JPH08291323A - レーザ焼入れ装置 - Google Patents

レーザ焼入れ装置

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JPH08291323A
JPH08291323A JP7116576A JP11657695A JPH08291323A JP H08291323 A JPH08291323 A JP H08291323A JP 7116576 A JP7116576 A JP 7116576A JP 11657695 A JP11657695 A JP 11657695A JP H08291323 A JPH08291323 A JP H08291323A
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laser beam
laser
lens unit
hardening
offset
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Yoshimi Nakayama
好巳 中山
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 レーザビームのオフセセット量の最大化を図
り、レーザビームの出力を上げることなくより深い硬化
層が得られるレーザー焼入れ装置を提供する。 【構成】 レーザヘッドKに、レーザビームUを集束す
るレンズユニット10と、このレンズユニット10によ
り集束されたレーザビームUを反射させてワークWの焼
入れ部W1を照射するレーザビーム反射ミラー33を有
する反射ミラー機構部11とをそれぞれ独立させて設け
て、この反射ミラー機構部11に対して前記レンズユニ
ット10をオフセット可能にした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザによる表面焼入
れ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のレーザ焼入れ方法を開示した特開
昭61−284519号公報には、このレーザ焼入れ方
法に使用するレーザ焼入れ装置が開示してある。このレ
ーザ焼入れ装置は、レーザヘッド(レンズとこのレンズ
を保持するレンズ保持部材とで構成)の下側に反射ミラ
ー保持部材を固着して、この反射ミラー保持部材に反射
ミラーを装着したものであり、この反射ミラー部分をワ
ークに挿入して、このワークの内径部に形成された歯部
の歯面にレーザビームを照射して、この歯面に焼入れを
施すようにしたものである。
【0003】また、ワークの焼入れ部に対してレーザビ
ームの入射角が大きいとレーザビームの反射を抑えるこ
とでができ、深い硬化層が得られることは公知である。
また、一般には、面圧に耐えられるだけの硬化層を得る
ために(=入射角を大きくするために)、レーザヘッド
の軸心をワークの軸心から偏心(いわゆるオフセット)
させることも公知である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
レーザ焼入れ装置にあっては、ワークの内周面とレーザ
ヘッドの外周面とが接触するぎりぎりの位置までオフセ
ットを行ったとしても、反射ミラーの中央部でレーザビ
ームを反射していて、しかもレーザヘッドと反射ミラー
とが一体となって動くため、レーザビームは反射ミラー
に対してオフセットを行う余裕がありながら、レーザヘ
ッドはこの位置でオフセット量を制限されており、レー
ザビームのオフセット量の最大化を図ることができなか
った。したがって、より深い硬化層を得るにはレーザビ
ームの出力を上げたり、照射時間を長くしなければなら
なかった。
【0005】また、仮に、反射ミラーをできる限り小さ
くすることでレーザヘッドのオフセット量を大きくしよ
うとしても、一般に反射ミラーは、レーザビームの焦点
調整のために、レーザビームの径よりも余裕を持って大
きく製作されている。
【0006】このため、レーザヘッドの外周面がワーク
の内周面に接触するところまでオフセットしたとして
も、やはりレーザビームは反射ミラーに対してオフセッ
