JPH0829707A - 空間光変調素子および空間光変調器 - Google Patents
空間光変調素子および空間光変調器Info
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- JPH0829707A JPH0829707A JP16544694A JP16544694A JPH0829707A JP H0829707 A JPH0829707 A JP H0829707A JP 16544694 A JP16544694 A JP 16544694A JP 16544694 A JP16544694 A JP 16544694A JP H0829707 A JPH0829707 A JP H0829707A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】各画素に対応する反射型の空間光変調素子を配
列して構成される空間光変調器において、少ない画素数
で拡散ディザ法などによる多階調の階調表現が行なえる
ようにする。 【構成】空間光変調素子の反射面を構成するフラップ1
6の表面に、反射率を制御するための反射率制御膜21
を設ける。反射率の異なる複数種類の空間光変調素子を
配列して空間光変調器を構成する。
列して構成される空間光変調器において、少ない画素数
で拡散ディザ法などによる多階調の階調表現が行なえる
ようにする。 【構成】空間光変調素子の反射面を構成するフラップ1
6の表面に、反射率を制御するための反射率制御膜21
を設ける。反射率の異なる複数種類の空間光変調素子を
配列して空間光変調器を構成する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、クーロン力によって変
位する反射面によって反射光をスイッチングする空間光
変調素子と、画素に対応させて複数の空間光変調素子を
配列した空間光変調器とに関する。
位する反射面によって反射光をスイッチングする空間光
変調素子と、画素に対応させて複数の空間光変調素子を
配列した空間光変調器とに関する。
【0002】
【従来の技術】光学式プリンタや投影型の表示装置など
では、複数の画素に対する記録や表示を一括して行なう
ために、微小な空間光変調素子を複数個配列した空間光
変調器が使用されている。ここで空間光変調素子は、典
型的には、梁構造で支持された反射面を有し、記録信号
に応じてクーロン力などにより反射面を変位させること
により、反射光をスイッチングするように構成されてい
る。そして、画素ごとに空間光変調素子が設けられるよ
うに空間光変調素子を1次元あるいは2次元に配置し
て、空間光変調器が構成されている。このような空間光
変調素子として、例えば、日本光学会発行の雑誌「光
学」、第20巻第653頁(1991年)に開示された
ものや、特開昭61−116324号、特公平3−78
622号、特公平3−78623号、特開昭61−12
9627号、特開昭58−10714号などの各公報に
開示されているものが知られている。
では、複数の画素に対する記録や表示を一括して行なう
ために、微小な空間光変調素子を複数個配列した空間光
変調器が使用されている。ここで空間光変調素子は、典
型的には、梁構造で支持された反射面を有し、記録信号
に応じてクーロン力などにより反射面を変位させること
により、反射光をスイッチングするように構成されてい
る。そして、画素ごとに空間光変調素子が設けられるよ
うに空間光変調素子を1次元あるいは2次元に配置し
て、空間光変調器が構成されている。このような空間光
変調素子として、例えば、日本光学会発行の雑誌「光
学」、第20巻第653頁(1991年)に開示された
ものや、特開昭61−116324号、特公平3−78
622号、特公平3−78623号、特開昭61−12
9627号、特開昭58−10714号などの各公報に
開示されているものが知られている。
【0003】図7(a),(b)は、それぞれ、従来のカンチ
レバー型の空間光変調素子の構成を示す平面図と断面図
である。この空間光変調素子は、シリコン基板11の表
面に絶縁層12を介してアドレス電極13を設け、アド
レス電極13の上方に空隙19を介してフラップ16を
配した構成となっている。フラップ16は、反射部材で
あり、反射膜15によって構成されており、支点17を
