JPH08303504A - 摩擦係合装置用焼結材製摩擦板 - Google Patents
摩擦係合装置用焼結材製摩擦板Info
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- JPH08303504A JPH08303504A JP13867195A JP13867195A JPH08303504A JP H08303504 A JPH08303504 A JP H08303504A JP 13867195 A JP13867195 A JP 13867195A JP 13867195 A JP13867195 A JP 13867195A JP H08303504 A JPH08303504 A JP H08303504A
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- sintered
- friction plate
- sintered material
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 摩擦特性と機械的特性とが両立した焼結材製
摩擦板を提供する。 【構成】 焼結合金によって略円環状に形成された摩擦
係合部11の内周側にスプライン嵌合部12を備えた焼
結材製摩擦板10において、スプライン嵌合部12が焼
結合金から摩擦係合部11と半径方向で一体に形成さ
れ、かつ摩擦係合部11の気孔率が約15〜40%にさ
れるとともに、スプライン嵌合部12の気孔率が10%
以下にされている。
摩擦板を提供する。 【構成】 焼結合金によって略円環状に形成された摩擦
係合部11の内周側にスプライン嵌合部12を備えた焼
結材製摩擦板10において、スプライン嵌合部12が焼
結合金から摩擦係合部11と半径方向で一体に形成さ
れ、かつ摩擦係合部11の気孔率が約15〜40%にさ
れるとともに、スプライン嵌合部12の気孔率が10%
以下にされている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、摩擦力によってトル
クの伝達を行う摩擦板に関し、特に全体を焼結材料によ
って形成した摩擦板に関するものである。
クの伝達を行う摩擦板に関し、特に全体を焼結材料によ
って形成した摩擦板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】相対的に回転する一対の部材の間で摩擦
力によってトルクの伝達を行う摩擦板には、相対的な滑
りが不可避的に生じるから耐熱性や耐摩耗性が要求され
る。摩擦による発熱量や摩耗量は、伝達トルク容量に応
じて増大するから、伝達トルク容量の比較的小さい湿式
摩擦係合装置に使用される摩擦材としては、例えばセル
ローズに合成樹脂を含浸させて熱成形したものなどが従
来使用されている。また、伝達トルク容量が大きい場合
には、要求される耐熱性や耐摩耗性も高くなるので、焼
結金属などの焼結材料からなる摩擦材が従来採用されて
いる。
力によってトルクの伝達を行う摩擦板には、相対的な滑
りが不可避的に生じるから耐熱性や耐摩耗性が要求され
る。摩擦による発熱量や摩耗量は、伝達トルク容量に応
じて増大するから、伝達トルク容量の比較的小さい湿式
摩擦係合装置に使用される摩擦材としては、例えばセル
ローズに合成樹脂を含浸させて熱成形したものなどが従
来使用されている。また、伝達トルク容量が大きい場合
には、要求される耐熱性や耐摩耗性も高くなるので、焼
結金属などの焼結材料からなる摩擦材が従来採用されて
いる。
【0003】焼結金属からなる湿式摩擦材の一例が特開
平4−304286号公報に記載されている。この摩擦
板を図8ないし図10に基づいて説明すると、この摩擦
板は機械加工により略円環状に作製されたコアプレート
1の両面に、摩擦材となる焼結金属2が接合されて構成
されている。これらコアプレート1と焼結金属2との二
者によって構成しているのは、機械的な連結部分とトル
クを伝達する摩擦面とに要求される特性が異なっている
からである。具体的には、コアプレート1の内周部には
駆動もしくは被駆動される軸部材とスプライン嵌合する
ための歯部3が形成され、一方、焼結金属2は、図10
に示すように、焼結された金属粒子4の間に気孔5がほ
ぼ一定の割合で存在するように比較的大きい気孔率で形
成され、その気孔によって潤滑剤を保持することにより
良好な摩擦特性を発揮するようになっている。
平4−304286号公報に記載されている。この摩擦
板を図8ないし図10に基づいて説明すると、この摩擦
板は機械加工により略円環状に作製されたコアプレート
