JPH08295891A - 燃料油組成物 - Google Patents
燃料油組成物Info
- Publication number
- JPH08295891A JPH08295891A JP10406695A JP10406695A JPH08295891A JP H08295891 A JPH08295891 A JP H08295891A JP 10406695 A JP10406695 A JP 10406695A JP 10406695 A JP10406695 A JP 10406695A JP H08295891 A JPH08295891 A JP H08295891A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- fuel oil
- olefin polymer
- acid
- liquid
- fuel
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Classifications
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02B—INTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
- F02B3/00—Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition
- F02B3/06—Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition with compression ignition
Landscapes
- Liquid Carbonaceous Fuels (AREA)
- Solid Fuels And Fuel-Associated Substances (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 優れた清浄性と潤滑性を有し、これにより燃
料供給ノズルやエンジンの吸気弁付近を常にクリーンな
状態に保つことができ、かつ潤滑性を付与して燃料およ
び空気の供給を安定させ、安定運転を可能にするととも
に、ディーゼルエンジン用燃料油については流動点およ
び目詰まり点を大幅に降下させることができる燃料油組
成物を提供する。 【構成】 (A):燃料油と、 (B):数平均分子量300ないし10000の液状オ
レフィン重合体(B1)に、炭素数3ないし10の不飽
和カルボン酸またはその酸無水物(B2)を液状オレフ
ィン重合体(B1)1分子当り平均0.01ないし5分
子の範囲でグラフト共重合して得られる液状酸変性オレ
フィン重合体とを含む燃料油組成物。
料供給ノズルやエンジンの吸気弁付近を常にクリーンな
状態に保つことができ、かつ潤滑性を付与して燃料およ
び空気の供給を安定させ、安定運転を可能にするととも
に、ディーゼルエンジン用燃料油については流動点およ
び目詰まり点を大幅に降下させることができる燃料油組
成物を提供する。 【構成】 (A):燃料油と、 (B):数平均分子量300ないし10000の液状オ
レフィン重合体(B1)に、炭素数3ないし10の不飽
和カルボン酸またはその酸無水物(B2)を液状オレフ
ィン重合体(B1)1分子当り平均0.01ないし5分
子の範囲でグラフト共重合して得られる液状酸変性オレ
フィン重合体とを含む燃料油組成物。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用エンジン等に使
用される燃料油組成物、特に潤滑性および清浄性に優れ
た燃料油組成物に関する。
用される燃料油組成物、特に潤滑性および清浄性に優れ
た燃料油組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、車両用エンジン、特に自動車用エ
ンジンは省燃費指向が著しく、そのアプローチの一つと
して、ガソリンエンジンについては、最適燃料供給のた
めに電子制御燃料噴射方式が開発されている。また燃料
効率の高いエンジンとして従来から使用されているディ
ーゼルエンジンも、省燃費型エンジンとして再び注目さ
れている。これらのエンジンの燃料供給方式は、いずれ
も噴射方式であり、噴射ノズルが装備されている。この
噴射ノズルは燃料の燃焼の際、燃料の不完全燃焼に起因
