JPH08304708A - 顕微鏡のステージの移動機構 - Google Patents

顕微鏡のステージの移動機構

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JPH08304708A
JPH08304708A JP10582895A JP10582895A JPH08304708A JP H08304708 A JPH08304708 A JP H08304708A JP 10582895 A JP10582895 A JP 10582895A JP 10582895 A JP10582895 A JP 10582895A JP H08304708 A JPH08304708 A JP H08304708A
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upper stage
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Abstract

(57)【要約】 【目的】顕微鏡のステージを移動させるための手段とし
てのラック−ピニオン機構に伴う種々の問題点を解決す
る。 【構成】ワイヤ10の一端は下ステージ5に植設された
ピン9Aに取り付けられ、その他端は引張バネ11の一
端に取り付けられている。引張バネ11の他端は下ステ
ージ5に植設されたピン9Bに取り付けられている。上
ステージに回転可能に取り付けられている第一プーリー
12には、ワイヤ10が一巻き分だけ巻き付けられてい
る。第一プーリー12を回転させると、引張バネ11の
引張力によってワイヤ10との間でスリップを生じるこ
となく回転するとともに、第一プーリー12はワイヤ1
0に巻き付けられた状態でY方向に移動する。第一プー
リー12は上ステージに取り付けられているので、第一
プーリー12の移動に伴い、上ステージもY方向に移動
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は顕微鏡のステージに関
し、より詳細には、顕微鏡のステージの移動機構に関す
る。
【0002】
【従来の技術】顕微鏡のステージに載せられ、クレンメ
ルで保持された標本を顕微鏡で観察する際に、その標本
を移動させる方法として、これまで主に二つの方法が採
られている。その一つは、X軸方向においては標本を保
持しているクレンメルを移動させ、Y軸方向においては
標本を載せたステージを移動させ、標本を所望の位置に
位置させる方法である。他方は、標本を保持しているク
レンメルをX軸及びY軸の両方向に移動させ、標本を所
望の位置に位置させる方法である。
【0003】何れの方法においても、クレンメル又はス
テージを移動させる手段としてラック−ピニオン機構が
用いられていた。すなわち、クレンメル又はステージに
はラックが取り付けられ、一方、顕微鏡本体に固定され
たステージには、クレンメル又はステージを移動させる
ためのハンドルが取り付けられ、そのハンドルにはラッ
クと噛み合っているピニオンが設けられている。このた
め、ハンドルを回転させると、クレンメル又はステージ
はハンドルの回転量に応じて移動する。
【0004】一般に、クレンメルは次のようにして保持
されている。クレンメルには両側にコの字形の溝が設け
られているクレンメル保持部材が固定されており、その
クレンメル保持部材を保持する支持部材にもコの字形の
溝が設けられている。これら双方の溝は相互に対向する
ように配置されており、双方の溝の間にボール又はコロ
が挟み込まれることによって、クレンメル保持部材が保
持されている。
【0005】ステージもクレンメルとほぼ同様にして保
持されている。すなわち、移動側ステージと固定側ステ
ージの双方にはコの字形の溝が各々設けられており、そ
れら双方の溝の間にボール又はコロが介在することによ
って、各ステージが保持されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】クレンメル又はステー
ジを移動させる手段としてラック−ピニオン機構を用い
ている顕微鏡において、標本を微小量だけ移動させる場
合、仮にラックとピニオンとの間にガタがあると、その
ガタの分だけ、ハンドルの微小回転に標本が追従せず、
