JPH08296646A - 軸受装置 - Google Patents

軸受装置

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JPH08296646A
JPH08296646A JP7098471A JP9847195A JPH08296646A JP H08296646 A JPH08296646 A JP H08296646A JP 7098471 A JP7098471 A JP 7098471A JP 9847195 A JP9847195 A JP 9847195A JP H08296646 A JPH08296646 A JP H08296646A
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rotating body
fixed
magnetic
superconductor
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Ryoichi Takahata
良一 高畑
Shoji Eguchi
正二 江口
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Koyo Seiko Co Ltd
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
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    • F16C32/0406Magnetic bearings
    • F16C32/0408Passive magnetic bearings
    • F16C32/0436Passive magnetic bearings with a conductor on one part movable with respect to a magnetic field, e.g. a body of copper on one part and a permanent magnet on the other part
    • F16C32/0438Passive magnetic bearings with a conductor on one part movable with respect to a magnetic field, e.g. a body of copper on one part and a permanent magnet on the other part with a superconducting body, e.g. a body made of high temperature superconducting material such as YBaCuO
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16CSHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アキシアル方向の負荷容量を向上させる。 【構成】 フライホイール7を有し、かつ垂直軸を中心
に回転する回転体1を、固定ハウジング2に対して非接
触状態で支持する軸受装置である。固定ハウジング2の
上向き面2aと、この上向き面2aに対向する回転体1のフ
ライホイール7の下面7aとの間に、超電導軸受部3と永
久磁石軸受部4、5とを、ラジアル方向に離隔して設け
る。超電導軸受部3を、回転体1に同心状に配置された
永久磁石11と、固定ハウジング2に永久磁石11と対向す
るように配置された反磁性を示す超電導体13とで構成す
る。永久磁石軸受部4、5を、回転体1に同心状に配置
された回転永久磁石17、24と、回転永久磁石17、24の端
面に対して回転体1の回転軸心方向に間隔をおいて対向
するように固定ハウジング2に配置された固定永久磁石
20、27とで構成する。両永久磁石17、24および20、27間
に磁気吸引力を作用させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、たとえば高速回転を
必要とする流体機械や工作機械、余剰電力をフライホイ
ールの回転運動エネルギに変換して貯蔵する電力貯蔵装
置、またはジャイロスコープなどに適用される軸受装置
に関し、とくに垂直軸を中心に回転する回転体を、固定
部に対して非接触状態で支持する軸受装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種軸受装置として、回転体に
