JPH08303989A

JPH08303989A - 密閉形冷却塔

Info

Publication number: JPH08303989A
Application number: JP14802395A
Authority: JP
Inventors: Yasunori Fushimi; 保則伏見; Hiroshi Hamada; 浩濱田; Motohiro Yokota; 基広横田; Hiroyuki Negishi; 宏行根岸
Original assignee: Tokyo Electric Power Co Inc; Nippon Koei Co Ltd; Tada Electric Co Ltd
Current assignee: Nippon Koei Co Ltd; Tada Electric Co Ltd; Tokyo Electric Power Co Holdings Inc
Priority date: 1995-05-11
Filing date: 1995-05-11
Publication date: 1996-11-22

Abstract

(57)【要約】【目的】湿式冷却器を有する密閉形冷却塔の冷却効率
を高め、冷却塔の小型化、軽量化を図り、設置場所にお
ける占有面積の低減を可能にし、しかも確実、容易かつ
安価に製造できるようにする。【構成】冷却管１内を通過する冷却媒体を、散水部２
から冷却管１に散布した冷却水３および冷却用外気によ
り潜熱冷却および顕熱冷却する湿式冷却器４を密閉形冷
却塔内に形成する。冷却管１に複数枚のプレート状のフ
ィン６、６、６・・・を間隔をおいて取付ける。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は水冷式変電機器や空調等
の冷却媒体を冷却する冷却塔に関し、特に内部に湿式冷
却器を有し、しかも前記冷却媒体が大気に直接、接触せ
ずに密閉された状態で循環する、いわゆる密閉形冷却塔
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来より冷却管内を通過する冷却媒体
を、散水部から前記冷却管に散布した冷却水および冷却
用外気により潜熱冷却および顕熱冷却する湿式冷却器を
有する密閉形冷却塔が広く知られている。

【０００３】ここに従来の密閉形冷却塔における湿式冷
却器としてフィンを有さないいわゆる裸冷却管よりなる
ものが用いられており、これは扁平管をもって形成され
ている。

【０００４】また従来の密閉形冷却塔における湿式冷却
器として、図１１で示すようないわゆるローフィン冷却
管を使用しているものもあるが、これは丸管７の外周に
凹凸面８を形成し、その凹凸面８をフィンとするもので
ある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】従来の裸冷却管タイプ
のものは管を扁平にすることにより外周の面積を広げよ
うとするものであるが、所詮、フィンを有さないもので
あり、またローフィン冷却管タイプのものは、その名の
如くフィンの高さが低く、いずれも散水部からの散布水
との接触面積が小さく、冷却効率が低く、このため冷却
管の距離を大きくせざるを得ず、冷却塔が大型化し、例
えば変電所等での占有面積が大きくなり、高価格になる
という問題点があり、しかも均一な裸冷却管を正確に製
造することは、管が扁平であるだけにかなり困難であ
り、またローフィン冷却管は外周に凹凸面を形成するた
め管自体が厚肉にならざるを得ず、いずれも容易かつ安
価に製造することができない。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、冷却管内を通
過する冷却媒体を、散水部から前記冷却管に散布した冷
却水および冷却用外気により潜熱冷却および顕熱冷却す
る湿式冷却器を有する密閉形冷却塔において、前記冷却
管に複数枚のプレート状のフィンを間隔をおいて取付け
たことを特徴とするものである。

【０００７】

【作用】発熱源から送られた昇温状態の冷却媒体が冷却
管１内を通過する際、冷却管１およびフィン６に散水部
２から冷却水３を散布すると同時に外部から冷却用の大
気をも流すと、冷却管１およびフィン６に伝わった前記
冷却媒体の熱は、散布された冷却水３を介して外気に伝
わり、前記冷却媒体は散布された冷却水３の蒸発による
潜熱冷却と、冷却水３と外気の温度差による顕熱冷却に
より冷却される。

【０００８】ここに本発明では冷却管１に複数枚のプレ
ート状のフィン６、６、６・・・を間隔をおいて取付け
ているため、冷却水との接触面積が大きく、冷却媒体の
冷却効率が良い。