1の両面に、摩擦材となる焼結金属2が接合されて構成
されている。これらコアプレート1と焼結金属2との二
者によって構成しているのは、機械的な連結部分とトル
クを伝達する摩擦面とに要求される特性が異なっている
からである。具体的には、コアプレート1の内周部には
駆動もしくは被駆動される軸部材とスプライン嵌合する
ための歯部3が形成され、一方、焼結金属2は、図10
に示すように、焼結された金属粒子4の間に気孔5がほ
ぼ一定の割合で存在するように比較的大きい気孔率で形
成され、その気孔によって潤滑剤を保持することにより
良好な摩擦特性を発揮するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の摩擦板にお
いては、機械的な連結部分と摩擦力によってトルクを伝
達する摩擦面とに要求される特性が異なっていることに
基づき、コアプレート1に焼結金属2を貼り付けた構造
を採用しているが、このような構造であれば、摩擦面の
背後にコアプレート1が必ず存在することになるため
に、その全体としての板厚すなわち摩擦板の軸線方向の
寸法が大きくなってしまう不都合がある。
いては、機械的な連結部分と摩擦力によってトルクを伝
達する摩擦面とに要求される特性が異なっていることに
基づき、コアプレート1に焼結金属2を貼り付けた構造
を採用しているが、このような構造であれば、摩擦面の
背後にコアプレート1が必ず存在することになるため
に、その全体としての板厚すなわち摩擦板の軸線方向の
寸法が大きくなってしまう不都合がある。
【0005】このような不都合を解決するために、摩擦
板全体を焼結材料で構成することが考えられる。その場
合、摩擦面における摩擦係数のばらつきを回避し、ある
いは湿式摩擦板であれば潤滑剤を必要十分に保持させる
など、良好な摩擦特性を発揮させるために、摩擦面には
気孔を均等に存在させる必要がある。このような特性を
維持するために、摩擦板の全体を所定以上の気孔率で形
成するとすれば、せん断や曲げなどに対する機械的強度
が低下してしまい、その結果、スプライン部に許容され
る荷重が低くなるため、結局は摩擦板全体としての伝達
トルク容量が低い値に制約されてしまうおそれがある。
このような不都合を回避するためには、気孔率を低下さ
せれば良いが、このようにすると機械的強度が増大する
反面、摩擦面での気孔の割合が減少してその摩擦特性が
低下し、摩擦係数が低下したり、あるいはジャダーが発
生しやすくなり、さらには潤滑剤の供給が不十分となっ
て耐焼き付け性が低下するなどの不都合が生じる。
板全体を焼結材料で構成することが考えられる。その場
合、摩擦面における摩擦係数のばらつきを回避し、ある
いは湿式摩擦板であれば潤滑剤を必要十分に保持させる
など、良好な摩擦特性を発揮させるために、摩擦面には
気孔を均等に存在させる必要がある。このような特性を
維持するために、摩擦板の全体を所定以上の気孔率で形
成するとすれば、せん断や曲げなどに対する機械的強度
が低下してしまい、その結果、スプライン部に許容され
る荷重が低くなるため、結局は摩擦板全体としての伝達
トルク容量が低い値に制約されてしまうおそれがある。
このような不都合を回避するためには、気孔率を低下さ
せれば良いが、このようにすると機械的強度が増大する
反面、摩擦面での気孔の割合が減少してその摩擦特性が
低下し、摩擦係数が低下したり、あるいはジャダーが発
生しやすくなり、さらには潤滑剤の供給が不十分となっ
て耐焼き付け性が低下するなどの不都合が生じる。
【0006】この発明は、上記の事情を背景としてなさ
れたものであって、摩擦特性と機械的特性との両立を図
ることのできる焼結材製の摩擦板を提供することを目的
とするものである。
れたものであって、摩擦特性と機械的特性との両立を図
ることのできる焼結材製の摩擦板を提供することを目的
とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明は、軸線方向を向く少なくとも一方の面
を摩擦係合部とし、かつ外周部と内周部との少なくとも
一方にスプライン部が形成された焼結材料からなる略円
板状の摩擦係合装置用焼結材製摩擦板において、前記ス
プライン部の密度が前記摩擦係合部の密度より大きいこ
とを特徴とするものである。
めに、この発明は、軸線方向を向く少なくとも一方の面
を摩擦係合部とし、かつ外周部と内周部との少なくとも
一方にスプライン部が形成された焼結材料からなる略円
板状の摩擦係合装置用焼結材製摩擦板において、前記ス
プライン部の密度が前記摩擦係合部の密度より大きいこ
とを特徴とするものである。
【0008】
