JPH08295235A - 鉄道車両の台車の操舵方法とその装置 - Google Patents

鉄道車両の台車の操舵方法とその装置

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JPH08295235A
JPH08295235A JP10575695A JP10575695A JPH08295235A JP H08295235 A JPH08295235 A JP H08295235A JP 10575695 A JP10575695 A JP 10575695A JP 10575695 A JP10575695 A JP 10575695A JP H08295235 A JPH08295235 A JP H08295235A
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JP
Japan
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vehicle body
cylinder
center
wheel shaft
cylinders
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JP10575695A
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Masato Takebayashi
政人 竹林
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Kinki Sharyo Co Ltd
Original Assignee
Kinki Sharyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 操舵による、台車の車体進行方向から見た第
3の輪軸の車輪の横圧の増大、キシリ音、走行安全性の
低下のないものとする。 【構成】 車体端寄り輪軸5aは軌条6の湾曲中心Oに
軸線が向くように、車体中央寄り輪軸5bは湾曲中心O
に軸線が向く側に輪軸5aより少なくそれぞれ操舵し、
これを、台車1の回動に応動するシリンダB15、16
のピストン側室15a、16aを輪軸5b用のシリンダ
A11、12の各室の逆動作すべきものに、ロッド側室
15b、16bを輪軸5b用のシリンダA13、14の
各室の逆動作すべきものにそれぞれ接続し、シリンダB
15、16と輪軸5b側シリンダA13、14の接続各
対応室間の横断面積比SB/SAを、シリンダB15、
16と輪軸5a側シリンダA11、12のそれより小さ
くする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鉄道車両の台車の操舵方
法とその装置に関し、詳しくは台車の車体端寄りおよび
車体中央寄り各輪軸を台車が通過している軌条の湾曲中
心に向くように操舵する鉄道車両の台車の操舵方法とそ
の装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】このような操舵装置は、例えば実開平5
−56721号公報に開示されている。このものは、図
5に示すように、油タンク、および操舵用のシリンダ
A、台車の回転に応動するシリンダBと、これらを相互
に接続する配管とで構成されている。
【0003】シリンダAb〜eは台車枠fと車体端寄り
輪軸gおよび車体中央寄り輪軸hの左右各端部との間に
車体kの長手方向に軸線が向くように働かされている。
シリンダBi、jは車体kと台車枠fとの左側部分間と
右側部分間に車体kの長手方向に軸線が向くように働か
されている。
【0004】車両が軌条nの例えば図5に示すように進
行方向に向かって左にカーブしている部分を通過する
際、台車fはそれぞれが通過している軌条nがカーブし
ている側に心皿lを中心として向きを変えるので、台車