同心状にかつ固定状に設けられた永久磁石と、永久磁石
の端面に対して回転体の回転軸心方向に間隔をおいて対
向するように固定部に配置された第2種超電導体とより
なり、永久磁石が、回転軸心のまわりの磁束分布が回転
によって変化しないように配置され、第2種超電導体
が、永久磁石の磁束が所定量侵入する離隔位置に配置さ
れている超電導軸受装置が考えられている。
【0003】この超電導軸受装置では、永久磁石から発
生する磁束を、臨界温度以上の温度で超電導体の内部に
侵入させた後、超電導体を臨界温度以下の温度に冷却
(以下、磁場冷却という)して拘束し、その結果、いわ
ゆるピン止め力により、固定部に対して回転体をアキシ
アル方向およびラジアル方向に非接触状態で支持するよ
うになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の超電導軸受装置
では、超電導体に拘束された磁束のピン止め力によって
回転体をアキシアル方向およびラジアル方向に支持でき
るが、とくにアキシアル方向(重力方向)の支持力(負
荷容量)には限界があり、重量の大きい回転体を支持す
ることはできないという問題がある。たとえば、電力貯
蔵装置においては、電力貯蔵効率を向上させるためにフ
ライホイールを大型化する必要があるが、この場合に回
転体の重量が大きくなり、このような回転体を支持する
ことができないという問題がある。
【0005】この発明の目的は、上記問題を解決し、ア
キシアル方向の負荷容量を向上させることができる軸受
装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明による軸受装置
は、垂直軸を中心に回転する回転体を、固定部に対して
非接触状態で支持する軸受装置であって、固定部が上向
き面を有するとともに、回転体が固定部の上向き面に対
向する下向き面を有しており、これら両面間に、超電導
軸受部と磁力利用軸受部とが、ラジアル方向に離隔して
設けられ、超電導軸受部が、固定部および回転体のうち
のいずれか一方に回転体と同心状に配置された永久磁石
と、同他方に永久磁石と対向するように配置された反磁
性を示す超電導体とよりなり、磁力利用軸受部が、磁力
により回転体を固定部に対してラジアル方向に非接触状
態で支持するようになされているものである。
【0007】上記軸受装置において、磁力利用軸受部
が、回転体に同心状に配置された回転永久磁石と、回転
永久磁石の端面に対して回転体の回転軸心方向に間隔を
おいて対向するように固定部に配置された固定永久磁石
とよりなり、かつ両永久磁石間に磁気吸引力が作用する
ようになされていることがある。
【0008】また、上記軸受装置において、磁力利用軸
受部が、固定部および回転体のうちのいずれか一方に回
転体と同心状に配置された環状永久磁石と、同他方に永
久磁石の端面に対して回転体の回転軸心方向に間隔をお
いて対向するように配置された第2種超電導体とよりな
り、永久磁石が、回転軸心のまわりの磁束分布が回転に
よって変化しないように配置され、第2種超電導体が、
永久磁石の磁束が所定量侵入する離隔位置に配置されて
いることがある。
【0009】
【作用】固定部が上向き面を有するとともに、回転体が
固定部の上向き面に対向する下向き面を有しており、こ
れら両面間に超電導軸受部が設けられ、超電導軸受部
が、固定部および回転体のうちのいずれか一方に回転体
と同心状に配置された永久磁石と、同他方に永久磁石と
対向するように配置された反磁性を示す超電導体とより
なると、永久磁石と超電導体との間に生じる磁気反発力
によって永久磁石および超電導体のうちの回転体に配置
されたものが同他方に対して浮上させられ、その結果回
転体がアキシアル方向に非接触状態で支持される。超電
導体が第2種超電導体の場合には、超電導体を永久磁石
の磁界を受けない離隔位置に配置した後臨界温度以下の
温度に冷却(以下、ゼロ磁場冷却という)して両者を接
近させることにより永久磁石と超電導体との間に生じる
磁気反発力、および超電導体が第1種超電導体の場合に
は、マイスナー効果により永久磁石と超電導体との間に
生じる磁気反発力は、それぞれ従来の超電導軸受装置に
おける磁場冷却時のピン止め力により回転体をアキシア
ル方向に支持する力に比べて大きくなる。したがって、
アキシアル方向の負荷容量が向上する。
【0010】また、固定部の上記上向き面と回転体の上
記下向き面との間に、超電導軸受部とラジアル方向に離
隔して磁力利用軸受部が設けられ、磁力利用軸受部が、
