JPH08294752A - 溶融金属および合金の少量供給制御方法および装置 - Google Patents

溶融金属および合金の少量供給制御方法および装置

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JPH08294752A
JPH08294752A JP26157795A JP26157795A JPH08294752A JP H08294752 A JPH08294752 A JP H08294752A JP 26157795 A JP26157795 A JP 26157795A JP 26157795 A JP26157795 A JP 26157795A JP H08294752 A JPH08294752 A JP H08294752A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体急冷法の溶融金属の供給制御において、
10kg/分のオーダーの少量供給を、安価、かつ生産量
がトンのオーダーと長時間鋳造となる場合でも、これを
可能とする制御方法および装置を提供する。 【解決手段】 片側に注湯用ノズルを有し、このノズル
側を支点として傾動可能な容器を取鍋とタンディッシュ
間に設置し、取鍋内の溶融金属を供給する際、溶融金属
にこの容器を経由させ、この容器を傾動させて溶融金属
の一部をタンディッシュに供給し、残部はこの容器に貯
めることにより、溶融金属を少量ずつタンディッシュに
供給することを特徴とする溶融金属の少量供給制御方法
および装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、溶融金属および
合金(以下、単に溶融金属と称す)を移動する冷却基板
上で急冷凝固して、線および薄い帯状の金属および合金
(以下、単に薄帯と称す)を得る液体急冷法において、
溶融金属の供給量を制御する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】薄帯を製造するための液体急冷法とし
て、例えば、1つの高速回転している冷却ロール上に溶
融金属を供給して薄帯を得る、いわゆる単ロール法や、
一対の高速回転している冷却ロール間に溶融金属を供給
して薄帯を得る双ロール法などがある。
【0003】液体急冷法により薄帯を形成する方法にお
いて、例えば図3に示す単ロール急冷凝固薄帯製造装置
を用いる場合を例にして説明する。図3において、溶融
金属4は、その湯面レベルが一定になるようにタンディ
ッシュ3に給湯されている。このタンディッシュ3の底
壁には羽口レンガ13が設けられており、この羽口レン
ガ13に中間ノズル14およびノズルホルダー15が連
結されている。
【0004】これらの羽口レンガ13、中間ノズル14
およびノズルホルダー15の内部に孔が設けられてお
り、この孔が接続されて溶湯流路16、ノズルホルダー
15内の拡大内部空間20となる。また、ノズルホルダ
ー15の先端にはノズルチップ17が取り付けられてお
り、このノズルチップ17の内部に設けたノズルスリッ
ト18が溶湯流路16に連通している。
【0005】なお、ノズルホルダー15内の拡大内部空
間20、ノズルチップ17さらにノズルスリット18に
ついては図4にて示すが、拡大内部空間20とは広幅の
薄帯を得るためにノズルホルダー15内で溶湯流路16
を広げた部分を指し、ノズルスリット18とはノズルチ
ップ17中に設けた溶湯噴出用の開口を指す。
【0006】タンディッシュストッパー19を上昇させ
ることによって、タンディッシュ3内の溶融金属4は、
溶湯流路16を経由してノズルスリット18から冷却ロ
ール10に向けて流出する。このとき、タンディッシュ
3内の溶湯静圧に応じて、ノズルスリット18から冷却
ロール10に向けて流出する溶融金属の流量が制御され
