JPH08301677A - 馬鈴薯の澱粉製造廃液およびその処理方法 - Google Patents

馬鈴薯の澱粉製造廃液およびその処理方法

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JPH08301677A
JPH08301677A JP7127379A JP12737995A JPH08301677A JP H08301677 A JPH08301677 A JP H08301677A JP 7127379 A JP7127379 A JP 7127379A JP 12737995 A JP12737995 A JP 12737995A JP H08301677 A JPH08301677 A JP H08301677A
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waste liquid
polymer
water
starch
potatoes
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JP7127379A
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Naoki Akiyama
直樹 秋山
Reiko Sashita
玲子 指田
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ASUTORO KK
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
ASUTORO KK
Mitsubishi Chemical Corp
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    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
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    • Y02A40/20Fertilizers of biological origin, e.g. guano or fertilizers made from animal corpses

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Abstract

(57)【要約】 【構成】馬鈴薯から澱粉を製造する際に、馬鈴薯をすり
つぶし、その固形物を分離して得られる有機物濃度の高
い廃液であって、 1)(a)エピハロヒドリン、アルキレンジハライド、
ジエポキサイドおよびジハロゲノアルキルエーテルより
なる群から選ばれる少なくとも1つの化合物と、(b)
下記一般式 (R1 、R2 、R3 およびR4 は水素または炭素数1〜
3の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、Aは炭素数1〜
6の直鎖または分岐鎖のアルキル基、nは0〜5の整
数)で示されるアミンの少なくとも1種との反応によっ
て得られる窒素含有水溶性重合体、 2)アルキレンイミン重合体、および 3)1)および2)の混合重合体から選ばれる1種また
は2種以上の水溶性重合体を、廃液の重量に対して、
0.1〜200ppmの割合で含有する澱粉製造廃液。 【効果】 少量の水溶性重合体含有により、そうか病原
性放線菌の殺菌駆除された廃液を調製することができ、
しかも土壌中の有効成分の流亡を招くこともない。ま
た、有機物濃度の高いデカンター廃液は、安全に農地還
元を行い、肥料とすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、馬鈴薯の澱粉製造工程
から排出される廃液の有効利用に関する。さらに詳しく
は、馬鈴薯の澱粉製造工場から排出される廃液を、肥料
として農地還元する際に、廃液中に存在するそうか病原
性放線菌を殺菌駆除し、土壌および作物に安全かつ有益
な廃液(肥料)を調製することに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、Streptomyces属の放
線菌を病原菌とするそうか病は、馬鈴薯、テンサイ、人
参、および大根などに発生し、大きな被害を与えてい
る。特に、馬鈴薯の澱粉製造工場においては、廃液の処
理に苦慮しており、その一部はすでに、農地に還元され
ている。たしかに、馬鈴薯の澱粉製造廃液は有機物濃度
が高く、肥料として産業上の利用性はある。しかし、そ
の廃液中にそうか病原性放線菌が存在している場合があ
るので、廃液の農地への散布が、馬鈴薯などの作物のそ
