JPH08302010A - ポリチオウレタン - Google Patents
ポリチオウレタンInfo
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- JPH08302010A JPH08302010A JP7109697A JP10969795A JPH08302010A JP H08302010 A JPH08302010 A JP H08302010A JP 7109697 A JP7109697 A JP 7109697A JP 10969795 A JP10969795 A JP 10969795A JP H08302010 A JPH08302010 A JP H08302010A
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- Heterocyclic Compounds Containing Sulfur Atoms (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
Abstract
光学材料や架橋剤などとして好適に利用できる新規なポ
リチオウレタンを提供する。また、イソシアナートやチ
オイソシアナートを使用することなく、容易に得ること
ができるポリチオウレタンの製造方法を提供する。 【構成】 新規なポリチオウレタンは、下記一般式
(1)で表される。このポリチオウレタンは、下記化学
式(2)で表される二官能性5員環ジチオカーボナート
と炭素数が 2〜12の1,ω- アルカンジアミンとを反応さ
せることにより、容易に製造される。このポリチオウレ
タンは、光学材料、架橋剤、エポキシ樹脂硬化剤などと
して有用である。 【化1】 (式中 nは 2〜12の整数、 Rは水素または-COCH3を表
す。) 【化2】
Description
エポキシ樹脂硬化剤などとして利用される新規なポリチ
オウレタンおよびその製造方法に関するものである。
(特開平5−208950号公報、特開平5−2023
47号公報)、光学材料用の接着剤(特開平3−565
25号公報)などの原料として有用な化合物であること
が知られている。このポリチオウレタンは、メルカプト
化合物とイソシアナートあるいはイソチオシアナートと
の反応により製造されている。これらのイソシアナー
ト、イソチオシアナートは極めて反応性が高いことか
ら、各種活性水素化合物との反応により、多種多様の構
造と物性とを有するポリチオウレタンを合成することが
できる。
の多様さ故に、他の活性水素化合物の混在下でアミンと
のみ選択的に反応させることは不可能であり、アルコー
ル、チオール、カルボン酸などの官能基を有する化合物
の共存下には、これらとの副反応なしにポリチオウレタ
ンを合成することはできないという問題があった。
ウレタンの自由な分子設計を妨げている。かかる困難さ
のため、特定のポリチオウレタンは従来、合成されてい
なかった。
に着目してなされたものである。その目的とするところ
は、優れた機械的物性や光学的物性を発揮でき、光学材
料や架橋剤などとして好適に利用できる新規なポリチオ
ウレタンを提供することにある。また、他の目的とする
ところは、イソシアナートやチオイソシアナートを使用
することなく、容易に得ることができるポリチオウレタ
ンの製造方法を提供することにある。
に、請求項1に記載のポリチオウレタンの発明は、前記
一般式(1)で表される単位を有するものである。
の製造方法の発明では、前記化学式(2)で表される二
官能性5員環ジチオカーボナートと炭素数が 2〜12の1,
ω-アルカンジアミンとを反応させるものである。
る。この発明の新規なポリチオウレタンは、前記一般式
(1)で表される単位を有し、ビスフェノールA骨格と
直鎖アルキル鎖とがチオウレタン結合により交互に連続
してなる主鎖と、それに結合した遊離または保護された
チオール基とから構成される。このポリチオウレタン
は、強度などの機械的性質に優れ、また屈折率などの光
学的性質にも優れ、さらに架橋により溶媒不溶の硬化物
を生じる等の性質を有している。
水素または-COCH3である。この範囲で上記優れた物性を
発揮できるとともに、ポリチオウレタンを容易に製造す
ることができる。そして、前記物性に基づいて、ポリチ
オウレタンは例えば、光学材料、架橋剤、エポキシ樹脂
硬化剤、加硫剤、重合調整剤、合成樹脂原料、酸化防止
