JPH08303327A - 燃料噴射弁 - Google Patents

燃料噴射弁

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JPH08303327A
JPH08303327A JP10742095A JP10742095A JPH08303327A JP H08303327 A JPH08303327 A JP H08303327A JP 10742095 A JP10742095 A JP 10742095A JP 10742095 A JP10742095 A JP 10742095A JP H08303327 A JPH08303327 A JP H08303327A
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JP
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fuel
fuel injection
vapor
valve
injection valve
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JP10742095A
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Nobuhiko Koga
伸彦 古賀
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は燃料タンクから圧送される燃料を燃料
室内に供給する燃料噴射弁に関し、ベーパの発生に拘わ
らず良好な燃料噴射を行うことを目的とする。 【構成】シリンダヘッドに取り付けられる取り付け部を
有しており、ハウジング2内に形成された燃料通路10
をこの燃料通路10に配設されたニードル弁3で開閉す
ることにより所定量の燃料を燃焼室に噴射する燃料噴射
弁において、上記取り付け部を、燃料通路10内におい
てベーパが発生し燃料の噴射が妨害される開口面積を有
する部位の内、上記燃料通路10内における燃料の流れ
方向に対し最上流に位置する部位よりも更に上流側に配
設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は燃料噴射弁に係り、特に
燃料タンクから圧送される燃料を燃料室内に供給する燃
料噴射弁に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばコンピュータにより構成される燃
料噴射量制御装置を具備したエンジンは、シリンダヘッ
ドに設けられた燃料噴射弁を燃料噴射量制御装置により
開閉制御することにより所定の燃料を噴射する構成とさ
れている。この燃料噴射弁は電磁弁の一種であり、燃料
噴射量制御装置から供給されるデューティ信号により開
弁時間を制御されることにより、エンジンの燃料室に所
定量の燃料を噴射する構成とされている。
【0003】具体的には、燃料噴射弁はハウジングに形
成された燃料通路内にニードル弁が配設されており、こ
のニードル弁は燃料通路に形成されたガイド部に案内さ
れて燃料の流れ方向に対し上流側方向及び下流側方向に
夫々移動しうる構成となっている。また、ハウジング内
にはコイル及びニードル弁に接続されたアーマチュアが
配設されており、燃料噴射量制御装置からの信号により
コイルを励磁することによりアーマチュアが変位し、こ
れによりハウジングの端部に形成された噴口を開閉弁す
る構成とされている。
【0004】上記構成とされた燃料噴射弁をエンジンに
取り付ける一般的な構造としては、例えば実開昭58−
2363号公報に開示されたものがある。同公報に開示
された燃料噴射弁は、燃料噴射弁を構成するハウジング
の先端部近傍位置(即ち、噴口近傍位置)に取り付け部
が設けられており、従って燃料噴射弁はその先端部近傍
位置をシリンダヘッドに取り付け固定される構成とされ
ていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、シリンダヘ
ッドは燃焼室内で発生する爆発により高温となるもので
あり、よってこのシリンダヘッドに配設される燃料噴射
弁もシリンダヘッドの熱が熱伝導することにより高温と
なる。このように燃料噴射弁が高温となると、燃料噴射
弁内に形成されている燃料通路で燃料が沸騰することに