うか病発生拡大の一因として、忌避されている。それゆ
え、大量に排出される、価値ある廃液の有効利用が図ら
れていないのが、現状である。
【0003】現在、一部の馬鈴薯の澱粉製造工場におい
ては、そうか病原性放線菌を殺菌することを目的に、廃
液を次亜塩素酸カルシウムで処理した後、農地へ散布す
ることも行われている。しかし、次亜塩素酸カルシウム
の使用の場合は、廃液に対する次亜塩素酸カルシウムの
添加量が多いこと、またその廃液が農地還元された後、
土壌中のカルシウムの増大を招いたり、残留塩素によっ
て作物の収穫および周囲の環境に影響を及ぼすこと、な
どの問題点がある。
【0004】一方、本発明で使用される水溶性重合体の
一部は、特開昭63−218297においてNocar
dia属の放線菌による活性汚泥の発泡スカムを防止す
ること、また特開平4−346903において放線菌に
よる植物病害を防除すること、に有効であることが報告
されている。しかし、本発明で使用される水溶性重合体
を、馬鈴薯の澱粉製造工程から排出される廃液に適用す
ること、特に低添加量で、その廃液に存在するそうか病
原性放線菌を殺菌駆除できること等を示すものではな
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記状況に
対処してなされたもので、本発明の目的は、馬鈴薯の澱
粉製造工場から排出される廃液の有効利用に関する。さ
らに詳しくは、馬鈴薯澱粉の製造工程において、馬鈴薯
をすりつぶし、固形分を分離して得られた廃液、特に有
機物濃度の高い廃液を、肥料として農地還元する際に、
廃液中にそうか病原性放線菌が存在する場合には、これ
が効率的に殺菌駆除された、しかも作物の収穫および土
壌その他周囲の環境に悪影響を及ぼすことのない、安全
かつ有益な廃液(肥料)および処理方法を提供すること
に関する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、馬鈴薯から澱
粉を製造する際に、馬鈴薯をすりつぶし、その固形物を
分離して得られる有機物濃度の高い廃液であって、特定
の水溶性重合体を、廃液の重量に対して、0.1〜20
0ppmの割合で含有する澱粉製造廃液、および特定の
水溶性重合体を、馬鈴薯から澱粉を製造する際に、馬鈴
薯をすりつぶし、その固形物を分離して得られる廃液
に、廃液の重量に対して、0.1〜200ppmの割合
で添加混合することを特徴とする澱粉製造廃液の処理方
法に関する。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。図1は、
馬鈴薯から澱粉の製造工程を示すフロー図である。すな
わち、原料の馬鈴薯は、まずフリューム次いでロータリ
ーワッシャーで水洗され、付着した土砂が除去された
後、ウルトララスプですりつぶされる。すりつぶした馬
鈴薯は、デカンターで固形物と廃液とに分離される。廃
液は、貯留池に溜められ、処理を待つ。一方、固形物
は、ハイスクリーンを何度も通して、粕を除去し、澱粉
乳が取り出される。この澱粉乳は、多分に蛋白や不純物
を含んでいるので、セパレーターで洗浄、分級してこれ
らを除去する。その際に、蛋白や不純物を含んだ廃液が
生じる。このようにして得られる、精製された澱粉乳
は、真空濾過器で水分を除去し、さらにケージミルで乾
燥して製品化される。これが、馬鈴薯澱粉製造に採用さ
れている標準的な諸工程の概要である。
【0008】この図1からも明らかなように、馬鈴薯か
ら澱粉を製造する工程から排出される主な廃液は、
(1)馬鈴薯をすりつぶし、固形物を除去して得られる
廃液(通常、デカンター廃液と呼ばれる)、(2)澱粉
乳から蛋白や不純物を除去する工程で得られる廃液(通
常、セパレーター廃液と呼ばれる)の2種類がある。セ
パレーター廃液は、通常JIS K−0102の方法に
よって測定されるBOD(生物化学的酸素要求量)値が
1,000mg/L前後であり、活性汚泥などの生物処
理も可能であるが、デカンター廃液は、蛋白が主に含ま
れ、通常BOD値が10,000mg/L以上であるの
で、一般的に生物処理が困難である。デカンター廃液を
処理しようとすると、そのための設備および装置などを
設けなければならなく、経済的に不利である。しかし
て、本発明は、これらの廃液のいずれについても有効で
あるが、特に、デカンター廃液を畑地に散布する(農地
還元)ための処理として、また安全に農地還元できる廃
液(肥料)として、極めて有効である。このように調製
された、デカンター廃液は、前述したように、BOD
値、すなわち有機物濃度が高いので、食用植物にとって
よい肥料になる。デカンター廃液のBOD値は、通常1
0,000mg/L以上、好ましくは20,000mg
