JPH08293807A - 妨害波除去装置 - Google Patents

妨害波除去装置

Info

Publication number
JPH08293807A
JPH08293807A JP3529096A JP3529096A JPH08293807A JP H08293807 A JPH08293807 A JP H08293807A JP 3529096 A JP3529096 A JP 3529096A JP 3529096 A JP3529096 A JP 3529096A JP H08293807 A JPH08293807 A JP H08293807A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wave
signal
frequency
level
interfering
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3529096A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeru Saito
茂 齋藤
Susumu Nakabayashi
進 中林
Tokuyoshi Oba
徳喜 大場
Satoru Nagura
悟 名倉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
ANTENNA GIKEN KK
Original Assignee
ANTENNA GIKEN KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ANTENNA GIKEN KK filed Critical ANTENNA GIKEN KK
Priority to JP3529096A priority Critical patent/JPH08293807A/ja
Publication of JPH08293807A publication Critical patent/JPH08293807A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Noise Elimination (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 同一チャネル妨害波においても,希望波レベ
ル以下に抑圧し,十分なS/N改善効果をもった妨害波
除去装置を提供する。 【構成】 送信機と送信用アンテナとの間から送信波の
一部を導出する高周波分岐手段と,該分岐した高周波信
号の位相とレベルの少なくとも一方を調整し,前記受信
機と受信用アンテナ間のケーブルに注入することによっ
て,前記送信用アンテナから発射され,受信用アンテナ
を経て受信機に流入する信号を相殺除去する相殺除去手
段と,前記相殺後の送信波信号レベルを監視するための
モニタ受信手段とを備えた妨害波除去装置であって,更
に,前記送信波をパイロット信号によって変調する送信
波変調手段を備えると共に,前記モニタ受信手段におい
て前記送信波の変調成分を検出し,該変調信号成分レベ
ルが小さくなるように前記高周波信号の位相又は/及び
振幅を調整するように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は妨害波除去装置に関し,
より詳細には,無線,有線を問わず,広く電波(搬送
波)通信の全般においてチャンネルの周波数間隔が極端
に狭いまたは同一である通信回線の妨害除去に適用して
効果を発揮する妨害波除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】無線通信手段は自動車電話システムをは
じめ,コミュニケーションの手段として益々重要性を増
しつつあるが,限りあるチャンネル資源の有効利用を図
るためにチャンネル周波数間隔が年々狭くなり,また,
近似周波数の多数の電波が混在する状況にある。
【0003】例えば,自動車電話システムは凡そ870
MHz〜900MHzの周波数帯に多数のチャンネルが
設定され,またその近傍にはMCAシステムの多数のチ
ャンネル周波数が設定されている。また,これらのサー
ビスを同時に行う場合は複数の無線送受信機を接近した
状態で設置せざるを得ないのが現状であり,特に大都市
においては,この傾向が著しい。
【0004】しかし,自動車電話無線システムやMCA
に限らず,隣接する周波数帯の無線送受信機が近接して
設置されると,一方の送信波が他方の受信チャンネルに
混入し,妨害波となって信号対雑音比(S/N)を極端
に低下させ,著しい場合は受信不能になるという問題が
有った。
【0005】このことを具体的数値を示して説明すれ
ば,一般に受信機においては0dBμ程度の電界強度の
希望信号を受信する時,近接する妨害波の信号レベルを
80dBμ以下に抑圧しなければ,感度抑圧現象のため
受信品質劣化を生じる。これは受信機の性能の一つとし
て,隣接チャンネル妨害波を80dB以上抑圧すべきこ
とが規定されたものであるが,この規格を満足する受信
機であっても,近接配置された送信機から発射される電
波は例えば100dBμ以上のレベルで着信することが
多く,感度抑圧現象によって受信不可能に陥る。例えば
400MHz帯でのチャンネル・セパレーション12.
5kHzにおいて,隣接チャンネルの送信波が妨害波で
あるとき,これを高周波フィルタにて除去するのは不可
能である。
【0006】このための対策として,従来,例えば図1
3に示すような方法が提案されまた実用化されている。
即ち,図13は,従来の無線送受信機間妨害防止方法の
原理を説明するためのブロック構成図である。この例に
示す無線設備は,複数の小出力送信機614-1乃至61
-nの出力を送信機出力合成器613によって合成し,
一つの送信ケーブル611によって高周波電力増幅器6
12に導くと共に,所望電力に増幅した後一つの送信ア
ンテナ601にて空間に放射するように構成され,また
同時に,例えば10m程度の至近距離に近接配置された
受信アンテナ605から受信ケーブル615と分配器6
16を経て,617-1乃至617-nの複数の受信機に接
続されるように構成された無線通信設備において,前記
一つの送信ケーブル611と一つの受信ケーブル615
との間に,妨害波除去装置600を挿入したものであ
る。
【0007】図14は,上記妨害波除去装置600の一
実施例を示すもので,送信ケーブル611に挿入した方
向性結合器621によって送信信号の一部を導出し,同
軸ケーブル622,電圧可変移相器623,電圧可変減
衰器624を経て,前記受信ケーブル615に挿入した
方向性結合器625-1に供給する。更に,該方向性結合
器625-1の出力は第二の方向性結合器625-2により
二分岐し,一方を後述する自動調整装置635に,また
他方を受信用分配器616を介して受信機617に供給
する。
【0008】上記電圧可変移相器623と電圧可変減衰
器624は自動調整装置635によって制御され,後述
するモニタ受信機626にて監視する妨害波,即ち,送
信信号成分が最小となるように構成されている。要約す
るとこの装置は,送信ケーブル611から送信信号の一
部を取り出し,その位相とレベルを調整し,受信ケーブ
ル615に注入することによって,前記送信用アンテナ
601から空間に放射され,受信用アンテナ605を介
して受信ケーブル615に混入し受信機の妨害波となる
送信電波信号成分を打ち消すもので,上記電圧可変移相
器623と電圧可変減衰器624は,受信ケーブル61
5に挿入した方向性結合器625-1において,該ルート
からの送信電波信号と,送信アンテナ601から受信ア
ンテナ605のルートから混入する送信電波信号の両者
が,同一レベルであって且つ逆位相となるようにするた
めのものである。
【0009】なお,上記自動調整装置635の構成は,
例えば同図14に示すように,方向性結合器625-2
出力の一部を入力したモニタ受信機626と,該モニタ
受信機626の出力をデジタル変換するアナログ・デジ
タル変換器(A/D)627と,制御用マイクロコンピ
ュータ628とを備える。
【0010】上記モニタ受信機626は,数十デシベル
(dB)乃至百デシベル(dB)程度の広い受信入力信
号に対応してレベルを検出するために対数応答特性をも
った対数増幅器を含み,入力する受信信号レベルに対数
的に対応した直流電圧信号を出力する。
【0011】更に,上記制御用マイクロコンピュータ6
28には,二つの電圧設定器629,630からの電圧
がアナログ・デジタル変換器631,632を介して入
力されており,また同時に,演算処理の結果得られたデ
ジタル信号を,デジタル・アナログ変換器633,63
4を経て,上記電圧可変移相器623と電圧可変減衰器
624に供給するように構成されている。
【0012】なお,上記制御用マイクロコンピュータ6
28には,制御の自動化と手動の切り替え手段が付され
ており,微調整あるいは粗調整と精密調整を効果的に実
行できるようになっている。
【0013】この構成によって,上記モニタ受信機62
6から出力される直流電圧値,即ち,入力信号が最小に
なるように,上記電圧可変移相器623と電圧可変減衰
器624とを制御すれば,上述した妨害波打ち消しが自
動的に実行される。
【0014】図15は,従来の上記モニタ受信機626
の要部構成例を示すブロック図であって,一般的な受信
機と同様に,高周波増幅器801と,混合器802と,
該混合器802にローカル信号を供給する局部発振噐8
03と,中間周波数を選択するバンドパスフィルタ(B
PF)804と,中間周波数増幅器805とを備え,更
に,妨害波のレベルを広いダイナミックレンジにおいて
監視し得るように,上述した対数検波器806とを備え
ている。
【0015】上述したように,一般に妨害波レベルは受
信信号レベルに対して80デシベル以上の場合に問題と
なるが,希望波に対し妨害波レベルが数デシベル大きく
なると,モニタ受信機626に入力する信号レベルは妨
害波が支配的となる。従って,上記モニタ受信機626
の対数検波出力が最小になるように,前記電圧可変移相
器623と電圧可変減衰器624を調整すれば,妨害波
が抑圧され,妨害の程度を十分に抑圧することが可能と
なる。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,上記従
来の妨害波除去装置では,モニタ受信機が対数特性をも
った一種の振幅変調受信機であったため,希望波がモニ
タ受信機の受信帯域内にある場合,そのときの希望波レ
ベル以下に妨害波を抑圧するように自動打ち消しループ
を機能させることができないという問題点があった。
【0017】即ち,同一チャンネル妨害(コ・チャンネ
ル妨害)については,希望波と妨害波との区別ができな
いことから,妨害波のレベルが希望波レベル以下になる
と,モニタ受信機の入力が希望波に支配されて,それ以
下に妨害波を抑圧するように制御系が追従しないことが
あるという問題点があった。
【0018】本発明は上記に鑑みてなされたものであっ
て,同一チャンネル妨害波においても,希望波レベル以
下に抑圧し,十分なS/N改善効果をもった妨害波除去