剤、金属錯体生成剤、生化学的薬物、潤滑油添加剤、塗
膜等として広範囲の用途を有する。
ついて説明する。ポリチオウレタンは、前記一般式
(2)で表される二官能性5員環ジチオカーボナート
(以下化合物2という)と炭素数が 2〜12の1,ω- アル
カンジアミンとの反応によって得られる。
と二硫化炭素とをアルカリ金属塩、アルカリ土類金属
塩、第四アンモニウム塩などの適当な触媒の存在下に反
応させて容易に合成される。この場合、溶媒としては非
プロトン性溶媒を用いると化合物2を収率良く得ること
ができる(特開平5−247027号公報)。
に対し当量を反応させると、分子量の増大には好ましい
が、これに限定されるものではない。また、反応温度、
反応時間および反応圧力はいずれも特に限定されない
が、反応温度は 0〜120 ℃、反応時間は 2〜30時間、圧
力は常圧あるいはごくわずかな加圧であることが望まし
い。
との反応は、溶媒中または無溶媒で行うことができる。
溶媒としては、化合物2および1,ω- アルカンジアミン
をよく溶解し、それらに不活性なテトラヒドロフラン
(THF)、クロロホルムなどが使用される。さらに、
通常のイソシアナート、イソチオシアナートを用いたポ
リチオウレタンの合成においては副反応を生じるアルコ
ール、チオール、カルボン酸、水などの化合物が共存し
ていても、これらと副反応を起こさず、可溶性の反応生
成物(重合体)を得ることが可能である。
ていたイソシアナートやイソチオシアナートを使用する
ことなく、ポリチオウレタンを容易に製造することがで
きる。
2とを反応させると同時または反応後に無水酢酸などの
カルボン酸無水物を加えると、チオール基をチオエステ
ルとして保護したポリチオウレタンが得られる。これを
加えない場合には、遊離のチオール基を有するポリチオ
ウレタンが得られる。
溶液中では可溶性の重合体であるが、空気中に放置すれ
ばチオール基が容易に空気酸化して重合体間で架橋を生
じ、溶媒不溶の硬化物が生じる。例えば、これを塗膜原
料として用いれば、塗布直後に酸化され、架橋、硬化し
て強固な塗膜を形成することができる。
明をさらに具体的に説明する。 (参考例1)ビスフェノールAジグリシジルエーテル34
g 、臭化リチウム0.44g 、テトラヒドロフラン30mlを還
流冷却器を取り付けたフラスコに入れ、二硫化炭素7ml
をこれらの混合溶液中に滴下し、室温下で反応させた。
生じた二官能性5員環ジチオカーボナート(化合物2)
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー( ヘキサン/ア
セトン=1/1) で分離した。
H, CH2)、4.28(d, 4H,CH2)、5.40(m, 2H, CH) 、6.81,
7.19(d, 8H, Ph) 、 IR (KBr,cm-1): 3034(Ph), 2965, 2928(CH2, CH)、1246
(Ph-O)、1186(C=S) 、 元素分析:C23H24O4S4, found(calcd.), C,56.36(56.0
9), H,4.77(4.88), S,25.52(26.02) (実施例1)アルゴン置換THF 中、参考例1で得た化合
物2を493mg とヘキサメチレンジアミン114mg とを反応
させ、下記化学式(3)で表される単位を有する化合物
(重合体3という)を得た。
(br,2H, SH) 、1.69(s, 6H, CH3)、3.08(d, 4H, CH2)、
3.54(m, 4H, CH2)、4.13(d, 4H, CH2)、5.7 〜6.0(m, 2
H, CH)、6.4(br, NH) 、6.7 〜7.4(m, 8H, Ph)、 IR (KBr,cm-1): 3038(Ph) 、2965, 2928(CH2, CH) 、12
53(Ph-O)、1183(C=S) 重合体3をメタノールで再沈殿精製した。処理中にチオ
ールが空気酸化されてポリマー間でS-S 結合が生じ、溶
媒に不溶の下記化学式(4)で表される単位を有する化
合物(重合体4という)が得られた。
58(Ph-O)、1179(C=S)、559(S-S) (実施例2)アルゴン置換THF 中、参考例1で得た化合
物2を493mg とエチレンジアミン58mgとを反応させ、下
記化学式(5)で表される単位を有する化合物(重合体
5という)を得た。
6H, CH3)、3.08(d, 4H, CH2)、4.13(d, 4H, CH2)、4.33
