JPH08295131A - 内燃機関を駆動源とする空調装置の制御装置 - Google Patents

内燃機関を駆動源とする空調装置の制御装置

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JPH08295131A
JPH08295131A JP10583595A JP10583595A JPH08295131A JP H08295131 A JPH08295131 A JP H08295131A JP 10583595 A JP10583595 A JP 10583595A JP 10583595 A JP10583595 A JP 10583595A JP H08295131 A JPH08295131 A JP H08295131A
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internal combustion
combustion engine
engine
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光一 水谷
Takehiko Tanaka
武彦 田中
Toru Sato
佐藤  亨
Masanori Senda
正典 仙田
Katsunao Takeuchi
克直 竹内
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Toyota Motor Corp
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Aisan Industry Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】内燃機関を駆動源とする空調装置の制御装置に
おいて、内燃機関の減速時或いは負荷急増時に燃費を悪
化させることなく空調効果を良好に維持する。 【構成】エンジン1を駆動源として作動する空調装置1
6はコンプレッサ17及び電磁クラッチ26を含む。電
子制御装置(ECU)51はエンジン1の運転状態に応
じて電磁クラッチ26をオン・オフすることにより、空
調装置16の作動を制御する。ECU51はエンジン1
の減速時に燃料カットを実行するために各インジェクタ
5a〜5dを制御する。ECU51は減速時に燃料カッ
トを実行するときに、電磁クラッチ26をオフすること
により、エンジン1とコンプレッサ17との間の連結を
切り離して空調装置16を強制的に停止させ、空調カッ
トを実行する。ECU51は燃料カットが実行された後
に、空調カットを所定期間だけ禁止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は内燃機関を駆動源とし
て作動する空調装置の制御装置に係る。詳しくは、内燃
機関の運転状態に応じて空調装置の作動を制御するよう
にした空調装置の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車に搭載される空調装置は
内燃機関(エンジン)を駆動源として作動する。例え
ば、冷房機能を備えた空調装置は低温状態を作りだすた
めの冷凍サイクルシステムを備える。このシステムはエ
ンジンを駆動源として作動するコンプレッサを備える。
このコンプレッサがエンジンにより駆動され、同システ
ムの中を冷媒が循環することにより、車室に送られる空
気が冷やされて車室内が冷やされる。ここで、エンジン
とコンプレッサの間に設けられた電磁クラッチは両者の
連結を切断可能とする。空調装置を制御するための制御
装置は、そのときどきの冷房要求度合いやエンジンの運
転状態を監視し、その監視結果に基づいて電磁クラッチ
をオン・オフすることにより、空調装置により得られる
冷房の効果を制御する。
【0003】一方、エンジンに対する燃料の供給量を制
御するようにした制御装置がある。この種の制御装置と
して、エンジンの燃費向上を図るために、エンジンの減
速時にその燃料の供給を停止し、即ち燃料カットを行う
ようにしたものがある。この種の燃料カットの制御は、
その実行後にエンジン回転速度が所定の基準値まで低下
したときに中止されて燃料供給のための通常制御へ復帰
されるのが一般的である。この通常制御への復帰は、減
速後のエンジンストールの発生を防止する。そして、こ
の復帰用の回転速度をできるだけ低い値に設定すること
により、燃料カットによる燃費の低減効果を高めること
ができる。
【0004】ところで、上記空調装置のようにエンジン
によりコンプレッサを駆動させるものでは、空調装置の
作動中にコンプレッサに起因する負荷がエンジンに加わ
ることになる。そのため、エンジンの減速時に燃料カッ
トが行われ、且つコンプレッサの負荷がエンジンに加わ
るような場合には、コンプレッサの負荷の分だけエンジ
ンの回転速度がより急激に低下することになり、その速
度低下の慣性に起因してエンジンストールが発生し易い
傾向となる。そこで、空調装置の作動中に燃料カットが
行われる場合には、燃料カットからの復帰回転速度を空
調装置の停止中のそれに比べて高い値に設定する必要が
ある。従って、復帰回転速度が高く設定される分だけ、
燃料カットによる燃費の低減効果が小さくなる。これを
回避するためには、エンジンの減速時における燃料カッ
トに合わせて空調装置の作動を適宜に制御する必要があ
る。
【0005】ここで、実開平2−50038号公報は上
記課題に対処することを狙った制御装置の一例(以下
「第1の従来例」と称する。)を開示する。図18に示
すように、この制御装置は空調装置を構成するコンプレ
ッサ71をクランクシャフト72aにより駆動するよう
に構成したエンジン72を前提とする。この制御装置は
コントロールユニット73を備え、同ユニット73はア
イドルスイッチ74及びクランク角センサ75の検出結
果に基づいてエンジン72が所定の減速状態にあるか否
かを判断する。コントロールユニット73は所定の減速
状態と判断したとき、エンジン72への燃料噴射弁(イ
ンジェクタ)76による燃料の供給を停止する。即ち、
燃料カットを行う。この燃料カットと同時に、コントロ
ールユニット73は電磁クラッチ77をオフすることに
より、コンプレッサ71をクランクシャフト72aから
切り離す。これにより、減速時にコンプレッサ71の負
荷がエンジン72に加わらなくなり、エンジン72の回
転速度の低下が緩慢になる。その結果、燃料カットから
の復帰回転速度をある程度低い値に設定することが可能
となり、燃料カットによる燃費低減の効果を向上させる
ことができる。
【0006】一方、別の一例(以下「第2の従来例」と
称する。)として、燃料カットが行われない条件下でエ
ンジンが運転され、且つそのエンジンでコンプレッサが
駆動されて空調装置が作動しているときに、エンジンの
負荷が急激に増加することがある。例えば、変速機がシ
フトダウンされたとき等がその場合に当てはまる。この
場合、その時点の回転速度がある程度低ければ、回転速
度はアイドル運転時に維持されるべき所定の基準値(ア
イドル回転速度)を一気に下回り、エンジンストールが
起きるおそれがある。これを回避するために、アイドル
回転速度の基準値をある程度高く設定することが考えら
れる。しかし、この場合にはエンジンの燃費が悪化する
ことになる。そこで、燃費を悪化させない対策として、
コンプレッサをエンジンから切り離すための回転速度に
係る基準値をアイドル回転速度のそれよりも高めに設定
することが考えられる。これにより、エンジンストール
が起きる前にエンジンに対するコンプレッサの負荷を削
減してやることが考えられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記第1の
従来例では、エンジン72の減速時に燃料カットの実行
に伴ってコンプレッサ71が一義的に停止され、空調装
置が停止されることになる。そのため、エンジン72の
減速時には空調装置による冷房効果が低下することにな
る。特に、エンジン72の加速と減速が頻繁に繰り返さ
れるような自動車の走行状況下では、減速時の燃料カッ
トが頻繁に繰り返されて空調装置の停止が頻繁に繰り返
される。その結果、空調装置による冷房効果が悪化する
おそれがある。
【0008】一方、第2の従来例でも、エンジンの回転
速度が所定の基準値まで低下する度にコンプレッサが一
義的に停止され、空調装置が頻繁に停止されることか
ら、空調装置による冷房効果が悪化するおそれがある。
【0009】この発明は前述した事情に鑑みてなされた
ものであって、その目的は、内燃機関の減速時、或いは
内燃機関の負荷急増時に、内燃機関の燃費を悪化させる
ことなく、空調装置による空調効果を良好に維持するこ
とを可能にした内燃機関を駆動源とする空調装置の制御
装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1に記載の第1の発明は、図1に示すように、
燃料供給手段M1により燃料が供給されることにより運
転される内燃機関M2を含み、その内燃機関M2を駆動
源とする空調装置M3を内燃機関M2の運転状態に応じ
て制御するようにした空調装置の制御装置であって、内
燃機関M2の回転速度を一つのパラメータとして含む運
転状態を検出するための運転状態検出手段M4と、内燃
機関M2が減速状態にあることを運転状態検出手段M4
の検出結果に基づいて判断するための減速判断手段M5
と、内燃機関M2が減速状態にあると減速判断手段M5
が判断したときに、内燃機関M2に対する燃料の供給を
強制的にカットするために燃料供給手段M1を制御する
ための燃料カット制御手段M6と、その燃料カット制御
手段M6により燃料の供給がカットされたときに、内燃
機関M2との間の駆動連結を切り離すことにより空調装
置M3を強制的に停止するための第1の停止制御手段M
7と、燃料カット制御手段M6により燃料の供給がカッ
トされた後に、第1の停止制御手段M7による空調装置
M3の停止を所定期間だけ禁止するための制御禁止手段
M8とを備えたことを趣旨とする。
【0011】上記の目的を達成するために請求項2に記
載の第2の発明は、図2に示すように第1の発明の構成
において、制御禁止手段M8が空調装置M3の停止を禁
止するための所定期間を、第1の停止制御手段M7が空
調装置M3を停止する期間に基づいて決定するための禁
止期間決定手段M9を備えたことを趣旨とする。
【0012】上記の目的を達成するために請求項3に記
載の第3の発明は、図3に示すように第1の発明の構成
において、燃料カット制御手段M6により燃料の供給が
カットされた後に、その燃料カットから復帰して内燃機
関M2に対する燃料の供給を再開するために燃料供給手
段M1を制御するための復帰制御手段M10と、その復
帰制御手段M10による制御を第1の停止制御手段M7
による空調装置M3の停止の有無に応じて変更するため