装置を提供することを目的としたものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に,請求項1に係る妨害波除去装置は,複数の無線送信
機と受信機が個別のアンテナに接続され近接配置された
無線装置に適用されると共に,前記送信機と送信用アン
テナとの間から送信波の一部を導出する高周波分岐手段
と,該分岐した高周波信号の位相とレベルの少なくとも
一方を調整し,前記受信機と受信用アンテナ間のケーブ
ルに注入することによって,前記送信用アンテナから発
射され,受信用アンテナを経て受信機に流入する信号を
相殺除去する相殺除去手段と,前記相殺後の送信波信号
レベルを監視するためのモニタ受信手段とを備えた妨害
波除去装置であって,更に,前記送信波をパイロット信
号によって変調する送信波変調手段を備えると共に,前
記モニタ受信手段において前記送信波の変調成分を検出
し,該変調信号成分レベルが小さくなるように前記高周
波信号の位相又は/及び振幅を調整するように構成した
ものである。
【0020】また,請求項2に係る妨害波除去装置は,
複数の無線送信機と受信機が個別のアンテナに接続され
近接配置された無線装置に適用されると共に,前記送信
機と送信用アンテナとの間から送信波の一部を導出する
高周波分岐手段と,該分岐した高周波信号の位相とレベ
ルの少なくとも一方を調整し,前記受信機と受信用アン
テナ間のケーブルに注入することによって,前記送信用
アンテナから発射され,受信用アンテナを経て受信機に
流入する信号を相殺除去する相殺除去手段と,前記相殺
後の送信波信号レベルを監視するためのモニタ受信手段
とを備えた妨害波除去装置であって,更に,前記送信波
をパイロット信号によって振幅変調する振幅変調手段を
備えると共に,前記モニタ受信手段において前記送信波
の振幅変調成分を検出し,該振幅成分レベルが小さくな
るように前記高周波信号の位相又は/及び振幅を調整す
るように構成したものである。
【0021】また,請求項3に係る妨害波除去装置は,
複数の無線送信機と受信機が個別のアンテナに接続され
近接配置された無線装置に適用されると共に,前記送信
機と送信用アンテナとの間から送信波の一部を導出する
高周波分岐手段と,該分岐した高周波信号の位相とレベ
ルの少なくとも一方を調整し,前記受信機と受信用アン
テナ間のケーブルに注入することによって,前記送信用
アンテナから発射され,受信用アンテナを経て受信機に
流入する信号を相殺除去する相殺除去手段と,前記相殺
後の送信波信号レベルを監視するためのモニタ受信手段
とを備えた妨害波除去装置であって,更に,前記送信波
をパイロット信号によって変調する送信波変調手段を備
えると共に,前記モニタ受信手段において前記送信波の
変調成分を検出し,該変調信号成分レベルが小さくなる
ように前記高周波信号の位相又は/及び振幅を調整する
ように構成したものである。
【0022】また,請求項4に係る妨害波除去装置は,
複数の無線送信機と受信機が個別のアンテナに接続され
近接配置された無線装置に適用されると共に,前記送信
機と送信用アンテナとの間から送信波の一部を導出する
高周波分岐手段と,該分岐した高周波信号の位相とレベ
ルの少なくとも一方を調整し,前記受信機と受信用アン
テナ間のケーブルに注入することによって,前記送信用
アンテナから発射され,受信用アンテナを経て受信機に
流入する信号を相殺除去する相殺除去手段と,前記相殺
後の送信波信号レベルを監視するためのモニタ受信手段
とを備えた妨害波除去装置であって,更に,前記分岐し
た送信波をパイロット信号によって振幅変調する振幅変
調手段を備えると共に,前記モニタ受信手段において前
記送信波の振幅変調成分を検出し,該振幅成分レベルが
小さくなるように前記高周波信号の位相又は/及び振幅
を調整するように構成したものである。
【0023】また,請求項5に係る妨害波除去装置は,
前記モニタ受信手段が,高周波増幅器と,中間周波数に
変換する周波数変換手段と,中間周波数増幅器と,前記
中間周波数信号を対数的に検波する対数検波手段と,分
岐した前記中間周波数信号を直線的に検波する直線検波
手段と,前記対数検波手段の出力または前記直線検波手
段の出力が小さくなるように前記高周波信号の位相また
は/及びレベルを調整する調整手段とを備えたものであ
る。
【0024】また,請求項6に係る妨害波除去装置は,
前記モニタ受信手段によって監視する信号レベルが所定
以上においては前記対数検波手段の出力が小さくなるよ
うに,また監視する信号レベルが所定以下においては前
記直線検波手段の出力が小さくなるように,前記高周波
信号の位相または/及びレベルを調整するように構成し
たものである。
【0025】また,請求項7に係る妨害波除去装置は,
希望波と同一チャンネルまたは略同一周波数の妨害電波
または妨害搬送波を除去する妨害波除去装置であって,
送信側の送信波の一部を導出する高周波分岐手段と,該
分岐した高周波信号の位相とレベルの少なくとも一方を
調整し,受信側のケーブルに注入することによって,前
記送信側から送出されて受信側に流入する信号を相殺除
去する相殺除去手段と,前記相殺後の送信波信号レベル
を監視するためのモニタ受信手段とを備えた妨害波除去
装置において,妨害波となる送信側の送信波に妨害波識
別用の識別信号を添加する識別信号添加手段と,受信側
において受信した前記希望波および前記識別信号が添加
された妨害波を前記相殺除去手段で相殺除去した後の信
号を入力し,前記識別信号のレベルを検出する識別信号
検出手段と,前記識別信号検出手段で検出した識別信号
のレベルに基づいて,前記相殺除去手段を制御する相殺
制御手段と,を備え,前記相殺制御手段が前記識別信号
検出手段で検出した識別信号のレベルの強さを妨害波の
判定信号として用いて,前記識別信号の強さが最小にな
るように制御するものである。
【0026】また,請求項8に係る妨害波除去装置は,
前記識別信号が,周波数が一定または周期的に変化する
トーンまたは符号であるものである。
【0027】また,請求項9に係る妨害波除去装置は,
前記識別信号が,妨害波となる送信側の送信波の振幅変
調成分または変調器出力における被変調波の振幅変調成
分であるものである。
【0028】また,請求項10に係る妨害波除去装置
は,前記相殺制御手段が,始動時には,先ず前記モニタ
受信手段の妨害波の電界(キャリア)強度の信号強度を
監視しながら,前記希望波および妨害波の合計受信電界
強度信号が最小となるように前記相殺除去手段を制御
し,その後,前記識別信号検出手段で検出した識別信号
のレベルの強さを妨害波の判定信号として用いて,前記
識別信号の強さが最小になるように制御するものであ
る。
【0029】また,請求項11に係る妨害波除去装置
は,前記識別信号が,伝送音声帯域以下の周波数信号ま
たは符号による振幅変調か,伝送音声帯域以上の周波数
信号または符号による振幅変調,振幅成分を持つデジタ
ル変調信号の何れかを利用したものであり,前記相殺制
御手段は,前記送信側から送信波の電界(キャリア)強
度を入力し,該送信波の電界強度と前記識別信号検出手
段で検出した識別信号との加算信号強度に基づいて,前
記識別信号の強さが最小になるように制御するものであ
る。
【0030】また,請求項12に係る妨害波除去装置
は,前記送信側の送信波の変調形態が振幅変動成分を持
つデジタル変調方式であった場合,該振幅変動成分を前
記識別信号として用いるものである。
【0031】また,請求項13に係る妨害波除去装置
は,前記希望波と妨害波の作るビート周波数が前記識別
信号の周波数と同等または極端に接近した場合,前記送
信側の送信波の基準周波数を変化させ,前記ビート周波
数を前記識別信号の周波数から遠ざけるものである。
【0032】また,請求項14に係る妨害波除去装置
は,希望波と同一チャンネルまたは略同一周波数の妨害
電波または妨害搬送波を除去する妨害波除去装置であっ
て,送信側の送信波の一部を導出する高周波分岐手段
と,該分岐した高周波信号の位相とレベルの少なくとも
一方を調整し,受信側のケーブルに注入することによっ
て,前記送信側から送出されて受信側に流入する信号を
相殺除去する相殺除去手段と,前記相殺後の送信波信号
レベルを監視するためのモニタ受信手段とを備えた妨害
波除去装置において,受信側において受信した希望波お
よび妨害波を前記相殺除去手段で相殺除去した後の信号
を入力し,受信した妨害波と希望波との周波数差よりな
るビート信号を検出するビート信号検出手段と,前記ビ
ート信号検出手段で検出したビート信号の強さに基づい
て,前記相殺除去手段を制御する相殺制御手段と,を備
え,前記相殺制御手段が前記ビート信号検出手段で検出
したビート信号の強さを妨害波の判定信号として用い
て,前記ビート信号の強さが最小になるように制御する
ものである。
【0033】また,請求項15に係る妨害波除去装置
は,前記相殺制御手段が,前記妨害波と希望波の作るビ
ート周波数の強さが0または非常に低い場合,前記送信
側の送信波の基準周波数を変化させ,前記ビート周波数
を数Hz〜数KHzの範囲内の周波数に設定するもので
ある。
【0034】また,請求項16に係る妨害波除去装置
は,前記相殺制御手段が,前記妨害波と希望波の作るビ
ート周波数の強さが0または非常に低い場合,前記送信
側の送信波の基準周波数を変化させ,前記ビート周波数
を数Hz〜数KHzの範囲内で適宜調整するものであ
る。
【0035】また,請求項17に係る妨害波除去装置
は,送信側において,FM(周波数変調)送信機の変調
信号(音声,符号)と共に,周波数を10Hz〜300
Hz程度に限定する範囲内のトーン信号を添加するもの
である。
【0036】
【作用】また,本発明の妨害波除去装置(請求項1)
は,高周波分岐手段で,送信機と送信用アンテナとの間
から送信波の一部を導出し,相殺除去手段で,該分岐し
た高周波信号の位相とレベルの少なくとも一方を調整
し,受信機と受信用アンテナ間のケーブルに注入するこ
とによって,送信用アンテナから発射され,受信用アン
テナを経て受信機に流入する信号を相殺除去する。この
とき,送信波変調手段で,送信波をパイロット信号によ
って変調し,モニタ受信手段で,相殺後の送信波信号レ
ベルを監視して,送信波の変調成分を検出し,該変調信
号成分レベルが小さくなるように高周波信号の位相又は
/及び振幅を調整することにより,妨害波と希望波とを
区別して,妨害波のみを選択的に相殺除去する。
【0037】また,本発明の妨害波除去装置(請求項
2)は,高周波分岐手段で,送信機と送信用アンテナと
の間から送信波の一部を導出し,相殺除去手段で,該分
岐した高周波信号の位相とレベルの少なくとも一方を調
整し,受信機と受信用アンテナ間のケーブルに注入する
ことによって,送信用アンテナから発射され,受信用ア
ンテナを経て受信機に流入する信号を相殺除去する。こ
のとき,振幅変調手段で,送信波をパイロット信号によ
って振幅変調し,モニタ受信手段で,相殺後の送信波信
号レベルを監視して,送信波の振幅変調成分を検出し,
該振幅成分レベルが小さくなるように高周波信号の位相
又は/及び振幅を調整することにより,妨害波と希望波
とを区別して,妨害波のみを選択的に相殺除去する。