る。ノズルスリット18から流出した溶融金属4は、冷
却ロール10の表面で急速に冷却されて薄帯12とな
る。なお、図3において、装置全体に関する理解を容易
にするため、冷却ロール10はタンディッシュ3の縮尺
率よりも大きな縮尺率で描かれている。
【0007】いずれの方法であっても、液体急冷法によ
り得られる薄帯の板厚は、例えば1mm未満と小さく、冷
却速度としては102 K/秒以上である。単ロール法に
おいては、原理的に良好な薄帯を得るために、その板厚
にはこのような制限がある。一方、双ロール法では、1
mm以上の板厚の薄帯の製造も、製造因子を制御すること
により不可能ではないが、本発明で対象としている液体
急冷法は、単に薄い材料を製造するだけではなく、急冷
凝固により機能性、特性の改善を目的とする場合、すな
わち冷却速度が102 K/秒以上の場合、板厚を用いて
示すと板厚が1mm未満の薄帯を製造する場合に限定す
る。
【0008】急冷凝固法において1mm未満の薄帯を製造
する場合、例えば、従来の凝固技術である普通造塊法や
連続鋳造法に比較して、各種の製造因子における制約条
件に差異が生じてくる。その中でも大きく異なる制約条
件として、溶融金属の供給量が挙げられる。すなわち、
例えば一般に採用されている鋼などの連続鋳造法の場
合、鋳型に供給できる溶融金属の量は、例えば鋼の場
合、数トン/分程度であり、さらに、普通造塊法ではそ
れ以上の供給も可能である。
【0009】これに対して、本発明で対象にしている液
体急冷法においては、10kg/分のオーダーと、かなり
供給量を少なくしなければならない。これは、前述した
ように、液体急冷法で冷却速度で102 K/秒以上と制
限したことによる。例えば、単ロール法で通常製造され
る薄帯の板厚は0.1mm程度である。この場合の冷却ロ
ールの周速はおよそ5m/秒で、薄帯の板幅は広くても
せいぜい200mm程度であるから、例えば鉄を主成分と
すると、その溶融金属の供給量はおよそ50kg/分程度
に制御しなければならない。
【0010】液体急冷法により工業的規模で薄帯を生産
する場合、この溶融金属の供給量を少なく制御すること
が重要な課題となる。例えば鋼の連続鋳造法の場合、溶
融金属を保持した取鍋からタンディッシュを介して鋳型
に溶融金属を供給するが、この際、溶融金属供給量の制
御には、取鍋底部のノズル孔に取り付けたストッパーを
用いる方式が採用されている。先に述べた通り、連続鋳
造法の場合は数トン/分と、かなりの量を供給できるこ
とから、このようなストッパー方式を採用することで、
容易に供給量を制御することが可能であった。
【0011】一方、本発明で対象としている液体急冷法
の場合、溶融金属の供給量を10kg/分のオーダーに抑
えなければならないことから、前述のようなストッパー
方式を採用することは困難であった。すなわち、原理的
にはストッパーとノズル孔との隙間を、例えば数mm以下
にすれば、溶融金属の供給量を10kg/分のオーダーに
抑えられると考えられるが、実際には装置のガタなどが
存在することから、このような小さい隙間を維持するの
はほとんど不可能であった。
【0012】このようなストッパー方式で供給を制御で
きるのは、せいぜい数100kg/分程度である。よっ
て、液体急冷法により工業的に薄帯を製造するために
は、溶融金属の供給量を10kg/分のオーダーに抑えら
れる制御方法および装置の開発が望まれていた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】液体急冷法における溶
融金属の少量供給を実現するために、本出願人は特開昭
59−042161号公報記載の方法を提案した。この
方法は、サイホンの原理を応用した方法で、図5に示す
ように、取鍋2とタンディッシュ3の間に溶融金属4を
通過させるためのサイホン管21を配し、サイホン管2