磁力により回転体を固定部に対してラジアル方向に非接
触状態で支持するようになされていると、磁力利用軸受
部により回転体がラジアル方向に非接触状態で支持され
る。
【0011】磁力利用軸受部が、回転体に同心状に配置
された回転永久磁石と、回転永久磁石の端面に対して回
転体の回転軸心方向に間隔をおいて対向するように固定
部に配置された固定永久磁石とよりなり、かつ両永久磁
石間に磁気吸引力が作用するようになされていると、磁
力利用軸受部の回転永久磁石と固定永久磁石とが互いに
吸引し、この磁気吸引力により回転体を固定部に対して
ラジアル方向に非接触状態で支持される。
【0012】また、磁力利用軸受部が、固定部および回
転体のうちのいずれか一方に回転体と同心状に配置され
た環状永久磁石と、同他方に永久磁石の端面に対して回
転体の回転軸心方向に間隔をおいて対向するように配置
された第2種超電導体とよりなり、永久磁石が、回転軸
心のまわりの磁束分布が回転によって変化しないように
配置され、第2種超電導体が、永久磁石の磁束が所定量
侵入する離隔位置に配置されて磁場冷却されていると、
永久磁石から発生する磁束が超電導体の内部に侵入して
拘束され、その結果侵入磁束のピン止め力により、固定
部に対して回転体がラジアル方向に非接触状態で支持さ
れる。また、上記ピン止め力によっても、回転体の重量
の一部が支持されるので、アキシアル方向の負荷容量は
向上する。さらに、磁力利用軸受部が、回転永久磁石と
固定永久磁石との磁気吸引力を利用するものである場合
には、上記磁気吸引力の分だけ超電導軸受部における回
転体の重量を支持する力が減少させられるが、磁力利用
軸受部が、磁場冷却方法による第2種超電導体への侵入
磁束のピン止め力を利用するものである場合には、超電
導軸受部における回転体の重量を支持する力の減少が防
止される。
【0013】
【実施例】以下、この発明の実施例を、図面を参照して
説明する。
【0014】図1は、この発明の第1の実施例の軸受装
置の主要部を概略的に示す。なお、第1実施例は、この
発明による軸受装置を電力貯蔵装置に適用したものであ
る。
【0015】図1において、軸受装置は、垂直軸を中心
に回転する回転体(1) を固定ハウジング(固定部)(2)
内において非接触状態に支持するものであり、超電導軸
受部(3) および2つの永久磁石軸受部(磁力利用軸受
部)(4)(5)を備えている。
【0016】回転体(1) は、垂直な回転軸(6) 、および
これの下端に同心状に一体に形成されたフライホイール
(7) を備えている。回転体(1) は、全体が銅合金、非磁
性ステンレス鋼などの非磁性体で形成されている。な
お、回転体(1) は、図示しない高周波電動機などによっ
て高速回転させられるようになっている。
【0017】固定ハウジング(2) は、回転体(1) のフラ
イホイール(7) の下面(下向き面)(7a)に所定間隔をお
いて対向する上向き面(2a)を有している。そして、固定
ハウジング(2) の上向き面(2a)とフライホイール(7) の
下面(7a)との間に超電導軸受部(3) および2つの永久磁
石軸受部(4)(5)が設けられている。
【0018】超電導軸受部(3) は、フライホイール(7)
の下面(7a)に設けられた水平環状の永久磁石部(8) と、
永久磁石部(8) に対して回転軸心方向に対向するように
配置され、かつ固定ハウジング(2) の上向き面(2a)上に
固定状に設けられた環状超電導体部(9) とよりなる。フ
ライホイール(7) の下面(7a)に複数の環状凹溝(10)が回
転軸心(A) と同心状に形成され、各凹溝(10)内に環状の
永久磁石(11)が嵌められて固定されている。各永久磁石
(11)は上下両端部が逆の極性の磁気を帯び、隣り合う永
久磁石(11)の上下方向の同一端部が逆の極性の磁気を帯
びている。たとえば、内側から1、3番目の永久磁石(1
1)の上端部はS極、下端部はN極の磁気を帯びており、
2番目の永久磁石(11)の上端部はN極、下端部はS極の
磁気を帯びている。
【0019】超電導体部(9) は、固定ハウジング(2) の
上向き面(2a)上に図示しない断熱材を介して固定された
環状の冷却ケース(12)を備えている。冷却ケース(12)
は、たとえば銅合金、非磁性ステンレス鋼などの非磁性
体からなる。冷却ケース(12)内の空間に環状超電導体(1
3)が固定状に配置されている。図示は省略したが、冷却
ケース(12)内の空間は冷却流体供給管および同排出管を
介して冷却装置に接続されており、この冷却装置によ