するスラッジによって汚染され、燃料の供給速度に影響
ができることがある。また、これらのエンジンの吸気弁
付近はスラッジ汚染を受け易く、これに伴う吸気弁の摩
耗現象も発生し、弁の作動に支障が生ずることがある。
特にディーゼルエンジン用燃料油は沸点の高い成分から
構成されるため、流動点および目詰まり点が高く、安定
した燃焼が困難になりやすい。
ンジンは省燃費指向が著しく、そのアプローチの一つと
して、ガソリンエンジンについては、最適燃料供給のた
めに電子制御燃料噴射方式が開発されている。また燃料
効率の高いエンジンとして従来から使用されているディ
ーゼルエンジンも、省燃費型エンジンとして再び注目さ
れている。これらのエンジンの燃料供給方式は、いずれ
も噴射方式であり、噴射ノズルが装備されている。この
噴射ノズルは燃料の燃焼の際、燃料の不完全燃焼に起因
するスラッジによって汚染され、燃料の供給速度に影響
ができることがある。また、これらのエンジンの吸気弁
付近はスラッジ汚染を受け易く、これに伴う吸気弁の摩
耗現象も発生し、弁の作動に支障が生ずることがある。
特にディーゼルエンジン用燃料油は沸点の高い成分から
構成されるため、流動点および目詰まり点が高く、安定
した燃焼が困難になりやすい。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
の問題を解決するため、優れた清浄性と潤滑性を有し、
これにより燃料供給ノズルやエンジンの吸気弁付近を常
にクリーンな状態に保つことができ、かつ潤滑性を付与
して燃料および空気の供給を安定させ、安定運転を可能
にし、特にディーゼルエンジン用燃料油については流動
点および目詰まり点を大幅に低下させることができる燃
料油組成物を提供することである。
の問題を解決するため、優れた清浄性と潤滑性を有し、
これにより燃料供給ノズルやエンジンの吸気弁付近を常
にクリーンな状態に保つことができ、かつ潤滑性を付与
して燃料および空気の供給を安定させ、安定運転を可能
にし、特にディーゼルエンジン用燃料油については流動
点および目詰まり点を大幅に低下させることができる燃
料油組成物を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A):燃料
油と、 (B):数平均分子量300ないし10000の液状オ
レフィン重合体(B1)に、炭素数3ないし10の不飽
和カルボン酸またはその酸無水物(B2)を液状オレフ
ィン重合体(B1)1分子当り平均0.01ないし5分
子の範囲でグラフト共重合して得られる液状酸変性オレ
フィン重合体とを含むことを特徴とする燃料油組成物で
ある。
油と、 (B):数平均分子量300ないし10000の液状オ
レフィン重合体(B1)に、炭素数3ないし10の不飽
和カルボン酸またはその酸無水物(B2)を液状オレフ
ィン重合体(B1)1分子当り平均0.01ないし5分
子の範囲でグラフト共重合して得られる液状酸変性オレ
フィン重合体とを含むことを特徴とする燃料油組成物で
ある。
【0005】本発明の燃料油組成物の主成分である燃料
油(A)は車両用エンジン等の燃料とされるもので、一
般に燃料油として使用されているものが制限なく使用で
き、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンなど、エン
ジンの形式に関係なく、すべての燃料油が対象となる
が、特にディーゼルエンジン用の燃料油に適している。
このような燃料油としてはガソリン、ディーゼル軽油、
A重油などがあげられ、各種の添加物が添加されたもの
も含まれるが、特にディーゼル軽油に適している。
油(A)は車両用エンジン等の燃料とされるもので、一
般に燃料油として使用されているものが制限なく使用で
き、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンなど、エン
ジンの形式に関係なく、すべての燃料油が対象となる
が、特にディーゼルエンジン用の燃料油に適している。
このような燃料油としてはガソリン、ディーゼル軽油、
A重油などがあげられ、各種の添加物が添加されたもの
も含まれるが、特にディーゼル軽油に適している。
【0006】本発明で使用する液状酸変性オレフィン重
合体(B)を形成するための液状オレフィン重合体(B
1)としては、α−オレフィンの単独重合体または共重
合体であって、数平均分子量300ないし10000の
