインダクタ14,15とキャパシタ16と
の共振周波数を入力端子1,1′に加えられる交流の周
波数に等しくしてある。
【0032】このような実施例1にあっては、いま交流
定電圧源11からインピーダンス変換器13の入力端子
1,1′に加えられる電圧をV1 、入力電流をI1 、ま
たインピーダンス変換器13の出力端子2,2′から負
荷12のインピーダンスZ2に供給される電流をI2
入力電圧をV2 とし、インダクタ14、キャパシタ16
からなる共振回路の共振角周波数ω{=1/√(L
C)}が交流定電圧源11の角周波数に等しく、更に特
性インピーダンスZ0 =ωL=1/ωC=√(L/C)
とすると、前述した(2)式の関係が成立する。
【0033】(2)式から、電流I2 ,I1 は夫々
(4),(5)式で表される。
【0034】
【数4】
【0035】電流I2 を一定にするには(4)式から入
力端子1,1′間の電圧V1 を一定にすればよく、交流
定電圧源11をインピーダンス変換器13と結合させる
ことで負荷12のインピーダンスZ2 に対して交流定電
流を供給し得ることとなる。インピーダンス変換器13
は一方の出力端子2,2′に接続されたインピーダンス
2 を他の入力端子1,1′からみるとZ1 =Z0 2/Z
2 の如く、インピーダンスZ2 の逆数に比例するインピ
ーダンスZ1 に変換する作用を持つ。
【0036】出力端子2,2′からインピーダンス変換
器13をみて、11は交流定電圧源であるからインダク
タ14,キャパシタ16が並列共振回路を形成してイン
ピーダンスが無限大となり、電源の内部インピーダンス
が無限大の交流定電流源として作用する。
【0037】また(5)式についてみると、負荷2のイ
ンピーダンスZ2 =0の場合、すなわち出力端子2,
2′が短絡されると出力電圧V2 =0となり、入力端子
1,1′からみるとインダクタ15、キャパシタ16が
並列共振回路を形成し、インピーダンスZ1 が無限大と
なり、入力電流I1 =0になる。なおZ1 は入力端子
1,1′からインピーダンス変換器13をみたときのイ
ンピーダンスを表す。
【0038】(実施例2)この実施例2は本発明に係る
交流電源装置を交流定電圧源として構成した場合を示し
ている。図3は本発明の実施例2の回路図であり、図中
21は交流定電流源を示している。インピーダンス変換
器23は実施例1において用いた図2に示したものと実
質的に同じである。
【0039】このような実施例2にあっては、交流定電
流源21との接続端子であるインピーダンス変換器23
の入力端子1,1′に供給される電流をI1 ,入力電圧
1、インピーダンス変換器の出力端子2,2′から負
荷22のインピーダンスZ2に供給される電圧をV2
その電流をI2 とするとこれらの間には、前述した
(2)式が成立する。(2)式から電圧V2 ,V1 は下
記(6),(7)式で表わせる。
【0040】
【数5】
【0041】(6)式から明らかなように出力端子2,
2′からインピーダンス変換器23をみると、21は定
電流源であるからインダクタ15、キャパシタ16が直
列共振回路を構成し、インピーダンスが零となり、電源
の内部インピーダンスが零の定電圧源として作用するこ
ととなる。また(7)式から明らかなように負荷22の
インピーダンスZ2 =∞で出力端子2,2′が解放さ
れ、出力電流I2 =0になると、入力端子1,1′から
みてインダクタ14、キャパシタ16が直列共振回路を
構成してインピーダンスZ1=0となって入力電圧V1
=0となり、定電流源21に負担をかけることがない。
なお、出力電流I2 が0以外の場合は入力電圧V1 は出
力電流I2 に比例する。
【0042】(実施例3)この実施例3においては実施
例1又は2において用いるインピーダンス変換器13,
23の他の例である。図4〜図6は他のインピーダンス
変換器の例を示す回路図であり、以下順を追って説明す
る。
【0043】図4はT型として構成した他の4端子回路