/L以上、特に好ましくは30,000mg/L以上で
ある。
【0009】本発明においては、前記の水溶性重合体を
0.1〜60重量%程度の濃度の水溶液としておき、こ
の水溶液を、デカンター廃液が畑地に散布される前、例
えば前記図1において、デカンターから排出された直
後、あるいは貯留池などに、添加し均一に混合するだけ
でよい。廃液量に対して、前記の水溶性重合体を0.1
〜200ppm、好ましくは1〜100ppmの範囲で
添加することによって、そうか病原菌が存在しない、か
つ土壌および作物に影響がなく、肥料として有効に利用
される廃液を調製することができる。廃液量に対して水
溶性重合体が0.1ppmより少ないと、そうか病原性
放線菌の殺菌駆除ができなくなり好ましくない。また、
500ppm以上であると、廃液が農地還元された後、
水溶性重合体が土壌中の負の電荷を消失させ、カリウ
ム、マグネシウム、カルシウムなどの正の荷電を有する
肥料の流亡を招くので好ましくない。
【0010】本発明で使用する、特定の水溶性重合体
は、1)後記の窒素含有水溶性重合体、2)アルキレン
イミン重合体および3)1)および2)の混合重合体か
ら選ばれる。
【0011】しかして、本発明で使用する1)の窒素含
有水溶性重合体は、下記一般式(1)で示されるアミン
【化1】 (式中、R1 、R2 、R3 、およびR4 は水素または炭
素数1〜3の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、Aは炭
素数1〜6の直鎖または分岐鎖のアルキレン基、nは0
〜5の整数)を原料の一として製造される。
【0012】かかるアミンを具体的に例示すれば、モノ
アミン(n=0)としては、アンモニア、メチルアミ
ン、ジメチルアミン、ジプロピルアミン、メチルエチル
アミン、メチルプロピルアミン、メチルプロピルアミン
等があげられる。また、ジアミン(n=1)としては、
エチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミ
ン、N,N’−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジ
エチルエチレンジアミン、プロピレンジアミン、N,N
−ジメチルプロピレンジアミン、N,N,N’,N’−
テトラメチルエチレンジアミン等があげられる。また、
ポリアミン(n=2〜5)としては、ジエチレントリア
ミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタ
ミン等があげられる。これらのモノアミン、ジアミンお
よびポリアミンは上記の群内および群間において併用す
ることができる。
【0013】また、これらのアミンと反応させる他の原
料は、エピハロヒドリン、アルキレンジハライド、ジエ
ポキサイドおよびジハロゲノアルキルエーテルよりなる
群から選ばれる少なくとも1つの化合物である。もちろ
ん、エピハロヒドリン、アルキレンジハライド、ジエポ
キサイドおよびジハロゲノアルキルエーテルは、各成分
毎に単独もしくは自由に混合して使用してもよい。
【0014】それらのうち、エピハロヒドリンとして
は、下記一般式(2)
【化2】 (式中、Xはハロゲン)で示されるものであり、具体的
にはハロゲンがフッ素、塩素、臭素または沃素であるも
のが一般に対象となるが、経済上の理由からエピクロル
ヒドリンが好ましい。
【0015】また、アルキレンジハライドとしては、下
記一般式(3) X−B−X’ (3) (式中、Bは炭素数1〜20の直鎖または分岐鎖のアル
キレン基、X、X’は同じまたは異なるハロゲン)で示
されるものがあげられ、具体的にはジクロロエタン、ジ
クロロプロパン、ジクロロブタン、ジクロロヘキサン、
ジブロモエタン、ブロモクロロプロパン、ジブロモプロ
パン、ジブロモヘキサン、ジクロロノナン等があげられ
る。特に、1,3−ジクロロプロパンがアミンとの反応
性および経済的理由から好ましい。
【0016】また、ジエポキサイドとしては、下記一般
式(4)
【化3】 {式中、Dは直接結合、炭素数1〜4の直鎖もしくは分
岐鎖のアルキレン基、または下記一般式(5) −(CH2 −O−CH2 )m − (5) (式中、mは1〜4の整数)のエーテル化合物残基}で
示されるものがあげられ、具体的には1,3−ブタジエ
ンジエポキサイド、1,4−ペンタジエンジエポキサイ
ド、1,5−ヘキサジエンジエポキサイド、1,6−ヘ
プタジエンジエポキサイド、1,7−オクタジエンジエ
ポキサイド、エチレングリコールジグリシジルエーテ
ル、トリエチレンジグリシジルエーテル等があげられ
る。
【0017】また、ジハロゲノアルキルエーテルとして