介して片持ち梁構造で支持されている。すなわち、アド
レス電極13などを含むシリコン基板11の上にスペー
サ14を設け、スペーサ14の表面に反射膜15を設
け、反射膜15をパターニングしてフラップ16や支点
17を形成している。スペーサ14には、空隙19に対
応する開口部が設けられている。フラップ16は略正方
形であって、その頂点のうちの1つが支点17となって
スペーサ14側に支持されている。
レバー型の空間光変調素子の構成を示す平面図と断面図
である。この空間光変調素子は、シリコン基板11の表
面に絶縁層12を介してアドレス電極13を設け、アド
レス電極13の上方に空隙19を介してフラップ16を
配した構成となっている。フラップ16は、反射部材で
あり、反射膜15によって構成されており、支点17を
介して片持ち梁構造で支持されている。すなわち、アド
レス電極13などを含むシリコン基板11の上にスペー
サ14を設け、スペーサ14の表面に反射膜15を設
け、反射膜15をパターニングしてフラップ16や支点
17を形成している。スペーサ14には、空隙19に対
応する開口部が設けられている。フラップ16は略正方
形であって、その頂点のうちの1つが支点17となって
スペーサ14側に支持されている。
【0004】シリコン基板11内に駆動用のMOSトラ
ンジスタを形成しておき、このMOSトランジスタのソ
ースとアドレス電極13とを接続しアドレス電極13に
電圧を印加することによって、アドレス電極13表面に
電荷が蓄積されるようになる。フラップ16とアドレス
電極13との間隙を十分に小さなものとすることによっ
て、アドレス電極13に電荷が蓄積された場合にアドレ
ス電極13とフラップ16との間にクーロン引力が作用
してフラップ16が傾くようになる。したがって、記録
信号に応じてアドレス電極13に電圧を印加することに
より、フラップ16が傾いたり元の位置に戻ったりする
ようになる。フラップ16は反射膜15で構成されてい
るので、フラップ16に入射する光に対する反射光の方
向が変化し、反射光のスイッチングを行なうことが可能
となる。入射光の方向が同じであれば、フラップ16か
らの反射光は、記録信号に応じて、少なくとも2つの方
向のうちのいずれかの方向に出射することになるので、
以下の説明においては、第1の方向に反射光が出射する
状態をオン(ON)状態、第1の方向の方向以外の方向
に反射光が出射する状態をオフ(OFF)状態というこ
とにする。オン状態は、典型的には、対応する画素に対
する記録や書込みが行なわれる状態である。
ンジスタを形成しておき、このMOSトランジスタのソ
ースとアドレス電極13とを接続しアドレス電極13に
電圧を印加することによって、アドレス電極13表面に
電荷が蓄積されるようになる。フラップ16とアドレス
電極13との間隙を十分に小さなものとすることによっ
て、アドレス電極13に電荷が蓄積された場合にアドレ
ス電極13とフラップ16との間にクーロン引力が作用
してフラップ16が傾くようになる。したがって、記録
信号に応じてアドレス電極13に電圧を印加することに
より、フラップ16が傾いたり元の位置に戻ったりする
ようになる。フラップ16は反射膜15で構成されてい
るので、フラップ16に入射する光に対する反射光の方
向が変化し、反射光のスイッチングを行なうことが可能
となる。入射光の方向が同じであれば、フラップ16か
らの反射光は、記録信号に応じて、少なくとも2つの方
向のうちのいずれかの方向に出射することになるので、
以下の説明においては、第1の方向に反射光が出射する
状態をオン(ON)状態、第1の方向の方向以外の方向
に反射光が出射する状態をオフ(OFF)状態というこ
とにする。オン状態は、典型的には、対応する画素に対
する記録や書込みが行なわれる状態である。
【0005】また、図8(a),(b)は、トーション(ねじ
れ)型の空間光変調素子を示している。この空間光変調
素子は、図7(a),(b)のカンチレバー型のものとほぼ同
様のものであるが、フラップ16が対をなす2つの支点
18a,18bで支持されていることとアドレス電極1
3の形状で相違する。すなわち略正方形のフラップ16
の対向する2頂点に支点18a,18bが設けられてお
り、これら支点18a,18b間を結ぶ直線に対する片