の制御変更手段M11とを備えたことを趣旨とする。
【0013】上記の目的を達成するために請求項4に記
載の第4の発明は、図1,2に示すように、第1又は第
2の発明の構成において、制御禁止手段M8が空調装置
M3の停止を禁止するための所定期間、又は第1の停止
制御手段M7が空調装置M3を停止する期間を空調装置
M3に対する空調の要求度合いに応じて変更するための
第1の期間変更手段M12を備えたことを趣旨とする。
【0014】上記の目的を達成するために請求項5に記
載の第5の発明は、図4に示すように、第3の発明の構
成において、復帰制御手段M10は運転状態検出手段M
4により検出される回転速度が所定値まで低下したとき
に、内燃機関M2に対する燃料の供給を再開するものと
し、その所定値を制御禁止手段M8が第1の停止制御手
段M8による空調装置M3の停止を禁止するための所定
期間に応じて変更する第2の期間変更手段M13を備え
たことを趣旨とする。
【0015】上記の目的を達成するために請求項6に記
載の第6の発明は、図5に示すように、燃料供給手段M
1により燃料が供給されることにより運転される内燃機
関M2を含み、その内燃機関M2を駆動源とする空調装
置M3を内燃機関M2の運転状態に応じて制御するよう
にした空調装置の制御装置であって、内燃機関M2の回
転速度を一つのパラメータとして含む運転状態を検出す
るための運転状態検出手段M4と、内燃機関M2の回転
速度に係る低下度合いを運転状態検出手段M4の検出結
果に基づいて算出するための低下度合算出手段M14
と、回転速度の低下度合いが所定値よりも大きいと低下
度合算出手段M14の算出結果に基づいて判断したと
き、内燃機関M2との間の駆動連結を切り離すことによ
り空調装置M3を強制的に停止するための第2の停止制
御手段M15とを備えたことを趣旨とする。
【0016】
【作用】上記第1の発明によれば、図1に示すように、
内燃機関M2は燃料供給手段M1により燃料が供給され
ることにより運転される。その運転時に、空調装置M3
は内燃機関M2を駆動源として作動する。ここで、内燃
機関M2が減速状態にあることを減速判断手段M5が判
断したときに、燃料カット制御手段M6は内燃機関M2
に対する燃料の供給を強制的にカットするために燃料供
給手段M1を制御する。このため、内燃機関M2の減速
時には無駄な燃料が内燃機関M2に供給されることはな
い。
【0017】そして、第1の停止制御手段M7は、燃料
の供給がカットされたときに、内燃機関M2との間の駆
動連結を切り離すことにより、空調装置M3を強制的に
停止する。このとき、制御禁止手段M8は燃料の供給が
カットされた後に、第1の停止制御手段M7による空調
装置M3の停止を所定期間だけ禁止する。
【0018】従って、減速時に燃料の供給がカットされ
るときに、空調装置M3が強制的に停止される分だけ内
燃機関M2に加わる空調装置M3の負荷が低減される。
又、燃料の供給がカットされた後に、空調装置M3の停
止が所定期間だけ禁止されることから、減速時に空調装
置M3が長期間停止されることはない。
【0019】上記第2の発明によれば、図2に示すよう
に、第1の発明の作用に加え、禁止期間決定手段M9
は、空調装置M3の停止が禁止される所定期間、即ち空
調装置M3の作動が許容される期間を空調装置M3が停
止される期間に基づいて決定する。
【0020】従って、空調装置M3が停止される期間に
合わせてその停止が禁止される期間を設定することによ
り、空調装置M3による空調の効果、或いは内燃機関M
2における燃費低減の効果を選択的に優先させることが
可能となる。
【0021】上記第3の発明によれば、図3に示すよう
に、第1の発明の作用に加え、制御変更手段M11は、
第1の停止制御手段M7による空調装置M3の停止の有
無に応じて復帰制御手段M10による燃料カットからの
復帰を制御する。
【0022】従って、減速時には内燃機関M2に対する
空調装置M3の負荷の有無に応じて燃料の供給が制御さ
れることから、内燃機関M2の運転を維持するために無
駄な燃料が使用されることがない。
【0023】上記第4の発明によれば、図1,2に示す
ように、第1又は第2の発明の作用に加え、内燃機関M
2の減速時には、空調の要求度合いに応じて空調装置M
3を停止する期間が変更される。
【0024】上記第5の発明によれば、図4に示すよう
に、第3の発明の作用に加え、内燃機関M2の回転速度
が所定値まで低下したときに燃料カットからの復帰が制
御され、その所定値が空調装置M3の停止を禁止する所
定期間、即ち空調装置M3を作動させる所定期間に応じ
て変更される。
【0025】従って、空調装置M3の停止を禁止する所
定期間が短いときには上記所定値を高く設定することに
より、燃料カットからの復帰がより早期に行われて空調
装置M3が停止される期間がより短くなる。
【0026】上記第6の発明によれば、図5に示すよう
に、内燃機関M2の運転時に、空調装置M3は内燃機関
M2を駆動源として作動する。ここで、低下度合算出手
段M14は内燃機関M2の回転速度に係る低下度合いを
運転状態検出手段M4の検出結果に基づき算出する。そ
して、第2の停止制御手段M15は上記算出結果に基づ
き回転速度の低下度合いが所定値よりも大きいと判断し
たとき、内燃機関M2との間の駆動連結を切り離すこと
により空調装置M3を強制的に停止させる。
【0027】従って、内燃機関M2の回転速度の低下度
合いが所定値よりも大きいときだけ空調装置M3が強制
的に停止されることから、回転速度が低下する度に空調
装置M3が頻繁に停止されることはない。又、回転速度
の低下を抑えるために、内燃機関M2に対する燃料の供
給量を増やす必要がない。
【0028】
【実施例】
(第1実施例)以下、上記第1及び第3の発明の内燃機
関を駆動源とする空調装置の制御装置を自動車に具体化
した第1実施例を図6〜図9を参照して詳細に説明す
る。
【0029】図6はガソリンエンジンシステム及び空調
装置を示す概略構成図である。このエンジンシステムを
構成する内燃機関(エンジン)1はエンジンブロック1
aを備え、エンジンブロック1aは燃焼室を含む複数
(この実施例では4個)の気筒#1,#2,#3,#4
を備える。各気筒#1〜#4に対応して分岐された吸気
マニホールド2には、エアクリーナ3から吸気通路4に
吸入される外気が流れる。各気筒#1〜#4毎に対応し
て設けられた本発明の燃料供給手段を構成する複数のイ
ンジェクタ5a,5b,5c,5dは吸気マニホールド
2へ燃料を噴射する。周知のように各インジェクタ5a
〜5dには、別途に設けられた燃料供給装置により燃料
が供給される。この燃料供給装置は燃料タンク、燃料ポ
ンプ、燃料フィルタ及び燃料ライン等(何れも図示しな
い)を備え、燃料タンク中の燃料を所定の圧力をもって
各インジェクタ5a〜5dへ送る。そして、それら外気
と燃料との混合気は、各気筒#1〜#4毎に設けられた
吸気バルブにより吸気ポート(何れも図示しない)が開
かれる際に、燃焼室に導入される。各気筒#1〜#4毎
に設けられた点火プラグ6a,6b,6c,6dが作動
することにより、各気筒#1〜#4の燃焼室にて混合気
が爆発・燃焼してピストン(図示しない)及びクランク
シャフト1bが作動してエンジン1に駆動力が得られ
る。即ち、クランクシャフト1bが回転する。その後、
各気筒#1〜#4毎に設けられた排気バルブにより排気
ポート(何れも図示しない)が開かれる際に、既燃焼ガ
スが排気ガスとして各燃焼室から排気マニホールド7及
び排気通路8へ導き出され、更に触媒9により浄化され
た後に外部へ排出される。
【0030】吸気通路4の途中に設けられたスロットル
バルブ10はアクセルペダル(図示しない)の操作によ
り作動して吸気通路4を開閉する。このスロットルバル
ブ10の作動、即ちスロットルバルブ10の開度の大き
さに応じて吸気通路4における吸入空気量Qが調節され
る。
【0031】エアクリーナ3の近傍に設けられた吸気温
センサ31は吸気通路4に吸入される空気の温度(吸入
空気温度)THAを検出し、その大きさに応じた信号を
出力する。エアクリーナ3の近傍に設けられたエアフロ
ーメータ32は吸気通路4における吸入空気量Qを検出
し、その大きさに応じた信号を出力する。スロットルバ
ルブ10の近傍に設けられたスロットルセンサ33は同
バルブ10の開度(スロットル開度)TAを検出し、そ
の大きさに応じた信号を出力する。このセンサ33はス
ロットルバルブ10が全閉となったとき、そのことも検
出することができる。
【0032】一方、排気通路8の途中に設けられた酸素
センサ34は排気ガス中に残存する酸素濃度Oxを検出
し、その大きさに応じた信号を出力する。エンジンブロ
ック1aに設けられた水温センサ35は同ブロック1a
の内部を流れる冷却水の温度(冷却水温度)THWを検
出し、その大きさに応じた信号を出力する。
【0033】ディストリビュータ11は各点火プラグ6
a〜6cに印加されるべき点火信号を分配する。イグナ
イタ12はクランクシャフト1bの回転角度(クランク
角度)の変化に同期してディストリビュータ11へ高電
圧を出力する。各点火プラグ6a〜6cの点火タイミン
グはイグナイタ12における高電圧の出力タイミングに
より決定される。
【0034】ディストリビュータ11に設けられた回転
速度センサ36はディストリビュータ11に内蔵される
ロータ(図示しない)の回転に基づいてエンジン1の回
転速度(エンジン回転速度)NEを検出し、その大きさ
に応じた信号を出力する。同じくディストリビュータ1
1に設けられた気筒判別センサ37はロータの回転に基
づきクランク角度の変化を所定の割合で検出し、その変
化に応じた信号出力する。
【0035】自動車に搭載された空調装置16はエンジ
ン1を駆動源として作動する。この実施例の空調装置1
6は冷房機能を備え、車室内(図示しない)を低温状態
に冷房するための冷凍サイクルシステムを備える。この
システムはコンプレッサ17、コンデンサ18、レシー
バタンク19、エキスパンションバルブ20、エバポレ
ータ21及び各部材17〜21の間を互いに接続するパ
イプ22等を備える。コンプレッサ17はエンジン1を
駆動源として作動することにより、本システム中の冷媒
ガスを吸入・圧縮してコンデンサ18へ送る。コンデン
サ18は送られた冷媒ガスを冷却して液化する。レシー
バタンク19はコンデンサ18から流れた液化冷媒をガ
スと液に分離する。エキスパンションバルブ20はレシ
ーバタンク19から流れた液化冷媒だけを霧状の冷媒に
膨張させる。エバポレータ21はエキスパンションバル
ブ20から流れた霧状冷媒を気化させることにより、そ
の周囲の空気を冷却する。エバポレータ21で冷却され
た空気は車室内へ送られる。そして、コンプレッサ17
はエバポレータ21で気化された冷媒ガスを吸入する。
このように同システム中を冷媒が繰り返し循環すること
により、車室内を冷房するための冷凍作用が得られる。