fは車体kに対し回動する。
【0005】この回動によって、外軌側となるシリンダ
Bjは収縮し、内軌側となるシリンダBiは伸長する。
このとき生じる油圧差によりオイルが矢印のように流れ
て、外軌側となるシリンダAc、eが伸長し、内軌側と
なるシリンダAb、dが収縮する。これにより、台車k
の車体端寄り輪軸gと車体中央寄り輪軸hとの外軌側の
端部を互いに遠ざけるように、また内軌側の端部を互い
に近づけるように移動させ、それらの軸線が軌条の湾曲
中心oに向く仮想線で示すようなV字状に操舵する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、シリンダB
i、jのピストン側室が、車体端寄り輪軸gに関するシ
リンダAb、cのどちらかと、車体中央寄り輪軸hに関
するシリンダAd、eどちらかとの双方に接続され、シ
リンダBi、jのロッド側室が、車体端寄り輪軸gに関
するシリンダAb、cのどちらかと、車体中央寄り輪軸
hに関するシリンダAd、eのどちらかとの双方に接続
されているので、前記操舵に際し車体端寄り輪軸gと車
体中央寄り輪軸hとの操舵量は等しくなる。このため、
一両分の前後2つの台車に備える2本ずつの輪軸を車両
の進行方向から1軸、2軸、3軸、4軸としたとき、第
1軸外軌側車輪に生じる横圧は小さくなる。しかし、緩
和曲線上で車体kと台車枠f間の回転剛性が大きくな
り、第3軸の横圧が増大する傾向になることがシミュレ
ーションにより確認されている。そしてこれが、軌道へ
の負担、走行安全性の低下の原因になる。また、車輪
m、軌条n間のキシリ音の発生も増大することになる。
軌条nへの負担、走行安全性の低下では高速化への問
題、キシリ音の増大は騒音・環境に対する問題が発生す
る。
【0007】本発明は上記のような問題を解消すること
を課題とし、台車の車両進行方向で第3軸となる輪軸の
操舵量を他よりも少なくして、軌条のカーブ部分を通過
するときの第3輪軸の車輪の横圧の増大やキシリ音、走
行安全性の低下と云った問題のない鉄道車両の台車の操
舵方法および装置を提供することを目的とするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記のような目的を達成
するために、本発明の鉄道車両の台車の操舵方法は、台
車の車体端寄りおよび車体中央寄り各輪軸を台車の車体
に対する回動量に応じて台車が通過している軌条の湾曲
中心に軸線が向くように操舵するものにおいて、車体端
寄り輪軸は軌条の湾曲中心に軸線が向くように操舵する
一方、車体中央寄り輪軸は前記湾曲中心に軸線が向く側
に車体端寄り輪軸よりは少なく操舵することを特徴とす
るものである。
【0009】また本発明の鉄道車両の台車の操舵装置
は、車体と、この車体を前後で回動できるように個別に
支持する各台車との、車体中央から車体端側に向いて見
た左側部分間と右側部分間とに働かされた2つのシリン
ダBの、台車が軌条の湾曲部を走行するときの車体に対
する左右への回動に応動した伸縮逆動作によって、台車
の車体端寄りおよび車体中央寄り各輪軸の左右端部と台
車との間に個別に働かされた4つのシリンダAを、内軌
側の2つにつき内軌側の各輪軸端部を互いに近づかせる
ように働かせ、外軌側の2つにつき外軌側の各輪軸端部
を互いに遠ざけるように働かせるようにした鉄道車両の
台車の操舵装置において、各シリンダBの拡縮逆動作し
合う各一方側室を、車体端寄り輪軸に関する各シリンダ
Aの各室のうち拡縮逆動作すべきものに接続し、各のシ
リンダBの拡縮逆動作し合う各他方側室を、車体中央寄
り輪軸に関する各シリンダAの各室のうち拡縮逆動作を
するするものと接続するとともに、シリンダBと車体中
央寄り輪軸に関するシリンダAとの互いに接続される各
対応室間の横断面積比SB/SAを、シリンダBと車体
端寄り輪軸に関するシリンダAとの互いに接続される対
応室間の断面積比SB/SAよりも小さく設定したこと