側にのみに対応してアドレス電極13が設けられてい
る。この空間光変調素子では、アドレス電極13に電圧
を印加することにより、アドレス電極13とフラップ1
6との間にクーロン引力が作用し、支点18a,18b
を結ぶ直線を回転軸としてフラップ16がねじれるよう
に変位し、フラップ16の面の傾きが変化する。
れ)型の空間光変調素子を示している。この空間光変調
素子は、図7(a),(b)のカンチレバー型のものとほぼ同
様のものであるが、フラップ16が対をなす2つの支点
18a,18bで支持されていることとアドレス電極1
3の形状で相違する。すなわち略正方形のフラップ16
の対向する2頂点に支点18a,18bが設けられてお
り、これら支点18a,18b間を結ぶ直線に対する片
側にのみに対応してアドレス電極13が設けられてい
る。この空間光変調素子では、アドレス電極13に電圧
を印加することにより、アドレス電極13とフラップ1
6との間にクーロン引力が作用し、支点18a,18b
を結ぶ直線を回転軸としてフラップ16がねじれるよう
に変位し、フラップ16の面の傾きが変化する。
【0006】図9は、上述した空間光変調素子を複数個
用いた光学式プリンタの構成を示している。
用いた光学式プリンタの構成を示している。
【0007】空間光変調器33は、上述した空間光変調
素子30を一列に複数個配置した構成となっている。こ
こで示した例では、図示紙面に垂直な方向に空間光変調
素子30が配置されており、この方向がプリンタの主走
査方向となっている。空間光変調器33に対して斜めに
光を入射させるように、光源31およびコンデンサレン
ズ32が設けられている。空間光変調器33に対向して
感光体ドラム35が配置されており、オン状態から空間
光変調素子30からの反射光をこの感光体ドラム35の
表面に投影するための投影レンズ34が、空間光変調器
33と感光体ドラム35との間に設けられている。感光
体ドラム35は、前述の主走査方向に平行な軸を回転軸
として、図示矢印方向に回転できるようになっている。
さらに、オフ状態の空間光変調素子30からの反射光を
吸収しあるいは遮るために、遮光板36が設けられてい
る。このプリンタでは、画素位置(記録位置)の選択
は、主走査方向には空間光変調素子30の選択により、
副走査方向には感光体ドラム35の回転によって行なわ
れる。1次元配列された各空間光変調素子を感光体ドラ
ム35の回転に応じて駆動することにより、オンおよび
オフの時分割情報として、記録画像が感光体ドラム35
に形成されるようになっている。
素子30を一列に複数個配置した構成となっている。こ
こで示した例では、図示紙面に垂直な方向に空間光変調
素子30が配置されており、この方向がプリンタの主走
査方向となっている。空間光変調器33に対して斜めに
光を入射させるように、光源31およびコンデンサレン
ズ32が設けられている。空間光変調器33に対向して
感光体ドラム35が配置されており、オン状態から空間
光変調素子30からの反射光をこの感光体ドラム35の
表面に投影するための投影レンズ34が、空間光変調器
33と感光体ドラム35との間に設けられている。感光
体ドラム35は、前述の主走査方向に平行な軸を回転軸
として、図示矢印方向に回転できるようになっている。
さらに、オフ状態の空間光変調素子30からの反射光を
吸収しあるいは遮るために、遮光板36が設けられてい
る。このプリンタでは、画素位置(記録位置)の選択
は、主走査方向には空間光変調素子30の選択により、
副走査方向には感光体ドラム35の回転によって行なわ
れる。1次元配列された各空間光変調素子を感光体ドラ
ム35の回転に応じて駆動することにより、オンおよび
オフの時分割情報として、記録画像が感光体ドラム35
に形成されるようになっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来の空間光
変調素子は、記録または表示の画素位置からみた場合に
は、オンまたはオフの2値の制御しか行なえない。ま
た、光源光量は一定であるのが一般的である。したがっ
て、強度変調による階調表現を行なうことができないと
いう問題点がある。また、ディザ法などにより複数画素
を用いて階調表現を行なうことも考えられるが、階調数
に比例した数の画素を用意する必要があり、空間分解能