トする余裕がありながらも、レーザヘッドのオフセット
量はこの位置で制限されており、オフセット量の最大化
を図ることはできなかった。
【0007】本発明は上述の問題に着目してなされたも
ので、レーザビームのオフセセット量の最大化を図り、
レーザビームの出力を上げることなくより深い硬化層が
得られるレーザー焼入れ装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明に係わるレーザ焼入れ装置は、レ
ーザビームを発生するレーザビーム発生手段と、レーザ
ビームを集束するレンズユニットと、このレンズユニッ
トにより集束されたレーザビームを反射させてワークの
焼入れ部を照射するレーザビーム反射手段とを備えたレ
ーザ焼入れ装置において、前記レーザビーム反射手段の
軸心に対して前記レンズユニットの軸心をオフセット可
能にしたことを特徴とする。
【0009】また、上記の目的を達成するために、請求
項2の発明に係わるレーザ焼入れ装置は、請求項1の発
明に係わるレーザ焼入れ装置において、前記ワークの焼
入れ部は、内径側に形成された歯部の歯面であることを
特徴とする。
【0010】また、上記の目的を達成するために、請求
項3の発明に係わるレーザ焼入れ装置は、請求項1の発
明に係わるレーザ焼入れ装置において、レーザヘッド
に、レーザビームを集束するレンズユニットと、このレ
ンズユニットにより集束されたレーザビームを反射させ
てワークの歯部の歯面を照射するレーザビーム反射手段
とを備えたレーザ焼入れ装置において、前記レンズヘッ
ドに、前記レンズユニットを担持すると共に、左右方向
に移動可能な担持体と、焼入れ時には、前記担持体を移
動することによりオフセットを行う移動操作手段とを設
けたことを特徴とする。
【0011】
【作用】請求項1記載のレーザ焼入れ装置にあっては、
レンズユニットで集束されたレーザビームは、レーザビ
ーム反射手段によって反射され、レンズユニットの外部
のワーク焼入れ部に照射される。そして、オフセットし
て焼入れを行う場合には、少なくとも、レーザビーム
は、レンズユニットによってレーザビーム反射手段に対
してオフセットされて集束される。
【0012】このため、従来の、レンズユニットとレー
ザビーム反射手段とが一体となってオフセットを行うも
のに比べて、レーザ反射手段のオフセット量が制限され
たとしても、レーザビームのオフセット量を大きく設定
することが可能となる。したがって、ワークの焼入れ部
に対してレーザビームの入射角を大きく設定することが
でき、レーザビームの出力を上げたり、照射時間を長く
することなく、面圧に耐え得るだけの深い効果層を得る
ことができる。
【0013】また、レーザ反射手段ができる限り小さく
作ってあったとしても、レーザ反射手段における余裕分
(焦点調整用)までレーザビームをオフセットすること
ができるので、レーザビームのオフセット量をより大き
く設定することが可能となる。
【0014】また、請求項2記載のレーザ焼入れ装置に
あっては、少なくとも、レーザビームは、レーザユニッ
トによってレーザビーム反射手段に対してオフセットさ
れて集束され、ワークの歯部の歯面に照射される。
【0015】このため、レーザヘッドのオフセット量が
ワーク内経に接触するところで制限されたとしても、レ
ーザビームのオフセット量を大きく設定することが可能
となる。したがって、歯面に対しレーザビームの入射角
をより大きくすることができ、レーザビームの出力を上
げたり、照射時間を長くすることなく面圧に耐え得るだ
けの深い硬化層を得ることができる。
【0016】また、請求項3記載のレーザ焼入れ装置に
あっては、レンズユニットで集束されたレーザビーム
は、レーザビーム反射手段によっ反射され、レンズユニ
ットの外部のワーク焼入れ部に照射される。そして、オ
フセットして焼入れを行う場合には、レーザヘッドの移
動操作手段が、レンズユニットを担持する担持体を左右
方向に移動させるため、レーザビームは、レンズユニッ
トによってのみ、オフセットされてワークの歯部の歯面
に照射される。
【0017】このため、ワークとレーザビーム反射手段
との間の、ワークのレーザビーム反射手段との接触防止
用に設けられる隙間は、レーザビーム反射手段がオフセ