1の上部に取り付けた真空排気装置(図示せず)を用い
て、サイホン管21の内部の空気を抜くと、サイホン管
21の内部に溶融金属4が充填される。
【0014】その後、昇降装置22を用いて取鍋2を上
下することにより、タンディッシュ3への溶融金属4の
供給量を制御する方法である。この方法によって取鍋2
の上昇量を小さくすることにより、タンディッシュ3へ
の溶融金属4の少量供給が可能となった。
【0015】しかしながら、この方法には製造コスト面
や生産性においてやや問題があり、さらに改善が必要と
されていた。つまり、用いるサイホン管の材質などに制
限があったことなどからコストが嵩んだり、サイホン管
の寿命の点からも問題があって、1チャージ当りの生産
量がトンのオーダーとなると、この方法を採用すること
は困難であった。
【0016】本発明の目的は、液体急冷法の溶融金属の
供給制御において存在していたこのような問題を解決
し、例えば前記特開昭59−042161号公報記載の
サイホン方式に代わる、10kg/分のオーダーの少量供
給を、安価に、かつ生産量がトンのオーダーと長時間鋳
造となる場合でも、これを可能とする制御方法を提供す
ることにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本出願人は、特開昭60
−056449号公報にて、タンディッシュへ供給する
溶融金属の量を一定化する方法を提案した。この方法
は、例えば前記特開昭59−042161号公報記載の
サイホン方式で、既に10kg/分のオーダーに少量流量
制御されて供給されたタンディッシュ内の溶融金属のレ
ベルを一定とすることにより、製品の板厚を一定にする
ことを実現するための方法で、揺動自在にした液体槽を
取鍋とタンディッシュ間に配置し、タンディッシュに供
給される溶融金属の変動量をこの液体槽を揺動すること
により調整して、タンディッシュに供給される溶融金属
の量を一定化する方法である。
【0018】この方法は、タンディッシュへの溶融金属
の少量供給を実現するために、例えば前述の特開昭59
−042161号公報記載のサイホン方式に代わる方法
として考え出された方法ではないが、本発明者はこの方
法を応用し、さらに実験を重ねた結果、新たにタンディ
ッシュへの溶融金属の少量供給を可能とする方法を見い
出し、本発明を完成するに至った。
【0019】本発明は、以下の構成を要旨とする。 (1) 溶融金属および合金を、高速で移動する冷却基
板上で急冷凝固する液体急冷法で線および薄い帯状の金
属および合金を製造する際の溶融金属および合金の供給
制御方法において、片側の底部に注湯用ノズルを有し、
この注湯用ノズル側を支点として傾動可能な容器を、溶
融金属および合金を供給する側の取鍋と、受給側のタン
ディッシュとの間に設置し、前記取鍋から前記タンディ
ッシュに溶融金属および合金を供給する際に、前記取鍋
から供給される溶融金属および合金の一部を、前記容器
を介して前記タンディッシュへ供給すると同時に、残り
の前記取鍋から供給される過剰な溶融金属および合金
は、前記容器を傾動させることによって前記容器に溜
め、前記容器に所定量溜まったら、前記取鍋からの溶融
金属または合金の供給を停止し、それと同時に、前記容
器を、これまでとは反対の方向に傾動して、溶融金属お
よび合金をこれまでと同じ量だけ前記タンディッシュに
供給することを継続し、次に、前記容器中の溶融金属お
よび合金が少なくなったら、前記取鍋からの溶融金属お
よび合金の供給を再開する、一連の操作を、前記取鍋中
の溶融金属または合金がなくなるまで繰り返すことによ
り、前記取鍋中の溶融金属および合金を少量ずつ、継続
して前記タンディッシュに供給することを特徴とする、
溶融金属および合金の少量供給制御方法。
【0020】(2) 溶融金属および合金を、高速で移
動する冷却基板上で急冷凝固する液体急冷法で線および