【0038】また,本発明の妨害波除去装置(請求項
3)は,高周波分岐手段で,送信機と送信用アンテナと
の間から送信波の一部を導出し,相殺除去手段で,該分
岐した高周波信号の位相とレベルの少なくとも一方を調
整し,受信機と受信用アンテナ間のケーブルに注入する
ことによって,送信用アンテナから発射され,受信用ア
ンテナを経て受信機に流入する信号を相殺除去する。こ
のとき,送信波変調手段で,分岐した送信波をパイロッ
ト信号によって変調し,モニタ受信手段で,相殺後の送
信波信号レベルを監視して,送信波の変調成分を検出
し,該変調信号成分レベルが小さくなるように高周波信
号の位相又は/及び振幅を調整することにより,妨害波
と希望波とを区別して,妨害波のみを選択的に相殺除去
する。
【0039】また,本発明の妨害波除去装置(請求項
4)は,高周波分岐手段で,送信機と送信用アンテナと
の間から送信波の一部を導出し,相殺除去手段で,該分
岐した高周波信号の位相とレベルの少なくとも一方を調
整し,受信機と受信用アンテナ間のケーブルに注入する
ことによって,送信用アンテナから発射され,受信用ア
ンテナを経て受信機に流入する信号を相殺除去する。こ
のとき,振幅変調手段で,分岐した送信波をパイロット
信号によって振幅変調し,モニタ受信手段で,相殺後の
送信波信号レベルを監視して,送信波の振幅変調成分を
検出し,該振幅成分レベルが小さくなるように高周波信
号の位相又は/及び振幅を調整することにより,妨害波
と希望波とを区別して,妨害波のみを選択的に相殺除去
する。
【0040】また,本発明の妨害波除去装置(請求項
5)は,請求項1または2において,モニタ受信手段
が,高周波増幅器と,中間周波数に変換する周波数変換
手段と,中間周波数増幅器と,中間周波数信号を対数的
に検波する対数検波手段と,分岐した中間周波数信号を
直線的に検波する直線検波手段と,対数検波手段の出力
または直線検波手段の出力が小さくなるように高周波信
号の位相または/及びレベルを調整する調整手段とを用
いて,所定信号レベルが最小値になるように自動的に制
御するアルゴリズムによって,妨害波がより小さくなる
ように抑圧する。
【0041】また,本発明の妨害波除去装置(請求項
6)は,請求項3において,モニタ受信手段によって監
視する信号レベルが所定以上においては対数検波手段の
出力が小さくなるように,また監視する信号レベルが所
定以下においては直線検波手段の出力が小さくなるよう
に,高周波信号の位相または/及びレベルを調整するこ
とにより,所定信号レベルが最小値になるように自動的
に制御するアルゴリズムによって,妨害波がより小さく
なるように抑圧する。
【0042】また,本発明の妨害波除去装置(請求項
7)は,送信側において,識別信号添加手段が,妨害波
となる送信側の送信波に妨害波識別用の識別信号を添加
し,識別信号検出手段が,受信側において受信した希望
波および識別信号が添加された妨害波を相殺除去手段で
相殺除去した後の信号を入力し,識別信号のレベルを検
出すると,相殺制御手段が,識別信号検出手段で検出し
た識別信号のレベルの強さを妨害波の判定信号として用
いて,識別信号のレベルに基づいて識別信号の強さが最
小になるように相殺除去手段を制御することにより,妨
害波がより小さくなるように抑圧する。
【0043】また,本発明の妨害波除去装置(請求項
8)は,請求項7において,識別信号として,周波数が
一定または周期的に変化するトーンまたは符号を使用す
る。
【0044】また,本発明の妨害波除去装置(請求項
9)は,請求項7において,識別信号として,妨害波と
なる送信側の送信波の振幅変調成分または変調器出力に
おける被変調波の振幅変調成分を使用する。
【0045】また,本発明の妨害波除去装置(請求項1
0)は,請求項7において,相殺制御手段が,始動時に
は,先ずモニタ受信手段の妨害波の電界(キャリア)強
度の信号強度を監視しながら,希望波および妨害波の合
計受信電界強度信号が最小となるように相殺除去手段を
制御し,その後,識別信号検出手段で検出した識別信号
のレベルの強さを妨害波の判定信号として用いて,識別
信号の強さが最小になるように制御することにより,効
率的に妨害波がより小さくなるように抑圧する。
【0046】また,本発明の妨害波除去装置(請求項1
1)は,請求項7において,識別信号として,伝送音声
帯域以下の周波数信号または符号による振幅変調か,伝
送音声帯域以上の周波数信号または符号による振幅変
調,振幅成分を持つデジタル変調信号の何れかを利用
し,相殺制御手段が,送信側から送信波の電界(キャリ
ア)強度を入力し,該送信波の電界強度と識別信号検出
手段で検出した識別信号との加算信号強度に基づいて,
識別信号の強さが最小になるように制御することによ
り,妨害波を精度良く抑圧する。
【0047】また,本発明の妨害波除去装置(請求項1
2)は,請求項11において,送信側の送信波の変調形
態が振幅変動成分を持つデジタル変調方式であった場
合,該振幅変動成分を識別信号として用いることによ
り,簡単な構成で妨害波がより小さくなるように抑圧す
るできる。
【0048】また,本発明の妨害波除去装置(請求項1
3)は,請求項7,8,9,10,11または12にお
いて,希望波と妨害波の作るビート周波数が識別信号の
周波数と同等または極端に接近した場合,送信側の送信
波の基準周波数を変化させ,ビート周波数を識別信号の
周波数から遠ざけることにより,識別信号を確実に検出
して妨害波を精度良く抑圧する。
【0049】また,本発明の妨害波除去装置(請求項1
4)は,請求項7において,相殺制御手段が,妨害波と
希望波の作るビート周波数が識別信号の周波数に非常に
近い場合,送信側の識別信号の周波数を変化させ,ビー
ト周波数との干渉を避けることにより,識別信号を確実
に検出して妨害波を精度良く抑圧する。
【0050】また,本発明の妨害波除去装置(請求項1
5)は,ビート信号検出手段が,受信側において受信し
た希望波および妨害波を相殺除去手段で相殺除去した後
の信号を入力し,受信した妨害波と希望波との周波数差
よりなるビート信号を検出し,相殺制御手段がと,ビー
ト信号検出手段で検出したビート信号の強さを妨害波の
判定信号として用いて,ビート信号の強さが最小になる
ように相殺除去手段を制御することにより,妨害波がよ
り小さくなるように抑圧する。
【0051】また,本発明の妨害波除去装置(請求項1
6)は,請求項15において,相殺制御手段が,妨害波
と希望波の作るビート周波数の強さが0または非常に低
い場合,送信側の送信波の基準周波数を変化させ,ビー
ト周波数を数Hz〜数KHzの範囲内で適宜調整するこ
とにより,ビート信号を確実に検出して妨害波を精度良
く抑圧する。
【0052】また,本発明の妨害波除去装置(請求項1
7)は,請求項15または16において,送信側で,F
M(周波数変調)送信機の変調信号(音声,符号)と共
に,周波数を10Hz〜300Hz程度に限定する範囲
内のトーン信号を添加することにより,さらにビート信
号を確実に検出して妨害波を精度良く抑圧する。
【0053】
【実施例】以下,本発明の妨害波除去装置について,
〔実施例1〕,〔実施例2〕,〔実施例3〕,〔実施例
4〕,〔実施例5〕,〔実施例6〕,〔実施例7〕,
〔実施例8〕の順で,図面を参照して詳細に説明する。
【0054】〔実施例1〕図1は,本発明の妨害波除去
装置を適用した無線設備の一実施例を示す概要構成図で
ある。実施例1では,複数の小出力送信機114-1乃至
114-nの出力を送信機出力合成器113によって合成
し,一つの送信ケーブル111によって高周波電力増幅
器112に導くと共に,所望電力に増幅した後,一つの
送信アンテナ101にて空間に放射するようにし,ま
た,例えば10m程度の至近距離に近接配置された受信
アンテナ105は受信ケーブル115と分配器116を
経て,117-1乃至117-nの複数の受信機に接続され
るように構成された無線通信設備に,本発明の妨害波除
去装置100を適用する場合を示している。
【0055】図2は,実施例1の妨害波除去装置100
の構成を示し,送信ケーブル111に挿入した方向性結
合器121によって送信信号の一部を導出し,同軸ケー
ブル122,電圧可変移相器123,電圧可変減衰器1
24を経て,前記受信ケーブル115に挿入した方向性
結合器125-1に供給する。更に,該方向性結合器12
-1の出力は第二の方向性結合器125-2により二分岐
し,一方を後述する自動調整装置135に,また他方を
受信用の分配器116を介して受信機群117(117
-1乃至117-n)に供給する。
【0056】なお,ここまでの構成は,基本的に図13
および図14で示した従来の装置と同様である。実施例
1が従来例と相違する点は,以下詳述するが,送信側か
ら導出する妨害波に振幅変調等によってパイロット信号
を重畳し,且つ,モニタ受信機140に,前記妨害波に
施した振幅変調成分を検出する検波回路を備えた点であ
る。
【0057】即ち,この実施例において使用する自動調
整装置135は,方向性結合器125-1の出力端に接続
した第二の方向性結合器125-2から受信信号の一部を
分岐導出し,これをモニタ受信機140に供給する。モ
ニタ受信機140には検波回路150を付加し,その出
力をアナログ/デジタル変換器160を介して打ち消し
制御マイクロコンピュータ128(以下,マイクロコン
ピュータと記載する)に供給する。
【0058】また,該自動調整装置135における他の
構成を説明すれば,モニタ受信機140には数デシベル
(dB)乃至百デシベル(dB)程度の広い受信入力信
号に対応してレベルを検出するために対数応答特性をも
った対数増幅器を含み,入力する受信信号レベルに対数
的に対応した直流電圧信号を出力する。更に,モニタ受
信機140から出力された受信入力レベル情報はアナロ
グ/デジタル変換器127を介してマイクロコンピュー
タ128に供給されている。
【0059】マイクロコンピュータ128には,二つの
電圧設定器129,130からの電圧がアナログ・デジ
タル変換器131,132を介して入力されており,ま
た同時に,演算処理の結果得られたデジタル信号を,デ
ジタル・アナログ変換器133,134を経て,上記電
圧可変移相器123と電圧可変減衰器124に供給する
ように構成されている。
【0060】なお,マイクロコンピュータ128には,
制御の自動化と手動による制御との切り替え手段が付さ
れており,微調整あるいは粗調整と精密調整を効果的に
実行できるようになっている。
【0061】この構成によって,まず最初にモニタ受信
機140から出力される直流電圧値,即ち,入力信号が
最小になるように,電圧可変移相器123と電圧可変減
衰器124とを制御するが,妨害波が希望波レベルにま
で抑圧された状態において,以下に説明するような制御
を行うことによって,更に妨害波を抑圧する。
【0062】即ち,一般的に受信機によって受信復調す
る希望波信号レベルは,数dBμから大きくても,精々
数十dBμであるのに対し,近接配置した送信機から混
入する妨害波レベルは100dBμ或はそれ以上程度と
極めて大きい。従って,モニタ受信機140によって,
妨害波群のほぼ中央の周波数帯域に存在する妨害波を受