ットするものに比べ小さくてよく、レンズユニット及び
レーザビーム反射手段の両方がオフセットするもに比べ
て、レーザビームのオフセット量をより大きく設定する
ことが可能となり、歯面に対しレーザビームの入射角を
より大きくすることが可能となる。
【0018】したがって、レーザビームの出力を上げた
り、照射時間を長くすることなく面圧に耐え得るだけの
硬化層を得ることができる。また、レーザヘッドの位置
決めは、レーザヘッドの一回の心出しにて可能になる。
【0019】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。図1は本発明に係わるレーザ焼入れ装置の正面
図、図2は同レーザ焼入れ装置の側面図、図3は同レー
ザ焼入れ装置におけるレーザ焼入れ治具の縦断面図、図
4は図3のA−A線に沿う断面図、図5は図3のB−B
線に沿う断面図、図6は図3のC−C線方向からの矢視
図である。
【0020】本発明に係わるレーザ焼入れ装置はベース
1を備えており、このベース1にはコラム2が立設して
あり、このコラム2にスライド機構3を介して上下方向
(Z軸方向)に移動可能にZ軸スライドヘッド4が設け
てあり、前記コラム2には前記Z軸スライドヘッド4の
上下動作を制御するZ軸側の作動モーター5L、5Rが
装置されている。また、前記Z軸スライドヘッド4の前
面部には左右方向(X軸方向)に移動可能に担持体であ
るX軸スライドヘッド6が設けてあり、Z軸スライドヘ
ッド4の下部には治具保持部材7が取り付けてある。そ
して、前記コラム2には前記X軸スライドヘッド6の左
右動作を制御する移動操作手段であるをX軸側の作動モ
ーター8L、8Rが装置されている。そして、前記Z軸
スライドヘッド4と担持体であるX軸スライドヘッド6
と治具保持部材7等でレーザヘッドKを構成している。
【0021】図3乃至図9にレーザ焼入れ治具9を示
す。このレーザ焼入れ治具9は、大別して、前記X軸ス
ライドヘッド6側に装着されるオフセット可能なレンズ
ユニット10と、前記治具保持部材7に保持されたレー
ザビーム反射手段である反射ミラー機構部11とから構
成されている。
【0022】前記レンズユニット10はレンズ保持部材
12を備えており、このレンズ保持部材12はレンズ保
持筒13の上部にこのレンズ保持筒13より小径のレー
ザビームファイバー保持部14を形成して構成してあ
り、このレーザビームファイバー保持部14の軸線イは
前記レンズ保持筒13の軸線ロの延長上に位置してお
り、これらの軸線イ、ロ上にレーザビーム導路15が形
成してある。
【0023】そして、前記レンズ保持筒13には、その
上側にレンズホルダー16Aを介して凸レンズ17が、
下側にレンズホルダー16Bを介してシリンドリカルレ
ンズ18がそれぞれ上下方向に調整可能に装着してあ
り、前記凸レンズ17及びシリンドリカルレンズ18は
前記レーザビーム路15上に位置している。また、前記
レンズ保持筒13の下端面は摺動面19に成されてお
り、この摺動面19にはOリング溝部20が形成してあ
り、このOリング溝部20にOリング21が装着してあ
る。また、前記レンズ保持部材12に後部には取付座部
22が設けてある。
【0024】前記反射ミラー機構部11は保持筒23A
とこの保持筒23Aの下端部に連結された反射ミラー保
持部材23Bを備えており、前記保持筒23Aは、図
3、図7に示すようにその上端部に鍔部24を有してお
り、この鍔部24の上面部が摺動面部25になされてい
る。また、図9に示すようにミラー保持部材23Bの上
部には閉塞面部26が設けてあり、この閉塞面部26に
は、前記ミラー保持部材23Bの軸線ハを挟んだ左右位
置させて、この軸線ハから等間隔に開口部27、28が
形成してある。
【0025】また、前記ミラー保持部材23Bの下端部
は、このミラー保持部材23の軸線ハに対して45度に
傾斜した傾斜部29になされており、この傾斜部29は
ミラー保持部材23Bの後側に向けてある。そして、ミ
ラー保持部材23Bの傾斜部29とは反対側である前側
部位30には切欠き部から成る左右のレーザビーム出口
31、32が形成してある。そして、前記ミラー保持部