液状の重合体が使用できる。上記のα−オレフィンの具
体的なものとしては、エチレン、プロピレン、ブテン−
1、イソブテン、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メ
チルペンテン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、デセ
ン−1、ウンデセン−1、ドデセン−1、トリデセン−
1、テトラデセン−1、ペンタデセン−1、ヘキサデセ
ン−1、ヘプタデセン−1、オクタデセン−1、ノナデ
セン−1、エイコセン−1等の炭素数2ないし20のα
−オレフィンなどがあげられる。
合体(B)を形成するための液状オレフィン重合体(B
1)としては、α−オレフィンの単独重合体または共重
合体であって、数平均分子量300ないし10000の
液状の重合体が使用できる。上記のα−オレフィンの具
体的なものとしては、エチレン、プロピレン、ブテン−
1、イソブテン、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メ
チルペンテン−1、ヘプテン−1、オクテン−1、デセ
ン−1、ウンデセン−1、ドデセン−1、トリデセン−
1、テトラデセン−1、ペンタデセン−1、ヘキサデセ
ン−1、ヘプタデセン−1、オクタデセン−1、ノナデ
セン−1、エイコセン−1等の炭素数2ないし20のα
−オレフィンなどがあげられる。
【0007】液状オレフィン重合体(B1)の単独重合
体の具体的なものとしては、炭素数3ないし20、好ま
しくは4ないし10のα−オレフィンの単独重合体があ
げられる。共重合体の具体的なものとしては、炭素数3
ないし20のα−オレフィンの共重合体、およびエチレ
ンと炭素数3ないし20のα−オレフィンの中から選ば
れた1種または2種以上のモノマーとの共重合体などが
あげられる。エチレンとα−オレフィンとの共重合体と
しては、エチレンと炭素数3ないし10のα−オレフィ
ンとの共重合体が好ましく、特にエチレンとプロピレン
との共重合体が好ましい。
体の具体的なものとしては、炭素数3ないし20、好ま
しくは4ないし10のα−オレフィンの単独重合体があ
げられる。共重合体の具体的なものとしては、炭素数3
ないし20のα−オレフィンの共重合体、およびエチレ
ンと炭素数3ないし20のα−オレフィンの中から選ば
れた1種または2種以上のモノマーとの共重合体などが
あげられる。エチレンとα−オレフィンとの共重合体と
しては、エチレンと炭素数3ないし10のα−オレフィ
ンとの共重合体が好ましく、特にエチレンとプロピレン
との共重合体が好ましい。
【0008】液状オレフィン重合体(B1)がエチレン
・α−オレフィン共重合体の場合、エチレンの組成の範
囲は65ないし95モル%、好ましくは70ないし88
モル%である。
・α−オレフィン共重合体の場合、エチレンの組成の範
囲は65ないし95モル%、好ましくは70ないし88
モル%である。
【0009】液状オレフィン重合体(B1)の数平均分
子量は300ないし10000、好ましくは500ない
し8000、より好ましくは700ないし5000であ
る。数平均分子量が300より小さいと耐熱性が低下
し、一方10000より大きくなると粘度が高くなりす
ぎて取扱いが困難になる。
子量は300ないし10000、好ましくは500ない
し8000、より好ましくは700ないし5000であ
る。数平均分子量が300より小さいと耐熱性が低下
し、一方10000より大きくなると粘度が高くなりす
ぎて取扱いが困難になる。
【0010】液状オレフィン重合体(B1)の製造は、
一般に良く知られているカチオン重合によって製造する
ことができ、また必要に応じて得られた重合体を水素添
加反応に供することにより、分子中の二重結合を飽和す
ることができる。具体的には、例えば特開昭57−12
3205号または特開昭62−121710号に記載さ
れている方法を用いて適宜条件を選択することにより、
また必要に応じて水素添加反応を組み合わせることによ
り製造することができる。
一般に良く知られているカチオン重合によって製造する
ことができ、また必要に応じて得られた重合体を水素添
加反応に供することにより、分子中の二重結合を飽和す
ることができる。具体的には、例えば特開昭57−12
3205号または特開昭62−121710号に記載さ