(m, 4H, CH2)、5.7 〜6.0(m, 2H, CH)、6.4(br, NH) 、
6.7 〜7.4(m, 8H, Ph)、 IR (KBr,cm-1): 3036(Ph) 、2965, 2926(CH2, CH) 、12
53(Ph-O)、1183(C=S) 重合体5をメタノールで再沈殿精製した。処理中にチオ
ールが空気酸化されて重合体間でS-S 結合が生じ、溶媒
に不溶の下記化学式(6)で表される単位を有する化合
物(重合体6)が得られた。
58(Ph-O)、1179(C=S)、560(S-S) (実施例3)アルゴン置換されたTHF 中、参考例1で得
た化合物2を493mg と1,12- ドデカンジアミン198mg と
を反応させ、下記化学式(7)で表される単位を有する
化合物(重合体7という)を得た。
(br, 2H, SH)、1.69(s, 6H, CH3)、3.08(d, 4H, CH2)、
3.54(m, 4H, CH2)、4.14(d, 4H, CH2)、5.7 〜6.0(m, 2
H, CH)、6.4(br, NH) 、6.7 〜7.4(m, 8H, Ph)、 IR (KBr,cm-1): 3038(Ph) 、2965, 2928(CH2, CH) 、12
53(Ph-O)、1183(C=S) そして、重合体7をメタノールで再沈殿して精製した。
処理中にチオールが空気酸化されてポリマー間でS-S 結
合が生じ、溶媒に不溶の下記化学式(8)で表される単
位を有する化合物(重合体8という)が得られた。
58(Ph-O)、1179(C=S)、559(S-S) (実施例4)THF中で化合物2を493mg とヘキサメチレ
ンジアミン114mg とを反応させ、無水酢酸1ml とトリエ
チルアミン101mg とを加えた。メタノールで再沈殿精製
し、下記化学式(9)で表される単位を有する化合物
(重合体9という)を得た。
(s, 6H, CH3)、2.29(s, 6H, CH3)、3.35(d, 4H, CH2)、
3.54(m, 4H, CH2)、4.13(d, 4H, CH2)、5.7 〜6.0(m, 2
H, CH)、6.4(br, NH) 、6.7 〜7.4(m, 8H, Ph)、 IR (KBr,cm-1): 3038(Ph) 、2965, 2927(CH2, CH) 、12
53(Ph-O)、1184(C=S) この重合体9の物性値を次に示す。
(ゲルパーミエーションクロマトグラフ)分析値〕:1
2000 10%重量減少温度〔TGA(熱重量分析法)分析
値〕:225℃ ガラス転移点〔DSC(示差走査熱量測定法)分析
値〕:59℃ (実施例5)化合物2を493mg とエチレンジアミン58mg
とを反応させ、無水酢酸1ml とトリエチルアミン101mg
とを加えた。メタノールで再沈殿精製し、下記化学式
(10)で表される単位を有する化合物(重合体10と
いう)を得た。
H, CH3)、3.35(d, 4H,CH2)、4.13(d, 4H, CH2)、4.34
(m, 4H, CH2)、5.7 〜6.0(m, 2H, CH)、6.4(br,NH) 、
6.7 〜7.4(m, 8H, Ph)、 IR (KBr,cm-1): 3038(Ph) 、2965, 2927(CH2, CH) 、12
53(Ph-O)、1184(C=S) (実施例6)化合物2を493mg と1,12- ドデカンジアミ
ン198mg とを反応させ、無水酢酸1ml とトリエチルアミ
ン101mg とを加えた。メタノールで再沈殿精製し、下記
化学式(11)で表される単位を有する化合物(重合体
11という)を得た。
(s, 6H, CH3)、2.29(s, 6H, CH3)、3.35(d, 4H, CH2)、
3.54(m, 4H, CH2)、4.13(d, 4H, CH2)、5.7 〜6.0(m, 2
H, CH)、6.4(br, NH) 、6.7 〜7.4(m, 8H, Ph)、 IR (KBr,cm-1): 3038(Ph) 、2965, 2927(CH2, CH) 、12
54(Ph-O)、1184(C=S) (参考例2)参考例1で得た化合物2を493mg とヘキサ
メチレンジアミン114mg とを均一に混合し、重合体3を
得た。そこにビスフェノールA 340mgを加え、均一とし
た後、ガラスモールドとガスケットよりなるモールド型
に注入し、ついで加熱硬化させて透明樹脂を得た。この