り、たとえば液体窒素などの冷却流体が供給管、冷却ケ
ース(12)内の空間および排出管を介して循環させられ、
これによって超電導体(13)が冷却されるようになってい
る。超電導体(13)は永久磁石(11)に対して反磁性を示す
第2種超電導体が用いられている。この場合、超電導体
(13)に、永久磁石(11)に対して反磁性を示させるために
は、永久磁石(11)の磁束が侵入しない位置まで回転体
(1) を持ち上げておき、この状態で超電導体を冷却(ゼ
ロ磁場冷却)して超電導状態にした後に回転体(1) を下
降させるようにする。この超電導体(13)としては、たと
えばイットリウム系高温超電導体、たとえばYBa2
3 7-X からなるバルクの内部に常電導体(Y2 Ba
1 Cu1 )を均一に混在させたものが用いられる。
【0020】第1の永久磁石軸受部(4) は、超電導体軸
受部(3) よりもラジアル方向外側に設けられており、超
電導体軸受部(3) の永久磁石部(8) よりもラジアル方向
の外側において、フライホイール(7) の下面(7a)に設け
られた水平環状の回転永久磁石部(14)と、回転永久磁石
部(14)に対して回転軸心方向に対向するように配置さ
れ、かつ固定ハウジング(2) の上向き面(2a)上に固定状
に設けられた水平環状の固定永久磁石部(15)とよりな
る。フライホイール(7) の下面(7a)に複数の環状凹溝(1
6)が回転軸心(A) と同心状に形成され、各凹溝(16)内に
環状の回転永久磁石(17)が嵌められて固定されている。
各回転永久磁石(17)は上下両端部が逆の極性の磁気を帯
び、隣り合う回転永久磁石(17)の上下方向の同一端部が
逆の極性の磁気を帯びている。たとえば、内側の回転永
久磁石(17)の上端部はN極、下端部はS極の磁気を帯び
ており、外側の回転永久磁石(17)の上端部はS極、下端
部はN極の磁気を帯びている。
【0021】固定永久磁石部(15)は、固定ハウジング
(2) の上向き面(2a)上に固定された環状体(18)を備えて
いる。なお、図1においては、環状体(18)は冷却ケース
(12)と接しているが、この場合両者間に断熱材を介在さ
せておくのがよい。また、これに代えて、環状体(18)と
冷却ケース(12)とをラジアル方向に離隔させておいても
よい。環状体(18)は、たとえば銅合金、非磁性ステンレ
ス鋼などの非磁性体からなる。環状体(18)の上面に複数
の環状凹溝(19)が回転軸心(A) と同心状に形成され、各
凹溝(19)内に環状の固定永久磁石(20)が嵌められて固定
されている。固定永久磁石(20)の数は回転永久磁石(17)
の数と同じであり、固定永久磁石(20)は回転永久磁石(1
7)に対向するように配置されている。また、固定永久磁
石(20)は上下両端部が逆の極性の磁気を帯び、隣り合う
固定永久磁石(20)の上下方向の同一端部が逆の極性の磁
気を帯びている。回転永久磁石(17)と固定永久磁石(20)
の互いに対向する端部は逆の極性の磁気を帯びている。
たとえば、内側の固定永久磁石(20)の上端部はN極、下
端部はS極の磁気を帯びており、外側の固定永久磁石(2
0)の上端部はS極、下端部はN極の磁気を帯びている。
【0022】第2の永久磁石軸受部(5) は、フライホイ
ール(7) の下面(7a)の中央部に設けられた水平状の回転
永久磁石部(21)と、回転永久磁石部(21)に対して回転軸
心方向に対向するように配置され、かつ固定ハウジング
(2) の上向き面(2a)上に固定状に設けられた水平状の固
定永久磁石部(22)とよりなる。フライホイール(7) の下
面(7a)に凹所(23)が回転軸心(A) と同心状に形成され、
凹所(23)内に回転永久磁石(24)が嵌められて固定されて
いる。回転永久磁石(24)は上下両端部が逆の極性の磁気
を帯びている。たとえば、回転永久磁石(24)の上端部は
N極、下端部はS極の磁気を帯びている。
【0023】固定永久磁石部(22)は、固定ハウジング
(2) の上向き面(2a)上に固定された保持体(25)を備えて
いる。保持体(25)は、たとえば銅合金、非磁性ステンレ
ス鋼などの非磁性体からなる。保持体(25)の上面に凹所
(26)が回転軸心(A) と同心状に形成され、凹所(26)内に
固定永久磁石(27)が嵌められて固定されている。固定永
久磁石(27)は回転永久磁石(24)に対向するように配置さ
れている。また、固定永久磁石(27)は上下両端部が逆の
極性の磁気を帯びている。回転永久磁石(24)と固定永久
磁石(27)の互いに対向する端部は逆の極性の磁気を帯び
