JP2017109647A - 台車変位制御方法及び台車変位制御装置 - Google Patents

台車変位制御方法及び台車変位制御装置 Download PDF

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崇 小島
康宏 梅原
Yasuhiro Umehara
康宏 梅原
庄吾 鴨下
Shogo Kamoshita
庄吾 鴨下
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Abstract

【課題】簡単な構成によって車体の動揺を抑制しかつ車輪の横圧を低減した台車変位制御方法等を提供する。【解決手段】鉄道車両1には車体100と台車枠210との間でまくらぎ方向にほぼ沿った力を発生するとともに、台車枠の車体に対する旋回中心軸の前後にそれぞれ配置された第1アクチュエータ301及び第2アクチュエータ302が設けられ、車体のまくらぎ方向の振動を低減するよう第1アクチュエータ及び第2アクチュエータに同一方向の力を発生させる動揺防止制御と、曲線通過時に車体に対して台車枠を旋回させるよう第1アクチュエータ及び第2アクチュエータに逆方向の力を発生させる操舵制御とを実行する構成とする。【選択図】図1

Description

本発明は、鉄道車両の車体に対する台車枠のまくらぎ方向及び旋回方向(ボギー角付与方向)の相対変位を制御する台車変位制御方法及び台車変位制御装置に関し、特に簡単な構成によって車体の動揺を抑制しかつ車輪の横圧を低減したものに関する。
車体の下部に、台車をボギー角付与可能に取り付けた鉄道車両において、台車枠に対してまくらぎ方向(左右方向)の力を付与する左右動アクチュエータを用いて、車体に対して台車を左右に相対変位させ、車体の動揺(振動)を抑制することが提案されている。
例えば、特許文献1には、車体と台車枠との間に左右動アクチュエータを設け、スカイフック制御側等の制御側に基づいて、アクチュエータの発生力(推力)を制御することによって、車体の左右方向の振動を低減する制振制御(揺動防止制御)を行なうことが記載されている。
また、鉄道車両においては、比較的曲率が大きい急曲線を通過する際の性能を向上するため、車輪とレールとの間に作用する横圧を低減することが強く求められている。
曲線通過時の車輪の横圧を低減するためには、車輪とレールとの相対ヨー角であるアタック角を低減するよう、輪軸にヨーモーメントを与えてアクティブに操舵することが望ましい。
輪軸を操舵する場合、輪軸そのものを台車枠に対して操舵する手法、及び、台車枠を車体に対して旋回させ、ボギー角を付与することによって、台車ごと操舵する手法がある。
後者の手法を適用した技術の一例として、例えば、非特許文献1には、台車枠における左右の側梁と車体との間に、前後力を発生可能な一対のアクチュエータを配置し、曲線に応じてボギー角を積極的に付与するボギー角アクティブ制御台車が記載されている。
特開2013−216284号公報
松本陽、佐藤安弘、大野寛之、須田義大、道辻洋平、小宮山誠、谷本益久、岸本康史、中居拓自、佐藤興志「ボギー角アクティブ操舵台車の研究開発(第4報:マルチボディ・ダイナミクス解析による一車両モデルの制御効果)」日本機械学会第13回鉄道技術連合シンポジウム講演論文集No.06-52
しかし、上述した左右方向の動揺防止制御や、台車操舵制御等の各種制御を行うために、台車枠を車体に対して相対変位させるアクチュエータを各制御モード毎に個別に設けた場合、多数のアクチュエータが必要となって台車周辺部の構造や部品配置が複雑化してしまう。
また、他部品との干渉などにより、アクチュエータの設置スペースを確保することが困難あるいは不可能であって、アクチュエータの設置を行うことができない場合もあり得る。
上述した問題に鑑み、本発明の課題は、簡単な構成によって車体の動揺を抑制しかつ車輪の横圧を低減した台車変位制御方法及び台車変位制御装置を提供することである。
上述した課題を解決するため、本発明の台車変位制御方法は、車体及び前記車体に対してボギー角付与可能に取り付けられた台車枠を有する鉄道車両において、前記車体に対する前記台車枠の相対変位を制御する台車変位制御方法であって、前記鉄道車両には前記車体と前記台車枠との間でまくらぎ方向にほぼ沿った力を発生するとともに、前記台車枠の前記車体に対する旋回中心軸の前後にそれぞれ配置された第1アクチュエータ及び第2アクチュエータが設けられ、前記車体のまくらぎ方向の振動を低減するよう前記第1アクチュエータ及び前記第2アクチュエータに同一方向の力を発生させる動揺防止制御と、曲線通過時に前記車体に対して前記台車枠を旋回させるよう前記第1アクチュエータ及び前記第2アクチュエータに反対方向の力を発生させる操舵制御とを実行することを特徴とする。