【０００９】

【実施例】図１で示すようにケーシング９内へ上部から
順に送風機１０、乾式冷却器１１、スプレーノズル１２
を有する散水部２、湿式冷却器４および水槽１３を設
け、湿式冷却器４の下方両側に外気取入口１４を、送風
機１０の上方へ排気口１５を設け、また図示を省略した
水冷式変電機器や空調等の発熱源から送られた冷却媒体
を配管を介して乾式冷却器１１、湿式冷却器４を経て発
熱源に戻して循環するように形成し、さらに冷却水３を
配管を介して水槽１３、ポンプ１６、散水部２を経て、
スプレーノズル１２より湿式冷却器４の冷却管１に散布
し、水槽１３に回収して循環するように形成し、また冷
却用外気を外気取入口１４より湿式冷却器４、乾式冷却
器１１を経て排気口１５より排気するように形成する。
前記構成は公知のいわゆる積上式密閉形冷却器と同じで
ある。

【００１０】ここに本実施例は前記の湿式冷却器４を構
成する冷却管１に複数枚のプレート状のフィン６、６、
６・・・を間隔をおいて取付ける。具体的には図２・３
で示すように湿式冷却器４は複数本の冷却管１、１、１
・・・を間隔をおいて縦横へ千鳥状に並設し、各冷却管
１の入口端および出口端を水室１７、１８に連通して成
り、１枚のプレート状のフィン６ごとに、並設されたす
べての冷却管１、１、１・・・を固定することにより複
数本の冷却管１、１、１・・・に複数枚のプレート状の
フィン６、６、６・・・を間隔をおいて取付け、しかも
前記フィン６、６、６・・・の間隔を密にして取付け
る。なお、水室１７は配管を介して乾式冷却器１１に連
通され、水室１８は配管を介して前述の発熱源に連通さ
れる。

【００１１】さらに具体的には各冷却管１は断面正円の
ステンレス製の丸管であり、各フィン６は銅製の矩形プ
レートである。そして各フィン６の縦横方向へ冷却管
１、１、１・・・の管数に応じた数の遊挿孔１９、１
９、１９・・・を千鳥状に間隔をおいて設ける（図
８）。一方、図８の仮想線で示すように、前記遊挿孔１
９より僅かに小径で、しかも前記遊挿孔１９、１９、１
９・・・の数に対応する数の冷却管１、１・・・の一端
を固定し、その後、各遊挿孔１９を前記小径の各冷却管
１へ外挿して複数枚のフィン６、６、６・・・を等間隔
に並設し、次に図８の実線で示すように各冷却管１を拡
管して各遊挿孔１９へ嵌着し、各冷却管１にプレート状
のフィン６、６、６・・・を取付ける。ちなみに前記拡
管は管内に管内径より僅かに大きい鋼球を強制的に通過
させることにより行なう。

【００１２】なお本実施例では縦×横×肉厚を４６０ｍ
ｍ×１４００ｍｍ×０．６ｍｍとした銅板のフィン６に
直径１６．３ｍｍの遊挿孔１９を縦、横それぞれ９ケ×
３２ケ、合計２８８ケ、しかも各遊挿孔１９、１９の中
心間距離である縦Ｌ１を４５ｍｍ、横Ｌ２を４０ｍｍに
して穿設し、各遊挿孔１９を外寸が１６ｍｍの各冷却管
１に外挿し、しかも複数枚のフィン６、６、６・・・の
間隔を密にして、例えば７ｍｍ間隔で並設し、しかる
後、各冷却管１を外寸１６．３ｍｍに拡管して固定する
ものであるが、これらの数値が冷却塔いかんにより適宜
変わるのは勿論である。なお前記のように複数枚のフィ
ン６、６、６・・・の間隔を密にした場合には、散布さ
れた冷却水３が落下しにくく、フィン６との接触時間が
大となり、このため散布水の接触量ひいては蒸発量が極
めて多くなり、より潜熱冷却効果が高まる。