信すれば,例えこれに希望波が含まれたとしてもそのレ
ベルは無視し得る。そこで,モニタ受信機に着信する信
号レベルが最小になるように,電圧可変移相器123及
び電圧可変減衰器124を制御すればよい。
【0063】モニタ受信機140は,上述した送信機か
らの妨害波周波数のうちの一つを受信し,その搬送波レ
ベル,またはノイズ抑圧レベル等,妨害波のレベルを監
視し得る出力を得る。この情報はアナログ・デジタル変
換器127にてデジタル信号に変換され,マイクロコン
ピュータ128にてそのレベルが最小になるように電圧
可変減衰器124と電圧可変移相器123を調整すれば
よいことは上述した通りである。
【0064】妨害波レベルが最小であることを検出する
には,例えば,モニタ受信機140の対数検波レベルを
監視すればよいが,他の方法としてはリミタ電流レベル
(中間周波増幅段から抽出した信号を整流して得る)を
監視してもよい。また復調信号の雑音レベルによっても
妨害波レベルを検出することが可能である。
【0065】このような制御によって,妨害波レベルと
希望波とのレベル差が80dB以下であれば隣接チャン
ネル妨害波を受けないから,例えば妨害波が希望波より
120dB大きい場合,これを40dB減衰すれば目的
を達成することができる。
【0066】具体的には,上述したモニタ受信機140
により監視する妨害波信号レベルが最小になあるよう
に,先ず,電圧可変減衰器124の制御電圧を増減し,
その値が最小となる電圧値に設定した後,同様にして電
圧可変移相器123の制御電圧を設定する。つまり,ケ
ーブルにおいてアンテナから入力する妨害波とキャンセ
ラから注入する妨害波の位相が互いに逆相でありかつ信
号レベルが同一である度合いが高い程,モニタ受信機1
40に入力する妨害波信号レベルが小さくなるから,電
圧可変移相器123と電圧可変減衰器124を交互に調
整して,極力妨害波信号のキャンセル量を多くする操作
を行なう。
【0067】またこの操作を間欠的に,あるいは常時繰
り返し行えば,妨害波をキャンセルする条件の変化,例
えば,近接送信機の出力レベルの変動に伴う妨害波レベ
ルの変動,受信ケーブルの経年変化及び温度変化による
減衰量・位相量の変動,方向性結合器あるいは注入器の
特性変動,送受信アンテナ間の結合度変化等,全ての要
因に対する補正が自動的に実行され,常に最適な状態を
保つことが可能となる。
【0068】しかし,妨害波が希望波と極めて近接して
いる場合は,妨害波レベルを希望波レベル以下に抑圧す
る必要があるが,上記方法では,妨害波と希望波の識別
がつかず,不可能である。そこで,本発明においては,
さらに前記妨害波となる送信信号にパイロットトーンに
よって振幅変調(AM)を施すと共に,前記モニタ受信
機においてこのAM成分レベルを監視し,その成分が最
小になるように前記電圧可変移相器123と電圧可変減
衰器124を制御するように構成する。
【0069】図3は,モニタ受信機140と検波回路1
50との具体的構成例を示すブロック図であって,モニ
タ受信機140は,高周波増幅器141と,混合器14
2と,局部発振器143と,混合器142の出力から所
望の周波数成分を抽出するバンドパスフィルタ(BP
F)144と,選択された信号を増幅する中間周波数増
幅器145と,入力信号レベルに対数的に応答して増幅
する対数検波器146とを備えている。
【0070】また,検波回路150は,信号の振幅レベ
ルに直線的に対応して検波する直線型検波器151と,
検波出力をその振幅値に応じた直流電圧に変換する交流
/直流変換器152を含んでいる。
【0071】図4は,実施例1の動作を説明するための
検波出力波形図であり,同図(a)は対数検波器146
による検波出力波形図,同図(b)は直線型検波器15
1による検波波形図である。
【0072】以下,図1乃至図4を参照しながら,実施
例1の制御と動作について説明するが,説明を簡単にす
るために,送信波がA(F1)が,希望波がB(F2)
に極めて接近し,受信機の同一チャンネル妨害となるも
のとし,混入する送信波F1の電界強度が例えば100
dBμ程度,或はそれ以上であると想定する。
【0073】この場合,通常遠方から到来する希望波F
2の電界強度は当然ながら妨害波より遥かに小さく,上
記送信波に妨害されて正常な受信が不可能になる。そこ
で上記妨害波をキャンセル抑圧する必要があるが,実施
例1では,妨害波となる送信信号に振幅変調(AM)を
施しておく。
【0074】このように振幅変調を施した送信波の一部
は,前記送信ケーブル111に挿入した方向性結合器1
21によって分岐された後,その位相が電圧可変移相器
123によって,更には,電圧可変減衰器124によっ
て振幅レベルが調整されて,次段の受信側方向性結合器
125に供給される。
【0075】一方,この方向性結合器125には,上述
したように受信アンテナ105を介して送信波F1と希
望波F2が入力されているが,電圧可変移相器123と
電圧可変減衰器124とが適当に調整されていれば,方
向性結合器125-1において二つのルートからの妨害波
が互いにキャンセルされて,妨害が抑圧される。この妨
害波除去装置では,モニタ受信機140において方向性
結合器125-1の出力が最小になるように,電圧可変移
相器123と電圧可変減衰器124とを順次自動的に調
整するが,しかし,制御による妨害波抑圧レベルが,希
望波レベルとほぼ同じ程度に留まることは,上述した通
りである。
【0076】そこで,実施例1では,上記制御において
モニタ受信機による妨害波検出レベルが最小になると,
次に,検波回路150による制御に切り替える。
【0077】この制御の違いを図4を使用して説明す
る。同図(a)はモニタ受信機140に備えた対数検波
器146による出力波形であるが,上述したように例え
ば30%の振幅変調を施した高周波信号を検波すると,
信号レベルが大きい場合301となるが,信号レベルが
小さい場合の302と検波出力に差が少ない。
【0078】即ち,振幅変調を施した搬送波信号では,
そのレベルに比例して振幅変調成分(包絡線成分)が大
きくなるが,対数検波特性曲線は高周波信号レベルが大
きくなるにつれて検波感度が小さくなるから,結果的に
検波出力が高周波レベルに依存しない。
【0079】これに対し,同図(b)に示すように,検
波回路150の直線型検波器151においては高周波信
号入力に比例して検波出力が変化することになるので,
この検波出力を監視すれば変調を施した特定の周波数信
号のレベルを検出することが可能となる。
【0080】実施例1では妨害波が希望波レベルと同一
レベルまで抑圧された後は,上記のように直線検波出力
を監視しつつ,そのレベルが最小となるように電圧可変
移相器123と電圧可変減衰器124とを制御すること
によって,従来と同じように,所定信号レベルが最小値
になるように自動的に制御するアルゴリズムによって,
妨害波がより小さくなるように抑圧するものである。
【0081】この方法によれば,妨害波を希望波以下に
抑圧することができる他に,更に,妨害波を確実に捕捉
し,比較的高いレベルで着信する希望波を過って抑圧す
るという問題をも払拭する上で効果があることは,容易
に理解できよう。
【0082】また,対数検波器146に代えて,直線検
波器のみを採用する方法も考えられるが,周知のとうり
直線検波器のダイナミックレンジは40デシベル乃至6
0デシベル程度と,対数検波器に比べて極端に狭いの
で,妨害波レベルが大きい範囲での制御が困難であると
いう欠点がある。従って,上記実施例のように妨害波レ
ベルが大きい範囲では対数検波器を使用し,ダイナミッ
クレンジ範囲内のレベルが小さい部分において直線検波
器を使用する方法が効果的であろう。もし,直線検波器
のみを使用する場合は,妨害波レベルに対応して減衰量
が変化する減衰器をモニタ受信機の前段部に挿入するこ
とによって,常にダイナミックレンジ範囲に被検波信号
レベルが納まるように制御する等の対策を施せばよい。
【0083】以上説明した実施例1では,妨害波に振幅
変調を施すことによって,キャンセルすべき信号を識別
する場合を示したが,妨害波のレベルが抑圧されてその
レベルが更に小さくなると,振幅変調成分が雑音に埋も
れて識別不可能となり,それ以上の妨害波の抑圧が困難
となる。そこで,更なる妨害波抑圧を行う場合には,前
記振幅変調に代えて,トーン信号やその他の符号によっ
てデジタル変調し,既存のデジタルフィルタリング手段
によって前記デジタル変調成分を復調すれば,雑音に埋
もれた信号を抽出することができ,更に妨害波を抑圧す
ることができる。
【0084】図5は,デジタル変調を行う場合の実施例
(実施例1の変形例)を示すモニタ受信機の要部構成図
であって,前述した図3の検波回路150に代えてデジ
タル復調回路170を採用したものである。
【0085】なお,抑圧すべき妨害波に対する変調は,
図1に示す送信機群114-1〜114-nにおいて実施す
ればよいが,常時このような変調をおこなうと目的とす
る通信そのものに対し妨害となる虞がある場合は,前記
モニタ受信機を動作させて妨害波のレベルを抑圧するた
めに前記電圧可変移相器と電圧可変減衰器を調整する必
要がある場合にのみ変調を施すように構成することもで
きる。
【0086】なお,電圧可変移相器123と電圧可変減
衰器124の調整にあたって,妨害波除去装置100に
電源を投入した直後は,妨害波にキャンセル周波数が一
致していない状態にあり,自動調整ブロックがこの周波
数に一致するまでに比較的長時間を要することがある。
そこで,この実施例のように制御用マイクロコンピュー
タに自動と手動切り替え手段を付加し,装置の立ち上が
り時には手動操作によって,電圧可変移相器と減衰器を
粗調整した後,自動調整に切り替え,微調整および自動
追尾調整を行うようにすれば,迅速な制御が可能であ
る。
【0087】以上,いくつかの実施例を参照しつつ本発
明を説明したが,本発明の実施に当たっては,上記実施
例に限定する必然性はなく,各ブロックを同様の機能を
有する他の回路に置き換えることは何ら差し支えない。
【0088】また,上記モニタ受信機では必ずしも妨害
波を受信モニタする必要はなく,妨害波近傍周波数の信
号をモニタしてもよいことが実験的に確認済である。し
たがって,例えば,受信機の妨害とならない疑似妨害波
信号発生器を具え,その信号を受信アンテナ入力端に供
給する構成とし,この疑似妨害波レベルをモニタ受信機
にて監視しつつ疑似妨害波がキャンセルされるように自
動調整回路を制御することも可能である。
【0089】更には,除去せんとする妨害波の周波数帯
域が広く,一組のキャンセル装置によっては目的を達成
しえない場合は,同様の装置を複数従属に接続し,夫々
のキャンセル周波数を順次ずらすように設定すれば,所
望の周波数帯域において妨害波を除去することができ
る。
【0090】なお,本発明は無線通信装置に限らず,有
線通信において同様の妨害波が発生する場合,その抑圧
対策として有用であることは云うまでもない。
【0091】〔実施例2〕図6は,実施例2の妨害波除
去装置の構成を示すブロック図である。実施例2の妨害
波除去装置200は,送信機Tx(周波数F1’)の輻
射電波がQAM(直交振幅変調)や多相位相変調等の振