これによれば、第1アクチュエータ及び第2アクチュエータに同一方向の力を発生させることによって動揺防止制御を行い、第1アクチュエータ及び第2アクチュエータに反対方向の力を発生させることによって操舵制御を行うことによって、少数のアクチュエータによって動揺防止制御及び操舵制御をともに実行することができる。
また、一般に、走行速度が高いほど動揺防止制御の効果が高く、曲線半径が小さいほど操舵制御の効果が高くなることがわかっている。
多くの場合、両者の傾向は相反するため、両方の制御が競合してアクチュエータ出力が不足することは起こりにくく、比較的小出力のアクチュエータによって適切に制御を行うことができる。
なお、本明細書及び請求の範囲において、「同一方向の力」とは、実際のアクチュエータの動作態様に関わらず、車体に対して台車枠をまくらぎ方向における同一方向に駆動する力を意味するものとする。
例えば、枕木方向にほぼ沿って伸縮可能なアクチュエータを、台車中心に対して前後対称に配置した場合には、第1アクチュエータ、第2アクチュエータを、ともに伸方向又はともに縮方向に駆動することによって「同一方向の力」を得ることが可能である。
この場合、第1アクチュエータ、第2アクチュエータの一方を伸方向、他方を縮方向に駆動することによって「反対方向の力」を得ることが可能である。
一方、例えば枕木方向にほぼ沿って伸縮可能なアクチュエータを、台車中心に対して点対称に配置した場合には、第1アクチュエータ、第2アクチュエータの一方を伸方向、他方を縮方向に駆動することによって「同一方向の力」を得ることが可能である。
この場合、第1アクチュエータ、第2アクチュエータを、ともに伸方向又はともに縮方向に駆動することによって「反対方向の力」を得ることが可能である。
本発明において、前記動揺防止制御の前記操舵制御に対する制御分担比を、前記鉄道車両の走行速度の増加に応じて増加させる構成とすることができる。
これによれば、高速走行時には動揺防止制御の制御分担比を増加させ、低速走行時には操舵制御の制御分担比を増加させることによって、車両の走行速度に応じた適切な制御を行うことができる。
また、本発明において、前記動揺防止制御と前記操舵制御との制御分担比を、前記鉄道車両の現在位置に応じて切り替える構成とすることができる。
これによれば、現在位置に対応する線区の特性や線形等に応じた適切な制御を行うことができる。
また、本発明において、前記鉄道車両は、前記車体に対する前記台車枠のまくらぎ方向の相対速度に応じた減衰力を発生するとともに減衰力発生特性を変更可能な可変減衰ダンパを備え、前記動揺防止制御は、前記第1アクチュエータ及び前記第2アクチュエータの発生力とともに前記可変減衰ダンパの減衰力発生特性を変更する構成とすることができる。
これによれば、第1アクチュエータ及び第2アクチュエータの発生力とともに可変減衰ダンパの減衰力発生特性を制御することによって、適切な動揺防止性能を確保することができる。
例えば、第1アクチュエータ及び第2アクチュエータを用いた動揺防止制御の動作中は可変減衰ダンパの減衰力を低下させることによって減衰力の制御への干渉を防止し、動揺防止制御の非動作中は制御システムを持たない鉄道車両の左右動ダンパと実質的に同等の減衰力を発生させることによって、動揺防止性能を確保することができる。
また、本発明の台車変位制御装置は、車体及び前記車体に対してボギー角付与可能に取り付けられた台車枠を有する鉄道車両において、前記車体に対する前記台車枠の相対変位を制御する台車変位制御装置であって、前記車体と前記台車枠との間でまくらぎ方向にほぼ沿った力を発生するとともに、前記台車枠の前記車体に対する旋回中心軸の前後にそれぞれ配置された第1アクチュエータ及び第2アクチュエータと、前記車体のまくらぎ方向の振動を低減するよう前記第1アクチュエータ及び前記第2アクチュエータに同一方向の力を発生させる動揺防止制御を行なう動揺防止制御手段と、曲線通過時に前記車体に対して前記台車枠を旋回させるよう前記第1アクチュエータ及び前記第2アクチュエータに反対方向の力を発生させる操舵制御を行なう操舵制御手段とを備えることを特徴とする。