に比べて画素数すなわち空間光変調素子数が極めて多く
なってしまうという問題点がある。
変調素子は、記録または表示の画素位置からみた場合に
は、オンまたはオフの2値の制御しか行なえない。ま
た、光源光量は一定であるのが一般的である。したがっ
て、強度変調による階調表現を行なうことができないと
いう問題点がある。また、ディザ法などにより複数画素
を用いて階調表現を行なうことも考えられるが、階調数
に比例した数の画素を用意する必要があり、空間分解能
に比べて画素数すなわち空間光変調素子数が極めて多く
なってしまうという問題点がある。
【0009】本発明の目的は、より少ない数の空間光変
調素子を用いて階調表現を可能とする空間光変調器と、
この空間光変調器に使用される空間光変調素子を提供す
ることにある。
調素子を用いて階調表現を可能とする空間光変調器と、
この空間光変調器に使用される空間光変調素子を提供す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の空間光変調素子
は、反射部材と、前記反射部材との間に作用するクーロ
ン力によって前記反射部材を変位させる電極とを有し、
前記反射部材の変位に応じて前記反射部材からの反射光
の出射方向を変化させる空間光変調素子において、前記
反射部材の反射率を制御するための反射率制御膜が前記
反射部材の表面に設けられている。反射部材は、梁構造
によって支持された翼状の部材とすることができる。
は、反射部材と、前記反射部材との間に作用するクーロ
ン力によって前記反射部材を変位させる電極とを有し、
前記反射部材の変位に応じて前記反射部材からの反射光
の出射方向を変化させる空間光変調素子において、前記
反射部材の反射率を制御するための反射率制御膜が前記
反射部材の表面に設けられている。反射部材は、梁構造
によって支持された翼状の部材とすることができる。
【0011】本発明の空間光変調器は、各画素に対応し
反射部材と前記反射部材との間に作用するクーロン力に
よって前記反射部材を変位させる電極とを有して前記反
射部材の変位に応じて前記反射部材からの反射光の出射
方向を変化させる空間光変調素子を使用し、複数個の前
記空間光変調素子を配列して構成される空間光変調器に
おいて、反射率の異なる複数種類の空間光変調素子が配
列されている。この場合、少なくとも1種類の空間光変
調素子が、反射部材の反射率を制御するための反射率制
御膜を反射部材の表面に備えるようにするとよい。ま
た、反射率の種類ごとに空間光変調素子が規則的に配列
されるようにするとよい。
反射部材と前記反射部材との間に作用するクーロン力に
よって前記反射部材を変位させる電極とを有して前記反
射部材の変位に応じて前記反射部材からの反射光の出射
方向を変化させる空間光変調素子を使用し、複数個の前
記空間光変調素子を配列して構成される空間光変調器に
おいて、反射率の異なる複数種類の空間光変調素子が配
列されている。この場合、少なくとも1種類の空間光変
調素子が、反射部材の反射率を制御するための反射率制
御膜を反射部材の表面に備えるようにするとよい。ま
た、反射率の種類ごとに空間光変調素子が規則的に配列
されるようにするとよい。
【0012】
【作用】本発明の空間光変調素子は反射部材の反射率を
制御するための反射率制御膜を有するので、空間光変調
素子の反射率を任意に設定でき、同一強度の光源を使用
する場合であっても空間光変調素子からの反射光(出力
光)の強度を異ならせることが可能になる。
制御するための反射率制御膜を有するので、空間光変調
素子の反射率を任意に設定でき、同一強度の光源を使用
する場合であっても空間光変調素子からの反射光(出力
光)の強度を異ならせることが可能になる。
【0013】本発明の空間光変調器は、反射率の異なる
複数種類の空間光変調素子を有するので、異なる反射光
強度を組み合わせて表現を行なうことが可能となり、複
数個の画素を用いて階調表現する場合に、同一の反射率
の空間光変調素子を使用する場合に比べ、多階調での表
現が可能になる。より正確な階調表現を実現するために
は、反射率の種類ごとに空間光変調素子が規則的に配列
されるようにすればよい。
複数種類の空間光変調素子を有するので、異なる反射光
強度を組み合わせて表現を行なうことが可能となり、複
数個の画素を用いて階調表現する場合に、同一の反射率