は、下記一般式(6) X−(R5 −O)p −R6 −X’ (6) (式中、R5 、R6 は同じまたは異なる炭素数1〜4の
直鎖または分岐鎖のアルキレン基、X、X’は同じまた
は異なるハロゲン、pは1〜12の整数)で示されるも
のがあげられ、具体的にはp=1の場合、2,2’−ジ
クロロエチルエーテル、2,2’−ジブロモエチルエー
テル、3,3’−ジクロロプロピルエーテル、2,3−
ジクロロプロピルエーテル、4,4’−ジブロモブチル
エーテル等があげられ、またp=2以上の場合は、重合
度が10までのエチレンオキサイド重合体とハロゲン化
アルキルアルコールからの脱水反応等によって得ること
ができるジハロゲノエチルエーテル等があげられ、特に
2,2’−ジクロロエチルエーテル(以下、ジクロロエ
チルエーテルという)が少なくとも経済上の理由から好
ましい。
【0018】上記エピハロヒドリン、アルキレンジハラ
イド、ジエポキサイドおよびジハロゲノアルキルエーテ
ルよりなる群から選ばれる少なくとも1つの化合物と、
上記少なくとも1種のアミンとを反応させるには、通
常、上記エピハロヒドリン、アルキレンジハライド、ジ
エポキサイドおよびジハロゲノアルキルエーテルからな
る群から選ばれた化合物の総モル数と、上記アミンの総
モル数とをほぼ同モル数とし、攪拌機付きの密閉型反応
容器を用い、不活性ガスの雰囲気下で、反応容器内温を
30〜100℃の範囲として反応させるとよい。
【0019】より具体的には、上記アミン(単独または
混合物)の20〜70%水溶液を、攪拌機、還流冷却
機、温度計等を備えた密閉型反応容器内に仕込み、容器
内雰囲気を窒素ガスにて置換し、攪拌下、反応容器内温
度を所定温度に調節しながら、上記エピハロヒドリン、
アルキレンジハライド、ジエポキサイドおよびジハロゲ
ノアルキルエーテルよりなる群から選ばれる化合物(単
独または混合物)を、連続的または回分式に添加すると
よい。反応溶媒は主として水が使用されるが、原料及び
反応生成物の溶解性を考慮し、メチルアルコール、エチ
ルアルコール、ジメチルホルムアミド等を使用してもよ
い。
【0020】反応生成物である、窒素含有水溶性重合体
は、必要に応じ、更に処理して、対イオンのハロゲン
(エピハロヒドリン、アルキレンジハライドまたはジハ
ロゲノアルキルエーテル由来のもの)を他の陰イオンに
変えてもよいし、また対イオンを除去して、この重合体
を水酸化物としてもよい。
【0021】また、アルキレンイミン重合体は、通常
は、下記一般式(7) −(R7 −NH−)n− (7) (式中、R7 はアルキレン基、好ましくは炭素数1〜8
の直鎖または分岐鎖のアルキレン基。複数個のR7 は同
一でも異なっていてもよい。nは、このアルキレンイミ
ン重合体の重合度を示す)で示されるものである。
【0022】これらのアルキレンイミン重合体は、場合
によっては、上記の一般式で示されるような完全に線状
の構造でなくて、分岐していてもさしつかえない。ま
た、アルキレンイミン重合体に塩酸等を加えたアルキレ
ンイミン重合体の4級塩でもさしつかえない。このよう
なアルキレンイミン重合体としては、エチレンイミン重
合体、プロピレンイミン重合体、トリメチレンイミン重
合体、テトラメチレンイミン重合体、ヘキサメチレンイ
ミン重合体およびそれらの共重合体、並びにそれらの少
なくとも2種の混合物等である。これらの中で、特にエ
チレンイミン重合体が経済的上の理由から好ましい。こ
のものは、一般的にはエチレンイミンのカチオン触媒に
よる開環重合によって得られるが、その他、エチレンジ
ハライドまたはアンモニアとの反応、エタノールアミン
の縮合反応によっても得ることができる。
【0023】本発明で使用する水溶性重合体は、上記の
1)窒素含有水溶性重合体または2)アルキレンイミン
重合体の各重合体のみでなく、3)混合重合体として使
用することも可能である。すなわち、エピハロヒドリ
ン、アルキレンジハライド、ジエポキサイド、ジハロゲ
ノアルキルエーテルの群から選ばれる少なくとも一つの
化合物と前記一般式で示されるアミンとの反応によって
得られる共重合体、アルキレンイミン重合体、また前記
重合体または前記共重合体と前記アルキレンイミン重合
体との混合重合体でもよい。さらに、前記重合体、前記
共重合体、および前記アルキレンイミン重合体とを混合
して使用する場合、その使用割合には特に制限がない。
【0024】本発明で使用する水溶性重合体は、2モル
/リットルのKBr水溶液に溶解して25℃で測定し、
算出される極限粘度〔η〕によりその分子量の大小を判
断することができる。しかして、そうか病原菌に対する
殺菌性を考慮すると、本発明で使用する重合体として
は、極限粘度〔η〕が2dl/g以下、好ましくは1.