薄い帯状の金属および合金を製造する際の溶融金属およ
び合金の供給を制御する装置において、片側の底部に注
湯用ノズルを有し、この注湯用ノズル側を支点として傾
動可能な容器を、溶融金属および合金を供給する側の取
鍋と、受給側のタンディッシュとの間に設置したことを
特徴とする、溶融金属および合金の少量供給制御装置。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に、本発明について、図1に
示す模式図を用いて説明する。図1に示すように、本発
明の装置は、溶融金属4を供給する側の取鍋2と受給側
のタンディッシュ3との間に、傾動可能な容器(以下、
単に傾動容器と称す)1を設置したもので、本発明の方
法は、この装置を用い、取鍋2から供給される溶融金属
4を、一旦この傾動容器1に受け、取鍋2から供給され
る溶融金属4の一部の少量を、傾動容器1の端部にある
注湯用ノズル1Aからタンディッシュ3へ供給し、同時
に、取鍋2から傾動容器1に供給される過剰な溶融金属
4は、傾動容器1を例えば支持架台7の端部7Aを支点
として傾動することによって、傾動容器1に溜める。
【0022】なお、この傾動容器1の傾動の仕方は、例
えば支持架台7の注湯用ノズル1Aとは反対側を、例え
ば水平支持架台8で支持し、この水平支持架台8を、例
えばシリンダー9を用いて昇降させるとよい。また、取
鍋2から傾動容器1への溶融金属4の供給は、例えば図
1のように取鍋2に取鍋ストッパー5およびロングノズ
ル6を設け、取鍋ストッパー5を解放することにより行
う。
【0023】さらに、タンディッシュ3で受給した溶融
金属4は、高速で回転する冷却ロール10の表面に供給
されて薄帯12が得られる。また、傾動容器1の上部に
は、溶融金属4の表面でのスラグの発生を防止するよ
う、空気との接触を避けるために、例えば断気用蓋11
を設けたり、さらには不活性ガスを断気用蓋11と傾動
容器1の間に吹き込んでもよい。
【0024】本発明について図2に示す模式図を用い
て、さらに具体的に説明する。図2は、本発明の方法の
時間経過に伴っての状態を示す模式図である。図2の
(1)には、取鍋2から溶融金属4を供給し始めたとき
の様子を示すが、この図に示すように、取鍋2からの溶
融金属4の供給は、取鍋ストッパー5を解放することに
よって開始される。
【0025】取鍋ストッパー5が解放されると同時に、
溶融金属4はロングノズル6を通って傾動容器1に供給
される。そして、傾動容器1に供給された溶融金属4の
一部は、傾動容器の端部に取り付けられた注湯用ノズル
1Aを介して、タンディッシュ3へ供給される。
【0026】このとき、取鍋2から供給される溶融金属
4の量は、ストッパー方式での制御限界から、100kg
/分のオーダーである。また、注湯用ノズル1Aを介し
てタンディッシュ3へ供給される溶融金属4の量は、1
0kg/分のオーダーとする。両者の差に相当する過剰な
溶融金属4は、傾動容器1の支持架台7の端部7Aを支
点として、傾動容器1を下に傾動することにより、傾動
容器1内に溜める。つまり、取鍋2から供給される溶融
金属4のうち、およそ1割程度は注湯用ノズル1Aを介
してタンディッシュ3に供給し、残りおよそ9割程度の
溶融金属4は、傾動容器1を傾動することにより傾動容
器1内に溜める。
【0027】こうすることにより、タンディッシュ3へ
の溶融金属4の少量供給が実現できる。しばらくの間こ
の状態を維持することにより、図2の(2)に示すよう
に、傾動容器1内には溶融金属4が溜まっていく。もち
ろん、この間タンディッシュ3への溶融金属4の少量供
給は継続する。
【0028】そして、溶融金属4を傾動容器1に溜めら
れるだけ溜めたら、図2の(3)に示すように、取鍋ス
トッパー5を降ろし、取鍋2からの溶融金属4の供給を
停止する。さらに、図2の(4)に示すように、しばら