【0036】ここで、コンプレッサ17に設けられたプ
ーリ23はベルト24を介してクランクシャフト1bに
固着されたプーリ25につながる。プーリ23に設けら
れた電磁クラッチ26はエンジン1とコンプレッサ17
との間の駆動連結を選択的に切断可能とする。そして、
電磁クラッチ26を励磁(オン)して両者1,17を駆
動連結することにより、エンジン1の運転時にその駆動
力がコンプレッサ17に伝わり、空調装置16が作動す
る。一方、電磁クラッチ26を消磁(オフ)して両者
1,17を切り離すことにより、エンジン1が作動して
も、その駆動力がコンプレッサ17に伝わることはな
く、空調装置16が作動することはない。
【0037】この実施例で、各種センサ等31〜37は
エンジン1の運転状態を検出するための本発明における
運転状態検出手段を構成する。車室内に設けられた空調
スイッチ38は空調装置16を作動させるために操作さ
れる。このスイッチ38がオンされることにより空調装
置16の作動が任意に許容され、同スイッチ38がオフ
されることにより空調装置16の作動が任意に禁止され
る。車室内に設けられたエコノスイッチ39はエンジン
1のアイドル時に空調装置16の作動を強制的に禁止す
るために操作される。このスイッチ39がオンされるこ
とによりアイドル時に空調装置16の作動が任意に禁止
され、同スイッチ39がオフされることによりアイドル
時に空調装置16の作動が任意に許容される。エバポレ
ータ21の直下流に設けられた冷気センサ40はエバポ
レータ21を通過した直後の冷気の温度(冷気温度)T
HCを検出し、その大きさに応じた信号を出力する。こ
のセンサ40は空調装置16による冷房効果を監視する
ために使われる。車外に設けられた外気センサ41は車
外の温度(外気温度)THOを検出し、その大きさに応
じた信号を出力する。自動車に設けられたヘッドライト
等の各種電気負荷40はそれらが作動する際に作動中で
あることを示す信号を出力する。
【0038】ここで、電子制御装置(ECU)51は第
1及び第3の発明における減速判断手段、燃料カット制
御手段、第1の停止制御手段、制御禁止手段、復帰制御
手段及び制御変更手段を構成する。このECU51は前
述した各種センサ等31〜42から出力される信号を入
力する。ECU51は各種入力信号に基づき、エンジン
1の運転を制御するために各インジェクタ5a〜5d及
びイグナイタ12等を制御し、空調装置16を制御する
ために電磁クラッチ26等を制御する。
【0039】図7のブロック図に示すように、ECU5
1は中央処理装置(CPU)52、読み出し専用メモリ
(ROM)53、ランダムアクセスメモリ(RAM)5
4、バックアップRAM55及びタイマカウンタ56等
を備える。ECU51はこれら各部52〜56と、外部
入力回路57と、外部出力回路58等とをバス59によ
り接続してなる論理演算回路を構成する。ここで、RO
M53は所定の制御プログラム等を予め記憶する。RA
M54はCPU52の演算結果等を一時記憶する。バッ
クアップRAM55は予め記憶したデータを保存する。
タイマカウンタ56は、同時に複数のカウント動作を行
うことができる。外部入力回路57はバッファ、波形整
形回路及びA/D変換器等を含む。外部出力回路58は
駆動回路等を含む。各種センサ等31〜42は外部入力
回路57につながる。各部材5a〜5d,12,17等
は外部出力回路58につながる。
【0040】CPU52は外部入力回路57を介して入
力する各種センサ等31〜42からの信号を入力値とし
て読み込む。CPU52はそれら入力値に基づきエンジ
ン1の制御に係る空燃比制御を含む燃料噴射量制御、燃
料噴射時期制御及び点火時期制御等を実行するために、
各部材5a〜5d,12等を制御する。同じくCPU5
2は各種入力値に基づき空調制御を実行するために、各
部材5a〜5d,26等を制御する。ECU51には車
両に搭載されたバッテリ(図示しない)が接続されてい
る。CPU52が行う各部材5a〜5d,12,26等
の制御はバッテリから各部材5a〜5d,12,26等
に対する通電を制御することを含む。
【0041】ここで、燃料噴射量制御とは、エンジン1
の運転状態に応じて各インジェクタ5a〜5dから噴射
される燃料量を制御することである。空燃比制御とは、
少なくとも酸素センサ34の検出値に基づき、エンジン
1における空燃比A/Fを制御することである。燃料噴
射時期制御とは、エンジン1の負荷状態等に応じて各イ
ンジェクタ5a〜5dから燃料が噴射される時期を制御
することである。これら燃料噴射量制御及び燃料噴射時
期制御を併せて「燃料噴射制御」と称する。点火時期制
御とは、エンジン1の運転状態に応じてイグナイタ12
を制御することにより、各点火プラグ6a〜6dを作動
させて各気筒#1〜#4の燃焼室における混合気の点火
時期を制御することである。
【0042】更に、空調制御とは、エンジン1の運転状
態及び冷房の要求度合い等に応じて電磁クラッチ26の
オン・オフ及び各インジェクタ5a〜5dからの燃料噴
射を制御することである。この実施例で、ECU51は
空調の基本制御として、空調スイッチ38がオンされて
いるときに、冷気センサ40により検出される冷気温度
THCの値が予め設定された値になるように電磁クラッ
チ26を制御する。又、ECU51は上記基本制御とは
別に、エンジン1の運転状態に応じた空調制御を実行す
る。
【0043】次に、前述したECU51が実行する空調
制御の処理内容について図8,9を参照して説明する。
後述する各種ルーチンに関する制御プログラム等はRO
M43が予め記憶する。
【0044】図8はエンジン1の運転状態に応じた空調
制御を実行するための「制御ルーチン」を示すフローチ
ャートである。ECU51はこのルーチンを所定期間毎
に周期的に実行する。
【0045】ステップ100において、ECU51は回
転速度センサ36の検出値に基づきエンジン回転速度N
Eの値を読み込む。又、ECU51は燃料カットフラグ
XFCI及び空調カット後の経過時間CNRTの値をそ
れぞれ読み込む。
【0046】ここで、燃料カットフラグXFCIは、エ
ンジン1の減速時にエンジン1に対する燃料の供給を強
制的に停止すること、即ち「燃料カット」が行われてい
るか否かを示す。ECU51はこのフラグXFCIを別
途のルーチンに従って設定する。つまり、ECU51は
各種センサ等31〜37等の検出値に基づいてエンジン
1が所定の減速状態にあるか否かを判断する。この判断
を実行するECU51は本発明の減速判断手段に相当す
る。そして、ECU51はエンジン1が所定の減速状態
にあると判断したときに、燃料カットを実行するため
に、各インジェクタ5a〜5dを制御する。この制御を
実行するECU51は本発明の燃料カット制御手段に相
当する。この燃料カットはエンジン1の燃費向上を図る
ために実行されるものであり、ECU51は燃料カット
を実行したときに、このフラグXFCIを「1」に設定
する。又、ECU51は燃料カットを実行した後、エン
ジン回転速度NEが所定の基準値まで低下したときに、
エンジンストールを回避するために燃料カットを中止し
て通常の燃料噴射の制御、即ち「通常制御」へ復帰す
る。
【0047】上記経過時間CNRTは、エンジン1の運
転状態に応じて空調装置16が強制的に停止された後、
即ち「空調カット」が行われた後の経過時間を示す。E
CU51はこの経過時間CNRTをタイマカウンタ56
によってカウントする。ECU51は必要に応じて空調
カットを実行し、その開始と前後して上記経過時間CN
RTをリセットしてカウントアップを開始する。この実
施例で、上記の処理を実行するECU51は、空調カッ
ト後の経過時間CNRTを計時するための計時手段に相
当する。
【0048】続いて、ステップ105において、ECU
51は燃料カットフラグXFCIが「1」であるか否か
を判断する。このフラグXFCIが「0」である場合に
は、燃料カットが実行されていないことから、ECU5
1はその後の処理を一旦終了する。同フラグXFCIが
「1」である場合には、燃料カットが既に実行されてい
ることから、ECU51は処理をステップ110へ移行
する。
【0049】ステップ110において、ECU51はエ
ンジン回転速度NEが低基準値NROFFよりも小さい
か否かを判断する。この低基準値NROFFは空調装置
16が停止している場合に合わせて設定されたものであ
り、燃料カットから通常制御へ復帰するための基準とな
るエンジン回転速度NEに係る値である。
【0050】ここで、エンジン回転速度NEが低基準値
NROFFより小さい場合には、ECU51はステップ
150,155,160の処理を実行する。即ち、ステ
ップ150において、ECU51は燃料噴射の制御を燃
料カットから通常制御へと復帰させる。この実施例でス
テップ150の処理を実行するECU51は、本発明の
復帰制御手段に相当する。続いて、ステップ155にお
いて、ECU51は空調カット後の経過時間CNRTを
「0」にリセットする。更に、ステップ160におい
て、ECU51は燃料カットフラグXFCIを「0」に
リセットし、その後の処理を一旦終了する。
【0051】一方、ステップ110において、エンジン
回転速度NEが低基準値NROFF以上である場合に
は、ECU51はステップ115において、空調カット
を指示するための空調カットフラグYACTが「0」で
あるか否かを判断する。このフラグYACTは空調カッ
トが実行されているときに「1」に設定され、空調カッ
トが禁止されているときに「0」に設定される。ここ
で、空調カットが禁止されている場合には、コンプレッ
サ17の電磁クラッチ26がオン状態となり、コンプレ
ッサ17がエンジン1に連結されて空調装置16が作動
することになる。空調カットが実行されている場合に
は、コンプレッサ17の電磁クラッチ26がオフ状態と
なり、コンプレッサ17がエンジン1から切り離されて
空調装置16が停止することになる。
【0052】そして、ステップ115において、空調カ
ットフラグYACTが「1」である場合には、空調カッ
トが実行されていることから、ECU51は処理をステ
ップ145へ移行し、既に実行されている燃料カットを
続行させてその後の処理を一旦終了する。
【0053】ステップ115において、同フラグYAC
Tが「0」である場合には、空調カットが禁止されてい
ることから、即ち空調装置16が作動していることか
ら、ECU51は処理をステップ120へ移行する。そ
して、ステップ120において、ECU51は空調カッ
ト後の経過時間CNRTの値が所定の判定値T1以上で
あるか否かを判断する。この判定値T1は空調カットが
実行された後、次の空調カットが実行されるまでの間で
空調カットを確実に禁止するための期間を意味する。こ
こで、この経過時間CNRTの値が判定値T1未満であ
る場合には、ECU51は処理をステップ125へ移行
する。
