JPH0829611A - カラーフイルタの製造法 - Google Patents

カラーフイルタの製造法

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JPH0829611A
JPH0829611A JP16370294A JP16370294A JPH0829611A JP H0829611 A JPH0829611 A JP H0829611A JP 16370294 A JP16370294 A JP 16370294A JP 16370294 A JP16370294 A JP 16370294A JP H0829611 A JPH0829611 A JP H0829611A
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JP
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film
photosensitive resin
resin layer
color
pixel
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JP16370294A
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Inventor
Yasuki Mori
靖樹 森
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Showa Denko Materials Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 ブラックマトリックスの厚さの制限なく高精
度で多色の微細パターンを形成することができるカラー
フイルタの製造法を提供する。 【構成】 (1)着色された感光性樹脂層が透明基板2
に面するように貼り合わせる工程、(2)露光して所定
のパターンを形成させる工程および、(3)現像工程を
繰り返す製造法において、第一色目の工程をブラックマ
トリックス1の形成工程とし、その膜厚を三原色(赤
3、緑6、青7)の画素の膜厚よりも厚くない膜厚と
し、二色目以降の着色された感光性樹脂層が前記基板に
面するように、画素間に空間を形成して貼り合わせる工
程を行い、第二色目の工程で前記2の工程後にベースフ
イルムを剥離してから加熱による二色目の感光性樹脂層
の黒の画素間空間への移行工程を行い、三色目以降の工
程については前記1と3の工程の間に、加熱による三色
目以降の感光性樹脂層の画素間空間への移行工程を行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カラーフイルタの製造
法に関する。
【0002】
【従来の技術】カラーフイルタは、ガラスなどの光学的
に透明な基板の表面に2種以上の色相を異にする極めて
微細なストライプ状又モザイク状のパターンを一定の間
隔を開けて、平行又は交差して並べた物である。これら
のパターンは色相を所定の順序に所定の間隔をおいて整
然と配置し、しかも厚さムラの少ない均一な層とする必
要があり、種々のカラーフイルタの製造法が提案されて
いる。例えばスクリーン印刷法では低コストのカラーフ
イルタの形成が可能である。またフォトリソグラフィ技
術を用いる方法、すなわち、カラーフイルタ用基板上に
形成された透明膜に、所定のネガマスクを通して紫外線
照射し、未露光部を除去したのち、防染層を形成しなが
ら染色する方法がある。
【0003】ベースフイルム及び感光性樹脂層から成る
感光性フイルムを使用した多色の微細なストライプ状又
はモザイク状のパターンを簡単に高精度で形成できるカ
ラーフイルタの製造法が知られている。透明基板上にベ
ースフイルムと一色に着色された感光性樹脂層とからな
る感光性フイルムを、着色された感光性樹脂層が基板に
面するように貼り合わせる工程、露光して所定のパター
ンを形成させる工程および前記ベースフイルムを剥がし
て現像する工程を繰り返して多色パターンを形成させて
カラーフイルタが製造される。感光性フイルムは公知で
あり、基本的な組成及び構成とその作用は特公昭45−
25231号公報に詳細が公開されている。
【0004】例えば、一つの色相の着色剤を含む感光性
樹脂の層を支持体に塗布乾燥した感光性フイルムの感光
性樹脂の層を透明な板の上に転写して、所定のパターン
のマスクを介して露光、現像してパターンを形成する方