透明樹脂は、屈折率Nd=1.61 、アッベ数νD=32で、光学
材料などとして利用可能なものであった。
思想について、以下に記載する。 (1)二官能性5員環ジチオカーボナートは、二官能性
エポキシ化合物と二硫化炭素とを触媒の存在下に反応さ
せて得られるものである請求項2に記載のポリチオウレ
タンの製造方法。この製造方法によれば、二官能性5員
環ジチオカーボナートを容易に製造することができる。 (2)触媒は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩ま
たは第四アンモニウム塩である上記(1)に記載のポリ
チオウレタンの製造方法。この方法によれば、二官能性
エポキシ化合物と二硫化炭素との反応を促進させること
ができる。 (3)二官能性5員環ジチオカーボナートと、1,ω- ア
ルカンジアミンと、カルボン酸無水物とを反応させ、チ
オール基をチオエステルとした請求項2に記載のポリチ
オウレタンの製造方法。この製造方法によれば、ポリチ
オウレタン中のチオール基をチオエステルとして保護す
ることができる。
発明によれば、チオウレタン結合を有する主鎖と、それ
に結合した遊離または保護されたチオール基とを有し、
優れた機械的物性や光学的物性を発揮でき、光学材料や
架橋剤などとして好適に利用できる新規なポリチオウレ
タンを提供することができる。
ソシアナートやチオイソシアナートを使用することな
く、容易かつ確実にポリチオウレタンを製造することが
できる。
Claims (2)
- 【請求項1】 下記一般式(1)で表される単位を有す
るポリチオウレタン。 【化1】 (式中 nは 2〜12の整数、 Rは水素または-COCH3を表
す。) - 【請求項2】 下記化学式(2)で表される二官能性5
員環ジチオカーボナートと炭素数が 2〜12の1,ω- アル
カンジアミンとを反応させる請求項1に記載の一般式
(1)で表されるポリチオウレタンの製造方法。 【化2】
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7109697A JPH08302010A (ja) | 1995-05-08 | 1995-05-08 | ポリチオウレタン |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7109697A JPH08302010A (ja) | 1995-05-08 | 1995-05-08 | ポリチオウレタン |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08302010A true JPH08302010A (ja) | 1996-11-19 |
Family
ID=14516919
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7109697A Pending JPH08302010A (ja) | 1995-05-08 | 1995-05-08 | ポリチオウレタン |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08302010A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6495653B1 (en) * | 1998-04-17 | 2002-12-17 | Sanyo Chemical Industries, Ltd. | Curable composition and cured article thereof |
WO2005105883A1 (ja) * | 2004-04-28 | 2005-11-10 | Ube Industries, Ltd. | ポリチオウレタン |
CN104262219A (zh) * | 2014-08-29 | 2015-01-07 | 北京化工大学常州先进材料研究院 | 硫醇-烯光固化树脂及其制备方法 |
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-
1995
- 1995-05-08 JP JP7109697A patent/JPH08302010A/ja active Pending
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