くは取鍋2からの溶融金属4の供給を止めたままで、傾
動容器1を今度は反対の方向に傾動して、これまでと同
じ量だけの溶融金属4をタンディッシュ3へ、注湯ノズ
ル1Aを介して供給する。
【0029】その後、傾動容器1内に溶融金属4が少な
くなったら、つまり、傾動容器1から10kg/分のオー
ダーの溶融金属4をタンディッシュ3に供給できなくな
る直前に取鍋ストッパー5を解放し、取鍋2からの溶融
金属4の供給を再開し、図2の(1)に示すような状態
に戻す。
【0030】以上のような操作を、取鍋2内の溶融金属
4がなくなるまで継続して行うことにより、取鍋2内の
溶融金属4を全量、少量ずつタンディッシュ3へ供給す
ることが可能となる。なお、取鍋から溶融金属を供給す
る方法として、ロングノズルを用いる方法を例にとって
述べたが、本発明の方法においては、取鍋から溶融金属
を供給する方法については特に限定せず、この方法以外
に、例えば取鍋から傾注によって溶融金属を供給する方
法も採用できる。
【0031】また、本発明の方法および装置において
は、タンディッシュと冷却ロールの位置関係についても
特に限定しない。つまり、冷却ロールに対してタンディ
ッシュを横に置く場合を用いて説明したが、タンディッ
シュの位置は冷却ロールの直上や斜めの位置になっても
構わない。
【0032】但し、タンディッシュの位置が変わって
も、ノズルスリットが冷却ロールの面に対向するよう
に、タンディッシュの位置に応じてタンディッシュの羽
口、中間ノズル、ノズルホルダーなどの位置を変える必
要がある。さらに、これまでタンディッシュを用いる場
合についてのみ述べたが、タンディッシュを用いず、傾
動容器から冷却ロール上に直接、溶融金属を供給する場
合も本発明に含まれる。
【0033】本発明で用いる傾動容器の構造は、例えば
厚い鋼板を用いて作製した容器の内部にモルタルやセメ
ントを、厚さが例えば20mm程度になるように塗布した
ものなどが好ましい。モルタルやセメントの材質につい
ては特に限定しないが、耐熱性、耐火性に優れたものが
好ましい。この傾動容器を実際に使用する際は、バーナ
ーなどにより内部のモルタルやセメントを充分乾燥、予
熱させて用いるとよい。なお、この傾動容器の好ましい
寸法については、実施例にて詳しく述べる。
【0034】本発明に適用し得る金属は、非晶質になり
易い合金や、圧延などの加工が困難な金属および合金の
場合に特に利点が大きいが、これらに限定されるもので
はなく、各種の溶融金属からの薄帯の製造に適用可能で
ある。
【0035】また、本発明において採用される基本的な
製造装置は、既に述べたように溶融金属をノズルを介し
て冷却基板の上に噴出し、熱的接触によって急冷凝固さ
せる液体急冷装置のうち、いわゆる単ロール装置および
双ロール装置である。単ロール装置には、ドラムの内壁
を使う遠心急冷装置やエンドレスタイプのベルトを使う
装置や、これらの改良型、例えば補助ロールや、ロール
表面温度制御装置を付属させたもの、あるいは減圧下な
いし真空中または不活性ガス中での鋳造も含まれる。
【0036】次に、本発明の方法において採用される鋳
造条件および具体的な鋳造の作業について説明する。溶
融金属の噴出圧力は0.01〜3kg/cm2 で、主にタン
ディッシュ内の湯面高さを用いて制御する。冷却ロール
の回転速度(表面速度)は5〜60m/秒の範囲であ
る。これらの条件は目的とする薄帯の板厚やその他の製
造条件に合わせて最適な値を選択する。
【0037】
【実施例】図3に示すような単ロール薄帯製造装置を用
いて、Fe−B12−Si6.5 −C1 (原子%)合金薄帯
の製造を行った。合金の溶解は、図1に示すような、取
鍋ストッパーおよびロングノズル付きの取鍋を用いた。
溶解後の溶融合金は、図1に示すような傾動容器を経由
させて、タンディッシュへと誘導した。なお、合金の溶
解は、取鍋内に取り付けた高周波誘導方式によった。