の空間光変調素子を使用する場合に比べ、多階調での表
現が可能になる。より正確な階調表現を実現するために
は、反射率の種類ごとに空間光変調素子が規則的に配列
されるようにすればよい。
【0014】
【実施例】次に、本発明の実施例について、図面を参照
して説明する。
して説明する。
【0015】図1(a),(b)は、それぞれ、本発明の一実
施例のカンチレバー型の空間光変調素子の構成を示す平
面図と断面図である。この空間光変調素子は、図7(a),
(b)に示した空間光変調素子と同様のものであるが、フ
ラップ16上に、反射率制御膜21を設けた構成となっ
ている。反射率制御膜21は、空間光変調素子の反射率
を制御するためのものであって、具体的には、フラップ
16(反射膜15)表面での光の反射率と異なる反射率
を有する材料の薄膜で構成されている。
施例のカンチレバー型の空間光変調素子の構成を示す平
面図と断面図である。この空間光変調素子は、図7(a),
(b)に示した空間光変調素子と同様のものであるが、フ
ラップ16上に、反射率制御膜21を設けた構成となっ
ている。反射率制御膜21は、空間光変調素子の反射率
を制御するためのものであって、具体的には、フラップ
16(反射膜15)表面での光の反射率と異なる反射率
を有する材料の薄膜で構成されている。
【0016】同様の構成の空間光変調素子は、トーショ
ン型によっても構成できる。図2(a),(b)は、それぞ
れ、本発明の一実施例のトーション型の空間光変調素子
の構成を示す平面図と断面図である。この空間光変調素
子は、図8(a),(b)に示した空間光変調素子において、
フラップ16上に反射率制御膜21を設けた構成となっ
ている。
ン型によっても構成できる。図2(a),(b)は、それぞ
れ、本発明の一実施例のトーション型の空間光変調素子
の構成を示す平面図と断面図である。この空間光変調素
子は、図8(a),(b)に示した空間光変調素子において、
フラップ16上に反射率制御膜21を設けた構成となっ
ている。
【0017】上述した空間光変調素子では、反射率制御
膜21が設けられているので、例えばこの空間光変調素
子から出射する反射光の強度は、反射率制御膜の設けら
れていない空間光変調素子からの反射光の強度とは異な
る。また、反射率制御膜の反射率を異ならせることによ
って、反射率制御膜を備えた空間光変調素子の相互間
で、反射光の強度を変化させることができる。
膜21が設けられているので、例えばこの空間光変調素
子から出射する反射光の強度は、反射率制御膜の設けら
れていない空間光変調素子からの反射光の強度とは異な
る。また、反射率制御膜の反射率を異ならせることによ
って、反射率制御膜を備えた空間光変調素子の相互間
で、反射光の強度を変化させることができる。
【0018】次に、上述した空間光変調素子を用いる空
間光変調器について説明する。図3の空間光変調器は、
2種類(図示AとB)の空間光変調素子22A,22B
を交互に一列に配列した構成となっている。この空間光
変調器は、感光体ドラムを使用する光学式プリンタな
ど、主走査方向に沿った直線状の領域に一括して記録や
表示などを行なう場合に使用されるものである。ここで
は、図示Aの空間光変調素子22Aとして、上述の図1
(a),(b)や図2(a),(b)に示したような反射率制御膜を有
する空間光変調素子を使用し、図示Bの空間光変調素子
22Bとして、上述の図7(a),(b)や図8(a),(b)に示し
たような反射率制御膜を設けていない空間光変調素子を
使用する。反射率制御膜を有する空間光変調素子22A
の反射率は、反射率制御膜を有しない空間光変調素子2
2Bの反射率の例えば半分となっている。以下の説明に
おいて、それぞれの反射率に応じて定まる反射光の光量
を値Aあるいは値Bで表わすものとする。
間光変調器について説明する。図3の空間光変調器は、
2種類(図示AとB)の空間光変調素子22A,22B
を交互に一列に配列した構成となっている。この空間光
変調器は、感光体ドラムを使用する光学式プリンタな
ど、主走査方向に沿った直線状の領域に一括して記録や
表示などを行なう場合に使用されるものである。ここで
は、図示Aの空間光変調素子22Aとして、上述の図1
(a),(b)や図2(a),(b)に示したような反射率制御膜を有
する空間光変調素子を使用し、図示Bの空間光変調素子