幅変動が連続的に掛かっているデジタル変調電波である
場合に有効な例を示している。なお,実施例1と共通の
符号は同一の構成を示すため,ここでは異なる部分のみ
を説明する。
【0092】図において,201は交流出力用の打ち消
し残査モニタ受信機,202は直流出力用の打ち消し残
査モニタ受信機,203および204は低域通過フィル
タ(LPF),205および206はアナログ・デジタ
ル変換器,207は打ち消し制御マイクロコンピュータ
(以下,マイクロコンピュータと記載する),208は
包絡線検波器(DET),209は固定遅延器,210
は掛算器を示す。
【0093】また,該妨害波除去装置200は,送信機
Tx,送信アンテナ101,受信機Rx,受信アンテナ
105の間に,図示の如く,接続・配設されている。な
お,211はデジタル変調器を示す。
【0094】以上の構成において,その動作の説明に先
立って,振幅成分を識別信号として使用する原理につい
て簡単に説明する。
【0095】振幅変調信号を検波したとき,検波信号に
は,希望波と妨害波,さらに希望波と妨害波のビート成
分が含まれる。このうち,希望波と妨害波のみに注目し
てみる。
【0096】ここで,希望波の振幅を1,妨害波の振幅
も1,妨害波に乗った振幅変調信号の振幅をA,希望波
の角周波数をωd ,妨害波の角周波数をωc として,妨
害波の半分の大きさの抽出妨害波で打ち消し操作を行う
と,妨害波の振幅と妨害波変調成分の振幅は,数1で示
す関係となり,希望波の振幅は不変,妨害波の振幅と妨
害波の変調振幅はそれぞれ半分に減衰することがわか
る。
【0097】
【数1】
【0098】したがって,妨害波の振幅は振幅変調成分
の振幅と1対1の関係がいえるから,振幅変調成分の振
幅を見ることによって妨害波の大小判定か可能である。
すなわち,振幅変調成分を識別信号とし,これが小さく
なるように電圧可変移相器123,電圧可変減衰器12
4を制御することによって同一チャンネル(周波数帯)
にある妨害波を希望波よりも小さく減衰させることがで
きる。
【0099】次に,その動作を説明する。先ず,送信機
Tx(周波数F1’)からの電波は方向性結合器121
を経て送信アンテナ101により空間に放射される。こ
のとき,空間に放射された電波(送信波)の一部が受信
アンテナ105に回り込んで希望波F1の妨害波とな
る。なお,実施例2では,送信機Tx側の送信波の変調
形態が振幅変動成分を持つデジタル変調方式であり,デ
ジタル変調器211の振幅変動成分を識別信号として用
いている。
【0100】方向性結合器121から分岐した妨害波F
1’は,電圧可変移相器123と電圧可変減衰器124
でその位相と振幅が調整され,方向性結合器125-1
おいて受信アンテナ105で受信した希望波F1と妨害
波F1’の混合波と合成される。
【0101】合成の結果(希望波と妨害波の打ち消し残
査)は,方向性結合器125-2においてその一部が分岐
され,打ち消し残査モニタ受信機201および202へ
供給される。
【0102】打ち消し残査モニタ受信機201と打ち消
し残査モニタ受信機202との違いは,打ち消し残査モ
ニタ受信機201が受信信号強度に対して対数特性を有
し,受信信号レベルの広い変化に応答できるのに対し
て,打ち消し残査モニタ受信機202は受信信号強度に
対して比較的直線性を有し,振幅変動成分を検波するも
のである。
【0103】実施例2では,打ち消し残査モニタ受信機
201は希望波F1と妨害波F1’の混合波レベル(キ
ャリアレベル)を広範囲で検出するのに用い,打ち消し
残査モニタ受信機202は希望波および妨害波の振幅変
動を検出するのに用いている。
【0104】打ち消し残査モニタ受信機201の出力
は,低域通過フィルタ203を経てさらにアナログ・デ
ジタル変換器205によりマイクロコンピュータ207
へ取り込まれる。マイクロコンピュータ207は,打ち
消し残査モニタ受信機201の出力(希望波F1と妨害
波F1’の混合波レベル)を最小にするようにデジタル
・アナログ変換器133,134を制御する。
【0105】ただし,この制御だけでは,妨害波の抑圧
を希望波のレベルと同程度のレベルにしか抑えることが
できない。
【0106】したがって,さらに妨害波を抑圧するため
に,打ち消し残査モニタ受信機202によって検出され
た妨害波の振幅変動と希望波の振幅変動の混合信号A
と,送信機Tx側のデジタル変調器211の出力を包絡
線検波器208で検波してさらに固定遅延器209で遅
延させた信号Bと,掛算器210で掛け算して信号Cを
得る。
【0107】次に,この掛け算の結果(信号C)から低
域通過フィルタ204でノイズや高周波ノイズを除去し
て,アナログ・デジタル変換器206によりデジタル信
号に変換してマイクロコンピュータ207に入力する。
【0108】上記の処理によって,混合信号Aから送信
機Tx側妨害波のデジタル変調器出力の振幅変動成分
(識別信号)を信号Cとして分離し,マイクロコンピュ
ータ207に取り込んだことになる。
【0109】ここで,上記一連の処理を行う理由につい
て具体的に説明する。先ず,打ち消し残査モニタ受信機
201によって検出された妨害波の振幅変動と希望波の
振幅変動の混合信号Aの中には,次の〜のものが含
まれている。 送信機Tx側妨害波のデジタル変調器の出力の振幅変
動成分(識別信号) 希望波の振幅変調成分 希望波と妨害波のビート成分 雑音(ノイズ)
【0110】これらの中からの送信機Tx側妨害波の
デジタル変調器の出力の振幅変動成分(識別信号)のみ
を取り出すことは以下の理由から極めて困難である。第
1に,デジタル変調器出力の振幅成分は他の信号(や
)と比べて小さい,特に妨害波が打ち消されてくると
ますます小さくなる。第2に,希望波と妨害波の作るビ
ート周波数がデジタル変調器出力の振幅変動成分の周波
数に接近したり,時には重なったりもするので,通常の
フィルタで分離することが困難である。
【0111】一方,包絡線検波器208からの信号B
は,と同じ信号である。すなわち,送信機Tx側妨害
波のデジタル変調器の出力の振幅変動成分とまったく同
じものであることに注目すると,信号Bを用いることに
より,以下のように信号Aからの送信機Tx側妨害波
のデジタル変調器の出力の振幅変動成分(識別信号)の
みを取り出すことが可能となる。
【0112】すなわち,信号Aと信号Bの掛け算を行
い,遮断周波数の極端に低い低域通過フィルタ(積分
器)204を通過させると,混合波の振幅(信号A)の
うち,信号Bのタイミングに合致した信号成分(すなわ
ち,)は乗算(2乗)されて正(プラス)方向の成分
となり,信号Bに関係のない〜の成分は正・負方向
にバラツキのある信号となる。したがって,低域通過フ
ィルタ204によって平均化されると,信号Bのタイミ
ングに合致した信号成分は正の直流電圧を生じ,信号B
に関係ない〜の成分はほとんど減衰してしまう。
【0113】なお,図中の固定遅延器209は,信号A
に含まれる送信機Tx側妨害波のデジタル変調器の出力
の振幅変動成分(識別信号)と,信号Bを掛け合わせる
ときのタイミングを合わせるためのもので,タイミング
が一致している場合,妨害波振幅変動成分の検出のS/
N比(信号対雑音比)が最も高くなる。
【0114】よって,マイクロコンピュータ207はこ
の検出した信号C(換言すれば,識別信号)を最小にす
るようにデジタル・アナログ変換器133,134を制
御する。この制御によって妨害波を希望波のレベルより
も20〜30db程度まで低くすることができ,希望波
信号を高SNで受信することができる。
【0115】なお,実施例2の掛算器210に代えて,
アナログゲートを用いても同様の効果を得ることができ
る。ただし,アナログゲートの場合は掛算器と比較して
多少性能がおちるため,掛算器を用いることが望まし
い。
【0116】〔実施例3〕実施例3の妨害波除去装置
は,実施例2の妨害波除去装置において,さらに希望波
と妨害波の作るビート周波数が識別信号の周波数と同等
または極端に接近した場合,送信側の送信波の基準周波
数を変化させて,ビート周波数を識別信号の周波数から
遠ざけるように制御するものである。
【0117】実施例2の妨害波除去装置において,デジ
タル変調器出力の振幅変動成分信号の周波数と,希望波
と妨害波の起こすビート周波数が同一または非常に接近
すると,識別信号とビート周波数が干渉して,低域通過
フィルタ204の出力に大きなうねりが発生し,打ち消
し残査モニタ受信機202から妨害波であることの識別
信号が安定して検出できなくなる虞がある。
【0118】このため,これを改善するために実施例3
の妨害波除去装置では,送信側の送信波の基準周波数を
変化させて,ビート周波数を識別信号の周波数から遠ざ
けるように制御する。
【0119】図7は,実施例3の妨害波除去装置220
の構成を示すブロック図である。実施例2の妨害波除去
装置200に,TCXO(温度補償基準発振器)221
と,デジタル・アナログ変換器222とを追加したもの
である。
【0120】ビート周波数を変えるには,送信機Txの
周波数か希望波の周波数を変えれば良いが,希望波の送
信元(無線機)は遠方に有り,実用上,送信機Txしか
変えられないので,実施例3では送信機Txの周波数を
変更する。
【0121】送信機Txの周波数は,基準発振器から周
波数合成器(シンセサイザ)で生成されるから,基準発
振器の周波数を変えることにする。
【0122】図7において,マイクロコンピュータ20
7は,アナログ・デジタル変換器206から過去に取り
込んだ値の比較からビート障害を判定し,デジタル・ア
ナログ変換器222を介してTCXO221のオフセッ
ト調整端子(現在の高安定温度補償水晶発振器に付属の
端子)電圧を出力する。これによって,TCXO221
の基準周波数を変化させて,ビート障害の少ない送信周
波数を決定する。
【0123】〔実施例4〕図8は,実施例4の妨害波除
去装置の構成を示すブロック図である。なお,実施例2
および実施例3は,送信機Tx側の送信電波が振幅変調
成分を持っていることを前提としていた。そこで,実施
例4の妨害波除去装置230では,本発明をFM変調を
使用した無線機に適用した例を示す。また,図におい
て,実施例2と共通の符号は同一の構成を示すため説明
を省略する。
【0124】実施例4の妨害波除去装置230は,図示
の如く,送信機Txの出力(または送信機高周波増幅段
の途中)に振幅変調器(MOD)231を設け,これに
発振器232を用いて妨害波であることを識別するため
の識別信号を付ける。
【0125】なお,識別信号は周波数が一定または周期
的に変化するトーンまたは符号を用いるものとする。
【0126】この識別信号を,図示の如く,信号Bとし
て掛算器210に入力すれば,前述した実施例2とまっ
たく同様の処理を施すことができる。変調の深さは妨害
波検知の観点から深い方が良いが,送信電波に乗ってい
る周波数(位相)成分に影響しないようにできるだけ小
さくする(好ましくは10%以下)。
【0127】上記の処理によって,実施例4では実施例
2と同様の効果を得ることができる。
【0128】〔実施例5〕実施例5の妨害波除去装置
は,実施例4の妨害波除去装置において,さらに希望波