れている方法を用いて適宜条件を選択することにより、
また必要に応じて水素添加反応を組み合わせることによ
り製造することができる。
【0011】上記の液状オレフィン重合体(B1)の変
性に使用する不飽和カルボン酸またはその酸無水物(B
2)は炭素数3ないし10の不飽和カルボン酸またはそ
の酸無水物である。具体的なものとしては、例えばアク
リル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラ
コン酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−
5,6−ジカルボン酸、無水マレイン酸、無水イタコン
酸、無水シトラコン酸、無水ビシクロ[2,2,1]ヘ
プト−2−エン−5,6−ジカルボン酸などがあげられ
る。これらの中ではジカルボン酸またはその無水物が好
ましく、均一な品質の液状酸変性オレフィン重合体が高
い収率で得られる点で、無水マレイン酸が特に好まし
い。
性に使用する不飽和カルボン酸またはその酸無水物(B
2)は炭素数3ないし10の不飽和カルボン酸またはそ
の酸無水物である。具体的なものとしては、例えばアク
リル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラ
コン酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン−
5,6−ジカルボン酸、無水マレイン酸、無水イタコン
酸、無水シトラコン酸、無水ビシクロ[2,2,1]ヘ
プト−2−エン−5,6−ジカルボン酸などがあげられ
る。これらの中ではジカルボン酸またはその無水物が好
ましく、均一な品質の液状酸変性オレフィン重合体が高
い収率で得られる点で、無水マレイン酸が特に好まし
い。
【0012】本発明で使用する液状酸変性オレフィン重
合体(B)は、前記液状オレフィン重合体(B1)に不
飽和カルボン酸またはその酸無水物(B2)がグラフト
共重合したグラフト共重合体である。不飽和カルボン酸
またはその酸無水物(B2)のグラフト共重合量は、液
状オレフィン重合体(B1)1分子当り平均0.01な
いし5分子、好ましくは0.5ないし4分子、さらに好
ましくは1ないし3分子の範囲である。
合体(B)は、前記液状オレフィン重合体(B1)に不
飽和カルボン酸またはその酸無水物(B2)がグラフト
共重合したグラフト共重合体である。不飽和カルボン酸
またはその酸無水物(B2)のグラフト共重合量は、液
状オレフィン重合体(B1)1分子当り平均0.01な
いし5分子、好ましくは0.5ないし4分子、さらに好
ましくは1ないし3分子の範囲である。
【0013】液状酸変性オレフィン重合体(B)は、液
状オレフィン重合体(B1)に不飽和カルボン酸または
その酸無水物(B2)を、ラジカル重合開始剤の共存下
でグラフト共重合する方法、例えば特開昭61−126
120号に記載された方法によって製造できる。このと
き、反応温度は150ないし200℃、好ましくは16
0ないし180℃の範囲、反応時間は0.1ないし50
時間、好ましくは0.2ないし10時間の範囲である。
状オレフィン重合体(B1)に不飽和カルボン酸または
その酸無水物(B2)を、ラジカル重合開始剤の共存下
でグラフト共重合する方法、例えば特開昭61−126
120号に記載された方法によって製造できる。このと
き、反応温度は150ないし200℃、好ましくは16
0ないし180℃の範囲、反応時間は0.1ないし50
時間、好ましくは0.2ないし10時間の範囲である。
【0014】本発明で用いる液状酸変性オレフィン重合
体(B)は、少なくとも室温下では燃料油に均一に溶解
する必要があり、そのためには液状オレフィン重合体
(B1)は融点を持たない非晶性であることが望まし
く、結晶性を有する場合でも、その結晶化度は5%以下
であることが要求される。
体(B)は、少なくとも室温下では燃料油に均一に溶解
する必要があり、そのためには液状オレフィン重合体
(B1)は融点を持たない非晶性であることが望まし
く、結晶性を有する場合でも、その結晶化度は5%以下
であることが要求される。
【0015】本発明の燃料油組成物は、前記燃料油
(A)と、液状酸変性オレフィン重合体(B)のうちの
1種または2種以上とを混合することにより製造され、
これにより優れた清浄性および潤滑性を有する燃料油組
成物が得られる。
(A)と、液状酸変性オレフィン重合体(B)のうちの
