JPH0829816A - 閾素子 - Google Patents

閾素子

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JPH0829816A
JPH0829816A JP16233294A JP16233294A JPH0829816A JP H0829816 A JPH0829816 A JP H0829816A JP 16233294 A JP16233294 A JP 16233294A JP 16233294 A JP16233294 A JP 16233294A JP H0829816 A JPH0829816 A JP H0829816A
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transparent substrates
mirror
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JP16233294A
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English (en)
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Akio Miyata
昭雄 宮田
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Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 小さな閾値により透過光強度を急峻に変化さ
せることができるという優れた閾値特性を有する閾素子
を提供することを目的としている。 【構成】 それぞれミラー2,2’が形成され、ミラー
2,2’が対向するように配置された2枚の透明基板
1,1’と、透明基板1,1’のミラー間に狭持された
有機フォトクロミック層3より、閾素子を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、2次元の画像情報を並
列処理する光ニューラルネットワーク理論に基づく光コ
ンピュータシステムに用いられる閾素子に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】生物は、視覚により目の前にある物体を
認識する。そして、例えば、目の前の物体やパターンの
一部が欠けていたり、変形したりすると、以前に見た記
憶があれば、極めて短時間でその対象を認識することが
できる。近年、このような生物の視覚を模倣した認識処
理システムを光学系や電子回路を用いて実現し、生物の
ような認識能力を有するシステムを構築することが期待
されている。
【0003】光を信号担体として画像情報を認識する場
合には、空間光変調素子や閾素子などの光学素子が必要
となる。そして、画像のような2次元情報を並列に処理
するには、二値化処理などの閾値処理機能を有する光学
素子の開発が課題となっている。そのような閾値処理機
能が実現可能な閾値特性を得るためには、光の強度に応
じて光透過性が変化する非線形光学特性の利用が必要と
なる。
【0004】非線形光学特性には種々の機構があるが、
基本的には、光強度に応じて吸収係数が変化することに
より透過率が変化する吸収型と、光強度に応じて屈折率
が変化すことによって透過率が変化する分散型とに大別
できる。これまでの実用的な非線形光学素子の材料は、
ほとんどが無機物である。これは、非線形光学の研究に
先立って、ピエゾ効果、強誘電体半導体の電気伝導、電
気光学効果などに関する多数の研究がなされきたので、
多くの無機半導体、無機誘電体について得られた研究デ
ータの蓄積があったためである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、最近に
なって、有機化合物からなる非線形光学材料が注目され
ている。その要因として、有機非線形光学材料の中に、
通常用いられている無機結晶よりも大きい非線形光学係
数が見いだされたことや、有機化合物の多様性や物質設
計の自由度の大きさが挙げられる。
【0006】ところが、通常、有機非線形光学材料を用
いた光学素子では、スイッチング素子として実用化でき
る閾値特性を示すものはなく、従って、有機非線形光学
材料を用いた優れた閾値特性を有する閾素子は、現時点
で得られていない。
【0007】本発明は、上記のような課題を解決するた
めになされたものであって、小さな閾値により透過光強
度を急峻に変化させることができるという優れた閾値特
性を有する閾素子を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明では、閾素子を、それぞれの上にミラーが形
成され、互いに対向配置された2枚の透明基板と、前記
対向配置された透明基板間に狭持された有機フォトクロ