5dl/g以下、さらに好ましくは0.02dl/g以
上かつ1dl/g以下のものが望ましい。
【0025】水溶性重合体を、本発明に従い、有用な廃
液の調製に使用するには、溶媒(通常は水)を除去して
固体として添加することも不可能ではないが、通常は、
水溶液として製造されたものをそのまま、あるいは使用
目的に応じて、希釈または濃縮して使用するのが好まし
い。
【0026】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はその要旨を超えない限り、これらに限定
されるものではない。
【0027】〔水溶性重合体の調整〕 (1)重合体A 50%ジメチルアミン水溶液の中にエピクロルヒドリン
を、ジメチルアミンとエピクロルヒドリンのモル比が
1:1の割合になるまで、反応温度70℃に保持しなが
ら、添加、攪拌、混合した。得られた、極限粘度〔η〕
が0.20dl/gの反応生成物を、水で希釈し、純度
50%の重合体Aとした。
【0028】(2)重合体B 50%ジメチルアミン水溶液の中にエピクロルヒドリン
を、ジメチルアミンとエピクロルヒドリンのモル比が
1:1の割合になるまで、反応温度80℃に保持しなが
ら、添加、攪拌、混合した。得られた、極限粘度〔η〕
が0.11dl/gの反応生成物を、水で希釈し、純度
50%の重合体Bとした。
【0029】(3)重合体C 50%ジメチルアミン水溶液の中にエピクロルヒドリン
を、ジメチルアミンとエピクロルヒドリンのモル比が
1:1の割合になるまで、反応温度90℃以上に保持し
ながら、添加、攪拌、混合した。得られた、極限粘度
〔η〕が0.06dl/gの反応生成物を、水で希釈
し、純度50%の重合体Cとした。
【0030】(4)重合体D 50%N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジア
ミン水溶液の中にエピクロルヒドリンを、N,N,
N’,N’−テトラメチルエチレンジアミンとエピクロ
ルヒドリンのモル比が1:1の割合になるまで、反応温
度80℃に保持しながら、添加、攪拌、混合した。得ら
れた、極限粘度〔η〕が0.03dl/gの反応生成物
を、水で希釈し、純度50%の重合体Dとした。
【0031】(5)重合体E 50%N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジア
ミン水溶液の中にジクロロエチルエーテルを、N,N,
N’,N’ーテトラメチルエチレンジアミンとジクロロ
エチルエーテルのモル比が1:1の割合になるまで、反
応温度70℃に保持しながら、添加、攪拌、混合した。
得られた、極限粘度〔η〕が0.05dl/gの反応生
成物を、水で希釈し、純度50%の重合体Eとした。
【0032】(6)重合体F 予め、モル比1:0.05の割合で調整したジメチルア
ミンとジエチレントリアミンの混合物の50%水溶液の
中にエピクロルヒドリンを、混合アミンとエピクロルヒ
ドリンのモル比が1:1になるまで、反応温度を70℃
に保持しながら、添加、攪拌、混合した。得られた、極
限粘度〔η〕が0.56dl/gの反応生成物を、水で
希釈し、純度50%の重合体Fとした。
【0033】(7)重合体G ジメチルアミンの50%水溶液の中に、予めモル比を
1:1に調整したエチレングリコールジグリシジルエー
テルとジクロロエチルエーテルの混合物を、ジメチルア
ミンと混合エーテルのモル比が1:1になるまで、反応
温度を70℃に保持しながら、添加、攪拌、混合した。
得られた極限粘度〔η〕が0.09dl/gの反応生成
物に、別にエチレンイミン重合体(日本触媒化学工業株
式会社の商品名エポミン、グレードSP−300)に、
窒素と等モル量の塩酸を、冷却下で添加、攪拌、混合し
て得られた、極限粘度〔η〕が0.07dl/gの反応
生成物を、1:1の割合で混合し、水で希釈して50%
純度の重合体Gとした。
【0034】[実施例]馬鈴薯の澱粉製造工程から排出
された、複数種のそうか病原性放線菌を含む、BOD約
40,000mg/Lのデカンター廃液に、上記重合体
Cを添加混合し、廃液の重量に対して、重合体を50p
pmの割合で含有する澱粉製造廃液を得た。このように
して調製された廃液中には、もはや上記そうか病原性放
線菌は認められなかった。
【0035】馬鈴薯の澱粉製造工程から排出されるデカ
ンター廃液に代えて、以下のようにして調製されたポテ
トジュースを用いて、後記の試験を実施した。 〔ポテトジュースの調製〕皮を剥いたジャガイモ200