材23の傾斜部29にはレーザビーム反射ミラー33が
取り付けてある。
【0026】上記のように構成されたレーザ焼入れ治具
9において、前記レンズユニット10は、その取付座部
22で前記X軸スライドヘッド6に取り付けられてい
て、このレンズユニット10のレーザビームファイバー
保持部14にはレーザ発振装置(YAGレーザ発振器)
70の出力側から導出されたレーザビームファイバー3
4の端部が固着保持されている。また、前記反射ミラー
機構部11は前記治具保持部材7に固着保持されてい
る。そして、前記レンズユニット10の前記レンズ保持
筒13の下端面の摺動面19が、前記反射ミラー機構部
11の保持筒23Aの上端の摺動面部25に左右方向に
摺動可能に当接しており、前記レンズ保持筒13の前側
下部にはストッパー37が固着してあり、このストッパ
ー37は前記保持筒23Bの前面部に摺接している。
【0027】前記ベース1にはターンテーブル35が設
置されており、このターンテーブル35の上面部にワー
ク固定治具36が設けてある。
【0028】前記ワークWは、図10に示すように例え
ば遊星歯車装置のキャリヤ40であり、このキャリヤ4
0のボス部41に内周部に形成されたスプライン42の
焼入れを行う。
【0029】次に、上記のように構成されたレーザ焼入
れ装置による前記ワークWの焼入れを説明する。
【0030】前記ワークWは、図10に示すようにその
ボス部41を上にして、前記ターンテーブル35の上面
部にワーク固定治具36を介して固定される。この場
合、前記ワークWの中心を通る軸線ホが、前記反射ミラ
ー機構部11の反射ミラー保持部材23Bの軸線ハに一
致している。そして、前記ターンテーブル35の回転に
より、前記ワークWは前記軸線ホを中心にして回転す
る。
【0031】また、Z軸側の作動モーター5L、5Rを
駆動制御することにより、前記スライド機構3を介して
Z軸スライドヘッド4を上下方向(Z軸方向)に移動し
て、前記レーザ焼入れ治具9を上下方向に移動させるこ
とができ、また、X軸側の作動モーター8L、8Rを駆
動制御することにより前記X軸スライドヘッド6を左右
方向(X軸方向)に移動させて、前記レーザ焼入れ治具
9の前記レンズユニット10を左右方向に移動させ、前
記レーザビームUの中心Xを左右にオフセット(オフセ
ット量は左右それぞれにLである。)させることができ
る。
【0032】また、前記レーザ発振装置より出力された
レーザビームUは前記レーザビームファイバー34に導
かれて、その端部34aからレーザビーム導路15を直
進し、前記凸レンズ17で平行ビームにされた後、シリ
ンドリカルレンズ18により一方向のみ集光(楕円形状
の焦点をもつ)されて、前記レーザビーム反射ミラー3
3に至り、このレーザビーム反射ミラー33により反射
されて前記レーザビーム出口31(または32)より出
射される。
【0033】したがって、Z軸側の作動モーター5L
(または5R)を駆動制御することにより、前記スライ
ド機構3を介してZ軸スライドヘッド4を下方向に移動
して、前記レーザ焼入れ治具9を下方向に移動させ、前
記反射ミラー機構部11の反射ミラー保持部材23Bの
下部を前記ワークWのボス部41内に挿入する。
【0034】次に、X軸側の作動モーター8L(または
8R)を駆動制御することにより、前記X軸スライドヘ
ッド6を左方向に移動させて、前記レーザ焼入れ治具9
の前記レンズユニット10を左方向に移動させ、前記レ
ーザビームUの中心XをLだけ左にオフセットさせる。
【0035】例えば、前記ワークWの焼入れ部位W1
が、次の緒元を有するスプラインである場合、図11に
示すようにオフセット量Lを10mmにすると、オフセ
ット量Lが零の場合では、スプライン41の歯面(歯側
壁部)41Aに対するレーザビーム(ビーム幅:3m
m)Uの入射角度は33°12´であり、オフセット量
Lが10mmの場合では、スプライン41の歯面41A
に対するレーザビームUの入射角度は73°23´であ
る。
【0036】スプライン緒元 呼び径 32 モジュール 1.00 歯数 30 圧力角 30° 大径 32H14 小径 30h11 基準ピッチ円直径 30.00
【0037】そして、前記オフセット量Lを5mm〜1