を特徴とするものである。
【0010】シリンダBはピストン側室を車体端寄り輪
軸に関するシリンダAと接続され、ロッド側室を車体中
央寄り輪軸に関するシリンダAと接続されたものである
のが好適である。
【0011】
【作用】本発明の鉄道車両の台車の操舵方法の上記構成
では、車両が軌条のカーブしている部分を通過する際、
台車の車体端寄りおよび車体中央寄り各輪軸を台車が通
過している軌条の湾曲中心に向くように操舵するが、特
に車体端寄りの輪軸の操舵量よりも車体中央寄りの輪軸
の操作量の方が少なくなるように操舵するので、一車両
の前後の台車に設けられた各輪軸を車両の進行方向側か
ら第1軸〜第4軸とした場合の、第1軸の外軌側車輪が
軌条の湾曲中心に向いてこれの外軌車輪に加わる横圧を
十分に回避しながら、緩和曲線上で車体と台車枠間の回
転剛性が大きくなっても、第3軸が第1軸と同様操舵さ
れてしまうことによる横圧の増大を回避することがで
き、キシリ音の発生や走行安全性の低下を防止すること
ができる。
【0012】本発明の鉄道車両の台車の操舵装置の上記
構成では、車両が軌条のカーブ部分に差しかかって台車
がこれを通過するとき、台車は軌条がカーブしている方
向に向きを変えて車体に対し回動する。この回動の向き
に応じて車体と台車との間の左右シリンダBの一方は外
軌側となり、他方が内軌側となって、一方が伸長し他方
が収縮する。
【0013】この左右のシリンダBの収縮と伸長とに対
応して、各シリンダBの互いの拡縮逆動作し合う各一方
側室が車体端寄り輪軸に関する各シリンダAの両室間に
圧力差を生じさせて接続対応室に逆動作を与えること
と、各シリンダBの互いに拡縮逆動作し合う他方側室が
車体中央寄り輪軸に関する各シリンダAの両室間に圧力
差を生じさせて接続対応室に拡縮逆動作を与えることと
によって、車体端寄り輪軸および車体中央寄り輪軸に関
する外軌側にある各シリンダAがこれら輪軸の外軌側端
部を互いに遠ざけるように働かされ、車体端寄り輪軸お
よび車体中央寄り輪軸に関する内軌側にあるシリンダA
がこれら輪軸の内軌側端部を互いに近づけるように働か
されるので、車体端寄り輪軸および車体中央寄り輪軸の
双方を軌条の曲率中心に向いたV字状になるように操舵
することができる。
【0014】特に、左右のシリンダBの互いに拡縮逆動
作する一方側室が車体端寄り輪軸に関するシリンダAに
のみ接続され、互いに拡縮逆動作する他方側室が車体中
央寄り輪軸に関するシリンダAにのみ接続され、シリン
ダBと車体中央寄り輪軸に関するシリンダAとの互いに
接続される各対応室間の横断面積比SB/SAを、シリ
ンダBと車体端寄り輪軸に関するシリンダAとの互いに
接続される対応室間の断面積比SB/SAよりも小さく
する比が、そのままシリンダBによるシリンダAの操舵
テコ比となって、軌条の湾曲に対応して車体端寄り輪軸
を前記軌条の曲率中心に向かせるように操舵したとき、
車体中央寄り輪軸はそれよりも少ない操舵量にて軌条の
曲率中心にほぼ向くように操舵するようになるので、従
来程度の簡単な構造にて前記方法を実現することがで
き、複雑な制御装置を用いないので低コストでしかも故
障の発生の少ないものとなる。
【0015】シリンダBがピストン側室を車体端寄り輪
軸に関するシリンダAと接続され、ロッド側室を車体中
央寄り輪軸に関するシリンダAと接続されたものである
構成では、シリンダBのピストン側室とロッド側室との
断面積比を、ロッドの有無およびロッドの径と云ったシ
リンダ独特の構造を利用して適宜に設定する単純な操作
だけで、輪軸の1軸目よりも2軸目の操舵量が小さくな
るようにシリンダAとシリンダBとのテコ比を変えるこ
とができ、構造がさらに簡略化する。
【0016】
【実施例】以下、本発明に係る一実施例としての鉄道車
両の台車の操舵装置を図1〜図4に基づいて説明する。
本実施例の操舵装置は図2、3に示してあるように、油