と妨害波の作るビート周波数が識別信号の周波数と同等
または極端に接近した場合,識別信号の周波数を変化さ
せて,ビート周波数を識別信号の周波数から遠ざけるよ
うに制御するものである。
【0129】実施例4の妨害波除去装置において,デジ
タル変調器出力の振幅変動成分信号の周波数と,希望波
と妨害波の起こすビート周波数が同一または非常に接近
すると,識別信号とビート周波数が干渉して,低域通過
フィルタ204の出力に大きなうねりが発生し,打ち消
し残査モニタ受信機202から妨害波であることの識別
信号が安定して検出できなくなる虞がある。
【0130】このため,これを改善するために実施例5
の妨害波除去装置では,識別信号の周波数を変化させ
て,ビート周波数を識別信号の周波数から遠ざけるよう
に制御する。
【0131】図9は,実施例5の妨害波除去装置240
の構成を示すブロック図である。実施例4の妨害波除去
装置230の発振器232に代えて電圧可変発振器(V
CO)241を配置し,固定遅延器209に代えて電圧
可変遅延器242を配置し,さらに電圧可変発振器24
1および電圧可変遅延器242をマイクロコンピュータ
207に接続するためのデジタル・アナログ変換器24
3,244を配置したものである。なお,その他の構成
は実施例4と共通につき説明を省略する。
【0132】以上の構成において,マイクロコンピュー
タ207は,アナログ・デジタル変換器206から過去
に取り込んだ値の比較からビート障害を判定し,デジタ
ル・アナログ変換器243を介して電圧可変発振器24
1を制御して識別信号の周波数を変化させる。また,同
時にデジタル・アナログ変換器244を介して電圧可変
遅延器242を最適な遅延量に調整する。これによっ
て,安定した打ち消し制御が可能である。
【0133】〔実施例6〕図10は,実施例6の妨害波
除去装置の構成を示すブロック図である。実施例6は,
振幅変調成分のない(または殆どない)周波数変調方式
の無線機に適用可能な同一チャンネルの妨害波除去装置
250を示す。なお,実施例2と共通の符号は同一の構
成を示すため,ここでは異なる部分のみを説明する。
【0134】図において,251は包絡線検波器,25
2は周波数電圧変換器,253は作動増幅器,254は
TCXO(温度補償基準発振器)を示す。また,周波数
電圧変換器252は波形整形器255と単安定マルチバ
イブレータ256と積分器257とによって構成され
る。
【0135】以上の構成において,その動作の説明に先
立って,希望波と妨害波の作るビート成分(ビート信
号)を妨害波の判定信号として用いる原理について簡単
に説明する。
【0136】振幅変調信号を検波したとき,検波信号に
は,希望波と妨害波,さらに希望波と妨害波のビート成
分が含まれる。この中のビート成分のみに注目してみ
る。
【0137】ここで,希望波と妨害波の作るビート成分
は,希望波の周波数の振幅をD,妨害波の振幅をUと
し,希望波の方が妨害波よりも大きいかまたは等しいと
仮定すると,数2で示すように表せる。ただし,ωd
希望波の角周波数,ωc は妨害波の角周波数を示す。
【0138】
【数2】
【0139】数2より,ビートの振幅(強さ)は妨害波
の振幅Uの2倍と等しいことがいえる。すなわち,ビー
トの振幅(強さ)を監視することで,妨害波抑圧効果の
大小を判定することができる。したがって,ビートの振
幅の監視によって同一チャンネル(周波数帯)にある妨
害波を希望波よりも小さく減衰させることができる。
【0140】次に,その動作を説明する。先ず,送信機
Tx(周波数F1’)からの電波は方向性結合器121
を経て送信アンテナ101により空間に放射される。こ
のとき,空間に放射された電波(送信波)の一部が受信
アンテナ105に回り込んで希望波F1の妨害波とな
る。
【0141】方向性結合器121から分岐した妨害波F
1’は,電圧可変移相器123と電圧可変減衰器124
でその位相と振幅が調整され,方向性結合器125-1
おいて受信アンテナ105で受信した希望波F1と妨害
波F1’の混合波と合成される。
【0142】合成の結果(希望波と妨害波の打ち消し残
査)は,方向性結合器125-2においてその一部が分岐
され,打ち消し残査モニタ受信機201および202へ
供給される。
【0143】打ち消し残査モニタ受信機201と打ち消
し残査モニタ受信機202との違いは,打ち消し残査モ
ニタ受信機201が受信信号強度に対して対数特性を有
し,受信信号レベルの広い変化に応答できるのに対し
て,打ち消し残査モニタ受信機202は受信信号強度に
対して比較的直線性を有し,振幅変動成分を検波するも
のである。
【0144】実施例6では,打ち消し残査モニタ受信機
201は希望波F1と妨害波F1’の混合波レベル(キ
ャリアレベル)を広範囲で検出するのに用い,打ち消し
残査モニタ受信機202はビート振幅(強度)を検出す
るのに用いている。
【0145】打ち消し残査モニタ受信機201の出力
は,低域通過フィルタ203を経てさらにアナログ・デ
ジタル変換器205によりマイクロコンピュータ207
へ取り込まれる。マイクロコンピュータ207は,打ち
消し残査モニタ受信機201の出力(希望波F1と妨害
波F1’の混合波レベル)を最小にするようにデジタル
・アナログ変換器133,134を制御する。
【0146】ただし,この制御だけでは,妨害波の抑圧
を希望波のレベルと同程度のレベルにしか抑えることが
できない。
【0147】したがって,さらに妨害波を抑圧するため
に,以下の処理を行う。なお,ここまでの処理によっ
て,妨害波と希望波は数2で規定されたレベルになって
いるので,今度はマイクロコンピュータ207は,打ち
消し残査モニタ受信機202によって検出されたビート
信号を包絡線検波器251によってビート振幅(妨害波
強度)を検波し,さらにLPF204を経てアナログ・
デジタル変換器206により信号を取り込む。
【0148】マイクロコンピュータ207は,この信号
を最小にするようにデジタル・アナログ変換器133,
134を制御する。この制御により,妨害波を希望波の
レベルよりも20〜30dB程度まで低くすることがで
き,希望波信号を高SNで受信できる。
【0149】ところが,ここで一つの問題が発生する虞
がある。もし希望波と妨害波の周波数が同じかまたは非
常に近い場合,ビートの振幅は,希望波と妨害波の位相
差によって0〜2倍の間で直流的または非常にゆっくり
変化し,ビートの振幅を特定することができなくなる。
このときには上記の制御が不可能となってしまう。
【0150】そこで,実施例6では,希望波と妨害波の
周波数が非常に近い場合は,送信波の周波数F1’を法
規の範囲内でズラして,ビート周波数を取扱い易い周波
数に変換することを行う。
【0151】具体的には,DET251の出力を周波数
電圧変換器252に入力し,周波数電圧変換器252で
ビート周波数に比例した直流電圧を生成する。この直流
電圧を作動増幅器253の一方の入力端に印加し,また
他の入力端に基準電圧Erを入力する。さらに作動増幅
器253の出力電圧をTCXO254のオフセット調整
端子に出力する。図示の如く,TCXO254は送信機
Txの周波数F1’を決めるので,作動増幅器253の
出力電圧によって周波数F1’を変えることができる。
したがって,ビート周波数も変えられる。
【0152】例えば,TCXO254は正の電圧で周波
数が高い方に変化し,F1’が希望波周波数F1よりも
高いと仮定した場合,基準電圧Erを200Hzのビー
ト周波数が得られるように設定しておけば,ビート周波
数が下がったとき,作動増幅器253の出力電圧は上昇
するので,TCXO254は高い周波数で発振し,結果
として送信機Txの周波数F1’も高くなり,ビート周
波数が元の値に接近する。すなわち,ファードバック制
御が行われる。
【0153】一方,ビート周波数が上がった場合は,送
信機Txの周波数F1’が低くなりビート周波数が元の
値に戻る。
【0154】このようにしてビート周波数を取扱い易い
周波数に変換することで,さらに確実に,妨害波を希望
波レベル以下に抑圧し,十分なS/N改善効果を得るこ
とができる。
【0155】〔実施例7〕図11は,実施例7の妨害波
除去装置260の構成を示すブロック図である。なお,
実施例7は実施例6の妨害波除去装置250の変形例を
示し,実施例6では,周波数電圧変換器等のハードウェ
アから直接TCXOを制御したが,実施例7では,波形
整形器261の出力をマイクロコンピュータ207に取
込み,マイクロコンピュータ207のソフトウェアの判
断によってビート周波数を適宜変えるべく,デジタル・
アナログ変換器262を介してTCXO263を制御す
るものである。
【0156】図において,DET251のビート出力を
波形整形器261でパルス信号に変換して,マイクロコ
ンピュータ207の入力ポートから直接周波数として取
り込んでいる。TCXO263の周波数オフセットはデ
ジタル・アナログ変換器262の出力電圧で行う。
【0157】この方法では,ビート周波数の履歴をマイ
クロコンピュータ207内のメモリに記憶させておける
ので,TCXO262の制御を統計的に処理したり,周
波数の設定をきめ細かく行い,送信機Txの周波数を必
要以上にシフトすることを軽減できる利点がある。
【0158】〔実施例8〕図12は,実施例8の妨害波
除去装置270の構成を示すブロック図である。なお,
実施例8は実施例6の妨害波除去装置250の変形例を
示し,送信機TxがFM変調方式であるので,変調信号
にトーン信号を付加することによりビート振幅の検出を
確実に行うようにしたものである。
【0159】送信機Txの変調信号として,音声信号や
符号の他に音声信号(符号)帯域以下の,例えば,発振
器271からのトーン信号を一緒に加えて変調する。す
ると音声(符号)が途絶えても,トーン信号によって送
信機Txから放射される電波の周波数は常に変動してい
るので,希望波の周波数とまったく同じになる確率は殆
どなくなる。したがって,この簡単な構成によっても,
実施例6と同様の効果を得ることができる。
【0160】なお,トーン信号の周波数は,音声(符
号)と干渉を起こさないようにするために,10Hz〜
300Hz程度に限定することが好ましい。
【0161】
【発明の効果】以上説明したように,本発明の妨害波除
去装置(請求項1乃至6)は,送信波の一部を,その位
相とレベルの少なくとも一方を調整した後,受信側に注
入することによって,アンテナを介して混入する妨害波
となる送信波成分をキャンセルする際に,前記送信波に
識別用のパイロット信号を重畳するように構成したの
で,妨害波の識別が可能となり,妨害波を希望波レベル
以下に抑圧することができる。従って,例えば妨害波が
受信チャンネルと同一チャンネル内にあっても,これを
抑圧し希望の信号を高い品質で受信することができる。
換言すれば,同一チャンネル妨害波においても,希望波
レベル以下に抑圧し,十分なS/N改善効果をもった妨
害波除去装置を提供することができる。
【0162】また,本発明の妨害波除去装置(請求項7
乃至14)は,妨害波となる送信側の送信波に妨害波識
別用の識別信号を添加する識別信号添加手段と,受信側
において受信した希望波および識別信号が添加された妨