gを約1cm角に切り、等量の蒸留水とともにミキサー
で磨砕した。これを2重のガーゼでろ過した後、ろ液を
遠心分離(12000g,5分間)して得られた上澄み
液に、蒸留水1000mLを加えてポテトジュースとし
た。
【0036】〔PBS培地の調製〕ポテトジュースにシ
ョ糖20gを加え、pHを7.0〜7.2に調整したも
のを、PBS培地とした。 PBS培地の組成 ───────────────────────── ジャガイモ(剥皮したもの) 200g ショ糖 20g 蒸留水 1000mL ───────────────────────── pHを7.0〜7.2に調整
【0037】〔PSA培地の調製〕ポテトジュースにシ
ョ糖20gおよび寒天15gを加え、pHを7.0〜
7.2に調整したものを、PSA培地とした。 PSA培地の組成 ───────────────────────── ジャガイモ(剥皮したもの) 200g ショ糖 20g 寒天 15g 蒸留水 1000mL ───────────────────────── pHを7.0〜7.2に調整
【0038】〔菌懸濁液の調製〕馬鈴薯のそうか病斑点
から分離され、純粋培養されたStreptomyce
s属の放線菌で、胞子鎖形態および色素生産性の異な
る、下記4種類の菌株を用いた。これらの菌株は、北海
道立十勝農業試験場より分譲を受けたものである。 菌株 胞子鎖形態 色素生産の有無 ───────────────────────────────── SNS801139 らせん状 メラニン生産能なし SOT8202 らせん状 メラニン生産能あり SKS49 直〜波状 緑色色素生産能なし STF7 直〜波状 緑色色素生産能あり ─────────────────────────────────
【0039】上記菌株のそれぞれを、予め3角フラスコ
に入れたPBS培地30mLに接種し、7日間振とう培
養したもの(温度=27℃、振とう=100回/分)
を、遠心分離(8700g、10分間)によって菌体を
回収し、滅菌水を5mL加えてホモジナイザーにて分散
させ、さらに滅菌水15mL加えて菌懸濁液とした。本
懸濁液中の菌数は、約106 個/mLであった。
【0040】〔試験例1〕ポテトジュース1000mL
に、サッカロース10g、寒天10gを加えたものを、
オートクレーブにて蒸気滅菌(120℃、20分間)
し、これが固化する直前に、重合体A〜Cを、培地の重
量に対して250および500ppm添加して直径9c
mのシャーレに分注した。培地の固化後、その表面に上
記の菌懸濁液0.1mLをそれぞれ塗抹し、25℃で3
日間培養し、生じたコロニー数を計測した。その結果を
表1に示す。
【0041】
【表1】
【0042】表1より、4種類の菌株のうち、STF7
が、重合体A〜Cによる生育抑制を最も受け難いもので
あることが分かる。
【0043】〔試験例2〕ポテトジュース49mLに、
STF7の菌懸濁液1mL、ポテトジュースの重量に対
して0.1、5、10、50ppmの重合体Cまたはポ
テトジュースの重量に対して10、50ppmの重合体
A、B、D〜Gを、それぞれ添加し、常温にて攪拌し
た。またこれと同時に、重合体を添加しないで、上記と
同様に操作したものを、対象区とした。上記の重合体A
〜Gの添加培地および対象区から、重合体の添加から
6、12および24時間経過後に、それぞれ0.1mL
採取してPSA培地に塗抹し、25℃で5日間培養した
後、培地上のコロニー数を計測した。対象区のコロニー
数を100%として、重合体A〜Gの添加培地から生じ
たコロニー数を、百分率で表した。その結果を表2に示
す。
【0044】〔比較例1〕試験例2と同様に、50、1
50および350ppmの次亜塩素酸カルシウムを添加
して試験を実施し、PSA培地上で生じたコロニー数を
計測した。試験例2と同様に対象区を100%として百
分率で表した。この結果も表2に併せて示す。
【0045】
【表2】
【0046】表2より、本発明の水溶性重合体を使用し
た場合、50ppmでは6時間後に、また0.1ppm
でも24時間後には、STF7が、ほとんど殺菌されて
いるのに対して、次亜塩素酸カルシウムの場合は、15
0ppm、24時間で80%弱の殺菌力しかなく、35
0ppmではじめて100%の殺菌が可能となることが
分かる。
【0047】〔試験例3〕馬鈴薯の圃場から採取した土
壌500gのそれぞれに、蒸留水、重合体Cの10、2
00、および500ppmの水溶液2Lを注いだ後、こ