ミック層とによって構成している。好ましくは、上記の
閾素子において、有機フォトクロミック層を、スピロピ
ラン化合物から成る膜としている。
【0009】また、本発明では、閾素子を、それぞれミ
ラー、透明電極及び液晶配向膜が形成され、液晶配向膜
が互いに対向するよう配置された2枚の透明基板と、前
記対向配置された透明基板の液晶配向膜間に狭持された
有機フォトクロミック層とによって構成しており、その
有機フォトクロミック層として、有機フォトクロミック
化合物を液晶に混合した混合物から成るものを用いてい
る。好ましくは、上記の閾素子において、有機フォトク
ロミック化合物がスピロピラン化合物としている。
【0010】
【作用】本発明の閾素子は、上記のような構成としてい
るので、有機フォトクロミック層を挟んだファブリー・
ペロー型の光共振器構造となる。
【0011】このような共振器のミラーに、入射光を入
射させると、その一部がミラーを透過して共振器の内部
に到達する。そして、その透過光は2枚のミラーの間で
反射を繰り返し、その一部が、ミラーを透過して出力さ
れる。このとき、共振器長が入射光の半波長の整数倍に
等しいと、次々に出力される透過光は位相が整合し、干
渉して強力な出力光を生じることになる。
【0012】一方、ミラー間に挟まれた有機フォトクロ
ミック層、例えば有機フォトクロミック材料の代表的な
ものであるスピロピラン分子より成る層は、初期状態で
は無色であるが、紫外線照射によりメロシアニン型分子
に変化し、可視光領域の着色体となる。そして、この着
色体メロシアニン型分子は、可視光照射により、初期の
無色体スピロピラン型分子に戻る。即ち、紫外線と可視
光との照射により、吸光度と屈折率とが可逆的に変化す
る。
【0013】したがって、本発明の閾素子では、ファブ
リ・ペロー型の共振器の内部で、このような光反応が行
われるので、ミラー間で立つ定常波との相互作用によ
り、入射信号光を透過する第1の状態と、入射信号光を
遮断する第2の状態をもつ顕著な光双安定性が観測され
ることとなる。この光双安定性は、前述のとおり、フォ
トクロミック反応によりスピロピラン分子の構造が変化
して吸収や屈折率の変化が引き起こされるために生じる
ものである。
【0014】
【実施例】以下、本発明の一実施例について、図面を参
照して説明する。図1は、本発明の閾素子の第1の実施
例の構造を示す断面図である。図1に示すように、ミラ
ー2及びミラー2’がそれぞれ配置された2枚の透明基
板1及び透明基板1’の間には、その中央部に有機フォ
トクロミック層3が形成されており、その外周部にスペ
ーサ4が設けられ、このスペーサ4によって透明基板1
及び透明基板1’が間隔を調整されて貼り合わされてい
る。
【0015】透明基板1及び透明基板1’としては、光
処理に用いる光に対して透明なものであれば良い。有機
フォトクロミック層3として、本実施例では、有機フォ
トクロミック材料から成るラングミュア・ブロジェット
膜(LB膜)を用いており、この材料や作製法について
は後述する。スペーサ4としては、テフロンスペーサ、
ガラス球、チタンやSiO2等の蒸着膜などを用いるこ
とができる。
【0016】続いて、本実施例の閾素子の作製方法につ
いて説明する。透明基板1及び透明基板1’として、直
径が30mmで厚さ5mmの円板状の石英基板を用い
た。そして、このそれぞれの石英基板上に、ミラー2及
びミラー2’として、誘電体多層膜ミラーを形成してい
る。この誘電体多層膜ミラー2,2’は、真空蒸着法を
用いて、HfO2とSiO2とを交互に21層積層して形
成した。このようにして形成したHfO2とSiO2との
誘電体多層膜ミラーの反射率は、200nm〜500n
mの波長の光領域では3〜5%程度であり、600nm
〜700nmの波長の光領域では90%程度であった。
なお、透明基板1及び透明基板1’のミラー2及びミラ
ー2’を配置した反対側の面には、ARコート(反射防
止コート)を施した。
【0017】次に、有機フォトクロミック層を形成す
る。本実施例で用いた有機フォトクロミック材料は、下
記の化1で表されるオクタデシルスピロピラン化合物
(以下、SP1と称す)であり、成膜方法としてラング
ミュア・ブロジュット法(LB法)を用いた。
【0018】
【化1】
【0019】まず、あらかじめ、上記SP1とアラキジ
ン酸とを1:1の比率で混合したクロロホルム溶液を、
水面中に滴下する。すると、水面上に単分子膜が形成さ
れるので、ここにミラー2が配置された透明基板1を上
下に移動させて、単分子膜を40層積層した。
【0020】もう一方の透明基板1’側、すなわちミラ
ー2’の上には、スペーサ4として、Ti(チタン)膜
を300nmの厚さで外周部に真空蒸着法により形成し
た。次に、このようにスペーサ4を形成した透明基板
1’を、金属製ホルダーに取り付け、もう一方の透明基
