JPH08302689A - 地下外壁躯体の構築工法 - Google Patents

地下外壁躯体の構築工法

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Publication number
JPH08302689A
JPH08302689A JP11085095A JP11085095A JPH08302689A JP H08302689 A JPH08302689 A JP H08302689A JP 11085095 A JP11085095 A JP 11085095A JP 11085095 A JP11085095 A JP 11085095A JP H08302689 A JPH08302689 A JP H08302689A
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JP
Japan
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wall
abdomen
retaining wall
concrete
earth
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Application number
JP11085095A
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English (en)
Inventor
Hirotoshi Ikeda
宏俊 池田
Masaru Nakano
優 中野
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Taisei Corp
Original Assignee
Taisei Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 腹起こしを撤去せずに外壁躯体の一部とする
ことより、外壁躯体を短時間で効率良く構築する。 【構成】 山留め壁1の水平方向に間隔をあけて孔2を
下方斜めに穿設し、これを貫通して地盤内部までアース
アンカ3を打ち込む。次いで、山留め壁1の壁面に荷重
受けアンカー筋6を溶接等により接合し、さらに先組み
されたユニット配筋9を設置し、このユニット配筋9内
のアースアンカ3を囲んで筒状のアンカースリーブ10
を配筋内に設置する。さらに、ユニット配筋9の上下方
向に所定間隔をあけて壁縦筋11を挿通して接合する。
次に、そのユニット配筋9の掘削側正面に型枠12を設
置し、型枠12内部にコンクリートを打設してこれを硬
化させることにより腹起こし14を構築する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、山留め工法における
地下外壁躯体の構築工法に関するものであり、特に、腹
起こしを撤去することなく、外壁躯体を構築することが
できる地下外壁躯体の構築工法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の山留め壁オープンカット工法によ
る地下外壁躯体の構築工法としては、図8に示すよう
に、先ず、地下構造物の構築位置の周囲に山留め壁1を
打ち込んで、その山留め壁1内側の地盤を所定深度まで
掘削し、その掘削側の山留め壁の水平方向の複数箇所に
孔を穿設し、その孔から地盤内まで斜め下方に向かって
アースアンカ3を打ち込み、そこから突出しているアー
スアンカ3の上下に仮設ブラケット20を設置する。
【0003】そして、仮設ブラケット20の上にH型鋼
でなる腹起こし部材30を載せ、その背面の山留め壁1
との隙間をグラウトしてこれを固定する。さらに、上下
に並設された腹起こし部材30を架橋するように2枚の
三角金物15を前記アースアンカ3の両側で挟んで設置
し、アースアンカ3をアンカーヘッド17で締結するこ
とにより、アースアンカ3を緊結固定する。
【0004】なお、山留め壁1の壁面にかかる地盤の土