所望の通りの微小量の動きができないことがある。この
ため、従来の顕微鏡においては、このガタをなくすた
め、ラックをピニオンに押し付け、これによって、微小
量の動きに追従させようとしていた。
【0007】また、ラック−ピニオン機構においては、
ラックの基準ピッチ線はピニオンのピッチ円と常に接し
ていなければならない。しかし、ラック又はピニオンの
加工精度、熱膨張、たわみなどに起因して基準ピッチ線
とピニオンのピッチ円とが離れてガタを生じたり、ある
いは、ラックとピニオンとが接近しすぎてハンドルの回
転が重くなり、回転ムラが生じたりすることがあった。
このようなガタや回転ムラを最小限にするためには、組
立調整が必要となるが、そのような調整には高度の技能
が要求される。さらに、調整工数が多いので、製造コス
ト上昇の原因になっている。
【0008】一般に、クレンメル保持部材を移動させる
ためのピニオンは、機能上、ステージの端部に配置され
ている。このため、クレンメル保持部材を移動させる
と、クレンメル保持部材がステージよりも突出してしま
うことがあった。このような状態においては、観察者の
手が突出したクレンメル保持部材に引っ掛かり、顕微鏡
の操作が困難なものになっていた。
【0009】本発明は、以上のような従来の顕微鏡のス
テージの問題点に鑑みてなされたものであり、ハンドル
を軽快且つ回転ムラなく操作することができ、而も比較
的廉価に製作することのできる顕微鏡のステージを提供
することを目的する。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するた
め、本発明に係る顕微鏡のステージは、上下方向に重ね
られた上ステージと下ステージとからなり、前記上ステ
ージは前記下ステージに対して移動可能な顕微鏡のステ
ージにおいて、上ステージに回転可能に取り付けられた
プーリーと、このプーリーに一巻巻き付けられていて、
張られた状態で両端が下ステージに固定されている細長
い線状部材とを備えている。前記プーリーは前記線状部
材により常に締め付けられており、前記プーリーを回転
させることによって、前記上ステージを前記下ステージ
に対して前記線状部材が張られている方向に移動させる
ことができるようにされている。
【0011】本発明の好ましい実施態様においては、前
記線状部材の一方の端にテンション付加部材の一端が連
結され、このテンション付加部材の他端が下ステージに
固定されている。従って、この実施態様においては、線
状部材はテンション付加部材により張られている。
【0012】本発明の更に好ましい実施態様において
は、前記上ステージの上側には標本保持用のクレンメル
が配置され、該クレンメルはクレンメル保持部材により
支持されている。本実施態様に係るステージは、一端が
前記クレンメル保持部材に固定された細長い線状部材
と、一端が前記線状部材の他端に連結され、他端は前記
クレンメル保持部材に固定されているテンション付加部
材と、前記クレンメル保持部材に対して回転可能に支持
され、前記線状部材が一巻巻き付けられているプーリー
とを備えており、前記プーリーは前記テンション付加部
材の引張力によって常に前記線状部材により締め付けら
れ、前記プーリーを回転させることによって、前記クレ
ンメル保持部材を前記線状部材が張られている方向に移
動させることができるようにされている。
【0013】
【作用】上記のように、本発明に係る顕微鏡のステージ
においては、クレンメル保持部材又はステージを移動さ
せるための手段としてのラック−ピニオン機構に代え
て、プーリを回転させることにより、クレンメル保持部
材又はステージを移動させる構造を採用している。これ
により、従来のラック−ピニオン機構が有していた機構
上の欠点は全て解消させることができる。プーリーには
ワイヤあるいはベルトなどの如き細長い線状部材が一巻
巻き付けられていて、常に前記線状部材により締め付け
られている状態にあるので、プーリーが回転してもプー
リーと弾性部材との間にはスリップは生じない。
【0014】プーリーは下ステージに対して回転可能で
あるように上ステージに取り付けられている。このた
め、プーリーに外部から適当に回転力を与えることによ
って、プーリーを回転させると、プーリーは線状部材が
巻き付けられた状態のまま、線状部材が張られている方