22Bとして、上述の図7(a),(b)や図8(a),(b)に示し
たような反射率制御膜を設けていない空間光変調素子を
使用する。反射率制御膜を有する空間光変調素子22A
の反射率は、反射率制御膜を有しない空間光変調素子2
2Bの反射率の例えば半分となっている。以下の説明に
おいて、それぞれの反射率に応じて定まる反射光の光量
を値Aあるいは値Bで表わすものとする。
【0019】このように空間光変調器を構成することに
より、隣接する2つの画素(図3において破線で示され
た画素の組み合わせ)を1組として階調表現を行なう場
合に、空間光変調素子22A,22Bをそれぞれオン−
オフ制御することによって、0,A,B,A+Bの4階
調での表現が可能となる。これに対し、単一の反射率
(例えばBとする)の空間光変調素子を配列した場合に
は、0,B,2Bの3階調の表現しか行なうことができ
ない。すなわち、本発明の構成とすることによって、同
じ画素数でより多階調の階調表現を行なうことができ
る。ここでは一方の空間光変調素子22Bには反射率制
御膜を設けないものとして説明したが、他方の空間光変
調素子22Aに設けられた反射率制御膜の反射率とは異
なる反射率の反射率制御膜を一方の空間光変調素子22
Bに設けるようにしてもよい。
より、隣接する2つの画素(図3において破線で示され
た画素の組み合わせ)を1組として階調表現を行なう場
合に、空間光変調素子22A,22Bをそれぞれオン−
オフ制御することによって、0,A,B,A+Bの4階
調での表現が可能となる。これに対し、単一の反射率
(例えばBとする)の空間光変調素子を配列した場合に
は、0,B,2Bの3階調の表現しか行なうことができ
ない。すなわち、本発明の構成とすることによって、同
じ画素数でより多階調の階調表現を行なうことができ
る。ここでは一方の空間光変調素子22Bには反射率制
御膜を設けないものとして説明したが、他方の空間光変
調素子22Aに設けられた反射率制御膜の反射率とは異
なる反射率の反射率制御膜を一方の空間光変調素子22
Bに設けるようにしてもよい。
【0020】図4に示した空間光変調器は、反射率が異
なる2種類(図示AとB)の空間光変調素子22A,2
2Bを2列にかつ交互(市松模様状)に配置した構成と
なっている。2種類の反射率は、その比が例えば1:3
になるように設定される。この空間光変調器も、図3に
示したものと同様に、直線状の領域に一括して記録や表
示を行なうために使用されるものである。そして、各空
間光変調素子22A,22Bをそれぞれオン−オフ制御
し、縦横各2個ずつの正方形状に配置された計4個の画
素(図4において破線で示された画素の組み合わせ)を
1組として階調表現を行なえば、結局、0,A,2A,
B,A+B,2A+B,2B,A+2B,2A+2Bの
9階調での表現が可能になる。これに対し、単一の反射
率(例えばBとする)の空間光変調素子を配列した場合
には、0,B,2B,3B,4Bの5階調の表現しか行
なうことができない。また本実施例では、1列目と2列
目とで、同一反射率の空間光変調素子が交差状に配置さ
れているので、ベタ画像を記録あるいは表示する場合で
あっても、副走査方向に延びる縦すじが生じない。
なる2種類(図示AとB)の空間光変調素子22A,2
2Bを2列にかつ交互(市松模様状)に配置した構成と
なっている。2種類の反射率は、その比が例えば1:3
になるように設定される。この空間光変調器も、図3に
示したものと同様に、直線状の領域に一括して記録や表
示を行なうために使用されるものである。そして、各空
間光変調素子22A,22Bをそれぞれオン−オフ制御
し、縦横各2個ずつの正方形状に配置された計4個の画
素(図4において破線で示された画素の組み合わせ)を
1組として階調表現を行なえば、結局、0,A,2A,
B,A+B,2A+B,2B,A+2B,2A+2Bの
9階調での表現が可能になる。これに対し、単一の反射
率(例えばBとする)の空間光変調素子を配列した場合
には、0,B,2B,3B,4Bの5階調の表現しか行
なうことができない。また本実施例では、1列目と2列
目とで、同一反射率の空間光変調素子が交差状に配置さ
れているので、ベタ画像を記録あるいは表示する場合で
あっても、副走査方向に延びる縦すじが生じない。
【0021】以上、2列に配列する場合も含めて1次元