法(特開昭61−99102号公報)、アルカリ現像を
行う方法(特開平2−239205号公報)、水溶性ベ
ースフイルムを用いる方法(特開平2−271301号
公報)、このフイルムを透明な板の上に加熱圧着して、
所定のパターンのマスクを介して露光して、ベースフイ
ルムを剥離し、現像して透明着色の画像パターンを形成
する方法(特開昭63−187203号公報、特開平2
−244005号公報等)が知られている。さらには、
感光性フイルムを用いて、カラーフイルタを作成する方
法としては、特開平3−160454号公報、特開平3
−111802号公報、特開平2−151805号公
報、特開平4−212161号公報、特開平4−301
602号公報、特開平5−2107号公報等が知られて
いる。
【0005】感光性フイルムの追従性に関しては、良い
パターンを得るためにはその解決が必要で、良い感光性
フイルムの追従性を得る工夫が古くから行われてきた。
基板に段差があってもその基板を正確に微細加工できる
ことを特徴とする三層レジスト法がベル研究所の研究者
によって開発されている(例えば J.Vac.Sc
i.Tecnol.,16巻1620頁 1968年発
行)。また、プリント回路版の基板凹凸追随性について
も詳細な研究が行われていて、実用化されている。感光
性フイルムは半固体状のため、追随性向上には液体に近
い(液状レジストに近い)状態を作るためにラミネート
(熱圧着)が重要とされている。凹凸に追随するには充
分低粘度になるラミネートの温度設定が必要とされてい
る。流動性が大きいと室温の保存安定性が劣る傾向があ
り、コールドフローを起こすので、あまり低粘度には出
来ないとされている。凹部を埋め込むには膜厚は厚いほ
うが有利とされている(たとえば、ソリッド・ステート
・テクノロジイ(SolidState Techno
logy)29巻6号153頁 1986年発行、プリ
ント回路学会学術講演大会講演論文集 83頁1989
年)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来カラーフイルムの
製造法では、二色目以降の層を形成する際に、既に形成
された着色層(前置画素)上の二色目以降の着色層と前
記基板上に直接接触する着色層との間に段差が生ずる。
この段差は既に形成された着色層の厚さ(1〜5μm)
によって決まる。この段差があるために新着色層が下地
(透明ガラス)に接触せず、また不十分な接着圧力の
為、接着力が不十分となり、着色層が下地に密着せず、
ベースフイルムを剥離すると、ベースフイルムとともに
剥離されて、下地に着色層が付着しない部分が生ずる。
またそのまま、露光現像すると、着色像が存在しない部
分を露光する等の不都合が生じ、所望のカラーフイルタ
が得られない欠点がある。さらに詳しく説明すると、特
に、カラーフイルタがストライプ状の三原色(赤、緑、
青)の画素から構成されている場合には一色目のストラ
イプ状の画素が例えば厚さ2.0μm、幅70μm、間
隔300μmで透明基板上に構成されている上に二色目
の着色層を貼り合わせると、前置画素により、2.0μ
m前後の凹凸があるため、透明基板と着色層の間に接触
不十分の部分が生じ、二色目の着色層がこの凹凸に十分
に追随しない欠点があった。また、二色目以降の画素上
では、一色目の画素上に乗っていた着色感光性樹脂層の
一部が流れ込んできて、二色目では、一色目の画素に近
い端が持ち上がり、画素表面が斜めになり、その断面は
いわゆるJ状、n状になる。三色目の画素は両隣の画素
からの着色感光性樹脂層の流れ込みがあるため画素の両
端が持ち上がり、いわゆるM状の断面となる。図2にJ
状、n状や、M状の画素の断面の模式図を示す。J状等
の持ち上がりがあると、三色の画素の表面の不均一を招
き、所望の平坦性が得られず、持ち上がった端が対極と
接触して、画像不良を生じ、さらには色ムラを発生させ
るなどの欠点があった。図2において、2は透明基板、
8は一色目の画素、9は二色目の画素、および10は三
色目の画素を示す。画素の欠点があるため、特にブラッ
クマトリックスはその厚さが制限されて、クロム蒸着膜
では0.1〜0.2μm、グラファイトやカーボンブラ
ックを含む感光性樹脂膜では0.2〜0.6μmが限界
となり、膜を厚くすることが出来なかった。そのため、
グラファイトやカーボンブラツクを含む感光性樹脂膜で
は顔料の占める割合が大きく、膜の強度、感光特性に欠
点が生じ、実用上その改善が望まれていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の欠点を