圧が大きい部分には、腹起こし部材30を複数並設して
アースアンカ3の土圧に対する抵抗力を強化する。そし
て、上記と同じように所定深度まで掘削して腹起こしの
設置を繰り返し、構築される地下構造物の最下位置まで
腹起こしの設置が完了したら、その下部に配される最下
階の床等の躯体を構築する。
【0005】さらに、前記床縁部から立ち上がって最下
深度に構築された腹起こしまでの外壁躯体を構築する。
その後に、最下深度の腹起こしを撤去し、さらにその上
に設置された腹起こしまでの外壁躯体を構築する。以
下、同様の方法によって、上方に向かって外壁躯体の構
築及び腹起こしの撤去を繰り返すことにより地下外壁躯
体全体を構築する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
地下外壁躯体の構築工法においては、山留め壁面に設置
された腹起こしと、外壁躯体とが相互に干渉するため
に、先に設置された腹起こしを撤去しなければ外壁躯体
を構築することができないという不具合がある。また、
上下方向に複数設けられた腹起こしは山留め壁にかかる
土圧を支承しているために、これら全てを同時に撤去す
ることができず、下から構築された外壁等の躯体が強度
を発現した後にその位置の腹起こしを撤去していた。
【0007】このため、外壁躯体の構築作業と腹起こし
の撤去作業とを交互に繰り返し行うことになり、工程が
増大して作業効率が非常に悪くなっていた。また、山留
め壁にかかる土圧の大きい部位は、設置された腹起こし
間のピッチが狭くなり、さらに作業が煩雑になってい
た。この発明は、これらの問題を解決することを目的と
し、腹起こしを撤去せずに外壁躯体の一部とすることよ
り、外壁躯体を短時間で効率良く構築することができる
地下外壁躯体の構築工法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明の地下外壁躯体の構築工法は、山留め壁を
地盤内に打ち込み、前記山留め壁内側の地盤を所定深度
まで掘削する。その後に、アースアンカを、前記山留め
壁から地盤内まで、掘削側にその後端部を突出させるよ
うにして打ち込む工程と、アンカースリーブを、前記ア
ースアンカの突出部分を囲むようして設置する工程と、
前記山留め壁に沿って腹起こし用の配筋を行い、コンク
リートを打設することにより腹起こしを構築する工程
と、この腹起こしから掘削側に突出している前記アース
アンカを前記腹起こしに緊結する工程とを、順次または
適当な順序で、構築される地下構造物の最下深度まで繰
り返し行う。
【0009】その後に、上方に向かって隣合う前記腹起
こし間に外壁躯体用の配筋を行いコンクリートを打設
し、前記腹起こしに緊結された前記アースアンカを撤去
して、そこに生じた空間をグラウトすることを特徴とし
ている。また、上述の工法で構築された腹起こしをプレ
キャストコンクリートとする工法としては、先ず山留め
壁を地盤内に打ち込み、前記山留め壁内側の地盤を所定
深度まで掘削する。
【0010】その後に、前記山留め壁に沿ってプレキャ
ストコンクリートでなる腹起こしを設置する工程と、前
記腹起こし内部に設けられたアンカースリーブの挿入口
から地盤内までアースアンカを打ち込む工程と、この腹
起こしから掘削側に突出している前記アースアンカを前
記腹起こしに緊結する工程とを、順次または適当な順序
で、構築される地下構造物の最下深度まで繰り返し行
う。
【0011】その後に、上方に向かって前記腹起こし間
の外壁躯体用の配筋を行いコンクリートを打設し、さら
に前記腹起こしに緊結された前記アースアンカを撤去し
て、そこに生じた空間をグラウトすることを特徴として
いる。また、山留め壁にかかる土圧を切梁で支承して外
壁を構築する工法としては、上記工法と同じように、山
留め壁を地盤内に打ち込み、前記山留め壁内側の地盤を
所定深度まで掘削する。
【0012】その後に、前記山留め壁に沿って腹起こし
用の配筋を行いコンクリートを打設することにより腹起
こしを構築する。次いで対向する前記腹起こし間に介在
して切梁を設置し、前記工程を、構築される地下構造物