【0054】ステップ125において、ECU51はエ
ンジン回転速度NEの値が高基準値NRONよりも小さ
いか否かを判断する。この高基準値NRONは空調装置
16が作動している場合に合わせて設定されたものであ
り、燃料カットから通常制御へ復帰するために基準とな
るエンジン回転速度NEに係る値である。そして、エン
ジン回転速度NEが高基準値NRONよりも小さい場合
には、ECU51は上記したと同様にステップ150〜
160の処理を実行し、燃料カットから通常制御へ復帰
させるなどしてその後の処理を一旦終了する。エンジン
回転速度NEが高基準値NRON以上である場合には、
ECU51は処理をステップ145へ移行して燃料カッ
トを続行させてその後の処理を一旦終了する。この実施
例で上記ステップ110,125を実行するECU51
は、燃料カットから通常制御への復帰を空調装置16の
停止の有無に応じて変更するための本発明の制御変更手
段に相当する。
【0055】一方、ステップ120において、経過時間
CNRTの値が判定値T1以上である場合には、ステッ
プ130において、ECU51はエンジン回転速度NE
が高基準値NRONよりも小さいか否かを判断する。こ
こで、エンジン回転速度NEが高基準値NRON以上で
ある場合には、ステップ145において、ECU51は
燃料カットを続行させてその後の処理を一旦終了する。
エンジン回転速度NEが高基準値NRONよりも小さい
場合には、ECU51は処理をステップ135へ移行す
る。
【0056】ステップ135において、ECU51は空
調カットを実行する。即ち、ECU51は電磁クラッチ
26をオフすることにより、コンプレッサ17をエンジ
ン1から切り離して空調装置16を強制的に停止させ
る。つまり、この実施例で、ECU51は燃料カットを
実行した後、前回の空調カットから所定期間(判定値T
1)を経過して、エンジン回転速度NEが高基準値NR
ONを下回ったときだけ空調カットを実行する。この実
施例でステップ135の処理を実行するECU51は、
本発明の第1の停止制御手段に相当する。ステップ12
0の処理を実行するECU51は、本発明における制御
禁止手段に相当する。
【0057】続いて、ステップ140において、ECU
51は空調カットの実行を示すために空調カットフラグ
YACTを「1」に設定し、更にステップ145におい
て燃料カットを続行させてその後の処理を一旦終了す
る。
【0058】上記のようにこの実施例では、エンジン1
の減速時に燃料カットの実行に関連して空調カットが実
行される。ここで、上記制御に係る各種パラメータN
E,XFCI,YACT,CNRTの挙動につき、その
一例を図9のタイミングチャートに従い説明する。ここ
では、時刻t1〜t9の間でエンジン1の減速が断続的
に3回開始される場合を想定する。
【0059】時刻t1において、減速が開始されると、
燃料カットが開始されて燃料カットフラグXFCIが
「0」から「1」に変わり、エンジン回転速度NEが低
下し始める。
【0060】その後、時刻t2において、エンジン回転
速度NEが高基準値NRONを下回ると、空調カットが
開始されて空調カットフラグYACTが「0」から
「1」に変わる。この時点で、空調カット後の経過時間
CNRTはその上限値で一定になっているものとする。
【0061】続いて、時刻t3において、エンジン回転
速度NEが低基準値NROFFを下回ると、燃料カット
から通常制御に復帰して燃料カットフラグXFCIが
「1」から「0」に変わる。同時に、経過時間CNRT
がリセットされてそのカウントが開始される。時刻t3
で通常制御が再開されると、やがて空調カットが中止さ
れてそのフラグYACTが「1」から「0」に変わる。
その後、エンジン1が加速されるとエンジン回転速度N
Eが上昇する。
【0062】時刻t4において、再びエンジン1の減速
が開始されると、燃料カットが開始されてそのフラグX
FCIが「0」から「1」に変わり、エンジン回転速度
NEが低下し始める。
【0063】更に、時刻t5において、エンジン回転速
度NEが高基準値NRONを下回っても経過時間CNR
Tが判定値T1に達していないことから、空調カットが
禁止され、即ち空調装置16が作動したままとなり、空
調カットフラグYACTは「0」のままとなる。このと
き、空調装置16が作動していることから、燃料カット
が中止されて燃料カットフラグXFCIが「1」から
「0」に変わる。その後、エンジン1が加速されるとエ
ンジン回転速度NEが再び上昇する。
【0064】そして、時刻t6において、経過時間CN
RTが判定値T1を超えた後、時刻t7において、三た
び減速が開始されると、燃料カットが開始されてそのフ
ラグXFCIが「0」から「1」に変わり、エンジン回
転速度NEが低下し始める。この時点で、空調カットが
許容されていることから、時刻t8ではエンジン回転速
度NEが高基準値NRONを下回ると、空調カットが開
始されてそのフラグYACTが「0」から「1」に変わ
る。
【0065】その後、時刻t9において、エンジン回転
速度NEが低基準値NROFFを下回ると、燃料カット
から通常制御へ復帰してそのフラグXFCIが「1」か
ら「0」に変わる。同時に、経過時間CNRTがリセッ
トされてそのカウントが開始される。その後、空調カッ
トが中止されてそのフラグYACTが「1」から「0」
に変わる。
【0066】以上説明したようにこの実施例では、エン
ジン1の運転時に空調装置16はエンジン1を駆動源と
して作動する。即ち、空調装置16を構成するコップレ
ッサ17がエンジン1を駆動源として作動する。ここ
で、ECU51はエンジン1が所定の減速状態にあると
判断したときに、燃料カットを実行するために各インジ
ェクタ5a〜5dを制御する。この燃料カットにより、
減速時に無駄な燃料がエンジン1に供給されることがな
くなり、エンジン1の燃費向上を図ることができる。
【0067】そして、ECU51は燃料カットを実行し
たときに、電磁クラッチ26をオフしてエンジン1とコ
ンプレッサ17との連結を切り離すことにより、空調装
置16を強制的に停止させて空調カットを実行する。こ
のとき、ECU51は燃料カットの実行後に、空調カッ
トを所定期間(判定値T1)だけ禁止する。即ち、EC
U51は燃料カットの実行に伴い空調カットを一度実行
したときに、燃料カットから通常制御へ復帰するための
エンジン回転速度NEに係る基準を、高基準値NRON
からそれよりも低い低基準値NROFFに切り換えるこ
とにより、燃料カットの実行期間を拡げる。その後、E
CU51は燃料カットから通常制御へ復帰したとき、そ
の復帰のための基準を高基準値NRONに切り換え、そ
の切り換え状態を所定期間(判定値T1)だけ保持す
る。そして、ECU51はその所定期間だけ空調カット
の実行を禁止する。
【0068】従って、エンジン1の減速時に燃料カット
が実行されるときには、空調装置16が強制的に停止さ
れる分だけエンジン1に加わるコンプレッサ17の負荷
が低減される。又、燃料カットが実行された後に、空調
カットが所定期間だけ禁止されることから、減速時に空
調装置16が長期間連続して停止されることがない。そ
の結果、減速時にエンジン1の燃費を悪化させることが
なく、空調装置16による冷房効果を良好に維持するこ
とができる。即ち、減速時の燃料カットに伴い一義的に
空調装置が停止されるような第1の従来例とは異なり、
本実施例では、減速時の燃料カットが頻繁に繰り返され
るような状況下でも、空調装置16が頻繁に停止される
ことがなく、冷房効果の低下を未然に防止することがで
きる。この場合、空調カットを禁止する所定期間、即ち
判定値T1を任意に変更することにより、空調装置16
による冷房効果と、エンジン1の燃費低減の効果との両
立を図ることができる。
【0069】加えて、この実施例では、ECU51は空
調カットの有る無しに応じて燃料カットから通常制御へ
の復帰を制御する。即ち、ECU51は空調カットの有
る無しに応じて、燃料カットから通常制御へ復帰するた
めに参照されるべき異なる二つの基準値NROFF,N
RONを選択的に使用する。
【0070】従って、減速時に空調装置16が停止して
エンジン1に対するコンプレッサ17の負荷が無いとき
には、低基準値NROFFに基づいて燃料カットから通
常制御へ復帰する。そのため、減速時における燃料カッ
トの実行期間を相対的に拡げることができ、燃費低減の
効果を更に向上させることができる。一方、減速時に空
調装置16が作動していてエンジン1に対するコンプレ
ッサ17の負荷が有るときには、高基準値NRONに基
づいて燃料カットから通常制御へ復帰する。この結果、
減速時にコンプレッサ17の負荷に起因してエンジンス
トールが起こることを未然に防止することができる。つ
まり、減速時にエンジン1に対するコンプレッサ17の
負荷の有無に応じて燃料噴射制御が行われることから、
エンジン1の運転を維持するために無駄な燃料が使用さ
れることがない。その意味で、エンジン1の燃費低減の
効果を一層向上させることができる。
【0071】(第2実施例)次に、上記第1、第2及び
第4の発明の内燃機関を駆動源とする空調装置の制御装
置を自動車に具体化した第2実施例を図10〜図13を
参照して説明する。尚、第2実施例を含む以下の各実施
例の構成で、前記第1実施例のそれと同一の要素につい
ては同一の符号を付して説明を省略する。以下の各実施
例では、空調制御の処理内容について異なる点を中心に
説明する。
【0072】この実施例でECU51は第1、第2及び
第4の発明における減速判断手段、燃料カット制御手
段、第1の停止制御手段、制御禁止手段、禁止期間決定
手段及び第1の期間変更手段を構成する。この実施例で
は、前記第1実施例とは異なり、ECU51は減速時の
燃料カットに伴う空調カットを、空調(冷房)の要求度
合いに応じて制御する。具体的には、ECU51は冷房
の要求度合いを判定し、その判定結果に基づいて空調カ
ットの継続時間と、空調カットの実行を禁止する期間を
制御する。その処理内容を以下に説明する。
【0073】図10は冷房の要求度合いを判定するため
の「冷房要求度合判定ルーチン」を示すフローチャート
である。ECU51はこのルーチンを所定期間毎に周期
的に実行する。
【0074】ステップ200において、ECU51はエ
コノスイッチ39及び電気負荷42の信号を読み込むと
共に、外気センサ41の検出値に基づき外気温度THO
の値を読み込む。
【0075】続いて、ステップ201において、ECU
51はエコノスイッチ39がオンされているか否かを判
断する。ここで、エコノスイッチ39がオンされている
場合には、エンジン1のアイドル時に空調装置16を停
止させることが許容されていることから、冷房の要求度
合いが小さいものとして、ECU51は処理をステップ
207へ移行する。エコノスイッチ39がオフされてい
る場合には、アイドル時にも空調装置16を作動させる