【作用】この発明の摩擦板は、その内周部あるいは外周
部のスプライン部によって、回転部材あるいは固定部材
に取り付けられ、またその状態で摩擦係合部を相手部材
に摩擦接触させることにより、トルクの伝達を行う。し
たがって、トルク伝達の際には、スプライン部に円周方
向の荷重が作用するが、このスプライン部は摩擦係合部
と同様に焼結材料によって形成されているものの、その
密度が摩擦係合部よりも高くなっていて摩擦材料が緻密
にかつ強固に結合した状態になっているから、その機械
的強度が高くなっている。これに対して、摩擦係合部は
焼結材料の密度が低く気孔率が大きくなっているから、
その摩擦特性は良好な状態に設定されている。したがっ
て、この発明の摩擦板によれば、摩擦係合部の摩擦特性
とスプライン部の機械的強度とが共に良好な状態とな
る。
部のスプライン部によって、回転部材あるいは固定部材
に取り付けられ、またその状態で摩擦係合部を相手部材
に摩擦接触させることにより、トルクの伝達を行う。し
たがって、トルク伝達の際には、スプライン部に円周方
向の荷重が作用するが、このスプライン部は摩擦係合部
と同様に焼結材料によって形成されているものの、その
密度が摩擦係合部よりも高くなっていて摩擦材料が緻密
にかつ強固に結合した状態になっているから、その機械
的強度が高くなっている。これに対して、摩擦係合部は
焼結材料の密度が低く気孔率が大きくなっているから、
その摩擦特性は良好な状態に設定されている。したがっ
て、この発明の摩擦板によれば、摩擦係合部の摩擦特性
とスプライン部の機械的強度とが共に良好な状態とな
る。
【0009】
【実施例】つぎに、この発明を図1ないし図5に示す実
施例に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例の焼
結材製摩擦板は、自動変速機用フルードなどのオイルに
よって湿潤状態に維持されて使用される湿式多板クラッ
チ(ブレーキ)を構成する摩擦板である。したがって、
この焼結材製摩擦板は、相対的に回転する相手部材と軸
線方向で摩擦接触されるとともに、軸部材等と機械的に
直結されて、前記相手部材と軸部材との間でトルクの伝
達を行うよう構成されている。
施例に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例の焼
結材製摩擦板は、自動変速機用フルードなどのオイルに
よって湿潤状態に維持されて使用される湿式多板クラッ
チ(ブレーキ)を構成する摩擦板である。したがって、
この焼結材製摩擦板は、相対的に回転する相手部材と軸
線方向で摩擦接触されるとともに、軸部材等と機械的に
直結されて、前記相手部材と軸部材との間でトルクの伝
達を行うよう構成されている。
【0010】すなわち、この焼結材製摩擦板10は、略
円環状に形成され、かつ相対的に回転する相手部材と軸
線方向で摩擦接触する部位すなわち摩擦係合部11と、
この摩擦係合部11の内周側で軸部材に機械的に連結さ
れるよう複数の歯が所定のピッチで形成されている部位
すなわちスプライン嵌合部12とを備えている。
円環状に形成され、かつ相対的に回転する相手部材と軸
線方向で摩擦接触する部位すなわち摩擦係合部11と、
この摩擦係合部11の内周側で軸部材に機械的に連結さ
れるよう複数の歯が所定のピッチで形成されている部位
すなわちスプライン嵌合部12とを備えている。
【0011】特に、この焼結材製摩擦板10では、これ
ら摩擦係合部11とスプライン嵌合部12とが、銅系の
焼結金属、例えば青銅を主体とする焼結合金によって一
体に形成されている。そして、摩擦係合部11は、その
気孔率が約15〜40%になるように、その密度が小さ
く形成されるとともに、スプライン嵌合部12は、その
気孔率が10%以下になるように、その密度が大きく形
成されている。
ら摩擦係合部11とスプライン嵌合部12とが、銅系の
焼結金属、例えば青銅を主体とする焼結合金によって一
体に形成されている。そして、摩擦係合部11は、その
気孔率が約15〜40%になるように、その密度が小さ
く形成されるとともに、スプライン嵌合部12は、その
気孔率が10%以下になるように、その密度が大きく形
成されている。
【0012】上記のように構成された焼結材製摩擦板1
0によれば、摩擦係合部11とスプライン嵌合部12と
が一体であって、スプラインを備えたコアプレートを必
要としないから、その全体を薄く形成することができ
る。そして、摩擦係合部11は焼結材料の密度がスプラ
イン嵌合部12よりも低く、焼結材料と気孔とがほぼ均
一に分散して存在しているから、安定した摩擦係数を得
ることができるなど、摩擦特性が良好になる。しかも、