の最下深度まで繰り返し行う。その後に、上方に向かっ
て隣合う前記腹起こし間に外壁躯体用の配筋を行い、そ
こにコンクリートを打設し、その後に、切梁を一括して
撤去することを特徴としている。
【0013】さらに、この腹起こしをプレキャストコン
クリートとする方法としては、上記と同様に山留め壁を
施工し、その後に、前記山留め壁に沿ってプレキャスト
コンクリートでなる腹起こしを設置する。次いで対向す
る前記腹起こし間に介在して切梁を設置し、前記工程
を、構築される地下構造物の最下深度まで繰り返し行
い、その後に、上方に向かって隣合う前記腹起こし間に
外壁躯体用の配筋を行いコンクリートを打設して、その
後に、切梁を一括して撤去することができる。
【0014】
【作用】この発明の地下外壁躯体の構築工法のうち、請
求項1に記載の方法によれば、アースアンカの山留め壁
からの突出部分を囲むようにアンカースリーブを設置し
て前記山留め壁に沿って腹起こし用の配筋を行い、コン
クリートを打設することにより腹起こしが構築される。
さらに、構築された腹起こしは、外壁躯体を構築する際
にその撤去作業を不要とし、本設外壁躯体の一部とな
る。
【0015】また、腹起こしの配筋内部にアンカースリ
ーブを装着することにより、アースアンカの設置及び撤
去作業を容易に行うことができる。一方、前記アンカー
スリーブの挿入口から前記山留め壁を貫通して地盤内ま
でアースアンカを挿入し、これに緊結して地盤内に定着
させることにより、山留め壁の変形を抑えることができ
る。
【0016】また、最下階の床等の躯体を構築したあと
に、上方に向かって隣合う前記腹起こし間に外壁躯体の
配筋を行い、コンクリートを打設することにより外壁を
連続的に構築し、これにより、躯体の構造強度が次第に
高められる。さらに、下から連続して構築された外壁躯
体はアースアンカを撤去しても、山留め壁から受ける土
圧を対向して支持することができる。
【0017】そして、アースアンカが撤去された空間を
グラウトして、アンカースリーブを埋没させる。また、
請求項2に記載の方法によれば、上記のように構築され
た腹起こしを、プレキャストコンクリートによって工場
製作することにより、現場での腹起こしの構築作業が不
要となり設置作業のみとすることができる。
【0018】そして、この腹起こしから縦筋等の接合用
鉄筋を突出させることにより、隣接する腹起こし間の配
筋作業において、対向して腹起こしから突出する縦筋間
を溶接等により連結すれば位置決め作業等を行うことな
く設置でき、これにより、配筋作業を簡略化する。さら
に、腹起こし内部にアンカースリーブを備えることによ
り、アースアンカの設置作業を簡略化する。
【0019】一方、請求項3または請求項4に記載の方
法によれば、対向する前記腹起こし間に介在して切梁を
設置することにより、腹起こしが受ける土圧を切梁によ
って支承する。そして、腹起こしが外壁躯体の一部とな
るために、前記切梁を架設した状態で外壁躯体全体の構
築を行い、その後に、一括して切梁の撤去作業を行うこ
とができる。
【0020】
【実施例】以下、この発明の実施例を図面に基づいて説
明する。この外壁躯体の構築工法は、建築物における地
下構造物を構築するためのオープンカット工法である。
先ず、この発明の第一実施例について説明する。
【0021】図1に示すように、従来と同様の方法によ
って、地下構造物を構築する場所の周囲に山留め壁1を
地盤内部に打ち込み、前記山留め壁1に囲まれた地盤
を、山留め壁1にかかる地盤の土圧により変形しない程
度の深度まで掘削する。次に、掘削側の山留め壁1の水
平方向に所定間隔をおいて孔2を斜め下方に穿設し、そ
の後に、この孔2を貫通して地盤内部までアースアンカ
3を打ち込んで設置する。
【0022】そして、掘設された地下空間の床面上の山
留め壁1に隣接する位置に、水平基準を出すためのレベ
ルコンクリート4を打設して、この上面全体に、薄板状
の鋼板等の縁切り材5を敷設する。次いで、この縁切り
材5の上部の山留め壁1の壁面に荷重受けアンカー筋6