ことか要求されていることから、冷房の要求があるもの
として、ECU51は処理をステップ202へ移行す
る。
【0076】ステップ202において、ECU51は電
気負荷42、ここではヘッドライトがオンされているか
否を判断する。電気負荷42がオンされている場合に
は、外気音THOの低い夜間であることから冷房の要求
度合いが小さいものとして、ECU51は処理をステッ
プ207へ移行する。電気負荷42がオフされている場
合には、昼間であることから冷房の要求があるものとし
て、ECU51は処理をステップ203へ移行する。
【0077】ステップ203において、ECU51は外
気温度THOの値が所定の判定値α、例えば「30℃」
よりも大きいか否かを判断する。ここで、外気温度TH
Oの値が判定値α以下である場合には、冷房の要求度合
いが小さいものとして、ECU51は処理をステップ2
07へ移行する。外気温度THOの値が判定値αよりも
大きい場合には、冷房の要求度合いが大きいものとし
て、ECU51は処理をステップ204へ移行し、ステ
ップ204〜206の一連の処理を実行する。
【0078】即ち、ステップ204において、ECU5
1は冷房の要求度合いが大きいことを示す冷房要求フラ
グXACHを「1」に設定する。続いて、ステップ20
5において、ECU51は空調カットの継続時間KCA
Cの値を相対的に短い所定値T2Sに設定する。更に、
ステップ206において、ECU51は今回の空調カッ
トと次回の空調カットとの間でその実行を禁止すべき期
間(禁止期間)KCNRの値を相対的に長い所定値T3
Lに設定し、その後の処理を一旦終了する。
【0079】一方、各ステップ201〜203からステ
ップ207へ移行した場合には、ECU51ステップ2
07〜209の一連の処理を実行する。即ち、ステップ
207において、ECU51は上記の冷房要求フラグX
ACHを「0」に設定する。続いて、ステップ208に
おいて、ECU51は上記の継続時間KCACの値を相
対的に長い所定値T2Lに設定する。更に、ステップ2
09において、ECU51は上記の禁止期間KCNRの
値を相対的に短い所定値T3Sに設定し、その後の処理
を一旦終了する。
【0080】このように、ECU51は冷房要求度合の
判定結果に応じて空調カットに係る各種パラメータXA
CH,KCAC,KCNRを設定する。これらのパラメ
ータXACH,KCAC,KCNRは以下に説明される
各ルーチンにおいて使用される。この実施例で上記ルー
チンを実行するECU51は、空調カットを禁止するた
めの所定期間、又は空調カットを継続させる期間を空調
装置16に対する空調(冷房)の要求度合いに応じて変
更するための本発明の第1の期間変更手段に相当する。
この実施例で上記ステップ205,206の処理、上記
ステップ208,209の処理をそれぞれ実行するEC
U51は、空調カットを禁止するための所定期間を、空
調カットを継続させる期間に基づいて決定するための本
発明の禁止期間決定手段に相当する。
【0081】図11は燃料カットから通常制御へ復帰す
るための基準となる復帰回転速度NRTの値を設定する
ための「NRT設定ルーチン」を示すフローチャートで
ある。ECU51はこのルーチンを所定期間毎に周期的
に実行する。
【0082】ステップ220において、ECU51は水
温センサ35の検出値に基づき冷却水温度THWの値を
読み込む。又、ECU51は上記した冷房要求フラグX
ACH、禁止期間KCNR及び経過時間CNRTの値を
それぞれ読み込む。
【0083】ステップ221において、ECU51は冷
却水温度THWの値に基づき基本復帰回転速度NRTB
の値を算出する。ECU51はこの算出を、両パラメー
タTHW,NRTBについて予め定められ関数データに
基づいて行う。この実施例でステップ221の処理を実
行するECU51は、基本復帰回転速度NRTBを算出
するための算出手段に相当する。
【0084】ステップ222において、ECU51は冷
房要求フラグXACHが「1」であるか否かを判断す
る。このフラグXACHが「0」である場合には、冷房
要求度合いが小さいことから、ECU51は処理をステ
ップ223へ移行する。
【0085】ステップ223において、ECU51は空
調カット後の経過時間CNRTの値が禁止期間KCN
R、即ち短い所定値T3S以上であるか否かを判断す
る。ここで、経過時間CNRTの値が禁止期間KCNR
の値よりも小さい場合には、ECU51はステップ22
4において、先に算出された基本復帰回転速度NRTB
の値を復帰回転速度NRTの値として設定する。そし
て、ステップ225において、その復帰回転速度NRT
の値をバックアップRAM55記憶し、その後の処理を
一旦終了する。
【0086】ステップ223において、経過時間CNR
Tの値が禁止期間KCNRの値以上である場合には、ス
テップ227において、ECU51は、予め設定された
上限値KNRGを復帰回転速度NRTとして設定する。
その後、ステップ225において、その復帰回転速度N
RTの値をバックアップRAM55記憶し、その後の処
理を一旦終了する。
【0087】一方、ステップ222において、冷房要求
フラグXACHが「1」である場合には、冷房要求度合
いが大きいことから、ECU51は処理をステップ22
6へ移行する。
【0088】ステップ226において、ECU51は上
記の経過時間CNRTの値が禁止期間KCNR、即ち長
い所定値T3L以上であるか否かを判断する。ここで、
経過時間CNRTの値が禁止期間KCNRの値よりも小
さい場合には、ECU51は処理をステップ224へ移
行し、上記と同様にステップ224,225の処理を実
行してその後の処理を一旦終了する。
【0089】ステップ226において、経過時間CNR
Tの値が禁止期間KCNRの値以上である場合には、E
CU51は処理をステップ227へ移行し、上記と同様
にステップ227,225の処理を実行してその後の処
理を一旦終了する。
【0090】このように、ECU51は上記のように設
定された各種パラメータXACH,KCNRに基づいて
燃料カットに係る復帰回転速度NRTの値を設定する。
この値は以下のルーチンで使用される。この実施例でス
テップ222〜227の処理を実行するECU51は、
空調(冷房)の要求度合いに応じて決定される空調カッ
トの禁止期間に基づいて燃料カットに係る復帰回転速度
NRTを変更するための変更手段に相当する。
【0091】図12はエンジン1の運転状態に応じた空
調制御を実行するための「制御ルーチン」を示すフロー
チャートである。ECU51はこのルーチンを所定期間
毎に周期的に実行する。
【0092】ステップ230において、ECU51は回
転速度センサ36の検出値に基づきエンジン回転速度N
Eの値を読み込む。又、ECU51は上記のように求め
られた各種パラメータCNRT,KCNR,KNRG,
NRT,KCAC,CACの値をそれぞれ読み込む。こ
こで、CACは空調カットの継続時間を示し、ECU5
1はこの継続時間CACをタイマカウンタ56を用いて
別途の処理ルーチンに従いカウントする。ECU51は
空調カットが開始されたときにこの継続時間CACのカ
ウントを開始し、空調カットが終了したときにこの継続
時間CACをリセットする。この実施例で上記の継続時
間CACをカウントするECU51は、空調カットの継
続時間を計測する計時手段に相当する。
【0093】ステップ231において、ECU51は現
在のエンジン回転速度NEの値が復帰回転速度NRTの
値以上であるか否かを判断する。ここでは、エンジン1
の減速時に燃料カットが実行されていることを前提とす
る。エンジン回転速度NEの値が復帰回転速度NRTの
値よりも小さい場合には、ECU51はステップ237
〜239の処理を実行する。この実施例でステップ23
1の処理を実行するECU51は、復帰回転速度NRT
の大きさを判断する手段に相当する。
【0094】即ち、ステップ237において、ECU5
1は空調カット後の経過時間CNRTを「0」にリセッ
トする。続いて、ステップ238において、ECU51
は燃料カットフラグXFCIを「0」にリセットする。
更に、ステップ239において、ECU51は燃料噴射
の制御を燃料カットから通常制御へと復帰させ、その後
の処理を一旦終了する。この実施例でステップ239の
処理を実行するECU51は、燃料カットから通常制御
への復帰を制御するための復帰制御手段に相当する。
【0095】一方、ステップ231において、エンジン
回転速度NEの値が復帰回転速度NRTの値以上である
場合には、ECU51は処理をステップ232へ移行す
る。ステップ232において、ECU51は現在のエン
ジン回転速度NEの値が燃料カットに係る復帰のための
上限値KNRGよりも小さいか否かを判断する。ここ
で、エンジン回転速度NEの値が上限値KNRG以上で
ある場合には、現状を維持する必要があることから、E
CU51はその後の処理を一旦終了する。エンジン回転
速度NEの値が上限値KNRGよりも小さい場合には、
ECU51は処理をステップ233へ移行する。
【0096】ステップ233において、ECU51は空
調カット後の経過時間CNRTの値がそのときの禁止期
間KCNRの値以上であるか否かを判断する。ここで、
経過時間CNRTの値が禁止期間KCNRの値よりも小
さい場合には、ステップ240において、ECU51は
現在の上限値KNRGを復帰回転速度NRTの値として
設定しその後の処理を一旦終了する。経過時間CNRT
の値が禁止期間KCNRの値以上である場合には、EC
U51は処理をステップ234へ移行する。
【0097】ステップ234において、ECU51は現
在の継続時間CACの値が上記のように設定された基準
となる継続時間KCACの値よりも小さいか否かを判断
する。そして、継続時間CACの値が継続時間KCAC
の値以上である場合には、ECU51は上記と同様にス
テップ240の処理を実行し、その後処理を一旦終了す
る。継続時間CACの値が継続時間KCACの値よりも
小さい場合には、ECU51は処理をステップ235へ
移行する。
【0098】ステップ235において、ECU51は電
磁クラッチ26をオフしてコンプレッサ17をエンジン
1から切り離すことにより、空調カットを実行する。つ
まり、この実施例で、ECU51は燃料カットを実行し
た後、前回の空調カットから所定の禁止期間KCNRを
経過したときには、空調カットを所定の継続時間KCA
Cだけ実行する。この実施例でステップ235の処理を
実行するECU51は、本発明の第1の停止制御手段に
相当する。又、ステップ233の処理を実行するECU
51は、本発明の制御禁止手段に相当する。
【0099】続いて、ステップ236において、ECU
51は空調カットフラグYACTを「1」に設定し、そ
の後の処理を一旦終了する。上記のようにエンジン1の
減速時に燃料カットに関連して空調カットが実行され
る。ここで、上記制御に係る各種パラメータXACH,