無くし、作業性が良く、しかも高精度で多色の微細パタ
ーンを形成することができるカラーフイルタの製造法を
提供するものである。本発明は、透明基板上に、ベース
フイルムと一色に着色された感光性樹脂層とからなる感
光性フイルムを、(1)着色された感光性樹脂層が前記
基板に面するように貼り合わせる工程、(2)露光して
所定のパターンを形成させる工程および(3)現像工程
を少なくとも含む工程を繰り返して多色パターンを形成
させるカラーフイルタの製造法において、第一色目の工
程を黒の画素(ブラックマトリックス)の形成工程と
し、黒の画素の膜厚を三原色(赤、緑、青)の画素の膜
厚よりも厚くない膜厚とし、二色目以降の着色された感
光性樹脂層が前記基板に面するように、画素間に空間を
形成して貼り合わせる工程を行い、第二色目の工程で前
記(2)の工程後にベースフイルムを剥離してから加熱
による二色目の感光性樹脂層の黒の画素間空間への移行
工程を行い、三色目以降の工程については前記(1)と
(3)の工程の間に、加熱による三色目以降の感光性樹
脂層の画素間空間への移行工程を行うことを特徴とする
カラーフイルタの製造法に関する。
【0008】本発明の製造法によれば、画素による凹凸
に二色目以降の感光性フイルムが良好に追随される。即
ち、二色目以降の感光性樹脂層をベースフイルムから基
板表面に移行させる移行工程により、前記欠点である画
素表面の凹凸が減少する。これは感光性フイルムを前置
画素を表面に有する透明基板に貼り合わせてから、二色
目以降の着色された感光性樹脂層を基板表面に移行させ
ると、前記の欠点である画素表面の凹凸が減少する。従
来の方法では前置画素上の感光性樹脂層が広がって、二
色目およびそれ以降の画素の上に乗って来ることで画素
表面に凹凸が発生する現象が生じたが、本発明の製造法
により凹凸のない画素表面が製造される。
【0009】図1は本発明の製造法を示す略図である。
図1はブラックマトリックスとその他の画素の膜厚が
1:2の例である。図1の(a)は上にブラックマトリ
ックス1を形成した透明基板2に、例として、赤の着色
感光性樹脂層3をラミネートしようとしている様子を表
している。4はベースフイルムであるブラックマトリッ
クス1間に着色感光性樹脂層3が入り込まないようにラ
ミネートする。第二色目(この場合は赤)の工程のみを
前記(2)の工程の後ベースフイルムを剥離してから移
行工程を行う。ベースフイルムを剥がした状態を(b)
に示している。5は空間である。ベースフイルムがない
ので、移行工程の加熱により、光硬化部分も未硬化の部
分も同じように溶融軟化して、基板表面に移行して基板
と密着するが赤の着色感光性樹脂層の表面は基板全体に
広がっていて、一つの平面を作る。つまり、広い範囲に
わたって表面張力が働いて表面が均一化する。赤の着色
感光性樹脂層は移行工程(加熱)によって、図3の
(c)の状態に変わり、ブラックマトリックスは赤の着
色感光性樹脂層のなかに埋没した状態となる。表面は平
坦であり、M状などの段差が現われない。つぎに現像す
ると(d)となり、赤の着色感光性樹脂層がブラックマ
トリックスを一部覆う形状の画素となる。次に、第三色
目以降(この場合は、緑、青)では、(d)のように、
ラミネートのときは着色感光性樹脂層はブラックマトリ
ックスには接触せず前置画素に接触し、即ち画素間とブ
ラックマトリックスの上部に空間5が出現する。前記の
(1)と(3)の工程の間に移行工程(加熱)を施すと
図1(f)の状態となる。ベースフイルムの剥離は移行
工程の前に行っても、移行工程の後に行ってもよい。緑
や青の着色感光性樹脂層はその一部がブラックマトリッ
クスと重なっているが、そのために膜厚が変動すること
はなく、凹凸のない画素断面形状のカラーフイルタが得
られる。
【0010】本発明の方法でカラーフイルタを形成する
と、着色感光性樹脂層からなる赤緑青の画素とブラック
マトリックスが良好に接触するので漏れ光もない。表面
の平坦性は良好で保護膜がなくてもカラーフイルタ機能
は充分である。(f)の画素の表面は平坦で従来のよう
なM状やJ状の表面変形は生じない。黒の画素の膜厚
は、三原色(赤、緑、青)の画素の膜厚よりも厚くない
膜厚とし、黒の画素の膜厚は三原色の画素の膜厚と等し
いか薄い膜厚とされる。ブラックマトリックスの膜厚と
三原色の画素の膜厚との割合は1:1〜1:2の範囲が
好ましい。例えば三原色の画素の膜厚が2.0μmのと
きは、ブラックマトリックスの膜厚は1.0μm〜2.