より燃料ベーパが発生する。
【0006】このように燃料通路にベーパが発生する
と、コンピュータからの指示により燃料噴射弁が開弁し
てもベーパが燃料通路を塞いだ状態となり、燃料を適正
に噴射することができず、コンピュータにより演算され
た目標燃料噴射量に対して実際に噴射される燃料量が少
なくなってしまう。
【0007】上記したように、燃料噴射弁はハウジング
に形成された燃料通路内にガイド部によりニードル弁を
移動可能に支承した構成となっている。よって、ガイド
部の形成位置においては燃料通路の断面積は小さくなっ
ている。上記のように発生したベーパは、特にこのよう
な燃料通路の断面積が小さい部位で問題となり、ベーパ
はこのような断面積が小さい部位を通過することができ
ず溜まってしまう。この溜まったベーパは燃料の正常な
流れを阻害し、従って適正な燃料噴射ができなくなる。
【0008】これに対し、従来の燃料噴射弁は前述した
ようにその先端部近傍位置をシリンダヘッドに取り付け
固定される構成とされており、この先端部近傍位置は燃
料噴射を行うために燃料通路の断面積が小さくなってお
り、更にニードル弁が支承される外部が形成された部位
である。
【0009】また、燃料噴射弁が取り付けられるシリン
ダヘッドは高温であるため、従来の燃料噴射弁のように
取り付け部が先端部近傍位置にある構成では先端部近傍
がシリンダの熱により加熱され、この部位に多量のベー
パが発生する。従って、従来の燃料噴射弁の構成では、
その先端部近傍部分に多量のベーパが発生すると共に、
発生したベーパは同じく先端部近傍の燃料通路内の断面
積の小さい位置(ガイド部の配設位置)に溜まり、燃料
噴射不良を発生し易いという問題点があった。この問題
点は、エンジンを高温再始動する時において特に重要な
問題点となる。
【0010】上記の問題点を解決する手段として、燃料
通路内の断面積を広くしていわゆるベーパ抜けをよくす
ることが考えられるが、ニードル弁のショルダ径を小さ
くして燃料通路の面積を拡大すると、開弁時におけるニ
ードル弁の動きが不安定になり、燃料噴射弁の動的特性
が悪化してしまう可能性がある。従って、噴霧特性及び
ニードル弁の動的特性を確保するためには、燃料通路の
面積は一定値以下とせざるをえない。
【0011】本発明は上記の点に鑑みてなされたもので
あり、ベーパが発生し燃料の噴射が妨害される断面積を
有する部位よりもエンジンに対する取り付け部を燃料の
流れ方向に対し上流側に配置することにより、ベーパの
発生に拘わらず良好な燃料噴射を行いうる燃料噴射弁を
提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明では、下記の手段を講じたことを特徴とするも
のである。請求項1記載の発明では、エンジン本体に取
り付けられる取り付け部を有しており、ハウジング内に
形成された燃料通路を該燃料通路に配設された弁体で開
閉することにより所定量の燃料を上記エンジン本体の燃
焼室に噴射する燃料噴射弁において、上記取り付け部
を、上記燃料通路内においてベーパが発生し上記燃料の
噴射が妨害される断面積を有する部位の内、上記燃料通
路内における燃料の流れ方向に対し最上流に位置する部
位よりも上流側に配設したことを特徴とするものであ
る。
【0013】また、請求項2記載の発明では、エンジン
本体に取り付けられる取り付け部を有しており、ハウジ
ング内に形成された燃料通路を該燃料通路に配設された
弁体で開閉することにより所定量の燃料を上記エンジン
本体の燃焼室に噴射する燃料噴射弁において、上記弁体
に、上記燃料通路内において発生したベーパを燃料噴射
に影響を及ぼさない位置に導出するベーパ抜き孔を形成
したことを特徴とするものである。
【0014】
【作用】上記の各手段は下記のように作用する。請求項
1記載の発明によれば、エンジン本体に取り付けられる
取り付け部をベーパにより燃料の噴射が妨害される断面
積を有する部位の最上流位置よりも上流側に配設したこ
とにより、エンジン本体の熱によりハウジング内にベー
パが発生しても、上記最上流位置より上流側にベーパの
通過を阻止する部位(即ち、断面積が狭い部位)がない
ため、発生したベーパを燃料通路を通り上流側に容易に
逃がすことができる。
【0015】よって、ベーパの発生に起因した燃料噴射
不良の発生を防止することができ、高温再始動時におい