NE,XFCI,YACT,CNRT,CACの挙動に
つき、その一例を図13のタイミングチャートに従い説
明する。ここでは、時刻t1〜t8の間でエンジン1の
減速が断続的に2回開始されるものとする。
【0100】今、時刻t1において、エンジン1が定常
運転状態で、空調装置16が作動し、冷房要求度合いが
小さく、空調カット後の経過時間CNRTに係る禁止期
間KCNRが短い所定値T3Sに設定され、更に空調カ
ットの継続時間CACに係る継続時間KCACが長い所
定値T2Lに設定されているとする。
【0101】その後、時刻t2において、冷房要求度合
いが大きくなり冷房要求フラグXACHが「0」から
「1」に変わると、経過時間CNRTに係る禁止期間K
CNRが短い所定値T3Sから長い所定値T3Lに変わ
り、継続時間CACに係る継続時間KCACが長い所定
値T2Lから短い所定値T2Sに変わる。
【0102】そして、時刻t3において、エンジン1の
減速が開始されると、燃料カットが開始されてそのフラ
グXFCIが「0」から「1」に変わる。ここでは、エ
ンジン回転速度NEの値が復帰回転速度NRTの値より
大きく、且つその上限値KNRGより小さく、経過時間
CNRTの値が禁止期間KCNRより大きく、且つその
継続時間CACの値が基準の継続時間KCACの値より
も小さい状態となっている。
【0103】この状態で、時刻t4において、エンジン
回転速度NEの値が復帰回転速度NRTの上限値KNR
Gを下回ると、空調カットが開始されてそのフラグYA
CTが「0」から「1」に変わる。又、空調カットの継
続時間CACのカウントが開始される。
【0104】そして、時刻t5において、上記の継続時
間CACの値がその基準の継続時間KCACの値に達す
ると、空調カットが中止されてそのフラグYACTが
「1」から「0」に変わり、空調カット後の経過時間C
NRTのカウントが開始される。又、燃料カットが中止
されてそのフラグXFCIが「1」から「0」に変わ
る。更に、復帰回転速度NRTがその上限値KNRGに
変わる。
【0105】その後、エンジン1が減速の後に加速さ
れ、時刻t6において再び減速が開始されたとする。こ
の時点では、燃料カットが開始されて燃料カットフラグ
XFCIが「0」から「1」に変わる。
【0106】そして、時刻t7において、エンジン回転
速度NEの値が復帰回転速度NRTの上限値KNRGを
下回る。このとき、空調カット後の経過時間CNRTの
値は禁止期間KCNRの値に達していないことから、空
調カットが行われることはなく、燃料カットだけが中止
されてそのフラグXFCIが「1」から「0」に変わ
る。
【0107】その後、時刻t8において、経過時間CN
RTの値がその禁止期間KCNRの値に達すると、復帰
回転速度NRTの値が基本復帰回転速度NRTBの値に
変わる。
【0108】以上説明したように、この実施例では、E
CU51はエンジン1の減速時に燃料カットを実行した
ときに、空調カットを一度実行すると共にその後の空調
カットを所定期間だけ禁止する。又、この実施例で、E
CU51は空調カット後に空調カットを禁止するための
禁止期間KCNR、即ち空調装置16の作動を許容する
期間の値を可変にすると共に、空調カットの継続時間K
CACの値を可変にする。そして、ECU51は上記禁
止期間KCNRの値を上記継続時間KCACの値に基づ
いて決定する。つまり、ECU51は上記継続時間KC
ACを短い所定値T2Sに設定するときには、上記禁止
期間KCNRを長い所定値T3Lに設定し、上記継続時
間KCACを長い所定値T2Lに設定するときには、上
記禁止期間KCNRを短い所定値T3Sに設定する。
【0109】従って、空調カットにより空調装置16が
停止される期間の長さに合わせてその空調カットが禁止
される期間を設定できることから、空調装置16による
冷房の効果、或いはエンジン1における燃費低減の効果
を選択的に優先させることが可能となる。即ち、空調カ
ットの継続時間KCACを短くし、燃料カットの禁止期
間KCNRを長くしたときには、空調装置16が相対的
に長い期間作動することになり、空調装置16による冷
房の効果を優先的に高めることかできる。一方、空調カ
ットの継続時間KCACを長くし、燃料カットの禁止期
間KCNRを短くしたときには、空調装置16が相対的
に短い期間作動することになり、エンジン1に対するコ
ンプレッサ17の負荷を低減することができて、エンジ
ン1の燃費低減の効果を一層向上させることができる。
【0110】加えて、この実施例では、両パラメータK
CAC,KCNRの値に関する上記のような設定を、冷
房の要求度合いの大きさに応じて変更している。従っ
て、冷房の要求度合いが大きいときには、空調カットの
実行を最小限に抑えることにより、空調装置16による
冷房効果を一層向上させることができる。一方、冷房の
要求度合いが小さいときには、空調カットを最大限に実
行することにより、エンジン1の実用燃費の低減を効果
的に図ることができる。この実施例のそれ以外の作用及
び効果は前記第1実施例のそれと同じである。
【0111】(第3実施例)次に、上記第1及び第5の
発明の内燃機関を駆動源とする空調装置の制御装置を自
動車に具体化した第3実施例を図14及び図15を参照
して説明する。
【0112】この実施例でECU51は第1及び第5の
発明における減速判断手段、燃料カット制御手段、第1
の停止制御手段、制御禁止手段、復帰制御手段、制御変
更手段及び第2の期間変更手段を構成する。この実施例
では、前記第1実施例とは異なり、ECU51は減速時
の燃料カットに伴い空調カットを実行したときに、その
後の空調カットを禁止する期間の長さに合わせて、燃料
カットから通常制御へ復帰するために基準とされるエン
ジン回転速度NEに係る復帰回転速度NRTの値を変更
する。その処理内容を以下に説明する。
【0113】図14はその復帰回転速度NRTの値を設
定するための「NRT設定ルーチン」を示すフローチャ
ートである。ECU51はこのルーチンを所定期間毎に
周期的に実行する。
【0114】ステップ300において、ECU51は空
調カットの有無を示す空調カットフラグYACTの値を
読み込む。ECU51はこのフラグYACTを別途の処
理ルーチンに従い設定する。
【0115】続いて、ステップ301において、ECU
51は空調カットフラグYACTが「0」であるか否か
を判断する。ここで、このフラグYACTが「1」であ
る場合には、空調カットが行われていることから、その
後の処理を一旦終了する。このフラグYACTが「0」
である場合には、空調カットが行われていないことか
ら、ECU51は処理をステップ302へ移行する。
【0116】ステップ302において、ECU51は前
回の空調カットフラグYACT0が「1」であるか否か
を判断する。ここで、このフラグYACT0が「0」で
ある場合には、前回から引き続いて空調カットが行われ
ていないことから、ECU51は処理をステップ303
へ移行する。
【0117】そして、ステップ303において、ECU
51は空調カット後の経過時間CNRTを「1」だけイ
ンクリメントする。更に、ステップ304において、E
CU51は現在の復帰回転速度NRTの値から所定値K
DEだけ減算し、その減算結果を新たな復帰回転速度N
RTの値として設定し、その後の処理を一旦終了する。
【0118】一方、ステップ302において、前回の空
調カットフラグYACT0が「1」である場合には、前
回まで実行されていた空調カットが今回中止されたこと
から、ECU51は処理をステップ305へ移行する。
【0119】そして、ステップ305において、ECU
51は経過時間CNRTを「0」にリセットする。更
に、ステップ306において、ECU51は上限値KN
RGを復帰回転速度NRTの値として設定する。その
後、ECU51は上記と同様にステップ303,304
の処理を実行してその後の処理を一旦終了する。
【0120】上記のようにECU51は燃料カットに係
る復帰回転速度NRTの値を設定する。この実施例で、
その他の処理内容に関する構成は前記第1実施例のそれ
と基本的に同じである。この実施例で上記の「NRT設
定ルーチン」を実行するECU51は、エンジン回転速
度NEが復帰回転速度NRTの値まで低下したときに、
エンジン1に対する燃料の供給を再開するものとし、そ
の復帰回転速度NRTの値を空調カットを禁止する所定
期間に応じて変更するための本発明の第2の期間変更手
段に相当する。
【0121】ここで、上記制御に係る各種パラメータN
E,NRT,XFCI,YACT,CNRTの挙動につ
き、その一例を図15のタイミングチャートに従って説
明する。ここでは、時刻t1〜t8の間でエンジン1の
減速が断続的に2回開始されるものとする。
【0122】時刻t1において、減速が開始されると、
燃料カットが開始されてそのフラグXFCIが「0」か
ら「1」に変わり、エンジン回転速度NEが低下し始め
る。その後、時刻t2において、エンジン回転速度NE
が復帰回転速度NRT、即ち高基準値NRONを下回る
と、空調カットが開始されてそのフラグYACTが
「0」から「1」に変わる。このとき、空調カット後の
経過時間CNRTはその上限値で一定になっているもの
とする。
【0123】続いて、時刻t3において、エンジン回転
速度NEが復帰回転速度NRT、即ち低基準値NROF
Fを下回ると、燃料カットから通常制御に復帰してその
フラグXFCIが「1」から「0」に変わる。
【0124】その後、時刻t4において、空調カットが
中止されてそのフラグYACTが「1」から「0」に変
わると、経過時間CNRTがリセットされてそのカウン
トアップが開始されると共に、復帰回転速度NRTがそ
の上限値KNRGにセットされてその減算が開始され
る。その後、エンジン1がアイドル状態の後に加速され
ると、エンジン回転速度NEが上昇する。
【0125】そして、時刻t5において、再びエンジン
1の減速が開始されると、燃料カットが開始されてその
フラグXFCIが「0」から「1」に変わり、エンジン
回転速度NEが低下し始める。
【0126】その後、時刻t6において、エンジン回転
速度NEが復帰回転速度NRT、即ち高基準値NRON
を下回ると、空調カットが開始されてそのフラグYAC
Tが「0」から「1」に変わる。
【0127】そして、時刻t7において、エンジン回転
速度NEが時刻t4から減算されてきた復帰回転速度N
RTの値を下回ると、燃料カットから通常制御に復帰し
てそのフラグXFCIが「1」から「0」に変わる。
【0128】その後、時刻t8において、空調カットが
中止されてそのフラグYACTが「1」から「0」に変
わると、経過時間CNRTがリセットされてそのカウン
トアップが開始されると共に、復帰回転速度NRTがそ
の上限値KNRGにセットされてその減算が開始され
る。
【0129】以上説明したように、この実施例では、E