本発明において、前記動揺防止制御手段による前記動揺防止制御の前記操舵制御手段による操舵制御に対する制御分担比を、前記鉄道車両の走行速度の増加に応じて増加させる制御分担比変更手段を備える構成とすることができる。
また、本発明において、前記動揺防止制御手段による前記動揺防止制御と、前記操舵制御手段による操舵制御との制御分担比を、前記鉄道車両の現在位置に応じて切り替える制御分担比変更手段を備える構成とすることができる。
また、本発明において、前記車体に対する前記台車枠のまくらぎ方向の相対速度に応じた減衰力を発生するとともに減衰力発生特性を変更可能な可変減衰ダンパを備え、前記動揺防止制御手段は、前記第1アクチュエータ及び前記第2アクチュエータの発生力とともに前記可変減衰ダンパの減衰力発生特性を変更する構成とすることができる。
以上の各発明においても、上述した台車変位制御方法の各発明の効果と実質的に同様の効果を得ることができる。
以上のように、本発明によれば、簡単な構成によって車体の動揺を抑制しかつ車輪の横圧を低減した台車変位制御方法及び台車変位制御装置を提供することができる。
本発明を適用した台車変位制御装置の第1実施形態を有する鉄道車両を進行方向から見た状態を示す模式図である。 図1の鉄道車両における台車枠を上方から見た状態を示す模式的平面視図である。 第1実施形態の台車変位制御装置の制御ブロック図である。 本発明を適用した台車変位制御装置の第2実施形態を有する鉄道車両における台車枠を上方から見た状態を示す模式的平面図である。
<第1実施形態>
以下、本発明を適用した台車変位制御方法及び台車変位制御装置の第1実施形態について説明する。
第1実施形態の台車変位制御装置は、例えば、車体前後に一対の2軸ボギー台車を有する鉄道車両に設けられ、第1実施形態の台車変位制御方法を実行するものである。
図1は、第1実施形態の台車変位制御装置を有する鉄道車両を進行(前後方向)方向から見た状態を示す模式図である。
図2は、図1の鉄道車両における台車枠を上方から見た状態を示す模式的平面視図である。
鉄道車両1は、例えば、旅客用の電車車両であって、車体100、台車200、台車変位制御装置300等を有して構成されている。
車体100は、床部を構成する構造体である台枠の側端部、及び、前後端部から、側面部、及び、妻面部を構成する構造体である側構、及び、妻構をそれぞれ立設し、上部に屋根構を設けることによって、実質的に六面体状に構成された構体を有する。
車体100の内部には、乗客等が収容される車室が設けられる。
車体100を上方から見た平面形状は、実質的に進行方向にほぼ沿った長辺方向を有する矩形状に形成されている。
台車200は、例えば1台あたり2軸のボギー台車であって、台車枠210、輪軸220、軸箱230、軸ばね240、まくらばね250等を有する。
台車枠210は、台車200の本体部を構成する枠状の構造部材である。
台車枠210は、横梁211,212、側梁213,214等を有して構成されている。
台車枠210は、車体100に対して、所定の鉛直軸(旋回中心軸)回りに旋回(ヨーイング)してボギー角付与が可能であるとともに、上下方向及びまくらぎ方向に相対変位可能となっている。
横梁211,212は、台車枠210の車両進行方向における中間部に配置され、まくらぎ方向にほぼ沿って延在する梁状の構造部材である。
横梁211,212は、両端部において左右の側梁213,214を連結する機能を有する。
横梁211,212には、図示しない牽引装置、主電動機、ブレーキ装置等の各種機器が取り付けられる。
牽引装置は、車体100に対する台車枠210の前後方向位置を拘束するとともに、これらの間で駆動力、制動力等の前後力を伝達するものである。
横梁211,212は、進行方向に離間して並行して配列されている。
台車枠210が車体100に対して旋回し、ボギー軸を発生させる際の旋回中心軸(回転中心軸)は、横梁211と横張212との中間に配置されている。
側梁213,214は、台車枠210のまくらぎ方向における側端部にそれぞれ設けられ、進行方向にほぼ沿って延在する梁状の構造部材である。
側梁213,214は、その中間部近傍において、横梁211,212によって相互に連結されている。
輪軸220は、車軸221の両端部に、左右一対の車輪222を圧入固定して構成されている。