を溶接等により接合する。
【0023】この荷重受けアンカー筋6は鉄鋼製の丸棒
であり、先端部に鉤部が設けられている。(丸棒の代わ
りに、鋼棒の束でもよい)次に、壁横筋7,フープ筋8
等が先組みされたユニット配筋9を前記縁切り材5の上
面に吊り込み設置する。このとき、山留め壁1から突出
されたアースアンカ3及び荷重受けアンカー筋6をこの
ユニット配筋9の内部に入れて設置する。
【0024】そして、このアースアンカ3を囲んで、筒
状のアンカースリーブ10をユニット配筋9内部に設置
する。さらに、このユニット配筋9の上下方向に所定間
隔をおいて壁縦筋11をこのユニット配筋9の上下面か
ら突出するようにして挿通し、ユニット配筋9に溶接接
合することによりこれを固定する。
【0025】このとき、ユニット配筋9下側から突出す
る壁縦筋11は前記縁切り材5及びレベルコンクリート
4に孔を穿設し、その孔を貫通して地盤内部まで挿入さ
れている。次に、このユニット配筋9の掘削側正面に型
枠12を設置し、この型枠12の位置保持のためにセパ
レータ13を取り付けて固定する。
【0026】そして、その型枠12内にコンクリートを
打設して硬化させることにより、腹起こし14を構築す
る。(レベルコンクリート4の代わりに、通常の型枠で
底を作ってもよい)次に、図2に示すように、設置され
た型枠12を撤去し、撤去された腹起こし14の垂直面
から突出しているアースアンカ3を左右で挟持するよう
に三角金物15を設置する。このとき、三角金物15の
底面を腹起こし14の垂直面に当接し、さらに、上側の
三角金物15の鋭角部に設けられた鉤状の突起15aを
腹起こし14の角部に係止して設置する。
【0027】このとき、三角金物15の上側の斜辺の角
度は、突出しているアースアンカ3の角度に直交する角
度に設定されている。そして、アースアンカ3に座金1
6を三角金物15の斜面まで通し、さらにアースアンカ
3にアンカーヘッド17を螺合して、その上側の斜面を
支持面としてこれを締結することによりアースアンカ3
を緊結保持する。
【0028】次に、所定深度まで掘削して、腹起こし1
4の底部に取り付けられている縁切り材5及びレベルコ
ンクリート4を撤去する。以下、上記と同じ方法によっ
て、構築される地下構造物の最下深度に達するまで繰り
返し腹起こし14の構築及びアースアンカ3の設置を行
う。そして、図3に示すように、最下深度に達したら、
その下側に配される最下階の床躯体18及びその縁部か
ら立ち上がって最下位置に構築された腹起こし14の高
さまでの外壁躯体19の配筋を行い、そこに型枠12を
設置してコンクリートを打設し最下階の本設躯体を先行
構築する。
【0029】その後に、図4に示すように、最下深度に
構築された腹起こし14のアンカースリーブ10の内部
に設置されたアースアンカ3及び、三角金物15を撤去
し、その撤去されたアンカースリーブ10内部をグラウ
トする。次に、その腹起こし14と上部の隣合う腹起こ
し14までの外壁躯体19用の配筋を行うが、このと
き、上下の腹起こし14・14から突出する壁縦筋11
をガス圧接等により継ぎ手して連結する。
【0030】さらに、その他の壁横筋7等の配筋を行っ
た後に上下の腹起こし14・14を架橋して、型枠12
をセパレータ13によって固定し、その型枠12に設け
られた孔から、コンクリートを型枠12内に圧入打設す
る。そして、コンクリートが硬化したら、型枠12を撤
去し、以下、同様の方法によって、最上部の腹起こし1
4に達するまで、外壁躯体19の構築及びアンカースリ
ーブ10の撤去を行うことにより外壁躯体19全体を構
築する。
【0031】上記のような構築方法においては、腹起こ
し14は、外壁躯体19を構築する際にその撤去作業を
不要とし、その内部に設けられた補強筋等によって剛性
の高い構造となり、これにより、本設外壁躯体19の一
部をなす。このため、従来のようにH型鋼等でなる仮設
の腹起こし部材を不要として、その材料費を大幅に削減
することができる。
【0032】また、腹起こし14の構築位置にレベルコ