ても所望量の燃料噴射を確実に行うことができる。ま
た、燃料通路の面積を広げることなく燃料噴射不良の発
生を防止することができるため、噴霧特性及び弁体の動
的特性を確保することも可能となる。
【0016】また、請求項2記載の発明によれば、燃料
通路内において発生したベーパは弁体に形成されたベー
パ抜き孔を通り燃料噴射に影響を及ぼさない位置に導出
されるため、ベーパの発生に起因した燃料噴射不良の発
生を防止することができ、高温再始動時においても所望
量の燃料噴射を確実に行うことができる。また、本発明
においても燃料通路の面積を広げることなく燃料噴射不
良の発生を防止することができるため、噴霧特性及び弁
体の動的特性を確保することが可能となる。
【0017】
【実施例】次に本発明の実施例について図面と共に説明
する。図1(図1(D)は除く)及び図2は本発明の第
1実施例である燃料噴射弁1を示している。この燃料噴
射弁1は、コンピュータにより構成される燃料噴射量制
御装置に接続され、燃料噴射量制御装置により開弁及び
閉弁を制御されることにより所定の燃料を噴射する構成
とされている。
【0018】尚、上記各図において、図1(A)は燃料
噴射弁1の断面図であり、図1(B)は燃料噴射弁1の
位置と燃料通路の断面積との関係を示しており、図1
(C)は燃料噴射弁1の位置と内部温度との関係を示し
ており、また図1(D)は比較のために従来の燃料噴射
弁の位置と内部温度との関係を示している。更に、図2
は燃料噴射弁1をエンジンに実装した状態を示してい
る。
【0019】先ず、図1(A)を用いて燃料噴射弁1の
構成について説明する。燃料噴射弁1は、大略するとハ
ウジング2,ニードル弁(弁体)3,アーマチュア4,
コイル5等により構成されている。ハウジング2は、第
1乃至第4のハウジング部6〜9を組み合わせることに
より構成されており、その内部には燃料通路10が形成
されている。燃料噴射時は、燃料タンクから供給される
燃料は図中右から左へ向け流れる。尚、以下の説明にお
いて、上記の燃料の流れ方向を基準とし、図中矢印A1
で示す方向側を下流側といい、また図中矢印A2で示す
方向側を上流側というものとする。
【0020】第1のハウジング部6は、図中矢印で示す
A1方向端部に燃料が噴射される噴孔11が形成される
と共に、この噴孔11の内側には後述するニードル弁3
の弁本体12が当接或いは離間される弁座13が形成さ
れている。第2及び第3のハウジング部7,8は、主に
燃料通路10を形成するためのものであり、第2のハウ
ジング部7の図中A1方向端部は第1のハウジング部6
に接続されると共に、図中A2方向端部は第3のハウジ
ング部8に接続されている。また、第3のハウジング部
8のA2方向端部は燃料タンクから燃料を圧送する燃料
圧送配管(図示せず)が接続される。
【0021】第4のハウジング部9は第2及び第3のハ
ウジング部7,8を覆うように配設されており、また図
2に示されるように、コイル5を燃料噴射量制御装置に
接続するためのコネクタ14が形成されている。コイル
5は第4のハウジング部9の内周部に配設されており、
またコイル5と第4のハウジング部9との間には磁性材
料により構成されるヨーク15が介装されている。よっ
て、上記コネクタ14を介してコイル5に通電が行われ
ることにより、ヨーク15には磁力が発生する構成とさ
れている。
【0022】ニードル弁3は、燃料通路10内に図中A
1,A2の双方向に移動可能な構成で配設されている。
このニードル弁3は、第1のハウジング部6に形成され
た第1のガイド部16と、第2のハウジング部6に形成
された第2のガイド部17により支承されている。
【0023】また、ニードル弁3は、そのA1方向端部
に前記した弁本体12が形成されると共に、中央の所定
位置には大径部18が形成されている。弁本体12はニ
ードル弁3がA1方向に移動することにより第1のハウ
ジング部6に形成された弁座13に当接し、またニード
ル弁3がA2方向に移動することにより弁座13から離
間する。弁本体12が弁座13に当接することにより燃
料噴射は停止され、また弁本体12が弁座13から離間
することにより燃料噴射が行われる。
【0024】また、上記の大径部18にはアーマチュア
4が配設されている。このアーマチュア4は磁性材料に
より形成されており、ニードル弁3に一体的に固定され