圧シリンダにより操舵を行う台車1の場合を示してい
る。台車1は車体10の前後に配され、一対の台車枠側
はり3a、3bの中央部をこれらと直角をなす適数の横
はり4a、4bにより連結した平面から見てH型の台車
枠2を有し、台車枠2の台車枠側はり3a、3bの前後
端部の下側に設けられた車体端寄り輪軸5aと車体中央
寄り輪軸5bとで軌条6の上を走行しながら台車枠2を
ばね系9によってフローティング支持し、車体10の安
定走行を保証する。台車1は横はり4a、4bの中央部
に位置する心皿7を介して車体10を支持し、軌条6の
カーブに沿って心皿を中心に自由に向きを変え、この向
きを変える分だけ車体10に対して回動する。
【0017】なお、本実施例の台車1は図示および説明
の簡単のために動力を持たない従台車の場合を示してい
るが、動力を持った動台車にも適用でき、この場合は主
電動機と歯車減速機構とを有する以外は従台車の場合と
ほぼ同じ構成であるので、動台車の図示および説明は省
略する。
【0018】一対の輪軸5a、5bはそれぞれの車輪1
7の外側に突出する軸端部を軸箱8によって軸受され、
これら軸箱8と台車枠側はり3a、3bの対応する端部
との間に働かせたばね系9によって台車枠2を上下、左
右、前後の各方向にフローティング支持している。ばね
系9はコイルばね、空気ばね、またはゴムばねなどを単
独で、あるいは種々に組み合わせて用いられる。
【0019】台車1が図1に示すような軌条6のカーブ
に沿って走行するときに各輪軸5a、5bを操舵する操
舵機構としては、図1のスケルトン斜視図および図4の
配管平面図に示すように、車体端寄りおよび車体中央寄
り各輪軸5a、5bの各端部と台車枠2との間に車体1
0の長手方向に軸線が向くように働かせた4つのシリン
ダA11〜14と、台車枠2と車体10との左側部分間
と右側部分間とに車体10の長手方向に軸線が向くよう
に働かせた2つのシリンダB15、16とを備えてい
る。シリンダB15、16は台車1が軌条6のカーブに
沿うように向きを変えるときの車体10に対する回動に
応動して、シリンダA11〜14を介して各輪軸5a、
5bを主として軌条6の湾曲中心Oに軸線が向くように
所定方向に所定量だけ操舵する。
【0020】さらに具体的には、シリンダA11〜14
は各輪軸5a、5bの左右軸端部を軸受する軸箱8と、
これらに台車1の中央部側から対向するように台車枠側
はり3a、3bの前後端部近くの外面に突設したシリン
ダ受け21との間に球面軸受22を介して連結してあ
り、シリンダB15、16は台車1の台車枠側はり3
a、3bの外面の中央部から車体10の中央部側に若干
寄った位置に突設したシリンダB受23と、車体10の
床下左右の位置から台車枠側はり3a、3bの前部より
外面位置に向け突設したシリンダB受24との間に球面
軸受22を介し連結してある。
【0021】シリンダA11〜14およびシリンダB1
5、16は図4に示すように、制御ユニット31に接続
されて常時5Kg/cm2 の油圧が最初から掛かるよう
にしてある。これによってシリンダA11〜14および
シリンダB15、16のシリンダ引っ張り側作動時に大
気からシリンダ内へ空気が侵入するのを防止することが
できる。制御ユニット31は油タンク32と空油変換器
33とを備え、油タンク32はシリンダA11〜14お
よびシリンダB15、16に供給するオイルが入ってお
り、油漏れ時の補償タンクをなし、また一方では異常昇
圧時の油の逃げ場となるようにしている。空油変換器3
3は導入された空気を油圧に変換して常時シリンダA1
1〜14、シリンダB15、16および配管系34全体
の作動圧を5Kg/cm2 に保持する構造となってい
る。
【0022】また、シリンダA11〜14、シリンダB
15、16および配管系34へのオイル補給および異常
昇圧時にオイルを油タンク32へ逃がす構造にもなって
いる。
【0023】ところで、この操舵が従来のように各輪軸