ンクリート4を打設することにより水平面上に腹起こし
14を構築することができる。さらにレベルコンクリー
ト4と腹起こし14との間を仕切るように配された縁切
り材5は、構築された腹起こし14が、レベルコンクリ
ート4と接合するのを防止し構築後速やかに、撤去する
ことができる。
【0033】また、山留め壁1の壁面に接合された荷重
受けアンカー筋が、腹起こし14と山留め壁1との接合
性を高める。一方、腹起こし14の配筋を、ユニット配
筋9とすることにより、現場での煩雑な配筋作業を不要
とし、さらに配筋内にアンカースリーブ10を装着する
ことにより、アースアンカ3の設置作業を簡略化し、さ
らに撤去時においても打設されたコンクリートを損傷す
ることなく、容易に撤去できる。
【0034】さらに、この腹起こし14から縦筋11を
突出させることにより、隣合う腹起こし14・14間の
配筋作業において、これらの間に配される縦筋11の位
置決め作業等を行うことなく対向して腹起こし14から
突出する縦筋11・11間を溶接等により連結するだけ
で設置できる。また、三角金物15の斜面がアースアン
カ3の軸方向と直交して緊結力を保持し、この緊結力を
三角金物15の斜面から底面まで伝達し、さらに腹起こ
し14の垂直面の広範囲に伝達することにより、腹起こ
し14に局部荷重がかかってクラック等が発生するのを
防止する。
【0035】なお、この実施例においては、腹起こし1
4用の鉄筋をユニット配筋9としているが、これ以外に
現場にて配筋作業を行うこともできる。さらに、この実
施例において、腹起こし14の構築及びアースアンカ3
を緊結する工程は、必ずしも上述の順序に限られるもの
ではなく、適宜、順序を変えて行うこともできる。
【0036】次に、この発明の第二実施例について説明
する。これは、前述の第一実施例において、現場にて構
築された腹起こし14をプレキャストコンクリートとす
る工法であり、同じ構成についての説明は省略する。図
5に示すように、この腹起こし14は、コンクリート柱
状体でなり、この内部の角部近傍には壁横筋7が配さ
れ、これら壁横筋7を囲繞するようにフープ筋8が軸方
向に等間隔で配設されている。そして、腹起こし14内
部を貫通して上下面から、壁縦筋11が突出してある。
さらに、腹起こし14の左右の側面を斜めに貫通するよ
うに、その軸方向に等間隔をおいてアンカースリーブ1
0が埋設してある。
【0037】図6に示すように、上記のように製作され
た腹起こし14を山留め壁1の壁面に接合された仮設ブ
ラケット20の上に吊り込み設置して、設置された腹起
こし14の背面と、山留め壁1との隙間をグラウトする
ことによりこれを固定する。次に、腹起こし14内部に
設けてあるアンカースリーブ10の挿入口からアースア
ンカ3を山留め壁1の内部の地盤内まで打ち込む。さら
に、三角金物15を用いてアースアンカ3を緊結し、以
下、前述と同様の方法によって外壁躯体19全体を構築
する。
【0038】このような構築方法においては、上記作用
効果を奏する以外に、現場での腹起こし14の配筋、型
枠12の設置、コンクリート打設等の構築作業及びそれ
に付帯して行われるレベルコンクリート4や縁切り材5
板等の施工が不要となり、その設置作業のみとすること
ができる。さらに、この腹起こし14から壁縦筋11を
接合用鉄筋として突出させることにより、隣接する腹起
こし14・14間の配筋作業において、位置決め作業等
を行うことなく対向して突出する壁縦筋11・11間を
溶接等により連結して設置できる。
【0039】なお、この実施例における腹起こし14
は、縦筋11を内部に貫通させて、その上下面から突出
してあるが、これ以外に、腹起こし14内部に縦筋11
挿通用の筒状の縦スリーブを埋設したものを用いれば、
現場での配筋作業において、上下方向に複数並設された
腹起こし14の縦スリーブに縦筋11を連続して貫通す
ることができ、継ぎ手作業を省略して外壁躯体全体の構
造強度を増大させることができる。
【0040】さらに、この実施例において、腹起こし1
4の設置及びアースアンカ3を緊結する工程は、必ずし