輪軸220は、一台の台車200あたり2本が設けられ、上方から見た平面視において横梁211,212を前後方向に挟んで配置されている。
車軸221は、まくらぎ方向にほぼ沿って延在する円柱状の回転軸である。
車軸221は、両端部に形成されたジャーナル部を、軸箱230によって回転可能に支持されている。
車輪222は実質的に円盤状に形成され、外周縁部には、レールの頭部と当接する踏面(転動面)、及び、踏面の内側の端部から外径側へ張り出したフランジが形成されている。
軸箱230は、輪軸220の車軸221の両端部に形成されたジャーナル部を回転可能に支持する軸受、及び、その潤滑装置等を有して構成されている。
軸箱230は、軸ばね240を含む軸箱支持装置によって、台車枠210に対して、上下方向及び前後方向に相対変位可能に支持されている。
輪軸220は、左右の軸箱230が台車枠210に対して逆方向に相対変位することによって、曲線通過時に台車枠210に対して鉛直軸回りに回動(ヨーイング)する操舵動作が可能となっている。
この操舵動作は、軸箱支持装置による軸箱230の前後支持剛性を適度に低く設定することによって、パッシブに行われるようになっている。
軸ばね240は、台車枠210の側梁213,214の端部と軸箱230との間に設けられている。
軸ばね240は、軸箱230の台車枠210に対する上下方向相対変位に応じた反力を発生する1次ばねである。
軸ばね240は、例えば、空気ばね、コイルばねなどのばね要素を有する。
軸ばね240には、図示しない油圧ダンパ等の減衰要素(軸ダンパ)が並列的に設けられる場合もある。
まくらばね250は、台車枠210の側梁213,214の前後方向中央部と、車体100の下部との間に設けられている。
まくらばね250は、台車枠210の車体100に対する上下方向の相対変位に応じた上下方向反力、及び、まくらぎ方向の相対変位に応じた左右方向反力を発生する2次ばねである。
まくらばね250は、例えばゴム製のベローズを有する空気ばねであって、コンプレッサ、空気溜め等の図示しない気圧発生源から圧縮空気が導入されている。
まくらばね250は、伸縮に応じて空気が通過する流路の一部に絞りを設けることによって減衰力の発生が可能となっている。
また、このような絞りに代えて、あるいは、絞りとともに、油圧ダンパ等の減衰手段がまくらばね250と並列的に設けられる場合もある。
台車変位制御装置300は、台車枠210に、車体100に対してまくらぎ方向に並進する方向の左右力、及び、ボギー角付与方向に旋回するヨーモーメントを付与することによって、車体100のまくらぎ方向の動揺(振動)を抑制するとともに、車輪横圧を低減して曲線通過性能を向上するものである。
図1,2に示すように、台車変位制御装置300は、第1アクチュエータ301、第2アクチュエータ302、可変減衰ダンパ303を有する。
第1アクチュエータ301、第2アクチュエータ302は、例えば、まくらぎ方向にほぼ沿った軸線に沿って伸縮可能な電動式の左右動アクチュエータである。
第1アクチュエータ301は、軸線方向における一方、他方の端部が、車体100の下部と、台車枠210の横梁211とにそれぞれ連結されている。
第2アクチュエータ302は、軸線方向における一方、他方の端部が、車体100の下部と、台車枠210の横梁212とにそれぞれ連結されている。
第1アクチュエータ301、第2アクチュエータ302の車体100側の端部は、まくらぎ方向における同一の側(図2の場合には側梁213側)に配置されている。
また、第1アクチュエータ301の横梁211側の端部、及び、第2アクチュエータ302の横張212側の端部は、まくらぎ方向における他方の側(図2の場合には側梁214側)に配置されている。
第1アクチュエータ301、第2アクチュエータ302は、後述する操舵制御器330、動揺防止制御器340からの指令値に応じて、車体100に対して台車枠210をまくらぎ方向に相対変位させる推力を発生可能となっている。
第1アクチュエータ301、第2アクチュエータ302は、車両の進行方向に離間し、台車枠210の旋回中心軸を前後に挟んで並列して配置されている。
図2に示すように、第1アクチュエータ301は、横梁211と連結され、第2アクチュエータ302は、横梁212と連結されている。
上記配置によって、第1アクチュエータ301、第2アクチュエータ302は、同一方向(同相)の力を発生することによって、台車枠210を車体100に対してまくらぎ方向かつ並進方向に相対変位させることが可能である。