た構成とされている。従って、上記したコイル5に通電
が行われヨーク15に磁力が発生することにより、この
磁力によりアーマチュア4は移動付勢され、これにより
ニードル弁3も移動する構成とされている。
【0025】更に、ニードル弁3の大径部18より上流
側にはコイルスプリング19が配設されており、このコ
イルスプリング19はニードル弁3を常にA1方向(閉
弁方向)に付勢している。従って、コイル5に通電が行
われていない場合は、ニードル弁3はコイルスプリング
19の弾性力に付勢されてA1方向に移動し、弁本体1
2が弁座13に当接することにより燃料噴射は停止され
る。一方、コイル5に通電が行われヨーク15に磁力が
発生すると、ニードル弁3はコイルスプリング19の弾
性力に抗してA2方向に移動し、弁本体12は弁座13
から離間し燃料噴射が行われる。
【0026】尚、アーマチュア4により燃料通路10は
上流側通路10aと下流側通路10bに画成されるが、
アーマチュア4には上流側通路10aと下流側通路10
bとを連通する連通溝(図示せず)が形成されている。
従って、燃料タンクから供給される燃料は、この連通溝
を介して上流側通路10aから下流側通路10bへ流れ
る構成とされている。
【0027】上記構成とされた燃料噴射弁1は、図2に
示されるようにエンジンのシリンダヘッド20に取り付
け固定されるが、本実施例では燃料噴射弁1のシリンダ
ヘッド20への取り付け部22を第2のガイド部17の
形成位置よりも更に上流側に配設したことを特徴とする
ものである。尚、図2に示されるように、燃料噴射弁1
をシリンダヘッド20に取り付ける際、取り付け部22
にはエアシール及びエンジン振動及び熱が燃料噴射弁1
に伝達するのを防止する点からインシュレータ21が配
設されている。
【0028】以下、この燃料噴射弁1のシリンダヘッド
20に対する取り付け位置について以下説明する。先
ず、図1(B)を用いて燃料噴射弁1の内部に形成され
た燃料通路10の断面積について考察する。図1(B)
は、縦軸に燃料通路10の断面積を取り、また横軸に燃
料噴射弁1のA1,A2方向の位置を示している。ま
た、図1(A)と図1(B)とは、燃料噴射弁1のA
1,A2方向の位置が共に等しくなるよう(対応するよ
う)記載している。
【0029】図1(B)に示されるように、燃料通路1
0の断面積は各位置において異なった断面積を有してい
る。具体的には、噴孔11近傍において燃料通路10の
断面積は小さく、この噴孔11位置よりA2方向に向か
うに従い徐々に断面積は大きくなるが、第1のガイド部
16の配設位置(Lcで示す位置)において燃料通路1
0の断面積は再び小さくなっている。更にLc位置より
A2方向に向かうと、再び燃料通路10の断面積は大き
くなるが、第2のガイド部17の配設位置(Laで示す
位置)において燃料通路10の断面積はまた小さくな
る。更にLa位置よりA2方向に向かうと、燃料通路1
0の断面積は略一定の断面積となる。
【0030】ここで、燃料通路10の断面積と燃料噴射
弁1の内部に発生するベーパとの関係について説明す
る。前記したように、燃料が沸騰することにより発生す
るベーパは、断面積の小さい部位においては通過するこ
とができず溜まる特性を有している(以下、この特性を
ベーパ引っ掛かりという)。図(B)において、Saで
示すのは、このベーパ引っ掛かりが発生する断面積を示
している。
【0031】従って、燃料通路10の断面積がSa以下
となった時にベーパ引っ掛かりが発生するおそれがあ
る。具体的には、図1(B)に示す例では、噴孔11の
形成位置、第1のガイド部16の形成位置Lc,及び第
2のガイド部17の形成位置Laにおいてベーパ引っ掛
かりが発生するおそれがある。
【0032】また、燃料噴射弁1のシリンダヘッド20
への配設位置とベーパとの関係について図1(C),
(D)より考察する。図1(C)は本実施例に係る燃料
噴射弁1の特性を示しており、第2のガイド部17の配
設位置Laよりも若干上流側の位置(Lbで示す位置)
にシリンダヘッド20に対する取り付け部22を設けた
場合の特性である。また、図1(D)は従来の燃料噴射
弁の特性を示しており、第1のガイド部16の配設位置
Lcの配設位置にシリンダヘッド20に対する取り付け
部を設けた場合の特性である。
【0033】図1(C)及び(D)から明らかなよう