状に空間光変調素子を配列する場合を説明したが、2次
元状に空間光変調素子を配列して空間光変調素子を構成
することも可能である。2次元配列の例としては、図5
に示すような投影光学系を挙げることができる。この投
影光学系は、空間光変調素子が2次元に配列された空間
光変調器43と、光源41と、光源41からの光を空間
光変調器43上に投射するコンデンサレンズ42と、空
間光変調器43に対向して配置されたスクリーン47
と、空間光変調器43でスイッチングされた反射光をス
クリーン47上に投影するための投影レンズ44とによ
って構成されている。図6は空間光変調器43の構成を
示す平面図である。この空間光変調器43は、反射率の
異なる2種類(図示AとB)の空間光変調素子22A,
22Bを市松模様状に2次元配列したものである。この
空間光変調器43を使用することにより、図4を用いて
説明した場合と同様に、多階調での階調表現が可能とな
る。
状に空間光変調素子を配列する場合を説明したが、2次
元状に空間光変調素子を配列して空間光変調素子を構成
することも可能である。2次元配列の例としては、図5
に示すような投影光学系を挙げることができる。この投
影光学系は、空間光変調素子が2次元に配列された空間
光変調器43と、光源41と、光源41からの光を空間
光変調器43上に投射するコンデンサレンズ42と、空
間光変調器43に対向して配置されたスクリーン47
と、空間光変調器43でスイッチングされた反射光をス
クリーン47上に投影するための投影レンズ44とによ
って構成されている。図6は空間光変調器43の構成を
示す平面図である。この空間光変調器43は、反射率の
異なる2種類(図示AとB)の空間光変調素子22A,
22Bを市松模様状に2次元配列したものである。この
空間光変調器43を使用することにより、図4を用いて
説明した場合と同様に、多階調での階調表現が可能とな
る。
【0022】以上、反射率の異なる2種類の空間光変調
素子を配列して空間光変調器を構成する例を説明した
が、反射率の異なる3種類以上の空間光変調素子を配列
することによって、より多階調での表現を行なうことが
可能となる。
素子を配列して空間光変調器を構成する例を説明した
が、反射率の異なる3種類以上の空間光変調素子を配列
することによって、より多階調での表現を行なうことが
可能となる。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように本発明の空間光変調
素子は、反射部材の反射率を制御するための反射率制御
膜を設けることにより、空間光変調素子の反射率を任意
に設定でき、同一強度の光源を使用する場合であっても
空間光変調素子からの反射光(出力光)の強度を異なら
せることが可能になるという効果がある。
素子は、反射部材の反射率を制御するための反射率制御
膜を設けることにより、空間光変調素子の反射率を任意
に設定でき、同一強度の光源を使用する場合であっても
空間光変調素子からの反射光(出力光)の強度を異なら
せることが可能になるという効果がある。
【0024】本発明の空間光変調器は、反射率の異なる
複数種類の空間光変調素子を配列することにより、隣接
画素からの異なる反射光強度を組み合わせて表現を行な
うことが可能となるので、複数個の画素を用いて階調表
現する場合に、より多階調での表現が可能になるという
効果がある。したがって、より小さな領域を用いて多階
調の擬似階調表現が可能になる。また、反射率の種類ご
とに空間光変調素子を規則的に配列することにより、よ
り正確な階調表現が可能になるという効果がある。
複数種類の空間光変調素子を配列することにより、隣接
画素からの異なる反射光強度を組み合わせて表現を行な
うことが可能となるので、複数個の画素を用いて階調表
現する場合に、より多階調での表現が可能になるという
効果がある。したがって、より小さな領域を用いて多階
調の擬似階調表現が可能になる。また、反射率の種類ご
とに空間光変調素子を規則的に配列することにより、よ
り正確な階調表現が可能になるという効果がある。
【図1】(a),(b)は、それぞれ、本発明の一実施例のカ
ンチレバー型の空間光変調素子の構成を示す平面図と断
面図である。
ンチレバー型の空間光変調素子の構成を示す平面図と断
面図である。