害波を相殺除去手段で相殺除去した後の信号を入力し,
識別信号のレベルを検出する識別信号検出手段と,識別
信号検出手段で検出した識別信号のレベルに基づいて,
相殺除去手段を制御する相殺制御手段と,を備え,相殺
制御手段が識別信号検出手段で検出した識別信号のレベ
ルの強さを妨害波の判定信号として用いて,識別信号の
強さが最小になるように制御するため,妨害波の識別が
可能となり,妨害波を希望波レベル以下に抑圧すること
ができる。従って,例えば妨害波が受信チャンネルと同
一チャンネル内にあっても,これを抑圧し希望の信号を
高い品質で受信することができる。換言すれば,同一チ
ャンネル妨害波においても,希望波レベル以下に抑圧
し,十分なS/N改善効果をもった妨害波除去装置を提
供することができる。
【0163】また,本発明の妨害波除去装置(請求項1
5乃至17)は,受信側において受信した希望波および
妨害波を相殺除去手段で相殺除去した後の信号を入力
し,受信した妨害波と希望波との周波数差よりなるビー
ト信号を検出するビート信号検出手段と,ビート信号検
出手段で検出したビート信号の強さに基づいて,相殺除
去手段を制御する相殺制御手段と,を備え,相殺制御手
段がビート信号検出手段で検出したビート信号の強さを
妨害波の判定信号として用いて,ビート信号の強さが最
小になるように制御するため,妨害波を希望波レベル以
下に抑圧することができる。従って,例えば妨害波が受
信チャンネルと同一チャンネル内にあっても,これを抑
圧し希望の信号を高い品質で受信することができる。換
言すれば,同一チャンネル妨害波においても,希望波レ
ベル以下に抑圧し,十分なS/N改善効果をもった妨害
波除去装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の妨害波除去装置の実施例1を示すブロ
ック図である。
【図2】実施例1の妨害波除去装置の構成を示すブロッ
ク図である。
【図3】実施例1におけるモニタ受信機および検波回路
のブロック構成図である。
【図4】実施例1係る妨害除去装置の動作を説明するた
めの検波出力波形図の例を示す図であって,(a)は対
数検波における振幅変調成分の出力波形図であり,
(b)は直性検波に置ける振幅変調成分の出力波形図で
ある。
【図5】図3の検波回路に代えてデジタル復調回路を採
用した例を示すブロック構成図である。
【図6】実施例2の妨害波除去装置の構成を示すブロッ
ク図である。
【図7】実施例3の妨害波除去装置の構成を示すブロッ
ク図である。
【図8】実施例4の妨害波除去装置の構成を示すブロッ
ク図である。
【図9】実施例5の妨害波除去装置の構成を示すブロッ
ク図である。
【図10】実施例6の妨害波除去装置の構成を示すブロ
ック図である。
【図11】実施例7の妨害波除去装置の構成を示すブロ
ック図である。
【図12】実施例8の妨害波除去装置の構成を示すブロ
ック図である。
【図13】従来の無線送受信機間妨害防止方法の原理を
説明するためのブロック構成図である。
【図14】従来の妨害波除去装置の一実施例を示すブロ
ック構成図である。
【図15】従来のモニタ受信機の一実施例を示すブロッ
ク構成図である。
【符号の説明】
100 実施例1の妨害波除去装置 101 送信アンテナ 105 受信アンテナ 111 送信
ケーブル 112 高周波電力増幅器 113 合成
器 114-1,114-2,‥‥114-n 送信機 115 受信ケーブル 116 分配
器 117-1,117-2,‥‥117-n 受信機 121,125-1,125-2 方向性結合器 122 同軸ケーブル 123 電圧
可変移相器 124 電圧可変減衰器 126,140
モニタ受信機 127,131,132,160 アナログ・デジタ
ル変換器 128 マイクロコンピュータ 129,130
電圧設定器 133,134 デジタル・アナログ変換器 135 自動調整装置 141 高周
波増幅器 142 混合器 143 局部
発振噐 144 バンドパスフィルタ 145 中間
周波数増幅器 146 対数検波器 151 直線
形検波器 152 交流/直流変換器 170 デジ
タル復調回路 200 実施例2の妨害波除去装置 201 打ち消し残査モニタ受信機 202 打ち
消し残査モニタ受信機 203,204 低域通過フィルタ(LPF) 205,206 アナログ・デジタル変換器 207 打ち消し制御マイクロコンピュータ 208 包絡線検波器(DET) 209 固定
遅延器 210 掛算器 220 実施例3の妨害波除去装置 221 TCXO(温度補償基準発振器) 222 デジタル・アナログ変換器 230 実施例4の妨害波除去装置 231 振幅変調器(MOD) 232 発振
器 240 実施例5の妨害波除去装置 241 電圧可変発振器(VCO) 242 電圧可変遅延器 243,244 デジタル・アナログ変換器 250 実施例6の妨害波除去装置 251 包絡線検波器 252 周波
数電圧変換器 253 作動増幅器 254 TCXO(温度補償基準発振器) 255 波形整形器 256 単安定マルチバイブレータ 257 積分器 260 実施例7の妨害波除去装置 261 波形整形器 262 デジ
タル・アナログ変換器 263 TCXO(温度補償基準発振器) 260 実施例7の妨害波除去装置 271 発振器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大場 徳喜 埼玉県大宮市宮ケ谷塔4丁目72番地 アン テナ技研株式会社内 (72)発明者 名倉 悟 埼玉県大宮市宮ケ谷塔4丁目72番地 アン テナ技研株式会社内

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の無線送信機と受信機が個別のアン
    テナに接続され近接配置された無線装置に適用されると
    共に,前記送信機と送信用アンテナとの間から送信波の
    一部を導出する高周波分岐手段と,該分岐した高周波信
    号の位相とレベルの少なくとも一方を調整し,前記受信
    機と受信用アンテナ間のケーブルに注入することによっ
    て,前記送信用アンテナから発射され,受信用アンテナ
    を経て受信機に流入する信号を相殺除去する相殺除去手
    段と,前記相殺後の送信波信号レベルを監視するための
    モニタ受信手段とを備えた妨害波除去装置であって,更
    に,前記送信波をパイロット信号によって変調する送信
    波変調手段を備えると共に,前記モニタ受信手段におい
    て前記送信波の変調成分を検出し,該変調信号成分レベ
    ルが小さくなるように前記高周波信号の位相又は/及び
    振幅を調整するように構成したことを特徴とする妨害波
    除去装置。
  2. 【請求項2】 複数の無線送信機と受信機が個別のアン
    テナに接続され近接配置された無線装置に適用されると
    共に,前記送信機と送信用アンテナとの間から送信波の
    一部を導出する高周波分岐手段と,該分岐した高周波信
    号の位相とレベルの少なくとも一方を調整し,前記受信
    機と受信用アンテナ間のケーブルに注入することによっ
    て,前記送信用アンテナから発射され,受信用アンテナ
    を経て受信機に流入する信号を相殺除去する相殺除去手
    段と,前記相殺後の送信波信号レベルを監視するための
    モニタ受信手段とを備えた妨害波除去装置であって,更
    に,前記送信波をパイロット信号によって振幅変調する
    振幅変調手段を備えると共に,前記モニタ受信手段にお
    いて前記送信波の振幅変調成分を検出し,該振幅成分レ
    ベルが小さくなるように前記高周波信号の位相又は/及
    び振幅を調整するように構成したことを特徴とする妨害
    波除去装置。
  3. 【請求項3】 複数の無線送信機と受信機が個別のアン
    テナに接続され近接配置された無線装置に適用されると
    共に,前記送信機と送信用アンテナとの間から送信波の
    一部を導出する高周波分岐手段と,該分岐した高周波信
    号の位相とレベルの少なくとも一方を調整し,前記受信
    機と受信用アンテナ間のケーブルに注入することによっ
    て,前記送信用アンテナから発射され,受信用アンテナ
    を経て受信機に流入する信号を相殺除去する相殺除去手
    段と,前記相殺後の送信波信号レベルを監視するための
    モニタ受信手段とを備えた妨害波除去装置であって,更
    に,前記分岐した送信波をパイロット信号によって変調
    する送信波変調手段を備えると共に,前記モニタ受信手
    段において前記送信波の変調成分を検出し,該変調信号
    成分レベルが小さくなるように前記高周波信号の位相又
    は/及び振幅を調整するように構成したことを特徴とす
    る妨害波除去装置。
  4. 【請求項4】 複数の無線送信機と受信機が個別のアン
    テナに接続され近接配置された無線装置に適用されると
    共に,前記送信機と送信用アンテナとの間から送信波の
    一部を導出する高周波分岐手段と,該分岐した高周波信
    号の位相とレベルの少なくとも一方を調整し,前記受信
    機と受信用アンテナ間のケーブルに注入することによっ
    て,前記送信用アンテナから発射され,受信用アンテナ
    を経て受信機に流入する信号を相殺除去する相殺除去手
    段と,前記相殺後の送信波信号レベルを監視するための
    モニタ受信手段とを備えた妨害波除去装置であって,更
    に,前記分岐した送信波をパイロット信号によって振幅
    変調する振幅変調手段を備えると共に,前記モニタ受信
    手段において前記送信波の振幅変調成分を検出し,該振
    幅成分レベルが小さくなるように前記高周波信号の位相
    又は/及び振幅を調整するように構成したことを特徴と
    する妨害波除去装置。
  5. 【請求項5】 前記モニタ受信手段が,高周波増幅器
    と,中間周波数に変換する周波数変換手段と,中間周波
    数増幅器と,前記中間周波数信号を対数的に検波する対
    数検波手段と,分岐した前記中間周波数信号を直線的に
    検波する直線検波手段と,前記対数検波手段の出力また
    は前記直線検波手段の出力が小さくなるように前記高周
    波信号の位相または/及びレベルを調整する調整手段と
    を備えたことを特徴とする請求項1,2,3または4記
    載の妨害波除去装置。
  6. 【請求項6】 前記モニタ受信手段によって監視する信
    号レベルが所定以上においては前記対数検波手段の出力
    が小さくなるように,また監視する信号レベルが所定以
    下においては前記直線検波手段の出力が小さくなるよう
    に,前記高周波信号の位相または/及びレベルを調整す
    るように構成したことを特徴とする請求項5記載の妨害
    波除去装置。
  7. 【請求項7】 希望波と同一チャンネルまたは略同一周
    波数の妨害電波または妨害搬送波を除去する妨害波除去
    装置であって,送信側の送信波の一部を導出する高周波
    分岐手段と,該分岐した高周波信号の位相とレベルの少