に、燃料噴射弁1はシリンダヘッド20に取り付けられ
た部位において最も温度が高くなっている(Tp1,T
p2)。よって、本実施例に係る燃料噴射弁1では第2
のガイド部17の配設位置Laよりも若干上流側位置L
bで最もベーパが発生し、また従来の燃料噴射弁では第
1のガイド部16の配設位置Lcで最もベーパが発生す
るものと考えられる。
【0034】ここで、発生したベーパの燃料噴射弁内に
おける挙動について説明する。燃料噴射弁内で発生した
ベーパは、燃料通路10内に燃料の流れがない場合(即
ち、閉弁状態)においては、燃料に対してベーパの比重
は小さいため上流側に移動しようとする。
【0035】しかるに、従来のように第1のガイド部1
6の配設位置Lcにおいて燃料噴射弁がシリンダヘッド
20に取り付けられ、よってこの配設位置Lcにおいて
最もベーパが発生する構成では、ベーパが上流側に移動
しても断面積の小さな第2のガイド部17の配設位置L
aにおいてベーパの上流側への移動は妨げられてしまう
(図1(B)参照)。
【0036】従って、従来のように第1のガイド部16
の配設位置Lcにおいて燃料噴射弁をシリンダヘッド2
0に取り付ける構成では、ベーパが第2のガイド部17
の配設位置Laに溜まってしまい、燃料噴射時にこの位
置Laに溜まったベーパは燃料の流れを妨害し適正な燃
料噴射を行えなくなる。
【0037】これに対し、本実施例の燃料噴射弁1は、
第2のガイド部17の配設位置Laよりも若干上流側位
置Lbにシリンダヘッド20に対する取り付け部22を
設けた構成とされている。換言すれば、シリンダヘッド
20に取り付けられる取り付け部22をベーパにより燃
料の噴射が妨害される断面積を有する部位の最上流位置
(第2のガイド部17の形成位置La)よりも上流側に
配設した構成とされている。
【0038】この構成とすることにより、シリンダヘッ
ド20の熱により燃料噴射弁1(ハウジング2)内にベ
ーパが発生しても、この最上流位置Laより上流側には
ベーパの通過を阻止する断面積が狭い部位がないため
(図1(B)参照)、発生したベーパは燃料通路10を
通り上流側に円滑に移動し、よって燃料噴射弁1から外
部に逃がすことができる。
【0039】従って、上記のように燃料噴射弁1のシリ
ンダヘッド20に取り付けられる取り付け部22を、ベ
ーパにより燃料の噴射が妨害される断面積を有する部位
の最上流位置よりも上流側に配設することにより、ベー
パの発生に起因した燃料噴射不良の発生を防止すること
ができ、高温再始動時においても所望量の燃料噴射を確
実に行うことができる。
【0040】また上記説明から明らかなように、本実施
例の構成では、燃料通路10の面積を広げることなく、
単に燃料噴射弁1のシリンダヘッド20に対する取り付
け位置を変更するだけで燃料噴射不良の発生を防止する
ことができるため、燃料噴射弁1の構成の複雑化を伴う
ことなく噴霧特性及び弁体の動的特性を確保することが
可能となる。
【0041】続いて、本発明の第2実施例について説明
する。図3は本発明の第2実施例に係る燃料噴射弁30
を示している。尚、同図において図1及び図2に示した
第1実施例に係る燃料噴射弁1と同一構成については同
一符号を附してその説明を省略する。
【0042】本実施例に係る燃料噴射弁30は、ニード
ル弁31に燃料通路10内において発生したベーパを燃
料噴射に影響を及ぼさない位置に導出するベーパ抜き孔
32を形成したことを特徴とするものである。このベー
パ抜き孔32は、ニードル弁31の略中央位置にその長
手方向に沿って形成されており、図中A1方向端部は折
曲して燃料通路10に開口している(開口部を参照符号
32aで示す)。また、ベーパ抜き孔32のA2方向端
部(図に現れず)は、例えば余剰燃料を燃料タンクに還
流させるリターン配管に接続されている。
【0043】更に、ベーパ抜き孔32の開口部32a
は、燃料噴射弁30の内部において最もベーパが発生し
易い部位(シリンダヘッド20への取り付け位置)にお
いて燃料通路10に開口するよう構成されている。従っ
て、燃料噴射弁30を上記構成とすることにより、燃料
通路10内において発生したベーパはニードル弁31に
形成されたベーパ抜き孔32を通り燃料噴射に影響を及
ぼさない位置(例えばリターン配管)に導出されるた
め、ベーパの発生に起因した燃料噴射不良の発生を防止
することができ、高温再始動時においても所望量の燃料