CU51は減速時の燃料カットに伴い空調カットを実行
したときに、その後の空調カットを禁止する期間が長く
なるのに伴い、復帰回転速度NRTを値を低くしてい
る。
【0130】従って、前回の減速時における空調カット
から間もない中に再び減速が開始されて空調カットが禁
止される期間が短くなったときには、復帰回転速度NR
Tの値が相対的に高くなる。このため、燃料カットから
通常制御への復帰がより早期に行われて空調カットが行
われる期間がより短くなる。この結果、比較的短い間隔
で減速運転が繰り返されても、空調装置16による冷房
効果の悪化を極力抑えることができる。この実施例で
は、復帰回転速度NRTの値を減算するための所定値K
DEを適宜に設定することにより、空調装置16による
冷房効果を悪化させることなく最大限に燃料カットを実
行することができる。この実施例のそれ以外の作用及び
効果は前記第1実施例のそれと同じである。
【0131】(第4実施例)次に、上記第6の発明の内
燃機関を駆動源とする空調装置の制御装置を自動車に具
体化した第4実施例を図16及び図17を参照して説明
する。
【0132】この実施例でECU51は第6の発明にお
ける低下度合算出手段及び第2の停止制御手段を構成す
る。この実施例では、前記各実施例と異なり、ECU5
1は燃料カットの有無に拘らずエンジン回転速度NEの
低下度合いが大きいときだけ空調カットを実行する。そ
の処理内容を以下に説明する。
【0133】図16はエンジン1の運転状態に応じた空
調制御を実行するための「制御ルーチン」を示すフロー
チャートである。ECU51はこのルーチンを所定期間
毎に周期的に実行する。
【0134】ステップ400において、ECU51は回
転速度センサ36の検出値に基づきエンジン回転速度N
Eの値を読み込む。ステップ410において、ECU5
1はそのエンジン回転速度NEの値が空調カットを開始
するための開始基準値NEHよりも小さいか否かを判断
する。ここで、エンジン回転速度NEの値が開始基準値
NEH以上である場合には、ECU51はステップ48
0,490の処理を実行する。
【0135】即ち、ステップ480において、ECU5
1は空調装置16を作動させるために電磁クラッチ26
をオンさせる。ステップ490において、ECU51は
空調カットフラグYACTを「0」に設定し、その後の
処理を一旦終了する。
【0136】一方、ステップ410において、エンジン
回転速度NEの値が開始基準値NEHよりも小さい場合
には、ECU51はステップ420において、エンジン
回転速度NEの値に基づきその速度変化率DLNEの値
を算出する。ECU51はこの値を前回のエンジン回転
速度NEの値と今回のエンジン回転速度NEの値とを比
較することにより算出する。この実施例でステップ42
0の処理を実行するECU51は本発明の低下度合算出
手段に相当する。
【0137】続いて、ステップ430において、ECU
51は速度変化率DLNEの値が所定の判定値KDLN
E以上であるか否かを判断する。ここで、速度変化率D
LNEの値が判定値KDLNEよりも小さい場合には、
エンジン回転速度NEの低下度合いが小さいものとし
て、ECU51は上記ステップ480,490の処理を
実行し、その後の処理を一旦終了する。速度変化率DL
NEの値が判定値KDLNE以上である場合には、EC
U51は処理をステップ440へ移行する。
【0138】ステップ440において、ECU51は空
調カット中にカウントされる継続時間CACの値が所定
の判定値T4よりも小さいか否かを判断する。ECU5
1はタイマカウンタ56を使用してこの継続時間CAC
をカウントする。即ち、ECU51は空調カットを開始
したときにこの継続時間CACのカウントを開始し、空
調カットを中したときにその値を「0」にリセットす
る。ここで、継続時間CACの値が判定値T4よりも小
さい場合には、ECU51はステップ450,460の
処理を実行する。
【0139】即ち、ステップ450において、ECU5
1は電磁クラッチ26をオフすることにより空調装置1
6を停止させて空調カットを実行する。更に、ステップ
460において、空調カットフラグYACTを「1」設
定し、その後の処理を一旦終了する。
【0140】一方、ステップ440において、継続時間
CACの値が判定値T4以上である場合には、ECU5
1は処理をステップ470へ移行する。ステップ470
において、ECU51はエンジン回転速度NEの値が空
調カットから通常の空調制御へ復帰するための復帰基準
値NEL(NEL<NEH)以上であるか否かを判断す
る。ここで、エンジン回転速度NEの値が復帰基準値N
EL以上である場合には、空調カットを続行させるため
に、ECU51は上記したステップ450,460の処
理を実行し、その後の処理を一旦終了する。一方、エン
ジン回転速度NEの値が復帰基準値NELよりも小さい
場合には、空調装置16を作動させるために、ECU5
1は上記したステップ480,490の処理を実行し、
その後の処理を一旦終了する。
【0141】上記のようにECU51はエンジン回転速
度NEの低下度合いに応じて空調カットを実行する。こ
の実施例では、上記ステップ430〜470の処理を実
行するECU51は、本発明の第2の停止制御手段に相
当する。
【0142】ここで、上記制御に係る各種パラメータN
E,DLNE,YACT,CACの挙動につき、その一
例を図17のタイミングチャートに従って説明する。こ
の例では、燃料カットが実行されない条件下でエンジン
1が運転され、且つそのエンジン1によりコンプレッサ
17が駆動されて空調装置16が作動しているときを想
定する。そして、エンジン1の負荷が急激に増加したと
き、例えば、変速機がシフトダウンされたとき等を想定
する。
【0143】時刻t1において、エンジン1の負荷が急
激に増加すると、エンジン回転速度NEの低下度合いが
大きくなり、速度変化率DLNEの値が増大し、その値
が判定値KDLNEよりも大きくなる。
【0144】その後、時刻t2において、エンジン回転
速度NEの値が空調カットの開始基準値NEHを下回る
と、空調カットが開始されてそのフラグYACTが
「0」から「1」に変わる。又、空調カットの継続時間
CACのカウントが開始される。このとき、コンプレッ
サ17の負荷分だけエンジン1に対する負荷が低減され
ることから、その分だけ速度変化率DLNEの値が小さ
くなる。
【0145】そして、時刻t3において、継続時間CA
Cの値がその判定値T4に達する前に、エンジン回転速
度NEの値が空調カットの復帰基準値NELを下回る
と、空調カットが中止されてそのフラグが「1」から
「0」に変わる。これと同時に、継続時間CACの値が
「0」にリセットされる。その後、時刻t4において、
エンジン1の負荷が減少すると、エンジン回転速度NE
の低下度合いが小さくなり、速度変化率DLNEの値が
減少してその値が判定値KDLNEよりも小さくなる。
【0146】以上説明したように、この実施例では、エ
ンジン1の運転時に空調装置16はエンジン1を駆動源
として作動する。ここで、ECU51はエンジン回転速
度NEの低下度合い、即ち速度変化率DLNEの値がそ
の判定値KDLNEよりも大きいと判断したとき、空調
カットを強制的に実行するようにしている。
【0147】従って、この実施例では、燃料カットの有
無に拘らず、エンジン1に対する負荷が急激に増加して
エンジン回転速度NEの低下度合いが所定値よりも大き
くなったときだけ空調カットが行われる。このため、エ
ンジン回転速度がある基準値を下回ったときに空調装置
が一義的に停止されるような第2の従来例とは異なり、
この実施例では、エンジン回転速度NEが低下する度に
空調装置16が頻繁に停止することはない。その結果、
空調装置16が停止される回数を減らすことができ、空
調装置16による冷房効果の悪化を防止することができ
る。又、電磁クラッチ26をオン・オフさせる回数が減
ることから、そのクラッチ26の耐用性を高めることが
できる。
【0148】加えて、エンジン回転速度NEの低下度合
いが所定値よりも大きいときには、空調カットが実行さ
れてコンプレッサ17がエンジン1から切り離されるこ
とから、エンジン1に対する負荷が減少してその回転速
度NEの低下が緩やかになる。この結果、エンジンスト
ールの発生を回避することができる。又、エンジン回転
速度NEの急激な低下を抑えるために、即ちエンジンス
トールを回避するために、エンジン1に対する燃料の供
給量を増やすことによりアイドル回転速度の値を高く設
定する必要がなく、エンジン1の燃費の悪化を抑えるこ
とができる。
【0149】尚、この発明は次のような別の実施例に具
体化することもできる。以下の別の実施例でも前記各実
施例と同等の作用及び効果を得ることができる。 (1)前記第1〜第3の実施例では、燃料カットから通
常制御へ復帰するための制御を、空調カットの有る無し
に応じて復帰のための各基準値NRON,NROFFを
選択的に使用するようにした。これに対して、燃料カッ
トから通常制御へ復帰するための制御を、空調カットの
有る無しに応じて復帰の際に噴射される燃料の増量値の
大小を選択的に使用するようにしてもよい。
【0150】(2)前記第4実施例では、速度変化率D
LNEの値を単に所定の判定値KDLNEと比較するこ
とにより、エンジン回転速度NEの低下度合いを判断す
るようにした。これに対し、判定値KDLNEの大きさ
を自動車の走行速度の違いや、自動変速機と手動変速機
との違いに応じて変更するようにしてもよい。この場
合、エンジン回転速度NEの低下度合いをより正確に判
断することができる。
【0151】(3)前記第4実施例では、空調カットの
実行を制御するための開始基準値NEH及び復帰基準値
NELを一定値としたが、それら開始基準値NEH及び
復帰基準値NELを自動車の走行速度の違いや、自動変
速機と手動変速機との違いに応じて変更するようにして
もよい。
【0152】この場合、エンジンに対する負荷の違いに
応じてより円滑に空調カットを実行することができる。 (4)前記各実施例では、第1〜第6の発明をガソリン
エンジンシステムにそれぞれ具体化したが、各発明をデ
ィーゼルエンジンシステムにそれぞれ具体化することも
できる。
【0153】(5)前記各実施例では、冷房を主体とし
た空調装置16に具体化したが、暖房を主体とした空調
装置に具体化することもできる。この場合、空調装置に
よる空調効果は暖房効果となる。
【0154】更に、上記各実施例には、特許請求の範囲
に記載した技術的思想に係る次のような各種の実施態様
が含まれることを以下にその効果と共に記載する。 (イ)請求項2に記載の第2の発明において、前記禁止
期間決定手段は前記空調装置を停止させる期間が短いと
きに、前記空調装置の停止を禁止する期間が長くなるよ
うに決定する。
【0155】この構成によれば、内燃機関の減速時に空
調装置を作動させる期間が総合的に長くなり、空調装置