【００１３】前記具体例のように冷却管１をステンレス
製とし、またフィン６を銅製とした場合、耐食性が良好
となり、各冷却管１を断面正円の丸管にし、しかも前述
のように拡管により１枚のプレート状のフィン６ごとに
すべての冷却管１、１、１・・・の固定をすれば、加工
しやすく、極めて容易かつ確実に湿式冷却器４を製造す
ることができる。なお図４〜図７は本発明の前記フィン
６を示すもので、図４の第１実施例はフィン６がフラッ
ト板で形成された、いわゆるストレートプレートより成
り、また図５・６の第２実施例はフィン６がストレート
プレートに多数個の断面コ字状の突起部分５、５、５・
・・を一体形成してそれぞれスリット２０を設けたもの
であり、さらに図７の第３実施例はフィン６が波形プレ
ートで形成されたものである。いずれのフィン６も他の
構成および材質については同じである。

【００１４】次に本発明の作用を説明すれば、発熱源か
ら送られた昇温状態の冷却媒体は図１の実線矢印で示す
ように乾式冷却器１１から配管および水室１７を介して
湿式冷却器４の各冷却管１、１、１・・・を通過し、水
室１８および配管を介して発熱源へ戻って循環をする。
一方、水槽１３内の冷却水３はポンプ１６により配管を
介して散水部２へ送水され、スプレーノズル１２により
湿式冷却器４の各冷却管１、１、１・・・およびフィン
６、６、６・・・に散布され、同時に送風機１０によっ
て吸込まれた冷却用の外気は図１の破線矢印で示すよう
に外気取入口１４よりケーシング９内へ入り、湿式冷却
器４、乾式冷却器１１を経て排気口１５より排気され
る。ここに各冷却管１、各フィン６に伝わった冷却媒体
の熱は散布された冷却水３を介してケーシング９内に取
り入れられた外気に伝わり、前記冷却媒体は散布された
冷却水３の蒸発による潜熱冷却と、冷却水３と外気の温
度差つまり顕熱変化による顕熱冷却により冷却される。
さらに乾式冷却器１１内の冷却媒体は外気により顕熱冷
却され、その後、外気は排気口１５より排気される。な
お状況いかんにより散水を停止して送風機１０による風
冷運転のみにする場合もある。

【００１５】ここに本実施例では各冷却管１、１、１・
・・に複数枚のプレート状のフィン６、６、６・・・を
間隔をおいて取付けたので、各冷却管１の表面積が大き
く、散布された冷却水の接触面積が大きいとともに接触
時間も長く、このため散布水の接触量ひいては蒸発量が
多くなり、潜熱冷却効果が大きくなる。

【００１６】なお前記実施例は本発明の一代表例を示す
ものであって、前述の趣旨に適合する範囲内で設計変更
を行うことも可能であり、湿式冷却器を有する密閉形冷
却塔であれば、例えば図９で示すように乾式冷却器のな
いものでもよく、また例えば図１０で示すような積上式
でないものであってもよい。

【００１７】ちなみに図９で示す密閉形冷却塔は乾式冷
却器がないため発熱源からの冷却媒体が配管を介して湿
式冷却器４の水室１７より各冷却管１、１、１・・・へ
入り、水室１８、配管を介して発熱源に戻って循環し、
また乾式冷却器がないため外気取入口１４から吸込まれ
た冷却用の外気は湿式冷却器４を経て排気口１４より排
気されるものであり、他の構成、作用は湿式冷却器４の
具体的構成、潜熱および顕熱冷却作用も含めて図２〜図
８の実施例と同じであり、同一部材については同一符号
を付してその詳細な説明を省略する。