また、第1アクチュエータ301、第2アクチュエータ302は、反対方向(逆相)の力を発生させることによって、台車枠210を車体100に対してボギー角付与方向に旋回させることが可能である。
可変減衰ダンパ303は、例えば、まくらぎ方向にほぼ沿った軸線に沿って伸縮可能な油圧シリンダ及びピストンを有する。
可変減衰ダンパ303は、軸線方向における一方、他方の端部がそれぞれ車体100の下部と台車枠210の横梁211と連結されている。
可変減衰ダンパ303は、その伸縮速度に応じた減衰力を発生する油圧ダンパとなっている。
また、可変減衰ダンパ303は、後述する動揺防止制御器340からの指令に応じて、伸縮速度と発生する減衰力との相関を、段階的あるいは連続的に変更可能となっている。
可変減衰ダンパ303は、台車枠210のボギー角付与時の旋回中心軸と近接するように配置され、その減衰力によって車体100に対して台車枠210を旋回させるヨーモーメントが実質的に発生しないようになっている。
図3は、第1実施形態の台車変位制御装置の制御ブロック図である。
台車変位制御装置300は、さらに、曲線検出手段310、動揺検出手段320、操舵制御器330、動揺防止制御器340、切替手段350,360、加算器370、減算器380等を有する。
曲線検出手段310は、例えば基準位置(地上子等)からの走行距離や、GPS等の測位手段等に基づいて検出される自車両の現在位置と、予め蓄積された線形情報データとを照合することや、自車両のヨー角速度をジャイロ等で検出することによって、自車両が通過する曲線の曲率等を検出するものである。
曲線検出手段310の出力は、操舵制御器330に提供される。
動揺検出手段320は、車体100のまくらぎ方向(車幅方向)に作用する加速度を検出する加速度検出手段を有する。
動揺検出手段320の出力は、動揺防止制御器340に提供される。
操舵制御器330は、曲線検出手段310が検出した曲線の曲率等に応じて、横圧低減のため台車枠210に付与すべき目標ボギー角を算出するとともに、台車枠210の実際のボギー角が目標ボギー角に近づくよう第1アクチュエータ301、第2アクチュエータ302に指令値を出力するものである。
動揺防止制御器340は、動揺検出手段320が検出した車体100の加速度等に応じて、例えばスカイフック制御側等の制御側を用いて、車体100の動揺を抑制するための第1アクチュエータ301、第2アクチュエータ302の出力、及び、可変減衰ダンパ303の減衰力発生特性を算出し、第1アクチュエータ301、第2アクチュエータ302及び可変減衰ダンパ303に指令値を出力するものである。
切替手段350は、操舵制御器330から加算器370及び減算器380へ、指令値を伝達又は遮断するものである。
切替手段360は、動揺防止制御器340から加算器370及び減算器380へ、指令値を伝達又は遮断するとともに、可変減衰ダンパ303の減衰力発生特性を切り替えるものである。
可変減衰ダンパ303は、第1アクチュエータ301、第2アクチュエータ302による動揺防止制御の動作時には減衰力を小さくし、それ以外の場合には減衰力を大きくするよう減衰力発生特性を切り替える制御が実行される。
切替手段350,360には、図示しない運転台等の各種機器から、走行速度情報及び走行位置又は区間情報が入力される。
切替手段350,360は、これらの情報に応じて操舵制御と動揺防止制御との制御分担比を変更する制御分担比変更手段として機能する。
加算器370は、切替手段350を介して伝達される操舵制御器330からの指令値と、切替手段360を介して伝達される動揺防止制御器340からの指令値とを加算して、加算後の値を第1アクチュエータ301に対して最終的な指令値として伝達するものである。
減算器380は、切替手段360を介して伝達される動揺防止制御器340からの指令値から、切替手段350を介して伝達される操舵制御器330からの指令値を減算して、減算後の値を第2アクチュエータ302に対して最終的な指令値として伝達するものである。
上述した構成により、切替手段350によって操舵制御器330からの指令値を遮断し、動揺防止制御器340からの指令値のみを加算器370、減算器380に伝達することによって、第1アクチュエータ301、第2アクチュエータ302が動揺防止制御器340からの指令値に応じて同方向に推力を発生する動揺防止制御が行われ、操舵制御は中止される。