    なくとも一方を調整し,受信側のケーブルに注入するこ
    とによって,前記送信側から送出されて受信側に流入す
    る信号を相殺除去する相殺除去手段と,前記相殺後の送
    信波信号レベルを監視するためのモニタ受信手段とを備
    えた妨害波除去装置において,妨害波となる送信側の送
    信波に妨害波識別用の識別信号を添加する識別信号添加
    手段と,受信側において受信した前記希望波および前記
    識別信号が添加された妨害波を前記相殺除去手段で相殺
    除去した後の信号を入力し,前記識別信号のレベルを検
    出する識別信号検出手段と,前記識別信号検出手段で検
    出した識別信号のレベルに基づいて,前記相殺除去手段
    を制御する相殺制御手段と,を備え,前記相殺制御手段
    が前記識別信号検出手段で検出した識別信号のレベルの
    強さを妨害波の判定信号として用いて,前記識別信号の
    強さが最小になるように制御することを特徴とする妨害
    波除去装置。
  8. 【請求項8】 前記識別信号は,周波数が一定または周
    期的に変化するトーンまたは符号であることを特徴とす
    る請求項7記載の妨害波除去装置。
  9. 【請求項9】 前記識別信号は,妨害波となる送信側の
    送信波の振幅変調成分または変調器出力における被変調
    波の振幅変調成分であることを特徴とする請求項7記載
    の妨害波除去装置。
  10. 【請求項10】 前記相殺制御手段は,始動時には,先
    ず前記モニタ受信手段の妨害波の電界(キャリア)強度
    の信号強度を監視しながら,前記希望波および妨害波の
    合計受信電界強度信号が最小となるように前記相殺除去
    手段を制御し,その後,前記識別信号検出手段で検出し
    た識別信号のレベルの強さを妨害波の判定信号として用
    いて,前記識別信号の強さが最小になるように制御する
    ことを特徴とする請求項7記載の妨害波除去装置。
  11. 【請求項11】 前記識別信号は,伝送音声帯域以下の
    周波数信号または符号による振幅変調か,伝送音声帯域
    以上の周波数信号または符号による振幅変調,振幅成分
    を持つデジタル変調信号の何れかを利用したものであ
    り,前記相殺制御手段は,前記送信側から送信波の電界
    (キャリア)強度を入力し,該送信波の電界強度と前記
    識別信号検出手段で検出した識別信号との加算信号強度
    に基づいて,前記識別信号の強さが最小になるように制
    御することを特徴とする請求項7記載の妨害波除去装
    置。
  12. 【請求項12】 前記送信側の送信波の変調形態が振幅
    変動成分を持つデジタル変調方式であった場合,該振幅
    変動成分を前記識別信号として用いることを特徴とする
    請求項11記載の妨害波除去装置。
  13. 【請求項13】 前記希望波と妨害波の作るビート周波
    数が前記識別信号の周波数と同等または極端に接近した
    場合,前記送信側の送信波の基準周波数を変化させ,前
    記ビート周波数を前記識別信号の周波数から遠ざけるこ
    とを特徴とする請求項7,8,9,10,11または1
    2記載の妨害波除去装置。
  14. 【請求項14】 前記相殺制御手段は,前記妨害波と希
    望波の作るビート周波数が前記識別信号の周波数に非常
    に近い場合,前記送信側の識別信号の周波数を変化さ
    せ,前記ビート周波数から遠ざけることを特徴とする請
    求項7記載の妨害波除去装置。
  15. 【請求項15】 希望波と同一チャンネルまたは略同一
    周波数の妨害電波または妨害搬送波を除去する妨害波除
    去装置であって,送信側の送信波の一部を導出する高周
    波分岐手段と,該分岐した高周波信号の位相とレベルの
    少なくとも一方を調整し,受信側のケーブルに注入する
    ことによって,前記送信側から送出されて受信側に流入
    する信号を相殺除去する相殺除去手段と,前記相殺後の
    送信波信号レベルを監視するためのモニタ受信手段とを
    備えた妨害波除去装置において,受信側において受信し
    た希望波および妨害波を前記相殺除去手段で相殺除去し
    た後の信号を入力し,受信した妨害波と希望波との周波
    数差よりなるビート信号を検出するビート信号検出手段
    と,前記ビート信号検出手段で検出したビート信号の強
    さに基づいて,前記相殺除去手段を制御する相殺制御手
    段と,を備え,前記相殺制御手段が前記ビート信号検出
    手段で検出したビート信号の強さを妨害波の判定信号と
    して用いて,前記ビート信号の強さが最小になるように
    制御することを特徴とする妨害波除去装置。
  16. 【請求項16】 前記相殺制御手段は,前記妨害波と希
    望波の作るビート周波数の強さが0または非常に低い場
    合,前記送信側の送信波の基準周波数を変化させ,前記
    ビート周波数を数Hz〜数KHzの範囲内で適宜調整す
    ることを特徴とする請求項15記載の妨害波除去装置。
  17. 【請求項17】 送信側において,FM(周波数変調)
    送信機の変調信号(音声,符号)と共に,周波数を10
    Hz〜300Hz程度に限定する範囲内のトーン信号を
    添加することを特徴とする請求項15または16記載の
    妨害波除去装置。
JP3529096A 1995-02-22 1996-02-22 妨害波除去装置 Pending JPH08293807A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3529096A JPH08293807A (ja) 1995-02-22 1996-02-22 妨害波除去装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP7-33642 1995-02-22
JP3364295 1995-02-22
JP3529096A JPH08293807A (ja) 1995-02-22 1996-02-22 妨害波除去装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08293807A true JPH08293807A (ja) 1996-11-05

Family

ID=26372365

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3529096A Pending JPH08293807A (ja) 1995-02-22 1996-02-22 妨害波除去装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08293807A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010041291A (ja) * 2008-08-04 2010-02-18 Kddi Corp 無線通信装置
CN112313529A (zh) * 2019-11-05 2021-02-02 深圳市大疆创新科技有限公司 同频干扰抑制方法、线性调频连续波雷达、移动平台和存储介质

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010041291A (ja) * 2008-08-04 2010-02-18 Kddi Corp 無線通信装置
CN112313529A (zh) * 2019-11-05 2021-02-02 深圳市大疆创新科技有限公司 同频干扰抑制方法、线性调频连续波雷达、移动平台和存储介质

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7769358B2 (en) Radio system, radio transmitter, and radio receiver
US4317217A (en) Tag generator for a same-frequency repeater
EP0729230A1 (en) Zero intermediate frequency receiver
US7496063B2 (en) Time division multiplexing radio system for controlling transmission power
JPH08505495A (ja) バンドパスフィルタを同調させるための装置および方法
JP2005341579A (ja) 妨害信号抑制のための制御を行う送受信装置
CA2051880A1 (en) Automatic frequency control system and method for frequency-shift-key data transmission systems
EP0087123B1 (en) Enhanced selectivity signal receiver
EP1869779B1 (en) Receiver for receipt and demodulation of a frequency modulated rf signal and method of operation therein
US20100285765A1 (en) Signal analysis for an improved detection of noise from an adjacent channel
JP2012244356A (ja) 基地局及び受信方法
KR101040256B1 (ko) 방탐 정확도가 향상된 신호 방향 탐지 시스템 및 그 방법
CN1938958A (zh) Am接收电路
JP2008219364A (ja) マイクロ波中継受信装置
CN107210768B (zh) 载噪比检测电路以及接收电路
JPH08293807A (ja) 妨害波除去装置
JP6500571B2 (ja) 信号伝送装置及び信号伝送方法
JP7164377B2 (ja) 無線機
US8498596B2 (en) FM signal quality measurement
EP0917286A2 (en) Method and apparatus for providing a squelch function on narrow band radio receivers
JP4563232B2 (ja) 線路状態検出装置、通信装置、平衡伝送システム、及び線路状態検出方法
US6567646B1 (en) Method and apparatus in a radio communication system
RU213785U1 (ru) Устройство передачи и приёма сигналов высокочастотных защит и команд релейной защиты и противоаварийной автоматики
JPH07235894A (ja) 無線通信装置の妨害波除去装置
KR100374488B1 (ko) 이미지 혼신 제거 수신 장치