0μmが良い。1.0μm未満では黒顔料の比率が高く
なり、感度低下をきたし、2.0μmを超えるとカラー
フイルタの表面平坦性が劣る傾向がある。より好ましい
膜厚は、三原色の画素膜厚より、ブラックマトリックス
の膜厚が0.2μm乃至0.4μm薄いときである。ブ
ラックマトリックスの上に三色の画素が重なり洩れ光が
完全に遮蔽され、位置合わせの精度も緩くできる特長も
ある。
【0011】着色感光性樹脂層の空間部分への移行工程
は加熱によって行う。加熱は室温以上で、着色感光性樹
脂層が熱硬化反応を開始する温度以下で行う。低温では
長時間、高温では短時間で移行は完了し、移行した着色
感光性樹脂層表面は高度の平坦性を有する。加熱は、熱
板加熱、オーブン加熱、超音波加熱、赤外線加熱、電磁
誘導加熱、温水浸漬、摩擦熱加熱、圧力オーブン内での
加温、真空容器中での加温などがあり、これらに限定さ
れない。
【0012】本発明に用いられる感光性フイルムは、透
明なベースフイルム、例えばポリエチレンテレフタレー
トなどのフイルム上に、一色に着色された感光性樹脂組
成物を塗布し、乾燥させて一色に着色された感光性樹脂
層を形成させたものである。この着色感光性樹脂層は未
硬化であり、柔軟で、粘着性を有するため、この上にさ
らにポリエチレンフイルムなどの保護フイルムを貼り合
わせて外部からの損傷、異物の付着等を防止することが
望ましい。感光性フイルムに形成された着色感光性樹脂
層は、保護フイルムを剥がしながら透明基板上に貼り合
わされ、また、該着色感光性樹脂層表面のベースフイル
ムは、所定パターンのネガマスクを通じて露光した後に
除去される。
【0013】一色に着色された感光性樹脂層は、エチレ
ン性不飽和化合物(a)、カルボキシル基含有フイルム
性付与ポリマー(b)、光重合開始剤または光重合開始
剤系化合物(c)および顔料または染料(d)を含有す
るのが好ましく、層の厚さは0.5〜15μmであるこ
とが好ましい。
【0014】エチレン性不飽和化合物(a)としては、
例えば多価アルコールにα,β−不飽和カルボン酸を付
加して得られる化合物、例えばトリメチロールプロパン
ジ(メタ)アクリレート(メタアクリレートまたはアク
リレートを意味する。以下同じ)、トリメチロールプロ
パントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタ
ントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール
ペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール
ヘキサ(メタ)アクリレート等;グリシジル基含有化合
物にα,β−不飽和カルボン酸を付加して得られる化合
物、例えばトリメチロールプロパントリグリシジルエー
テルトリアクリレート、ビスフェノールAジグリシジル
エーテルジ(メタ)アクリレート等;多価カルボン酸、
例えば無水フタル酸等と水酸基およびエチレン性不飽和
基を有する化合物、例えばβ−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート等のエステル化物;(メタ)アクリル
酸(メタアクリル酸またはアクリル酸を意味する、以下
同じ)のアルキルエステル、例えば(メタ)アクリル酸
メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル
酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等が
挙げられ、トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート
と2価アルコールと2価の(メタ)アクリル酸モノエス
テルとを反応させて得られるウレタンジアクリレート化
合物なども用いられる。これらの化合物は2種以上用い
ても良い。(a)成分の配合量は(a)成分と(b)成
分の総量を100重量部として好ましくは90〜50重
量部とされる。
【0015】カルボキシル基含有フイルム性付与ポリマ
ー(b)としては、例えば(メタ)アクリル酸アルキル
エステルと(メタ)アクリル酸との共重合体、(メタ)
アクリル酸アルキルエステルと(メタ)アクリル酸とこ
れらと共重合し得るビニルモノマーとの共重合体等が挙
げられる。(メタ)アルキル酸アルキルエステルとして
は、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリ
ル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アク