5a、5bについて均一にしか行われないと、前述した
ように緩和曲線上で車体10、台車枠2間の回転剛性が
大きくなり、車体10の進行方向から第3軸となる後部
台車1の車体中央寄り輪軸5bの車輪17の横圧が大き
くなるので、キシリ音、摩耗が発生する。
【0024】これを解消するのに本実施例では、前記操
舵量は、車体端寄り輪軸5aの操舵量よりも車体中央寄
り輪軸5bの操作量の方が少なくなるように設定する操
舵方法を採用している。
【0025】このような操舵方法によると、車体10が
図1に示すように軌条6のカーブしている部分を通過す
る際、台車1をフローティング支持した車体端寄りおよ
び車体中央寄り各輪軸5a、5bを台車1が通過してい
る軌条6の湾曲中心Oに向くように操舵するが、特に車
体端寄り輪軸5aの操舵量よりも車体中央寄り輪軸5b
の方が少なくなるように設定して操舵するので、一車両
の前後の台車1に設けられた各輪軸5a、5bを車体1
0の進行方向から第1軸〜第4軸とした場合の、第1軸
の外軌側車輪17が軌条6の湾曲中心に向いてこれの外
軌側車輪17に加わる横圧を十分に回避しながら、緩和
曲線上で車体10、台車枠2間の回転剛性が大きくなっ
ても、第3軸となる後ろ台車1の車体中央寄り輪軸5b
が第1軸と同量操舵されて車輪17に加わる横圧が増大
するようなことを回避することができ、キシリ音の発生
や走行安全性の低下を防止することができる。
【0026】本発明者等の実験によれば、前記操舵量の
割合は 車体端寄り輪軸の操舵量:車体中央寄り輪軸の操舵量=
1:0.7 程度とするのが好適であった。しかし、これに限らず各
種条件によって種々に設定することができる。
【0027】なお、このような操舵は台車1の車体10
に対する回動の向きと回動量とを電気的に検出し、この
検出情報に基づいて各輪軸5a、5bの必要操舵量を演
算等して電気的に設定し、この設定に従って各輪軸5
a、5bの操舵が行われるように電動アクチュエータに
よって制御するようにしてもよいのは勿論である。
【0028】本実施例ではこのような操舵を、シリンダ
A11〜14およびシリンダB15、16との従来程度
に簡単な配管構造によって実現している。これについて
詳述すると、一方のシリンダB15のピストン側室15
aを車体端寄り輪軸5aに関する一方のシリンダA11
のピストン側室11aと他方のシリンダA12のロッド
側室12bとに接続し、他方のシリンダB16のピスト
ン側室16aを車体端寄り輪軸5aに関する前記一方の
シリンダA11のロッド側室11bと前記他方のシリン
ダA12のピストン側室12aとに接続してある。
【0029】ここで、ピストン側室15aと16aとは
互いに拡縮逆動作する関係にあるし、互いに接続したピ
ストン側室15aと、ピストン側室11aおよびロッド
側室12b、また、ピストン側室16aと、ロッド側室
11bおよび ピストン側室12aのそれぞれは互いに
拡縮逆動作する関係にある。
【0030】また、前記一方のシリンダB15のロッド
側室15bを車体中央寄り輪軸5bに関する一方のシリ
ンダA13のロッド側室13bと他方のシリンダA14
のピストン側室14aとに接続し、前記他方のシリンダ
B16のロッド側室16bを車体中央寄り輪軸5bに関
する前記一方のシリンダA13のピストン側室13aと
前記他方のシリンダA14のロッド側室14bとに接続
してある。
【0031】ここでも、ロッド側室15bと16bとは
互いに拡縮逆動作する関係にあるし、互いに接続したロ
ッド側室15bと、ロッド側室13bおよびピストン側
室14a、また、ロッド側室16bと、ピストン側室1
3aおよびロッド側室14bのそれぞれは互いに拡縮逆
動作する関係にある。
【0032】さらに、シリンダB15、16と車体中央
寄り輪軸5bに関するシリンダA13、14との互いに
接続される各対応室間のシリンダB側の横断面積SBと