湿式摩擦板として使用する場合には潤滑剤の保持供給が
良好に行われて、摩擦係数が安定することに加えて、耐
焼き付け特性が良好になる。これに対して、スプライン
嵌合部12においては、焼結材料の密度が高く気孔が少
ないから、せん断や曲げなどに対する機械的強度が高
く、大きな荷重がかかった場合であっても、折損や破断
などの損傷が生じるおそれがない。
0によれば、摩擦係合部11とスプライン嵌合部12と
が一体であって、スプラインを備えたコアプレートを必
要としないから、その全体を薄く形成することができ
る。そして、摩擦係合部11は焼結材料の密度がスプラ
イン嵌合部12よりも低く、焼結材料と気孔とがほぼ均
一に分散して存在しているから、安定した摩擦係数を得
ることができるなど、摩擦特性が良好になる。しかも、
湿式摩擦板として使用する場合には潤滑剤の保持供給が
良好に行われて、摩擦係数が安定することに加えて、耐
焼き付け特性が良好になる。これに対して、スプライン
嵌合部12においては、焼結材料の密度が高く気孔が少
ないから、せん断や曲げなどに対する機械的強度が高
く、大きな荷重がかかった場合であっても、折損や破断
などの損傷が生じるおそれがない。
【0013】つぎに、この焼結材製摩擦板10の製造方
法を説明する。例えば、図1および図2に示すように、
焼結材製摩擦板10全体をその摩擦特性が良好となる気
孔率(約15〜40%)で、かつ一定の肉厚Lにするよ
う焼結してから、スプライン嵌合部12にのみ銅溶浸を
施す。この製造方法によれば、スプライン嵌合部12の
みの密度が大きくなり、その機械的強度が増大し、一
方、銅溶浸が施されていない部分、すなわち摩擦係合部
11の密度(気孔率)は変化しないので、良好な摩擦特
性が維持される。
法を説明する。例えば、図1および図2に示すように、
焼結材製摩擦板10全体をその摩擦特性が良好となる気
孔率(約15〜40%)で、かつ一定の肉厚Lにするよ
う焼結してから、スプライン嵌合部12にのみ銅溶浸を
施す。この製造方法によれば、スプライン嵌合部12の
みの密度が大きくなり、その機械的強度が増大し、一
方、銅溶浸が施されていない部分、すなわち摩擦係合部
11の密度(気孔率)は変化しないので、良好な摩擦特
性が維持される。
【0014】また、図3ないし図5に示すように、焼結
材製摩擦板10になる青銅系の焼結体13を適宜の気孔
率で焼結する際に、スプライン嵌合部12となる部分を
摩擦係合部11となる部分より厚めにしておき、これら
摩擦係合部11とスプライン嵌合部12とを所定の肉厚
Lまで圧縮成形することもできる。すなわち、摩擦係合
部11における焼結合金の圧縮比より、スプライン嵌合
部12における焼結合金の圧縮比が大きくして、スプラ
イン嵌合部12の機械的強度を増大させている。
材製摩擦板10になる青銅系の焼結体13を適宜の気孔
率で焼結する際に、スプライン嵌合部12となる部分を
摩擦係合部11となる部分より厚めにしておき、これら
摩擦係合部11とスプライン嵌合部12とを所定の肉厚
Lまで圧縮成形することもできる。すなわち、摩擦係合
部11における焼結合金の圧縮比より、スプライン嵌合
部12における焼結合金の圧縮比が大きくして、スプラ
イン嵌合部12の機械的強度を増大させている。
【0015】特に、図4および図5のように、圧縮成形
前の焼結体13の厚さに連続した勾配を設けておけば、
圧縮成形された焼結材製摩擦板10の密度が連続的に変
化させることができる。したがって、摩擦係合部11と
スプライン嵌合部12との境界部分の強度が連続的に変
化するので、材料強度的な要因による応力集中箇所をな
くすことができる。なお、この焼結材製摩擦板10は一
体に成形されているので、形状的な要因による応力集中
の発生も防止されている。
前の焼結体13の厚さに連続した勾配を設けておけば、
圧縮成形された焼結材製摩擦板10の密度が連続的に変
化させることができる。したがって、摩擦係合部11と
スプライン嵌合部12との境界部分の強度が連続的に変
化するので、材料強度的な要因による応力集中箇所をな
くすことができる。なお、この焼結材製摩擦板10は一
体に成形されているので、形状的な要因による応力集中
の発生も防止されている。
【0016】上記説明した製造方法は、いずれも焼結工
程と強化工程との2工程を要したが、その焼結と強化と
を1工程で行うこともできる。具体的には、図6および
図7に示すような、相互に独立して上下動可能な下側圧
縮工具14a,14bと、この下側圧縮工具14a,1
4bと対向して上下動可能な上型圧縮工具15とを備え
るホットプレス装置16を用い、焼結材製摩擦板10の