0mmmまで6段階に変化させた場合の焼入れ形状を図
12の(1)〜(6)に示す。この図12の(1)〜
(6)で判明するように前記オフセット量Lが増すにし
たがって焼入れによる硬化層Hが歯面41Aに広がりよ
り深い硬化層が得られる。
【0038】このように、歯面41Aにより深い硬化層
を得る均一に焼入れを行なうためには、レーザビームU
は極力歯面41Aに直角に近づける必要がある。よっ
て、オフセット量Lは大きく取る方がよい。したがっ
て、オフセット量Lを最大値(10mm)にして、前記
レーザ発振装置よりレーザビームUを出力すると、レー
ザビームUは、上記したように凸レンズ17及びシリン
ドリカルレンズ18を経て、前記レーザビーム反射ミラ
ー33に至り、このレーザビーム反射ミラー33により
反射されて前記レーザビーム出口31より出射され、ワ
ークWのスプライン41の歯面41Aを照射する。この
状態で、前記ターンテーブル35を所定の周速度で図1
1に示すように反時計回り方向に回転し、スプライン4
1の右側の歯面41AをレーザビームUにより焼入れす
る。
【0039】このようにしてスプライン41の右側の歯
面41Aの焼入れを終了すると、X軸側の作動モーター
8Rを駆動制御して、前記X軸スライドヘッド6を右方
向に移動させて、前記レーザ焼入れ治具9の前記レンズ
ユニット10を右方向に移動させ、前記レーザビームU
の中心XをLだけ右にオフセットさせる。
【0040】この右のオフセットの場合も、左のオフセ
ットと同様にオフセット量Lを最大値(10mm)にす
る。そして、前記レーザ発振装置よりレーザビームを出
力すると、レーザビームUは、上記したように凸レンズ
17及びシリンドリカルレンズ18を経て、前記レーザ
ビーム反射ミラー33に至り、このレーザビーム反射ミ
ラー33により反射されて前記レーザビーム出口32よ
り出射され、ワークWのスプライン41の左の歯面41
Aを照射する。この状態で、前記ターンテーブル35を
所定の周速度で反時計回り方向に回転し、スプライン4
1の左側の歯面41AをレーザビームUにより焼入れす
る。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載のレ
ーザ焼入れ装置にあっては、レンズユニットで集束され
たレーザビームは、レーザビーム反射手段によって反射
され、レンズユニットの外部のワーク焼入れ部に照射さ
れる。そして、オフセットして焼入れを行う場合には、
少なくとも、レーザビームは、レンズユニットによって
レーザビーム反射手段に対してオフセットされて集束さ
れる。
【0042】このため、従来の、レンズユニットとレー
ザビーム反射手段とが一体となってオフセットを行うも
のに比べて、レーザ反射手段のオフセット量が制限され
たとしても、レーザビームのオフセット量を大きく設定
することが可能となる。したがって、ワークの焼入れ部
に対してレーザビームの入射角を大きく設定することが
でき、レーザビームの出力を上げたり、照射時間を長く
することなく、面圧に耐え得るだけの深い効果層を得る
ことができる。
【0043】また、レーザ反射手段ができる限り小さく
作ってあったとしても、レーザ反射手段における余裕分
(焦点調整用)までレーザビームをオフセットすること
ができるので、レーザビームのオフセット量をより大き
く設定することが可能となる。
【0044】また、請求項2記載のレーザ焼入れ装置に
あっては、少なくとも、レーザビームは、レーザユニッ
トによってレーザビーム反射手段に対してオフセットさ
れて集束され、ワークの歯部の歯面に照射される。
【0045】このため、レーザヘッドのオフセット量が
ワーク内経に接触するところで制限されたとしても、レ
ーザビームのオフセット量を大きく設定することが可能
となる。したがって、歯面に対しレーザビームの入射角
をより大きくすることができ、レーザビームの出力を上
げたり、照射時間を長くすることなく面圧に耐え得るだ
けの深い硬化層を得ることができる。
【0046】また、請求項3記載のレーザ焼入れ装置に
あっては、レンズユニットで集束されたレーザビーム
は、レーザビーム反射手段によっ反射され、レンズユニ
ットの外部のワーク焼入れ部に照射される。そして、オ