シリンダA側の横断面積比SAとの比SB/SAを、シ
リンダB15、16と車体端寄り輪軸5aに関するシリ
ンダA11、12との互いに接続される各対応室間のシ
リンダB側の横断面積SBとシリンダA側の横断面積S
Aとの比SB/SAよりも1:0.7程度小さく設定し
てある。
【0033】因みに、本実施例のようなシリンダA、B
11〜14、15、16の連結構造および接続構造の場
合、車体中央寄り輪軸5bに関する前記対応室は、ロッ
ド側室15bとロッド側室13bおよびピストン側室1
4a、またロッド側室16bとピストン側室13aおよ
びロッド側室14bであり、車体端寄り輪軸5aに関す
る前記対応室は、ピストン側室15aとピストン側室1
1aおよびロッド側室12b、ロッド側室16bとロッ
ド側室11bおよびピストン側室12aである。
【0034】このようにすると、車両が軌条6のカーブ
部分に差しかかって台車1がこれを通過するとき、台車
1は軌条6がカーブしている方向に向きを変えて車体1
0に対し回動する。この回動の向きに応じて車体10と
台車1との間の左右シリンダB15、16の一方は外軌
側となり、他方が内軌側となって、一方が伸長し他方が
収縮する。図1に示すように左カーブであるとき本実施
例では、一方のシリンダB15が伸長し、他方のシリン
ダB16が収縮する。
【0035】この左右のシリンダB15、16の収縮と
伸長とに対応して、各シリンダB15、16の互いの拡
縮逆動作し合う各一方側室であるピストン側室15a、
16aが車体端寄り輪軸5aに関する各シリンダA1
1、12の両室間、つまりピストン側室11a、ロッド
側室11b間と、ピストン側室12a、ロッド側室12
b間のそれぞれに圧力差を生じさせて接続対応室、つま
りシリンダB15のピストン側室15aはシリンダA1
1のピストン側室11aとシリンダA12のロッド側室
12bに、またシリンダB16のピストン側室16aは
シリンダA11のロッド側室11bとシリンダA12の
ピストン側室12aに、それぞれ逆動作を与えること
と、各シリンダB15、16の互いに拡縮逆動作し合う
他方側室であるロッド側室15b、16bが車体中央寄
り輪軸5bに関する各シリンダA13、14の両室間、
つまりシリンダA13のピストン側室13a、ロッド側
室13b間と、シリンダA14のピストン側室14a、
ロッド側室14b間のそれぞれに圧力差を生じさせて接
続対応室、つまりシリンダB15のロッド側室15bは
シリンダA13のロッド側室13bとシリンダA14の
ピストン側室14aに、またシリンダB16のロッド側
室16bはシリンダA13のピストン側室13aとシリ
ンダA14のロッド側室14bにそれぞれ拡縮逆動作を
与えることとによって、車体端寄り輪軸5aおよび車体
中央寄り輪軸5bに関する外軌側にある各シリンダA1
2、14がこれら輪軸5a、5bの外軌側端部を互いに
遠ざけるように伸長させられ、車体端寄り輪軸5aおよ
び車体中央寄り輪軸5bに関する内軌側にあるシリンダ
A11、12がこれら輪軸5a、5bの内軌側端部を互
いに近づけるように収縮される。したがって、これら車
体端寄り輪軸5aおよび車体中央寄り輪軸5bの双方を
軌条6の曲率中心Oに向くようにV字状に操舵すること
ができる。
【0036】もっとも、シリンダA、B11〜14、1
5、16に前記操作のために必要な伸縮と接続室の対応
関係とは、シリンダA、B11〜14、15、16のそ
れぞれが、例えば台車枠2との連結部に対し車体端側か
ら働かされる向きの連結か、あるいは車体中央側から働
かされる向きの連結かによって逆関係になる。要は上記
のようなシリンダA、B11〜14、15、16の台車
1の回動に応動して車体端寄り輪軸5aおよび車体中央
寄り輪軸5bを必要な状態に操舵できればよい。
【0037】特に本実施例では、左右のシリンダB1
5、16の互いに拡縮逆動作するピストン側室15a、
16aが車体端寄り輪軸5aに関するシリンダA11、