1種または2種以上とを混合することにより製造され、
これにより優れた清浄性および潤滑性を有する燃料油組
成物が得られる。
【0016】本発明において、燃料油(A)と液状酸変
性オレフィン重合体(B)との混合割合は、燃料油
(A)100重量部当たり、液状酸変性オレフィン重合
体(B)0.001ないし1重量部、好ましくは0.0
05重量部ないし0.1重量部の範囲が適当である。燃
料油(A)100重量部に対し、液状酸変性オレフィン
重量体(B)の混合割合が0.001重量部より低い場
合、清浄性効果が不十分となり、1重量部より高い場合
は、燃料油の粘度が高くなり、燃料油規格を満足しなく
なるなどの挙動が現れ、好ましくない。
性オレフィン重合体(B)との混合割合は、燃料油
(A)100重量部当たり、液状酸変性オレフィン重合
体(B)0.001ないし1重量部、好ましくは0.0
05重量部ないし0.1重量部の範囲が適当である。燃
料油(A)100重量部に対し、液状酸変性オレフィン
重量体(B)の混合割合が0.001重量部より低い場
合、清浄性効果が不十分となり、1重量部より高い場合
は、燃料油の粘度が高くなり、燃料油規格を満足しなく
なるなどの挙動が現れ、好ましくない。
【0017】本発明の燃料油組成物は、必要に応じてオ
クタン価向上剤、セタン価向上剤、酸化防止剤、金属不
活性剤、堆積物改質剤、氷結防止剤、腐食防止剤、低温
流動性向上剤、貯蔵安定剤、灰分改質剤、極圧剤、清浄
分散剤などの他の添加剤を併用することができる。
クタン価向上剤、セタン価向上剤、酸化防止剤、金属不
活性剤、堆積物改質剤、氷結防止剤、腐食防止剤、低温
流動性向上剤、貯蔵安定剤、灰分改質剤、極圧剤、清浄
分散剤などの他の添加剤を併用することができる。
【0018】上記により得られた本発明の燃料油組成物
はそのままエンジンに給油して燃焼に供されるが、優れ
た清浄性と潤滑性を有するため、エンジンの燃料供給ノ
ズルや吸気弁付近を常にクリーンな状態に保ち、かつ潤
滑性も付与するため燃料および空気の供給が安定し、安
定運転が可能になる。このような現象はガソリンエンジ
ン、およびディーゼルエンジンの区別なく生じる。
はそのままエンジンに給油して燃焼に供されるが、優れ
た清浄性と潤滑性を有するため、エンジンの燃料供給ノ
ズルや吸気弁付近を常にクリーンな状態に保ち、かつ潤
滑性も付与するため燃料および空気の供給が安定し、安
定運転が可能になる。このような現象はガソリンエンジ
ン、およびディーゼルエンジンの区別なく生じる。
【0019】本発明の燃料油組成物は、燃料油(A)が
ディーゼルエンジン用燃料油、例えばディーゼル軽油ま
たはA重油の場合、液状オレフィン重合体(B1)を選
択することにより、燃料油の流動点(JIS K 22
69)および/または目詰まり点(CFPP:JIS
K 2288)を改善することができる。例えば、液状
オレフィン重合体(B1)をエチレン・α−オレフィン
共重合体とし、そのエチレン組成を65モル%ないし9
0モル%、好ましくは70モル%ないし88モル%の範
囲、数平均分子量を2000ないし10000、好まし
くは2500ないし8000の範囲にすることにより、
燃料油の流動点を大幅に降下させることができる。ま
た、エチレン組成を75モル%ないし88モル%の範囲
とし、数平均分子量を2500ないし10000の範囲
にすることにより、燃料油の流動点のみならず、目詰ま
り点をも降下することが可能となる。
ディーゼルエンジン用燃料油、例えばディーゼル軽油ま
たはA重油の場合、液状オレフィン重合体(B1)を選
択することにより、燃料油の流動点(JIS K 22
69)および/または目詰まり点(CFPP:JIS
K 2288)を改善することができる。例えば、液状
オレフィン重合体(B1)をエチレン・α−オレフィン
共重合体とし、そのエチレン組成を65モル%ないし9
0モル%、好ましくは70モル%ないし88モル%の範
囲、数平均分子量を2000ないし10000、好まし
くは2500ないし8000の範囲にすることにより、
燃料油の流動点を大幅に降下させることができる。ま
た、エチレン組成を75モル%ないし88モル%の範囲
とし、数平均分子量を2500ないし10000の範囲
にすることにより、燃料油の流動点のみならず、目詰ま
り点をも降下することが可能となる。
【0020】低硫黄含量軽油については、従来ナチュラ