【００１８】また図１０で示す密閉形冷却塔は図１のよ
うな積上式ではない、いわゆる並置式のもので、ダクト
２１を介して送風機２２に接続したケーシング９内の上
下へ散水部２、２を、各散水部２、２の斜め下に湿式冷
却器４、４を、その横に上下の乾式冷却器１１、１１を
間隔をおいて並設し、乾式冷却器１１の側方に排気口１
５を設け、発熱源から送られた冷却媒体を配管を介して
上方の乾式冷却器１１、下方の乾式冷却器１１、下方の
湿式冷却器４、上方の湿式冷却器４を経て発熱源に戻し
て循環するように形成し、またケーシング９の下方へ設
けた水槽１３内の冷却水３を水槽１３内のポンプ１６、
配管を介して散水部２、２より湿式冷却器４、４の各冷
却管１および各フィン６に散布し、水槽１３に回収して
循環するように形成し、さらに送風機２２により送られ
た冷却用外気をダクト２１より湿式冷却器４、４、乾式
冷却器１１、１１を経て排気口１５より排気するように
形成するものであり、原理的には図１の実施例と同一で
あり、また各湿式冷却器４の具体的構成は、湿式冷却器
４が縦長に設置されているため冷却管１、１、１・・・
の配列、各フィン６の縦横比が異なるが、原理的には図
２〜図８の実施例と同一であり、その詳細な説明を省略
する。

【００１９】

【発明の効果】請求項１の本発明によれば、冷却管の表
面積を従来例より大きくすることができ、冷却効果が遥
かに大きく、このため従来例より湿式冷却器を小型化ひ
いては冷却塔全体を小型化、軽量化でき、前記小型化に
より、変電所等、設置場所における占有面積の低減が可
能となり、また従来例のように冷却管を扁平にしたり、
凹凸面を形成する必要がないので、薄肉で均一な冷却管
を用いることができ、効率よく、容易に加工でき、確
実、容易かつ安価に製造することができ、しかも薄肉管
の使用可能により熱伝導効果を高めることができ、より
冷却効果を高めることができる。

【００２０】請求項２、３の本発明によれば、より容
易、迅速かつ安価に製造することができる。

【００２１】請求項４、５の本発明によればさらに放熱
面積が増大し、冷却効果が良好となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例の断面図である。

【図２】同上の要部を示す中間を省略した拡大断面図で
ある。

【図３】中間の冷却管を省略したＡ−Ａ断面図である。

【図４】本発明で用いられるフィンの第１実施例を示す
部分拡大斜視図である。

【図５】本発明で用いられるフィンの第２実施例を示す
部分拡大斜視図である。

【図６】Ｂ−Ｂ拡大断面図である。

【図７】本発明で用いられるフィンの第３実施例を示す
部分拡大斜視図である。

【図８】本発明の実施例において冷却管にフィンを取付
ける方法を示す説明図である。

【図９】本発明の他の実施例の断面図である。

【図１０】本発明の他の実施例の断面図である。

【図１１】従来の冷却管の中間を省略した断面図であ
る。

【符号の説明】

１冷却管２散水部３冷却水４湿式冷却器５突起部分６フィン

フロントページの続き (72)発明者濱田浩東京都千代田区内幸町一丁目１番３号東京電力株式会社内 (72)発明者横田基広神奈川県横浜市港北区新吉田町2940番地日本工営株式会社横浜事業所内 (72)発明者根岸宏行岡山県邑久郡邑久町下笠下488番地多田電機株式会社岡山工場内

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】冷却管内を通過する冷却媒体を、散水部
から前記冷却管に散布した冷却水および冷却用外気によ
り潜熱冷却および顕熱冷却する湿式冷却器を有する密閉
形冷却塔において、前記冷却管に複数枚のプレート状の
フィンを間隔をおいて取付けたことを特徴とする密閉形
冷却塔。
【請求項２】湿式冷却器が間隔をおいて並設された複
数本の冷却管を有し、１枚のプレート状のフィンごとに
すべての前記冷却管を固定することにより複数本の前記
冷却管に複数枚の前記プレート状のフィンを間隔をおい
て取付けたことを特徴とする請求項１の密閉形冷却塔。
【請求項３】フィンがストレートプレートであること
を特徴とする請求項１または２の密閉形冷却塔。
【請求項４】フィンがその表面に複数個の突起部分を
有するプレートであることを特徴とする請求項１または
２の密閉形冷却塔。
【請求項５】フィンが波形プレートであることを特徴
とする請求項１または２の密閉形冷却塔。