噴射を確実に行うことができる。また、本実施例におい
ても燃料通路の面積を広げることなく燃料噴射不良の発
生を防止することができるため、噴霧特性及び弁体の動
的特性を確保することが可能となる。
【0044】また、本実施例では燃料噴射弁30の取り
付け部が限定されないため、燃料噴射弁30のシリンダ
ヘッド20に対する取り付けを自由度をもって設定でき
るため、エンジン設計の容易化を図ることができる。
【0045】
【発明の効果】上述の如く本発明によれば下記の種々の
効果を実現することができる。請求項1記載の発明によ
れば、エンジン本体の熱によりハウジング内にベーパが
発生しても、ベーバの流れが妨げられる最上流位置より
上流側にベーパの通過を阻止する部位がないため、発生
したベーパを燃料通路を通り上流側に容易に逃がすこと
ができ、よってベーパの発生に起因した燃料噴射不良の
発生を防止することができ、高温再始動時においても所
望量の燃料噴射を確実に行うことができる。また、燃料
通路の面積を広げることなく燃料噴射不良の発生を防止
することができるため、噴霧特性及び弁体の動的特性を
確保することも可能となる。
【0046】また、請求項2記載の発明によれば、燃料
通路内において発生したベーパは弁体に形成されたベー
パ抜き孔を通り燃料噴射に影響を及ぼさない位置に導出
されけるため、ベーパの発生に起因した燃料噴射不良の
発生を防止することができ、高温再始動時においても所
望量の燃料噴射を確実に行うことができる。また、本発
明においても燃料通路の面積を広げることなく燃料噴射
不良の発生を防止することができるため、噴霧特性及び
弁体の動的特性を確保することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例である燃料噴射弁を示して
おり、図1(A)は燃料噴射弁1の断面図,図1(B)
は燃料噴射弁の位置と燃料通路の断面積との関係を示す
図,図1(C)は燃料噴射弁の位置と内部温度との関係
を示す図,図1(D)は比較のために従来の燃料噴射弁
の位置と内部温度との関係を示す図である。
【図2】本発明の第1実施例である燃料噴射弁をエンジ
ンに実装した状態を示す図である。
【図3】本発明の第2実施例である燃料噴射弁を示す断
面図である。
【符号の説明】
1,30 燃料噴射弁 2 ハウジング 3,31 ニードル弁 4 アーマチュア 5 コイル 10 燃料通路 11 噴孔 12 弁本体 14 コネクタ 15 ヨーク 16 第1のガイド部 16 第2のガイド部 19 コイルスプリング 20 シリンダヘッド 22 取り付け部 32 ベーパ抜き孔

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン本体に取り付けられる取り付け
    部を有しており、ハウジング内に形成された燃料通路を
    該燃料通路に配設された弁体で開閉することにより所定
    量の燃料を上記エンジン本体の燃焼室に噴射する燃料噴
    射弁において、 上記取り付け部を、上記燃料通路内においてベーパが発
    生し上記燃料の噴射が妨害される断面積を有する部位の
    内、上記燃料通路内における燃料の流れ方向に対し最上
    流に位置する部位よりも上流側に配設したことを特徴と
    する燃料噴射弁。
  2. 【請求項2】 エンジン本体に取り付けられる取り付け
    部を有しており、ハウジング内に形成された燃料通路を
    該燃料通路に配設された弁体で開閉することにより所定
    量の燃料を上記エンジン本体の燃焼室に噴射する燃料噴
    射弁において、 上記弁体に、上記燃料通路内において発生したベーパを
    燃料噴射に影響を及ぼさない位置に導出するベーパ抜き
    孔を形成したことを特徴とする燃料噴射弁。
JP10742095A 1995-05-01 1995-05-01 燃料噴射弁 Pending JPH08303327A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6601786B2 (en) 2000-05-12 2003-08-05 Denso Corporation Fuel injection valve

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