向に沿って移動する。プーリーは上ステージに固定され
ているので、プーリーの移動に伴って、上ステージは移
動する。移動量はプーリーの回転量に比例する。この作
用は、上ステージとクレンメルとの間においても同様で
ある。
【0015】
【実施例】図1乃至図9に本発明に係る顕微鏡のステー
ジの一実施例を示す。本実施例に係る顕微鏡のステージ
を上方から見た平面図である図1及び図1のII−II線に
おける断面図である図2に示すように、本実施例に係る
顕微鏡のステージは標本1を挟み込む構造をなしている
クレンメル2、クレンメル2を支持しているクレンメル
保持部材3、クレンメル保持部材3の下側に位置する上
ステージ4、上ステージ4の下側に位置する下ステージ
5とを備えている。後述するように、クレンメル保持部
材3は上ステージ4に対してX方向に移動可能に構成さ
れており、上ステージ4は下ステージ5に対してY方向
に移動可能に構成されている。
【0016】また、図1のIII−III 線における断面図
である図3に示すように、本実施例に係る顕微鏡のステ
ージはクレンメル保持部材3及び上ステージ4の移動方
向及び移動量を調節するためのスリーブ6が設けられて
いる。スリーブ6の一端は上ステージ4と下ステージ5
とを貫通してそれらの内部に位置しており、他端は下ス
テージ5から下方に延びている。図4は下ステージ5の
横断面を上方から見た平面図である。図4に示すよう
に、下ステージ5にはその両縁にY方向に延びるシャフ
ト7A,7Bが固定的に取り付けられている。シャフト
7Aには、シャフト7Aに対して自在に摺動し得る摺動
部材8A,8Bが取り付けられており、シャフト7Bに
は、シャフト7Bに対して自在に摺動し得る摺動部材8
Cが取り付けられている。これらの摺動部材8A,8
B,8Cは上ステージ4に固定されており、上ステージ
4はこれらの摺動部材8A,8B,8C及びシャフト7
Aを介して下ステージ5に対してY方向に摺動し得るよ
うになっている。
【0017】下ステージ5に植設されたピン9Aには細
長い線状部材としてのワイヤ10の一端が取り付けられ
ている。ワイヤ10の他端にはテンション付加部材とし
ての引張バネ11が連結されており、引張バネ11の他
端は下ステージ5に植設されたピン9Bに取り付けられ
ている。図4のV−V線における縦断面図である図5に
示すように、スリーブ6には、下ステージ5と同じ高さ
に位置する第一プーリー12が取り付けられている。図
4及び図5に示すように、ワイヤ10は、取り付けピン
9Aと引張バネ11との間において、この第一プーリー
12に一巻き分だけ巻き付けられている。このように、
ワイヤ10に一巻き巻かれている第一プーリー12は、
引張バネ11の引張力によって常にワイヤ10により締
め付けられているので、後述するように、第一プーリー
12が回転しても、第一プーリー12とワイヤ10との
間にスリップが生じることはない。
【0018】スリーブ6の断面構造を示す図6に示すよ
うに、スリーブ6の内部においては、上端部を上ステー
ジ4に固定された円筒状の固定スリーブ14が上ステー
ジ4から下方に延びている。第一プーリー12は筒状を
なしており、この筒状形状の最上位置に、ワイヤ10が
巻き付けられているプーリー部分12Aが形成されてい
る。第一プーリー12は、固定スリーブ14に回転可能
に嵌装されていて、その両端が、固定スリーブ14に嵌
着された断面が三角形状をなしているC形リング14
A,14Bにより受け止められ、軸方向の位置を決めら
れている。このC形リングを締め付けるネジリング15
によって、第一スリーブ12の回転力量を調節すること
ができるようになっている。
【0019】第一プーリー12の下方部分にはハンドル
16が固定的に取り付けられている。このハンドル16
を回すことにより、第一プーリー12を回転させること
ができ、後述するように、第一プーリー12の回転方向
及び回転量に応じて、上ステージ4を下ステージ5に対
して移動させることができる。
【0020】一方、上ステージ4の断面を上方から見た
平面図である図7に示すように、上ステージ4には、X
方向に延びる2本のシャフト17A,17Bが固定され
ている。シャフト17Aには、シャフト17Aに対して
自在に摺動し得る摺動部材18A,18Bが取り付けら