スプライン嵌合部12を形成する下側圧縮工具14bの
初期位置を、焼結材製摩擦板10の摩擦係合部11を形
成する下側圧縮工具14aの初期位置をより低くした状
態で、青銅を主体とする混合粉末17を充填し、圧縮工
具14a,14b,15をそれぞれ所定の位置まで移動
させて、混合粉末17を所定の荷重で加圧するとともに
所定の熱量で加熱する。
程と強化工程との2工程を要したが、その焼結と強化と
を1工程で行うこともできる。具体的には、図6および
図7に示すような、相互に独立して上下動可能な下側圧
縮工具14a,14bと、この下側圧縮工具14a,1
4bと対向して上下動可能な上型圧縮工具15とを備え
るホットプレス装置16を用い、焼結材製摩擦板10の
スプライン嵌合部12を形成する下側圧縮工具14bの
初期位置を、焼結材製摩擦板10の摩擦係合部11を形
成する下側圧縮工具14aの初期位置をより低くした状
態で、青銅を主体とする混合粉末17を充填し、圧縮工
具14a,14b,15をそれぞれ所定の位置まで移動
させて、混合粉末17を所定の荷重で加圧するとともに
所定の熱量で加熱する。
【0017】このような製造方法によれば、焼結材製摩
擦板10の半径方向での混合粉末17の充填量と圧縮
比、すなわち焼結合金の密度を任意に設定することがで
きる。したがって、所望の伝達トルク容量および機械的
強度を備えた焼結材製摩擦板10を容易に製造すること
ができる。なお、この製造方法においては、下側圧縮工
具を更に分割することにより、焼結材製摩擦板10の密
度をその半径方向で連続的に変化させることもできる。
擦板10の半径方向での混合粉末17の充填量と圧縮
比、すなわち焼結合金の密度を任意に設定することがで
きる。したがって、所望の伝達トルク容量および機械的
強度を備えた焼結材製摩擦板10を容易に製造すること
ができる。なお、この製造方法においては、下側圧縮工
具を更に分割することにより、焼結材製摩擦板10の密
度をその半径方向で連続的に変化させることもできる。
【0018】なお、この実施例では、銅系の焼結金属に
よりほぼ一定肉厚の摩擦板を構成したが、他の焼結材
料、例えば鉄系の焼結金属により摩擦板を形成したり、
摩擦係合部11とスプライン嵌合部12とをそれぞれ別
系統の焼結材料により一体に形成することができる。当
然、摩擦係合部11とスプライン嵌合部12とを一定の
肉厚で形成する必要は特にない。
よりほぼ一定肉厚の摩擦板を構成したが、他の焼結材
料、例えば鉄系の焼結金属により摩擦板を形成したり、
摩擦係合部11とスプライン嵌合部12とをそれぞれ別
系統の焼結材料により一体に形成することができる。当
然、摩擦係合部11とスプライン嵌合部12とを一定の
肉厚で形成する必要は特にない。
【0019】さらに、この実施例では、スプライン嵌合
部12を焼結材製摩擦板10の内周側に形成したが、焼
結材製摩擦板10の外周側に形成することもできる。当
然、焼結材製摩擦板10を機械的に連結する構造は、ス
プライン嵌合に限られず、キー等による適宜な構造を採
用することができる。勿論、この構造は、湿式・乾式あ
るいは多板式・単板式にかかわらず、様々な方式の摩擦
板に好適に採用することができる。
部12を焼結材製摩擦板10の内周側に形成したが、焼
結材製摩擦板10の外周側に形成することもできる。当
然、焼結材製摩擦板10を機械的に連結する構造は、ス
プライン嵌合に限られず、キー等による適宜な構造を採
用することができる。勿論、この構造は、湿式・乾式あ
るいは多板式・単板式にかかわらず、様々な方式の摩擦
板に好適に採用することができる。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、この発明の焼結材
製摩擦板によれば、摩擦係合部とスプライン部とが焼結
材料によって一体に形成されているので、従来用いてい
たコアプレート等の部材が不要となって軸線方向の寸法
を小さくすることができ、しかも摩擦力によってトルク
を伝達する摩擦係合部は、気孔率が大きいために良好な
摩擦特性となり、これに対してスプライン部の密度が高
いためにその機械的強度を増大させることができる。し
たがって、この発明によれば、摩擦特性と機械的強度と
の要求を共に満たすことのできる一体型の焼結材製摩擦
板を得ることができる。
製摩擦板によれば、摩擦係合部とスプライン部とが焼結
材料によって一体に形成されているので、従来用いてい
たコアプレート等の部材が不要となって軸線方向の寸法
を小さくすることができ、しかも摩擦力によってトルク
を伝達する摩擦係合部は、気孔率が大きいために良好な
摩擦特性となり、これに対してスプライン部の密度が高