リル酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。また、(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸
およびこれらと共重合し得るビニルモノマーとしては、
(メタ)アクリル酸ジメチルエチル、(メタ)アクリル
酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸ジエチ
ル、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレ
ート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メ
タ)アクリレート、アクリルアミド、ジアセトンアクリ
ルアミド、スチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。
さらにコポリエステル、例えばテレフタル酸、イソフタ
ル酸、セバシン酸等のポリエステル、ブタジエンとアク
リロニトリルとの共重合体、セルロースアセテート、セ
ルロースアセテートブチレート、メチルセルロース、エ
チルセルロース等も用いることができる。(b)成分の
使用によって、塗膜性や硬化物の膜特性が向上し、その
配合量は、(a)成分と(b)成分の総量を100重量
部として好ましくは10〜50重量部である。該配合量
が10重量部未満では、エチレン性不飽和化合物が多く
なるため光感度が低下し、50重量部を超えると、光硬
化物が脆くなる傾向がある。また、(b)成分の重量平
均分子量は、前記塗膜性や膜強度の点から10,000
以上が好ましい。
【0016】光重合開始剤または光重合開始剤系化合物
(c)としては、例えばベンゾフェノン、N,N′−テ
トラメチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン(ミヒ
ラーのケトン)、N,N′−テトラメチル−4,4′−
ジアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチ
ルアミノベンゾフェノン、4,4′−ジエチルアミノベ
ンゾフェノン、2−エチルアントラキノン、フェナント
レンキノン等の芳香族ケトン;ベンゾインメチルエーテ
ル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインフェニルエ
ーテル等のベンゾインエーテル、メチルベンゾイン、エ
チルベンゾイン等のベンゾイン;2−(o−クロロフェ
ニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−
(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフ
ェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2
−(o−フルオロフェニル)−4,5−ジフェニルイミ
ダゾール二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,
5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−(p−メトキ
シフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量
体、2,4−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニ
ルイミダゾール二量体、2−(2,4−ジメトキシフェ
ニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール二量体、2−
(p−メチルメルカプトフェニル)−4,5−ジフェニ
ルイミダゾール二量体等の2,4,5−トリアリールイ
ミダゾール二量体等が用いられる。(c)の配合量は
(a)と(b)の総量100重量部に対して好ましくは
0.1〜10重量部である。この配合量が0.1重量部
未満では光感度が不十分となり、10重量部を超えると
露光の際に組成物の表面での光吸収が増大し、内部の光
硬化が不十分となる傾向がある。
【0017】顔料または染料(d)としては、一般に知
られている着色剤が使用でき、感光性樹脂層、特にエチ
レン性不飽和化合物またはカルボキシル基含有フイルム
性付与ポリマーに対する相溶性、目標とする色相、光透
過性等を考慮して選択される。カラーフイルタに使用で
きる顔料は各種の化合物が使用でき、例えば、硫酸バリ
ウム、酸化亜鉛、硫酸鉛、酸化チタン、ベンガラ、カー
ボンブラック、グラファイト、酸化クロムなどの無機顔
料、下記の有機顔料(カラーインデックス番号)などが