一方、切替手段360によって動揺防止制御器340からの指令値を遮断し、操舵制御器330からの指令値のみを加算器370、減算器380に伝達することによって、第1アクチュエータ301、第2アクチュエータ302が操舵制御器330からの指令値に応じて反対方向に推力を発生する操舵制御が行われ、動揺防止制御は中止される。
切替手段350,360は、例えば、走行速度情報に基づいて、鉄道車両1の走行速度が予め設定された所定値(閾値)以上である場合に、操舵制御を中止して動揺防止制御を実行し、走行速度が所定値未満である場合には、動揺防止制御を中止して操舵制御を実行する構成とすることができる。
また、このような構成に代えて、切替手段350,360は、走行位置又は区間情報に基づいて制御を切り替えるようにしてもよい。
例えば、曲線が比較的穏やかで高速で走行する高規格の区間(例えば新幹線区間)と比較的急曲線が多く速度が低い低規格の区間(例えば在来線区間)とを直通運転する場合には、高規格の区間においては動揺防止制御を行い、低規格の区間においては操舵制御を行う構成としてもよい。
また、動揺防止制御と操舵制御とを単純に切り替えるのではなく、各制御を少なくとも一部の領域において同時に行うとともに、走行速度や走行位置等に応じて制御分担比を段階的又は連続的に変化させるようにしてもよい。
この場合、切替手段350,360は、設定された制御分担比に応じて算出されるゲインを、各指令値に対して乗算した後に出力する構成とすることができる。
この場合、鉄道車両1の走行速度増加や、走行線区の高速化に応じて動揺防止制御の制御分担比を増加させる構成とすることができる。
以上説明した第1実施形態によれば、第1アクチュエータ301、第2アクチュエータ302に同一方向の力を発生させることによって動揺防止制御を行い、第1アクチュエータ301、第2アクチュエータ302に反対方向の力を発生させることによって操舵制御を行うことによって、一対のアクチュエータのみによって動揺防止制御及び操舵制御を実行することが可能となる。
また、走行速度や現在位置等に応じて動揺防止制御と操舵制御とを切り替えることによって、車両の状態に応じた適切な制御を行うとともに、各制御が競合してアクチュエータの能力が不足する事態を防止することができる。
さらに、動揺防止制御器が可変減衰式の左右動ダンパを制御することによって、動揺防止制御の非動作時における制振性能を確保することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明を適用した台車変位制御方法及び台車変位制御装置の第2実施形態について説明する。
なお、上述した第1実施形態と実質的に共通する箇所については、同じ符号を付して説明を省略し、主に相違点について説明する。
図4は、第2実施形態における台車枠を上方から見た状態を示す模式的平面図である。
第2実施形態においては、第2アクチュエータ302の車体100側の端部、及び、横梁212側の端部の位置が、まくらぎ方向において反転して配置されている。
すなわち、車体100側の端部が側梁214側、横梁212側の端部が側梁213側に配置されている。
このような構成により、第2実施形態においては、第2アクチュエータ302の駆動方向(推力発生方向)を、第1実施形態とは反転させて各種制御を行う。
このような制御は、図3に示す第1実施形態の台車変位制御装置の制御ブロックにおいて、加算器370と減算器380とを入れ替えることによって実現可能である。
以上説明した第2実施形態においても、上述した第1実施形態の効果と実質的に同様の効果を得ることができる。
(他の実施形態)
なお、本発明は上述した各実施形態のみに限定されるものではなく、種々の応用や変形が考えられる。
鉄道車両、台車、台車変位制御装置の構成は、上述した各実施形態に限定されず、適宜変更することができる。
例えば、各実施形態においては鉄道車両は一例として旅客用電車であったが、これに限らず、客車、貨車、機関車等にも本発明は適用することができる。
また、台車及び台車枠の構成や、アクチュエータが取り付けられる部位、方向等も特に限定されない。
また、各実施形態において、第1アクチュエータ及び第2アクチュエータは例えば電動式のアクチュエータであったが、これに限らず、油圧式や空気圧式のアクチュエータを用いてもよい。