を示しており、入力端子1′と出力端子2′とを共通端
子とし、入力端子1と出力端子2との間に第1のキャパ
シタ17と第2のキャパシタ18とを直列に接続し、そ
れらキャパシタ17,18間の接続点と前記共通端子の
間にインダクタ19を接続し、2つのキャパシタ17,
18は同じ静電容量とし、夫々キャパシタ17,18と
インダクタ19との共振周波数を入力端子1,1′に加
えられる交流の周波数に等しくしてある。
【0044】図4に示すインピーダンス変換器を図1に
示す実施例1又は図3に示す実施例2のインピーダンス
変換器として用いた場合には、入力電圧V1 、出力電圧
2、入力電流I1 、出力電流I2 の間に(8)式の関
係が成立する。
【0045】
【数6】
【0046】そして、図4に示すインピーダンス変換器
を図1に示す実施例1のインピーダンス変換器として適
用した場合には(9),(10)式が成立する。
【0047】
【数7】
【0048】また、図4に示すインピーダンス変換器を
図3に示す実施例2のインピーダンス変換器として適用
した場合には(11),(12)式が成立する。 V2 =jZ0 1 …(11) V1 =−jZ0 2 …(12) なお、インピーダンス変換式としてはZ1 =Z0 2/Z2
が成立する。
【0049】図5はπ型として構成した4端子回路を示
しており、入力端子1′,出力端子2′を共通端子と
し、入力端子1,1′の間に第1のキャパシタ31を接
続し、出力端子2,2′の間に第2のキャパシタ32を
接続し、入力端子1と出力端子2との間にインダクタ3
3を接続し、前記2つのキャパシタ31,32は静電容
量を同じにし、またキャパシタ31,32とインダクタ
33とからなる共振回路の共振周波数を入力端子1,
1′に加えられる交流の周波数に等しくしてある。
【0050】このような図5に示すインピーダンス変換
器を図1に示す実施例1、又は図3に示す実施例2のイ
ンピーダンス変換器として用いると、入力電流I1 、出
力電流I2 、入力電圧V1 、出力電圧V2 の間には
(2)式の関係が成立する。そして、図5に示すインピ
ーダンス変換器を図1に示す実施例1のインピーダンス
変換器13として用いた場合の電流I2 ,I1
(4),(5)式で表される。
【0051】他の作用は実施例1の場合と実質的に同じ
である。また、図5に示すインピーダンス変換器を図3
に示す実施例2のインピーダンス変換器23として用い
た場合の電圧V2 ,V1 は(6),(7)式で表され
る。他の作用は実施例2の場合と実質的の同じである。
【0052】図6に示すインピーダンス変換器は、同じ
くπ型の4端子回路として構成されており、入力端子
1′と出力端子2′とを共通端子とし、入力端子1と
1′との間に第1のインダクタ34を接続し、出力端子
2,2′の間に第2のインダクタ35を接続し、入力端
子1と出力端子2との間にキャパシタ36を接続し、2
つのインダクタ34,35のインダクタンスは等しく、
また夫々インダクタ34,35とキャパシタ36との共
振回路における共振周波数を入力端子に加えられる交流
の周波数に等しくしてある。
【0053】これを実施例1、又は2のインピーダンス
変換器として用いた場合には電流、電圧の関係式として
(8)式が成立し、電流,電圧は(9)〜(12)式で
表される。
【0054】(実施例4)図7は本発明に係る交流電源
装置及びこれに用いるインピーダンス変換器を用いた電
球の点灯回路を示す回路図である。図中41は交流定電
圧源、42は送電部インピーダンス変換器、43は給電
線、44〜47は受電インピーダンス変換器、48〜5
1は電球を示している。送電部インピーダンス変換器4
2は直列素子であるインダクタ42a,42bと並列素
子であるキャパシタ42cとをT型に接続した4端子回
路として構成されている。
【0055】この送電部インピーダンス変換器42の入
力端子に前記交流定電圧源41が接続されており、交流
定電圧源41からの定電圧を交流定電流に変換して、給