ある。 黄色顔料:C.I.ピグメントイエロー20、24、83、
86、93、109、110、117、125、13
7、138、139、147、148、153、15
4、166、168 オレンジ顔料:C.I.ピグメントオレンジ36、43、5
1、55、59、61赤色顔料:C.I.ピグメントレッド
9、97、122、123、149、168、177、
180、092、215、216、217、220、2
23、224、226、227、228、240、4
8:1 バイオレット顔料:C.I.ピグメントバイオレット19、
23、29、30、37、40、50 青色顔料:C.I.ピグメントブルー15、15:6、2
2、60、64 緑色顔料:C.I.ピグメントグリーン7、36 黒色顔料:C.I.ピグメントブラック7 (d)の配合量は、(a)と(b)の総量100重量部
に対して好ましくは1〜50重量部である。この配合量
が1重量部未満では着色が不十分であり、50重量部を
超えると光透過率が低下する傾向がある。
【0018】着色感光性樹脂層には、加熱硬化性を高め
るためにカルボキシル基含有フイルム性付与ポリマーの
カルボキシル基と熱反応するメラミン樹脂および/また
はエポキシ樹脂を、(a)成分と(b)成分の総量10
0重量部に対して1〜20重量部添加することが望まし
い。これらを添加して130〜200℃で30〜60分
加熱することによって着色層の架橋密度が向上し、耐熱
性が著しく向上する。
【0019】
【実施例】
実施例1 (1)着色感光性樹脂層塗工液の製造 表1の材料を均一に溶解した溶液200重量部に表2の
いずれかの顔料ペースト135重量部、メラミン樹脂5
重量部およびシランカップリング剤5重量部をそれぞれ
添加し、溶解分散して着色感光性樹脂層塗工液を得た。
【0020】
【表1】
【0021】
【表2】
【0022】メラミン樹脂 サイメル300(ヘキサメトキシメチルメラミンの商品
名、三井東圧社製) シランカップリング剤 K3M503(信越化学社製) 塗工液の調整 塗工液を使用直前に超音波で2.5時間分散して使用し
た。
【0023】(2)感光性フイルムの製造 得られた塗工液を、厚さ6μmのポリエチレンテレフタ
レートフイルム(テイジン社製テトロンフィルムS6)
上に均一な厚さに塗布し、100℃の乾燥機で2分間乾
燥した。保護フイルムとして厚さ30μmのポリエチレ
ンフイルムを貼り合わせて感光性フイルムを得た。乾燥
後の感光性樹脂層の厚さは黒、赤、青、緑共に2.0μ
mであった。
【0024】(3)フイルタの製造 (a)基板加熱 カラーフイルタ用の下地基板(厚さ1.1mmのガラス基
板、コーニング社製、コーニング7074)を80℃で
10分間加熱した。 (b)貼り合わせ工程 前記の感光性フイルムの保護フイルムを剥がしながら、
着色感光性樹脂層を上記の条件で加熱されたカラーフイ
ルタ用の下地基板上に下記条件でラミネートした。 ロール温度:120℃ ロール圧 :1.0kg/cm2 速度 :1.5m/分 (c)露光工程 所定のパターン(通常のストライプ状のパターンで、黒
は画素部分以外の格子状のパターン)のネガマスクを通
して露光機HMW−201B(3kW、超高圧水銀灯、オ
ーク製作所製)で露光した。 (d)剥離工程 ポリエチレンテレフタレートフイルムを除去した。 (e)現像工程 30℃で0.08重量%のNa2CO3水溶液で10〜2
0秒スプレー現像をして未露光部を除去し1色の着色パ
ターンを形成した。
【0025】この(a)から(e)の着色パターンの形
成工程を、黒、赤、青、緑の順に各色の感光性フイルム
を用いて繰り返し行った。二色目の赤のラミネートの時
にフイルムの送り方向を前置画素の黒のストライプ状の
パターンに直交させてフイルムを送り、その後、(d)
の剥離工程の後に60℃で15分間加熱を行い(移行工
程であり、空間を介していた着色感光性樹脂層がブラッ
クマトリックス間の基板表面に移行する工程である)、
三色目の青、四色目の緑については(c)の露光工程の
後に60℃で15分間加熱を行い(移行工程であり、空
間を介していた着色感光性樹脂層が基板表面の空間に移
行する工程である)、多色のパターンを形成した。この
際の露光量は黒、赤、青、緑色の感光性樹脂層に対して
50mJ/cm2とした。使用したマスクのパターンはストラ
イプが画素ごとに独立した長方形を形成しストライプの
長手方向に隙間を設けたものである。得られた多色パタ
ーンに紫外線照射機(ランプH5600L/2、東芝電
材社製)を用いて3J/cm2で照射した後、150℃で4
5分間加熱してカラーフイルタを得た。得られたカラー
フイルタは赤、青および緑色のパターン(70μm×2