【0038】用いた傾動容器の内部の寸法は、底部が7
00mm×400mmの長方形状で、高さが400mmであっ
た。この容器の材質は、底部にジルコン−ロウ石質の敷
レンガを配し、その上に側壁の最外郭を鉄皮とし、その
内側はジルコン−ロウ石キャスタブルとした。さらに、
この容器の内側にマグネシア質のコーティング材を塗布
した。
【0039】この容器には、長手方向の端部から50mm
だけ内側に入った奥行き方向での中央部に、アルミナ−
カーボン質のノズルを取り付けた。ノズルの形状は、外
径80mm、内径40mmで、長さは容器の底の外側から5
00mmとした。
【0040】鋳造実験前に、この容器を、図1の7に示
すような、鉄皮内にジルコン−ロウ石を20mm程度塗布
した支持架台の上に乗せた。なおこの支持架台には、傾
動容器の注湯ノズルを通すための90mmの穴を設けた。
さらに、図1に示すように、傾動容器の注湯ノズルを取
り付けた側の、長手方向での反対側を水平支持架台に乗
せ、この水平架台を油圧シリンダーとつないだ。
【0041】このようにした傾動容器を、予め、注湯ノ
ズルがタンディッシュ内に収まるような位置に配置し、
支持架台の注湯ノズル側を固定した。固定の仕方は、水
平架台の注湯ノズル側にパイプを貫通させ、このパイプ
を両側で固定する方法を採った。
【0042】取鍋での合金の溶解を開始すると同時に、
傾動容器およびタンディッシュをガスバーナーを用いて
予熱した。合金が溶解した後、ガスバーナーでの予熱を
停止し、油圧シリンダーを制御して、傾動容器の底部の
レベルが水平となるようにし、取鍋を傾動容器上に移動
させて、取鍋ストッパーを解放し、ロングノズルを介し
て溶融合金の供給を開始した。
【0043】なお、このとき、タンディッシュストッパ
ーは閉めたままとした。また、取鍋からの溶融合金の供
給量はおよそ600kg/分とし、この程度の流量になる
ように、ロングノズル径および取鍋ストッパーの上昇ス
トローク長さなどを予め調整した。
【0044】傾動容器をしばらくそのままにし、タンデ
ィッシュ内に供給された溶融合金の湯面高さが250mm
となったところで、タンディッシュストッパーを解放
し、溶融合金を回転する冷却ロール上に噴出した。タン
ディッシュストッパーを解放したと同時に、油圧シリン
ダーを用いて傾動容器を下降させた。なお、このときの
油圧シリンダーの下降速度は11mm/秒であった。
【0045】傾動容器の下降を開始してから10秒後に
取鍋ストッパーを閉め、取鍋からの溶融合金の供給を停
止した。そして、取鍋ストッパーを閉めたと同時に、今
度は傾動容器を上昇させた。なお、傾動容器を上昇させ
た際の、油圧シリンダーの上昇速度は1.1mm/秒であ
った。傾動容器の上昇は95秒間継続して行った。
【0046】その後は、これまでの操作を取鍋内の溶融
合金がなくなるまで繰り返し、最後に、傾動容器の溶融
合金が無くなるまで、1.1mm/秒の速度で傾動容器を
上昇させた。そして、タンディッシュ内に溶融合金が無
くなった時点で、冷却ロールを止め、薄帯の製造を終了
した。
【0047】なお、その他の製造条件については下記の
通りであった。 注湯時の取鍋内溶融合金温度:1350℃ ノズル開口形状:120mm×0.7mmの矩形状スリット
を1.5mm間隔に2本並べた開口 鋳造時の冷却ロールの表面速度 :20m/s ノズルと冷却ロールとのギャップ:0.3mm
【0048】結果として、幅がおよそ120mmの薄帯が
得られた。得られた薄帯から長手方向で間隔を均等とし
た5箇所の位置で、それぞれ長さ20mmのサンプルを採
取し、それらの重量を測定した。その結果、いずれのサ
ンプルともおよそ0.9kgであった。
【0049】採取した20mのサンプルは、1秒間に製
造された薄帯の量であるから、タンディッシュに供給さ
れた溶融合金の量は、およそ54kg/分であったことに