ルインヒビターとしてその効果が知られていた硫黄含有
量が低減するため、清浄性や潤滑性の低下が予想される
が、このような軽油を用いて本発明の燃料油組成物を形
成すると、清浄性や潤滑性が付与され、優れた効果が得
られる。
ルインヒビターとしてその効果が知られていた硫黄含有
量が低減するため、清浄性や潤滑性の低下が予想される
が、このような軽油を用いて本発明の燃料油組成物を形
成すると、清浄性や潤滑性が付与され、優れた効果が得
られる。
【0021】このほか、本発明の燃料油組成物は、従来
の清浄剤が通常含有している窒素を含有していないた
め、エンジン排気ガス中のNOx濃度を低くすることが
できる。
の清浄剤が通常含有している窒素を含有していないた
め、エンジン排気ガス中のNOx濃度を低くすることが
できる。
【0022】
【発明の効果】本発明の燃料油組成物は、燃料油と特定
の液状酸変性オレフィン重合体を含有するため、優れた
清浄性と潤滑性を有し、これにより燃料供給ノズルやエ
ンジンの吸気弁付近を常にクリーンな状態に保つことが
でき、かつ潤滑性を付与して燃料および空気の供給を安
定させ、安定運転を可能にするとともに、ディーゼルエ
ンジン用燃料油については流動点および目詰まり点を大
幅に降下させることができる。
の液状酸変性オレフィン重合体を含有するため、優れた
清浄性と潤滑性を有し、これにより燃料供給ノズルやエ
ンジンの吸気弁付近を常にクリーンな状態に保つことが
でき、かつ潤滑性を付与して燃料および空気の供給を安
定させ、安定運転を可能にするとともに、ディーゼルエ
ンジン用燃料油については流動点および目詰まり点を大
幅に降下させることができる。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例および比較例によって
具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定され
るものではない。なお、実施例および比較例における分
析および評価は下記の方法に従って行った。
具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定され
るものではない。なお、実施例および比較例における分
析および評価は下記の方法に従って行った。
【0024】エチレンランダム共重合体の組成 13 C−NMRを用いて、エチレンおよび他のα−オレフ
ィンに由来する特性スペクトルを検出し、各スペクトル
の面積比から共重合体の構成成分比を求めた。
ィンに由来する特性スペクトルを検出し、各スペクトル
の面積比から共重合体の構成成分比を求めた。
【0025】数平均分子量 武内著、丸善発行の「ゲルパーミエーション・クロマト
グラフィー」に準じて、次の条件で測定して得られたポ
リスチレン換算の数平均分子量を、スクワランを標準物
質として再換算した。装置:島津社製 LC−6A、カ
ラム:東ソー株式会社製ポリスチレンゲルG6000H
X、G4000HX、G3000HX、G2000H
X、温度:40℃、流速:0.7ml/min、溶媒:
テトラヒドロフラン、標準サンプル:東ソー株式会社製
単分散ポリスチレン。
グラフィー」に準じて、次の条件で測定して得られたポ
リスチレン換算の数平均分子量を、スクワランを標準物
質として再換算した。装置:島津社製 LC−6A、カ
ラム:東ソー株式会社製ポリスチレンゲルG6000H
X、G4000HX、G3000HX、G2000H
X、温度:40℃、流速:0.7ml/min、溶媒:
テトラヒドロフラン、標準サンプル:東ソー株式会社製
単分散ポリスチレン。
【0026】無水マレイン酸グラフト量 JIS K 0070記載のけん化価測定法を用い、得
られた結果から以下の計算式により無水マレイン酸グラ
フト量(モル/モル)を算出した。 (けん化価×グラフト共重合体数平均分子量)/(56.1
×2×1000)
られた結果から以下の計算式により無水マレイン酸グラ
フト量(モル/モル)を算出した。 (けん化価×グラフト共重合体数平均分子量)/(56.1
×2×1000)
【0027】無水コハク酸基連鎖長 13 C−NMRにてグラフトした酸無水物連鎖のメチレン
またはメチンに結合している各々のカルボニル基炭素に
由来する特性スペクトルの面積を測定し、その比率から
求めた。
またはメチンに結合している各々のカルボニル基炭素に
由来する特性スペクトルの面積を測定し、その比率から
求めた。