板1を、スペーサ4と有機フォトクロミック層3が対向
するように、注意深くマイクロメータを用いて押付け
た。この状態で、張り合わせたミラーの側面に紫外線硬
化樹脂を塗布し、紫外線を照射して樹脂を硬化させて2
組のミラー基板を固定した。
【0021】上記のようにして作製した閾素子につい
て、光学特性の評価を行った。その評価は、トリガー光
としてHeCdレーザ光(325nm)を照射し、信号
光としてHeNeレーザ(633nm)を閾素子を透過
させて、トリガー光強度変化に対する信号光の透過率変
化を、光パワーメータにより測定することにより行っ
た。その結果を図2に示す。図2より、トリガー光強度
が閾値(約1W/cm2)を越えると、信号光の透過光
(出力光)が急峻に大きく変化する閾値特性を確認でき
た。
【0022】続いて、第2の実施例について説明する。
第2の実施例においては第1の実施例と異なる点は、有
機フォトクロミック層として、下記化2で表されるオク
タデシルスピロナフトオキサジン化合物(以下、SP2
と称す)から成る膜を、有機分子線蒸着法を用いて形成
したことと、図1のミラー2’として金属反射膜を用い
たことである。
【0023】
【化2】
【0024】まず、第1の実施例と異なる部分の素子作
製について説明する。第1の実施例と同様にして誘電体
多層膜ミラーが形成された透明基板(石英基板)の誘電
体多層膜ミラー上に、有機分子線蒸着法を用いて、SP
1を成膜する。このときの蒸着条件は、成膜時の真空度
を7×10-7とし、クヌーセンセル蒸着源を用いてその
温度を173℃とし、基板温度を25℃とし、成膜チャ
ンバー底面に設けた300nm以上の光を透過する透明
窓から水銀ランプ光源からの紫外線を光ファイバーを通
して照射しながら、蒸着を行い膜厚が1.5μmのSP
3膜を得た。
【0025】上記のようにして形成したSP2膜の有機
フォトクロミック層の上に、ミラーとして金属反射膜を
形成する。本実施例では、金属反射膜として、膜厚が3
00nmの銀膜を真空蒸着法を用いて形成し、その透過
率は約5%となった。
【0026】上記のようにして作製した第2の実施例の
閾素子の評価について説明する。トリガー光としてHe
Cdレーザ光(325nm)を、信号光としてHeNe
レーザ(633nm)をそれぞれ用い、先述の第1の実
施例と同様にして評価した結果を図3に示す。図3よ
り、第2の実施例の閾素子についても、第1の実施例と
ほぼ同様に、トリガー光強度が閾値(約0.4W/cm
2)を越えると、信号光の透過光(出力光)が急峻に大
きく変化する閾値特性を確認できた。
【0027】なお、上記第2の実施例では、有機分子線
蒸着法を用いて紫外線照射しながら有機フォトクロミッ
ク層を形成するものの一例について説明したが、SP2
とヘキサトリアコンタン等の長鎖アルカン分子とを交互
に積層した積層膜から成る有機フォトクロミック層も、
同様の成膜方法にて形成することができる。この場合、
有機フォトクロミック層の下地層として、ミラー上にス
テアリン酸層を形成してから、その上に有機フォトクロ
ミック層を形成しても良い。
【0028】続いて、第3の実施例として、有機フォト
クロミック層を、有機フォトクロミック化合物を液晶に
混合した混合物から形成したものについて説明する。
【0029】第3の実施例の閾素子の構造は、図4の断
面図に示すように、ミラー12及びミラー12’、透明
電極15及び透明電極15’、液晶配向膜16及び液晶
配向膜16’がそれぞれ配置された2枚の透明基板1及
び透明基板1’の間には、その中央部に有機フォトクロ
ミック化合物を液晶に混合した混合物から成る有機フォ
トクロミック層13が形成されており、その外周部にス
ペーサ14が設けられ、このスペーサ14によって透明
基板11及び透明基板11’が間隔を調整されて貼り合
わされている。すなわち、第3の実施例の構造は、第
1、2の実施例の構造に加えて、透明電極15、15’
と液晶配向膜16、16’が備えられている。ただし、
ミラー12、12’として、銀膜などの導電性の金属反
射膜を用いる場合には、これが電極としても作用するの
で、透明電極15、15’を省いてもよい。
【0030】第3の実施例の閾素子の作製について説明
する。第1の実施例と同様に、透明基板11及び透明基
板11’として、直径が30mmで厚さ5mmの円板状
の石英基板を用いた。そして、このそれぞれの石英基板
上に、ミラー12及びミラー12’として、誘電体多層
膜ミラーを用いて、真空蒸着法を用いて、SiO2とZ
rO2とを交互に16層積層して形成した。このように
して形成したSiO2とZrO2との誘電体多層膜ミラー
の反射率は、633nm近傍の波長に対して95%程
度、325nm近傍の波長に対して数%程度であった。
なお、透明基板11及び透明基板11’のミラー12及
びミラー12’を配置した反対側の面には、ARコート
(反射防止コート)を施した。次に、この誘電体ミラー