電線43に供給する。給電線43は、通常大きな誘導イ
ンダクタンスを持っており、直列のキャパシタC0 にて
その電圧降下を打ち消す外、一部は送電部インピーダン
ス変換器42の直列素子としても機能する。給電線43
から供給される交流定電流は各受電部インピーダンス変
換器44〜47にて定電圧に変換され、各電球48〜5
1を定電圧で点灯する。
【0056】給電線43に流れる電流の大きさは交流定
電圧源の基本波成分と送電部インピーダンス変換器42
の特性インピーダンスのみによって決まる。交流定電圧
源41は方形波出力であってもよい。交流定電圧源41
に直列素子であるインダクタ42a,42bを有する送
電部インピーダンス変換器を組合わせることで、交流定
電圧源41にも、給電線43にも高調波成分電流は殆ど
流れることはない。
【0057】一方受電部では、給電線の定電流を受電部
インピーダンス変換器44〜47を通じて定電圧に変換
しているので、個々の電球は定電圧源で点灯された時と
同じ条件で点灯される。給電線と受電部インピーダンス
変換器入力端子との間は、変成器など電磁結合にして絶
縁することも可能である。電圧V21〜V24は給電線43
の電流Iと受電部インピーダンス変換器44〜47の特
性インピーダンスとによって決まるので、電圧定格の異
なる電球を点灯することができる。受電部インピーダン
ス変換器44〜47の入力電圧V11〜V14は出力電流I
1〜I4 に比例し、それらの合計電圧と給電線の電圧降
下の和で交流定電圧源の電流の大きさI0 が決まる。
【0058】電球48は、給電線43に直接受電部イン
ピーダンス変換器44を繋いで交流定電圧源として作用
させ、それを電源として点灯する。電球49は、給電線
と疎結合された変成器Tを通じて受電する。変成器Tの
2次側に接続した共振キャパシタC12は受電効率を上げ
るためのものであり、キャパシタC12は受電部インピー
ダンス変換器45のキャパシタの一部を兼用することが
できる。
【0059】電球50,電球51は、受電部インピーダ
ンス変換器46の出力が定電圧源となるので、同一の定
格電圧ならば並列に接続することができる。受電部イン
ピーダンス変換器46の出力はダイオードブリッジで整
流して直流電動機を駆動する様になっている。どのよう
な種類の負荷が電球負荷と混合して共に給電線から給電
されていても、夫々の間に干渉はなく、点灯作用には何
等支障を生じない。
【0060】いま、例えば1番目の電球が断線すると、
電流I1 が0になるので、V11も0となる。従って、給
電線43の電流Iの値は変化せず他の電球の明るさには
まっったく影響を受けることがない。このような実施例
4にあっては、インピーダンス変換器44〜47を使用
すれば、直列点灯で給電線43の電圧降下の影響が避け
られると共に、1個の電球が断線すると全ての電球が消
灯するという欠点が解消される。また、交流定電圧源の
電圧を変化すれば、全ての電球の明るさを同時に可変す
る事も可能である。
【0061】
【発明の効果】第1の発明にあっては、交流電圧源とイ
ンピーダンス変換器とを組合わせることで、定電圧源の
出力電圧がインピーダンス変換器により定電流に損失な
く交換され、安価な定電流源が得られる。
【0062】第2の発明にあっては、交流定電流源とイ
ンピーダンス変換器と組合わせることで、電力が定電流
で供給される場合、インピーダンス変換器により各種の
負荷に使用し易い定電圧源に変換されることとなる。
【0063】第3〜6の発明にあっては、インダンタ及
びキャパシタからなる3つの直列、又は並列素子は受動
素子で構成され、これらをT型またはπ型に接続し、イ
ンダクタ,キャパシタからなる共振回路の共振周波数を
入力端子に加えられる交流電源の周波数に等しくするこ
とで、ノイズが小さく、波形歪みも小さく交流定電圧
源、又は交流定電流源を容易に得られ、信頼性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施例1の構成を示す回路図であ
る。