なる。得られた薄帯は、板厚がおよそ50μmで、磁気
的性質、機械的性質とも良好な薄帯であった。以上の結
果から、傾動容器を用いることにより、10kg/分のオ
ーダーでの溶融合金の少量供給が可能となることがわか
った。
【0050】
【発明の効果】本発明により、単ロール法などの液体急
冷法において、安価に、かつ生産量がトンのオーダーと
長時間鋳造となる場合でも、10kg/分のオーダーでの
溶融金属の少量供給ができるようになったことから、薄
帯を安価に生産することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を説明する模式図である。
【図2】(1)〜(4)は本発明の方法および装置の動
きを経時変化ごとに説明する模式図である。
【図3】単ロール急冷凝固薄帯製造装置を用いての鋳造
の様子を説明する模式図である。
【図4】単ロール急冷凝固薄帯製造装置を用いての鋳造
の様子を説明する拡大模式図である。
【図5】従来の方法を説明する模式図である。
【符号の説明】
1 傾動可能な容器 1A 注湯用ノズル 2 取鍋 3 タンディッシュ 4 溶融金属 5 取鍋ストッパー 6 ロングノズル 7 支持架台 7A 支持架台の端部 8 水平支持架台 9 シリンダー 10 冷却ロール 11 断気用蓋 12 薄帯 13 羽口レンガ 14 中間ノズル 15 ノズルホルダー 16 溶湯流路 17 ノズルチップ 18 ノズルスリット 19 タンディッシュストッパー 20 拡大内部空間 21 サイホン管 22 昇降装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融金属および合金を、高速で移動する
    冷却基板上で急冷凝固する液体急冷法で線および薄い帯
    状の金属および合金を製造する際の溶融金属および合金
    の供給制御方法において、片側の底部に注湯用ノズルを
    有し、この注湯用ノズル側を支点として傾動可能な容器
    を、溶融金属および合金を供給する側の取鍋と、受給側
    のタンディッシュとの間に設置し、前記取鍋から前記タ
    ンディッシュに溶融金属および合金を供給する際に、前
    記取鍋から供給される溶融金属および合金の一部を、前
    記容器を介して前記タンディッシュへ供給すると同時
    に、残りの前記取鍋から供給される過剰な溶融金属およ
    び合金は、前記容器を傾動させることによって前記容器
    に溜め、前記容器に所定量溜まったら、前記取鍋からの
    溶融金属または合金の供給を停止し、それと同時に、前
    記容器を、これまでとは反対の方向に傾動して、溶融金
    属および合金をこれまでと同じ量だけ前記タンディッシ
    ュに供給することを継続し、次に、前記容器中の溶融金
    属および合金が少なくなったら、前記取鍋からの溶融金
    属および合金の供給を再開する、一連の操作を、前記取
    鍋中の溶融金属または合金が無くなるまで繰り返すこと
    により、前記取鍋中の溶融金属および合金を少量ずつ、
    継続して前記タンディッシュに供給することを特徴とす
    る、溶融金属および合金の少量供給制御方法。
  2. 【請求項2】 溶融金属および合金を、高速で移動する
    冷却基板上で急冷凝固する液体急冷法で線および薄い帯
    状の金属および合金を製造する際の溶融金属および合金
    の供給を制御する装置において、片側の底部に注湯用ノ
    ズルを有し、この注湯用ノズル側を支点として傾動可能
    な容器を、溶融金属および合金を供給する側の取鍋と、
    受給側のタンディッシュとの間に設置したことを特徴と
    する、溶融金属および合金の少量供給制御装置。
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