も上述の順序に限られるものではなく、適宜、順序を変
えて行うこともできる。さらに、この発明の第三実施例
について説明する。これは、前述の第一及び第二実施例
において、腹起こし14から地盤内まで緊結して設置さ
れるアースアンカ3に代えて切梁21を用いるものであ
り、所定位置に設けられた縁切り材5の上で、山留め壁
1に隣接して壁横筋7、フープ筋8、壁縦筋11等の配
筋を行った後に型枠12を設置して、その型枠12内に
コンクリートを打設することにより腹起こし14を構築
する。
【0041】次に、図7に示すように、対向する前記腹
起こし14・14間を介在するように、形鋼でなる切梁
21を設置することにより山留め壁1にかかる土圧を支
承する。以下、最下深度まで前記腹起こし14及び前記
切梁21の設置を行い、最下階の床躯体18を構築す
る。そして、前記切梁21を設置した状態で最下深度か
ら上方に向かって、隣合う前記腹起こし14・14間に
外壁躯体19用の配筋を行い、コンクリートを打設する
ことにより地下部分の外壁躯体19全体を構築し、次い
で、一階部分の床躯体18等を構築する。
【0042】これにより、一階及び最下階の床躯体18
と、外壁躯体19全体が構築されることになり、山留め
壁1から受ける土圧に耐え得る構造強度が発現される。
これにより、全ての切梁21を一括して解体撤去するこ
とができる。さらに、切梁21が外壁躯体19に加わる
土圧を支承した状態で最上階までの外壁躯体19を構築
することができ、外壁躯体19の下側隅部に従来構築さ
れていた仮設バットレスを不要とすることができる。
【0043】なお、この実施例においては、腹起こし1
4を現場にて配筋及びコンクリート打設することにより
構築していたが、前述の第二実施例と同様にこれをプレ
キャストコンクリートとして製作することにより、現場
においては設置作業のみとすることができ、作業の簡略
化及び施工時間の短縮を図ることもできる。
【0044】
【発明の効果】以上、説明したように、この発明の地下
外壁躯体の構築工法によれば、構築または設置された腹
起こしは本設外壁躯体の一部となり、その撤去作業を不
要とすることにより、作業能率の向上を図ることができ
る。さらに、最下階から順次行われる腹起こし間の外壁
躯体の構築作業を、腹起こしの撤去作業によって中断す
ることなく連続して行うことができるので作業時間が大
幅に短縮される。さらに、仮設の腹起こしを不要とする
ので鋼材等の材料費を削減することもできる。
【0045】また、腹起こしをプレキャストコンクリー
トとして工場製作とすることにより腹起こしの品質が安
定して確保され、しかも、現場での構築作業及びそれに
付帯する作業を不要とすることにより、作業時間をさら
に短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る第一実施例の腹起こしを示す側
断面図である。
【図2】図1の腹起こしにアースアンカを設置した状態
を示す側断面図である。
【図3】この発明に係る第一実施例の最下階の床躯体及
び外壁躯体を構築した状態を示す側断面図である。
【図4】この発明に係る第一実施例の腹起こし間の外壁
躯体を構築した状態を示す側断面図である。
【図5】この発明に係る第二実施例のプレキャストコン
クリートの腹起こしを示す斜視図である。
【図6】この発明に係る第二実施例の腹起こしにアース
アンカを設置した状態を示す側断面図である。
【図7】この発明に係る第三実施例の施工状態を示す側
断面概略図である。
【図8】従来の腹起こしの施工手順を示す側断面図であ
る。
【符号の説明】
1は山留め壁 2は孔 3はアースアンカ 4はレベルコンクリート 5は縁切り材 6は荷重受けアンカー筋 7は壁横筋 8はフープ筋 9はユニット配筋 10はアンカースリーブ 11は壁縦筋 12は型枠 13はセパレータ 14は腹起こし 15は三角金物 15aは突起 16は座金 17はアンカーヘッド 18は床躯体 19は外壁躯体 20は仮設ブラケット 21は切梁 30は腹起こし部材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 山留め壁を地盤内に打ち込み、前記山留