れており、シャフト17Bには、シャフト17Bに対し
て自在に摺動し得る摺動部材18Cが取り付けられてい
る。これらの摺動部材18A,18B,18Cはブロッ
ク19に取り付けられており、このブロック19はクレ
ンメル保持部材3に固定されている。すなわち、クレン
メル保持部材3はこれらの摺動部材18A,18B,1
8C及びシャフト17A,17Bを介して上ステージ4
に対してX方向に摺動し得るようになっている。
【0021】ブロック19には細長い線状部材としての
ワイヤ20の一端が取り付けられている。ワイヤ20の
他端はテンション付加部材としての引張バネ21の一端
と連結されており、引張バネ21の他端はブロック19
に取り付けられている。
【0022】図7のVIII-VIII線 における断面図である
図8に示すように、固定スリーブ14の中空部には、ス
リーブシャフト13が回転可能に嵌挿されている。スリ
ーブシャフト13は横断面が円形の中実軸で、その最上
位置に第二プーリー22が形成されている。上ステージ
4の第二プーリー22とは反対側の端部には、第三プー
リー23が上ステージ4に回転可能に取り付けられてい
る。図7に示すように、ワイヤ20は第二プーリー22
と第三プーリー23との間に掛け渡されており、ワイヤ
ー20及び引張りバネ21は一つの閉ループ形状を構成
している。スリーブシャフト13の第二プーリー22の
下側には段付き部が形成され、そこに断面が三角形状を
なしているC形リング24Aが嵌着されて、スリーブシ
ャフト13の軸方向の位置即ち第二プーリー22の位置
が決められるようになっている。スリーブシャフト13
の下端部側にも同形状のC形リング24Bが嵌着され、
これらのC形リング24A,24Bを締め付けるネジリ
ング25によって、スリーブシャフト13の回転力量を
調節することができるようになっている。
【0023】スリーブシャフト13の下端部にはハンド
ル26が固定的に取り付けられている。このハンドル2
6を回すことにより、第二プーリー22を回転させるこ
とができ、後述するように、第二プーリー22の回転方
向及び回転量に応じて、クレンメル保持部材3を上ステ
ージ4に対して移動させることができる。なお、Y方向
に張られたワイヤ10及びX方向に張られたワイヤ2
0、並びにワイヤ10が巻き付けられている第一プーリ
ー12及びワイヤ20が巻き付けられている第二プーリ
ー22、第三プーリー23の位置関係を概括的に図9に
示す。
【0024】以上のような構成を有する本実施例に係る
顕微鏡のステージは次のように作動する。下ステージ5
に対して上ステージ4をY方向に移動させたい場合に
は、ハンドル16を回転させる。ハンドル16を回転さ
せると、ハンドル16と固定的に連結されている第一プ
ーリー12もともに回転する。第一プーリー12にはワ
イヤ10が巻き付けられているので、第一プーリー12
の回転によりワイヤ10が連続的に第一プーリー12の
回転方向とは逆の方向に送られ、その結果として、第一
プーリー12はワイヤ10に巻き付けられた状態のま
ま、回転しながら、Y方向に移動する。第一プーリー1
2はスリーブシャフト13を介して上ステージ4に固定
されているので、第一プーリー12の移動に伴って、上
ステージ4に固定的に取り付けられている摺動部材8
A,8Bがシャフト7Aに沿って摺動し、ひいては、上
ステージ4がY方向に移動する。
【0025】ワイヤ10は引張バネ11の引張力を受け
て第一プーリー12に強く締め付けられているので、第
一プーリー12が回転するときに、第一プーリー12と
ワイヤ10との間にスリップが生じることはなく、上ス
テージ4を第一プーリー12の回転量に追従させて正確
に移動させることができる。上ステージ4の移動は第一
プーリー12の回転方向及び回転量に応じて決定され
る。また、第一プーリー12の回転力の大きさは、引張
バネ11の引張力の大きさによっても変化する。第一プ
ーリー12の回転力を小さくする場合には、引張バネ1
1の引張力を小さい値に設定すればよく、第一プーリー
12の回転力を大きくする場合には、引張バネ11の引
張力を大きい値に設定すればよい。
【0026】また、上ステージ4に対してクレンメル保
持部材3をX方向に移動させたい場合には、ハンドル2
6を回転させる。ハンドル26を回転させると、ハンド