70μmの長方形が長手方向に30μmの隙間を持ち、
長さ150mmであって、平行方向に30μmの隙間があ
り、平行方向の間隔が300μm周期のストライプ状の
パターン)が整然と並んでいた。追随性は良好であっ
た。黒のブラックマトリックスと各色の画素との隙間は
詰まっていて、洩れ光は観察されなかった。また、画素
の段差はなく、画素の断面ではM状もJ状も認められな
かった。
【0026】実施例2 (1)着色感光性樹脂層塗工液の製造 表3の材料を均一に溶解した溶液200重量部に表2の
いずれかの顔料ペースト 145重量部、メラミン樹脂
5重量部およびシランカップリング剤5重量部をそれぞ
れ添加し、溶解分散して着色感光性樹脂層塗工液を得
た。
【0027】
【表3】
【0028】メラミン樹脂 サイメル300(ヘキサメトキシメチルメラミンの商品
名、三井東圧社製) シランカップリング剤 K3M503(信越化学社製) 塗工液の調整 塗工液の調整は上記の材料を顔料ペーストに徐々に添加
しながら通常の方法でボールミルで8時間混練分散して
調整した。
【0029】(2)感光性フイルムの製造 得られた塗工液を、厚さ23μmのポリエチレンテレフ
タレートフイルム(テイジン社製、テトロンフイルムS
6)上にキスタッチリバースロールコータを用いて塗工
した。100℃の乾燥機で2分間乾燥した。保護フイル
ムとして厚さ30μmのポリエチレンフイルムを貼り合
わせて感光性フイルムを得た。乾燥後の感光性樹脂層の
厚さは黒は1.0μm、赤、青、緑共に2.0μmであ
った。
【0030】(3)フイルタの製造 (a)基板加熱 実施例1で用いたカラーフイルタ用の下地基板を80℃
で10分間加熱した。 (b)貼り合わせ工程 前記の感光性フイルムの保護フイルムを剥がしながら、
着色感光性樹脂層を上記の条件で加熱されたカラーフイ
ルタ用の下地基板上に下記条件でラミネートした。 ロール温度:80℃ ロール圧 :1.0kg/cm2 速度 :2.5m/分 (c)露光工程 所定のパターン(ストライプ状の画素からなる通常のカ
ラーフイルタ用のもの)のネガマスクを通して露光機H
MW−201B(3kW、超高圧水銀灯、オーク製作所
製)を用いて所定の露光量で露光した。 (d)剥離工程 ポリエチレンテレフタレートフイルムを除去した。 (e)現像工程 30℃で0.08重量%のNa2CO3水溶液で10〜2
0秒スプレー現像をして未露光部を除去し1色の着色パ
ターンを形成した。
【0031】上記の(a)から(e)の着色パターンの
形成工程を、黒、赤、青、緑の順に各色の感光性フイル
ムを用いて繰り返し行った。二色目の赤のラミネートの
時にはフイルムの送り方向を前置のブラックマトリック
スの長手方向に直交させてフイルムを送り、その後、
(d)の剥離工程の後に60℃で15分間加熱(移行工
程)を行い、青、緑についてはフイルムの送り方向を前
置のブラックマトリックスの長手方向に直交させてフイ
ルムを送り、(c)の露光の前に60℃で15分間加熱
(移行工程)を行い、多色のパターンを形成した。この
際の露光量は赤、青、緑色の感光性樹脂層に対しては5
0mJ/cm2とした。黒については130mJ/cm2である。得
られた多色パターンに紫外線照射機(ランプH5600
L/2、東芝電材社製)を用いて3J/cm2で照射した
後、150℃で45分間加熱してカラーフイルタを得
た。得られたカラーフイルタは赤、青および緑色のパタ
ーン(70μm×270μmの長方形が長手方向に30
μmの隙間を持ち、長さ150mmであって、平行方向に
30μmの隙間があり、平行方向の間隔が300μm周
期のストライプ状のパターン)が整然と並んでいた。三
原色の画素の周りの間隔の部分は黒のブラックマトリッ
クスでおおわれていた。追随性は良好であり、また、画
素の段差はなく、画素の断面ではM状もJ状も認められ
なかった。
【0032】実施例3 下記の表4の材料を表1の材料に置き換えた以外は実施
例1と同様に実施した。
【表4】 得られたカラーフイルタは赤、青および緑色のパターン
(70μm×270μmの長方形が長手方向に30μm
の隙間を持ち、長さ150mmであって、平行方向に30
μmの隙間があり、平行方向の間隔が300μm周期の
ストライプ状のパターン)が整然と並び、追随性は良好
であった。また、画素の段差はなく、画素の断面ではM
状もJ状も認められなかった。
【0033】実施例4 下記の膜厚の組合せに置き換えた以外は実施例1と同様
に実施した。黒の着色感光性樹脂層の膜厚は1.2μ
m、赤は2.3μm、緑は2.3μm、青は2.3μm
であった。得られたカラーフイルタは赤、青および緑色
のパターンが整然と並び、追随性は良好であった。ま
た、画素の段差はなく、画素の断面ではM状もJ状も認