フセットして焼入れを行う場合には、レーザヘッドの移
動操作手段が、レンズユニットを担持する担持体を左右
方向に移動させるため、レーザビームは、レンズユニッ
トによってのみ、オフセットされてワークの歯部の歯面
に照射される。
【0047】このため、ワークとレーザビーム反射手段
との間の、ワークのレーザビーム反射手段との接触防止
用に設けられる隙間は、レーザビーム反射手段がオフセ
ットするものに比べ小さくてよく、レンズユニット及び
レーザビーム反射手段の両方がオフセットするもに比べ
て、レーザビームのオフセット量をより大きく設定する
ことが可能となり、歯面に対しレーザビームの入射角を
より大きくすることが可能となる。
【0048】したがって、レーザビームの出力を上げた
り、照射時間を長くすることなく面圧に耐え得るだけの
硬化層を得ることができる。また、レーザヘッドの位置
決めは、レーザヘッドの一回の心出しにて可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わるレーザ焼入れ装置の正面図であ
る。
【図2】同レーザ焼入れ装置の側面図である。
【図3】同レーザ焼入れ装置におけるレーザ焼入れ治具
の縦断面図である。
【図4】図3のA−A線に沿う断面図である。
【図5】図3のB−B線に沿う断面図である。
【図6】図3のC−C線方向からの矢視図である。
【図7】左側オフセット状態におけるレーザ焼入れ治具
の縦断面図である。
【図8】反射ミラー機構部の反射ミラー保持部材の正面
図である。
【図9】同反射ミラー保持部材の平面図である。
【図10】ワークのセット状態の説明図である。
【図11】レーザ焼入れ治具におけるオフセット量と歯
面に対するレーザビームとの関係の説明図である。
【図12】レーザ焼入れ治具におけるオフセット量と歯
面の焼入れ硬化層との関係の説明図である。
【符号の説明】
10 レンズユニット 11 反射ミラー機構部(レーザビーム反射手段) 33 レーザビーム反射ミラー K レーザヘッド U レーザビーム W ワーク W1 焼入れ部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザビームを発生するレーザビーム発
    生手段と、レーザビームを集束するレンズユニットと、
    このレンズユニットにより集束されたレーザビームを反
    射させてワークの焼入れ部を照射するレーザビーム反射
    手段とを備えたレーザ焼入れ装置において、 前記レーザビーム反射手段の軸心に対して前記レンズユ
    ニットの軸心をオフセット可能にしたことを特徴とする
    レーザ焼入れ装置。
  2. 【請求項2】 前記ワークの焼入れ部は、内径側に形成
    された歯部の歯面であることを特徴とする請求項1記載
    のレーザ焼入れ装置。
  3. 【請求項3】 レーザヘッドに、レーザビームを集束す
    るレンズユニットと、このレンズユニットにより集束さ
    れたレーザビームを反射させてワークの歯部の歯面を照
    射するレーザビーム反射手段とを備えたレーザ焼入れ装
    置において、 前記レンズヘッドに、前記レンズユニットを担持すると
    共に、左右方向に移動可能な担持体と、 焼入れ時には、前記担持体を移動することによりオフセ
    ットを行う移動操作手段とを設けたことを特徴とするレ
    ーザ焼入れ装置。
JP11657695A 1995-04-19 1995-04-19 レーザ焼入れ装置 Expired - Lifetime JP3583187B2 (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002030343A (ja) * 2000-07-10 2002-01-31 Hitachi Constr Mach Co Ltd レーザによる歯車の熱処理方法および装置
JP2008055441A (ja) * 2006-08-29 2008-03-13 Yamazaki Mazak Corp レーザ焼入れ装置

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