ている。たとえば、固定永久磁石(27)の上端部はN極、
下端部はS極の磁気を帯びている。
【0024】回転体(1) の運転を開始するさいには、ま
ず適当な装置により回転体(1) を持ち上げる。このと
き、超電導体(13)が永久磁石(11)の磁界を受けない離隔
位置に来るようにしておく。そして、冷却装置により超
電導軸受部(3) の冷却ケース(12)内に冷却流体を循環さ
せ、超電導体(13)を臨界温度以下の温度に冷却して超電
導状態にし、この状態で保持する。ついで、回転体(1)
を下降させていくと、永久磁石(10)と超電導体(13)との
間に生じる磁気反発力によって、永久磁石(10)が超電導
体(13)に対して浮上させられ、その結果回転体(1) がア
キシアル方向に非接触状態で支持される。このとき、第
1および第2の永久磁石軸受部(4)(5)の回転永久磁石(1
7)(24)と固定永久磁石(20)(27)とが互いに吸引し、この
磁気吸引力により回転体(1) が固定ハウジング(2) に対
してラジアル方向に非接触状態で支持される。こうし
て、回転体(1) が、固定ハウジング(2) に対して、アキ
シアル方向およびラジアル方向に非接触状態に支持され
たならば、電動機を起動し、回転体(1) を回転させる。
回転体(1) は、回転中も超電導体(13)の磁気反発力によ
ってアキシアル方向に非接触状態で支持されるととも
に、回転永久磁石(17)(24)と固定永久磁石(20)(27)との
磁気吸引力によりラジアル方向に非接触状態で支持さ
れ、安定した回転を継続する。
【0025】上記第1実施例において、第1の永久磁石
軸受部(4) は必ずしも必要としない。回転体(1) のラジ
アル方向の支持は、第2の永久磁石軸受部(5) だけで行
うことができるからである。この場合、回転体(1) 側の
永久磁石(24)の径を大きくする必要がなく、回転による
永久磁石の遠心破壊を防止することができる。
【0026】図2は、この発明の第2の実施例の軸受装
置の主要部を概略的に示す。
【0027】第2実施例の場合、超電導体軸受部(3) の
ラジアル方向の外側において、固定ハウジング(2) の上
向き面(2a)とフライホイール(7) の下面(7a)との間に第
2の超電導軸受部(30)が設けられている。第2の超電導
軸受部(30)は、フライホイール(7) の下面(7a)に設けら
れた水平環状の永久磁石部(31)と、永久磁石部(31)に対
して回転軸心方向に対向するように配置され、かつ固定
ハウジング(2) の上向き面(2a)上に固定状に設けられた
環状超電導体部(32)とよりなる。フライホイール(7) の
下面(7a)に複数の環状凹溝(33)が回転軸心(A) と同心状
に形成され、各凹溝(33)内に環状の永久磁石(34)が嵌め
られて固定されている。各永久磁石(34)は上下両端部が
逆の極性の磁気を帯び、隣り合う永久磁石(34)の上下方
向の同一端部が逆の極性の磁気を帯びている。たとえ
ば、内側の永久磁石(33)の上端部はN極、下端部はS極
の磁気を帯びており、外側の永久磁石(33)の上端部はS
極、下端部はN極の磁気を帯びている。また、永久磁石
(33)は環状をなし、回転軸心(A) に対して同心状に配置
されているので、永久磁石(33)の磁束分布が回転軸心
(A) に対して対称になり、かつ回転軸心(A) の周囲の磁
束分布が回転によって変化しないようになっている。
【0028】超電導体部(32)は、固定ハウジング(2) の
上向き面(2a)上に図示しない断熱材を介して固定された
環状の冷却ケース(35)を備えている。この冷却ケース(3
5)は、冷却ケース(12)とラジアル方向に離隔している。
冷却ケース(35)は、たとえば銅合金、非磁性ステンレス
鋼などの非磁性体からなる。冷却ケース(35)内の空間に
環状超電導体(36)が固定状に配置されている。図示は省
略したが、冷却ケース(35)内の空間は冷却流体供給管お
よび同排出管を介して冷却装置に接続されており、この
冷却装置により、たとえば液体窒素などの冷却流体が供
給管、冷却ケース(35)内の空間および排出管を介して循
環させられ、これによって超電導体(36)が冷却されるよ
うになっている。超電導体(36)は第2種超電導体であ
り、イットリウム系高温超電導体、たとえばYBa2
3 7-X からなるバルクの内部に常電導体(Y2 Ba
1 Cu1 )を均一に混在させたものからなり、第2種超
電導状態が出現する温度環境下において、永久磁石(33)
から発せられる磁束を内部に拘束する性質を持つもので