    め壁内側の地盤を所定深度まで掘削し、その後に、アー
    スアンカを、前記山留め壁から地盤内まで、掘削側にそ
    の後端部を突出させるようにして打ち込む工程と、アン
    カースリーブを、前記アースアンカの突出部分を囲むよ
    うして設置する工程と、前記山留め壁に沿って腹起こし
    用の配筋を行い、コンクリートを打設することにより腹
    起こしを構築する工程と、この腹起こしから掘削側に突
    出している前記アースアンカを前記腹起こしに緊結する
    工程とを、順次または適当な順序で、構築される地下構
    造物の最下深度まで繰り返し行い、その後に、上方に向
    かって隣合う前記腹起こし間に外壁躯体用の配筋を行い
    コンクリートを打設し、前記腹起こしに緊結された前記
    アースアンカを撤去して、そこに生じた空間をグラウト
    することを特徴とする地下外壁躯体の構築工法。
  2. 【請求項2】 山留め壁を地盤内に打ち込み、前記山留
    め壁内側の地盤を所定深度まで掘削し、その後に、前記
    山留め壁に沿ってプレキャストコンクリートでなる腹起
    こしを設置する工程と、前記腹起こし内部に設けられた
    アンカースリーブの挿入口から地盤内までアースアンカ
    を打ち込む工程と、この腹起こしから掘削側に突出して
    いる前記アースアンカを前記腹起こしに緊結する工程と
    を、順次または適当な順序で、構築される地下構造物の
    最下深度まで繰り返し行い、その後に、上方に向かって
    前記腹起こし間の外壁躯体用の配筋を行いコンクリート
    を打設し、さらに前記腹起こしに緊結された前記アース
    アンカを撤去して、そこに生じた空間をグラウトするこ
    とを特徴とする地下外壁躯体の構築工法。
  3. 【請求項3】 山留め壁を地盤内に打ち込み、前記山留
    め壁内側の地盤を所定深度まで掘削し、その後に、前記
    山留め壁に沿って腹起こし用の配筋を行いコンクリート
    を打設することにより腹起こしを構築し、次いで対向す
    る前記腹起こし間に介在して切梁を設置し、前記工程
    を、構築される地下構造物の最下深度まで繰り返し行
    い、その後に、上方に向かって隣合う前記腹起こし間に
    外壁躯体用の配筋を行いコンクリートを打設することを
    特徴とする地下外壁躯体の構築工法。
  4. 【請求項4】 山留め壁を地盤内に打ち込み、前記山留
    め壁内側の地盤を所定深度まで掘削し、その後に、前記
    山留め壁に沿ってプレキャストコンクリートでなる腹起
    こしを設置し、次いで対向する前記腹起こし間に介在し
    て切梁を設置し、前記工程を、構築される地下構造物の
    最下深度まで繰り返し行い、その後に、上方に向かって
    隣合う前記腹起こし間に外壁躯体用の配筋を行いコンク
    リートを打設することを特徴とする地下外壁躯体の構築
    工法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100789857B1 (ko) * 2007-03-09 2007-12-28 주식회사 스마텍엔지니어링 띠장 간격 조절구
JP2009203690A (ja) * 2008-02-27 2009-09-10 Nishimatsu Constr Co Ltd アースアンカーおよびその撤去方法
KR101241566B1 (ko) * 2010-08-06 2013-03-11 이상헌 띠장 겸용 캡 빔을 이용한 흙막이 가시설의 시공방법
CN114277805A (zh) * 2021-12-22 2022-04-05 珠海华发人居生活研究院有限公司 一种管廊与地库的围护设计施工一体化方法

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