ル26と固定的に連結している第二プーリー22もとも
に回転する。第二プーリー22が回転すると、この第二
プーリー22に巻き付けられているワイヤ20は第二プ
ーリー22の回転方向に応じて送られ、その結果とし
て、ブロック19がワイヤ20に引張され、移動する。
クレンメル保持部材3はブロック19に固定的に取り付
けられているので、ブロック19が移動することによ
り、摺動部材18A,18B,18Cがシャフト17
A,17Bに沿って移動し、クレンメル保持部材3が上
ステージ4に対して移動する。
【0027】ワイヤ20は引張バネ21の引張力を受け
て第二プーリー22及び第三プーリー23に強く締め付
けられているので、第二プーリー22が回転するとき
に、第二プーリー22及び第三プーリー23とワイヤ2
0との間にスリップが生じることはなく、クレンメル保
持部材3を第三プーリー23の回転量に追従させて正確
に移動させることができる。
【0028】クレンメル保持部材3の移動は第二プーリ
ー22の回転方向及び回転量に応じて決定される。ま
た、第二プーリー22の回転力の大きさは、引張バネ2
1の引張力の大きさによっても変化する。第二プーリー
22の回転力を小さくする場合には、引張バネ21の引
張力を小さい値に設定すればよく、第二プーリー22の
回転力を大きくする場合には、引張バネ21の引張力を
大きい値に設定すればよい。
【0029】なお、上記の実施例においては、ワイヤ1
0,20を用いたが、ワイヤの代わりにベルトを用いる
ことも可能である。本実施例では、ワイヤ等の線状部材
に引張力を付与するためのテンション付加部材としてコ
イルバネを用いたが、この他にテンションプーリー(ワ
イヤーに張りを与えるための中間プーリー)やテンショ
ンピン(コイルバネの代わりに単なるピンを用いたも
の)等を用いてもよい。又、製造・組立て性や性能の安
定性の面からは、これらのテンション付加部材を設ける
のが好ましいが、線状部材を弛みなく張り渡すようにす
れば、テンション付加部材はなくてもよい。従来の機構
が有する問題点の一つとして、ハンドルに作用する外力
が可動部に伝達されることによる観察像のブレがあった
が、この問題点は、C形リング14A,14Bをネジリ
ング15によって軸方向に締め付けることにより解決さ
れている。C形リング14A,14Bは、図6に示すよ
うに、断面が三角形状のリングで円周の一部分に切り欠
きが設けられているものであり、ネジリング15によっ
て軸方向に締め付けられると、三角形断面の斜面部分が
第一プーリー12と固定スリーブ14との隙間に食い込
んでいく。このため、ネジリング15の締め付け量を調
節することによって、固定スリーブ14と第一プーリー
12との間のガタを除去することができる。又、C形リ
ング24A,24Bに関しても、ネジリング25の締め
付け量を調節することにより、スリーブシャフト13と
固定スリーブ14との間のガタを除去することができ
る。
【0030】従来の顕微鏡用ステージで使用されていた
ガイド機構では、一対のレール部材の間に転動体として
複数個のボールが挿入されており、このボールがレール
内側に設けられた固定ワイヤに対して転動し、その結果
として、二つのレール部材が相対的に移動する。このと
き、各ボールに作用する荷重が等しくないと、荷重の軽
いボールが滑って各ボール間の位置関係がずれることが
ある。各ボールの位置関係がずれると、ボールが正規の
移動距離を転動する前にレール部材端部に到達してしま
い、移動ストロークが減少してしまう。これに対して、
本実施例の摺動部材8A,8Bは、円筒形のケージ全体
に転動体としてのボールが多数配列された構造のもの
で、ボールはケージに保持されており、位置がずれるこ
とはないので、このようなことは起こらない。
【0031】
【発明の効果】以上のように、本発明に係る顕微鏡のス
テージにおいては、クレンメル保持部材及び上ステージ
を移動させるための手段として、従来のラック−ピニオ
ン機構に代えて、プーリーとワイヤとの組み合わせを用
いているため、ハンドルを軽快且つ回転ムラなく操作す
ることができ、而も比較的廉価に製作することができ
る。
【0032】また、クレンメルがハンドル側に接近する
ことに伴うラックのステージからの突出もなくなり、顕