12にのみ接続され、互いに拡縮逆動作する他方側室1
5b、16bが車体中央寄り輪軸5bに関するシリンダ
A13、14にのみ接続され、シリンダB15、16と
車体中央寄り輪軸5bに関するシリンダA13、14と
の互いに接続される各対応室間、つまり前記ロッド側室
15bとロッド側室13bおよびピストン側室14a、
またロッド側室16bとピストン側室13aおよびロッ
ド側室14bの横断面積比SB/SAを、シリンダB1
5、16と車体端寄り輪軸5aに関するシリンダA1
1、12との互いに接続される対応室間、つまり前記ピ
ストン側室15aとピストン側室11aおよびロッド側
室12b、ロッド側室16aとロッド側室11bおよび
ピストン側室12aの断面積比SB/SAよりも小さく
する比が、そのままシリンダB15、16によるシリン
ダA11〜14の操舵テコ比となって、軌条6の湾曲に
対応して車体端寄り輪軸5aを図1に示すように前記軌
条6の曲率中心Oに向かせるように操舵したとき、車体
中央寄り輪軸5bは図1に示すようにそれよりも1:
0.7程度の割合で少ない操舵量にて軌条6の曲率中心
Oにほぼ向くように操舵するようになるので、従来程度
の簡単な構造にて前記方法を実現することができ、複雑
な制御装置を用いないので低コストでしかも故障の発生
の少ないものとなる。
【0038】なお、前記対応室の必要な組み合わせは、
シリンダA、B11〜14、15、16の連結および接
続の構造によって変わる。
【0039】さらに、本実施例の図示するようなシリン
ダA、B11〜14、15、16の連結および接続の構
造において、シリンダB15、16がピストン側室15
a、16aを車体端寄り輪軸5aに関するシリンダA1
1、12と接続され、ロッド側室15b、16bを車体
中央寄り輪軸5bに関するシリンダA13、14と接続
されていることによって、シリンダB15、16におけ
るピストン側室15a、16aとロッド側室15b、1
6bとの断面積比を、ロッド15c、16cの有無およ
びロッド15c、16cの径と云ったシリンダ独特の構
造を利用して適宜に設定する簡単な操作だけで、輪軸5
a、5bの1軸目よりも2軸目の操舵量が小さくなるよ
うにシリンダA11〜14とシリンダB15、16との
テコ比を変えることができ、構造がさらに簡略化する。
【0040】
【発明の効果】本発明の鉄道車両の台車の操舵方法によ
れば、車両が軌条のカーブしている部分を通過する際、
台車の車体端寄りおよび車体中央寄り各輪軸を台車が通
過している軌条の湾曲中心に向くように操舵するが、特
に車体端寄りの輪軸の操舵量よりも車体中央寄りの輪軸
の操作量の方が少なくなるように操舵するので、一車両
の前後の台車に設けられた各輪軸を車両の進行方向側か
ら第1軸〜第4軸とした場合の、第1軸の外軌側車輪が
軌条の湾曲中心に向いてこれの外軌車輪に加わる横圧を
十分に回避しながら、緩和曲線上で車体と台車枠間の回
転剛性が大きくなっても、第3軸が第1軸と同様操舵さ
れてしまうことによる横圧の増大を回避することがで
き、キシリ音の発生や走行安全性の低下を防止すること
ができる。
【0041】本発明の鉄道車両の台車の操舵装置によれ
ば、車両が軌条のカーブ部分に差しかかってたときの台
車の回動に応動する左右のシリンダBの拡縮逆動作する
一方側室が車体端寄り輪軸操作用のシリンダAにのみ接
続され、互いに拡縮逆動作する他方側室が車体中央寄り
輪軸操舵用のシリンダAにのみ接続され、シリンダBと
車体中央寄り輪軸に関するシリンダAとの互いに接続さ
れる各対応室間の横断面積比SB/SAを、シリンダB
と車体端寄り輪軸に関するシリンダAとの互いに接続さ
れる対応室間の断面積比SB/SAよりも小さくした比
が、そのままシリンダBによるシリンダAの操舵テコ比
となって、軌条の湾曲に対応して車体端寄り輪軸を前記
軌条の曲率中心に向かせるように操舵したとき、車体中
央寄り輪軸はそれよりも少ない操舵量にて軌条の曲率中