【0028】流動点 JIS K 2269に従って測定した。
【0029】目詰まり点 JIS K 2288に従って測定した。
【0030】清浄性 コマツエンジニアリング(株)製ホット・チューブ・テ
スターを用い、280℃にて清浄性を評価した。ベース
油にはISO VG 7マシン油を用いた。評点は
(優)を10、(劣)を0とし、10段階の評点とし
た。
スターを用い、280℃にて清浄性を評価した。ベース
油にはISO VG 7マシン油を用いた。評点は
(優)を10、(劣)を0とし、10段階の評点とし
た。
【0031】潤滑性 オプチモール社製SRV摩擦摩耗試験機を用い、試験開
始温度:40℃、点接触(鋼球/鋼板)、50N毎ステ
ップ加重方式(1ステップ:5分間、50N〜600
N)により潤滑性(摩擦係数、摩耗痕深さ)を評価し
た。
始温度:40℃、点接触(鋼球/鋼板)、50N毎ステ
ップ加重方式(1ステップ:5分間、50N〜600
N)により潤滑性(摩擦係数、摩耗痕深さ)を評価し
た。
【0032】製造例1 窒素吹込管、水冷コンデンサー、温度計および滴下ロー
ト2個を装着した攪拌機付ガラス製3 liter入反応器
に、エチレン成分の含有量85モル%、数平均分子量3
000、分子量分布(Mw/Mn)1.8、135℃デ
カリン中で測定した極限粘度〔η〕0.25dl/gの
エチレン・プロピレン共重合体2500gを入れ、2時
間窒素置換を行い溶存酸素を追い出した。その後反応器
内温を160℃に昇温し、2個の滴下ロート各々に予め
装入しておいた無水マレイン酸60g(60℃に加温し
て液化)およびジ−tert−ブチリペルオキシド12
gを2時間かけて滴下した。滴下完了後、さらに2時間
後反応を行ったのち、反応器内温度を180℃に昇温
し、0.5mmHgの減圧下で未反応無水マレイン酸お
よびジ−tert−ブチルペルオキシドの分解物を除去
することにより、エチレン・プロピレン共重合体100
重量部当り無水コハク酸成分割合2重量部(エチレン・
プロピレン共重合体1分子量当り無水マレイン酸の平均
グラフト量0.6分子)、無水コハク酸基連鎖長1.1
の無水コハク酸基がグラフトした液状酸変性オレフィン
共重合体を得た。
ト2個を装着した攪拌機付ガラス製3 liter入反応器
に、エチレン成分の含有量85モル%、数平均分子量3
000、分子量分布(Mw/Mn)1.8、135℃デ
カリン中で測定した極限粘度〔η〕0.25dl/gの
エチレン・プロピレン共重合体2500gを入れ、2時
間窒素置換を行い溶存酸素を追い出した。その後反応器
内温を160℃に昇温し、2個の滴下ロート各々に予め
装入しておいた無水マレイン酸60g(60℃に加温し
て液化)およびジ−tert−ブチリペルオキシド12
gを2時間かけて滴下した。滴下完了後、さらに2時間
後反応を行ったのち、反応器内温度を180℃に昇温
し、0.5mmHgの減圧下で未反応無水マレイン酸お
よびジ−tert−ブチルペルオキシドの分解物を除去
することにより、エチレン・プロピレン共重合体100
重量部当り無水コハク酸成分割合2重量部(エチレン・
プロピレン共重合体1分子量当り無水マレイン酸の平均
グラフト量0.6分子)、無水コハク酸基連鎖長1.1
の無水コハク酸基がグラフトした液状酸変性オレフィン
共重合体を得た。
【0033】実施例1 添加剤無添加軽油(流動点=−7.5℃、目詰まり点=
−6℃、90%留出温度−20%留出温度=79℃)に
製造例1で得られた変性オレフィン共重合体を0.05
%添加して試料油組成物を調製し、潤滑性、目詰まり点
および流動点の評価を行った。また、ISO VG 7
油に製造例1で得られた変性共重合体を0.5%添加し
て清浄性試験も行った。結果を表1に示す。
−6℃、90%留出温度−20%留出温度=79℃)に
製造例1で得られた変性オレフィン共重合体を0.05
%添加して試料油組成物を調製し、潤滑性、目詰まり点
および流動点の評価を行った。また、ISO VG 7
油に製造例1で得られた変性共重合体を0.5%添加し
て清浄性試験も行った。結果を表1に示す。
【0034】比較例1 実施例1において、製造例1で得られた変性共重合体を
添加せずに同様に行った。結果を表1にまとめて示し
た。
添加せずに同様に行った。結果を表1にまとめて示し
た。
【0035】
【表1】
Claims (5)
- 【請求項1】 (A):燃料油と、 (B):数平均分子量300ないし10000の液状オ