れらを蒸留水5Lにて洗浄した。さらに、これらの土壌
を、80℃にて2日間乾燥した後、pH、有効態リン
酸、置換性カリウム、置換性マグネシウム、置換性カル
シウム、銅、亜鉛、マンガン、および熱水抽出窒素につ
いて測定した。この結果を表3に示す。
【0048】
【表3】
【0049】表3より、本発明の水溶性重合体を、20
0ppm使用した場合、置換性K、置換性Mg、置換性
Caなどに対する影響は、見られないのに対し、500
ppmの場合、置換性K、置換性Mg、置換性Caの量
が、少なくなっていることが分かる。
【0050】
【発明の効果】本発明によれば、少量の水溶性重合体含
有により、そうか病原性放線菌の殺菌駆除された廃液を
調製することができ、しかも土壌中の有効成分の流亡を
招くこともない。また、有機物濃度の高いデカンター廃
液は、安全に農地還元を行い、肥料とすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】馬鈴薯から澱粉の製造工程を示すフロー図。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】馬鈴薯から澱粉を製造する際に、馬鈴薯を
    すりつぶし、その固形物を分離して得られる有機物濃度
    の高い廃液であって、 1)(a)エピハロヒドリン、アルキレンジハライド、
    ジエポキサイドおよびジハロゲノアルキルエーテルより
    なる群から選ばれる少なくとも1つの化合物と、(b)
    下記一般式 (R1 、R2 、R3 およびR4 は水素または炭素数1〜
    3の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、Aは炭素数1〜
    6の直鎖または分岐鎖のアルキル基、nは0〜5の整
    数)で示されるアミンの少なくとも1種との反応によっ
    て得られる窒素含有水溶性重合体、 2)アルキレンイミン重合体、および 3)1)および2)の混合重合体から選ばれる1種また
    は2種以上の水溶性重合体を、廃液の重量に対して、
    0.1〜200ppmの割合で含有する澱粉製造廃液。
  2. 【請求項2】上記廃液が、10,000mg/L以上の
    BOD値を有するデカンター廃液である請求項1記載の
    澱粉製造廃液。
  3. 【請求項3】上記水溶性重合体の、2モル/リットルの
    KBr水溶液に溶解して25℃で測定し、算出される極
    限粘度〔η〕が、2dl/g以下である請求項1〜2記
    載の澱粉製造廃液。
  4. 【請求項4】1)(a)エピハロヒドリン、アルキレン
    ジハライド、ジエポキサイドおよびジハロゲノアルキル
    エーテルよりなる群から選ばれる少なくとも1つの化合
    物と、(b)下記一般式 (R1 、R2 、R3 およびR4 は水素または炭素数1〜
    3の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、Aは炭素数1〜
    6の直鎖または分岐鎖のアルキル基、nは0〜5の整
    数)で示されるアミンの少なくとも1種との反応によっ
    て得られる窒素含有水溶性重合体、 2)アルキレンイミン重合体、および 3)1)および2)の混合重合体から選ばれる1種また
    は2種以上の水溶性重合体を、馬鈴薯から澱粉を製造す
    る際に、馬鈴薯をすりつぶし、その固形物を分離して得
    られる廃液に、廃液の重量に対して、0.1〜200p
    pmの割合で添加混合することを特徴とする澱粉製造廃
    液の処理方法。
  5. 【請求項5】上記水溶性重合体の、2モル/リットルの
    KBr水溶液に溶解して25℃で測定し、算出される極
    限粘度〔η〕が、2dl/g以下である請求項4記載の
    澱粉製造廃液の処理方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006256871A (ja) * 2005-03-15 2006-09-28 Kurita Water Ind Ltd 澱粉製造排水から液肥を製造する方法および装置。
CN114053464A (zh) * 2020-08-04 2022-02-18 山东福洋生物科技股份有限公司 一种降低玉米淀粉微生物指标的方法

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