心にほぼ向くように操舵するようになるので、従来程度
の簡単な構造にて前記方法を実現することができ、複雑
な制御装置を用いないので低コストでしかも故障の発生
の少ないものとなる。
【0042】シリンダBがピストン側室を車体端寄り輪
軸に関するシリンダAと接続され、ロッド側室を車体中
央寄り輪軸に関するシリンダAと接続されたものである
構成のものによれば、シリンダBのピストン側室とロッ
ド側室との断面積比を、ロッドの有無およびロッドの径
と云ったシリンダ独特の構造を利用して適宜に設定する
単純な操作だけで、輪軸の1軸目よりも2軸目の操舵量
が小さくなるようにシリンダAとシリンダBとのテコ比
を変えることができ、構造がさらに簡略化する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す鉄道車両の台車の操舵
装置を示すスケルトン斜視図である。
【図2】図1の台車の平面図である。
【図3】図1の台車の側面図である。
【図4】図1の台車の配管図である。
【図5】従来の鉄道車両の台車の操舵装置を示すスケル
トン斜視図である。
【符号の説明】
1 台車 2 台車枠 5a 車体端寄り輪軸 5b 車体中央寄り輪軸 6 軌条 7 心皿 9 ばね系 10 車体 11〜14 シリンダA 11a〜14a ピストン側室 11b〜14b ロッド側室 15、16 シリンダB 15a、16a ピストン側室 15b、16b ロッド側室 31 制御ユニット

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 台車の車体端寄りおよび車体中央寄り各
    輪軸を台車の車体に対する回動量に応じて台車が通過し
    ている軌条の湾曲中心に軸線が向くように操舵する鉄道
    車両の台車の操舵方法において、 車体端寄り輪軸は軌条の湾曲中心に軸線が向くように操
    舵する一方、車体中央寄り輪軸は前記湾曲中心に軸線が
    向く側に車体端寄り輪軸よりは少なく操舵することを特
    徴とする鉄道車両の台車の操舵方法。
  2. 【請求項2】 車体と、この車体を前後で回動できるよ
    うに個別に支持する各台車との、車体中央から車体端側
    に向いて見た左側部分間と右側部分間とに働かされた2
    つのシリンダBの、台車が軌条の湾曲部を走行するとき
    の車体に対する左右への回動に応動した伸縮逆動作によ
    って、台車の車体端寄りおよび車体中央寄り各輪軸の左
    右端部と台車との間に個別に働かされた4つのシリンダ
    Aを、内軌側の2つにつき内軌側の各輪軸端部を互いに
    近づかせるように働かせ、外軌側の2つにつき外軌側の
    各輪軸端部を互いに遠ざけるように働かせるようにした
    鉄道車両の台車の操舵装置において、 各シリンダBの拡縮逆動作し合う各一方側室を、車体端
    寄り輪軸に関する各シリンダAの各室のうち拡縮逆動作
    すべきものに接続し、各シリンダBの拡縮逆動作し合う
    各他方側室を、車体中央寄り輪軸に関する各シリンダA
    の各室のうち拡縮逆動作すべきものと接続するととも
    に、シリンダBと車体中央寄り輪軸に関するシリンダA
    との互いに接続される各対応室間の横断面積比SB/S
    Aを、シリンダBと車体端寄り輪軸に関するシリンダA
    との互いに接続される対応室間の断面積比SB/SAよ
    りも小さく設定したことを特徴とする鉄道車両の台車の
    操舵装置。
  3. 【請求項3】 シリンダBはピストン側室を車体端寄り
    輪軸に関するシリンダAと接続され、ロッド側室を車体
    中央寄り輪軸に関するシリンダAと接続された請求項2
    に記載の鉄道車両の台車の操舵装置。
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