上に、透明電極15及び透明電極15’として、ITO
膜をスパッタ法により膜厚30.7nmの膜厚で形成し
た。
【0031】次に、このそれぞれのITO膜上に、液晶
を配向させるための液晶配向膜16及び液晶配向膜1
6’を形成する。本実施例では、γ−ブチロラクタンを
2倍に希釈し、スピンコート法を用いて、回転数が15
00rpm、20秒間の条件で成膜した。そして、この
ように成膜したγ−ブチロラクタン膜にラビング処理を
施し、液晶配向膜とした。次に、この液晶配向膜が形成
された一方の透明基板11の外周部上に、スクリーン印
刷を用いて熱硬化樹脂を塗布し、直径5μmのビーズ状
スペーサ(ガラスビーズ)14を熱硬化樹脂塗布部に配
置し、液晶配向膜16及び液晶配向膜16’が対向する
ように、2枚の透明基板11及び透明基板11’を重ね
合わせる。ただし、ここで、後に有機フォトクロミック
化合物を液晶に混合した混合物を注入するための注入口
を設けておいた。上記のように重ね合わせた透明基板1
1及び透明基板11’に、He−Neレーザ光を照射し
て仮止めをし、これらの基板が平行になるよう、干渉縞
を観察して調整した後、オーブンを用いて熱硬化樹脂を
完全に硬化させ、セルを作製した。
【0032】次いで、有機フォトクロミック化合物を液
晶に混合することについて説明する。本実施例では、有
機フォトクロミック化合物としてSP2(オクタデシル
ナフトオキサジン化合物)を用い、このSP2を5%w
/wの割合で、下記化3で表されるネマチック液晶(以
下、LC1と称す)に混合した。
【0033】
【化3】
【0034】このようにしてSP2にLC1を混合した
混合物を、上記のセルの注入口から、真空雰囲気の真空
ベルジャー内で注入し、最後にセルの注入口を樹脂を用
いて封止して、閾素子の作製を完了した。
【0035】第3の実施例の閾素子の製造において、有
機フォトクロミック層の形成は、真空雰囲気中でセルの
注入口から有機フォトクロミック化合物と液晶との混合
物を注入するだけでよく、LB法を用いた第1の実施例
や有機分子線蒸着法を用いた第2の実施例に比較する
と、非常に容易で確実に行うことができ、製造コストも
非常に安価に抑えることができ、大量生産に適してい
る。
【0036】上記のようにして作製した第3の実施例の
閾素子の光学特性の評価は、透明電極15、15’(I
TO膜)に1kHzの交流電圧10Vを印加して、トリ
ガー光としてHeCdレーザ光(325nm)を、信号
光としてHeNeレーザ(633nm)をそれぞれ用
い、先述の第1、2の実施例と同様にして信号光の透過
光強度の測定を行った。その結果は、図5に示すよう
に、第3の実施例の閾素子についても、第1、2の実施
例とほぼ同様に、トリガー光強度が閾値(約8W/cm
2)を越えると、信号光の透過光(出力光)が急峻に大
きく変化する閾値特性を確認できた。
【0037】なお、上記第3の実施例では、有機フォト
クロミック化合物としてSP2を用いたが、これに限定
されるものではなく、前述のSP1や下記化4で表され
るSP3(オクタデシルスピロオキサジン化合物)等の
スピロピラン化合物や、ジアリールエテン化合物、アゾ
ベンゼン化合物なども用いることができ、これらの有機
フォトクロミック化合物の複数を混合するようにしても
良い。
【0038】
【化4】
【0039】また、液晶材料についても、上記第3の実
施例に限定されるものではなく、下記化5及び化6で表
されるLC2及びLC3等のようなネマチック液晶や、
強誘電性液晶等も用いることができる。
【0040】
【化5】
【0041】
【化6】
【0042】なお、誘電体多層膜ミラーは、上記実施例
に限定されるものではなく、高屈折率膜と低屈折率膜と
を多層に積層したものであれば良く、またこれらの屈折
率や積層数などは、用いる光の波長等により適宜設定さ
れるものである。
【0043】本発明の閾素子を作製するためには、有機
フォトクロミック層の形成において、精密に膜厚を制御
して形成する必要がある。有機フォトクロミック層の膜
厚を精密に制御して形成するには、ラングミュア・ブロ
ジェット法(LB法)、真空蒸着法、分子線蒸着法等を
用いることができる。
【0044】また、有機フォトクロミック層として、有
機フォトクロミック化合物を液晶に混合した混合物を用
いる場合には、ガラス球などのスペーサを用いて、2枚
のミラー間に隙間を設け、その空間に注入すれば良い。
【0045】本発明の閾素子に用いとことができる有機
フォトクロミック化合物としては、下記のようなものが
ある。
【0046】1,3,3,-トリメチルインドリノ-6'-ニトロ
ベンゾスピロピラン、1,3,3,-トリメチルインドリノ-6'
-ニトロ-8'-メトキシベンゾスピロピラン、1,3,3,-トリ
メチルインドリノ-5'-ニトロ-8'-メトキシベンゾスピロ
ピラン、1,3,3,-トリメチルインドリノ-6'-8'-ジブロモ