また、各実施形態においては、一対のアクチュエータによって動揺防止制御及び操舵制御を行っているが、例えばこれらのアクチュエータによって、車体に対する台車枠のまくらぎ方向最大変位量を規制する左右動ストッパのストッパ当たりを防止する制御を行ったり、台車枠の位置を中立位置まで強制的に復元させるセンタリング制御を行うことも可能である。
1 鉄道車両 100 車体
200 台車 210 台車枠
211,212 横梁 213,214 側梁
220 輪軸 221 車軸
222 車輪 230 軸箱
240 軸ばね 250 まくらばね
300 台車変位制御装置 301 第1アクチュエータ
302 第2アクチュエータ 303 可変減衰ダンパ
310 曲線検出手段 320 動揺検出手段
330 操舵制御器 340 動揺防止制御器
350 切替手段 360 切替手段
370 加算器 380 減算器

Claims (8)

  1. 車体及び前記車体に対してボギー角付与可能に取り付けられた台車枠を有する鉄道車両において、前記車体に対する前記台車枠の相対変位を制御する台車変位制御方法であって、
    前記鉄道車両には前記車体と前記台車枠との間でまくらぎ方向にほぼ沿った力を発生するとともに、前記台車枠の前記車体に対する旋回中心軸の前後にそれぞれ配置された第1アクチュエータ及び第2アクチュエータが設けられ、
    前記車体のまくらぎ方向の振動を低減するよう前記第1アクチュエータ及び前記第2アクチュエータに同一方向の力を発生させる動揺防止制御と、曲線通過時に前記車体に対して前記台車枠を旋回させるよう前記第1アクチュエータ及び前記第2アクチュエータに反対方向の力を発生させる操舵制御とを実行すること
    を特徴とする台車変位制御方法。
  2. 前記動揺防止制御の前記操舵制御に対する制御分担比を、前記鉄道車両の走行速度の増加に応じて増加させること
    を特徴とする請求項1に記載の台車変位制御方法。
  3. 前記動揺防止制御と前記操舵制御との制御分担比を、前記鉄道車両の現在位置に応じて切り替えること
    を特徴とする請求項1に記載の台車変位制御方法。
  4. 前記鉄道車両は、前記車体に対する前記台車枠のまくらぎ方向の相対速度に応じた減衰力を発生するとともに減衰力発生特性を変更可能な可変減衰ダンパを備え、
    前記動揺防止制御は、前記第1アクチュエータ及び前記第2アクチュエータの発生力とともに前記可変減衰ダンパの減衰力発生特性を変更すること
    を特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の台車変位制御方法。
  5. 車体及び前記車体に対してボギー角付与可能に取り付けられた台車枠を有する鉄道車両において、前記車体に対する前記台車枠の相対変位を制御する台車変位制御装置であって、
    前記車体と前記台車枠との間でまくらぎ方向にほぼ沿った力を発生するとともに、前記台車枠の前記車体に対する旋回中心軸の前後にそれぞれ配置された第1アクチュエータ及び第2アクチュエータと、
    前記車体のまくらぎ方向の振動を低減するよう前記第1アクチュエータ及び前記第2アクチュエータに同一方向の力を発生させる動揺防止制御を行なう動揺防止制御手段と、
    曲線通過時に前記車体に対して前記台車枠を旋回させるよう前記第1アクチュエータ及び前記第2アクチュエータに反対方向の力を発生させる操舵制御を行なう操舵制御手段と
    を備えることを特徴とする台車変位制御装置。
  6. 前記動揺防止制御手段による前記動揺防止制御の前記操舵制御手段による操舵制御に対する制御分担比を、前記鉄道車両の走行速度の増加に応じて増加させる制御分担比変更手段を備えること
    を特徴とする請求項5に記載の台車変位制御装置。
  7. 前記動揺防止制御手段による前記動揺防止制御と、前記操舵制御手段による操舵制御との制御分担比を、前記鉄道車両の現在位置に応じて切り替える制御分担比変更手段を備えること
    を特徴とする請求項5に記載の台車変位制御装置。
  8. 前記車体に対する前記台車枠のまくらぎ方向の相対速度に応じた減衰力を発生するとともに減衰力発生特性を変更可能な可変減衰ダンパを備え、
    前記動揺防止制御手段は、前記第1アクチュエータ及び前記第2アクチュエータの発生力とともに前記可変減衰ダンパの減衰力発生特性を変更すること
    を特徴とする請求項5から請求項7までのいずれか1項に記載の台車変位制御装置。
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