【図2】実施例1において使用するインピーダンス変換
器の回路図である。
【図3】本発明に係る実施例3の構成を示す回路図であ
る。
【図4】本発明の他の実施例に用いるインピーダンス変
換器の回路図である。
【図5】本発明の更に他の実施例に用いるインピーダン
ス変換器の回路図である。
【図6】本発明の更に他の実施例に用いるインピーダン
ス変換器の回路図である。
【図7】本発明に係る交流電源装置及びこれに用いるイ
ンピーダンス変換器の回路を適用した電球の点灯回路を
示す回路図である。
【図8】従来の交流定電流源を示す回路図である。
【図9】従来の電球の点灯回路を示す回路図である。
【図10】4分の1波長インピーダンス変換器の回路図
である。
【符号の説明】
11 交流定電圧源 12 負荷 13 インピーダンス変換器 14,15 インダクタ 16,17,18 キャパシタ 19 インダクタ 21 交流定電流源 22 負荷 23 インピーダンス変換器 31,32 キャパシタ 33,34,35 インダクタ 36 キャパシタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北吉 晴芳 大阪府大阪市鶴見区鶴見4丁目17番96号 株式会社椿本チエイン内 (72)発明者 川松 康夫 大阪府大阪市鶴見区鶴見4丁目17番96号 株式会社椿本チエイン内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流定電圧源と、これに接続されたイン
    ピーダンス変換器とを備え、該インピーダンス変換器か
    ら、前記交流定電圧源の電圧に比例した交流定電流を出
    力するようにしたことを特徴とする交流電源装置。
  2. 【請求項2】 交流定電流源と、これに接続されたイン
    ピーダンス変換器とを備え、該インピーダンス変換器か
    ら、前記交流定電流源の電流に比例した交流定電圧を出
    力するようにしたことを特徴とする交流電源装置。
  3. 【請求項3】 T型の4端子回路で構成され、その直列
    素子が2つのインダクタで、また並列素子がキャパシタ
    で夫々構成され、対応する一の入力端子と出力端子とを
    共通端子とし、対応する他の入力端子と出力端子との間
    に2つの前記インダクタを直列に接続し、両インダクタ
    間の接続点と前記共通端子との間に前記キャパシタを接
    続したことを特徴とするインピーダンス変換器。
  4. 【請求項4】 T型の4端子回路で構成され、その直列
    素子が2つのキャパシタで、また並列素子がインダクタ
    で夫々構成され、対応する一の入力端子と出力端子とを
    共通端子とし、対応する他の入力端子と出力端子との間
    に2つのキャパシタを直列に接続し、両キャパシタ間の
    接続点と前記共通端子との間にインダクタを接続したこ
    とを特徴とするインピーダンス変換器。
  5. 【請求項5】 π型の4端子回路で構成され、その直列
    素子がインダクタで、また並列素子が2つのキャパシタ
    で夫々構成され、対応する一の入力端子と出力端子とを
    共通端子とし、対応する他の入力端子と出力端子との間
    に前記インダクタを接続し、その両側の各接続端部と前
    記共通端子との間に前記各キャパシタを接続したことを
    特徴とするインピーダンス変換器。
  6. 【請求項6】 π型の4端子回路で構成され、その直列
    素子がキャパシタで、また並列素子が2つのインダクタ
    で夫々構成され、対応する一の入力端子と出力端子とを
    共通端子とし、対応する他の入力端子と出力端子との間
    に前記キャパシタを接続し、その両側の各接続端部と前
    記共通端子との間に前記各インダクタを接続したことを
    特徴とするインピーダンス変換器。
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