ベンゾスピロピラン、1-(オクタデシル),3,3,-トリメチ
ルインドリノ-6'-8'-ジブロモベンゾスピロピラン、1,
3,3,-トリメチルスピロ[インドリノ-2,3-ナフトオキサ
ジン]、1-(オクタデシル)3,3,トリメチルスピロ[インド
リノ-2,3-ナフトオキサジン]、2,3-ビス(2-メチルイン
ドリル)マレイン酸無水物、2,3-ビス(2-メチルベンゾイ
ンドリル)マレイン酸無水物、2,3-ジチエニルマレイン
酸無水物、非対称ジアリールペンフルオロシクロペンテ
ン、ビスベンゾチエニルペルフルオロシクロペンテン、
フルギド、チオインジゴ、アゾベンゼン、4-メトキシア
ゾペンゼン。
【0047】
【発明の効果】以上のように、本発明の閾素子は、有機
フォトクロミック層の光誘起屈折率変化と、光共振器構
造による光干渉効果を利用しているので、閾素子のミラ
ー面に照射したトリガー光の強度が比較的小さなある閾
値を越えることにより、信号光の透過率を急峻に増加さ
せることができるという優れた閾値特性を得ることがで
きる。このような本発明の閾素子による閾値特性は、光
ニューラルネットワークシステムを構築するうえで、非
常に有効な機能として用いられるものであり、例えば、
画像パターンの2値化処理に応用することができる。
【0048】更に、請求項1〜2に記載の発明によれ
ば、光のみで上記のような光学的処理を行うことができ
るので、光ニューラルネットワークシステムの構成を非
常に簡素化することができる。
【0049】また、請求項3〜4に記載の発明によれ
ば、有機フォトクロミック層の形成が、非常に容易で確
実に行うことができ、製造コストも非常に安価に抑える
ことができ、大量生産に適している。
【0050】また、本発明の閾素子は、従来の光学素子
よりも比較的低パワーのトリガー光を用いて、閾値特性
が得られるので、大規模な光ニューラルネットワークシ
ステムを構築することができる。
【0051】また、本発明の閾素子は、有機材料を用い
た簡単な構成で素子を実現できるので、比較的低コスト
で製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の閾素子の構造を示す要部断
面図である。
【図2】第1の実施例の閾素子についてトリガー光強度
変化に対する信号光の透過率変化を測定した結果を示す
図である。
【図3】第2の実施例の閾素子についてトリガー光強度
変化に対する信号光の透過率変化を測定した結果を示す
図である。
【図4】本発明の一実施例の閾素子の構造を示す要部断
面図である。
【図5】第3の実施例の閾素子についてトリガー光強度
変化に対する信号光の透過率変化を測定した結果を示す
図である。
【符号の説明】
1,1’,11,11’ 透明基板 2,2’,12,12’ ミラー 3,13 有機フォトクロミック層 4,14 スペーサ 15,15’ 透明電極 16,16’ 液晶配向膜

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれミラーが形成され、該ミラーが
    対向するように配置された2枚の透明基板と、該透明基
    板のミラー間に狭持された有機フォトクロミック層より
    なる閾素子。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の閾素子において、前記
    有機フォトクロミック層がスピロピラン化合物から成る
    ことを特徴とする閾素子。
  3. 【請求項3】 それぞれミラー、透明電極及び液晶配向
    膜が形成され、前記液晶配向膜が対向するよう配置され
    た2枚の透明基板と、前記透明基板の液晶配向膜間に狭
    持された有機フォトクロミック化合物と液晶との混合物
    から成る層を有することを特徴とする閾素子。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の閾素子であって、前記
    有機フォトクロミック化合物がスピロピラン化合物であ
    ることを特徴とする閾素子。
JP16233294A 1994-07-14 1994-07-14 閾素子 Pending JPH0829816A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005316509A (ja) * 1998-10-20 2005-11-10 Gentex Corp 第3面反射器を備えた電気光学ミラー

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005316509A (ja) * 1998-10-20 2005-11-10 Gentex Corp 第3面反射器を備えた電気光学ミラー

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