レフィン重合体(B1)に、炭素数3ないし10の不飽
和カルボン酸またはその酸無水物(B2)を液状オレフ
ィン重合体(B1)1分子当り平均0.01ないし5分
子の範囲でグラフト共重合して得られる液状酸変性オレ
フィン重合体とを含むことを特徴とする燃料油組成物。 - 【請求項2】 液状オレフィン重合体がエチレン・α−
オレフィン共重合体であることを特徴とする請求項1記
載の組成物。 - 【請求項3】 液状オレフィン重合体がエチレン・プロ
ピレン共重合体であることを特徴とする請求項1記載の
組成物。 - 【請求項4】 不飽和カルボン酸またはその酸無水物が
無水マレイン酸であることを特徴とする請求項1ないし
3のいずれかに記載の組成物。 - 【請求項5】 燃料油がディーゼル軽油であることを特
徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10406695A JPH08295891A (ja) | 1995-04-27 | 1995-04-27 | 燃料油組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10406695A JPH08295891A (ja) | 1995-04-27 | 1995-04-27 | 燃料油組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08295891A true JPH08295891A (ja) | 1996-11-12 |
Family
ID=14370801
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10406695A Pending JPH08295891A (ja) | 1995-04-27 | 1995-04-27 | 燃料油組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08295891A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106133007A (zh) * | 2014-01-29 | 2016-11-16 | 巴斯夫欧洲公司 | 用于燃料和润滑剂的多羧酸基添加剂 |
US11078418B2 (en) | 2016-07-05 | 2021-08-03 | Basf Se | Corrosion inhibitors for fuels and lubricants |
-
1995
- 1995-04-27 JP JP10406695A patent/JPH08295891A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106133007A (zh) * | 2014-01-29 | 2016-11-16 | 巴斯夫欧洲公司 | 用于燃料和润滑剂的多羧酸基添加剂 |
US11168273B2 (en) | 2014-01-29 | 2021-11-09 | Basf Se | Polycarboxylic acid-based additives for fuels and lubricants |
US11634654B2 (en) | 2014-01-29 | 2023-04-25 | Basf Se | Polycarboxylic acid-based additives for fuels and lubricants |
US11078418B2 (en) | 2016-07-05 | 2021-08-03 | Basf Se | Corrosion inhibitors for fuels and lubricants |
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Legal Events
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A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20050117 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
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