【図2】(a),(b)は、それぞれ、本発明の別の実施例の
トーション型の空間光変調素子の構成を示す平面図と断
面図である。
トーション型の空間光変調素子の構成を示す平面図と断
面図である。
【図3】本発明に基づく空間光変調器の一例を説明する
平面図である。
平面図である。
【図4】本発明に基づく空間光変調器の別の例を説明す
る平面図である。
る平面図である。
【図5】空間光変調器を用いた投影光学系の構成を示す
図である。
図である。
【図6】投影光学系に適した空間光変調器の例を説明す
る平面図である。
る平面図である。
【図7】(a),(b)は、それぞれ、従来のカンチレバー型
の空間光変調素子の構成を示す平面図と断面図である。
の空間光変調素子の構成を示す平面図と断面図である。
【図8】(a),(b)は、それぞれ、従来のトーション型の
空間光変調素子の構成を示す平面図と断面図である。
空間光変調素子の構成を示す平面図と断面図である。
【図9】空間光変調器を用いた光学式プリンタの構成を
示す図である。
示す図である。
11 シリコン基板 12 絶縁層 13 アドレス電極 14 スペーサ 15 反射膜 16 フラップ 17,18a,18b 支点 19 空隙 21 反射率制御膜 22A,22B,30 空間光変調素子 31,41 光源 32,42 コンデンサレンズ 33,43 空間光変調器 34,44 投影レンズ 35 感光体ドラム 36 遮光板 47 スクリーン
Claims (5)
- 【請求項1】 反射部材と、前記反射部材との間に作用
するクーロン力によって前記反射部材を変位させる電極
とを有し、前記反射部材の変位に応じて前記反射部材か
らの反射光の出射方向を変化させる空間光変調素子にお
いて、前記反射部材の反射率を制御するための反射率制
御膜が前記反射部材の表面に設けられていることを特徴
とする空間光変調素子。 - 【請求項2】 前記反射部材が梁構造によって支持され
た翼状の部材である請求項1に記載の空間光変調素子。 - 【請求項3】 各画素に対応し反射部材と前記反射部材
との間に作用するクーロン力によって前記反射部材を変
位させる電極とを有して前記反射部材の変位に応じて前
記反射部材からの反射光の出射方向を変化させる空間光
変調素子を使用し、複数個の前記空間光変調素子を配列
して構成される空間光変調器において、 反射率の異なる複数種類の空間光変調素子が配列されて
いることを特徴とする空間光変調素子。 - 【請求項4】 少なくとも1種類の前記空間光変調素子
が前記反射部材の反射率を制御するための反射率制御膜
を前記反射部材の表面に備えている請求項3に記載の空
間光変調素子。 - 【請求項5】 前記種類ごとに前記空間光変調素子が規
則的に配列されている請求項3または4に記載の空間光
変調素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16544694A JPH0829707A (ja) | 1994-07-18 | 1994-07-18 | 空間光変調素子および空間光変調器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16544694A JPH0829707A (ja) | 1994-07-18 | 1994-07-18 | 空間光変調素子および空間光変調器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0829707A true JPH0829707A (ja) | 1996-02-02 |
Family
ID=15812586
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16544694A Pending JPH0829707A (ja) | 1994-07-18 | 1994-07-18 | 空間光変調素子および空間光変調器 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0829707A (ja) |
-
1994
- 1994-07-18 JP JP16544694A patent/JPH0829707A/ja active Pending
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