いためにその機械的強度を増大させることができる。し
たがって、この発明によれば、摩擦特性と機械的強度と
の要求を共に満たすことのできる一体型の焼結材製摩擦
板を得ることができる。
【図1】この発明の一実施例を模式的に示す部分正面図
である。
である。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】図1に示した摩擦板を形成する際の一形態を模
式的に示す部分断面図である。
式的に示す部分断面図である。
【図4】図3に示した例と別の形態を模式的に示す部分
断面図である。
断面図である。
【図5】図4に示した例と別の形態を模式的に示す部分
断面図である。
断面図である。
【図6】この焼結材製摩擦板を製造する装置の一例を模
式的に示す部分断面図である。
式的に示す部分断面図である。
【図7】図6に示した装置の動作を示す部分断面図であ
る。
る。
【図8】従来の摩擦板を模式的に示す部分正面図であ
る。
る。
【図9】図8のIX−IX線に沿う断面図である。
【図10】図8に示した摩擦板における焼結金属の状態
を示す概略図である。
を示す概略図である。
10 焼結材製摩擦板 11 摩擦係合部 12 スプライン嵌合部
Claims (1)
- 【請求項1】 軸線方向を向く少なくとも一方の面を摩
擦係合部とし、かつ外周部と内周部との少なくとも一方
にスプライン部が形成された焼結材料からなる略円板状
の摩擦係合装置用焼結材製摩擦板において、 前記スプライン部の密度が前記摩擦係合部の密度より大
きいことを特徴とする摩擦係合装置用焼結材製摩擦板。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13867195A JPH08303504A (ja) | 1995-05-12 | 1995-05-12 | 摩擦係合装置用焼結材製摩擦板 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13867195A JPH08303504A (ja) | 1995-05-12 | 1995-05-12 | 摩擦係合装置用焼結材製摩擦板 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08303504A true JPH08303504A (ja) | 1996-11-19 |
Family
ID=15227401
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP13867195A Pending JPH08303504A (ja) | 1995-05-12 | 1995-05-12 | 摩擦係合装置用焼結材製摩擦板 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08303504A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH1035164A (ja) * | 1996-04-25 | 1998-02-10 | Samsung Aerospace Ind Ltd | Icカード及びその製造方法 |
JP2019519667A (ja) * | 2016-04-13 | 2019-07-11 | フォルシュングスツェントルム・ユーリッヒ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング | 金属又はセラミックス構成部品の製造方法並びに構成部品 |
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1995
- 1995-05-12 JP JP13867195A patent/JPH08303504A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPH1035164A (ja) * | 1996-04-25 | 1998-02-10 | Samsung Aerospace Ind Ltd | Icカード及びその製造方法 |
JP2019519667A (ja) * | 2016-04-13 | 2019-07-11 | フォルシュングスツェントルム・ユーリッヒ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング | 金属又はセラミックス構成部品の製造方法並びに構成部品 |
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