められなかった。
【0034】実施例5 下記の膜厚の組合せに置き換えた以外は実施例1と同様
に実施した。黒の着色感光性樹脂層の膜厚は1.8μ
m、赤は2.3μm、緑は2.3μm、青は2.3μm
であった。得られたカラーフイルタは赤、青および緑色
のパターンが整然と並び、追随性は良好であった。ま
た、画素の段差はなく、画素の断面ではM状もJ状も認
められなかった。
【0035】実施例6 下記の膜厚の組合せに置き換えた以外は実施例1と同様
に実施した。黒の着色感光性樹脂層の膜厚は1.2μ
m、赤は2.0μm、緑は2.0μm、青は2.0μm
であった。得られたカラーフイルタは赤、青および緑色
のパターンが整然と並び、追随性は良好であった。ま
た、画素の段差はなく、画素の断面ではM状もJ状も認
められなかった。
【0036】実施例7 下記の膜厚の組合せに置き換えた以外は実施例1と同様
に実施した。黒の着色感光性樹脂層の膜厚は1.7μ
m、赤は1.9μm、緑は1.9μm、青は1.9μm
であった。得られたカラーフイルタは赤、青および緑色
のパターンが整然と並んでいた。追随性は良好で、画素
の段差はなく、画素の断面ではM状もJ状も認められな
かった。
【0037】比較例1 実施例1と同様にして黒色の着色パターンを形成し、つ
いで、このパターンの形成工程を実施例1と同様に赤、
青、緑の順に各色の感光性フイルムを用いて繰り返し行
ったが、(c)の露光の前に60℃で15分間加熱を行
う移行工程を行わなかった。この際、ストライプパター
ンは幅70μmで長さ150mmで間隔が300μm周期
のストライプ状であった。フイルムの追随性が不十分
で、フイルムにしわが一部発生し、追随性が不良となっ
た。さらに画素の表面は青ではその断面はJ状になり両
端の膜厚の差は0.3μmあった。緑ではその断面はM
状となり、両端と中央では0.5μmの膜厚の差が生じ
ていた。これは、膜厚を同一としても、(c)の露光の
前に60℃で15分間ベーキングを行うベーキング工程
を行わなかったためで、長方形の画素断面が得られなか
った。
【0038】
【発明の効果】本発明の製造法によれば、感光性フイル
ムの追随性、作業性よく基板上に均一な厚さの高精度の
多色の微細パターンの形成された優れた耐熱性を有する
カラーフイルタを製造することができる。また本発明に
より、ブラツクマトリックスはその厚さが制限されるこ
ともなく、従来のようにクロム蒸着膜では0.1〜0.
2μm、グラファイトやカーボンブラツクを含む感光性
樹脂層では0.2〜0.6μmが限界となることはな
く、膜を必要に応じて厚くすることが出来る。そのた
め、グラファイトやカーボンブラツクを含む感光性樹脂
層では顔料の占める割合(ピグメント/バインダ比)を
少なく出来て、膜の強度、感光特性の優れたレジストや
感光性フィルムを設計することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造法を示す略図である。
【図2】従来のカラーフイルタの画素の断面の模式図で
ある。
【符号の説明】
1 ブラックマトリックス 2 透明基板 3 着色感光性樹脂層(赤) 4 ベースフイルム 5 空間 6 着色感光性樹脂層(緑) 7 着色感光性樹脂層(青) 8 一色目の画素 9 二色目の画素 10 三色目の画素

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板上に、ベースフイルムと一色に
    着色された感光性樹脂層とからなる感光性フイルムを、
    (1)着色された感光性樹脂層が前記基板に面するよう
    に貼り合わせる工程、(2)露光して所定のパターンを
    形成させる工程および(3)現像工程を少なくとも含む
    工程を繰り返して多色パターンを形成させるカラーフイ
    ルタの製造法において、第一色目の工程を黒の画素(ブ
    ラックマトリックス)の形成工程とし、黒の画素の膜厚
    を三原色(赤、緑、青)の画素の膜厚よりも厚くない膜
    厚とし、二色目以降の着色された感光性樹脂層が前記基
    板に面するように、画素間に空間を形成して貼り合わせ
    る工程を行い、第二色目の工程で前記(2)の工程後に
    ベースフイルムを剥離してから加熱による二色目の感光
    性樹脂層の黒の画素間空間への移行工程を行い、三色目
    以降の工程については前記(1)と(3)の工程の間
    に、加熱による三色目以降の感光性樹脂層の画素間空間
    への移行工程を行うことを特徴とするカラーフイルタの
    製造法。
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