微鏡操作時にラックに手が引っ掛かることもない。この
ため、顕微鏡自体の操作性を向上させることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係る顕微鏡のステージを上方から見
た平面図である。
【図2】図1のII−II線における断面図である。
【図3】図1のIII −III 線における断面図である。
【図4】下ステージの横断面を上方から見た平面図であ
る。
【図5】図4のV−V線における断面図である。
【図6】スリーブ及び下ステージの内部構造を示す断面
図である。
【図7】上ステージの断面を上方から見た平面図であ
る。
【図8】スリーブ及び上ステージの内部構造を示す断面
図である。
【図9】各ワイヤ及び各プーリーの位置関係を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 標本 3 クレンメル保持部材 4 上ステージ 5 下ステージ 6 スリーブ 7A,7B シャフト 8A,8B,8C 摺動部材 10 ワイヤ 11 引張バネ 12 第一プーリー 13 スリーブシャフト 14 固定スリーブ 14A,14B C形リング 16 ハンドル 17A,17B シャフト 18A,18B,18C 摺動部材 19 ブロック 20 ワイヤ 21 引張バネ 22 第二プーリー 23 第三プーリー 24A,24B C形リング 26 ハンドル

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上下方向に重ねられた上ステージと下ス
    テージとからなり、前記上ステージは前記下ステージに
    対して移動可能な顕微鏡のステージにおいて、 前記上
    ステージに回転可能に取り付けられたプーリーと、 前記プーリーに一巻巻き付けられていて、張られた状態
    で両端が前記下ステージに固定されている細長い線状部
    材とを備え、 前記プーリーは前記線状部材により締め付けられてお
    り、前記プーリーを回転させることによって、前記上ス
    テージを前記下ステージに対して前記線状部材が張られ
    ている方向に移動させることができるようにしたことを
    特徴とする顕微鏡のステージ。
  2. 【請求項2】 上下方向に重ねられた上ステージと下ス
    テージとからなり、前記上ステージは前記下ステージに
    対して移動可能な顕微鏡のステージにおいて、 一端が前記下ステージに固定された細長い第一の線状部
    材と、 一端が前記第一の線状部材の他端に連結され、他端は前
    記下ステージに固定されている第一のテンション付加部
    材と、 前記上ステージに回転可能に取り付けられ、前記第一の
    線状部材が一巻巻き付けられている第一のプーリーとを
    備え、 前記第一のプーリーは前記第一のテンション付加部材の
    引張力によって常に前記第一の線状部材により締め付け
    られており、前記第一のプーリーを回転させることによ
    って、前記上ステージを前記下ステージに対して前記第
    一の線状部材が張られている方向に移動させることがで
    きるようにしたことを特徴とする顕微鏡のステージ。
  3. 【請求項3】 前記上ステージの上側には標本保持用の
    クレンメルが配置され、該クレンメルはクレンメル保持
    部材により支持されており、 一端が前記クレンメル保持部材に固定された細長い第二
    の線状部材と、 一端が前記第二の線状部材の他端に連結され、他端は前
    記クレンメル保持部材に固定されている第二のテンショ
    ン付加部材と、 前記クレンメル保持部材に対して回転可能に支持され、
    前記第二の線状部材が一巻巻き付けられている第二のプ
    ーリーとを備え、 前記第二のプーリーは前記第二のテンション付加部材の
    引張力によって常に前記第二の線状部材により締め付け
    られ、前記第二のプーリーを回転させることによって、
    前記クレンメル保持部材を前記第二の線状部材が張られ
    ている方向に移動させることができるようにしたことを
    特徴とする、請求項2に記載の顕微鏡のステージ。
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