ある。そして、超電導体(36)は、永久磁石(33)の磁束が
所定量侵入する位置であってかつ回転体(1) の回転によ
って侵入磁束の分布が変化しない位置に、永久磁石(33)
と対向するように配置されている。
【0029】他は第1実施例の場合と同様であり、同一
部分に同一符号を付している。
【0030】回転体(1) の運転を開始するさいには、ま
ず適当な装置により回転体(1) を持ち上げるとともに、
回転体(1) のラジアル方向の初期位置決めを行う。そし
て、冷却装置により超電導軸受部(3) の冷却ケース(12)
内に冷却流体を循環させ、超電導体(13)をゼロ磁場冷却
して反磁性状態にし、この状態で保持する。ついで、回
転体(1) を下降させていくと、永久磁石(10)と超電導体
(13)との間に生じる磁気反発力によって、永久磁石(10)
が超電導体(13)に対して浮上させられ、その結果回転体
(1) がアキシアル方向に非接触状態で支持される。この
とき、第2の超電導軸受部(30)の永久磁石(33)の磁束が
第2種超電導体(36)内に所定量侵入する。ついで、冷却
装置により第2の超電導軸受装置(30)の冷却ケース(35)
内に冷却流体を循環させ、超電導体(36)を磁場冷却して
超電導状態に保持する。すると、予め超電導体(36)に侵
入していた永久磁石(33)から発せられる磁束が超電導体
(36)の内部でそのまま拘束されることになる(ピンニン
グ現象)。ここで、超電導体(36)はその内部に常電導体
粒子が均一に混在されているため、超電導体(36)内部へ
の侵入磁束の分布が保持され、そのため超電導体(36)に
対して永久磁石(33)および回転体(1) が拘束される。し
たがって、回転体(1) は、きわめて安定した状態でラジ
アル方向に支持されることになる。このとき、超電導体
(36)に侵入した磁束は、磁束分布が回転軸心(A) に対し
て均一で不変である限り、回転を妨げる抵抗とはならな
い。こうして、回転体(1) が、固定ハウジング(2) に対
して、アキシアル方向およびラジアル方向に非接触状態
に支持されたならば、電動機を起動し、回転体(1) を回
転させる。回転体(1) は、回転中も第1の超電導軸受部
(3) の超電導体(13)の磁気反発力によってアキシアル方
向に非接触状態で支持されるとともに、第2の超電導軸
受部(30)の超電導体(36)に侵入した磁束のピン止め力に
よりラジアル方向に非接触状態で支持され、安定した回
転を継続する。
【0031】第2実施例の場合、第2の超電導軸受部(3
0)の上記ピン止め力によっても、回転体(1) の重量の一
部が支持されるので、アキシアル方向の負荷容量は向上
する。さらに、第1実施例の場合のように、回転体(1)
のラジアル方向の支持が永久磁石軸受部(4)(5)の磁気吸
引力を利用して行われていないので、超電導軸受部(3)
における回転体(1) の重量を支持する力が上記磁気吸引
力の分だけ減少させられることはない。
【0032】第1および第2実施例において、回転体
(1) は、回転軸(6) およびフライホイール(7) が非磁性
体により一体に形成されているが、これに限るものでは
なく、回転軸(6) にフライホイール(7) が固定されてい
てもよい。この場合、少なくともフライホイール(7) が
非磁性体からなる1つの部材で形成される。また、フラ
イホイール(7) の全体を非磁性体からなる1つの部材で
形成する代わりに、複数の部材を結合することによって
形成されていてもよいが、この場合少なくとも凹溝(10)
(16)(33)が形成される部分は、所望の磁気回路を得るた
めには非磁性体でつくられることが望ましい。
【0033】また、第1および第2実施例において、超
電導軸受部(3) の超電導体(13)は第2種超電導体である
が、これに代えて、完全反磁性を示す第1種超電導体を
用いてもよい。この場合、超電導軸受部の超電導体のマ
イスナー効果による磁気反発力によって永久磁石が超電
導体に対して浮上させられ、その結果回転体がアキシア
ル方向に非接触状態で支持される。
【0034】
【発明の効果】この発明の軸受装置によれば、上述のよ
うに、超電導軸受部により永久磁石が超電導体に対して
浮上させられ、その結果回転体がアキシアル方向に非接
触状態で支持される。したがって、アキシアル方向の負
荷容量が向上し、従来の超電導軸受装置では支持できな
いような重量の大きい回転体をアキシアル方向に支持す
ることができる。また、磁力利用軸受部を備えている
と、磁力利用軸受部により回転体がラジアル方向に非接
触状態で支持される。