による空調効果を一層向上させることができる。 (ロ)請求項6に記載の第6の発明において、前記第2
の停止制御手段は前記回転速度の低下度合いを判断する
ための所定値を自動車の走行速度や変速機の違いに応じ
て変更する。
【0156】この構成によれば、内燃機関に対する負荷
の違いに応じてその回転速度の変化度合いをより正確に
判断することができる。
【0157】
【発明の効果】請求項1に記載の第1の発明によれば、
内燃機関の減速時に燃料カットが実行されたときに、空
調カットを一度行いその空調カットの後に所定期間だけ
空調カットの実行を禁止するようにしている。従って、
減速時に燃料カットが実行されたときには、内燃機関に
加わる空調装置の負荷が低減される。空調カットが一度
行われた後は空調カットが所定期間禁止されることか
ら、空調装置が長期間停止されることはない。その結
果、内燃機関の減速時には、内燃機関の燃費の悪化を防
止し、併せて空調装置による空調効果を良好に維持する
ことができるという効果を発揮する。
【0158】請求項2に記載の第2の発明によれば、第
1の発明において、空調カットが禁止される所定期間を
その空調カットが行われる期間に基づいて決定するよう
にしている。従って、上記両期間を所定の関係をもって
適宜に設定することが可能となり、空調装置による空調
効果、或いは内燃機関の燃費低減の効果を選択的に優先
させることが可能となる。その結果、第1の発明の作用
及び効果に加え、空調装置による空調効果、或いは内燃
機関の燃費低減の効果を選択的により一層向上させるこ
とができるという効果を発揮する。
【0159】請求項3に記載の第3の発明によれば、第
1の発明において、空調カットの有無に応じて燃料カッ
トからの復帰を制御するようにしている。従って、減速
時には内燃機関に対する空調装置の負荷の有無に応じて
燃料の供給が制御されることになり、内燃機関の運転の
ために無駄な燃料が使用されることはない。その結果、
第1の発明の作用及び効果に加えて、内燃機関の燃費低
減の効果をより一層向上させることができるという効果
を発揮する。
【0160】請求項4に記載の第4の発明によれば、第
1又は第2の発明において、内燃機関の減速時には、空
調の要求度合いに応じて空調カットが行われる期間が変
更される。その結果、第1又は第2の発明の作用及び効
果に加えて、空調の要求度合いが大きいときには、空調
装置による空調効果を一層向上させることができ、空調
の要求度合いが小さいときには、内燃機関の実用燃費の
低減を効果的に図ることができるという効果を発揮す
る。
【0161】請求項5に記載の第5の発明によれば、第
3の発明において、内燃機関の回転速度が所定値まで低
下したときに燃料カットからの復帰を制御し、その所定
値を空調カットを禁止する期間に応じて変更するように
している。従って、空調カットを禁止する期間が短いと
きに上記所定値を高く設定することにより、燃料カット
からの復帰がより早期に行われ、空調カットが行われる
期間がより短くなる。その結果、第3の発明の作用及び
効果に加え、比較的短い間隔で内燃機関の減速が繰り返
されても、空調装置による空調効果の悪化を極力抑える
ことができるという効果を発揮する。
【0162】請求項6に記載の第6の発明によれば、内
燃機関の回転速度の低下度合いが所定値よりも大きいと
に空調カットを行うようにしている。従って、回転速度
の低下度合いが大きいときだけ空調カットが行われるこ
とから、回転速度が低下する度に空調カットが頻繁に行
われることはない。又、回転速度の低下を抑えるために
内燃機関に対する燃料の供給量を増やす必要がない。そ
の結果、内燃機関の負荷の急増に対処し、内燃機関の燃
費の悪化を防止し、併せて空調装置による空調効果を良
好に維持することができるという効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1及び第4の発明に係る基本概念構成図。
【図2】 第2及び第4の発明に係る基本概念構成図。
【図3】 第3の発明に係る基本概念構成図。
【図4】 第5の発明に係る基本概念構成図。
【図5】 第6の発明に係る基本概念構成図。
【図6】 ガソリンエンジンシステム及び空調装置を示
す概略構成図。
【図7】 ECUのブロック構成図。
【図8】 第1実施例に係り「制御ルーチン」を示すフ
ローチャート。
【図9】 同じく各種パラメータの挙動を示すタイミン
グチャート。
【図10】 第2実施例に係り「冷房要求度合判定ルー
チン」を示すフローチャート。
【図11】 同じく「NRT設定ルーチン」を示すフロ
ーチャート。
【図12】 同じく「制御ルーチン」を示すフローチャ
ート。
【図13】 同じく各種パラメータの挙動を示すタイミ
ングチャート。
【図14】 第3実施例に係り「NRT設定ルーチン」
を示すフローチャート。
【図15】 同じく各種パラメータの挙動を示すタイミ
ングチャート。
【図16】 第4実施例に係り「制御ルーチン」を示す
フローチャート。
【図17】 同じく各種パラメータの挙動を示すタイミ
ングチャート。
【図18】 従来例の装置を示す概略構成図。
【符号の説明】
1…内燃機関としてのエンジン、5…燃料供給手段を構
成するインジェクタ、16…空調装置、17…コンプレ
ッサ、26…電磁クラッチ(17,26は空調装置を構
成する)、33…スロットルセンサ、35…水温セン
サ、36…回転速度センサ(33,35,36は運転状
態検出手段を構成する)、51…ECU(51は減速判
断手段、燃料カット制御手段、第1の停止制御手段、制
御禁止手段、禁止期間決定手段、復帰制御手段、制御変
更手段、第1の期間変更手段、第2の期間変更手段、低
下度合算出手段及び第2の停止制御手段を構成する)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 亨 愛知県大府市共和町一丁目1番地の1 愛 三工業 株式会社内 (72)発明者 仙田 正典 愛知県大府市共和町一丁目1番地の1 愛 三工業 株式会社内 (72)発明者 竹内 克直 愛知県大府市共和町一丁目1番地の1 愛 三工業 株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料供給手段により燃料が供給されるこ
    とにより運転される内燃機関を含み、その内燃機関を駆
    動源とする空調装置を前記内燃機関の運転状態に応じて
    制御するようにした空調装置の制御装置であって、 前記内燃機関の回転速度を一つのパラメータとして含む
    運転状態を検出するための運転状態検出手段と、 前記内燃機関が減速状態にあることを前記運転状態検出
    手段の検出結果に基づいて判断するための減速判断手段
    と、 前記内燃機関が減速状態にあると前記減速判断手段が判
    断したときに、前記内燃機関に対する燃料の供給を強制
    的にカットするために前記燃料供給手段を制御するため
    の燃料カット制御手段と、 前記燃料カット制御手段により燃料の供給がカットされ
    たときに、前記内燃機関との間の駆動連結を切り離すこ
    とにより前記空調装置を強制的に停止するための第1の
    停止制御手段と、 前記燃料カット制御手段により燃料の供給がカットされ
    た後に、前記第1の停止制御手段による前記空調装置の
    停止を所定期間だけ禁止するための制御禁止手段とを備
    えたことを特徴とする内燃機関を駆動源とする空調装置
    の制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の内燃機関を駆動源とす
    る空調装置の制御装置において、 前記制御禁止手段が前記空調装置の停止を禁止するため
    の前記所定期間を、前記第1の停止制御手段が前記空調
    装置を停止する期間に基づいて決定するための禁止期間
    決定手段を備えたことを特徴とする内燃機関を駆動源と
    する空調装置の制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の内燃機関を駆動源とす
    る空調装置の制御装置において、 前記燃料カット制御手段により燃料の供給がカットされ
    た後に、その燃料カットから復帰して前記内燃機関に対
    する燃料の供給を再開するために前記燃料供給手段を制
    御するための復帰制御手段と、 前記復帰制御手段による制御を前記第1の停止制御手段
    による前記空調装置の停止の有無に応じて変更するため
    の制御変更手段とを備えたことを特徴とする内燃機関を
    駆動源とする空調装置の制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1又は請求項2に記載の内燃機関
    を駆動源とする空調装置の制御装置において、 前記制御禁止手段が前記空調装置の停止を禁止するため
    の所定期間、又は前記第1の停止制御手段が前記空調装
    置を停止する期間を前記空調装置に対する空調の要求度
    合いに応じて変更するための第1の期間変更手段を備え
    たことを特徴とする内燃機関を駆動源とする空調装置の
    制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の内燃機関を駆動源とす
    る空調装置の制御装置において、 前記復帰制御手段は前記運転状態検出手段により検出さ
    れる前記回転速度が所定値まで低下したときに、前記内
    燃機関に対する燃料の供給を再開するものとし、その所
    定値を前記制御禁止手段が前記第1の停止制御手段によ
    る前記空調装置の停止を禁止するための所定期間に応じ
    て変更する第2の期間変更手段を備えたことを特徴とす
    る内燃機関を駆動源とする空調装置の制御装置。
  6. 【請求項6】 燃料供給手段により燃料が供給されるこ
    とにより運転される内燃機関を含み、その内燃機関を駆
    動源とする空調装置を前記内燃機関の運転状態に応じて
    制御するようにした空調装置の制御装置であって、 前記内燃機関の回転速度を一つのパラメータとして含む
    運転状態を検出するための運転状態検出手段と、 前記内燃機関の回転速度に係る低下度合いを前記運転状
    態検出手段の検出結果に基づいて算出するための低下度
    合算出手段と、 前記回転速度の低下度合いが所定値よりも大きいと前記
    低下度合算出手段の算出結果に基づいて判断したとき、
    前記内燃機関との間の駆動連結を切り離すことにより前
    記空調装置を強制的に停止するための第2の停止制御手
    段とを備えたことを特徴とする内燃機関を駆動源とする
    空調装置の制御装置。
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