【0035】磁力利用軸受部が、回転体に同心状に配置
された回転永久磁石と、回転永久磁石の端面に対して回
転体の回転軸心方向に間隔をおいて対向するように固定
部に配置された固定永久磁石とよりなり、両永久磁石の
回転軸心方向両端部にそれぞれ磁極が形成されており、
両永久磁石の互いに対向する端部が逆の極性の磁気を帯
びていると、磁力利用軸受部の回転永久磁石と固定永久
磁石とが互いに吸引し、この磁気吸引力により回転体を
固定部に対してラジアル方向に非接触状態で支持され
る。
【0036】また、磁力利用軸受部が、回転体および固
定部における回転体の下方に位置する部分のうちのいず
れか一方に回転体と同心状に配置された環状永久磁石
と、永久磁石の端面に対して回転体の回転軸心方向に間
隔をおいて対向するように回転体および固定部における
回転体の下方に位置する部分のうちの他方に配置された
第2種超電導体とよりなり、永久磁石が、磁束分布が回
転軸心に対して対称になるとともに、回転軸心のまわり
の磁束分布が回転によって変化しないように配置され、
第2種超電導体が、永久磁石の磁束が所定量侵入する離
隔位置であってかつ回転体の回転により侵入磁束の分布
が変化しない位置に配置されていると、永久磁石から発
生する磁束を超電導体の内部に侵入させて拘束し、その
結果侵入磁束のピン止め力により、固定部に対して回転
体をラジアル方向に非接触状態で支持する。また、上記
ピン止め力によっても、回転体の重量の一部が支持され
るので、アキシアル方向の負荷容量は向上する。さら
に、磁力利用軸受部が、回転永久磁石と固定永久磁石と
の磁気吸引力を利用したものである場合のように、超電
導軸受部における回転体の重量を支持する力が減少させ
られることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1実施例を示す軸受装置の主要部
の縦断面図である。
【図2】この発明の第2実施例を示す軸受装置の主要部
の縦断面図である。
【符号の説明】
(1) 回転体 (2) 固定ハウジング(固定部) (2a) 上向き面 (3) 超電導軸受部 (4) 第1の永久磁石軸受部(磁力利用軸受
部) (5) 第2の永久磁石軸受部(磁力利用軸受
部) (6) 回転軸 (7) フライホイール (7a) 下面(下向き面) (11) 永久磁石 (13) 超電導体 (30) 第2の超電導軸受部(磁力利用軸受
部)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 垂直軸を中心に回転する回転体を、固定
    部に対して非接触状態で支持する軸受装置であって、 固定部が上向き面を有するとともに、回転体が固定部の
    上向き面に対向する下向き面を有しており、これら両面
    間に、超電導軸受部と磁力利用軸受部とが、ラジアル方
    向に離隔して設けられ、超電導軸受部が、固定部および
    回転体のうちのいずれか一方に回転体と同心状に配置さ
    れた永久磁石と、同他方に永久磁石と対向するように配
    置された反磁性を示す超電導体とよりなり、磁力利用軸
    受部が、磁力により回転体を固定部に対してラジアル方
    向に非接触状態で支持するようになされている軸受装
    置。
  2. 【請求項2】 磁力利用軸受部が、回転体に同心状に配
    置された回転永久磁石と、回転永久磁石の端面に対して
    回転体の回転軸心方向に間隔をおいて対向するように固
    定部に配置された固定永久磁石とよりなり、かつ両永久
    磁石間に磁気吸引力が作用するようになされている請求
    項1記載の軸受装置。
  3. 【請求項3】 磁力利用軸受部が、固定部および回転体
    のうちのいずれか一方に回転体と同心状に配置された環
    状永久磁石と、同他方に永久磁石の端面に対して回転体
    の回転軸心方向に間隔をおいて対向するように配置され
    た第2種超電導体とよりなり、永久磁石が、回転軸心の
    まわりの磁束分布が回転によって変化しないように配置
    され、第2種超電導体が、永久磁石の磁束が所定量侵入
    する離隔位置に配置されている請求項1記載の軸受装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102537047A (zh) * 2011-02-25 2012-07-04 上海大学 一种预载荷径向永磁轴承

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